JP2004256498A - ピロロカルバゾール誘導体 - Google Patents

ピロロカルバゾール誘導体 Download PDF

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JP2004256498A
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Fumi Teruda
文 照田
Kazutoshi Watanabe
和俊 渡邉
Goji Hioki
剛司 日置
Hiromi Sanuki
博美 佐貫
Naoko Ando
直子 安藤
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Abstract

【課題】細胞死関連タンパク質リン酸化酵素を阻害することにより、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患を予防及び/又は治療するために有用な医薬を提供する。
【解決手段】下記一般式(I):
【化1】
Figure 2004256498

(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、XとYは同時にカルボニル基を表すか、いずれか一方がカルボニル基で残りの一方がメチレン基を表す)で表されるピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む細胞死関連蛋白質リン酸化酵素の異常昂進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、細胞死関連蛋白質リン酸化酵素(Death−associated protein kinase、DAPキナーゼ;以下、DAPKと略す)の異常昂進に起因する疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬の発明に関するものである。また、本発明は、上記の医薬の有効成分として有用な新規ピロロカルバゾール誘導体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
DAPKはKimchiらによって見出された蛋白質リン酸化酵素(非特許文献1参照)であり、アポトーシス、ガン抑制に関連するプロテインキナーゼとして知られている(非特許文献2、非特許文献3参照)。DAPKは、mRNAがラットの胎児期から幼弱期にかけては広く脳内に分布しているのに対し、成熟ラットでは海馬のみに多く分布していることから、神経系のアポトーシスに関与していることが示唆されている(非特許文献4参照)。また、DAPKをノックアウトしたマウスがグルタミン酸による神経細胞死に対して抵抗性を示すこと、DAPKをノックアウトしたマウスの海馬の細胞がセラミドによる神経細胞死に対して抵抗性を示すこと等、神経細胞死との関連も指摘されている(非特許文献5〜7参照)。以上のことからDAPKを阻害する化合物は、細胞死を阻止する作用により、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患の進行を阻止あるいは遅らせることができる可能性がある。DAPKを阻害する化合物としては、すでにWattersonらによりフェニルピリダジン誘導体が報告されている(非特許文献7参照)が、その阻害能は充分なものとはいえない。
【0003】
【非特許文献1】Genes Dev. vol.9, page15−30(1995)
【非特許文献2】Nature 390, 180−184(1997)
【非特許文献3】Nature Cell Biol.3,1−7(2001)
【非特許文献4】J. Neurosci. Res.58, 674−683(1999)
【非特許文献5】Eur.J.Neurosci.16, 557−564(2002)
【非特許文献6】J.Biol.Chem.277(3), 1957−1961(2002)
【非特許文献7】Pharmacology & Therapeutics 93, 217−224(2002)
【非特許文献8】Tetrahedron Letters 34(51), 8361−8364(1993)
【非特許文献9】Bioorg. Med.Chem.Lett. 5(1), 55−60(1995)
【非特許文献10】J.Am.Chem.Soc.118(12), 2825−2842(1996)
【特許文献1】特開平2−142791号公報
【特許文献2】特開平8−59666号公報
【特許文献3】特開平4−178387号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、細胞死を伴う疾患の予防及び/又は治療に有用な医薬を提供することにある。より詳細には、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患においてDAPK活性を阻害することにより細胞死を阻止することにより、これらの疾患に対して根本的な予防及び/又は治療を可能にする医薬を提供することにある。また、本発明の別の課題は、上記の特徴を有する医薬の有効成分として有用な新規化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決すべく、DAPKのリン酸化能に対する阻害作用を有する各種化合物をスクリーニングした。その結果、下記の一般式(I)で表される化合物が所望の作用を有しており、上記の疾患の予防及び/又は治療のための医薬の有効成分として有用であること見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
【0006】
すなわち本発明は、下記一般式(I):
【0007】
【化3】
Figure 2004256498
【0008】
(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、XとYは同時にカルボニル基を表すか、いずれか一方がカルボニル基で残りの一方がメチレン基を表す)で表されるピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含むDAPKの異常昂進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬を提供するものである。
【0009】
上記発明の好ましい態様によれば、細胞死を伴う疾患に対する医薬、また、該細胞死を伴う疾患が脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病またはハンチントン舞踏病である医薬が提供される。また、有効成分である上記の物質と1又は2以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態の医薬が好ましい態様として提供される。さらに、上記式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含むDAPK阻害剤が本発明により提供される。
【0010】
別の観点からは、本発明により、DAPKの異常昂進に起因する疾患の予防及び/又は治療方法であって、上記式(I)で表わされるピロロカルバゾール誘導体及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量を患者に投与する工程を含む方法;及び、上記医薬の製造のための上記式(I)で表わされるピロロカルバゾール誘導体及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の使用が提供される。
【0011】
さらに別の観点からは、本発明により、上記式(I)(式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、XとYは同時にカルボニル基を表すか、いずれか一方がカルボニル基で残りの一方がメチレン基を表す。ただし、XとYが同時にカルボニル基であって、Rがエトキシ基であり、Rがベンジルオキシ基であり、かつRが水素原子である場合を除く)で表されるピロロカルバゾール誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物が提供される。また、これらの新規物質を含む医薬が本発明により提供される。
【0012】
なお、上記一般式(I)の類似化合物として、XとYがカルボニル基であり、Rが置換基を有していてもよいフェニル基(特許文献1参照)及びRがヘテロアリール基(特許文献2参照)である化合物が知られており、これらの化合物がプロテインキナーゼCを阻害することは公知である。また、上記一般式(I)においてXとYがカルボニル基である場合においてイミド部分がアルキル化された化合物、及びRがエトキシ基であり、Rがベンジルオキシ基であり、かつRが水素原子である化合物(特許文献3)が知られている。しかしながら、これらの化合物がDAPKに対して阻害活性を有するかどうかは従来全く知られていない。
【0013】
【発明の実施の形態】
上記一般式(I)において、XとYは同時にカルボニル基でも、一方がカルボニル基でもう一方がメチレン基であってもよい。R〜Rは同一でも異なっていてもよく、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表す。Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表す。本明細書において、ハロゲン原子という場合にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子のいずれでもよい。本明細書において、アルキル基又はアルキル部分を含む置換基(例えばアルコキシ基)におけるアルキル部分は直鎖状、分枝鎖状、環状、又はそれらの組み合わせのいずれでもよく、アルキル基又はアルキル部分について低級という場合には、例えば炭素数1ないし6個、好ましくは炭素数1ないし5個、より好ましくは炭素数1ないし4個程度であることを意味する。
【0014】
例えば、低級アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などを挙げることができ、低級アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基などを挙げることができる。本明細書においてある官能基について「置換基を有していてもよい」と言う場合には、その置換基の個数又は種類は特に限定されない。
【0015】
アルキル基又はアルコキシ基が置換基を有する場合には、置換基として、例えば、ハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert− ブトキシ基、ペンチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基等のC〜Cのアルコキシ基;メチレンジオキシ基;ヒドロキシ基;アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、バレリルオキシ基等のC〜Cのアルキルカルボニルオキシ基;カルボキシル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、tert− ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基等のC〜Cのアルコキシカルボニル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基等のC〜Cのアルキルカルボニル基;アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基等のC〜Cのモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のC〜C10のジアルキルアミノ基;ピロリジル基;ピペリジル基;モルホリル基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、イソプロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、バレリルアミノ基等のC〜Cのアルキルカルボニルアミノ基;メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等のC〜Cアルキルスルホニルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基等のアリールスルホニルアミノ基;カルバモイル基;メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、tert−ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等のC〜Cのアルキルカルバモイル基;ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジプロピルカルバモイル基、ジイソプロピルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ジペンチルカルバモイル基等のC〜Cのジアルキルカルバモイル基;ニトロ基;ニトリル基;フェニル基、ナフチル基などのC〜C14のアリール基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基などのC〜C14のアリールオキシ基;ベンゾイルオキシ基、ナフトイルオキシ基などのC〜C14のアリールカルボニルオキシ基;フェニルチオ基;フェニルスルホニル基;ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基などのC〜C14のアラルキルオキシ基などを挙げることができる(これらの置換基を置換基群Aと呼ぶ)。
【0016】
上記置換基群Aのうち、アリール基はさらにメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert− ブチル基、シクロブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert− ペンチル基、シクロペンチル基などのC〜Cの低級アルキル基、トリフルオロメチル基、又は上記置換基群Aから選ばれる1以上の置換基で置換されていてもよい。置換基を有するアルキル基又は置換基を有するアルコキシ基には、これらの置換基群Aから選ばれる1又は2以上の置換基を有していることが好ましく、2以上の置換基を有する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。Rで定義されるアルキル基は、上記置換基群Aのほか、1又は2以上のアミジノチオ基で置換されていてもよい。
【0017】
アミノ基が置換基を有する場合の例としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、tert− ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、イソペンチルアミノ基等のC〜Cのモノアルキルアミノ基;ジメチルアミノ基、エチルメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基等のC〜C10のジアルキルアミノ基;アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、イソプロピオニルアミノ基、ブチリルアミノ基、バレリルアミノ基等のC2〜C6のアルキルカルボニルアミノ基;メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等のC1〜C6アルキルスルホニルアミノ基;ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基等のアリールスルホニルアミノ基などを挙げることができる。
【0018】
本発明の医薬の有効成分としては、上記一般式(I)で表される化合物のほか、生理学的に許容されるその塩を用いてもよい。塩の具体例としては、酸性基が存在する場合には、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属塩;アンモニア、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)ピペラジン、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、L−グルカミン等のアミンの塩;又はリジン、δ− ヒドロキシリジン、アルギニンなどの塩基性アミノ酸との塩を形成することができる。塩基性基が存在する場合には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸の塩;メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸塩、酒石酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、シュウ酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、マンデル酸、ケイ皮酸、乳酸、グリコール酸、グルクロン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、サリチル酸等の有機酸との塩;又はアスパラギン酸、グルタミン酸などの酸性アミノ酸との塩を形成することができる。
【0019】
また、本発明の医薬の有効成分としては、上記一般式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体又は生理学的に許容されるその塩の溶媒和物又は水和物を用いてもよい。さらに、上記一般式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体は1個又は2個以上の不斉炭素を有する場合があるが、不斉炭素の立体化学についてはそれぞれ独立して(R)体又は(S)体のいずれかをとることができ、該ピロロカルバゾール誘導体は光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体として存在することがある。本発明の医薬の有効成分としては、純粋な形態の任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などを用いることが可能である。
【0020】
本発明の医薬の有効成分として好適な化合物の例を以下の表に示す。表中、化合物1〜70は、XとYが両方ともカルボニル基であり、かつR〜Rがすべて水素原子である場合;化合物71〜140は、XとYが両方ともカルボニル基であり、R及びR〜Rが水素原子であり、かつRがメチル基である場合;化合物141〜210はXとYが両方ともカルボニル基であり、R〜R、R及びRが水素原子であり、かつRが塩素原子である場合;化合物211〜280は、XとYが両方ともカルボニル基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、Rがメチル基であり、かつRが塩素原子である場合;化合物281〜350はXとYが両方ともカルボニル基であり、R〜R、R及びRが水素原子であり、かつRがメチル基である場合;化合物351〜420は、XとYが両方ともカルボニル基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、かつR及びRがメチル基である場合;化合物421〜490は、Xがカルボニル基であり、Yがメチレン基であり、かつR〜Rがすべて水素原子である場合;化合物491〜560は、Xがメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、かつR〜Rがすべて水素原子である場合;化合物561〜630は、Xがカルボニル基であり、Yがメチレン基であり、R〜R、R及びRが水素原子であり、かつRがメチル基である場合;化合物631から700は、Xがメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、R〜R、R及びRが水素原子であり、Rがメチル基である場合;化合物701〜770は、Xがカルボニル基であり、Yがメチレン基であり、R及びR〜Rが水素原子であり、かつRがメチル基である場合;化合物771〜840は、Xがメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、R及びR〜Rが水素原子であり、かつRがメチル基である場合;化合物841〜910は、Xがカルボニル基であり、Yがメチレン基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、かつR及びRがメチル基である場合;化合物911〜980は、Xがメチレン基であり、Yがカルボニル基であり、R、R、R及びRが水素原子であり、かつR及びRがメチル基である場合に相当する。また、表中で、Meはメチル基、Etはエチル基、Acはアセチル基を表す。
【0021】
【表1】
Figure 2004256498
【0022】
【表2】
Figure 2004256498
【0023】
【表3】
Figure 2004256498
【0024】
【表4】
Figure 2004256498
【0025】
【表5】
Figure 2004256498
【0026】
【表6】
Figure 2004256498
【0027】
【表7】
Figure 2004256498
【0028】
【表8】
Figure 2004256498
【0029】
【表9】
Figure 2004256498
【0030】
【表10】
Figure 2004256498
【0031】
【表11】
Figure 2004256498
【0032】
【表12】
Figure 2004256498
【0033】
【表13】
Figure 2004256498
【0034】
【表14】
Figure 2004256498
【0035】
【表15】
Figure 2004256498
【0036】
【表16】
Figure 2004256498
【0037】
【表17】
Figure 2004256498
【0038】
【表18】
Figure 2004256498
【0039】
【表19】
Figure 2004256498
【0040】
【表20】
Figure 2004256498
【0041】
【表21】
Figure 2004256498
【0042】
【表22】
Figure 2004256498
【0043】
【表23】
Figure 2004256498
【0044】
【表24】
Figure 2004256498
【0045】
【表25】
Figure 2004256498
【0046】
【表26】
Figure 2004256498
【0047】
【表27】
Figure 2004256498
【0048】
【表28】
Figure 2004256498
【0049】
【表29】
Figure 2004256498
【0050】
【表30】
Figure 2004256498
【0051】
【表31】
Figure 2004256498
【0052】
【表32】
Figure 2004256498
【0053】
【表33】
Figure 2004256498
【0054】
【表34】
Figure 2004256498
【0055】
【表35】
Figure 2004256498
【0056】
【表36】
Figure 2004256498
【0057】
【表37】
Figure 2004256498
【0058】
【表38】
Figure 2004256498
【0059】
【表39】
Figure 2004256498
【0060】
【表40】
Figure 2004256498
【0061】
【表41】
Figure 2004256498
【0062】
【表42】
Figure 2004256498
【0063】
【表43】
Figure 2004256498
【0064】
【表44】
Figure 2004256498
【0065】
【表45】
Figure 2004256498
【0066】
【表46】
Figure 2004256498
【0067】
【表47】
Figure 2004256498
【0068】
【表48】
Figure 2004256498
【0069】
【表49】
Figure 2004256498
【0070】
【表50】
Figure 2004256498
【0071】
【表51】
Figure 2004256498
【0072】
【表52】
Figure 2004256498
【0073】
【表53】
Figure 2004256498
【0074】
【表54】
Figure 2004256498
【0075】
【表55】
Figure 2004256498
【0076】
【表56】
Figure 2004256498
【0077】
本発明の医薬の有効成分に特に好適な化合物として、
(1)XとYが同時にカルボニル基であり、Rが水素原子であり、R〜Rがそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基である化合物;
(2)XとYが同時にカルボニル基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが置換基を有するアルキル基である化合物;
(3)XとYが同時にカルボニル基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが置換基を有するプロピル基又は置換基を有するブチル基である化合物;
(4)XとYが同時にカルボニル基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又はメチル基であり、Rが水素原子、塩素原子、又はメチル基であり、Rが置換基を有するプロピル基又は置換基を有するブチル基である化合物;
(5)XとYのいずれか一方がカルボニル基でもう一方がメチレン基であり、Rが水素原子であり、R〜Rがそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基である化合物;
(6)XとYのいずれか一方がカルボニル基でありもう一方がメチレン基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが置換基を有するアルキル基である化合物;
(7)XとYのいずれか一方がカルボニル基でもう一方がメチレン基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが水素原子、ハロゲン原子、又は置換基を有していてもよい低級アルキル基であり、Rが置換基を有するプロピル基又は置換基を有するブチル基である化合物;
(8)XとYのいずれか一方がカルボニル基でもう一方がメチレン基であり、R、R、R、及びRが水素原子であり、Rが水素原子又はメチル基であり、Rが水素原子、塩素原子、又はメチル基であり、Rが置換基を有するプロピル基又は置換基を有するブチル基である化合物;
(9)上記(1)〜(8)に記載の化合物のうち、Rの置換基が、ヒドロキシル基、アミノ基、置換基を有するアミノ基及びアミジノチオ基から選ばれる置換基である化合物
を挙げることができる。もっとも、本発明の医薬の有効成分は上記に具体的に示した化合物に限定されることはない。
【0078】
上記一般式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体のうち、XとYが両方カルボニル基である化合物(I−a):
【0079】
【化4】
Figure 2004256498
(R〜Rは、上記定義のとおりである)
は、例えば、下記に説明する方法に従って製造することができる。
<工程1>
【0080】
【化5】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0081】
特許文献3に記載の方法と同様の方法で得られる一般式(II)で表される化合物を溶媒存在下又は不存在下、アセチレンジカルボン酸ジメチルエステルを作用させることによって上記一般式(III)の化合物を得ることができる。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類、メタノール、エタノールなどのアルコール溶媒などを挙げることができ、これら溶媒を1種又は2種以上混合してもよい。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、通常、50℃〜200℃で、30分から24時間実施すればよい。
<工程2>
【0082】
【化6】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0083】
工程1で得られた化合物(III)を酸化(脱水素反応)することによって上記一般式(IV)の化合物を得ることができる。この酸化反応は5%又は10%のPdCl /C、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン又は2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノンなどの脱水素化剤を用いて行うことができる。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、5%又は10%のPdCl /Cを用いる場合は、シメン、デカリン、クメン、ブチルベンゼン又はジフェニルエーテルなどの溶媒を一種又は二種以上混合して使用し、通常、150℃〜260℃で10分〜24時間実施することができる。また、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン又は2,3,5,6−テトラクロロ−p−ベンゾキノンを用いる場合には、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン、クロロベンゼン、tert−ブチルベンゼン及びジクロロベンゼンなどの芳香族炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、酢酸などの有機酸又はtert−ブチルアルコールなどのアルコール類などの溶媒を一種又は二種以上混合して使用し、通常0℃〜180℃で10分〜24時間実施すればよい。
<工程3>
【0084】
【化7】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0085】
工程2で得られた化合物(IV)を溶媒存在下、塩基と上記一般式(V)で表されるアルキル化剤を作用させることによって上記一般式(VI)の化合物を得ることができる。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などを挙げることができ、これら溶媒を1種又は2種以上混合してもよい。塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ピリジン、2,6−ルチジン、2,4,6−コリジン、1,8−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデセンなどの有機塩基、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシドなどの金属アルコキシド、水素化ナトリウム、水素化カリウムなどの無機塩基を挙げることができる。一般式(V)で表されるアルキル化剤としては、アルキルハライド、アルキルメシレート、アルキルトシレート、アルキルトリフレートなどを挙げることができる。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、通常、0℃〜150℃で、30分から24時間実施すればよい。
<工程4>
【0086】
【化8】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0087】
工程3で得られた化合物(VI)を溶媒存在下、アルカリ加水分解又は酸加水分解することによって上記一般式(VII)の化合物を得ることができる。溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類などを挙げることができ、これら溶媒を1種又は2種以上混合してもよい。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを挙げることができ、この反応で使用される酸としては、塩酸、臭素酸、硫酸、リン酸などを挙げることができる。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、通常、0℃〜150℃で、30分から72時間実施すればよい。
<工程5>
【0088】
【化9】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0089】
工程4で得られた化合物(VII)を無水酢酸中で加熱することにより、上記一般式(VIII)の化合物を得ることができる。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、通常、50℃〜110℃で、30分から24時間実施すればよい。
<工程6>
【0090】
【化10】
Figure 2004256498
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである。)
【0091】
工程5で得られた化合物(VIII)を溶媒存在下、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザンとメタノールを作用させるか、又は溶媒存在下、アンモニア、酢酸アンモニウムなどを作用させることによって、上記一般式(I−a)の化合物を得ることができる。溶媒は、反応に悪影響を及ぼさない限り特に限定されないが、例えば工程1で説明したものと同様の溶媒を用いることができる。反応温度及び反応時間は特に限定されないが、通常、0℃〜150℃で、30分から24時間実施すればよい。
【0092】
上記の式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体のうち、XとYのいずれか一方がカルボニル基でもう一方がメチレン基である化合物(I−b)、(I−b’)は、例えば、下記に説明する方法に従って製造することができる。
<工程7>
【0093】
【化11】
Figure 2004256498
【0094】
(スキーム中、R〜Rは上記定義のとおりである)
製造法6で得られた化合物(I−a)を文献記載のイミド化合物の還元方法(例えば、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10参照)で還元することによって、上記一般式(I−b)、(I−b’)を得ることができる。これら(I−b)、(I−b’)で表される化合物が混合物として得られた場合は、たとえば、再結晶やクロマトグラフィー等の方法で分離することができる。
【0095】
本発明の医薬はDAPKに対する阻害活性を有しており、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患において、細胞死を阻止する作用を有している。従って、本発明の医薬は、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患に対して根本的な予防及び/又は治療を可能にする医薬として有用である。
【0096】
本発明の医薬の有効成分としては、上記一般式(I)で表される化合物及び生理学的に許容されるその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を用いることができる。本発明の医薬としては、有効成分である上記の物質自体を投与してもよいが、一般的には、有効成分である上記の物質と1又は2以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物の形態で投与することが望ましい。本発明の医薬の有効成分としては、上記の物質の2種以上を組み合わせて用いることができ、上記医薬組成物には、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患に対する他の医薬の有効成分を配合することも可能である。
【0097】
医薬組成物の種類は特に限定されず、経口投与用又は非経口投与用の任意の製剤形態と提供される。例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤又は液剤等の形態の経口投与用医薬組成物、静脈内投与用、筋肉内投与用、若しくは皮下投与用などの注射剤、点滴剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤、点鼻剤、吸入剤、坐剤などの形態の非経口投与用医薬組成物として調製することができる。注射剤や点滴剤などは、凍結乾燥形態などの粉末状の剤形として調製し、用時に生理食塩水などの適宜の水性媒体に溶解して用いることもできる。また、高分子などで被覆した徐放製剤を脳内に直接投与することも可能である。
【0098】
医薬組成物の製造に用いられる製剤用添加物の種類、有効成分に対する製剤用添加物の割合、又は医薬組成物の製造方法は、組成物の形態に応じて当業者が適宜選択することが可能である。製剤用添加物としては無機又は有機物質、あるいは固体又は液体の物質を用いることができ、一般的には、有効成分重量に対して1重量%から90重量%の間で配合することができる。
【0099】
固体の医薬組成物を製造する際に用いられる賦形剤としては、例えば、乳糖、蔗糖、デンプン、タルク、セルロース、デキストリン、カオリン、炭酸カルシウム等を挙げることができる。経口投与のための液体組成物の製造には、一般的に用いられる不活性な希釈剤、例えば水又は植物油等を用いることができる。この液体組成物には、不活性な希釈剤以外に、補助剤、例えば湿潤剤、懸濁補助剤、甘味剤、芳香剤、着色剤又は保存剤等などを配合してもよい。液体組成物をゼラチンのような吸収されうる物質のカプセル中に含ませてもよい。非経口投与用の組成物、すなわち注射剤、座剤等の製造に用いられる溶剤又は懸濁剤としては、例えば水、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ベンジルアルコール、オレイン酸エチル、レシチン等を挙げることができる。座剤に用いられる基剤としては、例えばカカオ脂、乳化カカオ脂、ラウリン脂、ウィテップゾール等を挙げることができる。
【0100】
本発明の医薬の投与量及び投与回数は特に限定されず、予防及び/又は治療の目的、疾患の種類、患者の体重や年齢、疾患の重篤度などの条件に応じて、適宜選択することが可能である。一般的には、経口投与における成人一日あたりの投与量は0.01〜1000mg(有効成分重量)程度であり、一日1回又は数回に分けて、あるいは数日ごとに投与することができる。注射剤として用いる場合には、成人に対して一日量0.001〜100mg(有効成分重量)を連続投与又は間欠投与することが望ましい。
【0101】
なお、上記式(I)(式中、XとYがカルボニル基であり、R〜Rは上記定義のとおりであり、ただし、Rがエトキシ基であり、Rがベンジルオキシ基であり、かつRが水素原子である場合を除く)で表されるピロロカルバゾール誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物は新規物質であり、物質発明に係る本発明の範囲に包含される。本発明により提供されるこの新規物質の用途は、医薬に限定されることはなく、いかなる用途に用いた場合にも本発明の範囲に包含されることは言うまでもない。また、上記に説明したように、この化合物は光学異性体又はジアステレオ異性体などの立体異性体として存在することがあるが、純粋な形態の任意の立体異性体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれも本発明の範囲に包含される。塩の形態の物質の例としては、上記に説明した生理学的に許容される塩を挙げることができる。
【0102】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
【0103】
参考例1:ジメチル1,2−ジヒドロカルバゾール−3,4−ジカルボキシレートの製造
特許文献3等と同様の方法で得られる2−アリルインドール2.28gを100mlのトルエンに溶解し、2.5gのアセチレンジカルボン酸ジメチルエステルを加え、24時間加熱還流した。反応液を0℃まで冷却した後、ヘキサンを加えて濾過し、目的物2.50gを得た。
収率:55%
融点:220−222℃
NMR(CDCl ,δ):2.83−2.88(m,4H),3.79(s,3H),4.03(s,3H),7.09−7.47(m,4H),8.49(br,1H).
【0104】
参考例2:ジメチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシレートの製造
参考例1で得られたジメチル1,2−ジヒドロカルバゾール−3,4−ジカルボキシレート1.78gにブチルベンゼン10mlを加え、160℃にて溶解させ、10%PdCl /C 1.78gを加え1時間攪拌した。反応液をグラスフィルターにて濾過、THFにて洗浄後、減圧濃縮した。得られた残渣を、クロロホルム/酢酸エチル=15/1にてカラム精製し、目的物1.66gを得た。
収率94%
融点:214−216℃
NMR(CDCl ,δ):3.95(s,3H),4.16(s,3H),7.24−7.49(m,4H),7.92(d,J=8.5Hz,1H),8.17(d,J=8.7Hz,1H),8.44(br,1H).
【0105】
参考例3:ジメチル9−(3−tert−ブチルジメチルシロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシレートの製造
参考例2で得られたジメチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシレート1.55gを23mlのDMFに溶解し、室温で0.33gの水素化ナトリウムを加え、50℃にて3−tert−ブチルジメチルシロキシ−1−ブロモプロパンを加え、2時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水にて洗浄し、芒硝乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣を、ヘキサン/酢酸エチル=4/1にてカラム精製し、目的物1.49gを得た。
収率59%
NMR(CDCl ,δ):0.73(s,6H),0.97(s,9H),2.03(m,2H),3.58(t,J=5.5Hz,2H),3.85(s,3H),4.16(s,3H),4.86(t,J=6.7Hz,2H),7.24(d,J=8.1Hz,1H),7.50−7.56(m,3H),7.93(d,J=8.1Hz,1H),8.14(d,J=8.7Hz,1H).
【0106】
参考例4:9−(3−ヒドロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボン酸の製造
参考例3で得られたジメチル9−(3−tert−ブチルジメチルシロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシレート1.13gを30mlのエタノールに溶解し、10N−水酸化カリウム水溶液2.48mlを加え、10時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮した。得られた残渣にメタノールを加え、2N−塩酸水で中和後、濾過し、目的物0.63gを得た。
収率:82%
融点:181―183℃
NMR(DMSO−d ,δ):1.92(m,2H),3.40(t,J=4.0Hz,2H),4.52(t,J=6.8Hz,2H),4.69(br,1H),7.27(t,J=7.6Hz,1H),7.55(t,J=7.6Hz,1H),7.70−8.07(m,4H).
【0107】
参考例5:9−(3−アセトキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボン酸無水物の製造
参考例4で得られた9−(3−ヒドロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボン酸0.53gを無水酢酸2.5mlに溶解し、110℃にて攪拌した。反応液を室温まで冷却した後、減圧濃縮し、残渣として目的物を得た。
実施例1:9−(3−アセトキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−1の化合物番号9)の製造
参考例5で残渣として得られた9−(3−アセトキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボン酸無水物を10mlのDMFに溶解し、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン0.81gと、メタノール0.08gを加え、室温にて10時間攪拌した。反応液を水に注加し、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水にて洗浄し、芒硝乾燥した後、減圧濃縮した。得られた固体を酢酸エチルで懸洗し、目的物0.36gを得た。
収率68%
融点:248−249℃
IR(KBr,cm−1):1699,1718,1751,3067,3181.
NMR(DMSO−d ,δ):1.91 (s,3H),2.13(m,2H),3.96(t,J=6.0Hz,2H),4.63(t,J=6.8Hz,2H),7.38(dd,J=7.5Hz,1H),7.65(dd,J=8.3Hz,1H),7.77(d,J=8.3Hz,1H),7.88(d,J=8.3Hz,1H),8.03(d,J=8.3Hz,1H),8.88(d,J=7.5Hz,1H),11.20(s,1H).
【0108】
実施例2:9−(3−ヒドロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−1の化合物番号8)の製造
実施例1で得られた9−(3−アセトキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド182mgを2mlのDMFに溶解し、1N−水酸化カリウム水溶液1.63mlを加えた。反応液を水に注加し、酢酸エチルにて抽出し、水、飽和食塩水で洗浄し、芒硝乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣を、クロロホルム/酢酸エチル=1/2にてカラム精製し、目的物96mgを得た。
収率:60%
融点:226−227℃
IR(KBr,cm−1):3472,3173,2959,1750,1717.
NMR(DMSO−d ,δ):1.96(m,2H),3.43(m,2H),4.58(t,J=6.9Hz,2H),4.70(t,J=5.1Hz,1H),7.38(m,1H),7.66(m,1H)7.78(d,J=8.4Hz,1H),7.88(d,J=8.1Hz,1H),8.01(d,J=8.4HZ,1H),8.89(d,J=7.8Hz,1H),11.17(s,1H).
【0109】
参考例1〜5、実施例1及び実施例2と同様の方法により、以下実施例3から実施例20の化合物を製造した。以下、その物性値を記す。なお、化合物番号は前記の表中の化合物番号に対応させてある。
【0110】
実施例3:カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−1の化合物番号1)の製造
融点:300℃以上
NMR(DMSO−d ,δ):7.33(t,J=8.1Hz,1H),7.52−7.64(m,2H),7.80(d,J=8.1Hz,1H),7.86(d,J=8.1Hz,1H),8.83(d,J=8.1Hz,1H),11.12(s,1H),12.08(s,1H).
【0111】
実施例4:9−(3−ヒドロキシプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−2の化合物番号78)の製造
融点:252−254℃
IR(KBr,cm−1):3439,3154,1746,1701.
NMR(DMSO−d ,δ):1.94(m,2H),2.77(s,3H),3.41(m,2H),4.51(t,J=7.8Hz,2H),4,68(br,1H),7.33(m,1H),7.59(m,1H),7.71(d,J=8.1Hz,1H),7.78(s,1H),8.85(d,J=7.5Hz,1H),11.06(s,1H).
【0112】
実施例5:9−(3−アセトキシプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−2の化合物番号79)の製造
融点:232−234℃
IR(KBr,cm−1):3196,1750,1715,1693.
NMR(DMSO−d ,δ):1.91(m,2H),2.13(s,3H),2.77(s,3H),3.95(t,J=6.0Hz,2H),4.57(t,J=6.9Hz,2H),7.34(m,1H),7.60(m,1H),7.79(d,J=8.1Hz,1H),8.86(d,J=7.8Hz,1H),11.06(dulls,1H).
【0113】
実施例6:9−(3−アミノプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド 塩酸塩(表−2の化合物番号83の塩酸塩)の製造
融点:300℃以上
IR(KBr,cm−1):3137,2920,1750,1698,1520.
NMR(DMSO−d ,δ):2.08(m,2H),2.79(s,3H),4.58(m,2H),7.36(m,1H),7.62(m,1H),7.65−7.88(m,3H),7.89(s,1H),8.87(d,J=7.5Hz,1H),11.11(s,1H).
【0114】
実施例7:9−(3−ジメチルアミノプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−2の化合物番号85)の製造
融点:188−189℃
IR(KBr,cm−1):1746,1713.
NMR(DMSO−d ,δ):1.92(m,2H),2.13(s,6H),2.17(t,J=6.9Hz,2H),2.77(s,3H),4.48(t,J=6.9Hz,2H),7.33(m,1H),7.59(m,1H),7.79(d,J=8.4Hz,1H),7.79(s,1H),8.85(d,J=7.8Hz,1H),11.06(s,1H).
【0115】
実施例8:9−(3−アミジノチオプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド メタンスルホン酸塩(表−2の化合物番号102)の製造
融点:200−201℃
NMR(DMSO−d ,δ):2.14(m,2H),2.31(s,3H),2.79(s,3H),3.20(t,J=6.9Hz,2H),4.55(t,J=6.9Hz,2H),7.36(m,1H),7.61(m,1H),7.74(d,J=8.4Hz,1H),7.80(s,1H),8.86(d,J=7.8Hz,1H)9.01(dulls,2H).
【0116】
実施例9:9−(4−ヒドロキシブチル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−2の化合物番号108)の製造
融点:186−188℃
NMR(DMSO−d ,δ):1.45(m,2H),1.82(m,2H),2.78(s,3H),3.39(m,2H),4.41(t,J=5.4Hz,2H),4.49(t,J=7.2Hz,1H),7.33(m,1H),7.59(m,1H),7.12(d,J=8.1Hz,1H),7.81(s,1H),7.86(d,J=7.8Hz,1H),11.06(s,1H).
【0117】
実施例10:9−(4−アセトキシブチル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−2化合物番号109)の製造
融点:204―206℃
IR(KBr,cm−1):3229,2930,1759,1711.
NMR(DMSO−d ,δ):1.62(m,2H),1.83(m,2H),1.96(s,3H),2.78(s,3H),4.01(t,J=6.6Hz,2H)4.50(t,J=6.9Hz,2H),7.33(m,1H),7.59(m,1H),7.73(d,J=8.4Hz,1H),7.82(s,1H),8.86(d,J=7.5Hz,1H),11.06(s,1H).
【0118】
実施例11:9−(4−アミノブチル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド 塩酸塩(表−2の化合物番号113の塩酸塩)の製造
融点:183−185℃
IR(KBr,cm−1):3420,2975,1750,1715.
NMR(DMSO−d,δ):1.56(m,2H),1.85(m,2H),2.79(m,5H),4.53(t.J=6.9Hz,2H),7.34(m,1H),7.61(m,1H),7.70(dulls,2H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),7.84(s,1H),8.87(d,J=7.8Hz,1H),11.10(s,1H).
【0119】
実施例12:9−(4−アミジノチオブチル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド メタンスルホン酸塩(表−2の化合物番号132のメタンスルホン酸塩)の製造
融点:248−250℃
NMR(DMSO−d ,δ):1.67(m,2H),1.89(m,2H),2.30(s,3H),2.78(s,3H),3.17(t,J=7.2Hz,2H),4.52(t,J=6.9Hz,2H),7.34(m,1H),7.60(m,1H),7.74(d,J=8.1Hz,1H),7.83(s,1H),8.87(d,J=7.8Hz,1H),8.91(dulls,2H),11.06(s,1H)
【0120】
実施例13:6−クロロ−9−(3−ヒドロキシプロピル)−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表―4の化合物番号218)の製造
融点:300℃以上
IR(KBr,cm−1):3559,3179,3057,1752,1698.
NMR(DMSO−d ,δ):1.94(m,2H),2.77(s,3H),3.41(m,2H),4.50(t,J=6.9Hz,2H),4.70)t,J=4.8Hz,1H),7.37(dd,J=8.4,1.8Hz,1H),7.81(s,1H),7.85(d,J=1.8Hz,1H),8.80(d,J=8.4Hz,1H),11.14(s,1H).
【0121】
実施例14:9−(3−アセトキシプロピル)−6−クロロ−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−4の化合物番号219)の製造
融点:231−233℃
IR(KBr,cm−1):3241,1752,1736,1705.
NMR(DMSO−d ,δ):1.92(s,3H),2.10(m,2H),2.76(s,3H),3.92(t,J=6.3Hz,2H),4.54(t,J=6.6Hz,2H),7.36(d,J=8.4Hz,1H),7.78(s,1H),7.84(s,1H),8.78(d.J=8.4Hz,1H),11.11(s,1H).
【0122】
実施例15:9−(3−アミノプロピル)−6−クロロ−2−メチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド 塩酸塩(表−4の化合物番号223の塩酸塩)の製造
融点:274℃ (分解)
IR(KBr,cm−1):3422,3100,2922,1752,1717,1500.
NMR(DMSO−d ,δ):2.07(m,2H),2.77(s,3H),2.89(m,2H),4.57(m,2H),7.37(d,J=8.7Hz,1H),7.93(s,1H),7.97(dulls,3H),8.79(d,J=8.7Hz,1H),11.14(s,1H).
【0123】
実施例16:2,6−ジメチル−9−(3−ヒドロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−6の化合物番号358)の製造
融点:236−238℃
NMR(DMSO−d ,δ):1.92(m,2H),2.76(s,3H),3.40(m,2H),4.47(t,J=6.9Hz,2H),4.66(t,J=4.8Hz,1H),7.42(d,J=8.1Hz,1H),7.59(d,J=8.1Hz,1H),7.74(s,1H),8.66(s,1H),11.04(s,1H).
【0124】
実施例17:9−(3−アセトキシプロピル)−2,6−ジメチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド(表−6の化合物番号359)の製造
融点:228−230℃
IR(KBr,cm−1):3239,2969,1750,1732,1690.
NMR(DMSO−d ,δ):1.92(s,3H),2.10(m,2H),2.75(s,3H),3.93(t,J=6.3Hz,2H),4.62(t,J=6.3Hz,2H),7.42(d,J=8,4Hz,1H),7.58(d,J=8.4Hz,1H),7.73(s,1H),8.65(s,1H),11.04(s,1H).
【0125】
実施例18:9−(3−アミノプロピル)−2,6−ジメチルカルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド 塩酸塩(表−6の化合物番号363の塩酸塩)の製造
融点:290℃
IR(KBr,cm−1):3507,3401,3260,2926,1765,1697,1526.
NMR(DMSO−d ,δ):2.08(m,2H),2.77(s,3H),2.82(m,2H),4.55(t,J=6.9Hz,2H),7.45(d,J=8.4Hz,1H),7.68(d,J=8.4Hz,1H),7,86(dulls,3H),8.67(s,1H),11.08(s,1H).
【0126】
実施例19:N−[3−(1,3−ジオキソ−2,3−ジヒドロピロロ[3,4−c]カルバゾール−6(1H)−イル−)プロピル]メタンスルホンアミド(表−1の化合物番号18)の製造
融点:211−216℃(分解)
NMR(DMSO−d ,δ):2.01(m,2H),2.89(s,3H),3.06(m,2H),4.58(t,J=7.1Hz,2H),7.19(t,J=7.0Hz,1H),7.38(dd,J=7.5Hz,1H),7.66(dd,J=7.7Hz,1H),7.81(d,J=8.4Hz,1H),7.88(d,J=8.4Hz,1H),8.07(d,J=8.4Hz,1H),8.88(d,J=8.1Hz,1H),11.20(s,1H).
【0127】
実施例20:N−[3−(4−メチル−1,3−ジオキソ−2、3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]カルバゾール−6−イル−プロピル]−アセトアミド(表−6の化合物番号367)の製造
NMR(DMSO−d,δ):1.81(s,3H),1.92(t,J=6.9Hz,2h),2.77(s,3H),3.07(t,J=6.3Hz,2H),4.48(t,J=7.2Hz,2H),7.33(t,J=7.5Hz,1H),7.60(t,J=7.5Hz,1H),7.68−7.95(m,3H),8.85(d,J=7.8Hz,1H),11.07(s,1H).
【0128】
実施例21:6−(3−ヒドロキシプロピル)−3,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]カルバゾール−1(2H)−オン(表−7化合物番号428)の製造
実施例2で得られた9−(3−ヒドロキシプロピル)カルバゾール−3,4−ジカルボキシイミド700mgを120mlのテトラヒドロフランに溶解し、90mgの水素化リチウムアルミニウムを加えて室温で15時間攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルにて抽出し、飽和食塩水で洗浄し、芒硝乾燥した後、減圧濃縮した。得られた残渣を、塩化メチレン/メタノール=50/1にてカラム精製し、3−ヒドロキシ−6−(3−ヒドロキシプロピル)−3,6−ジヒドロピロロ[3,4−c]カルバゾール−1(2H)−オン140mgを得た。これをエタノール20mlに溶解し、10%パラジウム炭素59mgを加え、水素雰囲気中72時間攪拌した。反応終了後、触媒をろ過して除き、ろ液を濃縮して得られた残渣を塩化メチレン/メタノール=50/1にてカラム精製し、目的物36mgを得た。
収率:27%
融点:191−194℃(分解)
NMR(DMSO−d ,δ):1.95(m,2H),3.39(m,2H),4.52(m,4H),4.67(t,J=4.7Hz,1H),7.23(t,J=7.5Hz,1H),7.50(t,J=7.5Hz,1H)7.60(d,J=8.4Hz,1H),7.65(d,J=8.3Hz,1H),7.88(d,J=8.3HZ,1H),8.63(s,1H),9.12(d,J=7.8Hz,1H).
【0129】
実施例21と同様の方法により、実施例22から実施例24の化合物を製造した。以下、その物性値を記す。
【0130】
実施例22:6−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチル−3,6−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]カルバゾール−1−オン(表−11の化合物番号708)の製造
LC−MS:m/z 295(M+1
NMR(DMSO−d,δ):1.93(t,J=6.5Hz,2H),2.50(s,3H),3.35−3.45(m,2H),4.44(s,2H),4.49(t,J=6.7Hz,2H),4.64(t,J=4.7Hz,1H),7.19(t,J=7.6Hz,1H),7.43−7.48(m,1H),7.61(d,J=8.0Hz,1H),7.68(s,1H),8.60(s,1H),9.06(d,J=7.5Hz,1H).
【0131】
実施例23:6−(3−ヒドロキシプロピル)−4−メチル−1,2−ジヒドロ−6H−ピロロ[3,4−c]カルバゾール−3−オン(表−12の化合物番号778)の製造
LC−MS:m/z 295(M+1
NMR(DMSO−d,δ):1.93(t,J=6.3Hz,2H),2.78(s,3H),3.38−3.45(m,2H),4.48(t,J=6.9Hz,2H),4.65(t,J=5.1Hz,1H),4.77(s,2H),7.26(t,J=7.5Hz,1H),7.43(s,1H),7.49(t,J=7.8Hz,1H),7.66(d,J=8.4Hz,1H)7.96(d,J=7.8Hz,1H),8.30(s,1H).
【0132】
実施例24:6−(3−ヒドロキシプロピル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピロロ[3,4−c]カルバゾール−1−オン(表−7の化合物番号433)の製造融点:190−200℃(分解)
NMR(DMSO−d,δ):2.09(m,2H),2.76(m,2H),3.56(m,2H),4.52(s,2H),4.59(t,J=7.1Hz,2H),7.25(t,J=7.5Hz,1H),7.53(t,J=7.5Hz,1H),7.64(d,J=8.4Hz,1H),7.73(d,J=8.1Hz,1H),7.74(s,2H),7.96(d,J=8.4Hz,1H),8.67(s,1H),9.14(d,J=7.8Hz,1H).
【0133】
試験例: DAPK阻害作用
本発明の医薬のDAPK阻害作用を、DK1タンパク質(DAPキナーゼのキナーゼ領域酵素で、DAPKのN末から280アミノ酸残基を含むタンパク質)によるミオシン軽鎖(myosin light chain;以下、MCLと略す)リン酸化の阻害作用によって確認した。
【0134】
(1)Trx−2MLCの調製
DK1によるリン酸化が認められたMLC基質(COSMO BIO社;code#M−4357)をチオレドキシンタンパク質(Trx)に2つ繋げた基質タンパク質(以下、Trx−2MLC)を作製するため、配列表の配列番号1のアミノ酸をコードするDNA配列にBgl IIやEcoR Iなどの制限酵素配列を付加したDNA配列(配列番号2)をBgl IIおよびEcoR Iで消化したのち、Bgl IIおよびEcoR I消化したpET32aベクター(Novagen社,Cat.#69030−1)へ挿入し、Trx−2MLC発現ベクターを構築した。pET32aはチオレドキシンおよびHisタグのついた融合タンパク質を発現できることから、構築したTrx−2MLC発現ベクターから、チオレドキシン、Hisタグ、2つのMLCキナーゼ基質が融合したタンパク質(Trx−2MLC)が発現される(配列番号3)。
【0135】
次ぎにTrx−2MLC発現ベクターをタンパク質発現用大腸菌BL21(DE3)(Novagen社,Cat.#69450−3)へ導入し、最終濃度50mg/mLアンピシリンを含むLB培地中で30℃にて数時間培養し、最終濃度0.5mMになるようにイソプロピルチオガラクトシド(Isopropylthiogalactoside;以下、IPTGと略す)を添加したのちさらに数時間培養を行い、Trx−2MLCを誘導発現させた。大腸菌を遠心分離にて回収し、1x Binding Buffer(20mM Tris−HClpH7.9, 500mM NaCl,5mM イミダゾール)にて懸濁し、最終濃度1mMフェニルメチルスルホニル フルオリド(phenylmethane sulfonyl fluoride;以下、PMSFと略す)を添加したのち、超音波破砕機にて大腸菌を破砕し、破砕液を遠心分離した。50mMNiSOにてニッケルをキレートし、1x Binding Bufferにて平衡化したHis・Bind Resin(Novagen社、Cat.#69670−4)を充填したカラムに、遠心分離した上清を加え、1x Wash Buffer(20mM Tris−HCl pH7.9,500mM NaCl,60mMイミダゾール)にて洗浄したのち、1x Elution Buffer(20mM Tris−HCl pH7.9, 500mM NaCl、500mM イミダゾール)にてTrx−2MLCをカラムから溶出させた。溶出したTrx−2MLCは、YM−10(Amicon社、code#13632)を用い限外ろ過にて濃縮したのち、等量の1xPBS(−)を添加しさらに濃縮し、2倍量の1xPBS(−)を添加しもう一度濃縮しバッファー置換及びイミダゾール除去を行い、精製Trx−2MLCを得た。
【0136】
(2)DK1によるMLCリン酸化に対する本発明医薬の阻害作用
基質として上記(1)で調製したTrx−2MLCを96well plateに固相化し、PBS緩衝液にて洗浄後、0.1% gelatin水溶液にてブロッキングを行った。PBS緩衝液にて2回、50mM Tris−HCl緩衝液(pH 7.5)にて1回洗浄した。そこへ反応溶液(最終濃度50mM Tris−HCl(pH 7.5)、8mM MgCl、0.1mg/mL ウシ血清アルブミン、0.01μg/mL DK1)を加えた。さらにDMSO(最終濃度0.5%)あるいは化合物を加えた。(被検化合物は10% DMSOにて調製して添加したため、最終の反応系には0.5% DMSOを含む。)ATP溶液(最終濃度8μM ATP、4μCi/mL γ−32P ATP)添加によりリン酸化反応を開始し、25℃で20分反応させ、20%リン酸水溶液を添加して反応を停止した。アスピレーターで反応液を抜き取り、0.05%Tween20−PBS溶液にて洗浄した。洗浄液を十分に取り除き、液体シンチレーターを加えてマイクロプレートシンチレーションカウンターにてTrx−2MLCのリン酸化を解析した。
【0137】
結果を下記の表に示す。被検化合物はDAPKによるリン酸化を顕著に阻害した。この結果は、本発明の医薬がDAPK活性を阻害することによって細胞死を抑制しうることを強く示唆しており、本発明の医薬が脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患の予防及び/又は治療に有効であることを示している。
【0138】
【表57】
実施例番号(化合物番号) 50%阻害濃度(μM)
2 (8) 1.0
4 (78) 7.0
6 (83) 0.084
7 (85) 1.8
8 (102) 0.23
9(108) 2.2
11(113) 0.42
12(132) 0.77
15(223) 0.5
16(358) 6.6
18(363) 0.058
20(367) 1.9
21(428) 4.4
22(708) 3.9
【0139】
製剤例
(1)錠剤
下記の成分を常法に従って混合し、慣用の装置により打錠した。
実施例4の化合物 30mg
結晶セルロース 60mg
コーンスターチ 100mg
乳 糖 200mg
ステアリン酸マグネシウム 4mg
【0140】
(2)軟カプセル剤
下記の成分を常法に従って混合し、軟カプセルに充填した。
実施例4の化合物 30mg
オリーブ油 300mg
レシチン 20mg
【0141】
【発明の効果】
本発明の医薬はDAPK阻害活性を有しており、DAPKの異常昂進に起因する、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病等の細胞死を伴う疾患に対して根本的な予防及び/又は治療を可能にする医薬として有用である。
【0142】
【配列表】
Figure 2004256498
Figure 2004256498
Figure 2004256498
Figure 2004256498

Claims (6)

  1. 下記一般式(I):
    Figure 2004256498
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、XとYは同時にカルボニル基を表すか、いずれか一方がカルボニル基で残りの一方がメチレン基を表す)で表されるピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む細胞死関連蛋白質リン酸化酵素の異常昂進に起因する疾患の予防及び/又は治療のための医薬。
  2. 該疾患が、細胞死を伴う疾患であることを特徴とする請求項1に記載の医薬。
  3. 該細胞死を伴う疾患が、脳梗塞、アルツハイマー病、パーキンソン病またはハンチントン舞踏病である請求項2に記載の医薬。
  4. 請求項1の一般式(I)で表されるピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む細胞死関連蛋白質リン酸化酵素の阻害剤。
  5. 下記一般式(I):
    Figure 2004256498
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよい低級アルコキシ基、ヒドロキシ基、又は置換基を有していてもよいアミノ基を表し、Rは水素原子又は置換基を有していてもよい低級アルキル基を表し、XとYは同時にカルボニル基を表すか、いずれか一方がカルボニル基で残りの一方がメチレン基を表す。ただし、XとYが同時にカルボニル基であって、Rがエトキシ基であり、Rがベンジルオキシ基であり、かつRが水素原子である場合を除く)で表されるピロロカルバゾール誘導体若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物若しくはそれらの水和物。
  6. 請求項5に記載のピロロカルバゾール誘導体及びその塩、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を含む医薬。
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