JP2004251979A - ビーム強度変換方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バンドルファイバの各ファイバの位置を変えることなく、簡単に要求するエネルギ強度分布の成形を行なう。
【解決手段】バンドルファイバ20に入射するビームを、マイクロミラーデバイス40を用いて予め分割し、所定のファイバに入射する。
【選択図】 図4
【解決手段】バンドルファイバ20に入射するビームを、マイクロミラーデバイス40を用いて予め分割し、所定のファイバに入射する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーム強度変換方法及び装置に係り、特に、ガラス基板上のアモルファス層を結晶化するためのレーザアニール装置等のレーザ加工装置で、バンドルファイバを用いてビーム強度を変換する際に用いるのに好適な、バンドルファイバの各ファイバの配置を変えることなく、要求されるエネルギ強度分布の成形を簡単に行なうことが可能なビーム強度変換方法及び装置、レーザ光学系及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術分野】
レーザ加工装置、特にレーザアニール装置においては、できるだけ強度分布が均一なレーザビームを半導体基板等の加工対象物に照射することが望ましい。
【0003】
そこで、レーザビームの強度分布を均一化するため、特許文献1に記載されているように、ビームホモジナイザと呼ばれる光学系が利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−244078号公報
【特許文献2】
特開平7−306368号公報
【特許文献3】
特開平5−268557号公報
【特許文献4】
特開平8−146911号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、小さなレンズを多数並べた、フライアイ方式と呼ばれる従来のビームホモジナイザ10は、例えば図1に示す如く、片面が平面で、もう一方の面に複数の凸部が配列して形成された2枚のアレイレンズ11、12で形成されており、複雑な光学設計計算、高額な光学部品、精密な部品製作と組立調整等が必要であるという問題点を有していた。
【0006】
このような問題点を解決するべく、図2に示す如く、バンドルファイバ20でビームを分割し、該バンドルファイバ20の各ファイバを例えばランダムに配置して照射することが考えられる。例えばガウス分布のビームをバンドルファイバへ入射すると、各ファイバに取り込まれた光のみがファイバを伝播する。当然中央部のビームを伝播したファイバはエネルギが強く、端部のビームを伝播したファイバはエネルギが弱い。よって各ファイバの取り回しを強弱強弱・・・とすれば、近接したビーム強度の波は相殺され、均一性の良いビームを作り出すことができる。
【0007】
しかしながら、バンドルファイバ20を出射したビーム強度を例えば均一化するために、直径約100μmのファイバを数百から数万本、正確に並べ替えるのは容易でないという問題点を有していた。
【0008】
更に、図3に示す如く、レーザビームをレンズ30を介して、直接、バンドルファイバ20に入射した場合、図4に横断面を示す如く、バンドルファイバの結合(溶融)部分21に入射されたビームは伝達されないという問題点もあった。バンドルファイバの伝達効率は70〜80%程度であるため、20〜30%は伝達ロスとなる。
【0009】
なお、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、図5に示す如く、コントローラ44より角度制御可能な微小(マイクロ)ミラー41が2次元的に多数備えられたデジタルマイクロミラーデバイス40が記載されているが、いずれも、バンドルファイバとの組合せについては、全く記載されておらず、示唆すらされていなかった。
【0010】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、バンドルファイバの各ファイバの位置を変えることなく、要求されるエネルギ強度分布の成形を簡単に行なうことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バンドルファイバを用いてビーム強度を変換する際に、前記バンドルファイバに入射するビームを、マイクロミラーデバイスを用いて予め分割し、所定のファイバに入射するようにして、前記課題を解決したものである。
【0012】
又、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変えることにより、出射ビームの強度分布を変えるようにして、任意の強度分布が迅速且つ容易に得られるようにしたものである。
【0013】
又、ビーム強度を変換するためのバンドルファイバと、該バンドルファイバに入射するビームを予め分割して、所定のファイバに入射させるためのマイクロミラーデバイスと、を備えたことを特徴とするビーム強度変換装置を提供するものである。
【0014】
更に、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変える手段を備えたものである。
【0015】
本発明は、又、前記のビーム強度変換装置を備えたことを特徴とするレーザ光学系を提供するものである。
【0016】
又、前記のレーザ光学系を備えたことを特徴とするレーザ加工装置を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、ビームホモジナイザに適用した本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明の第1実施形態は、図6に示す如く、バンドルファイバ20に入射するビームをマイクロミラーデバイス40で分割し、各ビームが狙いのファイバへ入射するように、各マイクロミラー41の角度を調整するようにしたものである。図において、46は、マイクロミラー41で反射されたビームの各ファイバへの入射を確実とするための集束レンズである。
【0019】
このように、デジタルマイクロミラーデバイス40を使用すれば、各ミラー41の角度調整を電気信号で行なうため、出射ビームの均一性の調整も簡単に行なえる。又、使用途中での強度分布の変更も迅速且つ容易に行なえる。
【0020】
以下作用を説明する。図6に示したように、ビームを各ファイバに入射されるように調整されたマイクロミラー41に照射する。反射したビームは各マイクロミラー41で分割され、各ファイバへ入射される。マイクロミラー41の角度を変えることで、ビームを入射するファイバのパスを変更し、出射ビームの強度分布を迅速且つ簡単に変えることができる。
【0021】
この際、ビームを分けて各々のファイバに入射するので、図3、図4に示した如く、ビームを直接バンドルファイバに入射する場合のような伝達ロスも無い。
【0022】
本実施形態では、集束レンズ46を用いているので、マイクロミラーデバイス40で反射されたビームを、対応する各ファイバに確実に入射できる。なお、図7に示す第2実施形態のように、集束レンズ46をデジタルマイクロミラーデバイス40の入側に配設したり、ファイバのサイズが大きい場合や、何本かにまとめて入射する場合は、集束レンズ46を省略することもできる。
【0023】
前記実施形態においては、出口側の強度分布が均一となるようにしていたが、ファイバへの入射位置を変更する方法はこれに限定されず、出口側で必要な強度分布に応じてマイクロミラー41の角度を制御して、任意のファイバに入射することが可能である。
【0024】
又、前記実施形態において、本発明が、レーザアニール装置のビームホモジナイザに適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、他のレーザ加工装置のビーム強度制御器にも同様に適用できることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を調整するだけで、任意のエネルギ強度分布を得ることができ、特にエネルギ強度分布を均一化したい場合に有効である。この際、各ファイバの取り回しを変えることなく、各ミラー角度の変更で、迅速に且つ簡単、自在にエネルギ強度分布を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフライアイ方式のビームホモジナイザの一例の基本的な構成を示す斜視図
【図2】本発明の比較例の構成を示す斜視図
【図3】レーザビームを直接バンドルファイバに入射する場合の問題点を説明するための断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿う横断面図
【図5】本発明で用いたマイクロミラーデバイスの構成を示す斜視図
【図6】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図7】本発明の第2実施形態の要部構成を示す断面図
【符号の説明】
20…バンドルファイバ
40…マイクロミラーデバイス
41…マイクロミラー
44…コントローラ
46…集束レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビーム強度変換方法及び装置に係り、特に、ガラス基板上のアモルファス層を結晶化するためのレーザアニール装置等のレーザ加工装置で、バンドルファイバを用いてビーム強度を変換する際に用いるのに好適な、バンドルファイバの各ファイバの配置を変えることなく、要求されるエネルギ強度分布の成形を簡単に行なうことが可能なビーム強度変換方法及び装置、レーザ光学系及びレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術分野】
レーザ加工装置、特にレーザアニール装置においては、できるだけ強度分布が均一なレーザビームを半導体基板等の加工対象物に照射することが望ましい。
【0003】
そこで、レーザビームの強度分布を均一化するため、特許文献1に記載されているように、ビームホモジナイザと呼ばれる光学系が利用されている。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−244078号公報
【特許文献2】
特開平7−306368号公報
【特許文献3】
特開平5−268557号公報
【特許文献4】
特開平8−146911号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、小さなレンズを多数並べた、フライアイ方式と呼ばれる従来のビームホモジナイザ10は、例えば図1に示す如く、片面が平面で、もう一方の面に複数の凸部が配列して形成された2枚のアレイレンズ11、12で形成されており、複雑な光学設計計算、高額な光学部品、精密な部品製作と組立調整等が必要であるという問題点を有していた。
【0006】
このような問題点を解決するべく、図2に示す如く、バンドルファイバ20でビームを分割し、該バンドルファイバ20の各ファイバを例えばランダムに配置して照射することが考えられる。例えばガウス分布のビームをバンドルファイバへ入射すると、各ファイバに取り込まれた光のみがファイバを伝播する。当然中央部のビームを伝播したファイバはエネルギが強く、端部のビームを伝播したファイバはエネルギが弱い。よって各ファイバの取り回しを強弱強弱・・・とすれば、近接したビーム強度の波は相殺され、均一性の良いビームを作り出すことができる。
【0007】
しかしながら、バンドルファイバ20を出射したビーム強度を例えば均一化するために、直径約100μmのファイバを数百から数万本、正確に並べ替えるのは容易でないという問題点を有していた。
【0008】
更に、図3に示す如く、レーザビームをレンズ30を介して、直接、バンドルファイバ20に入射した場合、図4に横断面を示す如く、バンドルファイバの結合(溶融)部分21に入射されたビームは伝達されないという問題点もあった。バンドルファイバの伝達効率は70〜80%程度であるため、20〜30%は伝達ロスとなる。
【0009】
なお、特許文献2、特許文献3、特許文献4には、図5に示す如く、コントローラ44より角度制御可能な微小(マイクロ)ミラー41が2次元的に多数備えられたデジタルマイクロミラーデバイス40が記載されているが、いずれも、バンドルファイバとの組合せについては、全く記載されておらず、示唆すらされていなかった。
【0010】
本発明は、前記従来の問題点を解決するべくなされたもので、バンドルファイバの各ファイバの位置を変えることなく、要求されるエネルギ強度分布の成形を簡単に行なうことを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、バンドルファイバを用いてビーム強度を変換する際に、前記バンドルファイバに入射するビームを、マイクロミラーデバイスを用いて予め分割し、所定のファイバに入射するようにして、前記課題を解決したものである。
【0012】
又、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変えることにより、出射ビームの強度分布を変えるようにして、任意の強度分布が迅速且つ容易に得られるようにしたものである。
【0013】
又、ビーム強度を変換するためのバンドルファイバと、該バンドルファイバに入射するビームを予め分割して、所定のファイバに入射させるためのマイクロミラーデバイスと、を備えたことを特徴とするビーム強度変換装置を提供するものである。
【0014】
更に、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変える手段を備えたものである。
【0015】
本発明は、又、前記のビーム強度変換装置を備えたことを特徴とするレーザ光学系を提供するものである。
【0016】
又、前記のレーザ光学系を備えたことを特徴とするレーザ加工装置を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、ビームホモジナイザに適用した本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0018】
本発明の第1実施形態は、図6に示す如く、バンドルファイバ20に入射するビームをマイクロミラーデバイス40で分割し、各ビームが狙いのファイバへ入射するように、各マイクロミラー41の角度を調整するようにしたものである。図において、46は、マイクロミラー41で反射されたビームの各ファイバへの入射を確実とするための集束レンズである。
【0019】
このように、デジタルマイクロミラーデバイス40を使用すれば、各ミラー41の角度調整を電気信号で行なうため、出射ビームの均一性の調整も簡単に行なえる。又、使用途中での強度分布の変更も迅速且つ容易に行なえる。
【0020】
以下作用を説明する。図6に示したように、ビームを各ファイバに入射されるように調整されたマイクロミラー41に照射する。反射したビームは各マイクロミラー41で分割され、各ファイバへ入射される。マイクロミラー41の角度を変えることで、ビームを入射するファイバのパスを変更し、出射ビームの強度分布を迅速且つ簡単に変えることができる。
【0021】
この際、ビームを分けて各々のファイバに入射するので、図3、図4に示した如く、ビームを直接バンドルファイバに入射する場合のような伝達ロスも無い。
【0022】
本実施形態では、集束レンズ46を用いているので、マイクロミラーデバイス40で反射されたビームを、対応する各ファイバに確実に入射できる。なお、図7に示す第2実施形態のように、集束レンズ46をデジタルマイクロミラーデバイス40の入側に配設したり、ファイバのサイズが大きい場合や、何本かにまとめて入射する場合は、集束レンズ46を省略することもできる。
【0023】
前記実施形態においては、出口側の強度分布が均一となるようにしていたが、ファイバへの入射位置を変更する方法はこれに限定されず、出口側で必要な強度分布に応じてマイクロミラー41の角度を制御して、任意のファイバに入射することが可能である。
【0024】
又、前記実施形態において、本発明が、レーザアニール装置のビームホモジナイザに適用されていたが、本発明の適用対象はこれに限定されず、他のレーザ加工装置のビーム強度制御器にも同様に適用できることは明らかである。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を調整するだけで、任意のエネルギ強度分布を得ることができ、特にエネルギ強度分布を均一化したい場合に有効である。この際、各ファイバの取り回しを変えることなく、各ミラー角度の変更で、迅速に且つ簡単、自在にエネルギ強度分布を変えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のフライアイ方式のビームホモジナイザの一例の基本的な構成を示す斜視図
【図2】本発明の比較例の構成を示す斜視図
【図3】レーザビームを直接バンドルファイバに入射する場合の問題点を説明するための断面図
【図4】図3のIV−IV線に沿う横断面図
【図5】本発明で用いたマイクロミラーデバイスの構成を示す斜視図
【図6】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図7】本発明の第2実施形態の要部構成を示す断面図
【符号の説明】
20…バンドルファイバ
40…マイクロミラーデバイス
41…マイクロミラー
44…コントローラ
46…集束レンズ
Claims (6)
- バンドルファイバを用いてビーム強度を変換する際に、
前記バンドルファイバに入射するビームを、マイクロミラーデバイスを用いて予め分割し、所定のファイバに入射することを特徴とするビーム強度変換方法。 - 請求項1において、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変えることにより、出射ビームの強度分布を変えることを特徴とするビーム強度変換方法。
- ビーム強度を変換するためのバンドルファイバと、
該バンドルファイバに入射するビームを予め分割して、所定のファイバに入射させるためのマイクロミラーデバイスと、
を備えたことを特徴とするビーム強度変換装置。 - 請求項3において、更に、前記マイクロミラーデバイスの各マイクロミラーの角度を変える手段を備えたことを特徴とするビーム強度変換装置。
- 請求項3又は4に記載のビーム強度変換装置を備えたことを特徴とするレーザ光学系。
- 請求項5に記載のレーザ光学系を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003039850A JP2004251979A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | ビーム強度変換方法及び装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003039850A JP2004251979A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | ビーム強度変換方法及び装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004251979A true JP2004251979A (ja) | 2004-09-09 |
Family
ID=33023910
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003039850A Pending JP2004251979A (ja) | 2003-02-18 | 2003-02-18 | ビーム強度変換方法及び装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004251979A (ja) |
-
2003
- 2003-02-18 JP JP2003039850A patent/JP2004251979A/ja active Pending
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