JP2004266929A - 太陽光エネルギー収集伝送システム - Google Patents

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Shuji Urasaki
修治 浦崎
Masataka Otsuka
昌孝 大塚
Shigeru Makino
滋 牧野
Sunao Takagi
直 高木
Yoshihito Hirano
嘉仁 平野
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Abstract

【課題】マイクロビームの方向精度の規制を緩和し、宇宙からエネルギー伝送する無線ビーム方向に齟齬を生じても地球上の通信設備等に影響を与えず、また宇宙で使用されるマイクロ波アンテナの小型化が図れる太陽光エネルギー収集伝送システムを得る。
【解決手段】宇宙空間において太陽光を収集しこれを源泉とするエネルギーを光域も含むマイクロ波より高い周波数で無線伝送する第1のエネルギー収集・伝送設備1と、この第1のエネルギー収集・伝送設備と地球との間の対流圏の上空でかつ対流圏の近傍に設置され上記第1のエネルギー収集・伝送設備から送られてきた無線エネルギーを収集し上記無線エネルギーをマイクロ波電力に変換して地球に伝送する第2のエネルギー収集・伝送設備8と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、宇宙空間や高高度上空にて太陽光を収集し、そのエネルギーを地球に無線で送電する太陽光エネルギー収集伝送システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来提唱されている太陽光エネルギー収集伝送システムでは、宇宙空間に、広大な太陽電池パネルを展開し、太陽光で発電した電力をマイクロ波に変換した後、巨大なマイクロ波アンテナによってこれを地上に無線送電している。地上ではこのマイクロ波を受電して必要なエネルギーに変換する(例えば非特許文献1、p.116、図5参照)。宇宙空間では太陽光強度が地上より強いためより大電力を発電できる、昼夜の別なく発電できる等の利点を有している。また、マイクロ波を無線送電に使用するのは、大気による減衰が少ない周波数帯であるからである。
【0003】
【非特許文献1】
松本操一 他:「宇宙太陽光発電システム「SOLARBIRD(商標登録)」、〜バッテリレス社会「TeleEnergy社会」の構想〜」,電磁環境工学情報(EMC), No.175, pp.113−119,2002年11月5日
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来提唱されている太陽光エネルギー収集伝送システムは以上のように構成されていたが、次のような問題があった。すなわち、宇宙から地上に無線送電を行う場合、地球上の他の通信設備等に影響を与えないため、宇宙の太陽光エネルギー収集伝送設備は地上の受電設備に対して正確にマイクロ波ビームを照射しなければならない。しかし、宇宙と地上の距離が長いため、極めて厳密なビーム方向精度を求められる。例えば、36000kmの静止軌道に太陽光エネルギー収集伝送設備を設けた場合、地上の受電設備が直径10km程度の面積を有していても、マイクロ波ビームの方向精度は0.01°以下を必要とする。万一、ビーム方向制御に齟齬を生じれば、地球上の他の通信設備に影響を与える。また、マイクロ波ビームのビーム幅も上記ビーム方向精度と同等の値が必要になるので、上記太陽光エネルギー収集伝送設備に広大なマイクロ波送電アンテナを設けなければならない。
【0005】
この発明は上記の課題を解決するためになされたもので、第1の目的はマイクロビームの方向精度を緩和し、地球上の他の通信設備等に影響を与え難い太陽光エネルギー収集伝送システムを得ることにある。
【0006】
また、第2の目的は、宇宙からエネルギーを伝送する無線のビーム方向に齟齬を生じても、地球上の他の通信設備等に影響を与えることのない太陽光エネルギー収集伝送システムを得ることにある。
【0007】
また、第3の目的は、従来提唱されている太陽光エネルギー収集伝送システムにおいて必要とされる、広大なマイクロ波アンテナをより小さいアンテナに置換して、宇宙空間に設備を構築する際の技術的・コスト的な問題を軽減することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的に鑑みこの発明は、宇宙空間において太陽光を収集しこれを源泉とするエネルギーを光域も含むマイクロ波より高い周波数で無線伝送する第1のエネルギー収集・伝送設備と、この第1のエネルギー収集・伝送設備と地球との間の対流圏の上空でかつ対流圏の近傍に設置され上記第1のエネルギー収集・伝送設備から送られてきた無線エネルギーを収集し上記無線エネルギーをマイクロ波電力に変換して地球に伝送する第2のエネルギー収集・伝送設備と、を備えたことを特徴とする太陽光エネルギー収集伝送システムにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示したものである。図1において宇宙空間に設置された太陽光エネルギー収集伝送設備1は太陽電池設備2、ミリ波発振器3、ミリ波送電アンテナ4よりなる。太陽電池設備2は太陽光31を収集して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを用いてミリ波発振器3でミリ波を発生させ、ミリ波送電アンテナ4を用いて地球10側へミリ波32を無線伝送する。
【0010】
地球10の対流圏境界11より上空には(対流圏境界に近い程望ましい)、複数の飛行船5上、またはその飛行船5間に設置されたミリ波用レクテナ設備6(レクテナ:電波を受信するアンテナと、その受信電波を直流電力に変換する整流回路より構成されるデバイス)およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなるミリ波受電・マイクロ波送電設備8が単数または複数存在する。このミリ波受電・マイクロ波送電設備8は、太陽光エネルギー収集伝送設備1より伝送されたミリ波32をミリ波用レクテナ設備6で受電して直流電力に変換し、この直流電力を用いてマイクロ波発生・伝送設備7でマイクロ波を発振し、かつマイクロ波33を地上へ向けて無線送電する。図示していないが、マイクロ波発生・伝送設備7にはマイクロ波33を送電するためのアンテナが含まれている。
【0011】
地球10上にはマイクロ波用のレクテナ設備9が展開しており、このミリ波受電・マイクロ波送電設備8より伝送されるマイクロ波33を受電して電気エネルギーに変換し、地球10上のエネルギー供給源となる。なお、このレクテナ設備9は、地上のみならず、海上に展開することも考え得る。また、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8は、対流圏より上空、すなわち大気密度が小さい場所に位置するため、太陽光エネルギー収集伝送設備1−ミリ波受電・マイクロ波送電設備8間における、ミリ波の大気減衰は少ない。
【0012】
この実施の形態ではマイクロ波を送電するミリ波受電・マイクロ波送電設備8が対流圏よりやや上空に設置されるため、従来想定されているシステムに比べて、マイクロ波33の伝送距離がかなり短い。このため、必要とされるマイクロ波ビームの方向精度もかなり緩和される。例えば上記発明が解決しようとする課題の項で挙げたように地球10上のレクテナ設備9が直径10kmである場合、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8を地上から数十km上空に設けると、マイクロ波ビームの方向精度は数度で良く、従来想定システムの100倍以上の許容量になる。このため、ビーム方向誤差による地球上の他の通信設備等への影響は格段に改善されるという効果がある。
【0013】
さらに、マイクロ波33の伝送距離が短いことにより、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8から見たレクテナ設備9の範囲角が広くなることから、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8に搭載する送電用マイクロ波アンテナ(図示省略)も、ビーム幅をより大きくできるため、従来想定システムのマイクロ波アンテナより小さくできるという効果がある。
【0014】
また、太陽光エネルギー収集伝送設備1よりミリ波受電・マイクロ波送電設備8に向けて伝送されるミリ波は、大気中では急速に減衰するため、万一、太陽光エネルギー収集伝送設備1のミリ波ビーム方向制御に齟齬を生じても、地球上の他の通信設備等へ悪影響を与えないという効果がある。すなわち、より安定した太陽光エネルギー収集伝送システムを得るという効果がある。
【0015】
さらに、太陽光エネルギー収集伝送設備1は、マイクロ波より波長の短いミリ波を送電するため、従来想定システムに比べて送電アンテナを小さくできるという利点を有する。例えば、従来想定システムのマイクロ波送電アンテナと同等の指向性を必要とした場合、太陽光エネルギー収集伝送設備1のミリ波送電アンテナ4は、波長に比例した大きさまで小さくできる。すなわち、宇宙空間に設備を構築する際の技術的・コスト的な問題を軽減する効果がある。
【0016】
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示したものである。図2において宇宙空間に設置された太陽光エネルギー収集伝送設備1は太陽電池設備2、レーザー光発生装置12よりなる。太陽電池設備2は太陽光31を収集して電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーを用いてレーザー光発生装置12でレーザー光を発生させ、地球10側へレーザー光34を伝送する。
【0017】
地球10の対流圏境界11より上空には、複数の飛行船5上、またはその飛行船5間に設置されたレーザー光受光装置13およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなるレーザー光受光・マイクロ波送電設備14が単数または複数存在する。レーザー光受光・マイクロ波送電設備14は、太陽光エネルギー収集伝送設備1より伝送されたレーザー光34をレーザー光受光装置13で受光して電力に変換し、この電力を用いてマイクロ波発生・伝送設備7でマイクロ波を発振し、かつマイクロ波33を地上へ向けて無線送電する。実施の形態1と同様、図示していないが、マイクロ波発生・伝送設備7にはマイクロ波33を送電するためのアンテナが含まれている。以下の動作は実施の形態1と同様である。
【0018】
この実施の形態でもマイクロ波を送電するレーザー光受光・マイクロ波送電設備14が対流圏よりやや上空に設置されるため、従来想定されているシステムに比べて、マイクロ波33の伝送距離が短くなり、必要とされるマイクロ波ビームの方向精度が緩和されるのは、実施の形態1と同様である。このため、ビーム方向誤差による地球上の他の通信設備等への影響は格段に改善されるという効果も同様に得ることができる。
【0019】
さらに、マイクロ波33の伝送距離が短いことにより、レーザー光受光・マイクロ波送電設備14から見たレクテナ設備9の範囲角が広くなることから、レーザー光受光・マイクロ波送電設備14に搭載する送電用マイクロ波アンテナ(図示省略)も、ビーム幅をより大きくできるため、従来想定システムのマイクロ波アンテナより小さくできるという効果を同様に得る。
【0020】
また、レーザー光はミリ波より波長が極めて短く集光性に優れる。そのため、太陽光エネルギー収集伝送設備1からレーザー光受光・マイクロ波送電設備14に精度良く、エネルギーを集中して伝送できる。ミリ波で伝送する場合は、図1のミリ波受電・マイクロ波送電設備8の外に照射されたエネルギーは無駄になるが、本発明では、この損失が少なくなるという効果を有する。
【0021】
また、実施の形態1と同様、太陽光エネルギー収集伝送設備1は、マイクロ波より波長の短いレーザー光を使用するので、従来想定システムの大型送電アンテナに代わる小さなレーザー光照射装置(レーザー光発生装置12)を使用できるという利点を有する。
【0022】
実施の形態3.
図3はこの発明の実施の形態3における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示したものである。図3において宇宙空間に設置された太陽光反射鏡16は太陽光31を地球側10に反射する。地球10の対流圏境界11より上空には、複数の飛行船5上、またはその飛行船5間に設置された太陽電池装置17およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなる太陽光受光・マイクロ波送電設備18が単数または複数存在する。
【0023】
反射鏡16より送られる反射光35は、太陽電池装置17で受光され電力に変換される。この電力を使用して、マイクロ波発生・伝送設備7においてマイクロ波を発振し、かつマイクロ波33を地上へ向けて無線送電する。実施の形態1と同様、図示していないが、マイクロ波発生・伝送設備7にはマイクロ波33を送電するためのアンテナが含まれている。以下の動作は実施の形態1と同様である。
【0024】
この実施の形態でもマイクロ波を送電する太陽光受光・マイクロ波送電設備18が対流圏よりやや上空に設置されるため、従来想定されているシステムに比べて、マイクロ波33の伝送距離が短くなり、必要とされるマイクロ波ビームの方向精度が緩和されるのは、実施の形態1と同様である。このため、ビーム方向誤差による地球上の他の通信設備等への影響は格段に改善されるという効果も同様に得ることができる。
【0025】
さらに、マイクロ波33の伝送距離が短いことにより、太陽光受光・マイクロ波送電設備18から見たレクテナ設備9の範囲角が広くなることから、太陽光受光・マイクロ波送電設備18に搭載する送電用マイクロ波アンテナ(図示省略)も、ビーム幅をより大きくできるため、従来想定システムのマイクロ波アンテナより小さくできるという効果を同様に得る。
【0026】
また、上述の実施の形態1、2と異なり、最初に太陽光31を受光する設備として、単純な反射鏡を構築すれば良い。例えば静止軌道上に構築するなら、光を反射できる平面板で十分である。図1、2の太陽光エネルギー収集伝送設備1のような複雑な設備は不要であり、実施の形態1、2より構築が容易である。
【0027】
また、太陽光受光・マイクロ波送電設備18は、太陽光反射鏡16から来る反射光35のみならず、昼間は、太陽から直接来る光からも電力を得ることができることは言うまでもない。
【0028】
実施の形態4.
図4はこの発明の実施の形態4における太陽光エネルギー収集伝送システムの対流圏境界より上空に設置された第2のエネルギー収集・伝送設備の構成例である。ここでは実施の形態1に対応したものを示している。図4においては、対流圏境界より上空に複数の飛行船5が滞空しており、またミリ波用レクテナ設備6およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなるミリ波受電・マイクロ波送電設備8が上記複数の飛行船5に支えられて展開している。
【0029】
図1の太陽光エネルギー収集伝送設備1から地球10側に送電されたミリ波32は、図4のミリ波用レクテナ設備6に受電され、直流電力に変換される。この直流電力を用いてマイクロ波発生・伝送設備7はマイクロ波を発振し、かつマイクロ波33を図1の地上のレクテナ設備9へ向けて無線送電する。なお図示していないが、マイクロ波発生・伝送設備7にはマイクロ波33を送電するためのアンテナが含まれている。
【0030】
このように複数の飛行船5によりミリ波受電・マイクロ波送電設備8を支える構成により、広い範囲にミリ波受電・マイクロ波送電設備8を展開することができる。このため、太陽光エネルギー収集伝送設備1から送られてくるミリ波エネルギーをより無駄なく受電し、地上へ送ることができるという効果を有する。
【0031】
ここでは、実施の形態1に対応したものを示したが、実施の形態2や3に対応して、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8の代わりに図2のレーザー光受光・マイクロ波送電設備14や図3の太陽光受光・マイクロ波送電設備18を展開しても同様の効果を得る。
【0032】
実施の形態5.
図5はこの発明の実施の形態5における太陽光エネルギー収集伝送システムの対流圏境界より上空に設置された第2のエネルギー収集・伝送設備の別の構成例である。ここでは実施の形態1に対応したものを示している。図5においては、対流圏境界より上空に複数の飛行船5が滞空しており、またミリ波用レクテナ設備6およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなるミリ波受電・マイクロ波送電設備8が複数の飛行船5上に設置されている。
【0033】
図1の太陽光エネルギー収集伝送設備1から地球10側に送電されたミリ波32は図5のミリ波用レクテナ設備6に受電され直流電力に変換される。この直流電力を用いてマイクロ波発生・伝送設備7はマイクロ波を発振し、送電用マイクロ波アンテナ19により、マイクロ波33を図1の地上のレクテナ設備9へ向けて無線送電する。
【0034】
このように個々の飛行船5上にミリ波受電・マイクロ波送電設備8を設ける構成では、風圧による、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8の位置変動が起こりにくくまた、位置制御がたやすいという効果を有する。
【0035】
ここでは実施の形態1に対応したものを示したが、実施の形態2や3に対応して、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8の代わりに図2のレーザー光受光・マイクロ波送電設備14や図3の太陽光受光・マイクロ波送電設備18を飛行船5に搭載しても同様の効果を得る。
【0036】
また実施の形態4、5において飛行船上に太陽電池を搭載し、それによって得た電力を飛行船の動力に用いたり、地上に送電する電力の追加分とすることも可能である。
【0037】
実施の形態6.
図6はこの発明の実施の形態6における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示したものであり、対流圏境界より上空に設置された第2のエネルギー収集・伝送設備が異なる。ここでは実施の形態1に対応したものを示している。ミリ波用レクテナ設備6およびマイクロ波発生・伝送設備7よりなるミリ波受電・マイクロ波送電設備8が、低軌道衛星20上に設置されている。太陽光エネルギー収集伝送設備1から地球10側に送電されたミリ波32は、ミリ波用レクテナ設備6に受電され直流電力に変換される。この直流電力を用いてマイクロ波発生・伝送設備7はマイクロ波を発振し、送信用マイクロ波アンテナ19により、マイクロ波33を地上のレクテナ設備9へ向けて無線送電する。
【0038】
低軌道衛星20は、飛行船や気球よりさらに上空に配置することが可能である。このため、大気密度がさらに薄くなり、太陽光エネルギー収集伝送設備1−ミリ波受電・マイクロ波送電設備8間における、ミリ波の大気減衰が、実施の形態1に比べてさらに少なくなるという効果を有する。
【0039】
また、実施の形態2や3に対応して、ミリ波受電・マイクロ波送電設備8の代わりに図2のレーザー光受光・マイクロ波送電設備14や図3の太陽光受光・マイクロ波送電設備18を、低軌道衛星に搭載することも可能である。
【0040】
実施の形態7.
図7はこの発明の実施の形態7に係わる衛星軌跡の様子を示したものである。本実施の形態では第1のエネルギー収集・伝送設備(図1の1〜4、図2の1,2,12、図3の16等)を準静止衛星22に設置している。準静止衛星22は赤道21に対して傾いた軌道を有し、地球10から見た衛星の移動軌跡を、図7のように一定の地域に8の字を描くようにすることができる。8の字の軌跡23において、一方のループを小さくするように軌道を選ぶと、このループ内に衛星22がいる間、特定の地域24からは衛星が高仰角天空で回転しているように見える。従って、この衛星軌道に複数の衛星を配置すれば、特定の地域24の高仰角上に、常に衛星が存在する。
【0041】
静止衛星は赤道21近辺からは高仰角に見えるが、高緯度地域では、低仰角に見える。そのため、第1のエネルギー収集・伝送設備(1,16)を静止軌道上に設けると、第2のエネルギー収集・伝送設備(8,14,18)が高緯度地域にある場合、実施の形態1、2、3で無線電力伝送に使用するミリ波32、レーザー光34、反射光35等は低仰角から斜めに入射してくる。従って、第2のエネルギー収集・伝送設備が赤道21近辺にある場合と同等の無線伝送エネルギーを収集する場合、より大きな面積に渡って第2のエネルギー収集・伝送設備を展開しなければならない。
【0042】
本実施の形態のように第1のエネルギー収集・伝送設備を準静止衛星22に設置すれば、高緯度地域においても、上記無線伝送エネルギーを高仰角から照射できるため、第2のエネルギー収集・伝送設備の面積・規模を小さくできるという効果を有する。
【0043】
なお、図1、6の1〜4、図2の1,2,12、図3の16がそれぞれ第1のエネルギー収集・伝送設備を構成し、図1、4,5,6の6〜8(図5は19も含む),(5,20)、図2の7,13,14,(5)、図3の7,17,18,(5)がそれぞれ第2のエネルギー収集・伝送設備を構成する。また図1、6の3,4がミリ波発生・伝送装置を構成し、図2の12がレーザー光発生・伝送装置を構成する。
【0044】
【発明の効果】
以上のようにこの発明によれば、宇宙空間において太陽光を収集しこれを源泉とするエネルギーを光域も含むマイクロ波より高い周波数で無線伝送する第1のエネルギー収集・伝送設備と、この第1のエネルギー収集・伝送設備と地球との間の対流圏の上空でかつ対流圏の近傍に設置され上記第1のエネルギー収集・伝送設備から送られてきた無線エネルギーを収集し上記無線エネルギーをマイクロ波電力に変換して地球に伝送する第2のエネルギー収集・伝送設備と、を備えたことを特徴とする太陽光エネルギー収集伝送システムとしたので、マイクロビームの方向精度の規制を緩和し、地球上の他の通信設備等に影響を与え難く、また宇宙からエネルギーを伝送する無線のビーム方向に齟齬を生じても、地球上の他の通信設備等に影響を与えることがなく、さらに従来提唱されている太陽光エネルギー収集伝送システムにおいて必要とされる広大なマイクロ波アンテナをより小さいアンテナに置換して、宇宙空間に設備を構築する際の技術的・コスト的な問題を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態2における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態3における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態4における太陽光エネルギー収集伝送システムの対流圏境界より上空に設置された第2のエネルギー収集・伝送設備の構成例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態5における太陽光エネルギー収集伝送システムの対流圏境界より上空に設置された第2のエネルギー収集・伝送設備の構成例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態6における太陽光エネルギー収集伝送システムの構成を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態7に係わる衛星軌跡の様子を示した図である。
【符号の説明】
1 太陽光エネルギー収集伝送設備、2 太陽電池設備、3 ミリ波発振器、4 ミリ波送電アンテナ、5 飛行船、6 ミリ波用レクテナ設備、7 マイクロ波発生・伝送設備、8 ミリ波受電・マイクロ波送電設備、9 マイクロ波用レクテナ設備、10 地球、11 対流圏境界、12 レーザー光発生装置、13 レーザー光受光装置、14 レーザー光受光・マイクロ波送電設備、16 太陽光反射鏡、17 太陽電池装置、18 太陽光受光・マイクロ波送電設備、19 送電用マイクロ波アンテナ、20 低軌道衛星、22 準静止衛星、31太陽光、32 ミリ波、33 マイクロ波、34 レーザー光、35 反射光。

Claims (8)

  1. 宇宙空間において太陽光を収集しこれを源泉とするエネルギーを光域も含むマイクロ波より高い周波数で無線伝送する第1のエネルギー収集・伝送設備と、
    この第1のエネルギー収集・伝送設備と地球との間の対流圏の上空でかつ対流圏の近傍に設置され上記第1のエネルギー収集・伝送設備から送られてきた無線エネルギーを収集し上記無線エネルギーをマイクロ波電力に変換して地球に伝送する第2のエネルギー収集・伝送設備と、
    を備えたことを特徴とする太陽光エネルギー収集伝送システム。
  2. 上記第1のエネルギー収集・伝送設備が、太陽光を電力に変換する太陽電池設備と、上記太陽電池設備により発電された電力をミリ波に変換して上記第2のエネルギー収集・伝送設備に無線伝送するミリ波発生・伝送装置とを含み、上記第2のエネルギー収集・伝送設備が、ミリ波を受信してマイクロ波に変換し地球に伝送するミリ波受電・マイクロ波送電設備を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  3. 上記第1のエネルギー収集・伝送設備が、太陽光を電力に変換する太陽電池設備と、上記太陽電池設備により発電された電力をレーザー光に変換して上記第2のエネルギー収集・伝送設備に無線伝送するレーザー光発生・伝送装置とを含み、上記第2のエネルギー収集・伝送設備が、レーザー光を受光してマイクロ波に変換し地球に伝送するレーザー光受光・マイクロ波送電設備を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  4. 上記第1のエネルギー収集・伝送設備が、太陽光を上記第2のエネルギー収集・伝送設備に向けて反射させる反射鏡を含み、上記第2のエネルギー収集・伝送設備は、上記反射鏡からの光を電力に変換する太陽電池設備と、上記太陽電池設備により発電された電力をマイクロ波に変換して地球に伝送する太陽光受光・マイクロ波送電設備を含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  5. 上記第2のエネルギー収集・伝送設備を、気球又は飛行船上に設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  6. 上記第2のエネルギー収集・伝送設備を、複数の気球又は飛行船の間に展開構成したことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  7. 上記第2のエネルギー収集・伝送設備を、単数または複数の低軌道衛星上に設けたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
  8. 上記第1のエネルギー収集・伝送設備を、準静止軌道上に複数設けたことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の太陽光エネルギー収集伝送システム。
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