JP2004257459A - 伝動ベルト - Google Patents

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幸利 金井
Hiroki Takechi
博樹 武市
Takeshi Takehara
剛 竹原
Yorifumi Hineno
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Abstract

【課題】被水時の伝達力を向上させることができると共に、被水時の異音発生を低減することができる伝動ベルトを提供する。
【解決手段】ベルト構成ゴム部の少なくとも一部に短繊維が混入された伝動ベルトに関する。上記ゴムとしてヨウ素価が3以上40未満のエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムを用いる。また上記短繊維としてナイロン短繊維単独を用いると共に、その配合量をゴム100質量部に対して20〜50質量部に設定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の補機駆動用Vリブドベルトなど、伝動ベルトに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の補機駆動用のVリブドベルトなど、伝動ベルトにおいては、プーリと接触するゴム部を補強するために短繊維を混入することが一般的に行なわれている。そしてこの短繊維としては、主としてアラミド短繊維が用いられている(例えば特許文献1参照)。このようにゴム部にアラミド短繊維を配合した伝動ベルトにおいて、Vリブを切削・研磨する際に、表面にアラミド短繊維が突出し、ベルト駆動時にゴム部とプーリとの接触面積が小さくなってビビリ音等の騒音発生を低減することができる効果もある。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−254782号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のようにゴム部の表面にアラミド短繊維が突出していると、伝動ベルトが被水してWETな状態のときに、伝動ベルトとプーリとの間にアラミド短繊維の突出によって水が介在し、伝動ベルトが滑り易くなって動力の伝達力が低下するという問題がある。
【0005】
一方、伝動ベルトの走行初期では、ゴム部の表面に突出するアラミド短繊維の影響でゴム部とプーリとの接触面積が小さいため、伝動ベルトが被水しないDRYな状態でも動力の伝達力はさほど大きくない。このようにゴム部にアラミド短繊維を混入した伝動ベルトは、DRY時とWET時の伝達力の差が小さく、被水時の異音の発生が小さい。すなわち、伝動ベルトのDRY時とWET時の伝達力の差が大きいと、被水時の水の膜厚や状態によってベルトとプーリの間の伝達力がミクロ的に大きくなったり小さくなったりして、ベルト走行時に伝達力が変化し、この変化でベルト速度が変動してステックスリップが発生し、異音発生につながるが、上記のようにDRY時とWET時の伝達力の差が小さい伝動ベルトでは、ステックスリップの発生が少なく、異音発生を低減することができるのである。
【0006】
しかし、伝動ベルトを長期間走行させて、ゴム部の表面に突出したアラミド短繊維が摩滅し、ゴム部の表面で切り株状になると、アラミド短繊維は繊維径が細いために、プーリの表面に接触するゴム部の面積が大きくなり、DRY時の伝達力が大きくなる。従ってこのときには、伝動ベルトのDRY時とWET時の伝達力の差が大きくなり、ステックスリップが発生して異音が発生し易くなるという問題がある。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、被水時の伝達力を向上させることができると共に、被水時の異音発生を低減することができる伝動ベルトを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る伝動ベルトは、ベルト構成ゴム部の少なくとも一部に短繊維が混入された伝動ベルトにおいて、上記ゴムはヨウ素価が3以上40未満のエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムであり、上記短繊維はナイロン短繊維単独であると共に、その配合量がゴム100質量部に対して20〜50質量部であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してカーボンブラックが30〜60質量部含有されていることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してプロセスオイルが4〜20質量部含有されていることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項4の発明は、請求項1乃至3において、伝動ベルトはVリブドベルトであることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は伝動ベルトの一例としてVリブドベルトを示すものであり、心線1を接着ゴム層2中にベルト長手方向に沿って埋設し、その内面側に圧縮ゴム層3を積層すると共に背面側に補強布4が積層してある。そしてこの圧縮ゴム層3をVカット加工することによって、複数列のVリブ5がベルト長手方向に沿って形成してある。
【0014】
このようにベルトを構成するゴム部のうち、圧縮ゴム層3のマトリックスゴムとして、エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(以下、EPDMという)が使用されるものである。EPDMは耐熱性や耐寒性に優れるという特性を有しており、耐熱・耐寒性能の高い伝動ベルトを得ることができるものである。またこのEPDMはヨウ素価が3以上で40未満のものが用いられる。ヨウ素価が3未満であると、ゴム組成物の加硫が十分でなく、摩耗や粘着の問題が発生し、またヨウ素価が40以上であると、ゴム組成物のスコーチが短くなって扱い難くなり、また耐熱性が悪くなるものである。
【0015】
そして、この圧縮ゴム層3のEPDMには短繊維が混入してある。この短繊維として本発明ではナイロン短繊維のみを用いるものである。ナイロン短繊維の繊維長は1〜8mm程度の範囲のものが好ましく、またナイロン短繊維の太さは5〜10デニールのものが好ましい。アラミド短繊維は一般に0.5〜5デニールであるので、ナイロン短繊維はアラミド短繊維よりも繊維径が太いものである。そして圧縮ゴム層3のEPDMに対するナイロン短繊維の配合量は、EPDM100質量部に対して20〜50質量部に設定されるものである。ナイロン短繊維の配合量を20質量部以上に設定することによって、伝動ベルトのDRY時とWET時の伝達力の差を小さくすることができ、ステックスリップの発生を低減して異音発生を減少させることができるものである。ナイロン短繊維の配合量が50質量部を超えると、EPDM中でのナイロン短繊維の分散が悪くなってゴム物性が低下するので、ナイロン短繊維は50質量部以下の配合量に設定するのが好ましい。尚、本発明においてナイロンとは脂肪族ポリアミドのことを意味するものであり、66ナイロン、6ナイロンなどを例示することができる。
【0016】
また圧縮ゴム層3のEPDMにはカーボンブラックが配合されるが、カーボンブラックの配合量はEPDM100質量部に対して30〜60質量部の範囲に設定するのが好ましい。カーボンブラックの配合量を60質量部以下にすることによって、Vリブ5のゴム硬さを低くして、プーリに対するVリブ5の密着性を高め、被水時の伝達力を向上させることができるものである。カーボンブラックの配合量が30質量部未満であると、Vリブ5のゴム強度が低下し、耐摩耗性が低くなるので、カーボンブラックの配合量は30質量部以上に設定するの好ましい。
【0017】
さらに圧縮ゴム層3のEPDMには、石油系油類のプロセスオイルを配合することができる。プロセスオイルは可塑剤として作用し、ゴムの柔軟性を高めてゴム硬さを低くすることができ、プーリに対するVリブ5の密着性を高め、被水時の伝達力を向上させることができるものである。プロセスオイルの配合量はEPDM100質量部に対して4〜20質量部の範囲に設定するのが好ましい。伝動ベルトの被水時の伝達力を向上させるためには、プロセスオイルを4質量部以上配合することが必要であり、またプロセスオイルの配合量が4質量部未満であるとゴム練りや圧延などのゴム加工性が低下すると共にVリブ5の耐寒性が低下して低温走行時のベルト寿命が短くなるおそれがある。逆にプロセスオイルの配合量が20質量部を超えると、Vリブ5のゴム強度が低下し、耐摩耗性が低くなるので、プロセスオイルの配合量は20質量部以下に設定するのが好ましい。
【0018】
接着ゴム層2のマトリクスゴムとしては、上記のようなEPDMの他に、天然ゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、エチレン−プロピレンゴム、アルキル化クロロスルファン化ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマーなどを用いることができる。この接着ゴム層2には上記のようなナイロン短繊維を混入してあっても、してなくてもいずれでもよい。
【0019】
また接着ゴム層2に埋入される心線1としては、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの高強度・低伸度のコードを用いることができる。心線1にはゴムとの接着性を向上させる目的で接着処理を施すのが好ましい。このような接着処理としては、心線1をレゾルシン−ホルマリン−ラテックス液(RFL液)に浸漬して加熱乾燥することによって行なうことができる。
【0020】
さらに補強布4としては、綿、ポリエステン繊維、ナイロン繊維等を平織り、綾織り、朱子織りした布を用いることができるものであり、補強布4にはRFL処理を行なった後に、ゴム組成物をフィリクション・コーティングしたゴム付き帆布として使用するのが好ましい。
【0021】
次に、図1のようなVリブドベルトを製造する方法の一例を説明する。まず円筒状のドラムの外周に補強布4を巻き付け、この上に接着ゴム層2用のゴムシートを巻き付けた後、この上に心線1を螺旋状に巻き付ける。さらにこの上に圧縮ゴム層3用のゴムシートを巻き付ける。次にこれを加硫ドラムに入れて加硫を行なうことによって、筒状の加硫スリーブを得る。この後に、加硫スリーブを駆動ロールと従動ロールの間に懸架して走行回転させながら、加硫スリーブの外周の圧縮ゴム層3に切削ホイールを接触させてV溝を切削・研磨加工することによって、Vリブ5を形成する。そしてこの加硫スリーブを輪切りするように所定幅寸法で切断すると共に、内周と外周を裏返すことによって、Vリブドベルトとして仕上げることができるものである。
【0022】
【実施例】
次に、本発明を実施例によってさらに説明する。
【0023】
(実施例1)
EPDM(ヨウ素価4)に、短繊維、カーボンブラック、プロセスオイルを配合して、圧縮ゴム層3用のゴムシートを作製した。ここで、短繊維としてナイロン短繊維とアラミド短繊維を用い、ナイロン短繊維としては66ナイロン(繊維長3mm、繊維径6デニール)を、アラミド短繊維としては帝人社製コーネックス(繊維長3mm、繊維径2デニール)を用いた。またプロセスオイルとしては、パラフィン系可塑剤を用いた。そして短繊維、カーボンブラック、プロセスオイルをEPDM100質量部に対して表1の配合量で配合することによって、No1〜No18の配合からなる圧縮ゴム層3用のゴムシートを作製した。
【0024】
【表1】
Figure 2004257459
【0025】
一方、表2の配合で接着ゴム層2用のゴムシートを作製し、また心線1としてポリエステル繊維のコードを、補強布4としてゴム付き綿帆布をそれぞれ用いた。
【0026】
【表2】
Figure 2004257459
【0027】
そしてこれらの材料を用いて、上記した方法で、ベルト長さ1770mm、ベルト厚さ4.3mm、Vリブの数7、Vリブの側面の傾斜角度40°、Vリブの高さ2.0mmのVリブドベルトを作製した。
【0028】
このように作製したVリブドベルトAを図2のように、直径80mmの駆動プーリ10と直径110mmの従動プーリ11の間に懸架して、伝達力の試験を行なった。そして、従動プーリ11で340Nの張力を掛けながら、駆動プーリ10を2000rpmの回転数で回転駆動し、DRY時のトルク値と、イ矢印で示す箇所に水を60cc/minの量で注水するWET時のトルク値を測定した。ここで、DRY時は、駆動プーリ11とVリブドベルトAとが2%スリップするときの駆動プーリ11のトルク値を測定し、WET時は、ほぼ全滑りが発生するときの駆動プーリ11のトルク値を測定した。トルク値が大きい程、伝達力が大きいことを示す。
【0029】
図3(a)は、No1、No4、No5、No6、No7、No8の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについてトルク値を測定した結果を示すものであり、カーボンブラックの配合量とプロセスオイルの配合量を固定し、短繊維としてナイロン短繊維のみを用いてその配合量を変量させたものである。また図3(b)は、No1、No2、No3の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについてトルク値を測定した結果を示すものであり、カーボンブラックの配合量とプロセスオイルの配合量を固定し、短繊維としてアラミド短繊維のみを用いてその配合量を変量させたものである。
【0030】
そして図3(a)にみられるように、短繊維としてナイロン短繊維を単独で配合する場合、その配合量を増量するに従ってWET時のトルク値が上昇し、WET時の伝達力を向上できることが確認される。またナイロン短繊維の配合量を増量するに従ってDRY時とWET時のトルク値の差が小さくなり、DRY時とWET時の伝達力の差が小さくなって、ステックスリップによる異音発生を低減できることが確認される。そしてWET時の伝達力を向上させると同時にWET時の異音発生を低減するには、ナイロン短繊維の配合量を20phr以上に設定する必要のあることが、図3(a)のグラフから読むことができる。一方、短繊維としてアラミド短繊維を単独で配合する場合には、図3(b)にみられるように、DRY時も、WET時もトルク値が小さくなり、伝達力が低下するものであった。
【0031】
図4(a)は、No7、No10、No14、No16の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについてトルク値を測定した結果を示すものであり、カーボンブラックの配合量を変量させたものである。そして図4(a)にみられるように、カーボンブラックを減量することによって、WET時のトルク値が高くなり、WET時の伝達力を向上できることが確認される。
【0032】
図4(b)は、No12、No15の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについてトルク値を測定した結果を示すものであり、プロセスオイルの配合量を変量させたものである。そして図4(b)にみられるように、プロセスオイルを増量することによって、WET時のトルク値が高くなり、WET時の伝達力を向上できることが確認される。
【0033】
図5(a)は、No1〜No12の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについて、DRY時のトルク値を測定し、ナイロン短繊維とアラミド短繊維の配合量と、DRY時のトルク値との関係をグラフに示したものである。図5(a)にみられるように、アラミド短繊維の配合量の増加によってDRY時のトルク値の低下が大きく発生するが、ナイロン短繊維の配合量の増加によるDRY時のトルク値の低下はあまりみられない。従って、短繊維の配合量の増加によるDRY時のトルク値の低下はアラミド短繊維の配合が支配的であり、短繊維としてナイロン短繊維とアラミド短繊維を併用することは好ましくないことが確認される。
【0034】
図5(b)は、No1〜No12の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについて、WET時のトルク値を測定し、ナイロン短繊維とアラミド短繊維の配合量と、WET時のトルク値との関係をグラフに示したものである。図5(b)にみられるように、アラミド短繊維の配合量の増加によってWET時のトルク値は低下するが、ナイロン短繊維の配合量の増加によってWET時のトルク値は上昇している。従って、短繊維の配合量の増加によるWET時のトルク値の低下はアラミド短繊維の配合が支配的であり、短繊維としてナイロン短繊維とアラミド短繊維を併用することは好ましくないことが確認される。
【0035】
図6は、No1〜No12の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについて、DRY時のトルク値とWET時のトルク値の差を計算し、ナイロン短繊維とアラミド短繊維の配合量と、DRY−WETのトルク差との関係をグラフに示したものである。図6にみられるように、短繊維の配合量の増加によってDRY−WETのトルク差が小さくなることが確認される。
【0036】
(実施例2)
No4、No5、No6、No7、No11、No16、No18の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAを用い、自動車の直列四気筒2.0リッターエンジンで駆動される図7に示すような補機駆動機構に取り付けて、被水時の発音試験を行なった。図7において13はエンジンによって駆動される直径155mmのクランクプーリ、16は発電機に接続された直径62.5mmの発電機プーリ、14,15,17はそれぞれ直径115mm、128mm、120mmの従動プーリ、18は直径76.2mmのオートテンションプーリである。そして図7のロ矢印の箇所に200cc/minの量で注水しながら、エンジン回転がアイドリング状態から一気にアクセルを踏み込んでエンジン回転数を急上昇させるレーシングアップと、アクセルの踏み込みを戻してエンジン回転数をアイドリング状態に戻すレーシングダウンとからなるレーシング操作を10秒間隔で5回繰り返して行ない、VリブドベルトAからの発音を聴感で判定した。
【0037】
評価試験は、▲1▼新品の未走行VリブドベルトAを用い、発電機40Aの負荷をかけた場合、▲2▼図7の補助駆動機構で発電機40Aの負荷をかけながらクランクプーリ13を3000rpmで回転駆動させて72時間走行させた後の、72時間劣化VリブドベルトAを用い、発電機の負荷無しの場合、▲3▼72時間劣化VリブドベルトAを用い、発電機10A負荷の場合、▲4▼72時間劣化VリブドベルトAを用い、発電機20A負荷の場合、▲5▼72時間劣化VリブドベルトAを用い、発電機30A負荷の場合、▲6▼72時間劣化VリブドベルトAを用い、発電機40A負荷の場合についておこなった。そして表3に示すように発音の状態を「1」〜「5」で評価し、結果を表4に示す。
【0038】
【表3】
Figure 2004257459
【0039】
【表4】
Figure 2004257459
【0040】
表4にみられるように、未走行のVリブドベルトAの場合には評価はいずれも「4」以上であり、問題はない。72時間劣化のVリブドベルトAの場合には、No7及びNo16のものが発音が少ない。これはNo7及びNo16のVリブドベルトAはDRY時とWET時のトルク差が小さいことが影響していると考えることができる。
【0041】
また、No7、No11、No16、No18の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAについて、上記の発音試験で走行させる前に実施例1の方法でDRY時とWET時のトルク値を測定し、また上記の▲6▼の発音試験で走行させた後に同様にDRY時とWET時のトルク値を測定した。その結果を図8に示す。発音試験前後のトルク値を比較すると、No7及びNo16のものは、走行させることによってWET時のトルク値が上昇しており、伝達力が向上していることが確認される。
【0042】
(実施例3)
No7、No11の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAを用い、図9に示すようなプーリ機構に取り付けて耐熱耐久寿命試験を行なった。図9において20は直径120mmの駆動プーリ、21は直径120mmの従動プーリ、22は直径45mmのテンションプーリ、23は直径70mmのアイドルプーリであり、120℃の雰囲気で、テンションプーリ22で393Nの張力を掛けると共に従動プーリ21に8.8kwの荷重を作用させながら、駆動プーリ20を4900rpmの回転数で回転駆動させた。そしてVリブドベルトAのVリブ5に亀裂が発生するまでの時間を測定した。結果を表5に示す。
【0043】
【表5】
Figure 2004257459
【0044】
表5にみられるように、No7のように短繊維としてナイロン短繊維を単独で用いるほうが、No11のようにアラミド短繊維とナイロン短繊維を併用するよりも耐熱耐久寿命が長い結果が得られることが確認される。
【0045】
(実施例4)
No16、No18の配合の圧縮ゴム層3でVリブ5を形成したVリブドベルトAを作製した。そして各VリブドベルトAのVリブ5の表面の顕微鏡写真(150倍)を撮った。図10(a)にNo18の顕微鏡写真を、図10(b)にNo16の顕微鏡写真を示す。
【0046】
図10(a)(b)にみられるように、短繊維としてナイロン短繊維を単独で用いるようにしたNo16のものは、短繊維としてアラミド短繊維とナイロン短繊維を併用したNo18のものに比べて、研削後のVリブ5の表面にナイロン短繊維が扇状に広がり易くなっている。このために、No16のものはVリブ5とプーリとの間に水の膜が形成され難くなり、WET時の伝達力が高くなっていると考えられる。
【0047】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係る伝動ベルトは、ベルト構成ゴム部の少なくとも一部に短繊維が混入された伝動ベルトにおいて、上記ゴムはヨウ素価が3以上40未満のエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムであり、上記短繊維はナイロン短繊維単独であると共に、その配合量がゴム100質量部に対して20〜50質量部であることを特徴とするので、耐熱性や耐寒性に優れ、また被水時の伝達力を向上させることができると共に、被水時の異音発生を低減することができるものである。
【0048】
また請求項2の発明は、請求項1において、前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してカーボンブラックが30〜60質量部含有されているので、被水時の伝達力を向上させることができるものである。
【0049】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してプロセスオイルが4〜20質量部含有されているので、被水時の伝達力を向上させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの一例を示す一部破断斜視図である。
【図2】実施例1での伝達力測定試験の方法示す概略図である。
【図3】(a),(b)はそれぞれ実施例1の試験の結果を示すグラフである。
【図4】(a),(b)はそれぞれ実施例1の試験の結果を示すグラフである。
【図5】(a),(b)はそれぞれ実施例1の試験の結果を示すグラフである。
【図6】実施例1の試験の結果を示すグラフである。
【図7】実施例2での発音試験の方法を示す概略図である。
【図8】実施例2の試験の結果を示すグラフである。
【図9】実施例3の耐熱耐久寿命試験の方法を示す概略図である。
【図10】(a),(b)はぞれぞれ顕微鏡写真をプリントした図である。
【符号の説明】
1 心線
2 接着ゴム層
3 圧縮ゴム層
4 補強布
5 Vリブ

Claims (4)

  1. ベルト構成ゴム部の少なくとも一部に短繊維が混入された伝動ベルトにおいて、上記ゴムはヨウ素価が3以上40未満のエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムであり、上記短繊維はナイロン短繊維単独であると共に、その配合量がゴム100質量部に対して20〜50質量部であることを特徴とする伝動ベルト。
  2. 前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してカーボンブラックが30〜60質量部含有されていることを特徴とする請求項1に記載の伝動ベルト。
  3. 前記ゴム中に、ゴム100質量部に対してプロセスオイルが4〜20質量部含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の伝動ベルト。
  4. 伝動ベルトはVリブドベルトであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の伝動ベルト。
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