JP2004257904A - 電流プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】フラックスゲート磁気センサを用いて直流から高周波数まで連続的に高感度で検出可能にする。
【解決手段】第1電流検出手段では、信号線中を流れる直流から所定周波数帯域近辺までの電流の値を主に検出する。第2電流検出手段では、この所定周波数帯域近辺より高い周波数の電流の値を主に検出する。このとき、第1電流検出手段が、フラックスゲート磁気センサ9と、所定周波数帯域より高い周波数のドライブ電流をフラックスゲート磁気センサに供給するドライブ回路10と、磁束コンセントレータ30は、信号線の電流の周波数が直流から所定周波数帯域近辺までにおいて高い比透磁率である一方、ドライブ電流の周波数では比透磁率が低いので、ドライブ電流で生じた磁束が磁束コンセントレータ30に漏れることがない。よって、磁束コンセントレータ30を用いて効果的に高感度化できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電流プローブに関し、特にフラックスゲート磁気センサを用いて、直流から高周波まで広い周波数帯域を高感度で検出可能な電流プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】米国特許第3525041号
【特許文献2】米国特許第6175229号
【0003】
電流プローブは、ケーブルなどの被測定信号線中を流れる被測定電流を検出するため使用される。図2はトランスを用いたもっとも単純な電流プローブ50の等価回路を示す。これは、受動電流プローブとも呼ばれ、被測定信号線(1次コイル)4中の電流変化で生じる磁界の変化により、電流プローブ50のトランス(2次コイル)52に誘導電流が生じ、抵抗器58で被測定電流に比例した電圧に変換される。この電圧を検出すれば被測定信号線4の電流値を検出できる。出力端子54及び56をオシロスコープなどに接続すれば、電流値を観測できる。電流プローブ50では、被測定信号線4に物理的に接続された端子を設けることなく、非接触で電流値の検出ができる。
【0004】
図2に示す受動電流プローブでは、磁界の変化が必要であり、被測定電流が直流から低周波数帯域にあるときは検出ができない。この問題を解決するため、磁気センサを利用した能動電流プローブが利用される。磁気センサとしては、ホール素子、MR素子、GMR素子、フラックスゲート素子などが知られている。これら磁気センサは、磁界に応じた電圧を生じるので、この電圧を検出することで直流から低周波の電流値の検出が可能になる。
【0005】
米国特許第3525041号は、ホール素子及びトランスを組み合わせて直流から高周波数帯域まで、電流の周波数に関係なく被測定信号線中の被測定電流の値を検出する技術を開示している。被測定信号線を流れる被測定電流の周波数は、予め分かっている場合ばかりではないので、直流から高周波数まで周波数に関係なく検出できる点で望ましい技術である。
【0006】
図3は、フラックスゲート磁気センサの動作原理を示すブロック図である。図4は、入力磁界Hiがない場合の図3における信号の状態を示す波形図である。図5は、入力磁界Hiがある場合の図3における信号の状態を示す波形図である。ドライブ回路10は、磁気コア12に図4aに示すドライブ電流Idを供給し、磁気コア12に沿った励振磁界Hdを発生させる。励振磁界Hdがコア12を飽和させるのに充分な振幅を持つようにすれば、発生する磁束Φdはコアの磁気特性により周期的に飽和し、図4bに示すようになる。入力磁界Hiがない場合には、検出点A及び検出点Bにおける磁束Φa及びΦbは、磁束Φdであるため、差動の検出コイル14の出力電圧Voは、図4eに示すように零となる。しかし、入力磁界Hiがある場合には、検出点Aでの磁界HaはHd−Hiであり、検出点Bでの磁界HbはHd+Hiとなる。すると、磁気コア12が飽和するのに必要な励振磁界はA点では大きく、B点では小さくなるので、磁束Φa及びΦbは、図5bに示すようにシフトする。その結果、差動の検出コイル14には、検出点A及びBにおける誘導電圧の差分に応じて図5eに示すようにドライブ電流IDの2倍の周波数を持つ電圧Voが現れる。この出力電圧Voを、ドライブ電流の2倍の周波数の信号で同期検波し、直流電圧に変換すれば、入力磁界Hiに比例した電圧を得ることができる。
【0007】
磁気センサの利用にあたっては、その感度を高めるために磁束コンセトレータ又はヨークを利用する方法が知られている。例えば、米国特許第6175229号(特開2000−258463号に対応)は、ホール素子と磁束コンセトレータとで磁気的に閉じたループ(閉回路)を形成し、このループの中に被測定信号線を通すことで、被測定電流により生じる磁束が磁束コンセトレータを通して効果的にホール素子に導かれる技術を開示している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
フラックスゲート磁気センサは、ホール素子よりも高感度であるが、ドライブ電流が必要となる。このとき、感度を高めるために、フラックスゲート磁気センサと磁束コンセントレータを組み合わせて使用しようとすると、ドライブ電流で生じる磁束が磁束コンセントレータに漏れてしまうために、感度が低下するという問題があった。そこで、磁束コンセントレータとフラックスゲート磁気センサの間に隙間(エアギャップ)などを設け、ドライブ電流で生じる磁束が磁束コンセントレータに漏れ難くすると、今度は感度が低下するという問題が生じる。
【0009】
また、ドライブ電流自身も磁界を生じるため、直流から高周波数まで広い帯域の電流値を検出しようとすると、ドライブ電流で生じる磁界をノイズとして検出してしまい、被測定電流の測定の障害になるという問題がある。
【0010】
そこで本発明は、フラックスゲート磁気センサと磁束コンセントレータを組み合わせつつ、ドライブ電流で生じる磁束の磁束コンセントレータへの漏れが少なくすることで、高感度を実現した電流プローブを提供しようとするものである。同時に、フラックスゲート磁気センサを電流プローブに応用するに際し、ドライブ電流によるノイズを検出し難い構成とすることで、直流から高周波数帯域まで広帯域で電流値を適切に検出可能な電流プローブを提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明による電流プローブは、被測定信号線中を流れる直流から所定周波数帯域近辺までの第1周波数帯域の被測定電流の値を主に検出する第1電流検出手段と、所定周波数帯域近辺より高い第2周波数帯域の被測定電流の値を主に検出する第2電流検出手段とを具えている。このとき、第1電流検出手段が、フラックスゲート磁気センサと、所定周波数帯域より高い周波数のドライブ電流をフラックスゲート磁気センサに供給するドライブ回路と、第1周波数帯域において高い比透磁率を維持する一方、ドライブ電流の周波数においては比透磁率が低い磁束コンセントレータとを有している。このため、この磁束コンセントレータは、フラックスゲート磁気センサと物理的に密着することで第1周波数帯域においてフラックスゲート磁気センサと磁気的に強く結合する一方、ドライブ電流の周波数においては比透磁率が低いためにフラックスゲート磁気センサの磁気的結合が弱くすることができる。即ち、、第1周波数帯域における被測定電流によって生じる磁束を効果的にフラックスゲート磁気センサに供給できる一方、ドライブ電流によって生じる磁束の磁束コンセントレータへの漏れは少ないので、フラックスゲート磁気センサの感度を低下させることなく磁束コンセントレータを使用することが可能になる。なお、フラックスゲート磁気センサ及び磁束コンセントレータは、従来と同様に被測定信号線の周りを囲む磁気的な閉回路を構成するように配置される。
【0012】
第1電流検出手段には、更にフラックスゲート磁気センサにおけるドライブ電流で生じる磁界が第2電流検出手段に達するのを低減する磁気シールドを有するようにしても良い。これによって、第2電流検出手段がドライブ電流で生じる磁束を検出するのを効果的に防止できる。この磁気シールドは、磁束コンセトレータとは磁気的結合が弱くなるように設定される。そのため、磁気シールドと磁束コンセトレータとの間に隙間(エア・ギャップ)設けるようにしても良い。これによって、磁束コンセトレータが集めた被測定電流による磁束が磁気シールドに漏れることを防止することで、フラックスゲート磁気センサの感度が低下しないようにしている。
【0013】
本発明の電流プローブでは、フラックスゲート磁気センサが供給する電圧を受けて、被測定電流で生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる電流が流れるフィードバック・コイルを更に設けるようにすると良い。これによって、フラックスゲート磁気センサが磁気的に飽和するのを抑制できるので、被測定電流の値とフラックスゲート磁気センサの検出値の線形性を良好に保つことが容易になる。
【0014】
加えて、本発明の電流プローブでは、被測定電流から生じた磁束の内、フィードバック・コイル及び第2電流検出手段によって打ち消すことができなかった磁束を検出することによって、第1及び第2周波数帯域の境界帯域における被測定電流の値を主に検出する第3電流検出手段を更に具えるようにしても良い。これによって、第1及び第2電流検出手段だけでは捉えられない第1及び第2周波数帯域の境界帯域の被測定電流の値をより適切に検出することが可能になる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による電流プローブの実施形態の一例を示す模式図である。従来例と対応するものには、同じ符号を付して説明する。尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0016】
本発明の電流プローブは、その構成を大きく分けると、直流から所定周波数帯域までの低周波数帯域(第1周波数帯域)にある電流の値を主に検出する第1電流検出手段と、上記所定周波数帯域より高い周波数帯域(第2周波数帯域)にある電流の値を主に検出する第2電流検出手段とから構成される。第1電流検出手段は、フラックスゲート磁気センサ9を中心として構成される一方、第2電流検出手段はトランス・コアを用いた受動プローブで構成される。なお、以下で説明する実施形態では、上述の所定周波数帯域を例えば数十kHz帯域近辺としている。
【0017】
まず、第1電流検出手段の構成を順次説明する。その中心的機能を果たすフラックスゲート磁気センサ9の動作原理の基本は、従来例での説明と同じである。即ち、検出点A及びBにおける磁束差を検出することで、被測定信号線4中の電流値を検出する。ただし、図1に示す例では、後述する磁束コンセントレータ30と物理的に密着させ、結果として磁気的に強く結合できるようにすることを考慮して、磁気コア12を四角形のループで構成している。これによって、磁気コア12自身も磁気的閉回路を構成する。
【0018】
図6は、フラックスゲート磁気センサ9による電流値検出回路の等価回路を示す。ドライブ回路10は、図4aに示すような周波数fのドライブ電流をフラックスゲート磁気センサ9の磁気コア12の検出点A及びBに供給する。このドライブ電流の周波数fは、第1電流検出手段で検出する所定周波数帯域より高い周波数に設定される。差動増幅器15は、検出点A及びBの誘導電圧の差を検出し、同期検波回路17が周波数2fの信号で同期検波し、ローパスフィルタ19でろ波すれば、被測定信号線4に流れる電流に比例した電圧を得ることができる。
【0019】
磁束コンセントレータ30は、それぞれU字形状の磁束コンセントレータ上部30u及び下部30dとから構成される。磁束コンセントレータ上部30u及び下部30dは、着脱可能となっており、これによって被測定信号線4を磁束コンセントレータ30及びフラックスゲート磁気センサ9が構成する閉回路の内側に容易に配置できる。しかし、被測定信号線4の1端が接続されていない状態であれば、この閉回路内に被測定信号線4を通せば良いので、必ずしも磁束コンセントレータ30が上下に分離できる構造となっていなくても良い。
【0020】
磁束コンセントレータ下部30dは例えば2層構造になっており、これら2つの層で磁気コア12を挟み込むことで物理的にしっかり結合され、同時に磁気的にも結合される。これにより、磁気コア12及び磁束コンセントレータ30による磁気的な閉回路が構成される。ただし、必ずしも2層構造でなくても良い。例えば、図1に示す磁束コンセトレータ30dと同じ形状でありつつ一層構造の磁束コンセントレータを用いて、図1に示す磁気コア12がある位置に下から磁気コア12の両端部を磁束コンセントレータに密着させる構造としても良い。
【0021】
磁気シールド6及び8は、フラックスゲート磁気センサ9の上下面を覆うように配置される。磁気シールド6及び8の役割は、後述する第2電流検出手段にドライブ電流による磁界が達しないようにシールドすることにある。言い換えると、ドライブ電流による磁界が検出コイル34に達しないようにシールドすることにある。また、第3電流検出手段として機能する検出コイル36にもドライブ電流による磁界が達しないようにシールドしている。その一方で、フラックスゲート磁気センサ9に行くべき被測定電流からの磁束が磁束コンセントレータ30から磁気シールド6及び8に逃げないように、磁気シールド6及び8と、磁束コンセントレータ30との間の磁気的結合は弱くするように設定する。例えば、磁束コンセントレータ30と磁気シールド6及び8の間にわずかな隙間(エア・ギャップ)を設けることで、磁気的結合を弱くすれば良い。なお、図1では、フラックスゲート磁気センサ9を見やすくするために、磁気シールド6の一部を破断させて描いている。
【0022】
次に第2電流検出手段について説明する。トランス・コア32は、それぞれU字形状の上部32u及び下部32dから構成され、これらが着脱可能となっている。着脱可能とすることで、被測定信号線4をトランス・コア32の内側に容易に配置することが可能になる。しかし、上述の磁束コンセントレータ30と同じ理由から、上下に分離可能であることは必須の要件ではない。
【0023】
トランス・コア32の側部には、検出コイル34が形成される。これは、被測定信号線4を1次コイルとしたときの2次コイルと考えることができる。即ち、被測定信号線4に高周波数の電流が流れたときには、これによって生じる磁界を打ち消す方向の磁界が生じるように検出コイル34に電流が流れる。トランス・コア32には、従来と同様に、直流から高周波数まで高い比透磁率を有するフェライトなどの素材を用いると良い。検出コイル34は、トランス・コア32の側部だけでなく、磁束コンセントレータ30の側部にも形成される。
【0024】
次に、本発明による電流プローブの電気回路の動作を説明する。これは、米国特許第3525041号の図3に示されたものと基本的には同じである。検出コイル34で生じた電流の高周波数成分は、コンデンサ20を介して広帯域増幅器22で増幅される。一方、フラックスゲート磁気センサ9の出力電圧を増幅する増幅器18の出力電圧は、抵抗器R3で電流に変換され、被測定信号線4を流れる電流で生じる磁界を打ち消す方向に検出コイル34に供給される(ネガティブ・フィードバック)。このネガティブ・フィードバックによって、磁束が飽和しないように制御され、電流プローブの出力電圧と被測定信号線4の電流値の関係が線形性を保てる範囲内での電流検出を可能にすると同時に検出精度を維持できる。このように検出コイル34は、直流から低周波数帯域では負帰還(ネガティブ・フィードバック)コイルとして機能する一方、被測定電流が高周波数帯域のときは電流検出コイルとして機能する。
【0025】
増幅器18の出力電圧は、入力抵抗器R4を介して加算増幅器24にも供給される。同様に増幅器22の出力電圧は、入力抵抗器R5を介して加算増幅器24に供給される。加算増幅器24には、帰還抵抗器R6があり、増幅器18及び22の出力電圧は、加算増幅器24において加算される。これによって、検出コイル34に流れる電流に比例する電圧が加算増幅器24から得られるので、結果として、被測定信号線4に流れる直流から高周波数帯域までの電流に比例する電圧が加算増幅器24から得られることとなる。なお、増幅18及び22の利得は、被測定電流の低周波成分(第1周波数帯域)及び高周波成分(第2周波数帯域)における利得がマッチするように予め調整されている。
【0026】
図7は、本発明の電流プローブの周波数特性を示す。上述の説明では、第1及び第2電流検出手段から得た信号によって、電流プローブの出力電圧(増幅器24)の出力電圧を得る説明をしてきた(2つの実線で示す)。しかし、図7が示すように、これら2つの信号成分を合成しただけでは、第1及び第2周波数帯域の境界となる所定周波数帯域(ここでは数10kHz帯域)近辺の利得が落ち込みがちとなる。この境界の帯域において利得が落ち込むということは、検出コイル34に流れる電流だけでは、被測定信号線4に流れる電流によって生じた磁界を打ち消しきれていないことを意味する。そこで、検出コイル34だけでは漏れてしまう磁界を第3電流検出手段である検出コイル36が電圧に変換する。増幅器18は、ハイ・インピーダンスの入力端子でこの電圧を受け、これによる加算分が図7の破線に示す利得として現れる。これによって、本発明の電流プローブは、境界となる周波数帯域においても充分な利得を得ることができる。
【0027】
図8は、磁束コンセントレータ30及び磁気コア12の周波数に対する比透磁率の特性を示すグラフである。図8aに示すように、本発明による磁束コンセントレータ30は、理想的には、所定周波数帯域より低い周波数帯域(第1周波数帯域)において高い比透磁率を有し、ドライブ電流の周波数において低い比透磁率となるものを使用する(実際は図8bに示す)。これによれば、被測定信号線4中の被測定電流が所定周波数帯域より低い周波数(第1周波数帯域)のときは、磁束コンセントレータ30は被測定信号線4中の被測定電流で生じた磁界から多くの磁束を生じさせ、フラックスゲート磁気センサ9に供給できる。一方、磁束コンセントレータ30は、ドライブ電流に対しては空気に近い存在として振る舞うので、第1周波数帯域における場合と比較して、ドライブ電流が磁気コア12に生じさせた磁束が磁束コンセントレータ30に漏れることが非常に少なく、よって、フラックスゲート磁気センサ9の感度を低下させることがない。
【0028】
別の見方をすれば、ドライブ電流の周波数fにおいては、磁束コンセントレータ30が空気のように低い比透磁率しかないという特性であるが故に、磁気コア12と磁束コンセトレータ30を密着させることが初めて可能となる。もしドライブ電流の周波数fにおいて、磁束コンセントレータ30が高い比透磁率を有していたら、ドライブ電流によって磁気コア12に生じた磁束が磁束コンセントレータ30にどんどん取られてしまうので、フラックスゲート磁気センサ9の感度が大幅低下してしまうからである。そして、磁気コア12と磁束コンセトレータ30を密着させ、磁気的に強く結合させることが可能であるが故に、第1周波数帯域においてはその高い比透磁率によって被測定電流で生じた磁界から多くの磁束を生じさせ、フラックスゲート磁気センサ9に供給可能となる。このように、図8に示す特性の磁束コンセントレータ30を使用することよって、フラックスゲート磁気センサ9を極めて効果的に高感度にすることが可能となる。
【0029】
更にドライブ電流の周波数fにおいては磁束コンセントレータ30の比透磁率が低くい故に、ドライブ電流から生じる磁界による磁束が磁束コンセントレータ30から第2電流検出手段に達することも少なくなる。よって、磁気シールド6及び8の効果と併せて、ドライブ電流で生じる磁界による磁束が第2電流検出手段に影響しにくい構造となっている。なお、こうした特性を実現する磁束コンセントレータ30としては、例えばパーマロイなどがある。
【0030】
一方、磁気コア12は、図8cに示すように、ドライブ電流の周波数fにおいても比透磁率が低下しない材料を使用する。これは、いうまでもなく、ドライブ電流の周波数fにおいる磁束コア12の比透磁率が低下してしまっては、ドライブ電流によって磁束コア12に生じる磁束が減少し、フラックスゲート磁気センサ9の感度が維持できなくなるからである。こうした素材としては、例えば、アモルファスを使用すれば良い。
【0031】
なお、上述の実施形態では、簡単のため、第1コイルを右側部に第2コイルを左側部にそれぞれ配置している。しかし、実際には第1コイルを左右の側部にそれぞれ同じ巻数で設けても良い。同様に、第2コイルも左右の側部にそれぞれ同じ巻数で設けるようにすると良い。
【0032】
以上の如く、本発明の電流プローブは、フラックスゲート磁気センサの高感度特性を維持しつつ、そのドライブ電流によって生じる磁界が高周波数成分に与える影響を大幅にカットしているので、直流から高周波数まで連続的に高感度で検出可能な電流プローブを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電流プローブの実施形態の1例を示す模式図である。
【図2】トランスを用いたもっとも単純な電流プローブの等価回路図である。
【図3】フラックスゲート磁気センサの動作原理を示すブロック図である。
【図4】入力磁界Hiがない場合の図3における信号の状態を示す波形図である。
【図5】入力磁界Hiがある場合の図3における信号の状態を示す波形図である。
【図6】フラックスゲート磁気センサによる電流値検出回路の等価回路図である。
【図7】本発明の電流プローブの周波数特性を示すグラフである。
【図8】磁束コンセントレータ30及び磁気コア12の周波数に対する比透磁率の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
4 被測定信号線
6 磁気シールド
8 磁気シールド
9 フラックスゲート磁気センサ
10 ドライブ回路
12 磁気コア
14 フラックスゲート磁気センサの検出コイル
15 差動増幅器
16 検出回路
17 同期検波回路
18 増幅器
19 ローパスフィルタ
20 コンデンサ
22 広帯域増幅器
24 加算増幅器
30 磁束コンセントレータ
30u 磁束コンセントレータの上部
30d 磁束コンセントレータの下部
32 トランス・コア
32u トランス・コアの上部
32d トランス・コアの下部
34 検出コイル
36 検出コイル(第3電流検出手段)
50 電流プローブ
A 検出点
B 検出点

Claims (7)

  1. 被測定信号線中を流れる直流から所定周波数帯域近辺までの第1周波数帯域の被測定電流の値を主に検出する第1電流検出手段と、上記所定周波数帯域近辺より高い第2周波数帯域の上記被測定電流の値を主に検出する第2電流検出手段とを具える電流プローブであって、
    上記第1電流検出手段が、
    フラックスゲート磁気センサと、
    上記所定周波数帯域より高い周波数のドライブ電流を上記フラックスゲート磁気センサに供給するドライブ回路と、
    上記第1周波数帯域において高い比透磁率を維持する一方、上記ドライブ電流の周波数においては比透磁率が低い磁束コンセントレータとを有することを特徴とする電流プローブ。
  2. 上記磁束コンセントレータは、上記フラックスゲート磁気センサと物理的に密着することで上記第1周波数帯域において上記フラックスゲート磁気センサと磁気的に強く結合する一方、上記ドライブ電流の周波数においては比透磁率が低いために上記フラックスゲート磁気センサの磁気的結合が弱いことを特徴とする請求項1記載の電流プローブ。
  3. 上記フラックスゲート磁気センサ及び上記磁束コンセントレータが上記被測定信号線の周りを囲む磁気的な閉回路を構成することを特徴とする請求項2又は3記載の電流プローブ。
  4. 上記第1電流検出手段は、上記フラックスゲート磁気センサにおける上記ドライブ電流で生じる磁界が上記第2電流検出手段に達するのを低減する磁気シールドを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の電流プローブ。
  5. 上記磁気シールドは、上記磁束コンセトレータとの磁気的結合が弱いことを特徴とする請求項4記載の電流プローブ。
  6. 上記フラックスゲート磁気センサが供給する電圧を受けて、上記被測定電流で生じる磁界を打ち消す磁界を発生させる電流が流れるフィードバック・コイルを更に具えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の電流プローブ。
  7. 上記被測定電流から生じた磁界の内、上記フィードバック・コイル及び第2電流検出手段によって打ち消すことができなかった磁界を検出することにより、上記第1及び第2周波数帯域の境界帯域における上記被測定電流の値を主に検出する第3電流検出手段を更に具えることを特徴とする請求項5記載の電流プローブ。
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