JP2004251799A - 自動分析装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】校正液の分析部位への供給異常と容器への補充異常を検出する。
【解決手段】電解質濃度分析用電極10へ供給する校正液Sを容器3から所定量吸引する吸入ノズル11と、吸引されることにより減少した分の校正液を容器に補充する校正液補充用ポンプ6と、容器中に吊下げた一対の導電性検出用電極4a、4bと、この導電性検出用電極間の電気伝導度を検出する検出回路16とを備え、校正液が吸引される前は、導電性検出用電極の先端が容器中の校正液に浸かり、校正液が所定量吸引された後は、導電性検出用電極の先端が校正液に浸からないように、導電性検出用電極の位置と校正液の量とを設定した。
これにより、校正液の容器への補充異常や分析部位への供給異常などを確実に検出し、自動分析装置の信頼性を一段と向上することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生化学自動分析分野において、電解質濃度分析用電極を用いて電解質試料の電解質濃度を分析する自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血液や尿などの体液を分析することにより得られる各種データが、生体諸器官の機能の状況を示すものとして、健康管理や疾病診断のために広く活用されている。またこの分析項目は多岐にわたり、多数の試料を短時間に分析したいとの要請もあり、この分析には一般に自動分析装置が使用されている。
自動分析装置では、試料(例えば血清。)を分析項目の数だけそれぞれの反応管に取り分け、各反応管に分析項目に応じた試薬を混合して反応させた後比色法により分析結果を得たり、電解質濃度分析用電極に直接試料を流し込んで、試料に含まれるNa、K、Cl等の各イオンのイオン活量を得たりする動作を自動的に行っている。
ところで、自動分析装置での比色法による分析を行うためには、試料の入っている容器(試料容器またはサンプルカップと言う。)へ複数本のピペットを差し込み、各ピペットで所定量の試料を吸い上げた後、各ピペットを反応管位置へ移動させて各反応管へ試料を吐出することを繰り返して、分析項目数だけの試料を取り分けている。このとき、試料容器中の試料の量が減少してくると、ピペットの先端位置より試料容器中の試料の液面位が下がってしまうという事態が生ずる。このような場合、ピペットで吸い上げる試料の量すなわち、反応管に取り分ける試料の量が所定量より少なくなるおそれがあり、測定結果の信頼性を損なうという問題があった。
【0003】
このような問題の解決策として、試料が電解質であることを利用して、試料容器中に試料が所定量存在するか否かを確認するようにしたものが知られている。すなわち、試料容器から試料を吸い上げるピペットの吸い上げ動作に伴って、2本の電極を試料容器内に所定深さまで差し込むようにし、試料吸い上げ時における試料容器内の電解質のインピーダンスを調べることにより、試料吸い上げ終了後もピペットの先端位置に試料が存在していることが確認されれば、試料がピペットに所定量吸い上げられたものと判断するようにしたものである(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開昭57−37266号公報(第2−3頁、第3図、第4図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたものは、試料容器内の試料の液面位が所定位置にあることを以って、ピペットに試料が所定量吸い上げられたと判断するものである。そのため、例えばピペットやピペットに繋がる吸入チューブなどに目詰まりがあり、実際にはピペットに試料が吸い上げられていないような場合でも、試料容器内に差し込まれたインピーダンス検出用の電極によって、所定液面位の試料の存在が確認されるため、試料を所定量吸い上げたと判断されてしまうおそれがあった。
一方、電解質濃度の分析を行う自動分析装置は、電解質試料に含まれるNa、K、Cl等の各イオンのイオン活量を、電解質濃度分析用電極を用いて行うものであるが、電解質濃度分析用電極には、試料の濃度変化が大きいとその応答性が悪くなるという性質がある。そのため、試料に類似した性質を有する濃度が既知の校正用溶液を用意しておき、体液などの測定に供する試料と校正用溶液とを交互に電解質濃度分析用電極へ供給し、試料の測定の都度同じ電解質濃度分析用電極によって毎回校正用溶液を測定することによって、当該電解質濃度分析用電極の検出値を校正し、高精度の分析結果を得るようにしている。
【0006】
ところで、校正用溶液は通常被測定試料の正常値を示すように調整されている。よって、本来校正用溶液を測定すべきタイミングで、何らかのトラブルにより校正用溶液が電解質濃度分析用電極へ供給されず、被測定試料が電解質濃度分析用電極に残ったままそれが測定され、その測定値が正常値に近いような場合は、異常に気がつかずこれによって測定データが校正されてしまうおそれがあった。そのため、特に電解質濃度分析用電極を用いて電解質濃度を分析する自動分析装置では、校正用溶液が電解質濃度分析用電極へ確実に供給されることを確認する必要があった。
本発明は、このような事情に基づき、試料の分析部位への供給異常や試料容器への補充異常などを確実に検出できるようにすることを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、電解質濃度分析用電極部へ電解質試料を供給し、その電解質濃度を分析する自動分析装置において、所定量の前記電解質試料を一時蓄える試料容器と、この試料容器に蓄えられた前記電解質試料を吸引して前記電解質濃度分析用電極部へ所定量供給する試料吸引手段と、この試料吸引手段に吸引され前記電解質濃度分析用電極部へ供給されることにより減少した分の前記電解質試料を前記試料容器に補充する試料補充手段と、前記試料容器中にその底部より所定距離だけ上方に先端が位置するように吊下げられた電解質試料検出用電極と、この電解質試料検出用電極の出力に基づき前記試料容器に所定量の前記電解質試料が蓄えられているか否かを検出する検出手段とを具備し、前記試料吸引手段に前記試料容器から前記電解質試料が吸引される前は、前記電解質試料検出用電極の先端が前記試料容器中の前記電解質試料に浸かり、前記試料吸引手段に前記電解質試料が所定量吸引された後は、前記電解質試料検出用電極の先端が前記電解質試料に浸からない位置にあることを特徴とする。
これにより、電解質試料の分析部位への供給異常や試料容器への補充異常などを確実に検出することができる。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の自動分析装置において、前記電解質試料検出用電極は一対の導電性検出用電極から成り、前記検出手段は前記導電性検出用電極間の電気伝導度を検出することを特徴とし、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の自動分析装置において、前記試料容器の上部側壁に前記電解質試料を補充するための供給口が形成され、前記導電性検出用電極の少なくとも一方が前記供給口に対向するように配置されていることを特徴とし、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の自動分析装置において、前記供給口に対向するように配置されている前記一方の導電性検出用電極は、帯状に形成されており、その面が前記供給口に対向していることを特徴とする。
これらにより、供給口から電解質試料を補充する際に、電解質試料が一対の導電性検出用電極間に付着して、導電性検出用電極間を短絡させてしまう不都合を防止することができる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の自動分析装置において、前記電解質試料検出用電極は一本の静電容量検出用電極から成り、前記検出手段は前記静電容量検出用電極と前記電解質試料間の静電容量を検出することを特徴とする。この場合電解質試料検出用電極は一本でよく、構成が簡単となる。
さらに請求項6に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動分析装置において、前記電解質試料は、校正用溶液であることを特徴とし、請求項7に記載の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動分析装置において、前記電解質試料は、被測定液であることを特徴とする。
これらにより、本発明の適用範囲を広げることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る自動分析装置の一実施の形態を、電解質試料検出用電極により電解質試料の電解質濃度を分析する場合について、図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、電解質濃度を分析する自動分析装置の、一実施の形態の概略的な構成を示した系統図である。なお、本発明の実施形態の説明において、血液や尿などの分析に供する試料を被測定液と称し、電解質濃度分析用電極の校正に供する濃度が既知の試料を校正用溶液と称するものとする。また、被測定液と校正用溶液は共に電解質であることは言うまでもない。
自動分析装置には、被測定液や校正用溶液を約37℃に保持するための恒温槽1が備えられている。この恒温槽1には例えば水が満たされていて、その水の温度が約37℃を維持するように制御されている。そして、恒温槽1中の水に被測定液の入っている多数のサンプルカップ2と校正用溶液を一時蓄える校正液用容器3とが浸されている。
【0010】
校正液用容器3には、一定量の校正用溶液が一時的に蓄えられる。そのため、校正液用容器3の上部の側壁には、校正用溶液を供給するための供給口3aが設けられ、底部または下部の側壁には、校正用溶液を排出するための排出口3bが設けられている。そして、校正液用容器3の上部から校正液用容器3内に位置するように、電解質試料を検出するための電極として、一対の導電性検出用電極4a、4bが吊下げられている。なお、この校正液用容器3の内側の形状と導電性検出用電極4a、4bの配置状況は、校正液用容器3の横断面図として図2に示されており、校正液用容器3の縦方向の図は、後述する導電性検出用電極4a、4bの機能を説明するための図3に示されている。
図2に示されているように、校正液用容器3の内側は、概略的には平面が楕円状を呈する細長い筒体となっており、底部に近い部分3cは楕円の長軸の一方側へ偏心して円形に絞られている。さらに、上記の円形部分3cに連なる楕円部分の側面に凸部3dが形成されていて、凸部3dの上方位置に供給口3aが設けられている。そして、凸部3dに位置するように、一方の導電性検出用電極4bが吊下げられている。この導電性検出用電極4bは、例えば平らな帯状に形成されていて、その一部は供給口3aを塞ぐように対向している。また、他方の導電性検出用電極4aは、一方の導電性検出用電極4bと供給口3aとを結ぶ直線上から外れた位置に配置されており、このことは上記の円形部分3cの中心と供給口3aとを結ぶ直線上からも外れた位置となる。
【0011】
校正液用容器3には、校正用溶液が入っているボトル5から校正液補充用ポンプ6によって、所定のタイミングで校正用溶液が供給される。ただし、ボトル5は常温雰囲気中に置かれているので、校正液補充用ポンプ6によって送り出される校正用溶液は、恒温槽1内に敷設されているチューブ7内で、予め約37℃に保持された上で校正液用容器3の供給口3aへ供給されるようになっている。また、ボトル5はトレー5aに保持されていると共に、重量センサ5bが設けられている。これは、ボトル5の重量をチェックすることによって、ボトル5内に校正用溶液が無くならないように監視するためである。
なお、校正液用容器3へ校正用溶液が供給される際、供給口3aに対向して導電性検出用電極4bが位置している。そのため、校正液補充用ポンプ6によってチューブ7から吐出される校正用溶液は、導電性検出用電極4bの面に当りその面を伝って流れ落ちて校正液用容器3内に蓄えられることになる。これによって、吐出される校正用溶液が校正液用容器3内に飛び散ることを防止している。また、他方の導電性検出用電極4aは、供給口3aと導電性検出用電極4bとを結ぶ線上から外れた位置に配置されており、このことは校正液用容器3の円形部分3cの中心と供給口3aとを結ぶ直線上からも外れた位置となっている。よって、供給口3aから補充される校正用溶液が、若干直進するように吐出したとしても、導電性検出用電極4aに当ることを防止し、狭い校正液用容器3内に配置されている導電性検出用電極4aと導電性検出用電極4bとが、補充時の校正用溶液によって実質的に短絡されることを防止している。
さらに、校正液用容器3の排出口3bには排液ポンプ8が接続されており、不要になった校正用溶液を校正液用容器3から排出したり、校正液用容器3内の液量を所定の量に維持するために余分の校正用溶液を排出したりするために使用される。なお、排液ポンプ8によって排出された校正用溶液は、恒温槽1とは別に設けられた廃液槽9または図示しない廃液容器などへ廃棄される。
【0012】
さて、電解質濃度分析用電極10には吸入ノズル11と吸引ポンプ12および三方弁13が適宜の手段によって接続されている。また、電解質濃度分析用電極10には測定データを増幅する前置増幅器14を介してデータ分析器15が接続されている。吸入ノズル11は、適宜の手段によって、サンプルカップ2と校正液用容器3の上を水平方向(矢印H方向。)へ移動するように駆動されるとともに、サンプルカップ2および校正液用容器3の位置で垂直方向(矢印V方向。)へ下降し、さらに下降した位置から元の位置へ上昇するように制御される。そして、吸入ノズル11が下降した位置で、吸引ポンプ12の作用によってサンプルカップ2または校正液用容器3から、それらに入っている被測定液または校正用溶液を所定量吸い上げ、それを電解質濃度分析用電極10へ供給する。
電解質濃度分析用電極10では、供給された被測定液または校正用溶液について、公知の手段によって起電力を測定し、その測定データからデータ分析器15によってイオン活量を算出する。そして、結果を図示しない出力装置たとえばプリンタやモニタなどに電解質濃度の分析結果として表示する。
なお、測定済みの被測定液または校正用溶液は、吸引ポンプ12によって吸引された後、廃液槽9または図示しない廃液容器などへ排出して廃棄される。この被測定液または校正用溶液の吸引動作と排出動作は、三方弁13を切替えることによって行われる。
【0013】
また、前述の校正液用容器3内に吊下げられている一対の導電性検出用電極4a、4bには、この導電性検出用電極4a、4b間の電気伝導度を検出するための検出回路16が接続されている。すなわち、校正液用容器3内に蓄えられている校正用溶液に導電性検出用電極4a、4bが共に浸かっていれば、校正用溶液は電解質なので導電性検出用電極4a、4b間は接触しているのと同等であり、その電気伝導度は高い値(すなわち、電気抵抗値は小さい。)を示す。逆に、校正用溶液に導電性検出用電極4a、4bの一方かまたは両方が校正用溶液に浸かっていなければ、導電性検出用電極4a、4b間は開放されているのと同等であり、その電気伝導度は極めて低い値(すなわち、電気抵抗値は大きい。)を示すことになる。
このことが検出回路16で検出され、以下に説明するように、校正用溶液の電解質濃度分析用電極10への供給動作や校正液用容器3への補充動作などの動作状態を監視するための信号として使用される。なお、帯状の導電性検出用電極4bは通常接地側としており、従って導電性検出用電極4aは信号側となる。
【0014】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
図3は、校正液用容器3内に蓄えられている校正用溶液(符号Sで示す。)の液面位の状況と導電性検出用電極4a、4bとの関係を説明するために示したものであり、(a)は、校正用溶液Sが電解質濃度分析用電極10へ供給される前および、電解質濃度分析用電極10へ供給され後に所定量の校正用溶液Sが補充された定常状態を示し、(b)は、校正液用容器3内の校正用溶液Sが、吸入ノズル11によって所定量吸い上げられた状態を示している。
ここで、図3(a)に示すように、導電性検出用電極4aの先端は、校正液用容器3の底部から高さh1の位置に設定されているものとする。なお、導電性検出用電極4bは、接地側なのでその先端位置は、導電性検出用電極4aと同じかh1より短く(すなわち、底部側へ延びている。)なるようにされている。そして、定常状態では、校正用溶液Sが校正液用容器3内に、高さh2の位置まで蓄えられており、このとき校正用溶液Sは、導電性検出用電極4aの先端から高さh3の位置にある。すなわち、導電性検出用電極4a、4bが共に校正用溶液Sに浸かっている。よって、導電性検出用電極4a、4b間の電気伝導度は高い値を示し、このことが検出回路16で検出される。
【0015】
次に、校正用溶液Sを電解質濃度分析用電極10へ供給するために、吸入ノズル11を校正液用容器3内へ挿入し、吸入ノズル11内に校正用溶液Sを所定量吸い上げる。この状態が図3(b)に示されている。ここで、吸入ノズル11内に吸い上げる校正用溶液Sの所定量を、校正液用容器3内の高さに換算して(h3+α)に設定してあるものとする。従って、吸入ノズル11内に校正用溶液Sを(h3+α)分吸い上げると、校正液用容器3内に残る校正用溶液Sの高さh4は、
Figure 2004251799
となり、導電性検出用電極4aの先端と残っている校正用溶液Sの液面との間にαだけの隙間ができる。よって、導電性検出用電極4a、4b間の電気伝導度は極めて低い値となり、このことが検出回路16で検出される。
なお、校正用溶液Sが電解質濃度分析用電極10へ供給された後、ボトル5からチューブ7を経て所定量の校正用溶液Sが校正液用容器3内へ補充されるので、その後は図3(a)に示す定常状態を呈することとなる。
【0016】
以上の説明から明らかなように、校正液用容器3内に所定量の校正用溶液Sが蓄えられており、さらにその中から、電解質濃度分析用電極10へ供給するために吸入ノズル11に所定量の校正用溶液Sが吸引されたことを確実に検出するためには、信号側である導電性検出用電極4aの先端位置が基準となるので、この位置精度を十分管理することが必要である。一方、接地側の導電性検出用電極4bについては、その先端が導電性検出用電極4aの先端位置より下方に位置していれば良く、導電性検出用電極4aほどの精度管理を要求されることはない。よって、一対の導電性検出用電極4a、4bの内、信号側である導電性検出用電極4aの先端位置のみ精度を十分管理すればよいので、その管理が容易となる。
【0017】
さて、自動分析装置では、一連の動作がCPUを備えた図示しない制御装置によって制御されている。吸入ノズル11の水平方向、垂直方向への駆動制御、サンプルカップ2から被測定液を吸引して電解質濃度分析用電極10へ供給したり、校正液用容器3から校正用溶液Sを吸引して電解質濃度分析用電極10へ供給したりする動作、測定を終えた被測定液や校正用溶液Sを排出する動作、ボトル5から校正液用容器3へ校正用溶液Sを所定量補充する動作、ボトル5内の校正用溶液の量が不足してきたことを警報する等の制御も例外ではない。
そこで、図4に示したタイミング図を参照して、電解質濃度分析用電極10での被測定液と校正用溶液Sとの測定状況について説明する。
図4(a)は、被測定液A、B、C、D・・・と校正用溶液Sとを交互に連続的に測定しているタイミングにおいて、正常に分析が続けられている状態での分析結果の一例を表したものである。
電解質濃度分析用電極10によって多数の被測定液A、B、C、D・・・のイオン活量を順次分析する場合、高精度の分析結果を得るために、各被測定液A、B、C、D・・・と校正用溶液Sとを交互に測定し、当該電解質濃度分析用電極10の検出値を都度校正するようにしている。すなわち、最初に校正用溶液S1を測定するものとし、その後被測定液Aを測定した後続けて2回目の校正用溶液S2を測定し、次に被測定液Bを測定してまた3回目の校正用溶液S3を測定し、さらに被測定液Cを測定した後4回目の校正用溶液S4を測定するという具合である。
図4(a)の例では、校正用溶液Sを基準値とすると、被測定液Aは基準値に対して+10の値を示し、被測定液Bは基準値に対して−10の値を示し、さらに被測定液Cは基準値に対して+5の値、被測定液Dは基準値に対して−10の値を示すというような結果が得られ、1回目から5回目の校正用溶液S1〜S5の値は基準値を示している。なお、校正用溶液Sは、被測定液の正常値とほぼ同じ値を示すものとしていることが多い。
【0018】
ところで、ボトル5から校正液用容器3の供給口3aに至る校正用溶液の供給路のどこかで目詰りを起こしたり、重量センサ5bの故障により、ボトル5内に校正用溶液が無くなっていることに気がつかなかったり、さらには、吸入ノズル11の動作に何らかのトラブルが発生したりしたために、本来5回目の校正用溶液S5を電解質濃度分析用電極10へ供給するところを、校正用溶液S5が供給されなかったとする。このときの様子を図4(a)に対応付けて示すと図4(b)のようになる。これは被測定液Aから被測定液Dまでは図4(a)と同じであるが、実は、5回目の校正用溶液S5を測定すべきところで校正用溶液S5が供給されないので、被測定液Dがそのまま電解質濃度分析用電極10に残ってしまい、校正用溶液S5の測定結果として、被測定液Dの測定値が使用されてしまうことも予想される。従って、このままでは吸入ノズル11の動作異常が見過ごされて、あたかも5回目の校正用溶液S5を測定しているような錯覚を受け、その後の分析動作にはなはだしい悪影響を及ぼすこととなる。
【0019】
そこで本実施の形態では、校正用溶液Sを電解質濃度分析用電極10へ供給するに当り、校正液用容器3内へ挿入した吸入ノズル11が校正用溶液Sを所定量吸い上げた否かを、吸入ノズル11で校正用溶液Sを吸い上げる毎に検出することにより、上記のような不都合を解消している。この様子を、図4(c)、図4(d)に検出回路16の出力として、図4(a)、図4(b)と同じ被測定液と校正用溶液との測定タイミングに合わせて示してある。
先に説明したとおり、校正液用容器3に毎回所定量の校正用溶液Sが補充されており、吸入ノズル11で所定量の校正用溶液が吸い上げられたことが、校正液用容器3内に設置した導電性検出用電極4a、4b間の電気伝導度のレベル変化として、検出回路16によってオン/オフの形で検出される。
すなわち、図4(c)に示すように、吸入ノズル11で所定量の校正用溶液S(S1)が吸い上げられたとき、検出回路16の出力は低レベル(オフレベル)となり、この校正用溶液S1が電解質濃度分析用電極10での測定に供されている間(校正用溶液S1の測定タイミング。)検出回路16の出力は低レベルを維持している。次に、吸入ノズル11によって被測定液Aが電解質濃度分析用電極10へ供給され、校正用溶液S1が電解質濃度分析用電極10から排出される(被測定液Aの測定タイミング。)と、校正用溶液Sがボトル5から校正液用容器3へ所定量補充される。よって検出回路16の出力は高レベル(オンレベル)に変化する。そして次に、吸入ノズル11で所定量の校正用溶液S(S2)が吸い上げられると、検出回路16の出力は再度低レベル(オフレベル)となり、この動作が繰り返される。
【0020】
ところで、図4(d)に示すように、4回目の校正用溶液S5の測定タイミングまでは、順調にこのような動作が繰り返されていたところ、被測定液Dの測定タイミングになったとき、トラブルが発生して校正液用容器3に校正用溶液S5が補充されなかったとする。従って、被測定液Dの測定タイミングであるにも拘わらず、その時に導電性検出用電極4a、4bは校正用溶液Sに浸らないので、検出回路16の出力は低レベル(オフレベル)のままとなる。よって、校正液用容器3に校正用溶液Sが補充されていないこと、すなわち、吸入ノズル11に校正用溶液Sが吸い上げられていないこと、或いは、電解質濃度分析用電極10へ校正用溶液Sが正しく供給されていないことが判り、その時点でシステムの動作異常が検出される。
以上詳述したように、電解質濃度分析用電極には、試料の濃度変化が大きいとその応答性が悪くなるという性質があるため、被測定試料に類似した性質を有する濃度が既知の校正用溶液を用いて、当該電解質濃度分析用電極の検出値を校正し、高精度の分析結果を得るようにしているが、本発明により、校正用溶液の供給異常などを確実に検出することができるので、自動分析装置の信頼性を一段と向上することができる。
【0021】
なお、本発明の実施の形態として、電解質濃度分析用電極10による試料の電解質濃度を分析する自動分析装置について説明したが、比色方式による自動分析装置にも本発明を適用することができることは言うまでもない。また、被測定液を測定する都度校正用溶液Sによって電解質濃度分析用電極10を校正するものとして説明したが、これに限らず、複数の被測定液を測定した後校正用溶液Sによって電解質濃度分析用電極10を校正するようにしてもよい。さらに、本実施の形態において、サンプルカップ2内に導電性検出用電極4a、4bを配置すれば、被測定試料が吸入ノズル11に吸入され電解質濃度分析用電極10へ確実に供給されているか否かを検出できる。
なおさらに、電解質試料を検出するための電極として、導電性検出用電極4a、4bに代えて、一本の静電容量検出用電極を校正液用容器3にその底部より所定距離だけ上方に先端が位置するように吊下げ、静電容量検出用電極の先端と校正用溶液の液面との間の静電容量の変化を検出回路16によって検出することにより、校正液用容器3に毎回所定量の校正用溶液Sが補充されたか否か、および吸入ノズル11で所定量の校正用溶液が吸い上げられたことをオン/オフの形で検出することができる。
【0022】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、電解質試料の分析部位への供給異常や試料容器への補充異常などを確実に検出することができ、ひいては自動分析装置システムの動作異常の検出により分析結果の信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動分析装置の、一実施の形態の概略的な構成を示した系統図である。
【図2】本発明の一実施の形態における、校正液用容器に配置した導電性検出用電極を説明するために示した、校正液用容器の横断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態における作用を説明するために示した説明図である。
【図4】本発明の一実施の形態における作用を説明するためのタイミング図である。
【符号の説明】
1 恒温槽
2 サンプルカップ
3 校正液用容器
4a 導電性検出用電極(信号側)
4b 導電性検出用電極(接地側)
5 ボトル
6 校正液補充用ポンプ
7 チューブ
10 電解質濃度分析用電極
11 吸入ノズル
12 吸引ポンプ
15 データ分析器
16 検出回路
S 校正用溶液

Claims (7)

  1. 電解質濃度分析用電極部へ電解質試料を供給し、その電解質濃度を分析する自動分析装置において、
    所定量の前記電解質試料を一時蓄える試料容器と、
    この試料容器に蓄えられた前記電解質試料を吸引して前記電解質濃度分析用電極部へ所定量供給する試料吸引手段と、
    この試料吸引手段に吸引され前記電解質濃度分析用電極部へ供給されることにより減少した分の前記電解質試料を前記試料容器に補充する試料補充手段と、
    前記試料容器中にその底部より所定距離だけ上方に先端が位置するように吊下げられた電解質試料検出用電極と、
    この電解質試料検出用電極の出力に基づき前記試料容器に所定量の前記電解質試料が蓄えられているか否かを検出する検出手段と
    を具備し、
    前記試料吸引手段に前記試料容器から前記電解質試料が吸引される前は、前記電解質試料検出用電極の先端が前記試料容器中の前記電解質試料に浸かり、前記試料吸引手段に前記電解質試料が所定量吸引された後は、前記電解質試料検出用電極の先端が前記電解質試料に浸からない位置にあることを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記電解質試料検出用電極は一対の導電性検出用電極から成り、前記検出手段は前記導電性検出用電極間の電気伝導度を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  3. 前記試料容器の上部側壁に前記電解質試料を補充するための供給口が形成され、前記導電性検出用電極の少なくとも一方が前記供給口に対向するように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の自動分析装置。
  4. 前記供給口に対向するように配置されている前記一方の導電性検出用電極は、帯状に形成されており、その面が前記供給口に対向していることを特徴とする請求項3に記載の自動分析装置。
  5. 前記電解質試料検出用電極は一本の静電容量検出用電極から成り、前記検出手段は前記静電容量検出用電極と前記電解質試料間の静電容量を検出することを特徴とする請求項1に記載の自動分析装置。
  6. 前記電解質試料は、校正用溶液であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動分析装置。
  7. 前記電解質試料は、被測定液であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の自動分析装置。
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