JP2004262488A - ロールオン式キャップによる容器の密封方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内容物が充填された容器2の口頸部20にキャップ1を被せて上から押圧した状態で、ロールオン成形により口頸部20のネジ部に沿ってキャップ1のスカート部にネジ部を成形することで容器を密封してから、充填・密封済み容器の少なくともキャップの内面側を加熱して加熱殺菌処理を施した後、キャップ回動装置のキャッパーヘッド33によりキャップ1を挟持した状態で、更に、キャップ1(又は容器2)をネジ部の螺合が進む方向に回動させる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製のシェルの天板部内面側に合成樹脂製の密封用ライナーが付設されたキャップを、飲料等の内容物が充填された容器の口頸部に被せて上から押圧した状態で、容器の口頸部の形状に合わせてキャップをロールオン成形するような容器の密封方法に関し、特に、ロールオン成形によりキャップのスカート部にネジ部を成形することで容器を密封した後で、充填・密封済み容器に対して加熱殺菌処理を施すような場合に適用されるロールオン式キャップによる容器の密封方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラス壜や合成樹脂製ボトル(PETボトル等)や金属製のボトル型缶のような容器において、金属製のシェルと合成樹脂製のライナーとからなるキャップを、飲料等の内容物が充填された容器の口頸部に被せて、上方から押圧力を加えながら、ローラーを側方から押し付けてロールオン成形することで、口頸部に形成されているネジ部に沿ってキャップのスカート部にネジ部を成形すると共に、口頸部のネジ部下方に形成されている環状膨出部の下面に沿って、キャップの下端部(スカート部の下方)に形成されたピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込み成形する、所謂ロールオン式キャップによって容器の開口部を密封するということが従来から一般的に行なわれている(例えば、特開昭56−13390号公報,特開昭57−1092号公報,特開昭57−17785号公報,特開2001−270596号公報等参照)。また、そのようなロールオン式キャップによる容器の密封について、ロールオン成形時のキャップ天板部への押圧荷重を軽減するために、ロールオン成形法を連続して2回行うということが従来から公知となっている(特公昭61−44756号公報参照)。
【0003】
上記のようにロールオン成形によって密封される容器詰め製品に使用されるロールオン式キャップ(ピルファープルーフバンドを備えたピルファープルーフキャップ)では、キャップの天板部内面と容器の口頸部の上端との間での密封性を確保するために、金属製のシェルの天板部内面側に、弾力性を有する合成樹脂製の密封用ライナーが付設されているのに対して、そのようなキャップを使用して容器詰めの製品を製造する場合には、容器に充填する内容物(飲料等)によっては、キャップにより容器を密封した後で、かなりの高温で加熱殺菌処理を施すことがあるが、そのような場合に、加熱殺菌処理による高熱をキャップが受けることにより、キャップの天板部内面側に付設されている合成樹脂製のライナーが、金属製シェルの天板部と容器の口頸部上端との間に強い力で挟圧された状態で、軟化して塑性変形することとなり、その結果、加熱殺菌処理の後で容器が冷却された時に、口頸部上端に圧接するライナーの樹脂の弾力性が著しく低下して、キャップの側を下にして容器が落下されたような場合には、容器の口頸部上端とキャップとの間での密封性が保てなくなるような虞がある。
【0004】
そのような問題に対処するために、飲料等が充填された容器(壜体)に対して、一次キャッピングでロールオン式キャッパ−により容器(壜体)を密封してから、レトルト殺菌処理した後で、二次キャッピングにより、再びロールオン式キャッパーを使用して、キャップの上面を押圧しながら、もう一回キャップをロールオン成形することで、キャップの天板部(天壁)内面に設けられているライナーを、容器の口頸部上端(口筒上端面)に強く押し付けて再び強く弾接させた状態として、その状態でキャップのスカート部(周壁)を容器の口頸部(口筒)の外周面に沿った形状に加工することにより、キャップと容器との間での密封性を確保できるようにする、ということが特開平1−99989号公報によって従来公知となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の特開平1−99989号公報に開示されているような従来公知の方法では、一次キャッピングでのロールオン成形において、容器の口頸部に形成されているネジ部に沿ってキャップのスカート部にネジ部を成形すると同時に、スカート部の下方に形成されたピルファープルーフバンドの下端側を、口頸部のネジ部下方に形成されている環状膨出部の下面に沿って、半径方向内方に押し込むように成形しており、そのようにロールオン成形されたキャップに対して、熱処理(レトルト処理)の後で、二次キャッピングでのロールオン成形により、もう一回、キャップを上方から押圧した状態で、キャップのネジ部を再成形すると共に、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込むように再成形している。
【0006】
そのような従来公知の方法によれば、二次キャッピングでのロールオン成形の際に、キャップを上方から押圧することにより、キャップの天板部と容器の口頸部上端との間に存在する合成樹脂製のライナーを、上方からの押圧力により弾力的に圧縮させるように容器の口頸部上端に強く押し付けて、キャップの天板部と容器の口頸部上端とに対して強く弾力的に圧接する状態に戻すことが必要であるが、そうするためには、容器の口頸部上端に対してキャップの天板部が僅かに下方へ移動可能となっていることが必要である。
【0007】
しかしながら、キャップのスカート部には既に一次キャッピングによってネジ部が成形されており、一方、このネジ部と合致する形状のネジ部は容器の口頸部に当然存在していることから、キャップのネジ部が口頸部のネジ部と確実に螺合する深さに成形されている場合には、既に成形されたキャップのネジ部の下面側(半径方向内方に突出する雌ネジのネジ山の下面側)が容器の口頸部のネジ部の上面側(半径方向外方に突出する雄ネジのネジ山の上面側)に当接して、それよりも下方にキャップが移動することはなく、再度のロールオン成形によって既に成形されたネジ部よりも僅かに上方にずらせてネジ部を再成形しようとしても、そのように位置をずらせて正常な形状の新しいネジ部を成形することはできないことになる(無理に成形しようとすると、口頸部のネジ部と不整合となったネジ部が形成されてしまう)。
【0008】
なお、一次キャッピングでのロールオン成形の際に、キャップのスカート部に成形するネジ部を、容器の口頸部に形成されているネジ部の形状よりもネジ谷がかなり浅くなるように成形しておけば、二次キャッピングにおいてキャップのネジ部を深く再成形することにより、キャップのスカート部が高さ方向で僅かに収縮するため、容器の口頸部上端に対してキャップの天板部が僅かに下方へ移動することとなるが、そのようにキャップのスカート部にネジ部を浅く成形した場合には、容器の口頸部とキャップとの間の螺合が甘くなるために、例えば、一次キャッピングの後でレトルト殺菌処理を施す際に、容器内の飲料および気体が高温になって熱膨張することで容器内の圧力が上昇すると、その圧力によりキャップの天板部が持ち上げられて、容器の口頸部上端に圧接されているライナー材の圧接力が弱くなり、その結果、容器内の気体や飲料が漏洩するような虞が生じることとなる。
【0009】
特に、胴部が肉薄に形成されたアルミニウム合金板製のボトル型缶を使用した飲料缶詰の場合には、外圧により胴部が変形する(凹む)のを防止するために、飲料を充填した後の缶内に液体窒素を添加して缶内圧が高い陽圧缶詰としていることから、そのような飲料缶詰をレトルト殺菌する場合には、レトルト殺菌処理時に缶内圧がかなり高くなって、容器の口頸部とキャップとの螺合状態を確実なものにしておかないと、それだけ容器の口頸部とキャップとの間から飲料が漏洩する可能性が高くなるという問題がある。
【0010】
本発明は、上記のような問題の解消を課題とするものであり、具体的には、ロールオン式キャップによる容器の密封方法について、容器内の空気や内容物を漏洩させることなく加熱殺菌処理することができて、しかも、簡単な手段により、加熱殺菌処理の後でも合成樹脂製ライナーによるキャップと容器の間の密封性を充分に確保できるようにすることを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記のような課題を解決するために、天板部の周縁からスカート部を略円筒状に垂下させ、スカート部の下方にピルファープルーフバンドを形成した金属製のシェルと、その天板部内面側に付設される合成樹脂製の密封用ライナーとからなるキャップを、内容物が充填された容器の口頸部に被せて上から押圧した状態で、口頸部に形成されているネジ部とその下方の環状膨出部とに合わせて、キャップのスカート部をロールオン成形するような容器の密封方法において、内容物が充填された容器の口頸部にキャップを被せて上から押圧した状態で、ロールオン成形により口頸部のネジ部に沿ってキャップのスカート部にネジ部を成形することで容器を密封してから、充填・密封済み容器の少なくともキャップの内面側を加熱して加熱殺菌処理を施した後、更に、キャップと容器の少なくとも一方を、両者のネジ部の螺合が進む方向に回動させるようにしたことを特徴とするものである。
【0012】
上記のような構成によれば、加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形において容器の口頸部とキャップとを確実に螺合させておくことで、加熱殺菌処理するときに容器内の空気や内容物を漏洩させるようなことはない。また、加熱殺菌処理(その後の冷却工程を含む)により、口頸部上端に圧接するライナーの樹脂の弾力性が著しく低下しても、容器の口頸部とキャップとの螺合を更に進める(締め付ける)ことにより、キャップの天板部と容器の口頸部上端との間にライナーを再び強く挟圧することができ、容器の口頸部上端にライナーを強く圧接させることができて、その結果、キャップと容器との間での密封性を充分に確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のロールオン式キャップによる容器の密封方法の実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明の方法の一実施形態について、図1は、最終的に製造された製品において容器の口頸部にキャップが装着されている状態を示し、図2は、内容物が充填された容器の口頸部にキャップを被せて上から押圧した状態で、ロールオン成形によりキャップのスカート部にネジ部を成形する時の状態を示し、図3は、充填・密封済み容器に加熱殺菌処理を施した後で、キャップを螺合進行方向(締め付け方向)に回動してから、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込み成形する時の状態を示すものである。
【0014】
本実施形態の方法で使用している容器は、例えば、両面にポリエステル製フィルムの保護被膜を熱融着させたアルミニウム合金板等のような、樹脂被覆金属板材から口頸部と肩部と胴部が一体成形されて、胴部の下端に別体の底蓋が巻締め固着されているボトル型の金属缶であって、図1に示すように、容器2の口頸部20には、その上端開口縁に沿ってリング状に外巻きのカール部21が形成され、その下方のスカート部にネジ部22が形成され、ネジ部22の下方に環状の膨出部23が形成されている。なお、使用する容器については、上記のような金属製のボトル型缶に限らず、ガラス壜や合成樹脂製ボトル(PETボトル等)のような、ネジ付きの口頸部を備えた適宜の容器であっても良い。
【0015】
また、本実施形態の方法で使用しているキャップ1は、金属製のシェル10と合成樹脂製の密封用ライナー11とからなり、金属製のシェル10の下端部分が切り離し可能なピルファープルーフバンド13となっている所謂ピルファープルーフキャップであって、図示していないが、容器の口頸部に装着される前の状態では、金属製のシェルは、円板状の天板部の周縁から円筒状のスカート部を垂下させたものであり、この円筒状のスカート部の下方にピルファープルーフバンドが切り離し可能に形成されていて、このシェルの天板部の内面側(下面側)に合成樹脂製のライナーが一体的に付設されている。
【0016】
なお、キャップのシェル10とライナー11の材質については、特に限定されるものではないが、シェル10については、例えば、内面側にオレフィン系樹脂粉を分散させたエポキシ−フェノール樹脂が塗布されているアルミニウム合金板等の従来から知られたキャップ用の金属材を使用しており、また、ライナー11については、例えば、低密度ポリエチレンとエチレン−プロピレン共重合体エラストマーのブレンド材やポリプロピレンとスチレン系エラストマーのブレンド材、ポリエステル系エラストマー等の従来から知られたライナー用の合成樹脂材を使用していて、天板部の内面側に合成樹脂を溶融状態で押出して型押しする周知の型押成形法等によって成形されている。
【0017】
そのような金属製のシェル10と合成樹脂製のライナー11とからなるキャップ1がロールオン成形により容器2の口頸部20に最終的に装着された状態では、図1に示すように、容器2の口頸部20に上方から順にカール部21とネジ部22と環状膨出部23とが形成されているのに対応して、キャップ1(シェル10)のスカート部には、口頸部20のネジ部22と合致する(螺合する)ようにネジ部12が形成され、ピルファープルーフバンド13は、その下端側が口頸部20の環状膨出部23の下面に沿うように半径方向内方に押し込まれている。そして、合成樹脂製のライナー11は、キャップ1(シェル10)の天板部と口頸部20の上端のカール部21との間に強く挟み込まれて、口頸部20の上端のカール部21に対して強く弾力的に圧接しており、それによって、キャップ1と容器2との間での密封性は充分に確保された状態となっている。
【0018】
ところで、ロールオン式キャップにより容器を密封するための本実施形態の方法については、容器内に内容物が充填されて密封された後で、充填・密封済みの容器(缶詰)に対して高温で加熱殺菌処理(及びその後の冷却工程)を施した場合でも、上記のように密封性が充分に確保された状態を維持できるように容器を密封するためのものであって、そのような本実施形態の方法について以下に説明する。
【0019】
本実施形態の方法では、アルミニウム合金板製のボトル型缶を容器として使用し、70〜90℃程度の温度に加熱された飲料(ミルクコーヒー,ミルク紅茶,ミルクココア,ミルクセーキ,豆乳,スープ飲料等)を充填してから、更に、缶内圧を高めると共に飲料の酸化を防止するための、容器のヘッドスペースに液体窒素を添加しており、そのように飲料が充填された容器(ボトル型缶)について、ロールオン式キャップにより容器の開口部を密封するようにしている。
【0020】
すなわち、内容物(飲料)が充填され液体窒素が添加(好ましくは、容器のヘッドスペースに窒素ガスを吹き付けて、ヘッドスペース内の空気を追い出してから液体窒素を添加)された容器(ボトル型缶)について、先ず、図2に示すように、金属製のシェルと合成樹脂製のライナーとからなるピルファープルーフキャップ1を容器2の口頸部20に被せた状態で、プレッシャー31とネジローラー32とを備えたロールオン式キャッパーを使用して、プレッシャー31によりキャップ1の天板部を上方から加圧しながら、キャップ1の円筒状のスカート部に対して、ネジローラー32を側方から近づけて、ネジローラー32によりキャップ1のスカート部を容器2の口頸部20に押し付けることで、口頸部20に形成されているネジ部22に沿ってキャップ1のスカート部にネジ部12を成形している。なお、本実施形態では、この時のロールオン成形において、ピルファープルーフバンド13の下端側を容器2の口頸部20の環状膨出部23の下面に沿って半径方向内方に押し込み成形することはしていない。
【0021】
上記のようにロールオン成形によりキャップ1にネジ部12を成形することで容器2の口頸部20にキャップ1が装着された容器(ボトル型缶)について、本実施形態の方法では、図示していないが、この充填・密封済みの容器(缶詰)を、レトルト釜に搬入して125℃で25分間の加熱加圧殺菌処理を施した後、レトルト釜内に冷却水を導入して約40℃に冷却してから、レトルト釜から取り出して、キャップ回動装置の下方位置まで搬送している。
【0022】
そして、そのように加熱殺菌処理(及びその後の冷却工程)が施された後の容器(缶詰)について、図3に示すように、先ず、キャップ回動装置のキャッパーヘッド33を降下(又は容器2を上昇)させて、キャッパーヘッド33をキャップ1に上方から被せてから、キャッパーヘッド33によりキャップ1を挟持した状態で、所定のトルクにより、口頸部20とキャップ1との螺合が進む方向(締め付け方向)にキャップ1(又は容器2)を回動させる。なお、キャップ回動装置により所定トルクでキャップ1(又は容器2)を螺合が進行する方向(締め付け方向)に回動させると、レトルト殺菌処理後のキャップ1では、通常30〜90度程度回動し、それに伴って口頸部20に対するキャップ1の相対位置も降下することとなる。
【0023】
上記のようにキャップ1を口頸部20に充分に螺合させた(締め付けた)後で、更に、プレッシャー31とスカートローラー(締め付けローラー)34とを備えたロールオン式キャッパーを使用して、プレッシャー31によりキャップ1の天板部を上方から加圧しながら、スカートローラー(締め付けローラー)34をピルファープルーフバンド13の下端側に押し付けることで、ピルファープルーフバンド13の下端側を、口頸部20の環状膨出部23の下面に沿って半径方向内側に押し込むことにより、キャップ1を口頸部20に固着させている。なお、本実施形態で使用しているロールオン式キャッパーは、従来から使用しているものを転用したものであって、加熱殺菌処理前のロールオン成形では、スカートローラー34を取り外して使用し、加熱殺菌処理後のロールオン成形では、ネジローラ一32を取り外して使用している。
【0024】
上記のような本実施形態のロールオン式キャップによる容器の密封方法によれば、加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形において、キャップ1のスカート部にネジ部12をロールオン成形して、容器2の口頸部20とキャップ1とを確実に螺合させておくことで、充填・密封済みの容器を加熱殺菌処理するときに容器内の空気や内容物が漏洩するのを防止することができる。
【0025】
また、加熱殺菌処理(その後の冷却工程を含む)により口頸部20の上端(カール部21)に圧接するライナー11の合成樹脂の弾力性が著しく低下していても、口頸部20とキャップ1の螺合を更に進める(締め付ける)ことにより、キャップ1(シェル10)の天板部と口頸部20の上端(カール部21)との間にライナー11を再び強く挟圧して、口頸部20の上端(カール部21)に対してライナーを強く圧接させることができる。その結果、加熱殺菌処理によって低下されたライナー11による密封性が良好な状態に回復されることとなって、容器が落下衝撃を受けても、口頸部20の上端(カール部21)とキャップ1との間から内容物や空気が漏洩するような虞は殆どなくなる。
【0026】
なお、本実施形態の方法では、加熱殺菌処理の後で、キャップ1(シェル10)の天板部と口頸部20の上端(カール部21)との間にライナー11を強く挟圧するために、無理にキャップにネジ部を再成形するようなことなく、単に、口頸部20のネジ部22とキャップ1のネジ部12との螺合を進める(締め付ける)方向へキャップ1(又は容器2)を回動させるだけであるため、そのための操作をスムーズに無理なく行うことができて、キャップ1自体を変形させるような虞はない。
【0027】
また、本実施形態の方法によれば、加熱殺菌処理を施した後、口頸部20とキャップ1との螺合を更に進めることで、ライナー11による密封性を良好な状態に回復させてから、ピルファープルーフバンド13の下端側を、口頸部10の環状膨出部23の下面に沿って半径方向内方に押し込み成形していることにより、容器同士が接触したり、容器が他の物体と接触した状態で振動を受けたとしても、ライナー11による密封性が良好に維持されている状態で、キャップ1が弛む(螺合が解ける)方向に回動するようなこともなく、その結果、開封によりピルファープルーフバンド13が切り離されるまでライナー11による良好な密封性を確実に維持することができて、開封前に内容物の漏洩が発生するのを確実に防止することができる。
【0028】
なお、本実施形態の方法では、加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形時にはキャップ1のスカート部にネジ部12を成形しているだけで、ピルファープルーフバンド13については特にロールオン成形することなく、ピルファープルーフバンド13の下端側を口頸部20の環状膨出部23の下面に沿って半径方向内方に押し込み成形することはしていないが、加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形時に、キャップ1のスカート部にネジ部12を成形すると同時に、ピルファープルーフバンド13の下端側を半径方向内方に押し込み成形すると共に、加熱殺菌処理を施した後に、口頸部20とキャップ1の螺合を更に進める方向にキャップ1又は容器2の少なくとも一方を回動させてから、ピルファープルーフバンド13の下端側を半径方向内方に押し込むように再成形するようにしても良く、そうした場合には、加熱殺菌処理の際や、加熱殺菌処理のために容器を搬送している時に、口頸部20とキャップ1との螺合が弛む虞を完全に払拭できる。
【0029】
以上、本発明のロールオン式キャップによる容器の密封方法の一実施形態について説明したが、本発明の方法は、上記のような実施形態に限られるものではなく、適宜に変更可能なものであって、例えば、上記の実施形態では、胴部が肉薄化されたアルミニウム合金製のボトル型缶を使用して、充填時に液体窒素を添加しているが、ボトル型缶を剛性の高い表面処理鋼板製として、しかも通常のボトル型缶の場合よりも胴部を肉厚にすることで、缶内圧が負圧(大気圧よりも低い圧力)であっても胴壁が凹むようなことのないようにすれば、充填時に液体窒素を添加する必要はなく、さらに、使用する容器については、金属製のボトル型缶に限らず、ガラス壜や樹脂ボトルのような他の容器であっても良い。
【0030】
また、加熱殺菌処理については、レトルト殺菌法に限らず、例えば、容器内に80℃以上の内容物を充填して密封した後に、容器を倒置状態又は横置き状態にして熱い内容物と接触させることにより、キャップの内面を80℃以上の温度に所定時間以上維持してキャップの内面を加熱殺菌するような熱間充填法(なお、熱間充填法でも、容器の内面側を加熱殺菌処理するに充分な時間を経過した後は、外面側に冷却水等を吹きつけて容器及び容器内の飲料の温度を25〜40℃程度の温度に冷却する)であっても良いし、さらには、そのような熱間充填法を採用せずに、飲料を容器内に充填してキャップで密封した後、60〜95℃の温度の熱水等で容器を加熱して容器及び飲料を殺菌処理するようにしても良い等、適宜の加熱殺菌処理法を適用することによっても実施可能なものである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したような本発明のロールオン式キャップによる容器の密封方法によれば、加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形で容器とキャップを確実に螺合させておくことで、容器内の空気や内容物を漏洩させることなく容器を加熱殺菌処理することができる。また、加熱殺菌処理により、容器の口頸部上端に圧接するライナーの合成樹脂の弾力性が著しく低下しても、容器の口頸部とキャップとの螺合を更に進める(締め付ける)だけで、簡単な手段によりキャップを変形させることなく、容器の口頸部上端に対してライナーを再び強く圧接させることができて、キャップと容器との間での密封性を充分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のロールオン式キャップによる容器の密封方法の一実施形態について、最終的に製造された製品において容器の口頸部にキャップが装着されている状態を示す縦断面図。
【図2】内容物が充填された容器の口頸部にキャップを被せて上から押圧した状態で、ロールオン成形によりキャップのスカート部にネジ部を成形する時の状態を示す縦断面説明図。
【図3】充填・密封済みの容器に加熱殺菌処理を施した後で、キャップを螺合進行方向(締め付け方向)に回動してから、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込み成形する時の状態を示す縦断面説明図。
【符号の説明】
1 キャップ
2 容器
10 (キャップの)シェル
11 (キャップの)ライナー
12 (キャップの)ネジ部
13 (キャップの)ピルファープルーフバンド
20 (容器の)口頸部
21 カール部(口頸部の上端)
22 (口頸部の)ネジ部
23 (口頸部の)環状膨出部
Claims (5)
- 天板部の周縁からスカート部を略円筒状に垂下させ、スカート部の下方にピルファープルーフバンドを形成した金属製のシェルと、その天板部内面側に付設される合成樹脂製の密封用ライナーとからなるキャップを、内容物が充填された容器の口頸部に被せて上から押圧した状態で、口頸部に形成されているネジ部とその下方の環状膨出部とに合わせて、キャップのスカート部をロールオン成形するような容器の密封方法において、内容物が充填された容器の口頸部にキャップを被せて上から押圧した状態で、ロールオン成形により口頸部のネジ部に沿ってキャップのスカート部にネジ部を成形することで容器を密封してから、充填・密封済み容器の少なくともキャップの内面側を加熱して加熱殺菌処理を施した後、更に、キャップと容器の少なくとも一方を、両者のネジ部の螺合が進む方向に回動させるようにしたことを特徴とするロールオン式キャップによる容器の密封方法。
- 加熱殺菌処理を施した後、キャップと容器の少なくとも一方を、両者のネジ部の螺合が進む方向に回動させてから、口頸部に形成されている環状膨出部の下面に沿って、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込み成形するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のロールオン式キャップによる容器の密封方法。
- 加熱殺菌処理を施す前のロールオン成形時に、キャップのスカート部にネジ部を成形すると同時に、口頸部に形成されている環状膨出部の下面に沿って、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込み成形すると共に、加熱殺菌処理を施した後、キャップと容器の少なくとも一方を、両者のネジ部の螺合が進む方向に回動させてから、ピルファープルーフバンドの下端側を半径方向内方に押し込むように再成形するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のロールオン式キャップによる容器の密封方法。
- 加熱殺菌処理が、容器全体をレトルト装置に収容して行うレトルト殺菌法であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のロールオン式キャップによる容器の密封方法。
- 加熱殺菌処理が、容器内に80℃以上の内容物を充填して密封した後で容器を横置き状態又は倒置状態にしてキャップの内面を80℃以上の温度に所定時間以上維持する熱間充填法であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のロールオン式キャップによる容器の密封方法。
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