JP2004258084A - 液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】液晶表示素子に関し、所要温度で加熱した際の損失弾性率が或範囲内にある樹脂のみからなる柱状スペーサを用い、その柱状スペーサを相対向する基板の両方に接着させ、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持できるようにする。
【解決手段】透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対のガラス基板1及び2間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂である接着封止部材4で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対のガラス基板1及び2間に介挿されて両基板1及び2と接着し且つ両基板1及び2の間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサ3を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対のガラス基板1及び2間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂である接着封止部材4で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対のガラス基板1及び2間に介挿されて両基板1及び2と接着し且つ両基板1及び2の間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサ3を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
本発明は、基板間のギャップを均一、且つ、一定に維持するの有効な構造をもった液晶表示素子、また、その液晶表示素子に効率良く液晶を注入することができる液晶表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明電極を有する2枚の透明基板の間に光スイッチ機能をもつ媒体、例えば、液晶を充填してなる液晶表示素子は、薄い、軽量、低消費電力などの特徴があることから、電卓、家電製品、OA機器などの表示素子、空間光変調素子(spacial light modulator)などとして広く用いられるようになっている。
【0003】
従来、液晶表示素子を製造する場合、液晶表示素子用のスペーサを基板上に散布して固定化する方法が知られているが、基板上にスペーサを均一、且つ、高密度に配置した状態で配向膜材料溶液を塗布することは困難であり、また、配向膜をラビング処理する際、スペーサが剥がれ落ちたりすることから、液晶表示素子の表示品質を維持したまま、スペーサを基板上に固定することは困難である。
【0004】
また、球状粒子、即ち、ビーズを基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御しようとする方法が知られているが、ビーズを散布する方法では、ビーズの配置を制御することは困難であることから、画素部分にもビーズが散布されてしまい、配向欠陥を招来し、表示品位が低下してしまう旨の問題がある。
【0005】
その問題を解消しようとして、フォト・リソグラフィ技術を適用し、画素部分以外に柱状スペーサを設けることも試みられているが、画素部分にスペーサがなければ、配向欠陥や表示品位低下は防止できるのであるが、柱状スペーサは、通常、一方の基板とは接着されているが他方の基板とは接着されていない為、外圧が加わると基板間隔に変動が起こり、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等を生ずる旨の問題があり、極端な場合、外圧に依って上下基板同士が接触し、配向膜が損傷されて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下するなどの問題が起こる。
【0006】
その問題を解消しようとして、柱状スペーサに両基板との接着性を持たせる為の検討が行われているところであるが、基板を重ね合わせる前は、樹脂からなる柱状スペーサの熱硬化が進行していない条件を維持し、その後、基板を重ね合わせ、加熱し、樹脂からなる柱状スペーサを硬化させた場合、基板との密着性は保たれるが、基板を重ね合わせた時の圧力に依って、硬化前の柱状スペーサが変形し、精密なギャップ制御を行うことができない旨の問題がある。
【0007】
その問題を解消しようとして、柱状スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立させようとする発明が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
然しながら、その発明に依った場合、ビーズを樹脂に分散させている為、次のような問題が起こる。
(1) ビーズが含有されない柱状スペーサが或程度の確率で存在する為、ギャップ均一性を良好に実現することはできない。
(2) 前記(1)の問題を解消する為、ビーズ含有量を増加させると、ビーズがフィラーとして悪影響を及ぼし、柱状スペーサを製造する際、均一なスピン・コートを行うことができず、厚さにムラを生じ、柱状スペーサの高さが不均一になる。
(3) 均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分は除去するのであるから、殆どのビーズは廃棄することになり、コストは高いものになる。
【0009】
また、柱状ギャップ保持ピラーをもつ液晶表示装置に於いて、その柱状ギャップ保持ピラーの損失弾性率、貯蔵弾性率、硬度について規定した発明が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
然しながら、特許文献2に開示された発明では、柱状ギャップ保持ピラーは、対向する基板のうち、一方の側の基板のみに接着され、他方の側の基板には接着されていない構成になっている為、例えば、押圧力を加えた場合、その部分の周囲で表示色が変化してしまい、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性に乏しいことが看取される。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−155321号公報
【特許文献2】
特開2000−171804号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、所要温度で加熱した際の損失弾性率が或範囲内にある樹脂のみからなる柱状スペーサを用い、その柱状スペーサを相対向する基板の両方に接着させ、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持できるようにする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る液晶表示素子に於いては、透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えてなることが基本になっている。
【0014】
前記手段を採ることに依り、柱状スペーサが相対向する基板の両方に接着しているので、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持され、表示面を押圧しても、表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性は充分に高く、従って、表示品質は向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、透明電極を有して少なくとも1枚は透明である2枚以上の基板のギャップを維持すると共に両基板間を接着する為、所要温度条件で軟化または硬化した際の損失弾性率が所要範囲内にある樹脂材料で構成された柱状スペーサを用いる。
【0016】
具体的には、前記柱状スペーサの構成材料としてフォト・レジスト材料から適切なもの、即ち、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際に於ける損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲内にあるものを選択する。
【0017】
前記柱状スペーサに依ってギャップが正確に維持された基板間には光スイッチ機能をもつ媒体である液晶を挟持し、基板の周辺を熱硬化性樹脂で封止して液晶表示素子を構成する。
【0018】
表示を行う為には、基板のうち、少なくとも1枚は透明であり、そして、透明電極上に配向膜を有し、その配向膜としては、表面にラビング処理を施した樹脂配向膜を用いている。
【0019】
柱状スペーサの構成材料としては、市販されているポジ型のフォトレジストの中から選択することができる。
【0020】
液晶としては、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶を用いることができ、基板に液晶を付着させる場合、その部分にディスペンサを用いて液晶を滴下することで定量的、且つ、容易に付着させることができる。
【0021】
複数枚の基板に於ける周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度、及び、加熱に依って硬化して基板に対して接着力を呈する柱状スペーサに於ける軟化温度及び硬化温度は、配向膜のラビング効果を損なわない温度にすることで配向膜にダメージを与えないようにし、また、基板の周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度は柱状スペーサの軟化温度及び硬化温度と等しいか、或いは、それよりも高い温度、例えば、120〔℃〕〜180〔℃〕の範囲にすることで、アニール処理に耐え、且つ、ラビング効果を損なわない旨の効果を同時に達成することが可能である。
【0022】
前記した温度制限を採る理由は、液晶パネル形成後、液晶を再配向する為のアニール処理の温度が120〔℃〕程度であり、その120〔℃〕の温度に於ける柱状スペーサ材料のうち、120〔℃〕/10〔分〕の加熱時に於ける損失弾性率が1×108 〔Pa〕以下、1×102 〔Pa〕以上となるものが基板間のギャップを維持し且つ接着強度を満足する条件であることから、基板周辺の熱硬化性樹脂の硬化温度は120〔℃〕以上にする必要がある。
【0023】
基板のギャップ内に液晶を充填する場合、柱状スペーサでギャップを維持した基板間を封止の為の周辺封止を全く、或いは、実質的に施すことなく、その周辺封止を行っていない部分全域、又は、一部に液晶を付着させた後、液晶を当該基板間に充填すれば、短い時間で完了させることができる。
【0024】
真空注入法を適用することに依って基板間(液晶パネル)に液晶を充填する場合には、基板に液晶を付着させる前後の液晶溜めと液晶パネル内との間に加わる大気圧差や温度差、或いは、その両方を利用して実施することに依って効率良く充填することが可能である。
【0025】
即ち、真空注入法を適用する場合、空の液晶パネルを液晶溜めをもつチャンバ内にセットし、そのチャンバ内を真空にした際に生ずる空の液晶パネル内と外気圧との差が前記圧力差であって、その圧力差を利用して液晶の充填を行うことが可能であり、また、空の液晶パネルを加熱してから急冷した場合、液晶パネル内に真空状態を現出させることができるので、その真空を利用して液晶を充填することも可能である。
【0026】基板の周辺封止部材は、光硬化性樹脂、或いは、基板内部に存在する熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い温度で硬化する熱硬化性樹脂を用いることができ、それに依って、温度上昇を抑止しつつ基板周辺を封止することができる。
【0027】
次に、本発明に於ける具体的実施例を説明するが、これ等実施例に依って本発明が限定されるものではない。
【0028】
製造方法の概略説明
図1及び図2は本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図であり、図に於いて、1及び2はガラス基板、3は柱状スペーサ、4は接着封止部材、5は熱処理装置、6は液晶注入口、7はベルジャー、8は液晶、9は液晶溜め、10は搬送機構をそれぞれ示している。
【0029】
図1(A)参照
(1)
透明電極並びに配向膜(両方とも図示せず)を形成したガラス基板2上に温度を120〔℃〕/10〔分〕の条件で上昇させた場合に於ける損失弾性率が1×105 〔Pa〕となるフォト・レジスト材料をスピン・コート法を適用することに依って厚さ2〔μm〕となるように塗布する。
【0030】
(2)
フォト・レジスト膜を100〔℃〕で1〔分〕間のプリ・ベーキングを行ってから、直径10〔μm〕の円が100〔μm〕の間隔で縦横に並ぶマスクを用い、紫外線露光装置に依って露光を行う。
【0031】
(3)
現像を行って、接着性をもつ柱状スペーサを作製し、純水で洗浄後、乾燥を行って柱状スペーサ3を得る。
【0032】
図1(B)参照
(4)
ガラス基板2の周辺に接着接着封止部材4を形成してから、接着封止部材4及び柱状スペーサ3上にガラス基板1を載置した組み立て体を熱処理装置5内に装填し、接着接着封止部材4である熱硬化性樹脂の硬化温度、例えば、120〔℃〕〜150〔℃〕の温度で加熱加圧する。尚、この温度は、配向膜のラビング効果が維持される温度範囲内である。
【0033】
この工程を経ることで、接着性柱状スペーサ3は圧力を受けた状態で軟化或いは硬化して、ガラス基板1とガラス基板2との間を弾性を維持したまま接着し、そして、これと同時に、ガラス基板2の周辺に形成した接着封止部材4に依ってガラス基板2とガラス基板1の周辺が封止される。
【0034】
図2参照
(5)
ガラス基板2とガラス基板1との組み立て体は、搬送機構10に依ってベルジャー7内に搬送され、接着封止部材4に於ける適所に形成されている液晶注入口6を介してガラス基板2とガラス基板1との間に液晶8を注入した後、液晶注入口6を封止して完成する。
【0035】
次に、幾つかの具体的実施例と、それ等の実施例に於ける主たる実施例に対応する比較例とを挙げて説明する。
実施例1
(1)
透明電極を全面に形成した200×100×1.1t〔mm〕であるガラス基板1及び2に対し、スピン・コータを用い、3〔重量%〕のポリイミド溶液を2000〔rpm〕の回転数で塗布し、200〔℃〕の温度で30〔分〕間の焼成を行い、次いで、一対の前記ガラス基板1及び2をラビング処理して液晶配向膜とした。
【0036】
(2)
前記一対のガラス基板の一方のガラス基板2に120〔℃〕/10〔分〕で加熱した場合の損失弾性率が1×105 〔Pa〕であるポジ型フォト・レジスト(AZ−5200:クラリアント製)を厚さが2〔μm〕となるように、スピン・コータを用いて、均一な塗布膜を形成した。
【0037】
(3)
前記塗布膜について、ホット・プレート上で100〔℃〕、1〔分〕間のプリ・ベーキングを行い、その後、直径10〔μm〕の円が100〔μm〕の間隔で縦横に並ぶマスクを用い、紫外線露光装置に依って1〔分〕間の露光を行った。
【0038】
(4)
現像を行い、ポジ型フォト・レジストからなる柱状ピラーを作製し、純水で洗浄後、乾燥を行って接着性柱状スペーサ3とした。
【0039】
(5)
柱状スペーサ3を形成したガラス基板2の周辺に、液晶注入口6を除いて、150〔℃〕、1時間で硬化するエポキシ樹脂からなる接着封止部材4を印刷法に依って形成する。
【0040】
(6)
一対のガラス基板1及び2を透明電極が対向するように貼り合わせ、真空袋に挿入し、150〔℃〕、1時間の加熱を行って接着封止部材4であるエポキシ樹脂を硬化した。
【0041】
(7)
柱状スペーサ3の作用で所要のギャップを維持している一対のガラス基板1及び2間に液晶注入口6を介して強誘電性液晶を注入してから、液晶注入口6を封止して強誘電性液晶表示素子とした。
【0042】
前記のようにして作製した液晶表示素子をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0043】
比較例1
柱状スペーサ3のフォト・レジスト材料として、120〔℃〕/10〔分〕の条件で温度上昇させた際に於ける損失弾性率が1×105 〔Pa〕にならないものを用いた以外、実施例1と全く同様にして比較例1の液晶表示素子を作製した。
【0044】
前記比較例1の液晶表示素子を、実施例1の場合と同様、クロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0045】
また、比較例1の液晶表示素子の中央を支持し、両端に300〔g〕の荷重を加えたところ、全表示面に亙って表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面に亙って如何なる箇所でも変化することはなかった。
【0046】
然し、比較例1の液晶表示素子を−40〔℃〕RH(室温)環境に1〔時間〕放置し、上記同様の試験を行った結果、液晶層に乱れを生じて表示品質が低下する現象が見られた。これは、温度環境に依り、液晶が膨張する際、液晶パネルが該膨張に追従できなかった為に発生したものと考えられる。
【0047】
実施例2
柱状スペーサ3のフォト・レジスト材料として、120〔℃〕/10〔分〕の条件で温度上昇させた際に於ける損失弾性率が1×102 〔Pa〕であるシリコーン系レジスト(グラシア:日本ペイント製)を用いた以外、実施例1と全く同様にして実施例2の液晶表示素子を作製した。
【0048】
前記のようにして作製した液晶表示素子をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0049】
また、実施例2の液晶表示素子の中央を支持し、両端に300〔g〕の荷重を加えたところ、全表示面に亙って表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面に亙って如何なる箇所でも変化することはなかった。
【0050】
更に、実施例2の液晶表示素子を−40〔℃〕RH(室温)環境に1〔時間〕放置し、上記同様の試験を行ったが、液晶の表示品質に変化は見られず、液晶の体積膨張に対する追従性が確認された。
【0051】
比較例2
接着封止部材4の硬化温度を190〔℃〕、1〔時間〕で硬化させた以外は実施例1と全く同様にして比較例2の液晶表示素子を作製した。
【0052】
この場合、接着封止部材4の硬化温度が190〔℃〕であり、この温度はラビング・ダメージが発生する温度180〔℃〕を越えている為、当然、表示品質は低下した。
【0053】
実施例3
強誘電性液晶をツイステッドネマティック型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0054】
実施例3の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0055】
実施例4
強誘電性液晶をスーパーツイステッドネマティック型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0056】
実施例4の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0057】
実施例5
強誘電性液晶をネマティックコレステリック相転移型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0058】
実施例5の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0059】
実施例6
強誘電性液晶を反強誘電性液晶に代替した以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0060】
実施例6の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0061】
実施例7
強誘電性液晶をツイストグレインバウンダリ液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0062】
実施例7の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0063】
実施例8
強誘電性液晶をスメクティックA相液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0064】
実施例8の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0065】
実施例9
液晶注入方法として、真空注入方法を採用せず、柱状スペーサ3を形成したガラス基板2上に強誘電性液晶を滴下した後、ガラス基板2の周辺に接着封止部材4を施し、ガラス基板1及び2を重ね合わせて加熱することに依って接着し液晶表示素子を作製した。この場合、基板周辺の接着封止部材4と柱状スペーサ3を間において、両ガラス基板1及び2を接着させたことを除き、実施例1と全く同じ条件を採用している。
【0066】
実施例9では、液晶注入時間が不要となる為、実施例1に比較し、製造時間を短縮することができた。また、完成した液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0067】
前記した各実施例に於いて、柱状スペーサの材料としては、シリコーン系ポジ型レジストとして日本ペイント製の商品名グラシア、クラリアント製の商品名AZ−5200などを挙げたが、その他には、例えば、クラリアント製のノボラック系ポジ型レジストである商品名AZ−5214E、或いは、その他にシリコーン系ポジ型レジスト、アクリル系ポジ型レジスト、感光性ポリイミドなど多くのポジ型レジストを用いた場合も同効である。
【0068】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0069】
(付記1)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、
120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えてなること
を特徴とする液晶表示素子。
【0070】
(付記2)
樹脂からなる柱状スペーサは120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在るフォト・レジストからなること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0071】
(付記3)
樹脂からなる柱状スペーサは損失弾性率G″が硬化時間に対応して上昇するものであること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0072】
(付記4)
柱状スペーサを構成する樹脂は硬化温度が配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない範囲のものであること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0073】
(付記5)
基板周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度と加熱に依って硬化し対向する一対の基板に接着力をもつ柱状スペーサの軟化温度及び硬化温度とが配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない温度であると共に前記基板の周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度が前記柱状スペーサの硬化温度以上であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0074】
(付記6)
柱状スペーサを構成する樹脂と基板周辺を封止する熱硬化性樹脂との硬化温度が120〔℃〕〜180〔℃〕の範囲であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0075】
(付記7)
柱状スペーサを構成する樹脂と基板周辺を封止する熱硬化性樹脂との硬化時間が2〔時間〕以内であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0076】
(付記8)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を周辺封止剤で封止してなる液晶表示素子の製造方法に於いて、
何れか一方の基板上に120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在って前記一対の基板間に介挿された場合に両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する柱状スペーサを形成する工程と、
前記一方の基板に他方の基板を重ね合わせて液晶注入口となるべき箇所を除き周辺封止剤を施し加圧加熱して液晶パネルを形成する工程と、
前記液晶注入口から前記液晶パネル内に液晶を真空注入してから前記液晶注入口を封止する工程と
が含まれてなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0077】
(付記9)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子の製造方法に於いて、
何れか一方の基板上に120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在って前記一対の基板間に介挿された場合に両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する柱状スペーサを形成する工程と、
前記一方の基板上に液晶を滴下して付着させる工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを対向させ且つ両基板間に熱硬化性樹脂を介在させて両基板を加熱封止する工程と
が含まれてなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0078】
(付記10)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける圧力差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0079】
(付記11)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける温度差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0080】
(付記12)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける圧力差及び温度差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0081】
(付記13)
基板周辺を封止する熱硬化性樹脂が光硬化性樹脂或いは基板内部に用いられている熱硬化性樹脂の硬化温度に比較して高い温度で硬化するものであること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0082】
(付記14)
基板上に液晶を滴下して付着させる工程に於いて、
ディスペンサを用いて液晶を滴下すること
を特徴とする(付記9)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0083】
(付記15)
液晶は、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶から選択されること
を特徴とする(付記8)或いは(付記9)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0084】
【発明の効果】
本発明に依る液晶表示素子に於いては、透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えることが基本になっている。
【0085】
前記構成を採ることに依り、柱状スペーサが相対向する基板の両方に接着しているので、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持され、表示面を押圧しても、表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性は充分に高く、従って、表示品質は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図である。
【図2】本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
1及び2 ガラス基板
3 柱状スペーサ
4 接着封止部材
5 熱処理装置
6 液晶注入口
7 ベルジャー
8 液晶
9 液晶溜め
10 搬送機構
本発明は、基板間のギャップを均一、且つ、一定に維持するの有効な構造をもった液晶表示素子、また、その液晶表示素子に効率良く液晶を注入することができる液晶表示素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
透明電極を有する2枚の透明基板の間に光スイッチ機能をもつ媒体、例えば、液晶を充填してなる液晶表示素子は、薄い、軽量、低消費電力などの特徴があることから、電卓、家電製品、OA機器などの表示素子、空間光変調素子(spacial light modulator)などとして広く用いられるようになっている。
【0003】
従来、液晶表示素子を製造する場合、液晶表示素子用のスペーサを基板上に散布して固定化する方法が知られているが、基板上にスペーサを均一、且つ、高密度に配置した状態で配向膜材料溶液を塗布することは困難であり、また、配向膜をラビング処理する際、スペーサが剥がれ落ちたりすることから、液晶表示素子の表示品質を維持したまま、スペーサを基板上に固定することは困難である。
【0004】
また、球状粒子、即ち、ビーズを基板上に散布し、基板間のギャップを均一に制御しようとする方法が知られているが、ビーズを散布する方法では、ビーズの配置を制御することは困難であることから、画素部分にもビーズが散布されてしまい、配向欠陥を招来し、表示品位が低下してしまう旨の問題がある。
【0005】
その問題を解消しようとして、フォト・リソグラフィ技術を適用し、画素部分以外に柱状スペーサを設けることも試みられているが、画素部分にスペーサがなければ、配向欠陥や表示品位低下は防止できるのであるが、柱状スペーサは、通常、一方の基板とは接着されているが他方の基板とは接着されていない為、外圧が加わると基板間隔に変動が起こり、干渉縞の発生、色調のばらつき、駆動電圧特性のばらつき等を生ずる旨の問題があり、極端な場合、外圧に依って上下基板同士が接触し、配向膜が損傷されて液晶分子の配向が乱れ、表示品質が低下するなどの問題が起こる。
【0006】
その問題を解消しようとして、柱状スペーサに両基板との接着性を持たせる為の検討が行われているところであるが、基板を重ね合わせる前は、樹脂からなる柱状スペーサの熱硬化が進行していない条件を維持し、その後、基板を重ね合わせ、加熱し、樹脂からなる柱状スペーサを硬化させた場合、基板との密着性は保たれるが、基板を重ね合わせた時の圧力に依って、硬化前の柱状スペーサが変形し、精密なギャップ制御を行うことができない旨の問題がある。
【0007】
その問題を解消しようとして、柱状スペーサに圧力や熱で変形しないビーズを含有させ、強度と接着性を両立させようとする発明が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0008】
然しながら、その発明に依った場合、ビーズを樹脂に分散させている為、次のような問題が起こる。
(1) ビーズが含有されない柱状スペーサが或程度の確率で存在する為、ギャップ均一性を良好に実現することはできない。
(2) 前記(1)の問題を解消する為、ビーズ含有量を増加させると、ビーズがフィラーとして悪影響を及ぼし、柱状スペーサを製造する際、均一なスピン・コートを行うことができず、厚さにムラを生じ、柱状スペーサの高さが不均一になる。
(3) 均一粒径をもつビーズは高価であり、しかも、スペーサ以外の部分は除去するのであるから、殆どのビーズは廃棄することになり、コストは高いものになる。
【0009】
また、柱状ギャップ保持ピラーをもつ液晶表示装置に於いて、その柱状ギャップ保持ピラーの損失弾性率、貯蔵弾性率、硬度について規定した発明が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
【0010】
然しながら、特許文献2に開示された発明では、柱状ギャップ保持ピラーは、対向する基板のうち、一方の側の基板のみに接着され、他方の側の基板には接着されていない構成になっている為、例えば、押圧力を加えた場合、その部分の周囲で表示色が変化してしまい、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性に乏しいことが看取される。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−155321号公報
【特許文献2】
特開2000−171804号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、所要温度で加熱した際の損失弾性率が或範囲内にある樹脂のみからなる柱状スペーサを用い、その柱状スペーサを相対向する基板の両方に接着させ、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持できるようにする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る液晶表示素子に於いては、透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えてなることが基本になっている。
【0014】
前記手段を採ることに依り、柱状スペーサが相対向する基板の両方に接着しているので、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持され、表示面を押圧しても、表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性は充分に高く、従って、表示品質は向上する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明では、透明電極を有して少なくとも1枚は透明である2枚以上の基板のギャップを維持すると共に両基板間を接着する為、所要温度条件で軟化または硬化した際の損失弾性率が所要範囲内にある樹脂材料で構成された柱状スペーサを用いる。
【0016】
具体的には、前記柱状スペーサの構成材料としてフォト・レジスト材料から適切なもの、即ち、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際に於ける損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲内にあるものを選択する。
【0017】
前記柱状スペーサに依ってギャップが正確に維持された基板間には光スイッチ機能をもつ媒体である液晶を挟持し、基板の周辺を熱硬化性樹脂で封止して液晶表示素子を構成する。
【0018】
表示を行う為には、基板のうち、少なくとも1枚は透明であり、そして、透明電極上に配向膜を有し、その配向膜としては、表面にラビング処理を施した樹脂配向膜を用いている。
【0019】
柱状スペーサの構成材料としては、市販されているポジ型のフォトレジストの中から選択することができる。
【0020】
液晶としては、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶を用いることができ、基板に液晶を付着させる場合、その部分にディスペンサを用いて液晶を滴下することで定量的、且つ、容易に付着させることができる。
【0021】
複数枚の基板に於ける周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度、及び、加熱に依って硬化して基板に対して接着力を呈する柱状スペーサに於ける軟化温度及び硬化温度は、配向膜のラビング効果を損なわない温度にすることで配向膜にダメージを与えないようにし、また、基板の周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度は柱状スペーサの軟化温度及び硬化温度と等しいか、或いは、それよりも高い温度、例えば、120〔℃〕〜180〔℃〕の範囲にすることで、アニール処理に耐え、且つ、ラビング効果を損なわない旨の効果を同時に達成することが可能である。
【0022】
前記した温度制限を採る理由は、液晶パネル形成後、液晶を再配向する為のアニール処理の温度が120〔℃〕程度であり、その120〔℃〕の温度に於ける柱状スペーサ材料のうち、120〔℃〕/10〔分〕の加熱時に於ける損失弾性率が1×108 〔Pa〕以下、1×102 〔Pa〕以上となるものが基板間のギャップを維持し且つ接着強度を満足する条件であることから、基板周辺の熱硬化性樹脂の硬化温度は120〔℃〕以上にする必要がある。
【0023】
基板のギャップ内に液晶を充填する場合、柱状スペーサでギャップを維持した基板間を封止の為の周辺封止を全く、或いは、実質的に施すことなく、その周辺封止を行っていない部分全域、又は、一部に液晶を付着させた後、液晶を当該基板間に充填すれば、短い時間で完了させることができる。
【0024】
真空注入法を適用することに依って基板間(液晶パネル)に液晶を充填する場合には、基板に液晶を付着させる前後の液晶溜めと液晶パネル内との間に加わる大気圧差や温度差、或いは、その両方を利用して実施することに依って効率良く充填することが可能である。
【0025】
即ち、真空注入法を適用する場合、空の液晶パネルを液晶溜めをもつチャンバ内にセットし、そのチャンバ内を真空にした際に生ずる空の液晶パネル内と外気圧との差が前記圧力差であって、その圧力差を利用して液晶の充填を行うことが可能であり、また、空の液晶パネルを加熱してから急冷した場合、液晶パネル内に真空状態を現出させることができるので、その真空を利用して液晶を充填することも可能である。
【0026】基板の周辺封止部材は、光硬化性樹脂、或いは、基板内部に存在する熱硬化性樹脂の硬化温度よりも高い温度で硬化する熱硬化性樹脂を用いることができ、それに依って、温度上昇を抑止しつつ基板周辺を封止することができる。
【0027】
次に、本発明に於ける具体的実施例を説明するが、これ等実施例に依って本発明が限定されるものではない。
【0028】
製造方法の概略説明
図1及び図2は本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図であり、図に於いて、1及び2はガラス基板、3は柱状スペーサ、4は接着封止部材、5は熱処理装置、6は液晶注入口、7はベルジャー、8は液晶、9は液晶溜め、10は搬送機構をそれぞれ示している。
【0029】
図1(A)参照
(1)
透明電極並びに配向膜(両方とも図示せず)を形成したガラス基板2上に温度を120〔℃〕/10〔分〕の条件で上昇させた場合に於ける損失弾性率が1×105 〔Pa〕となるフォト・レジスト材料をスピン・コート法を適用することに依って厚さ2〔μm〕となるように塗布する。
【0030】
(2)
フォト・レジスト膜を100〔℃〕で1〔分〕間のプリ・ベーキングを行ってから、直径10〔μm〕の円が100〔μm〕の間隔で縦横に並ぶマスクを用い、紫外線露光装置に依って露光を行う。
【0031】
(3)
現像を行って、接着性をもつ柱状スペーサを作製し、純水で洗浄後、乾燥を行って柱状スペーサ3を得る。
【0032】
図1(B)参照
(4)
ガラス基板2の周辺に接着接着封止部材4を形成してから、接着封止部材4及び柱状スペーサ3上にガラス基板1を載置した組み立て体を熱処理装置5内に装填し、接着接着封止部材4である熱硬化性樹脂の硬化温度、例えば、120〔℃〕〜150〔℃〕の温度で加熱加圧する。尚、この温度は、配向膜のラビング効果が維持される温度範囲内である。
【0033】
この工程を経ることで、接着性柱状スペーサ3は圧力を受けた状態で軟化或いは硬化して、ガラス基板1とガラス基板2との間を弾性を維持したまま接着し、そして、これと同時に、ガラス基板2の周辺に形成した接着封止部材4に依ってガラス基板2とガラス基板1の周辺が封止される。
【0034】
図2参照
(5)
ガラス基板2とガラス基板1との組み立て体は、搬送機構10に依ってベルジャー7内に搬送され、接着封止部材4に於ける適所に形成されている液晶注入口6を介してガラス基板2とガラス基板1との間に液晶8を注入した後、液晶注入口6を封止して完成する。
【0035】
次に、幾つかの具体的実施例と、それ等の実施例に於ける主たる実施例に対応する比較例とを挙げて説明する。
実施例1
(1)
透明電極を全面に形成した200×100×1.1t〔mm〕であるガラス基板1及び2に対し、スピン・コータを用い、3〔重量%〕のポリイミド溶液を2000〔rpm〕の回転数で塗布し、200〔℃〕の温度で30〔分〕間の焼成を行い、次いで、一対の前記ガラス基板1及び2をラビング処理して液晶配向膜とした。
【0036】
(2)
前記一対のガラス基板の一方のガラス基板2に120〔℃〕/10〔分〕で加熱した場合の損失弾性率が1×105 〔Pa〕であるポジ型フォト・レジスト(AZ−5200:クラリアント製)を厚さが2〔μm〕となるように、スピン・コータを用いて、均一な塗布膜を形成した。
【0037】
(3)
前記塗布膜について、ホット・プレート上で100〔℃〕、1〔分〕間のプリ・ベーキングを行い、その後、直径10〔μm〕の円が100〔μm〕の間隔で縦横に並ぶマスクを用い、紫外線露光装置に依って1〔分〕間の露光を行った。
【0038】
(4)
現像を行い、ポジ型フォト・レジストからなる柱状ピラーを作製し、純水で洗浄後、乾燥を行って接着性柱状スペーサ3とした。
【0039】
(5)
柱状スペーサ3を形成したガラス基板2の周辺に、液晶注入口6を除いて、150〔℃〕、1時間で硬化するエポキシ樹脂からなる接着封止部材4を印刷法に依って形成する。
【0040】
(6)
一対のガラス基板1及び2を透明電極が対向するように貼り合わせ、真空袋に挿入し、150〔℃〕、1時間の加熱を行って接着封止部材4であるエポキシ樹脂を硬化した。
【0041】
(7)
柱状スペーサ3の作用で所要のギャップを維持している一対のガラス基板1及び2間に液晶注入口6を介して強誘電性液晶を注入してから、液晶注入口6を封止して強誘電性液晶表示素子とした。
【0042】
前記のようにして作製した液晶表示素子をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0043】
比較例1
柱状スペーサ3のフォト・レジスト材料として、120〔℃〕/10〔分〕の条件で温度上昇させた際に於ける損失弾性率が1×105 〔Pa〕にならないものを用いた以外、実施例1と全く同様にして比較例1の液晶表示素子を作製した。
【0044】
前記比較例1の液晶表示素子を、実施例1の場合と同様、クロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0045】
また、比較例1の液晶表示素子の中央を支持し、両端に300〔g〕の荷重を加えたところ、全表示面に亙って表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面に亙って如何なる箇所でも変化することはなかった。
【0046】
然し、比較例1の液晶表示素子を−40〔℃〕RH(室温)環境に1〔時間〕放置し、上記同様の試験を行った結果、液晶層に乱れを生じて表示品質が低下する現象が見られた。これは、温度環境に依り、液晶が膨張する際、液晶パネルが該膨張に追従できなかった為に発生したものと考えられる。
【0047】
実施例2
柱状スペーサ3のフォト・レジスト材料として、120〔℃〕/10〔分〕の条件で温度上昇させた際に於ける損失弾性率が1×102 〔Pa〕であるシリコーン系レジスト(グラシア:日本ペイント製)を用いた以外、実施例1と全く同様にして実施例2の液晶表示素子を作製した。
【0048】
前記のようにして作製した液晶表示素子をクロスニコルス下に置き、先端径が0.8〔mm〕のペン先に依って荷重を100〔g〕として中央を押圧したところ、ペン先の周囲で表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性が認められた。
【0049】
また、実施例2の液晶表示素子の中央を支持し、両端に300〔g〕の荷重を加えたところ、全表示面に亙って表示色の変化は観察されず、液晶層厚は全面に亙って如何なる箇所でも変化することはなかった。
【0050】
更に、実施例2の液晶表示素子を−40〔℃〕RH(室温)環境に1〔時間〕放置し、上記同様の試験を行ったが、液晶の表示品質に変化は見られず、液晶の体積膨張に対する追従性が確認された。
【0051】
比較例2
接着封止部材4の硬化温度を190〔℃〕、1〔時間〕で硬化させた以外は実施例1と全く同様にして比較例2の液晶表示素子を作製した。
【0052】
この場合、接着封止部材4の硬化温度が190〔℃〕であり、この温度はラビング・ダメージが発生する温度180〔℃〕を越えている為、当然、表示品質は低下した。
【0053】
実施例3
強誘電性液晶をツイステッドネマティック型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0054】
実施例3の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0055】
実施例4
強誘電性液晶をスーパーツイステッドネマティック型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0056】
実施例4の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0057】
実施例5
強誘電性液晶をネマティックコレステリック相転移型液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0058】
実施例5の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0059】
実施例6
強誘電性液晶を反強誘電性液晶に代替した以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0060】
実施例6の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0061】
実施例7
強誘電性液晶をツイストグレインバウンダリ液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0062】
実施例7の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0063】
実施例8
強誘電性液晶をスメクティックA相液晶に代替し、基板1及び2間のギャップを6〔μm〕にした以外、実施例1と全く同じ条件で液晶表示素子を作製した。
【0064】
実施例8の液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0065】
実施例9
液晶注入方法として、真空注入方法を採用せず、柱状スペーサ3を形成したガラス基板2上に強誘電性液晶を滴下した後、ガラス基板2の周辺に接着封止部材4を施し、ガラス基板1及び2を重ね合わせて加熱することに依って接着し液晶表示素子を作製した。この場合、基板周辺の接着封止部材4と柱状スペーサ3を間において、両ガラス基板1及び2を接着させたことを除き、実施例1と全く同じ条件を採用している。
【0066】
実施例9では、液晶注入時間が不要となる為、実施例1に比較し、製造時間を短縮することができた。また、完成した液晶表示素子を実施例1の場合と同様にして評価したところ、実施例1の液晶表示素子と同様に良好な特性を実現することができた。
【0067】
前記した各実施例に於いて、柱状スペーサの材料としては、シリコーン系ポジ型レジストとして日本ペイント製の商品名グラシア、クラリアント製の商品名AZ−5200などを挙げたが、その他には、例えば、クラリアント製のノボラック系ポジ型レジストである商品名AZ−5214E、或いは、その他にシリコーン系ポジ型レジスト、アクリル系ポジ型レジスト、感光性ポリイミドなど多くのポジ型レジストを用いた場合も同効である。
【0068】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0069】
(付記1)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、
120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えてなること
を特徴とする液晶表示素子。
【0070】
(付記2)
樹脂からなる柱状スペーサは120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在るフォト・レジストからなること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0071】
(付記3)
樹脂からなる柱状スペーサは損失弾性率G″が硬化時間に対応して上昇するものであること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0072】
(付記4)
柱状スペーサを構成する樹脂は硬化温度が配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない範囲のものであること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0073】
(付記5)
基板周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度と加熱に依って硬化し対向する一対の基板に接着力をもつ柱状スペーサの軟化温度及び硬化温度とが配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない温度であると共に前記基板の周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度が前記柱状スペーサの硬化温度以上であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0074】
(付記6)
柱状スペーサを構成する樹脂と基板周辺を封止する熱硬化性樹脂との硬化温度が120〔℃〕〜180〔℃〕の範囲であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0075】
(付記7)
柱状スペーサを構成する樹脂と基板周辺を封止する熱硬化性樹脂との硬化時間が2〔時間〕以内であること
を特徴とする(付記1)記載の液晶表示素子。
【0076】
(付記8)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を周辺封止剤で封止してなる液晶表示素子の製造方法に於いて、
何れか一方の基板上に120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在って前記一対の基板間に介挿された場合に両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する柱状スペーサを形成する工程と、
前記一方の基板に他方の基板を重ね合わせて液晶注入口となるべき箇所を除き周辺封止剤を施し加圧加熱して液晶パネルを形成する工程と、
前記液晶注入口から前記液晶パネル内に液晶を真空注入してから前記液晶注入口を封止する工程と
が含まれてなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0077】
(付記9)
透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子の製造方法に於いて、
何れか一方の基板上に120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在って前記一対の基板間に介挿された場合に両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する柱状スペーサを形成する工程と、
前記一方の基板上に液晶を滴下して付着させる工程と、
前記一方の基板と他方の基板とを対向させ且つ両基板間に熱硬化性樹脂を介在させて両基板を加熱封止する工程と
が含まれてなることを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
【0078】
(付記10)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける圧力差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0079】
(付記11)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける温度差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0080】
(付記12)
液晶パネルに液晶を付着させる前後に於ける液晶溜めと前記液晶パネル内との間に於ける圧力差及び温度差を利用して前記液晶パネルに液晶を充填すること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0081】
(付記13)
基板周辺を封止する熱硬化性樹脂が光硬化性樹脂或いは基板内部に用いられている熱硬化性樹脂の硬化温度に比較して高い温度で硬化するものであること
を特徴とする(付記8)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0082】
(付記14)
基板上に液晶を滴下して付着させる工程に於いて、
ディスペンサを用いて液晶を滴下すること
を特徴とする(付記9)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0083】
(付記15)
液晶は、ツイステッドネマティック型液晶、スーパーツイステッドネマティック型液晶、ネマティックコレステリック相転移型液晶、ポリマー分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶、ツイストグレインバウンダリ液晶、電傾効果を示すスメクティックA相液晶から選択されること
を特徴とする(付記8)或いは(付記9)記載の液晶表示素子の製造方法。
【0084】
【発明の効果】
本発明に依る液晶表示素子に於いては、透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えることが基本になっている。
【0085】
前記構成を採ることに依り、柱状スペーサが相対向する基板の両方に接着しているので、基板間即ち電極間のギャップが表示面内で均一、且つ、一定に維持され、表示面を押圧しても、表示色の変化は発生せず、液晶層厚を小さくする外力に対する耐ストレス性は充分に高く、従って、表示品質は向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図である。
【図2】本発明に依る液晶表示素子を製造する工程を説明する為の工程要所に於ける液晶表示素子及び製造装置を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
1及び2 ガラス基板
3 柱状スペーサ
4 接着封止部材
5 熱処理装置
6 液晶注入口
7 ベルジャー
8 液晶
9 液晶溜め
10 搬送機構
Claims (5)
- 透明電極をもち少なくとも一方が透明である一対の基板間に液晶を挟持し周辺を熱硬化性樹脂で封止してなる液晶表示素子に於いて、
120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在り前記一対の基板間に介挿されて両基板と接着し且つ両基板間隔を一定に維持する樹脂からなる柱状スペーサを備えてなること
を特徴とする液晶表示素子。 - 樹脂からなる柱状スペーサは120〔℃〕/10〔分〕の条件で加熱した際の損失弾性率G″が1×102 〔Pa〕〜1×108 〔Pa〕の範囲に在るフォト・レジストからなること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 樹脂からなる柱状スペーサは損失弾性率G″が硬化時間に対応して上昇するものであること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 柱状スペーサを構成する樹脂は硬化温度が配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない範囲のものであること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。 - 基板周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度と加熱に依って硬化し対向する一対の基板に接着力をもつ柱状スペーサの軟化温度及び硬化温度とが配向膜のラビング効果を損なう温度に達しない温度であると共に前記基板の周辺を封止する熱硬化性樹脂の硬化温度が前記柱状スペーサの硬化温度以上であること
を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003045685A JP2004258084A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003045685A JP2004258084A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004258084A true JP2004258084A (ja) | 2004-09-16 |
Family
ID=33112431
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003045685A Pending JP2004258084A (ja) | 2003-02-24 | 2003-02-24 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004258084A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109196413A (zh) * | 2016-12-27 | 2019-01-11 | 积水化学工业株式会社 | 液晶显示元件用密封剂、上下导通材料和液晶显示元件 |
-
2003
- 2003-02-24 JP JP2003045685A patent/JP2004258084A/ja active Pending
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CN109196413A (zh) * | 2016-12-27 | 2019-01-11 | 积水化学工业株式会社 | 液晶显示元件用密封剂、上下导通材料和液晶显示元件 |
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