JP2004262713A - ガラス繊維巻糸体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】飛走性に優れたガラス繊維束を得ることのできるガラス繊維巻糸体の製造方法を提供すること。
【解決手段】塗布工程と、集束工程と、巻取り工程と、乾燥工程と、を含むガラス繊維巻糸体の製造方法であって、塗布工程において用いるガラス繊維用集束剤は、不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有する集束剤であることを特徴とする方法。
【選択図】 なし
【解決手段】塗布工程と、集束工程と、巻取り工程と、乾燥工程と、を含むガラス繊維巻糸体の製造方法であって、塗布工程において用いるガラス繊維用集束剤は、不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有する集束剤であることを特徴とする方法。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維巻糸体の製造方法、ガラス繊維巻糸体、ガラス繊維束、製織方法並びにガラス繊維用集束剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維織物は、一般に、溶融ガラスを延伸して得られたガラス繊維フィラメントを複数本集束したガラス繊維束をエアージェット織機等により製織することにより製造される。ガラス繊維フィラメントからガラス繊維束を得る場合においては、ガラス繊維フィラメントに集束剤を塗布して複数のフィラメントを束ねる。
【0003】
集束剤が塗布されたガラス繊維束は、通常、製織に先立って2度巻き取られる。すなわち、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りコレットに装着された巻取りチューブの周囲に綾振り装置により巻き取って巻糸体(これを一般に「ケーキ」と呼ぶ。)とし、次いで、このケーキからガラス繊維束を解舒して撚りをかけながらボビンへ巻き返して新たな巻糸体とする(撚りをかけられたガラス繊維束を一般に「ツイステッドヤーン」と呼ぶ。)。
【0004】
ケーキとしては、従来、図4の正面図(a)及び側面図(b)に示されるような形状を有したものが用いられている。すなわち、巻取りチューブ11の長手方向の中央部分ではガラス繊維束の巻き量が多く、両末端側では巻き量が少く、全体として樽状の形状(以下「ダブルテーパー状」という。)を有したガラス繊維巻糸体12が用いられている。
【0005】
ところが、近年、ボビンへ巻き返しを行わず、撚りをかけていないガラス繊維束(これを一般に「ノンツイステッドヤーン」と呼ぶ。)を用いて製織することが行われるようになっており、この製織法においては別形状に巻き取ったケーキが用いられる。すなわち、図3の正面図(a)及び側面図(b)に示されるように、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りチューブ11の周囲に等しい巻き量で巻き取って、全体として円筒状(以下「スクエアエンド状」という。)としたガラス繊維巻糸体12が用いられる。スクエアエンド状のケーキは、巻き返しを行わないためケーキの形状のまま熱風乾燥(110〜130℃、40時間程度)して集束剤の揮発成分を除去し乾燥させる。
【0006】
しかし、スクエアエンド状のケーキをそのまま乾燥すると、乾燥後の巻糸体の両端面と外周付近において特に集束剤の付着量が多くなるため、巻糸体を解舒して得られたガラス繊維束には集束剤の付着量が多い箇所や少ない箇所が生じ、エアージェット織機を用いて製織する場合の飛走性が悪化することがあった。かかる問題を解決するために、例えば、下記特許文献1に記載の方法が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−293576号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エアージェット織機の製織速度が向上しているために、更なる飛走性の向上が求められている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体の製造方法であって、エアージェット織機による飛走性に優れたガラス繊維束を得ることのできる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、前記巻糸体を乾燥することにより前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程と、を備えるガラス繊維巻糸体の製造方法であって、前記ガラス繊維用集束剤は、前記不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有する集束剤であることを特徴とする方法を提供する。なお、式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表し、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
【0011】
かかる製造方法によりガラス繊維巻糸体が得られ、当該巻糸体から解舒して得られるガラス繊維束ガラス繊維束はエアージェット織機による飛走性に優れる。そして、かかるガラス繊維束からなる緯糸を、圧搾気体により飛走させることにより経糸と交差させる製織方法を採用して、製造効率高くガラス繊維織物を提供することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法は、塗布工程と、集束工程と、巻取り工程と、乾燥工程とを含むものであり、塗布工程に先立って、溶融ガラスを延伸して複数のガラス繊維フィラメントを得るフィラメント形成工程を実施してもよい。かかる工程のうち、フィラメント形成工程から巻取り工程までは、例えば、図1及び図2に示す装置により実施することが可能である。
【0013】
図1は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図であり、図2は該装置の側面図である。図1及び図2に示される装置は、ガラスを溶融するための溶融槽1と、溶融槽1の底面に備えられ溶融ガラスを引き出すための孔を多数有したブッシング2と、ガラス繊維用集束剤4を貯蔵するための集束剤貯蔵槽5と、集束剤貯蔵槽5中のガラス繊維用集束剤4をブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメント3に塗布するための集束剤塗布装置6と、ガラス繊維用集束剤4が塗布されたガラス繊維フィラメント3を束ねて(集束して)ガラス繊維束8を得るための集束器7と、得られたガラス繊維束8を一定振幅で振らせるチップ13を有した綾振り装置9と、綾振り装置9により綾振られたガラス繊維束8を巻き取る巻取りチューブ11を装着するための巻取りコレット10と、を備えている。
【0014】
かかる装置を用いて、巻取りチューブ11の周囲にガラス繊維束8がスクエアエンド状に巻き取られたガラス繊維巻糸体12(乾燥工程で乾燥すべきガラス繊維巻糸体)を得ることが可能である。
【0015】
図1及び2に示された装置を用いてフィラメント形成工程を実施する場合は、Eガラス、Sガラス、Cガラス等のガラスを溶融槽1中で溶融状態で保持し、溶融状態のガラスをブッシング2から引き出してガラス繊維フィラメントを得る。ガラスの溶融温度は1000℃以上とすることが通常であるが、1000ポイズ温度(溶融粘度が1000ポイズとなる温度)とすることが紡糸性の観点から好ましい。また、ブッシング2からは、数百〜数千のガラス繊維フィラメントを一度に引き出すことが好ましく、引き出されたガラス繊維フィラメントを、巻取りスピードを変化させることにより、また、集束器7と綾振り装置9の間に設置することの可能なテンション緩化装置(図示せず)を駆動させることにより、適度なテンションで延伸することが好ましい。かかる延伸により、ガラス繊維フィラメントの繊維径を、例えば、3〜23μmとすることができる。なお、ブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメントは、次工程に移る前に、水噴霧等により冷却してもよい。
【0016】
塗布工程においては、フィラメント形成工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布し、ガラス繊維用集束剤が塗布された複数のガラス繊維フィラメントを得る。ガラス繊維用集束剤は、ローラー型又はベルト型のアプリケータ(集束剤塗布装置)等により塗布が可能であり、図1及び2に示された装置を用いる場合においては、ガラス繊維用集束剤を集束剤貯蔵槽5に貯えておき、集束剤塗布装置6を用いて塗布することが可能である。ガラス繊維用集束剤の塗布量(不揮発成分)は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましい。なお、本工程において用いるガラス繊維用集束剤の詳細については後述する。
【0017】
集束工程においては、塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る。集束するガラス繊維フィラメントの数は、例えば、50〜800本とすることができる。集束の方法は特に制限されず、図1及び2に示された装置においては、複数のガラス繊維フィラメントを束ねる機能を有する集束器7が用いられる。
【0018】
巻取り工程においては、集束工程で得られたガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る。ここで、加撚とはガラス繊維を撚ることをいい、本発明においては加撚を施さないためノンツイステッドヤーンが得られる。スクエアエンド状に巻き取られた巻糸体(図3参照)は、例えば、図1及び2の綾振り装置9におけるチップ13を一定振幅で振らせることにより、巻取りコレット10に装着した巻取りチューブ11に等しい巻量でガラス繊維束を巻き取って製造できる。巻取りチューブ11としては、外径15〜30cm、長さ10〜30cmの紙又は不織布製の円筒状チューブが通常用いられ、かかる巻取りチューブ11の周囲に、ガラス繊維束を10〜200km巻き付けることが一般的である。
【0019】
巻取り工程で得られた巻糸体(以下「乾燥前ガラス繊維巻糸体」という。)におけるガラス繊維用集束剤の乾燥を進めるために、乾燥前ガラス繊維巻糸体を乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体(以下「乾燥後ガラス繊維巻糸体」という。)を得る。乾燥前ガラス繊維巻糸体の乾燥温度は、室温〜150℃とすることが好ましく、110〜130℃で熱風乾燥させることがより好ましい。なお、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分は連続皮膜である必要はない。
【0020】
本発明においては、塗布工程において、不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物、潤滑剤、乳化剤及び水を含むガラス繊維用集束剤を用いることを特徴としている。かかる組成のガラス繊維用集束剤を用いることにより、得られたガラス繊維巻糸体を加熱乾燥させても、ガラス繊維巻糸体から解舒されたガラス繊維束は、エアージェット織機を用いて製織した場合に飛走性に特に優れるようになる。また、ソゲや毛羽立ちも充分に低減される。
【0021】
かかる特性が得られるのは、下記に起因するものと考えられる。すなわち、ガラス繊維巻糸体を加熱乾燥させた場合、ガラス繊維用集束剤の移行が大きくなってしまい、ガラス繊維束に対する集束剤不揮発成分の付着量がばらついてしまう。そのため、全体的に被膜形成剤である澱粉の付着量を多くする必要があり、ガラス繊維用集束剤における澱粉の含有量を上述のように高くする必要がある。単に、澱粉の含有率を高くしただけでは、ガラス繊維束が硬くなってしまうが、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物が、澱粉に対し可塑剤的に働き、繊維束の集束性を弱め、且つ繊維束を柔軟にすることができるためであると考えられる。
【0022】
ガラス繊維用集束剤の澱粉成分としては、コーン澱粉(コーンスターチ)、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等がいずれも使用可能である。また、馬鈴薯澱粉のアミロース抽出物や、酵素により合成された特殊な澱粉も使用することができる。これらの澱粉は、エーテル化、エステル化、グラフト化、架橋等の加工が施されたものであってもよい。
【0023】
エーテル化された澱粉としては、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシアルキルエーテル化澱粉、アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。エステル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられる。このエーテル化及びエステル化のいずれにおいても、澱粉の置換度には特に制限はない。
【0024】
グラフト化された澱粉としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、スチレン、マレイン酸等の不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱粉にグラフト重合させたものが挙げられる。
【0025】
澱粉としては、更に、未加工の澱粉に対して架橋を導入したもの、又は上記のエーテル化、エステル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導入したものを挙げることができる。架橋を導入する場合においては、澱粉中の水酸基に反応性の官能基を2以上有する化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基反応性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤として用いられる。このような架橋剤としては、エピクロルヒドリン、ホルムアルデヒド、ジエポキシド化合物、ジアルデヒド化合物等を挙げることができる。
【0026】
澱粉のアミロース成分の量及びアミロペクチン成分の量は任意であり、アミロース成分が50重量%未満の通常型澱粉(典型的にはアミロース成分を約30重量%、アミロペクチン成分を約70重量%含む)、及び、アミロース成分を50重量%以上含むハイアミロース型澱粉(典型的にはアミロース成分を約70重量%、アミロペクチン成分を約30重量%含む)のいずれも使用可能である。通常型澱粉を用いることによりガラス繊維用集束剤の接着性を向上させ、ハイアミロース型澱粉を含有する澱粉を用いることによりガラス繊維集束剤の皮膜形成性を向上させることができる。本発明においては、用いる澱粉の少なくとも一部は、ハイアミロース型澱粉であることが好ましく、通常型澱粉とハイアミロース型澱粉を組み合わせて使用することがより好ましい。
【0027】
澱粉の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として70〜90重量%であるが、75〜90重量%がより好ましく、80〜87重量%が更に好ましい。なお、本発明において不揮発成分とは、ガラス繊維用集束剤を120℃で乾燥したときに揮発しない成分をいう。
【0028】
本発明のガラス繊維用集束剤は下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物を含有する。式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表す。なお、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよく、R1は炭素数11〜14のアルキル基がより好ましく、R2はメチル基又はエチル基であることがより好ましい。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
【0029】
かかる化合物としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0030】
炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物の含有量は、不揮発成分基準で0.5〜3.0重量%が好ましく、0.5〜2.6重量%がより好ましい。
【0031】
また、本発明におけるガラス繊維用集束剤は、さらに硫酸アンモニウム系化合物と含有することが好ましい。硫酸アンモニウム系化合物をさらに含有することにより、ガラス繊維束をより柔軟にし、より飛走性を向上させ、毛羽やソゲ発生を抑制することができる。かかる特性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、集束剤に炭素数11〜18のアルキル基を備えたアンモニウムイオンと異質なイオンを混在させることにより、ガラス繊維表面での集束剤の被覆状態が変化したためと考えられる。
【0032】
本発明において、硫酸アンモニウム系化合物とは、下記一般式(2)で示される化合物をいう。ただし、一般式(2)中、Raはアンモニウムまたは置換アンモニウムであり、Rbはアンモニウム、置換アンモニウム、または1価の有機基である。なお、Ra、Rbにおける置換アンモニウムは、水素原子の少なくとも1つが1価の基で置換されたアンモニウムを意味する。
Ra−O−SO2−O−Rb・・・(2)
【0033】
Rbにおける1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基などを例示することができる。上記硫酸アンモニウム系化合物は、一般式(2)におけるRaおよびRbの炭素数がそれぞれ14以下であることが好ましい。
【0034】
上記硫酸アンモニウム系化合物の具体例としては、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムエトサルフェート、テトラエチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルトリエチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルジエチルメチルアンモニウムエトサルフェートなどを挙げることができる。なお、硫酸アンモニウム系化合物の含有量は、不揮発成分基準で1.0〜7.0重量%が好ましい。
【0035】
ガラス繊維用集束剤の潤滑剤成分としては、変性シリコーンオイル、動植物油に水素添加した硬化油、高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物等の合成油等を用いることができ、牛脂油、ゴマ油、パラフィンワックスが例示可能である。また、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)を用いることもできる。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好ましい。ガラス繊維用集束剤における潤滑剤は、ガラス繊維束に滑りを与え、機械上での摩擦を減少させガラス繊維を保護する機能を有する。潤滑剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、3〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより好ましい。
【0036】
ガラス繊維用集束剤の乳化剤成分としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポリエチレンポリプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。ガラス繊維用集束剤における乳化剤は、上記潤滑剤やその他のガラス繊維用集束剤の構成成分を分散・乳化する機能を有する。乳化剤の重量は、潤滑剤100重量部に対して50〜150重量部が好ましく、70〜140重量部がより好ましい。
【0037】
ガラス繊維用集束剤は上記成分の他、水を必須成分とするが、更に柔軟剤、防腐剤等を含んでいてもよい。柔軟剤としては、ガラス繊維表面に選択的に吸着し、ある程度の潤滑性を示す材料を用いることが好ましい。ガラス繊維用集束剤における柔軟剤は、ガラス繊維束に柔軟性を付与し、ガラス繊維束中のフィラメント同士の摩擦を減少させる働きを有する。防腐剤は、澱粉等の黴や細菌等により分解を受けやすい澱粉等の成分を保護できるものであればよく、好適な防腐剤としては、ホルムアルデヒドを挙げることができる。
【0038】
ガラス繊維用集束剤が、必須成分である澱粉、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物、潤滑剤、乳化剤及び水のみからなる場合は、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準として、澱粉の含有量を4.0〜6.0重量%、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物の含有量を0.03〜0.15重量%、潤滑剤の含有量を0.2〜1.5重量%、乳化剤の含有量を0.2〜0.54重量%とし、残余は水とすることが好ましい。
【0039】
ガラス繊維用集束剤は、例えば、澱粉を水に分散させた後、90〜98℃に加熱し糊化させ、これに、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物の水溶液(又は水分散物)、潤滑剤と乳化剤とを含む水分散物(又は水溶液)を添加する方法で製造可能である。上記必須成分以外の柔軟剤や防腐剤等を添加する場合も、これらを単独で、又は水溶液(又は水分散物)として、糊化した澱粉溶液に加えればよい。
【0040】
以上説明した方法によりガラス繊維巻糸体が得られるが、これからガラス繊維束を解舒して製織に用いることができる。すなわち、解舒されたガラス繊維束を緯糸として用い、圧搾空気等の圧搾気体によりこれを飛走させ、撚りのあるまたは撚りのないガラス繊維束等からなる経糸と交差させることにより、製織が可能となる。当該製織方法は、エアージェット織機を用いて行うことが好ましく、当該製織方法によれば、飛走性が顕著に向上し、ソゲや毛羽立ちの発生が防止される。
【0041】
本発明におけるガラス繊維巻糸体は、直径10〜30cmの巻取チューブに、ガラス繊維束を厚さ2〜7cm程度に円筒状に巻かれた形状とすることができる。巻糸体の軸方向に解舒して得られるガラス繊維束は、25mmあたりの撚り数が0.02〜0.08回程度と非常に撚り数の小さいガラス繊維束を得ることができ、また巻糸体の周方向に解舒すれば、無撚りのガラス繊維束を得ることができる。
【0042】
そのため、ガラス繊維束をエアージェット織機により製織した場合、本発明におけるガラス繊維束は撚り数の非常に小さい、または無撚りであり、その上集束性が比較的弱く、柔軟であるため、エアージェット織機による緯入れのためのエアーによりガラス繊維束の径が広がり開繊しやすくなり、かつ撚りがかかっていても撚りが戻る傾向にある。
【0043】
また、製織の結果、ガラス繊維織物が得られるので、必要に応じて脱油処理を施してプリント配線板の強化繊維等として用いることができる。最近ではプリント配線板用のガラス繊維織物は脱油処理の前または後に、高圧水流加工、水中での超音波処理などの開繊処理が施されることが多いが、この場合、本発明におけるガラス繊維束を製織して得られたガラス繊維織物は、緯糸のガラス繊維束が実質無撚りであり、かつ集束性が比較的弱く、柔軟であるため、開繊処理した際、穏やかな開繊処理条件でも容易に開繊することができ、開繊処理によるシワの発生を抑制することができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
[ガラス繊維用集束剤の製造]
(製造例1)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチ1.7kg、エーテル化コーンスターチ2.5kg及び酢酸澱粉(アセチル化コーンスターチ、置換度:0.03、水溶液粘度:7cps)0.6kgに70kgの水を加え分散させた。これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA液とする)。これとは別に、あらかじめ加熱溶解しておいた牛脂油0.3kg、ポリエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=16、以下「PO/EO」と略す。)100g及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=9)300gに熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得られた液をB液とする)。
【0046】
また、TEPA/ST(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)30gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC液とする)。更に、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート(硫酸アンモニウム系化合物)250g及びラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物。第一工業製薬(株)製カチオーゲンL)30gを温水1kgに溶解し(得られた液をD液とする)、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)90gを水で10倍に希釈した(得られた液をE液とする)。
【0047】
次いで、65℃のA液に、B液、C液、D液及びE液を順次全量添加した後、総重量100kgになるように湯を加えて、60℃で保温し、製造例1のガラス繊維用集束剤を得た。
【0048】
(製造例2〜5)
D液におけるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの重量を、それぞれ45g、150g、25g及び200gとした他は実施例1と同様にして、それぞれ製造例2、3、4及び5のガラス繊維用集束剤を得た。
【0049】
(製造例6)
D液において、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェートを用いずに、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの重量を45gとした他は実施例1と同様にして、製造例6のガラス繊維用集束剤を得た。
【0050】
(比較製造例1)
D液におけるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを用いなかった他は実施例1と同様にして、比較製造例1のガラス繊維用集束剤を得た。
【0051】
(比較製造例2)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチ3.6kg及びエーテル化コーンスターチ0.2kgに70kgの水を加え分散させた。これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA’液とする)。これとは別に、あらかじめ加熱溶解しておいた牛脂油0.7kg、ラウリルステアレート0.77kg、PO/EO100g及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=9)50gに熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得られた液をB’液とする)。
【0052】
また、TEPA/ST(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)150gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC’液とする)。更に、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート(硫酸アンモニウム系化合物)150gを温水1kgに溶解し(得られた液をD’液とする)、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)90gを水で10倍に希釈した(得られた液をE’液とする)。
【0053】
次いで、65℃のA’液に、B’液、C’液、D’液及びE’液を順次全量添加した後、総重量100kgになるように湯を加えて、60℃で保温し、比較製造例2のガラス繊維用集束剤を得た。
【0054】
製造例1〜6及び比較製造例1〜2の組成(重量%)と、これらにおける不揮発成分の全重量を基準とした澱粉の重量%(以下「澱粉/不揮発成分」と記す。)、及び、不揮発成分の全重量を基準とした一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物の重量%(以下「アルキルアンモニウムクロライド化合物/不揮発成分」と記す。)を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
[ガラス繊維束及びガラス繊維巻糸体の製造]
(実施例1a〜6a及び比較例1a)
図1及び図2に示す装置と同様の装置を用いて、Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して、外径20cm、長さ25cmの巻取りチューブにスクエアエンド状に100km巻き取った。これにより、ガラス繊維束(ガラス繊維ストランド)が巻き取られた巻糸体(乾燥前ガラス繊維巻糸体)を得た。この巻糸体を120℃で25時間乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたECG75タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。なお、乾燥後ガラス繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。また、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例1a〜6a及び比較例1aに該当する。
【0057】
(実施例1b〜6b及び比較例1b)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径5μm)に、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤をそれぞれを塗布し200本集束して、それ以外は上記と同様にしてECD450タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。なお、乾燥後ガラス繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。また、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例1b〜6b及び比較例1bに該当する。
【0058】
(比較例2a)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、比較製造例2のガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して、外径30cm、長さ35cmの巻き取りチューブにダブルテーパー状に100km巻き取った。得られたガラス繊維巻糸体をツイスターで巻き返しながら風乾し、0.7z/25mmの撚りをかけガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆され、ECG75タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。
【0059】
(比較例2b)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径5μm)に、比較製造例2のガラス繊維用集束剤を塗布し200本集束した以外は比較例2aと同様にしてECD450タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。
【0060】
[ガラス繊維織物の製造1]
(実施例7〜12及び比較例3〜4)
比較例2bで得られたECD450タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒して得られたガラス繊維束に、以下の表2に示す組成のサイズ剤を塗布した後、揮発成分を乾燥除去させ、経糸として用いた(乾燥後のガラス繊維束100重量部に対するサイズ剤の被覆量は不揮発分として1.0重量部であった)。実施例1b〜6b及び比較例1b〜2bで得られたECD450タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒して得られたガラス繊維束を緯糸として用い、織機回転数を400rpmで高速エアージェット織機にて製織を行い、経糸及び緯糸の打ち込み本数を54本/25mmで平織りし、400℃で40時間熱脱油し、巾125cmのIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反を得た。さらに、得られたガラス繊維織物原反を高圧水流による開繊処理を施し、ガラス繊維織物開繊処理品を得た。なお、製造例1〜6及び比較製造例1〜2のガラス繊維用集束剤塗布された緯糸を用いたものが、それぞれ実施例7〜12及び比較例3〜4に該当する。
【0061】
【表2】
【0062】
[ガラス繊維織物の製造2]
(実施例13〜18及び比較例5〜6)
高速エアージェット織機の織機回転数を620rpmに代え製織した他は、「ガラス繊維織物の製造1」と同様にして、巾125cmのIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反およびガラス繊維織物開繊処理品を得た。
【0063】
[製織性の評価]
「ガラス繊維織物の製造1」及び「ガラス繊維織物の製造2」で得られたガラス繊維織物の、織長100cm当たりに発生した毛羽又はソゲによる突起物を測定し、製織性を評価した。なお、評価は以下の表3に示す基準で行った。
【0064】
【表3】
【0065】
[ガラス繊維束の飛走性の評価]
実施例1a〜6a及び比較例1a〜2aで得られたECG75タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体のガラス繊維束を、高速エアージェット織機のエアーノズルを1.0kg/cm2の圧力にして4分間吹出させ、吹出されたガラス繊維束の重量(吹出し量)を測定した。なお、飛走性は吹出し量が多いほど優れる。
【0066】
[糸幅の評価]
実施例1a〜6a、比較例1a〜2aで得られたECG75タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体のガラス繊維束を、高速エアージェット織機のエアーノズルを1.7kg/cm2の圧力にして吹出させ、ガラス繊維束の形態を保ちながら、長さ10cmに切断し、スライドガラスに貼り付け、画像処理装置(ニレコ(株)社製ルーレックスFS)を備えた実体顕微鏡でガラス繊維束の径を測定した。
【0067】
[クロス通気度の評価]
実施例8及び比較例3、4のIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反及びガラス繊維織物開繊処理品について、JIS L1096 一般織物試験方法「通気性試験A法」(フラジール形法)に準じ、通気度を測定した。
【0068】
上記評価の結果をまとめて以下の表4に示す。なお、結果は塗布されたガラス繊維用集束剤の種類に基づいて表した(製造例1〜6及び比較製造例1〜2と表記した)。
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体の製造方法であって、エアージェット織機による飛走性に優れたガラス繊維束を得ることのできる製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図である。
【図2】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の側面図である。
【図3】(a)は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法により得られるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【図4】(a)は従来技術によるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【符号の説明】
1…溶融槽、2…ブッシング、3…ガラス繊維フィラメント、4…ガラス繊維用集束剤、5…集束剤貯蔵槽、6…集束剤塗布装置、7…集束器、8…ガラス繊維束、9…綾振り装置、10…巻取りコレット、11…巻取りチューブ、12…ガラス繊維巻糸体、13…チップ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス繊維巻糸体の製造方法、ガラス繊維巻糸体、ガラス繊維束、製織方法並びにガラス繊維用集束剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス繊維織物は、一般に、溶融ガラスを延伸して得られたガラス繊維フィラメントを複数本集束したガラス繊維束をエアージェット織機等により製織することにより製造される。ガラス繊維フィラメントからガラス繊維束を得る場合においては、ガラス繊維フィラメントに集束剤を塗布して複数のフィラメントを束ねる。
【0003】
集束剤が塗布されたガラス繊維束は、通常、製織に先立って2度巻き取られる。すなわち、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りコレットに装着された巻取りチューブの周囲に綾振り装置により巻き取って巻糸体(これを一般に「ケーキ」と呼ぶ。)とし、次いで、このケーキからガラス繊維束を解舒して撚りをかけながらボビンへ巻き返して新たな巻糸体とする(撚りをかけられたガラス繊維束を一般に「ツイステッドヤーン」と呼ぶ。)。
【0004】
ケーキとしては、従来、図4の正面図(a)及び側面図(b)に示されるような形状を有したものが用いられている。すなわち、巻取りチューブ11の長手方向の中央部分ではガラス繊維束の巻き量が多く、両末端側では巻き量が少く、全体として樽状の形状(以下「ダブルテーパー状」という。)を有したガラス繊維巻糸体12が用いられている。
【0005】
ところが、近年、ボビンへ巻き返しを行わず、撚りをかけていないガラス繊維束(これを一般に「ノンツイステッドヤーン」と呼ぶ。)を用いて製織することが行われるようになっており、この製織法においては別形状に巻き取ったケーキが用いられる。すなわち、図3の正面図(a)及び側面図(b)に示されるように、集束剤が塗布されたガラス繊維束を、巻取りチューブ11の周囲に等しい巻き量で巻き取って、全体として円筒状(以下「スクエアエンド状」という。)としたガラス繊維巻糸体12が用いられる。スクエアエンド状のケーキは、巻き返しを行わないためケーキの形状のまま熱風乾燥(110〜130℃、40時間程度)して集束剤の揮発成分を除去し乾燥させる。
【0006】
しかし、スクエアエンド状のケーキをそのまま乾燥すると、乾燥後の巻糸体の両端面と外周付近において特に集束剤の付着量が多くなるため、巻糸体を解舒して得られたガラス繊維束には集束剤の付着量が多い箇所や少ない箇所が生じ、エアージェット織機を用いて製織する場合の飛走性が悪化することがあった。かかる問題を解決するために、例えば、下記特許文献1に記載の方法が提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−293576号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、エアージェット織機の製織速度が向上しているために、更なる飛走性の向上が求められている。
【0009】
そこで、本発明の目的は、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体の製造方法であって、エアージェット織機による飛走性に優れたガラス繊維束を得ることのできる製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、前記巻糸体を乾燥することにより前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程と、を備えるガラス繊維巻糸体の製造方法であって、前記ガラス繊維用集束剤は、前記不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有する集束剤であることを特徴とする方法を提供する。なお、式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表し、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
【0011】
かかる製造方法によりガラス繊維巻糸体が得られ、当該巻糸体から解舒して得られるガラス繊維束ガラス繊維束はエアージェット織機による飛走性に優れる。そして、かかるガラス繊維束からなる緯糸を、圧搾気体により飛走させることにより経糸と交差させる製織方法を採用して、製造効率高くガラス繊維織物を提供することが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法は、塗布工程と、集束工程と、巻取り工程と、乾燥工程とを含むものであり、塗布工程に先立って、溶融ガラスを延伸して複数のガラス繊維フィラメントを得るフィラメント形成工程を実施してもよい。かかる工程のうち、フィラメント形成工程から巻取り工程までは、例えば、図1及び図2に示す装置により実施することが可能である。
【0013】
図1は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図であり、図2は該装置の側面図である。図1及び図2に示される装置は、ガラスを溶融するための溶融槽1と、溶融槽1の底面に備えられ溶融ガラスを引き出すための孔を多数有したブッシング2と、ガラス繊維用集束剤4を貯蔵するための集束剤貯蔵槽5と、集束剤貯蔵槽5中のガラス繊維用集束剤4をブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメント3に塗布するための集束剤塗布装置6と、ガラス繊維用集束剤4が塗布されたガラス繊維フィラメント3を束ねて(集束して)ガラス繊維束8を得るための集束器7と、得られたガラス繊維束8を一定振幅で振らせるチップ13を有した綾振り装置9と、綾振り装置9により綾振られたガラス繊維束8を巻き取る巻取りチューブ11を装着するための巻取りコレット10と、を備えている。
【0014】
かかる装置を用いて、巻取りチューブ11の周囲にガラス繊維束8がスクエアエンド状に巻き取られたガラス繊維巻糸体12(乾燥工程で乾燥すべきガラス繊維巻糸体)を得ることが可能である。
【0015】
図1及び2に示された装置を用いてフィラメント形成工程を実施する場合は、Eガラス、Sガラス、Cガラス等のガラスを溶融槽1中で溶融状態で保持し、溶融状態のガラスをブッシング2から引き出してガラス繊維フィラメントを得る。ガラスの溶融温度は1000℃以上とすることが通常であるが、1000ポイズ温度(溶融粘度が1000ポイズとなる温度)とすることが紡糸性の観点から好ましい。また、ブッシング2からは、数百〜数千のガラス繊維フィラメントを一度に引き出すことが好ましく、引き出されたガラス繊維フィラメントを、巻取りスピードを変化させることにより、また、集束器7と綾振り装置9の間に設置することの可能なテンション緩化装置(図示せず)を駆動させることにより、適度なテンションで延伸することが好ましい。かかる延伸により、ガラス繊維フィラメントの繊維径を、例えば、3〜23μmとすることができる。なお、ブッシング2から引き出されたガラス繊維フィラメントは、次工程に移る前に、水噴霧等により冷却してもよい。
【0016】
塗布工程においては、フィラメント形成工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布し、ガラス繊維用集束剤が塗布された複数のガラス繊維フィラメントを得る。ガラス繊維用集束剤は、ローラー型又はベルト型のアプリケータ(集束剤塗布装置)等により塗布が可能であり、図1及び2に示された装置を用いる場合においては、ガラス繊維用集束剤を集束剤貯蔵槽5に貯えておき、集束剤塗布装置6を用いて塗布することが可能である。ガラス繊維用集束剤の塗布量(不揮発成分)は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、0.2〜10重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましい。なお、本工程において用いるガラス繊維用集束剤の詳細については後述する。
【0017】
集束工程においては、塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る。集束するガラス繊維フィラメントの数は、例えば、50〜800本とすることができる。集束の方法は特に制限されず、図1及び2に示された装置においては、複数のガラス繊維フィラメントを束ねる機能を有する集束器7が用いられる。
【0018】
巻取り工程においては、集束工程で得られたガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る。ここで、加撚とはガラス繊維を撚ることをいい、本発明においては加撚を施さないためノンツイステッドヤーンが得られる。スクエアエンド状に巻き取られた巻糸体(図3参照)は、例えば、図1及び2の綾振り装置9におけるチップ13を一定振幅で振らせることにより、巻取りコレット10に装着した巻取りチューブ11に等しい巻量でガラス繊維束を巻き取って製造できる。巻取りチューブ11としては、外径15〜30cm、長さ10〜30cmの紙又は不織布製の円筒状チューブが通常用いられ、かかる巻取りチューブ11の周囲に、ガラス繊維束を10〜200km巻き付けることが一般的である。
【0019】
巻取り工程で得られた巻糸体(以下「乾燥前ガラス繊維巻糸体」という。)におけるガラス繊維用集束剤の乾燥を進めるために、乾燥前ガラス繊維巻糸体を乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体(以下「乾燥後ガラス繊維巻糸体」という。)を得る。乾燥前ガラス繊維巻糸体の乾燥温度は、室温〜150℃とすることが好ましく、110〜130℃で熱風乾燥させることがより好ましい。なお、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分は連続皮膜である必要はない。
【0020】
本発明においては、塗布工程において、不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物、潤滑剤、乳化剤及び水を含むガラス繊維用集束剤を用いることを特徴としている。かかる組成のガラス繊維用集束剤を用いることにより、得られたガラス繊維巻糸体を加熱乾燥させても、ガラス繊維巻糸体から解舒されたガラス繊維束は、エアージェット織機を用いて製織した場合に飛走性に特に優れるようになる。また、ソゲや毛羽立ちも充分に低減される。
【0021】
かかる特性が得られるのは、下記に起因するものと考えられる。すなわち、ガラス繊維巻糸体を加熱乾燥させた場合、ガラス繊維用集束剤の移行が大きくなってしまい、ガラス繊維束に対する集束剤不揮発成分の付着量がばらついてしまう。そのため、全体的に被膜形成剤である澱粉の付着量を多くする必要があり、ガラス繊維用集束剤における澱粉の含有量を上述のように高くする必要がある。単に、澱粉の含有率を高くしただけでは、ガラス繊維束が硬くなってしまうが、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物が、澱粉に対し可塑剤的に働き、繊維束の集束性を弱め、且つ繊維束を柔軟にすることができるためであると考えられる。
【0022】
ガラス繊維用集束剤の澱粉成分としては、コーン澱粉(コーンスターチ)、タピオカ澱粉、小麦澱粉、甘藷澱粉、馬鈴薯澱粉、ハイアミロースコーン澱粉、サゴ澱粉、米澱粉等がいずれも使用可能である。また、馬鈴薯澱粉のアミロース抽出物や、酵素により合成された特殊な澱粉も使用することができる。これらの澱粉は、エーテル化、エステル化、グラフト化、架橋等の加工が施されたものであってもよい。
【0023】
エーテル化された澱粉としては、カルボキシメチルエーテル化澱粉、ヒドロキシアルキルエーテル化澱粉、アルキルエーテル化澱粉、ベンジルエーテル化澱粉、カチオンエーテル化澱粉等が挙げられる。エステル化された澱粉としては、酢酸エステル化澱粉、燐酸エステル化澱粉、硫酸エステル化澱粉、硝酸エステル化澱粉、キサントゲン酸エステル化澱粉等が挙げられる。このエーテル化及びエステル化のいずれにおいても、澱粉の置換度には特に制限はない。
【0024】
グラフト化された澱粉としては、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、アクリルアミド、スチレン、マレイン酸等の不飽和二重結合を有するモノマーの少なくとも1種を澱粉にグラフト重合させたものが挙げられる。
【0025】
澱粉としては、更に、未加工の澱粉に対して架橋を導入したもの、又は上記のエーテル化、エステル化、グラフト化が施された澱粉に対して架橋を導入したものを挙げることができる。架橋を導入する場合においては、澱粉中の水酸基に反応性の官能基を2以上有する化合物や、澱粉中の水酸基との反応により水酸基反応性の官能基を新たに生じるような化合物が架橋剤として用いられる。このような架橋剤としては、エピクロルヒドリン、ホルムアルデヒド、ジエポキシド化合物、ジアルデヒド化合物等を挙げることができる。
【0026】
澱粉のアミロース成分の量及びアミロペクチン成分の量は任意であり、アミロース成分が50重量%未満の通常型澱粉(典型的にはアミロース成分を約30重量%、アミロペクチン成分を約70重量%含む)、及び、アミロース成分を50重量%以上含むハイアミロース型澱粉(典型的にはアミロース成分を約70重量%、アミロペクチン成分を約30重量%含む)のいずれも使用可能である。通常型澱粉を用いることによりガラス繊維用集束剤の接着性を向上させ、ハイアミロース型澱粉を含有する澱粉を用いることによりガラス繊維集束剤の皮膜形成性を向上させることができる。本発明においては、用いる澱粉の少なくとも一部は、ハイアミロース型澱粉であることが好ましく、通常型澱粉とハイアミロース型澱粉を組み合わせて使用することがより好ましい。
【0027】
澱粉の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として70〜90重量%であるが、75〜90重量%がより好ましく、80〜87重量%が更に好ましい。なお、本発明において不揮発成分とは、ガラス繊維用集束剤を120℃で乾燥したときに揮発しない成分をいう。
【0028】
本発明のガラス繊維用集束剤は下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物を含有する。式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表す。なお、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよく、R1は炭素数11〜14のアルキル基がより好ましく、R2はメチル基又はエチル基であることがより好ましい。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
【0029】
かかる化合物としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリエチルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0030】
炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物の含有量は、不揮発成分基準で0.5〜3.0重量%が好ましく、0.5〜2.6重量%がより好ましい。
【0031】
また、本発明におけるガラス繊維用集束剤は、さらに硫酸アンモニウム系化合物と含有することが好ましい。硫酸アンモニウム系化合物をさらに含有することにより、ガラス繊維束をより柔軟にし、より飛走性を向上させ、毛羽やソゲ発生を抑制することができる。かかる特性が得られる理由は必ずしも明らかではないが、集束剤に炭素数11〜18のアルキル基を備えたアンモニウムイオンと異質なイオンを混在させることにより、ガラス繊維表面での集束剤の被覆状態が変化したためと考えられる。
【0032】
本発明において、硫酸アンモニウム系化合物とは、下記一般式(2)で示される化合物をいう。ただし、一般式(2)中、Raはアンモニウムまたは置換アンモニウムであり、Rbはアンモニウム、置換アンモニウム、または1価の有機基である。なお、Ra、Rbにおける置換アンモニウムは、水素原子の少なくとも1つが1価の基で置換されたアンモニウムを意味する。
Ra−O−SO2−O−Rb・・・(2)
【0033】
Rbにおける1価の有機基としては、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アルキニル基などを例示することができる。上記硫酸アンモニウム系化合物は、一般式(2)におけるRaおよびRbの炭素数がそれぞれ14以下であることが好ましい。
【0034】
上記硫酸アンモニウム系化合物の具体例としては、硫酸アンモニウム、テトラメチルアンモニウムエトサルフェート、テトラエチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルトリメチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルトリエチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート、オクチルジエチルメチルアンモニウムエトサルフェートなどを挙げることができる。なお、硫酸アンモニウム系化合物の含有量は、不揮発成分基準で1.0〜7.0重量%が好ましい。
【0035】
ガラス繊維用集束剤の潤滑剤成分としては、変性シリコーンオイル、動植物油に水素添加した硬化油、高級飽和脂肪酸と高級飽和アルコールの縮合物等の合成油等を用いることができ、牛脂油、ゴマ油、パラフィンワックスが例示可能である。また、テトラエチレンペンタミンとステアリン酸の縮合物に酢酸を加えpHを4.5〜5.5に調整した調整物(以下、該調整物における固形分を「TEPA/SA」と記す。)を用いることもできる。TEPA/SAにおけるテトラエチレンペンタミンとステアリン酸の反応比率はモル比として、前者/後者=1/1〜1/2が好ましい。ガラス繊維用集束剤における潤滑剤は、ガラス繊維束に滑りを与え、機械上での摩擦を減少させガラス繊維を保護する機能を有する。潤滑剤の重量は、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分の全重量を基準として、3〜15重量%が好ましく、5〜10重量%がより好ましい。
【0036】
ガラス繊維用集束剤の乳化剤成分としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアニオン性界面活性剤、脂肪族4級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン等の両性界面活性剤、ポリエチレンポリプロピレンエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のノニオン性界面活性剤等を用いることができる。ガラス繊維用集束剤における乳化剤は、上記潤滑剤やその他のガラス繊維用集束剤の構成成分を分散・乳化する機能を有する。乳化剤の重量は、潤滑剤100重量部に対して50〜150重量部が好ましく、70〜140重量部がより好ましい。
【0037】
ガラス繊維用集束剤は上記成分の他、水を必須成分とするが、更に柔軟剤、防腐剤等を含んでいてもよい。柔軟剤としては、ガラス繊維表面に選択的に吸着し、ある程度の潤滑性を示す材料を用いることが好ましい。ガラス繊維用集束剤における柔軟剤は、ガラス繊維束に柔軟性を付与し、ガラス繊維束中のフィラメント同士の摩擦を減少させる働きを有する。防腐剤は、澱粉等の黴や細菌等により分解を受けやすい澱粉等の成分を保護できるものであればよく、好適な防腐剤としては、ホルムアルデヒドを挙げることができる。
【0038】
ガラス繊維用集束剤が、必須成分である澱粉、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物、潤滑剤、乳化剤及び水のみからなる場合は、ガラス繊維用集束剤の全重量を基準として、澱粉の含有量を4.0〜6.0重量%、炭素数11〜18のアルキル基を備えたアルキルアンモニウムクロライド化合物の含有量を0.03〜0.15重量%、潤滑剤の含有量を0.2〜1.5重量%、乳化剤の含有量を0.2〜0.54重量%とし、残余は水とすることが好ましい。
【0039】
ガラス繊維用集束剤は、例えば、澱粉を水に分散させた後、90〜98℃に加熱し糊化させ、これに、上記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物の水溶液(又は水分散物)、潤滑剤と乳化剤とを含む水分散物(又は水溶液)を添加する方法で製造可能である。上記必須成分以外の柔軟剤や防腐剤等を添加する場合も、これらを単独で、又は水溶液(又は水分散物)として、糊化した澱粉溶液に加えればよい。
【0040】
以上説明した方法によりガラス繊維巻糸体が得られるが、これからガラス繊維束を解舒して製織に用いることができる。すなわち、解舒されたガラス繊維束を緯糸として用い、圧搾空気等の圧搾気体によりこれを飛走させ、撚りのあるまたは撚りのないガラス繊維束等からなる経糸と交差させることにより、製織が可能となる。当該製織方法は、エアージェット織機を用いて行うことが好ましく、当該製織方法によれば、飛走性が顕著に向上し、ソゲや毛羽立ちの発生が防止される。
【0041】
本発明におけるガラス繊維巻糸体は、直径10〜30cmの巻取チューブに、ガラス繊維束を厚さ2〜7cm程度に円筒状に巻かれた形状とすることができる。巻糸体の軸方向に解舒して得られるガラス繊維束は、25mmあたりの撚り数が0.02〜0.08回程度と非常に撚り数の小さいガラス繊維束を得ることができ、また巻糸体の周方向に解舒すれば、無撚りのガラス繊維束を得ることができる。
【0042】
そのため、ガラス繊維束をエアージェット織機により製織した場合、本発明におけるガラス繊維束は撚り数の非常に小さい、または無撚りであり、その上集束性が比較的弱く、柔軟であるため、エアージェット織機による緯入れのためのエアーによりガラス繊維束の径が広がり開繊しやすくなり、かつ撚りがかかっていても撚りが戻る傾向にある。
【0043】
また、製織の結果、ガラス繊維織物が得られるので、必要に応じて脱油処理を施してプリント配線板の強化繊維等として用いることができる。最近ではプリント配線板用のガラス繊維織物は脱油処理の前または後に、高圧水流加工、水中での超音波処理などの開繊処理が施されることが多いが、この場合、本発明におけるガラス繊維束を製織して得られたガラス繊維織物は、緯糸のガラス繊維束が実質無撚りであり、かつ集束性が比較的弱く、柔軟であるため、開繊処理した際、穏やかな開繊処理条件でも容易に開繊することができ、開繊処理によるシワの発生を抑制することができる。
【0044】
【実施例】
以下、本発明の好適な実施例について更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0045】
[ガラス繊維用集束剤の製造]
(製造例1)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチ1.7kg、エーテル化コーンスターチ2.5kg及び酢酸澱粉(アセチル化コーンスターチ、置換度:0.03、水溶液粘度:7cps)0.6kgに70kgの水を加え分散させた。これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA液とする)。これとは別に、あらかじめ加熱溶解しておいた牛脂油0.3kg、ポリエチレンポリプロピレンエーテル(HLB=16、以下「PO/EO」と略す。)100g及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=9)300gに熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得られた液をB液とする)。
【0046】
また、TEPA/ST(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)30gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC液とする)。更に、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート(硫酸アンモニウム系化合物)250g及びラウリルトリメチルアンモニウムクロライド(一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物。第一工業製薬(株)製カチオーゲンL)30gを温水1kgに溶解し(得られた液をD液とする)、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)90gを水で10倍に希釈した(得られた液をE液とする)。
【0047】
次いで、65℃のA液に、B液、C液、D液及びE液を順次全量添加した後、総重量100kgになるように湯を加えて、60℃で保温し、製造例1のガラス繊維用集束剤を得た。
【0048】
(製造例2〜5)
D液におけるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの重量を、それぞれ45g、150g、25g及び200gとした他は実施例1と同様にして、それぞれ製造例2、3、4及び5のガラス繊維用集束剤を得た。
【0049】
(製造例6)
D液において、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェートを用いずに、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドの重量を45gとした他は実施例1と同様にして、製造例6のガラス繊維用集束剤を得た。
【0050】
(比較製造例1)
D液におけるラウリルトリメチルアンモニウムクロライドを用いなかった他は実施例1と同様にして、比較製造例1のガラス繊維用集束剤を得た。
【0051】
(比較製造例2)
エーテル化ハイアミロースコーンスターチ3.6kg及びエーテル化コーンスターチ0.2kgに70kgの水を加え分散させた。これを加熱昇温し95℃で30分間糊化した後、65℃まで冷却した(得られた液をA’液とする)。これとは別に、あらかじめ加熱溶解しておいた牛脂油0.7kg、ラウリルステアレート0.77kg、PO/EO100g及びポリオキシエチレンラウリルエーテル(HLB=9)50gに熱湯を加えながらミキサーで攪拌した。攪拌を5分間継続した後に熱湯で希釈し総重量を5kgとした(得られた液をB’液とする)。
【0052】
また、TEPA/ST(テトラエチレンペンタミンとステアリン酸とのモル比:前者/後者=1/2)150gに熱湯を加えて総重量を2kgとした(得られた液をC’液とする)。更に、オクチルエチルジメチルアンモニウムエトサルフェート(硫酸アンモニウム系化合物)150gを温水1kgに溶解し(得られた液をD’液とする)、ホルマリン液(ホルムアルデヒド30重量%水溶液)90gを水で10倍に希釈した(得られた液をE’液とする)。
【0053】
次いで、65℃のA’液に、B’液、C’液、D’液及びE’液を順次全量添加した後、総重量100kgになるように湯を加えて、60℃で保温し、比較製造例2のガラス繊維用集束剤を得た。
【0054】
製造例1〜6及び比較製造例1〜2の組成(重量%)と、これらにおける不揮発成分の全重量を基準とした澱粉の重量%(以下「澱粉/不揮発成分」と記す。)、及び、不揮発成分の全重量を基準とした一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物の重量%(以下「アルキルアンモニウムクロライド化合物/不揮発成分」と記す。)を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
[ガラス繊維束及びガラス繊維巻糸体の製造]
(実施例1a〜6a及び比較例1a)
図1及び図2に示す装置と同様の装置を用いて、Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して、外径20cm、長さ25cmの巻取りチューブにスクエアエンド状に100km巻き取った。これにより、ガラス繊維束(ガラス繊維ストランド)が巻き取られた巻糸体(乾燥前ガラス繊維巻糸体)を得た。この巻糸体を120℃で25時間乾燥させ、ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたECG75タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。なお、乾燥後ガラス繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。また、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例1a〜6a及び比較例1aに該当する。
【0057】
(実施例1b〜6b及び比較例1b)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径5μm)に、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤をそれぞれを塗布し200本集束して、それ以外は上記と同様にしてECD450タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。なお、乾燥後ガラス繊維巻糸体におけるガラス繊維用集束剤の不揮発成分の付着量は、ガラス繊維フィラメント100重量部に対して、1.0重量部であった。また、製造例1〜6及び比較製造例1のガラス繊維用集束剤を用いたものが、それぞれ実施例1b〜6b及び比較例1bに該当する。
【0058】
(比較例2a)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径9μm)に、比較製造例2のガラス繊維用集束剤それぞれを塗布し400本集束して、外径30cm、長さ35cmの巻き取りチューブにダブルテーパー状に100km巻き取った。得られたガラス繊維巻糸体をツイスターで巻き返しながら風乾し、0.7z/25mmの撚りをかけガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆され、ECG75タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。
【0059】
(比較例2b)
Eガラスのガラス繊維フィラメント(フィラメント径5μm)に、比較製造例2のガラス繊維用集束剤を塗布し200本集束した以外は比較例2aと同様にしてECD450タイプのガラス繊維束のガラス繊維巻糸体(乾燥後ガラス繊維巻糸体)を得た。
【0060】
[ガラス繊維織物の製造1]
(実施例7〜12及び比較例3〜4)
比較例2bで得られたECD450タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒して得られたガラス繊維束に、以下の表2に示す組成のサイズ剤を塗布した後、揮発成分を乾燥除去させ、経糸として用いた(乾燥後のガラス繊維束100重量部に対するサイズ剤の被覆量は不揮発分として1.0重量部であった)。実施例1b〜6b及び比較例1b〜2bで得られたECD450タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体から解舒して得られたガラス繊維束を緯糸として用い、織機回転数を400rpmで高速エアージェット織機にて製織を行い、経糸及び緯糸の打ち込み本数を54本/25mmで平織りし、400℃で40時間熱脱油し、巾125cmのIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反を得た。さらに、得られたガラス繊維織物原反を高圧水流による開繊処理を施し、ガラス繊維織物開繊処理品を得た。なお、製造例1〜6及び比較製造例1〜2のガラス繊維用集束剤塗布された緯糸を用いたものが、それぞれ実施例7〜12及び比較例3〜4に該当する。
【0061】
【表2】
【0062】
[ガラス繊維織物の製造2]
(実施例13〜18及び比較例5〜6)
高速エアージェット織機の織機回転数を620rpmに代え製織した他は、「ガラス繊維織物の製造1」と同様にして、巾125cmのIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反およびガラス繊維織物開繊処理品を得た。
【0063】
[製織性の評価]
「ガラス繊維織物の製造1」及び「ガラス繊維織物の製造2」で得られたガラス繊維織物の、織長100cm当たりに発生した毛羽又はソゲによる突起物を測定し、製織性を評価した。なお、評価は以下の表3に示す基準で行った。
【0064】
【表3】
【0065】
[ガラス繊維束の飛走性の評価]
実施例1a〜6a及び比較例1a〜2aで得られたECG75タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体のガラス繊維束を、高速エアージェット織機のエアーノズルを1.0kg/cm2の圧力にして4分間吹出させ、吹出されたガラス繊維束の重量(吹出し量)を測定した。なお、飛走性は吹出し量が多いほど優れる。
【0066】
[糸幅の評価]
実施例1a〜6a、比較例1a〜2aで得られたECG75タイプの乾燥後ガラス繊維巻糸体のガラス繊維束を、高速エアージェット織機のエアーノズルを1.7kg/cm2の圧力にして吹出させ、ガラス繊維束の形態を保ちながら、長さ10cmに切断し、スライドガラスに貼り付け、画像処理装置(ニレコ(株)社製ルーレックスFS)を備えた実体顕微鏡でガラス繊維束の径を測定した。
【0067】
[クロス通気度の評価]
実施例8及び比較例3、4のIPCスペック1078タイプのガラス繊維織物脱油反及びガラス繊維織物開繊処理品について、JIS L1096 一般織物試験方法「通気性試験A法」(フラジール形法)に準じ、通気度を測定した。
【0068】
上記評価の結果をまとめて以下の表4に示す。なお、結果は塗布されたガラス繊維用集束剤の種類に基づいて表した(製造例1〜6及び比較製造例1〜2と表記した)。
【0069】
【表4】
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、スクエアエンド状のガラス繊維巻糸体の製造方法であって、エアージェット織機による飛走性に優れたガラス繊維束を得ることのできる製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の正面図である。
【図2】本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法の実施に好適な装置の側面図である。
【図3】(a)は本発明のガラス繊維巻糸体の製造方法により得られるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【図4】(a)は従来技術によるガラス繊維巻糸体の正面図であり、(b)は該巻糸体の側面図である。
【符号の説明】
1…溶融槽、2…ブッシング、3…ガラス繊維フィラメント、4…ガラス繊維用集束剤、5…集束剤貯蔵槽、6…集束剤塗布装置、7…集束器、8…ガラス繊維束、9…綾振り装置、10…巻取りコレット、11…巻取りチューブ、12…ガラス繊維巻糸体、13…チップ。
Claims (7)
- 複数のガラス繊維フィラメントにガラス繊維用集束剤を塗布する塗布工程と、前記塗布工程で得られた複数のガラス繊維フィラメントを集束してガラス繊維束を得る集束工程と、前記ガラス繊維束を加撚することなく巻取りチューブにスクエアエンド状に巻き取って巻糸体を得る巻取り工程と、前記巻糸体を乾燥することにより前記ガラス繊維用集束剤の不揮発成分で被覆されたガラス繊維束の巻糸体を得る乾燥工程と、を備えるガラス繊維巻糸体の製造方法であって、
前記ガラス繊維用集束剤は、前記不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有する集束剤であることを特徴とする方法。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
(式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表す。なお、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。) - 前記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物の含有量は、前記不揮発成分基準で0.5〜3.0重量%であることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
- 前記ガラス繊維用集束剤は、硫酸アンモニウム系化合物を更に含有することを特徴とする請求項1又は2記載の製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法で得られることを特徴とするガラス繊維巻糸体。
- 請求項4記載のガラス繊維巻糸体から解舒して得られることを特徴とするガラス繊維束。
- 請求項5記載のガラス繊維束からなる緯糸を、圧搾気体により飛走させることにより経糸と交差させる工程を備えることを特徴とする製織方法。
- 不揮発成分基準で70〜90重量%の澱粉と、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムクロライド化合物と、潤滑剤と、乳化剤と、水とを含有することを特徴とするガラス繊維用集束剤。
[R1−N+−(R2)3]・Cl− …(1)
(式中、R1は炭素数11〜18のアルキル基、R2は水素原子、メチル基又はエチル基、をそれぞれ表す。なお、複数存在するR2は同一でも異なっていてもよい。)
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JP2007153706A (ja) * | 2005-12-07 | 2007-06-21 | Nitto Boseki Co Ltd | ガラス繊維用集束剤 |
JP2007303057A (ja) * | 2005-11-30 | 2007-11-22 | Fuji Ultrasonic Engineering Co Ltd | アスベスト包囲固化処理材およびこれを用いたアスベスト包囲固化処理工法 |
-
2003
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