JP2004259824A - 画像記録装置用光源ユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】組み付け作業性がよい空冷によって放熱を行うことを前提とし、空冷による冷却効果を十分期待することができ、LD光源の温度を一定の温度以下に維持する。
【解決手段】ヒートシンク58の長手方向に亘り、緊密に配置された多数のLD光源48を奇数番目と偶数番目とに分類し、これらを光軸方向にオフセットさせて千鳥配列構造とした。これにより、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aの重なりを軽減することができ、隣接するLD光源48の周囲による影響、並びに温度分布領域48Aの重なりによるヒートシンク58の温度むらを解消することができ、均一にLD光源48を、むらなく所定温度以下に維持することができる。
【選択図】 図4
【解決手段】ヒートシンク58の長手方向に亘り、緊密に配置された多数のLD光源48を奇数番目と偶数番目とに分類し、これらを光軸方向にオフセットさせて千鳥配列構造とした。これにより、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aの重なりを軽減することができ、隣接するLD光源48の周囲による影響、並びに温度分布領域48Aの重なりによるヒートシンク58の温度むらを解消することができ、均一にLD光源48を、むらなく所定温度以下に維持することができる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のLD光源を露光光源群としてユニット化し、当該各LD光源からの光を記録媒体が位置決めされた露光面へ案内することで、複数の走査ラインを同時に走査する画像記録装置に用いられる光源ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像記録装置、例えばCTP等の印刷版露光装置としては、シート状の印刷版(例えば所謂フォトポリプレートやサーマルプレート)における支持体上の画像形成層(感光層、乳剤面)に、直接レーザビームで画像を記録(露光)するものが開発されてきている。
【0003】
ところで、上記レーザビームは、光を発するLD光源を露光光源としている。ここで、LD光源の性能保持や耐久性確保を図るためには、LD光源を一定の温度以下に維持する必要があり、このため、LD光源を所謂ヒートシンク、ペルチェ素子またはチラー等組み付けることで、冷却手段へLD光源の熱を伝導させることがなされている(特許文献1参照)。
【0004】
上記のようにLD光源を温度制御し、光出力を安定させる技術は、特許文献1に限らず、周知の技術として一般的になされていることである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−117041号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ペルチェ素子等の冷却手段は、冷却効果としては十分であるが、冷却手段として付加部品を装備しなければならず、組み付け作業が面倒であり、コストもアップする。
【0007】
一方、ヒートシンク等の空冷手段は、LD光源を取り付けるベースにもなり得、別途付加部品等部品等が不要であるため、組み付け易く、コスト的にも有利である簡便である。
【0008】
ここで、空冷手段は、冷却効果が不十分であるため、放熱効果を上げるために、例えば、ヒートシンクに向けて送風することで、ヒートシンクからの放熱を促進するといった手段が考えられる。
【0009】
しかしながら、特に、多数(最大87個)のLD光源を限られた筐体内に収容した場合、個々のLD光源の取付ピッチが狭く、それぞれのLD光源から発熱が他のLD光源に影響を及ぼしたり、筐体が比較的閉ざされた空間であると、周囲の環境温度等の影響で、放熱が効率よく行われない場合がある。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、組み付け作業性がよい空冷によって放熱を行うことを前提とし、空冷による冷却効果を十分期待することができ、LD光源の温度を一定の温度以下に維持することができる画像記録装置用光源ユニットを得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数のLD光源を備えた画像記録装置用光源ユニットであって、前記複数のLD光源がその発光光軸を略平行として取り付けられ、前記LD光源から伝導してきた熱を放出する放熱部材と、前記放熱部材に向けて冷却風を送風する送風手段とを有し、前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置をずらして配列したことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、LD光源がその光軸が略平行となるように配列される場合、限られたスペース内でLD光源の数が多ければ多いほど、その取付ピッチが狭まることになる。取付ピッチが狭まると、隣接するLD光源間で互いの熱の影響を受けやすくなる。そこで、LD光源の取り付け位置をずらして配列する。このずらした配列により実質的な間隔が広がり、その分熱の影響を緩和することができる。ずらす量は離せば離すほど効果的である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置は、前記LD光源の自己発熱量、並びに前記放熱部材及び送風手段を含む周囲温度に応じた熱分布に基づくことを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、LD光源をずらして取り付ける場合に、LD光源の自己発熱量、並びに前記放熱部材及び送風手段を含む周囲温度に応じた熱分布を勘案することで、最適なずらし位置を設定することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記取り付け位置の範囲が予め定められた領域に制限されており、前記LD光源が前記領域内で千鳥配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像記録装置用光源ユニット。
している。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、光源ユニット全体を見た場合、各LD光源の取付ピッチを平均的にするのが好ましい。また、LD光源を取り付けるための領域は一般的に予め定められ、制限がある。そこで、LD光源を千鳥配列とすることで、隣接するLD光源間のピッチをほぼ均一とすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記送風手段の冷却風の送風上流側から下流側にかけて、前記放熱部材上のLD光源の取付ピッチが徐々に広くなるように配列したことを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、送風手段の上流側では、新鮮な冷却風が吹き付けられるため、LD光源の発熱を押さえる効果としては高い。一方、このようなLD光源から受熱した冷却風が次の(下流側の)LD光源の冷却を対象とした場合、その効果を落ちる。従って、最上流側のLD光源からの受熱量と、最下流側のLD光源からの受熱量とに差が生じる。
【0019】
そこで、送風手段の冷却風の送風上流側から下流側にかけて、放熱部材上のLD光源の取付ピッチが徐々に広くなるように配列した。これにより、LD光源の取付ピッチが広い分、放熱効果が上がり、前記送風手段での冷却効果と相殺させ、略均等な冷却が実現できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記LD光源は、ファイバーレーザーとしている。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、LD光源からの照射される光をファイバーによって案内する構成とすることで、LD光源自体の相対位置関係は画像記録のための光軸の相対位置関係とは無関係となり、所望の配列が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
「第1の実施の形態」
(画像記録装置の構成)
以下に、画像記録装置として適用される印刷版自動露光装置150の概略構成を示す。
【0023】
図1に示される如く、印刷版自動露光装置150の露光部14は、印刷版12を周面に巻付けて保持する回転ドラム16を主要部として構成されており、印刷版12は、搬送ガイドユニット18に案内されて、この回転ドラム16の接線方向から送り込まれるようになっている。
【0024】
回転ドラム16の図3の上部には、パンチャー24が配設されている。
【0025】
搬送ガイドユニット18は、給版ガイド20と排版ガイド22とで構成されている。
【0026】
搬送ガイドユニット18の給版ガイド20と排版ガイド22とは、互いの相対位置関係が横V字型とされ、図1の右端部側の中心として、所定角度回動する構造となっている。この回動によって、給版ガイド20及び排版ガイド22を選択的に前記回転ドラム16又はパンチャー24に対応させることができる。
【0027】
印刷版12は、まず、給版ガイド20に案内されてパンチャー24へ送り込まれ、この印刷版12の先端に位置決め用の切欠きを形成する。
【0028】
印刷版12は、パンチャー24による処理後、一旦給版ガイド20に戻されることで、回転ドラム16に対応する位置に移動される。
【0029】
回転ドラム16は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印A方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印B方向)へ回転される。
【0030】
図1に示されるように、露光部14に設けられている回転ドラム16には、外周面の所定の位置に、先端チャック26が取付けられている。露光部14では、この回転ドラム16に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック26が、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム16を停止させる。
【0031】
露光部22には、印刷版装着位置で先端チャック26に対向して装着ユニット28が設けられている。先端チャック26は、この装着ユニット28の伸縮ロッド28Aが伸長して一端側が押圧されることにより、回転ドラム16の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。
【0032】
露光部14では、印刷版12の先端が先端チャック26と回転ドラム16の間に挿入された状態で、装着ユニット28の伸縮ロッド28Aを引き戻して先端チャック26への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック26と回転ドラム16の周面との間で挟持して保持する。
【0033】
このときに、印刷版12は、先端が回転ドラム16に設けられた位置決めピン(図示省略)に突き当てられて位置決めされる。
【0034】
露光部14では、回転ドラム16に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム16を装着露光方向(図1の矢印A方向)へ回転する。これにより、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム16の周面に巻き付けられる。
【0035】
回転ドラム16の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向の下流側にスクイズローラ30が配置されている。このスクイズローラ30は、回転ドラム16に向けて移動することにより回転ドラム16に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム16へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム16の周面に密着させる。
【0036】
また、露光部14には、スクイズローラ30よりも回転ドラム16の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット32が配置されている。後端チャック着脱ユニット32には、回転ドラム16へ向けて突出されたシャフト34の先端に後端チャック36が装着されている。
【0037】
露光部14では、回転ドラム16に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット32に対向すると、シャフト34を突出させて、後端チャック36を回転ドラム16の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック36が、回転ドラム16との間で印刷版12の後端を挟持して保持する。
【0038】
露光部14では、印刷版12の先端及び後端を回転ドラム16に保持させるとスクイズローラ30を離間させる。この後、露光部14では、回転ドラム16を所定の回転速度で高速回転させながら(主走査)、この回転ドラム16の回転に同期させて、記録ヘッド部37から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。
(光源ユニットの構成)
図2に示される如く、記録ヘッド部37の下方には、LD光源ユニット40が配置されている。LD光源ユニット40の左右方向両側には、それぞれスライドガイド42が前後方向に平行に設けられており、LD光源ユニット40が一対のスライドガイド42に案内されて前方へスライドされることで、LD光源ユニット40を装置本体から引き出し可能とされている。
【0039】
LD光源ユニット40の右側壁後端からは、可撓性を有する光ファイバーケーブル44が延出されており、光ファイバーケーブル44の一端部は記録ヘッド部37に接続されている。LD光源ユニット40の右側方には平面視J字状かつ断面コ字状のケーブルベア46が設けられており、ケーブルベア46内には光ファイバーケーブル44が配置されている。このため、LD光源ユニット40が装置本体に対し出し入れされる際に、ケーブルベア46によって光ファイバーケーブル44の配置及び姿勢が規制され、これにより、光ファイバーケーブル44の折れ曲がりや損傷が抑制されている。
【0040】
LD光源ユニット40内には、高出力(約1W)のLD光源48が複数配置されている。なお、第1の実施の形態では、最大87個のLD光源48が、LD光源ユニット40内の左右方向両端部のそれぞれにおいて光軸が平行となるように配置されている。
【0041】
LD光源ユニット40の中央部分には、所定数(第1の実施の形態では合計12個)の制御ユニット50が設けられており、制御ユニット50は前後方向に沿って2列配置されている。制御ユニット50は、図示しないハーネスを介して各LD光源48に接続されており、画像データに応じてLD光源48へ信号を送出し、発光させる。
【0042】
各LD光源48には、ファイバーカップリングプラグ54が取り付けられており、ファイバーカップリングプラグ54はコネクタ56を介して前記光ファイバーケーブル44の他端部に接続されている。このため、LD光源48が発光されると、この光は、ファイバーカップリングプラグ54、コネクタ56及び光ファイバーケーブル44を介して記録ヘッド部37へ案内されて、記録ヘッド部37内の集光光学系(図示省略)によって光ビーム(レーザビーム)にされる。
【0043】
これにより、記録ヘッド部37が、上述の如く高速回転される回転ドラム24に向け、この回転ドラム24の回転に同期させて、上記光ビームを照射することで、印刷版12が画像データに基づいて露光される。この露光処理は、回転ドラム24を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム24の軸線方向へ移動させる(副走査)、所謂走査露光である。
【0044】
図3に示される如く、LD光源ユニット40内には、前記LD光源48のベースとして適用される放熱部材としての板状のヒートシンク58が配設されている。ヒートシンク58は、前記LD光源48が発光することにより発する熱を受け、放熱する役目を有している。
【0045】
各ヒートシンク58は、下端面に前記LD光源48の配列方向に筋状となる複数のフィン58Aが一体形成されている。この筋状のフィン58Aの間は、送風手段としてのファン70(図2参照)からの冷却風(図3の矢印A参照)の通過路となっている。これにより、LD光源48から発する熱を受けたヒートシンク58は、冷却風によって放熱が促進されることになる。
【0046】
LD光源ユニット40の側壁には所定数(第1の実施の形態では2つ)の電源ボックス78が固定されており、各電源ボックス78は制御ユニット50等へ電力を供給する。
【0047】
ここで、図2では、LD光源ユニット40の全体の外観の概略を示しているため詳細部分については明瞭に図示していないが、第1の実施の形態では、LD光源48の配列を光軸L方向にオフセットさせている(図3参照)。
【0048】
すなわち、図3に示される如く、1つのヒートシンク58に取付けられたLD光源48を、当該ヒートシンク58の長手方向一端部から数えて、奇数番目のLD光源48と、偶数番目のLD光源48とに分類し、光軸方向に所定寸法ずらした状態で配列している。この結果、LD光源48は、千鳥配列を構成している。
【0049】
図4は、LD光源を平面視したときの自己発熱温度分布を示している。LD光源48は、光の主発光面とその反対側から多く発熱し、所定温度以上の温度分布領域48Aが平面視で楕円となる。
【0050】
この楕円形状の温度分布領域48Aが隣接するLD光源48にかかると、この隣接するLD光源48は自己発熱以外の熱を受け(環境温度)、さらに不安定となる可能性がある。
【0051】
また、前記温度分布領域48A同士が重なると、その重なり部分の単位時間当たりの受熱量が増加し、この熱が集中する重なり部分とそれ以外とでヒートシンク58による冷却効果にむらが生じる。
【0052】
そこで、LD光源48を上記の如く千鳥配列とし、前記温度分布領域48Aが互いに重ならず、かつ隣接するLD光源48にかからないようすることで、ヒートシンク58の冷却効果を均一とし、個々のLD光源48への環境温度による発熱を抑制した。
【0053】
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
【0054】
上記印刷版自動露光装置150の動作は以下の通りである。
【0055】
給版ガイド20上の印刷版12は、回転ドラム16へ送り込まれ、先端チャック26によって印刷版12の先端部が保持され、この状態で回転ドラム12が回転することで回転ドラム16の周面に緊密に巻き付けられ、その後、後端チャック36によって印刷版12の後端が保持されることで、露光のための準備が完了する。
【0056】
この状態で、画像データを読み込み、記録ヘッド部37からの光ビームによって露光処理が開始される。露光処理は、回転ドラム16を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム16の軸線方向へ移動する、所謂走査露光である。
【0057】
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット18を切り換え(排版ガイド22を回転ドラム16へ対応させ)、次いで、回転ドラム16に巻きつけた印刷版12を接線方向から排出していく。このとき、印刷版12は、排版ガイド22に送られる。
【0058】
印刷版12が排版ガイド22に送られると、搬送ガイドユニット18を切り換え、排版ガイド22を排出口へ対応させ、印刷版12を排出させる。この排出方向には、現像部が設けられており、印刷版12は続けて現像処理される。
【0059】
第1の実施の形態のLD光源ユニット40には、多数のLD光源48が配設されている。基本的には、LD光源48は、制御ユニット50を間に挟んで、2分割され、対向して配設されているが、光軸は互いに平行状態となっている。
【0060】
ここで、第1の実施の形態では、制御ユニット50を中心に振り分けられた各LD光源群はそれぞれ千鳥配列となっており、隣接するLD光源48間の寸法が、光軸ピッチよりも大きくなっている。
【0061】
このため、図4に示すように、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aが重ならず、かつ隣接するLD光源48にもかからない。
【0062】
温度分布領域48Aが重ならないため、ヒートシンク58の冷却効果がほぼ均一となり、効率よくLD光源48の冷却を促進することができる。
【0063】
また、温度分布領域48Aが隣接するLD光源48にかからないため、LD光源48は、周囲環境に影響されず、自己発熱のみの発熱となり安定した冷却がなされる。
【0064】
従って、LD光源ユニット40全体において、効率よくヒートシンク58による冷却が促進されるため、LD光源48の過温度による発光量の変動を抑制することができ、結果的に画像記録時の画質の向上を実現することができる。
【0065】
また、一方向(光軸と直交する方向)の寸法は従来と変わらないため、LD光源ユニット40が大型化することはない。
【0066】
また、光軸方向において、千鳥配列によるオフセット量は、光ファイバーケーブル44の長さ寸法を変更するのみでよいため、この光軸方向においても、LD光源ユニット40を拡大する必要はない。
【0067】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ヒートシンク58の長手方向に亘り、緊密に配置された多数のLD光源48を奇数番目と偶数番目とに分類し、これらを光軸方向にオフセットさせて千鳥配列構造とした。これにより、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aの重なりを軽減することができ、隣接するLD光源48の周囲による影響、並びに温度分布領域48Aの重なりによるヒートシンク58の温度むらを解消することができ、均一にLD光源48を、むらなく所定温度以下に維持することができる。
【0068】
「第2の実施の形態」
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0069】
前記第1の実施の形態では、ヒートシンク58上のLD光源48の配列を千鳥配列としたが、第2の実施の形態の特徴は、ヒートシンク58上のLD光源48の配列を粗密配列にしたことに特徴がある。
【0070】
図5に示される如く、1つのヒートシンク58の長手方向には1列でLD光源48が配列されている。このヒートシンク58の長手方向一端部に対応するように、前記ファン70が設けられており、ファン70の駆動によって発生する冷却風(図5の矢印A参照)は、このヒートシンク58の一端部からフィン58Aの隙間を通過していく構成となっている。
【0071】
このため、ヒートシンク58の一端部近傍では、新鮮な冷却風、すなわち温度が比較的低い冷却風となる。一方、フィン58Aを通過してヒートシンク58の他端部から排出される冷却風は、ヒートシンク58からの熱を受け、比較的に温度が高くなっている。
【0072】
このため、ヒートシンク58の一端部側近傍に配置されたLD光源48と他端部側近傍に配置されたLD光源48とで、温度差が生じ、この温度差が大きくなると、発光量の差となって画質に多大な影響を及ぼす。
【0073】
そこで、第2の実施の形態では、前記ヒートシンク58の一端部側に配設されたLD光源48を粗配列とし、ヒートシング58の他端部側に行くに従い密配列とした。
【0074】
LD光源48が粗配列であればあるほど、ヒートシンク58の単位面積当たりの受熱量が低く、密配列であればあるほど、ヒートシンク58の単位面積当たりの受熱量が高い。
【0075】
これは、前記冷却風の温度特性と全く逆の特性であり、この結果、両者が相殺されて、ヒートシンク58の長手方向に亘り、LD光源48を均一な温度とすることができる。
【0076】
なお、上記第1の実施の形態は、LD光源48を主体として、自己発熱による隣接するLD光源48への影響並びにヒートシンク58に与える温度むらを解消する構成として千鳥配列とし、第2の実施の形態では、ファン70の駆動による冷却風を主体としており、ヒートシンク58を積極的に冷却する冷却風の温度むらを解消する構成として粗密配列としたが、両者の目的はLD光源48の冷却であり、その温度むらを解消する対象が異なるものである。従って、第1の実施の形態の千鳥配列構造と、第2の実施の形態の粗密配列構造とを併用することで、冷却効果はさらに増大する。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、組み付け作業性がよい空冷によって放熱を行うことを前提とし、空冷による冷却効果を十分期待することができ、LD光源の温度を一定の温度以下に維持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る印刷版自動露光装置を示す概略的な側面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るLD光源ユニット等を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るLD光源の配列構造の詳細を示す拡大斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係るLD光源の配列構造を示す平面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るLD光源の配列構造を示す平面図である。
【符号の説明】
10 印刷版自動露光装置
37 記録ヘッド部
40 LD光源ユニット(光源ユニット)
44 光ファイバーケーブル
48 LD光源
50 制御ユニット
56 コネクタ
58 ヒートシンク(放熱部材)
70 ファン(送風手段)
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のLD光源を露光光源群としてユニット化し、当該各LD光源からの光を記録媒体が位置決めされた露光面へ案内することで、複数の走査ラインを同時に走査する画像記録装置に用いられる光源ユニットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
画像記録装置、例えばCTP等の印刷版露光装置としては、シート状の印刷版(例えば所謂フォトポリプレートやサーマルプレート)における支持体上の画像形成層(感光層、乳剤面)に、直接レーザビームで画像を記録(露光)するものが開発されてきている。
【0003】
ところで、上記レーザビームは、光を発するLD光源を露光光源としている。ここで、LD光源の性能保持や耐久性確保を図るためには、LD光源を一定の温度以下に維持する必要があり、このため、LD光源を所謂ヒートシンク、ペルチェ素子またはチラー等組み付けることで、冷却手段へLD光源の熱を伝導させることがなされている(特許文献1参照)。
【0004】
上記のようにLD光源を温度制御し、光出力を安定させる技術は、特許文献1に限らず、周知の技術として一般的になされていることである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−117041号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、ペルチェ素子等の冷却手段は、冷却効果としては十分であるが、冷却手段として付加部品を装備しなければならず、組み付け作業が面倒であり、コストもアップする。
【0007】
一方、ヒートシンク等の空冷手段は、LD光源を取り付けるベースにもなり得、別途付加部品等部品等が不要であるため、組み付け易く、コスト的にも有利である簡便である。
【0008】
ここで、空冷手段は、冷却効果が不十分であるため、放熱効果を上げるために、例えば、ヒートシンクに向けて送風することで、ヒートシンクからの放熱を促進するといった手段が考えられる。
【0009】
しかしながら、特に、多数(最大87個)のLD光源を限られた筐体内に収容した場合、個々のLD光源の取付ピッチが狭く、それぞれのLD光源から発熱が他のLD光源に影響を及ぼしたり、筐体が比較的閉ざされた空間であると、周囲の環境温度等の影響で、放熱が効率よく行われない場合がある。
【0010】
本発明は上記事実を考慮し、組み付け作業性がよい空冷によって放熱を行うことを前提とし、空冷による冷却効果を十分期待することができ、LD光源の温度を一定の温度以下に維持することができる画像記録装置用光源ユニットを得ることが目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、複数のLD光源を備えた画像記録装置用光源ユニットであって、前記複数のLD光源がその発光光軸を略平行として取り付けられ、前記LD光源から伝導してきた熱を放出する放熱部材と、前記放熱部材に向けて冷却風を送風する送風手段とを有し、前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置をずらして配列したことを特徴としている。
【0012】
請求項1記載の発明によれば、LD光源がその光軸が略平行となるように配列される場合、限られたスペース内でLD光源の数が多ければ多いほど、その取付ピッチが狭まることになる。取付ピッチが狭まると、隣接するLD光源間で互いの熱の影響を受けやすくなる。そこで、LD光源の取り付け位置をずらして配列する。このずらした配列により実質的な間隔が広がり、その分熱の影響を緩和することができる。ずらす量は離せば離すほど効果的である。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の発明において、前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置は、前記LD光源の自己発熱量、並びに前記放熱部材及び送風手段を含む周囲温度に応じた熱分布に基づくことを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載の発明によれば、LD光源をずらして取り付ける場合に、LD光源の自己発熱量、並びに前記放熱部材及び送風手段を含む周囲温度に応じた熱分布を勘案することで、最適なずらし位置を設定することができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記取り付け位置の範囲が予め定められた領域に制限されており、前記LD光源が前記領域内で千鳥配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像記録装置用光源ユニット。
している。
【0016】
請求項3に記載の発明によれば、光源ユニット全体を見た場合、各LD光源の取付ピッチを平均的にするのが好ましい。また、LD光源を取り付けるための領域は一般的に予め定められ、制限がある。そこで、LD光源を千鳥配列とすることで、隣接するLD光源間のピッチをほぼ均一とすることができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の発明において、前記送風手段の冷却風の送風上流側から下流側にかけて、前記放熱部材上のLD光源の取付ピッチが徐々に広くなるように配列したことを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明によれば、送風手段の上流側では、新鮮な冷却風が吹き付けられるため、LD光源の発熱を押さえる効果としては高い。一方、このようなLD光源から受熱した冷却風が次の(下流側の)LD光源の冷却を対象とした場合、その効果を落ちる。従って、最上流側のLD光源からの受熱量と、最下流側のLD光源からの受熱量とに差が生じる。
【0019】
そこで、送風手段の冷却風の送風上流側から下流側にかけて、放熱部材上のLD光源の取付ピッチが徐々に広くなるように配列した。これにより、LD光源の取付ピッチが広い分、放熱効果が上がり、前記送風手段での冷却効果と相殺させ、略均等な冷却が実現できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、前記請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の発明において、前記LD光源は、ファイバーレーザーとしている。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、LD光源からの照射される光をファイバーによって案内する構成とすることで、LD光源自体の相対位置関係は画像記録のための光軸の相対位置関係とは無関係となり、所望の配列が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
「第1の実施の形態」
(画像記録装置の構成)
以下に、画像記録装置として適用される印刷版自動露光装置150の概略構成を示す。
【0023】
図1に示される如く、印刷版自動露光装置150の露光部14は、印刷版12を周面に巻付けて保持する回転ドラム16を主要部として構成されており、印刷版12は、搬送ガイドユニット18に案内されて、この回転ドラム16の接線方向から送り込まれるようになっている。
【0024】
回転ドラム16の図3の上部には、パンチャー24が配設されている。
【0025】
搬送ガイドユニット18は、給版ガイド20と排版ガイド22とで構成されている。
【0026】
搬送ガイドユニット18の給版ガイド20と排版ガイド22とは、互いの相対位置関係が横V字型とされ、図1の右端部側の中心として、所定角度回動する構造となっている。この回動によって、給版ガイド20及び排版ガイド22を選択的に前記回転ドラム16又はパンチャー24に対応させることができる。
【0027】
印刷版12は、まず、給版ガイド20に案内されてパンチャー24へ送り込まれ、この印刷版12の先端に位置決め用の切欠きを形成する。
【0028】
印刷版12は、パンチャー24による処理後、一旦給版ガイド20に戻されることで、回転ドラム16に対応する位置に移動される。
【0029】
回転ドラム16は、図示しない駆動手段によって、印刷版12の装着露光方向(図1の矢印A方向)及び装着露光方向と反対方向となる印刷版12の取外し方向(図1の矢印B方向)へ回転される。
【0030】
図1に示されるように、露光部14に設けられている回転ドラム16には、外周面の所定の位置に、先端チャック26が取付けられている。露光部14では、この回転ドラム16に印刷版12を装着するときに、先ず、先端チャック26が、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20によって送り込まれる印刷版12の先端に対向する位置(印刷版装着位置)で回転ドラム16を停止させる。
【0031】
露光部22には、印刷版装着位置で先端チャック26に対向して装着ユニット28が設けられている。先端チャック26は、この装着ユニット28の伸縮ロッド28Aが伸長して一端側が押圧されることにより、回転ドラム16の周面との間に印刷版12の挿入が可能となる。
【0032】
露光部14では、印刷版12の先端が先端チャック26と回転ドラム16の間に挿入された状態で、装着ユニット28の伸縮ロッド28Aを引き戻して先端チャック26への押圧を解除することにより、印刷版12の先端を先端チャック26と回転ドラム16の周面との間で挟持して保持する。
【0033】
このときに、印刷版12は、先端が回転ドラム16に設けられた位置決めピン(図示省略)に突き当てられて位置決めされる。
【0034】
露光部14では、回転ドラム16に印刷版12の先端が固定されると、回転ドラム16を装着露光方向(図1の矢印A方向)へ回転する。これにより、搬送ガイドユニット18の給版ガイド20から送り込まれる印刷版12は、回転ドラム16の周面に巻き付けられる。
【0035】
回転ドラム16の周面近傍には、印刷版装着位置よりも装着露光方向の下流側にスクイズローラ30が配置されている。このスクイズローラ30は、回転ドラム16に向けて移動することにより回転ドラム16に巻き付けられる印刷版12を回転ドラム16へ向けて押圧し、印刷版12を回転ドラム16の周面に密着させる。
【0036】
また、露光部14には、スクイズローラ30よりも回転ドラム16の装着露光方向上流側近傍に後端チャック着脱ユニット32が配置されている。後端チャック着脱ユニット32には、回転ドラム16へ向けて突出されたシャフト34の先端に後端チャック36が装着されている。
【0037】
露光部14では、回転ドラム16に巻き付けた印刷版12の後端が、後端チャック着脱ユニット32に対向すると、シャフト34を突出させて、後端チャック36を回転ドラム16の所定の位置に装着する。これにより、後端チャック36が、回転ドラム16との間で印刷版12の後端を挟持して保持する。
【0038】
露光部14では、印刷版12の先端及び後端を回転ドラム16に保持させるとスクイズローラ30を離間させる。この後、露光部14では、回転ドラム16を所定の回転速度で高速回転させながら(主走査)、この回転ドラム16の回転に同期させて、記録ヘッド部37から画像データに基づいて変調した光ビームを照射する。
(光源ユニットの構成)
図2に示される如く、記録ヘッド部37の下方には、LD光源ユニット40が配置されている。LD光源ユニット40の左右方向両側には、それぞれスライドガイド42が前後方向に平行に設けられており、LD光源ユニット40が一対のスライドガイド42に案内されて前方へスライドされることで、LD光源ユニット40を装置本体から引き出し可能とされている。
【0039】
LD光源ユニット40の右側壁後端からは、可撓性を有する光ファイバーケーブル44が延出されており、光ファイバーケーブル44の一端部は記録ヘッド部37に接続されている。LD光源ユニット40の右側方には平面視J字状かつ断面コ字状のケーブルベア46が設けられており、ケーブルベア46内には光ファイバーケーブル44が配置されている。このため、LD光源ユニット40が装置本体に対し出し入れされる際に、ケーブルベア46によって光ファイバーケーブル44の配置及び姿勢が規制され、これにより、光ファイバーケーブル44の折れ曲がりや損傷が抑制されている。
【0040】
LD光源ユニット40内には、高出力(約1W)のLD光源48が複数配置されている。なお、第1の実施の形態では、最大87個のLD光源48が、LD光源ユニット40内の左右方向両端部のそれぞれにおいて光軸が平行となるように配置されている。
【0041】
LD光源ユニット40の中央部分には、所定数(第1の実施の形態では合計12個)の制御ユニット50が設けられており、制御ユニット50は前後方向に沿って2列配置されている。制御ユニット50は、図示しないハーネスを介して各LD光源48に接続されており、画像データに応じてLD光源48へ信号を送出し、発光させる。
【0042】
各LD光源48には、ファイバーカップリングプラグ54が取り付けられており、ファイバーカップリングプラグ54はコネクタ56を介して前記光ファイバーケーブル44の他端部に接続されている。このため、LD光源48が発光されると、この光は、ファイバーカップリングプラグ54、コネクタ56及び光ファイバーケーブル44を介して記録ヘッド部37へ案内されて、記録ヘッド部37内の集光光学系(図示省略)によって光ビーム(レーザビーム)にされる。
【0043】
これにより、記録ヘッド部37が、上述の如く高速回転される回転ドラム24に向け、この回転ドラム24の回転に同期させて、上記光ビームを照射することで、印刷版12が画像データに基づいて露光される。この露光処理は、回転ドラム24を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム24の軸線方向へ移動させる(副走査)、所謂走査露光である。
【0044】
図3に示される如く、LD光源ユニット40内には、前記LD光源48のベースとして適用される放熱部材としての板状のヒートシンク58が配設されている。ヒートシンク58は、前記LD光源48が発光することにより発する熱を受け、放熱する役目を有している。
【0045】
各ヒートシンク58は、下端面に前記LD光源48の配列方向に筋状となる複数のフィン58Aが一体形成されている。この筋状のフィン58Aの間は、送風手段としてのファン70(図2参照)からの冷却風(図3の矢印A参照)の通過路となっている。これにより、LD光源48から発する熱を受けたヒートシンク58は、冷却風によって放熱が促進されることになる。
【0046】
LD光源ユニット40の側壁には所定数(第1の実施の形態では2つ)の電源ボックス78が固定されており、各電源ボックス78は制御ユニット50等へ電力を供給する。
【0047】
ここで、図2では、LD光源ユニット40の全体の外観の概略を示しているため詳細部分については明瞭に図示していないが、第1の実施の形態では、LD光源48の配列を光軸L方向にオフセットさせている(図3参照)。
【0048】
すなわち、図3に示される如く、1つのヒートシンク58に取付けられたLD光源48を、当該ヒートシンク58の長手方向一端部から数えて、奇数番目のLD光源48と、偶数番目のLD光源48とに分類し、光軸方向に所定寸法ずらした状態で配列している。この結果、LD光源48は、千鳥配列を構成している。
【0049】
図4は、LD光源を平面視したときの自己発熱温度分布を示している。LD光源48は、光の主発光面とその反対側から多く発熱し、所定温度以上の温度分布領域48Aが平面視で楕円となる。
【0050】
この楕円形状の温度分布領域48Aが隣接するLD光源48にかかると、この隣接するLD光源48は自己発熱以外の熱を受け(環境温度)、さらに不安定となる可能性がある。
【0051】
また、前記温度分布領域48A同士が重なると、その重なり部分の単位時間当たりの受熱量が増加し、この熱が集中する重なり部分とそれ以外とでヒートシンク58による冷却効果にむらが生じる。
【0052】
そこで、LD光源48を上記の如く千鳥配列とし、前記温度分布領域48Aが互いに重ならず、かつ隣接するLD光源48にかからないようすることで、ヒートシンク58の冷却効果を均一とし、個々のLD光源48への環境温度による発熱を抑制した。
【0053】
以下に第1の実施の形態の作用を説明する。
【0054】
上記印刷版自動露光装置150の動作は以下の通りである。
【0055】
給版ガイド20上の印刷版12は、回転ドラム16へ送り込まれ、先端チャック26によって印刷版12の先端部が保持され、この状態で回転ドラム12が回転することで回転ドラム16の周面に緊密に巻き付けられ、その後、後端チャック36によって印刷版12の後端が保持されることで、露光のための準備が完了する。
【0056】
この状態で、画像データを読み込み、記録ヘッド部37からの光ビームによって露光処理が開始される。露光処理は、回転ドラム16を高速で回転させながら(主走査)、記録ヘッド部37を回転ドラム16の軸線方向へ移動する、所謂走査露光である。
【0057】
露光処理が終了すると、搬送ガイドユニット18を切り換え(排版ガイド22を回転ドラム16へ対応させ)、次いで、回転ドラム16に巻きつけた印刷版12を接線方向から排出していく。このとき、印刷版12は、排版ガイド22に送られる。
【0058】
印刷版12が排版ガイド22に送られると、搬送ガイドユニット18を切り換え、排版ガイド22を排出口へ対応させ、印刷版12を排出させる。この排出方向には、現像部が設けられており、印刷版12は続けて現像処理される。
【0059】
第1の実施の形態のLD光源ユニット40には、多数のLD光源48が配設されている。基本的には、LD光源48は、制御ユニット50を間に挟んで、2分割され、対向して配設されているが、光軸は互いに平行状態となっている。
【0060】
ここで、第1の実施の形態では、制御ユニット50を中心に振り分けられた各LD光源群はそれぞれ千鳥配列となっており、隣接するLD光源48間の寸法が、光軸ピッチよりも大きくなっている。
【0061】
このため、図4に示すように、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aが重ならず、かつ隣接するLD光源48にもかからない。
【0062】
温度分布領域48Aが重ならないため、ヒートシンク58の冷却効果がほぼ均一となり、効率よくLD光源48の冷却を促進することができる。
【0063】
また、温度分布領域48Aが隣接するLD光源48にかからないため、LD光源48は、周囲環境に影響されず、自己発熱のみの発熱となり安定した冷却がなされる。
【0064】
従って、LD光源ユニット40全体において、効率よくヒートシンク58による冷却が促進されるため、LD光源48の過温度による発光量の変動を抑制することができ、結果的に画像記録時の画質の向上を実現することができる。
【0065】
また、一方向(光軸と直交する方向)の寸法は従来と変わらないため、LD光源ユニット40が大型化することはない。
【0066】
また、光軸方向において、千鳥配列によるオフセット量は、光ファイバーケーブル44の長さ寸法を変更するのみでよいため、この光軸方向においても、LD光源ユニット40を拡大する必要はない。
【0067】
以上説明したように、第1の実施の形態では、ヒートシンク58の長手方向に亘り、緊密に配置された多数のLD光源48を奇数番目と偶数番目とに分類し、これらを光軸方向にオフセットさせて千鳥配列構造とした。これにより、各LD光源48の自己発熱による温度分布領域48Aの重なりを軽減することができ、隣接するLD光源48の周囲による影響、並びに温度分布領域48Aの重なりによるヒートシンク58の温度むらを解消することができ、均一にLD光源48を、むらなく所定温度以下に維持することができる。
【0068】
「第2の実施の形態」
以下に本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同一構成部分については、同一の符号を付してその構成の説明を省略する。
【0069】
前記第1の実施の形態では、ヒートシンク58上のLD光源48の配列を千鳥配列としたが、第2の実施の形態の特徴は、ヒートシンク58上のLD光源48の配列を粗密配列にしたことに特徴がある。
【0070】
図5に示される如く、1つのヒートシンク58の長手方向には1列でLD光源48が配列されている。このヒートシンク58の長手方向一端部に対応するように、前記ファン70が設けられており、ファン70の駆動によって発生する冷却風(図5の矢印A参照)は、このヒートシンク58の一端部からフィン58Aの隙間を通過していく構成となっている。
【0071】
このため、ヒートシンク58の一端部近傍では、新鮮な冷却風、すなわち温度が比較的低い冷却風となる。一方、フィン58Aを通過してヒートシンク58の他端部から排出される冷却風は、ヒートシンク58からの熱を受け、比較的に温度が高くなっている。
【0072】
このため、ヒートシンク58の一端部側近傍に配置されたLD光源48と他端部側近傍に配置されたLD光源48とで、温度差が生じ、この温度差が大きくなると、発光量の差となって画質に多大な影響を及ぼす。
【0073】
そこで、第2の実施の形態では、前記ヒートシンク58の一端部側に配設されたLD光源48を粗配列とし、ヒートシング58の他端部側に行くに従い密配列とした。
【0074】
LD光源48が粗配列であればあるほど、ヒートシンク58の単位面積当たりの受熱量が低く、密配列であればあるほど、ヒートシンク58の単位面積当たりの受熱量が高い。
【0075】
これは、前記冷却風の温度特性と全く逆の特性であり、この結果、両者が相殺されて、ヒートシンク58の長手方向に亘り、LD光源48を均一な温度とすることができる。
【0076】
なお、上記第1の実施の形態は、LD光源48を主体として、自己発熱による隣接するLD光源48への影響並びにヒートシンク58に与える温度むらを解消する構成として千鳥配列とし、第2の実施の形態では、ファン70の駆動による冷却風を主体としており、ヒートシンク58を積極的に冷却する冷却風の温度むらを解消する構成として粗密配列としたが、両者の目的はLD光源48の冷却であり、その温度むらを解消する対象が異なるものである。従って、第1の実施の形態の千鳥配列構造と、第2の実施の形態の粗密配列構造とを併用することで、冷却効果はさらに増大する。
【0077】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明では、組み付け作業性がよい空冷によって放熱を行うことを前提とし、空冷による冷却効果を十分期待することができ、LD光源の温度を一定の温度以下に維持することができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る印刷版自動露光装置を示す概略的な側面図である。
【図2】第1の実施の形態に係るLD光源ユニット等を示す斜視図である。
【図3】第1の実施の形態に係るLD光源の配列構造の詳細を示す拡大斜視図である。
【図4】第1の実施の形態に係るLD光源の配列構造を示す平面図である。
【図5】第2の実施の形態に係るLD光源の配列構造を示す平面図である。
【符号の説明】
10 印刷版自動露光装置
37 記録ヘッド部
40 LD光源ユニット(光源ユニット)
44 光ファイバーケーブル
48 LD光源
50 制御ユニット
56 コネクタ
58 ヒートシンク(放熱部材)
70 ファン(送風手段)
Claims (5)
- 複数のLD光源を備えた画像記録装置用光源ユニットであって、
前記複数のLD光源がその発光光軸を略平行として取り付けられ、前記LD光源から伝導してきた熱を放出する放熱部材と、
前記放熱部材に向けて冷却風を送風する送風手段とを有し、
前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置をずらして配列したことを特徴とする画像記録装置用光源ユニット。 - 前記放熱部材への前記複数のLD光源の取り付け位置は、前記LD光源の自己発熱量、並びに前記放熱部材及び送風手段を含む周囲温度に応じた熱分布に基づくことを特徴とする請求項1記載の画像記録装置用光源ユニット。
- 前記取り付け位置の範囲が予め定められた領域に制限されており、前記LD光源が前記領域内で千鳥配置されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の画像記録装置用光源ユニット。
- 前記送風手段の冷却風の送風上流側から下流側にかけて、前記放熱部材上のLD光源の取付ピッチが徐々に広くなるように配列したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の画像記録装置用光源ユニット。
- 前記LD光源は、ファイバーレーザーとする請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の画像記録装置用光源ユニット。
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