JP2004251154A - 密閉式圧縮機 - Google Patents

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Kenzo Matsumoto
兼三 松本
Kazuya Sato
里  和哉
Akifumi Fuuka
明文 富宇加
Kentaro Yamaguchi
賢太郎 山口
Hiromasa Aoki
啓真 青木
Midori Futagawame
緑 二川目
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

【課題】密閉容器の耐圧強度を確保しながら生産コストを抑えることができる密閉式圧縮機を提供する。
【解決手段】密閉容器12内に電動要素14とこの電動要素14にて駆動される圧縮要素(回転圧縮機構部)18とを収納して成る密閉式圧縮機(ロータリコンプレッサ)10において、密閉容器12を容器本体12Aとこの容器本体12Aの端部開口を閉塞するエンドキャップ12Bとで構成する。容器本体12Aの端部開口内側にスペーサ110を溶接固定する。スペーサ110に形成した溝112にエンドキャップ12Bを挿入する。スペーサ110とエンドキャップ12Bとを溶接固定する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、密閉容器内に電動要素と該電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納して成る密閉式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種密閉式圧縮機、例えば内部中間圧型多段(二段)圧縮式のロータリコンプレッサの密閉容器は、端部開口がエンドキャップにて閉塞された容器本体内に電動要素と、この電動要素により駆動される第1および第2の回転圧縮要素を備えている。そして、電動要素が駆動されると、冷媒ガスは第1の回転圧縮要素のシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により圧縮されて中間圧となりシリンダの高圧室側より吐出消音室を経て密閉容器内に吐出される(特許文献1参照)。
【0003】
そして、密閉容器内に吐出された中間圧の冷媒ガスは、第2の回転圧縮要素のシリンダの低圧室側に吸入され、ローラとベーンの動作により2段目の圧縮が行なわれて高温高圧の冷媒ガスとなり、高圧室側より吐出消音室を経て放熱器に流入し、放熱した後、膨張弁で絞られて蒸発器で吸熱し、第1の回転圧縮要素に吸入されるサイクルを繰り返す。
【0004】
係るロータリコンプレッサに、高低圧差の大きい冷媒、例えば炭酸ガスの一例としての二酸化炭素(CO)を冷媒として用いた場合、吐出冷媒圧力は高圧となる第2の回転圧縮要素で12MPaGに達し、一方、低段側となる第1の回転圧縮要素で8MPaG(中間圧)となる(第1の回転圧縮要素の吸込圧力は4MPa)。
【0005】
【特許文献1】
特開平2−294587号公報。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、二酸化炭素を冷媒として用いた場合、密閉容器内の圧力が極めて高圧となるため、密閉容器の耐圧強度が問題となる。一方、ロータリコンプレッサはその能力に応じて密閉容器の寸法が異なってくるが、従来は外径寸法の小さい容器本体にはそれに合わせた比較的小さい径のエンドキャップを、また、外径寸法の大きい容器本体にはそれに合わせた大きい径のエンドキャップをそれぞれ準備していた。
【0007】
しかしながら、エンドキャップが大きくなれば、耐圧強度を確保するためにその分厚さ寸法を厚くする必要があるなどの問題が生じるため、生産コストが高騰していた。
【0008】
本発明は係る従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、密閉容器の耐圧強度を確保しながら生産コストを抑えることができる密閉式圧縮機を提供することを特徴とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明では、密閉容器を構成する容器本体及びこの容器本体の端部開口を閉塞するエンドキャップを備え、容器本体の端部開口内側にスペーサを溶接固定すると共に、このスペーサに形成された溝にエンドキャップを挿入し、その状態で当該スペーサにエンドキャップを溶接固定するようにしたので、例えば、外径寸法の小さい圧縮機に使用されるエンドキャップを、外径寸法の大きい圧縮機の容器本体に兼用することができ、部品の共通化を図ることができる。
【0010】
特に、請求項2の如く電動要素に給電するためのターミナルが取り付けられ、耐圧設計が困難となるエンドキャップを、外径寸法の大きい圧縮機において重厚な設計をする必要が無くなる。
【0011】
また、スペーサを容器本体の端部開口内側に溶接固定しているので、密閉容器全体の耐圧強度の低下も生じない。更に、スペーサに溝を形成し、この溝内にエンドキャップを挿入しているので、エンドキャップの組み付け時の位置決めが容易となる。
【0012】
更にまた、請求項3の如くスペーサの溝の深さを、エンドキャップの端部が容器本体の端部開口縁より当該容器本体内に進入する寸法とすることで、容器本体の端部開口部分では容器本体−スペーサ−エンドキャップが相互に重合することになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の密閉式圧縮機の一実施例としての内部中間圧型多段(二段)圧縮式のロータリコンプレッサ10の縦断面図を示している。
【0014】
図中、10は二酸化炭素(CO)を冷媒として使用する内部中間圧型多段(二段)圧縮式のロータリコンプレッサで、このロータリコンプレッサ10は鋼板からなる円筒状の密閉容器12と、この密閉容器12の内部空間の上側に配置収納された電動要素14及びこの電動要素14の下側に配置され、電動要素14の回転軸16により駆動される第1の回転圧縮要素32(1段目)及び第2の回転圧縮要素34(2段目)からなる回転圧縮機構部18にて構成されている。
【0015】
密閉容器12は、底部をオイル溜めTとし、電動要素14と回転圧縮機構部18を収納する容器本体12Aと、この容器本体12Aの上部開口を閉塞する略椀状のエンドキャップ(蓋体)12Bとで構成されている。このエンドキャップ12Bの上面中心には円形の取付孔12Dが形成されており、この取付孔12Dには電動要素14に電力を供給するためのターミナル(配線を省略)20が取り付けられている。尚、エンドキャップ12Bのターミナル20と反対側は開口しており、容器本体12Aの上部開口はエンドキャップ12Bの開口にて閉塞される。
【0016】
エンドキャップ12Bのターミナル20周囲には、座押成形によって所定曲率の段差部12Cが環状に形成されている。また、ターミナル20は端子139、139が貫通して取り付けられた円形のガラス部20Aと、このガラス部20Aの周囲に形成され、斜め外下方に鍔状に張り出した金属製の取付部20Bとから構成されている。そして、ターミナル20は、そのガラス部20Aを下側から取付孔12Dに挿入して上側に臨ませ、取付部20Bを取付孔12Dの周縁に当接させた状態でエンドキャップ12Bの取付孔12D周縁に取付部20Bを溶接することで、エンドキャップ12Bに固定されている。
【0017】
電動要素14は、密閉容器12の上部空間の内周面に沿って環状に取り付けられたステータ22と、このステータ22の内側に若干の間隙を設けて挿入配置されたロータ24とから構成されている。このロータ24は中心を通り鉛直方向に延びる回転軸16に固定されている。
【0018】
ステータ22は、ドーナッツ状の電磁鋼板を積層した積層体26と、この積層体26に形成された図示しない歯部に直巻き(集中巻き)方式により巻装されたステータコイル28を有している。また、ロータ24もステータ22と同様に電磁鋼板の積層体30で形成され、この積層体30内に永久磁石MGを挿入して構成されている。
【0019】
前記第1の回転圧縮要素32と第2の回転圧縮要素34との間には中間仕切板36が挟持されている。即ち、第2の回転圧縮要素34と第1の回転圧縮要素34は、中間仕切板36と、この中間仕切板36の上下に配置されたシリンダ38、シリンダ40と、この上下シリンダ38、40内を180度の位相差を有して回転軸16に設けられた上下偏心部42、44に嵌合されて偏心回転する上下ローラ46、48と、この上下ローラ46、48に当接して上下シリンダ38、40内をそれぞれ低圧室側と高圧室側に区画する後述する上下ベーン(図示せず)と、上シリンダ38の上側(電動要素14側)の開口面及び下シリンダ40の下側(電動要素14とは反対側)の開口面を閉塞して回転軸16の軸受けを兼用する支持部材としての上部支持部材54及び下部支持部材56にて構成される。
【0020】
上部支持部材54および下部支持部材56には、吸込ポート161、162にて上下シリンダ38、40の内部とそれぞれ連通する吸込通路58、60と、凹陥した吐出消音室62、64が形成されると共に、これら両吐出消音室62、64の開口部はそれぞれカバーにより閉塞される。即ち、吐出消音室62はカバーとしての上部カバー66、吐出消音室64はカバーとしての下部カバー68にて閉塞される。
【0021】
この場合、上部支持部材54の中央には電動要素14方向に突出する長軸受けとなる軸受け54Aが起立形成されており、この軸受け54A内面には筒状のブッシュ122が装着されている。このブッシュ122は、回転軸16と軸受け54A間に介在し、当該ブッシュ122の内面が回転軸16に摺動自在に接触している。ブッシュ122は給油が不十分な状況でも良好な摺動性を保持できる耐摩耗性の高いカーボン材料にて構成されている。
【0022】
また、下部支持部材56の中央には軸受け54Aと比較して短軸受けとなる軸受け56Aが貫通形成されており、この軸受け56A内面にもブッシュ122同様のブッシュ124が装着されている。このブッシュ124も、回転軸16と軸受け56A間に介在し、当該ブッシュ124の内面が回転軸16に摺動自在に接触している。これにより、回転軸16は、回転圧縮機構部18の電動要素14側(上側)ではブッシュ122を介して上部支持部材54の軸受け54Aに保持され、電動要素14と反対側(下側)はブッシュ124を介して下部支持部材56の軸受け56Aに保持される。
【0023】
下部カバー68は、ドーナッツ状の円形鋼板から構成されており、周辺部の4カ所を主ボルト129・・・によって下から下部支持部材56に固定され、第1の回転圧縮要素32の下シリンダ40内部と連通する吐出消音室64の下面開口部を閉塞する。この主ボルト129・・・の先端は上部支持部材54に螺合する。
【0024】
尚、吐出消音室64と密閉容器12内における上部カバー66の電動要素14側は、上下シリンダ38、40や中間仕切板36を貫通する孔である図示しない連通路にて連通されている。この連通路の上端には中間吐出管121が立設されており、この中間吐出管121は上方の電動要素14のステータ22に巻装された相隣接するステータコイル28、28間の隙間に指向している。
【0025】
また、上部カバー66は第2の回転圧縮要素34の上シリンダ38内部と連通する吐出消音室62の上面開口部を閉塞し、密閉容器12内を吐出消音室62と電動要素14側とに仕切る。この上部カバー66は周辺部が4本の主ボルト78・・・により、上から上部支持部材54に固定されている。この主ボルト78・・・の先端は下部支持部材56に螺合する。
【0026】
次に、上シリンダ38の下側の開口面及び下シリンダ40の上側の開口面を閉塞する中間仕切板36内には、上シリンダ38内の吸込側に対応する位置に、外周面から内周面に至り、外周面と内周面とを連通して給油路を構成する貫通孔(図示せず)が穿設されており、この貫通孔の中途部には上側に延在する図示しない連通孔が穿設されている。
【0027】
一方、上シリンダ38の吸込ポート161(吸込側)には中間仕切板36の連通孔に連通する連通孔(図示せず)が穿設されている。また、回転軸16内には軸中心に鉛直方向に設けられたオイル孔(図示せず)と、このオイル孔に連通する横方向の給油孔82、84が形成(図示しないが回転軸16の上下偏心部42、44にも給油孔が形成されている)されており、中間仕切板36の貫通孔の内周面側の開口は、これらの給油孔82、84を介して前記オイル孔に連通している。
【0028】
そして、密閉容器12内は後述する如く中間圧となるため、2段目で高圧となる上シリンダ38内にはオイルの供給が困難となるが、中間仕切板36を係る構成としたことにより、密閉容器12内底部のオイル溜めTから汲み上げられたオイルは、前記オイル孔を上昇して給油孔82、84から出て中間仕切板36の貫通孔に入り、連通孔から上シリンダ38の吸込側(吸込ポート161)に供給される。
【0029】
ところで、回転軸16と一体に180度の位相差を持って形成される上下偏心部42、44の相互間を連結する連結部90は、その断面形状を回転軸16の円形断面より断面積を大きくして剛性を持たせるために非円形状の例えばラグビーボール状とされている。即ち、回転軸16に設けた上下偏心部42、44を連結する連結部90の断面形状は上下偏心部42、44の偏心方向に直交する方向でその肉厚を大きくしている。
【0030】
これにより、回転軸16に一体に設けられた上下偏心部42、44を連結する連結部90の断面積を大きくし、断面2次モーメントを増加させて強度(剛性)を増し、耐久性と信頼性を向上させている。特に、使用圧力の高い冷媒を2段圧縮する場合、高低圧の圧力差が大きくなるために回転軸16にかかる荷重も大きくなるが、連結部90の断面積を大きくしてその強度(剛性)を増しているので、回転軸16が弾性変形してしまうのを防止できる。
【0031】
そして、このロータリコンプレッサ10には冷媒としては地球環境にやさしく、可燃性および毒性等を考慮して自然冷媒である前記二酸化炭素(CO)を使用し、潤滑油としてのオイルは、例えば鉱物油(ミネラルオイル)、アルキルベンゼン油、エーテル油、エステル油等既存のオイルが使用される。
【0032】
密閉容器12の容器本体12Aの側面には、上部支持部材54と下部支持部材56の吸込通路58、60、吐出消音室62及び上部カバー66の上側(電動要素14の下端に略対応する位置)に対応する位置に、スリーブ141、142、143及び144がそれぞれ溶接固定されている。スリーブ141と142は上下に隣接すると共に、スリーブ143はスリーブ141の略対角線上にある。また、スリーブ144はスリーブ141と略90度ずれた位置にある。
【0033】
そして、スリーブ141内には上シリンダ38に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管92の一端が挿入接続され、この冷媒導入管92の一端は上シリンダ38の吸込通路58に連通される。この冷媒導入管92は密閉容器12の外側を通過してスリーブ144に至り、他端はスリーブ144内に挿入接続されて密閉容器12内に連通する。
【0034】
また、スリーブ142内には下シリンダ40に冷媒ガスを導入するための冷媒導入管94の一端が挿入接続され、この冷媒導入管94の一端は下シリンダ40の吸込通路60に連通される。また、スリーブ143内には冷媒吐出管96が挿入接続され、この冷媒吐出管96の一端は吐出消音室62に連通される。
【0035】
また、スリーブ141、143、144の外面周囲には配管接続用のカプラが係合可能な鍔部151(スリーブ144の鍔部は図示せず)が形成されており、スリーブ142の外面には配管接続用のネジ溝152が形成されている。これにより、スリーブ141、143、144にはロータリコンプレッサ10の製造工程における完成検査で気密試験を行う場合に試験用配管の図示しないカプラを鍔部151に容易に接続できるようになると共に、スリーブ142にはネジ溝152を使用して試験用配管を容易にネジ止めできるようになる。特に、上下で隣接するスリーブ141と142は、一方のスリーブ141に鍔部151が、他方のスリーブ142にネジ溝152が形成されていることで、狭い空間で試験用配管を各スリーブ141、142に接続可能となる。
【0036】
そして、このように構成されたロータリコンプレッサ10は、例えば図4に示すような冷蔵庫、ルームエアコン、カーエアコン、パッケージエアコンなどの冷却システム153の冷媒回路に使用される。即ち、ロータリコンプレッサ10の冷媒吐出管96はガスクーラ154の入口に接続される。このガスクーラ154を出た配管は減圧装置としての膨張弁156を経て蒸発器157の入口に至り、蒸発器157の出口は冷媒導入管94に接続される。尚、158はデフロスト管であり、冷媒導入管92の中途部から分岐し、電磁弁159を介してガスクーラ154入口に接続されている。
【0037】
次に、前記密閉容器12のエンドキャップ12Bの容器本体12Aへの取り付け構造を説明する。本発明ではエンドキャップ12Bは容器本体12Aにスペーサ110を介して取り付けられる。スペーサ110は、ドーナッツ状(環状)の鋼材から構成されており、その外径寸法は密閉容器12の端部開口内側に略隙間無く挿入可能な寸法とされている(図2、図3)。
【0038】
このスペーサ110の上面には全周に渡って溝112が形成されており、この溝112は、上面に開口して所定の深さで彫り込まれている。また、溝112は、例えば外径寸法の小さいロータリコンプレッサ10に用いられる密閉容器12のエンドキャップ12Bの開口端部が略隙間無く挿入可能な全体形状(円形)と幅を有している。即ち、溝112はスペーサ110の外周面から所定寸法中心側に位置して設けられると共に、外径寸法の小さい密閉容器12のエンドキャップ12Bの開口端部と同径の大きさに形成され、エンドキャップ12Bの開口端部が進入できる幅で構成されている。
【0039】
そして、外径寸法の大きいロータリコンプレッサ10の密閉容器12の容器本体12Aの端部開口内側にスペーサ110は挿入される。このとき、スペーサ110を容器本体12Aの開口端部の面一まで挿入せず少許溶接代を残して開口から突出させる。即ち、スペーサ110の周囲外面を均一寸法で露出させ、スペーサ110の全周囲を容器本体12Aの端部開口縁に溶接することで、スペーサ110は容器本体12Aに固定される。尚、スペーサ110外面に位置決め用の形状を施してもよい。その場合は、外面の一部を突出させ、図1の如くスペーサ110が容器本体12A内に所定寸法進入した状態で容器本体12Aの開口縁に当該突出部が載るようにすればよい。
【0040】
そして、スペーサ110が容器本体12Aに固定された状態で、スペーサ110の溝112の底面112Aは、容器本体12Aの開口縁より所定寸法内側(下方の電動要素14側)に位置する。
【0041】
次に、エンドキャップ12Bをスペーサ110の溝112に挿入し、エンドキャップ12Bの開口下端を溝112の底面112Aに当接させ、エンドキャップ12B周囲(全周)をスペーサ110に溶接固定する。この場合、エンドキャップ12Bの開口端部を容器本体12Aの開口端部より所定寸法底部方向に位置させているので、容器本体12Aの端部開口部分は、容器本体12Aの開口端部とスペーサ110(この場合、溝112の両側壁)とエンドキャップ12Bの開口端部とが重合することになる。これにより、密閉容器12の強度を更に向上させることができる。尚、容器本体12Aに予めスペーサ110を挿入すると共に、スペーサ110の溝112にエンドキャップ12Bを挿入して置き、その後容器本体12Aとスペーサ110、スペーサ110とエンドキャップ12Bを同時に二周で溶接固定しても差し支えない。
【0042】
次に図4を参照して動作を説明する。尚、冷却運転では電磁弁159は閉じているものとする。ターミナル20および図示されない配線を介して電動要素14のステータコイル28に通電されると、電動要素14が起動してロータ24が回転する。この回転により回転軸16と一体に設けた上下偏心部42、44に嵌合された上下ローラ46、48が上下シリンダ38、40内を偏心回転する。
【0043】
これにより、冷媒導入管94より下部支持部材56に形成された吸込通路60を経由して吸込ポート162から下シリンダ40の低圧室側に吸入された低圧(一段目吸入圧LP:4MPaG)の冷媒ガスは、ローラ48とベーンの動作により圧縮されて中間圧(MP1:8MPaG)となり下シリンダ40の高圧室側より下部支持部材56に形成された吐出消音室64に吐出され、連通路63を経て中間吐出管121から密閉容器12内に吐出される。
【0044】
このとき、中間吐出管121は上方の電動要素14のステータ22に巻装された相隣接するステータコイル28、28間の隙間に指向しているので、未だ比較的温度の低い冷媒ガスを電動要素14方向に積極的に供給できるようになり、電動要素14の温度上昇が抑制されるようになる。これによって、密閉容器12内は中間圧(MP1)となる。
【0045】
そして、密閉容器12内の中間圧の冷媒ガスは、スリーブ144から出て(中間吐出圧は前記MP1)冷媒導入管92及び上部支持部材54に形成された吸込通路58を経由して吸込ポート161から上シリンダ38の低圧室側に吸入される(2段目吸入圧MP2)。上シリンダ38の低圧室側に吸入された中間圧の冷媒ガスは、ローラ46とベーンの動作により2段目の圧縮が行われて高温高圧の冷媒ガスとなり(2段目吐出圧HP:12MPaG)、高圧室側から上部支持部材54に形成された吐出消音室62、冷媒吐出管96を経由してガスクーラ154内に流入する。
【0046】
そして、冷媒はガスクーラ154で放熱し、膨張弁156で減圧された後、蒸発器157に流入する。蒸発器157に流入した冷媒はそこで蒸発し、その時に周囲から熱を吸収することにより冷蔵庫、ルームエアコン、カーエアコン、パッケージエアコンなどの冷却作用を発揮する。蒸発器157を出た冷媒は冷媒導入管94から第1の回転圧縮要素32内に吸い込まれるサイクルを繰り返す。
【0047】
このように、容器本体12Aの端部開口内側にスペーサ110を溶接固定すると共に、このスペーサ110に形成した溝112にエンドキャップ12Bを挿入し、挿入したエンドキャップ12Bとスペーサ110とを溶接固定しているので、外径寸法の小さい密閉容器と外径寸法の大きい密閉容器12に使用するエンドキャップ12Bの共通化を図ることが可能となる。これにより、密閉容器12の生産コストアップを抑えることができるようになる。
【0048】
また、外径の小さいエンドキャップ12Bを外径寸法の大きい容器本体12Aに使用することができるので、電動要素14に給電するためのターミナル20が取り付けられたエンドキャップ12Bの厚さを厚くするなど耐圧設計を厳しくする必要がなくなると共に、エンドキャップ12Bをスペーサ110の溝112内に挿入して溶接固定しているので、スペーサ110と溶接固定により密閉容器12周囲の厚さを増すことができる。これにより、容器本体12Aの強度を大幅に向上させることが可能となる。
【0049】
特に、容器本体12Aの強度を向上させることができるので、密閉容器12の変形を抑えることができ、ロータリコンプレッサ10の大型化にも有効である。また、スペーサ110にエンドキャップ12Bを挿入する溝112を設けているので、エンドキャップ12Bの組み付け時の位置決めが容易となり、ロータリコンプレッサ10の組立作業性を一層向上させることができる。
【0050】
また、スペーサ110の溝112の深さ及び幅を、エンドキャップ12Bの開口端部が所定寸法進入できる寸法(容器本体12Aの開口端部より所定寸法底部方向に位置させた寸法)とすると共に、スペーサ110の外径を容器本体12Aの端部開口縁より所定寸法容器本体12A内に進入する寸法としているので、容器本体12Aの端部開口部分は、容器本体12Aの開口端部とスペーサ110(この場合、溝112の両側壁)とエンドキャップ12Bの開口端部とをそれぞれ所定寸法重合させることができる。これにより、密閉容器12の強度を大幅に向上させることができる。
【0051】
尚、実施例では密閉式圧縮機を二段圧縮式のロータリコンプレッサ10で説明したが、密閉式圧縮機はそれに限られず、単シリンダ型のロータリコンプレッサ、或いは、三段、四段と更に多段に圧縮するロータリコンプレッサ或いはスクロールやレシプロタイプのコンプレッサに適用しても本発明は有効である。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明によれば、容器本体の端部開口内側にスペーサを溶接固定すると共に、このスペーサに形成された溝にエンドキャップを挿入し、その状態で当該スペーサにエンドキャップを溶接固定したので、例えば、外径寸法の小さい圧縮機に使用されるエンドキャップを、外径寸法の大きい圧縮機の容器本体に兼用することができるようになる。これにより、部品の共通化を図って密閉式圧縮機の生産コストを著しく抑えることができるようになる。
【0053】
特に、請求項2の如く電動要素に給電するためのターミナルが取り付けられ、耐圧設計が困難となるエンドキャップを、外径寸法の大きい圧縮機において重厚な設計をする必要が無くなるので、これによってもコストの削減が図られる。
【0054】
また、スペーサを容器本体の端部開口内側に溶接固定しているので、密閉容器全体の耐圧強度の低下も生じない。更に、スペーサに溝を形成し、この溝内にエンドキャップを挿入しているので、エンドキャップの組み付け時の位置決めが容易となる。これにより、組立作業性を一層向上させることができるようになると共に、溝との係合が強度の向上にも貢献するものである。
【0055】
更にまた、請求項3の如くスペーサの溝の深さを、エンドキャップの端部が容器本体の端部開口縁より当該容器本体内に進入する寸法とすることで、容器本体の端部開口部分では容器本体−スペーサ−エンドキャップが相互に重合することになる。これにより、更なる強度の向上を図り、密閉容器の変形を抑えることができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した密閉式圧縮機の一実施例としての内部中間圧型多段(二段)圧縮式のロータリコンプレッサの縦断面図である。
【図2】本発明の密閉式圧縮機に使用するスペーサの斜視図である。
【図3】図2のスペーサの縦断側面図である。
【図4】図1のロータリコンプレッサを具備した一実施例の冷却システムの冷媒回路図である。
【符号の説明】
10 ロータリコンプレッサ
12 密閉容器
12A 容器本体
12B エンドキャップ
14 電動要素
18 回転圧縮機構部
32 第1の回転圧縮要素
34 第2の回転圧縮要素
38、40 シリンダ
92、94 冷媒導入管
96 冷媒吐出管
110 スペーサ
112 溝
112A 底面

Claims (3)

  1. 密閉容器内に電動要素と該電動要素にて駆動される圧縮要素とを収納して成る密閉式圧縮機において、
    前記密閉容器を構成する容器本体及びこの容器本体の端部開口を閉塞するエンドキャップを備え、
    前記容器本体の端部開口内側にスペーサが溶接固定されると共に、該スペーサに形成された溝に前記エンドキャップは挿入され、その状態で当該スペーサに前記エンドキャップは溶接固定されていることを特徴とする密閉式圧縮機。
  2. 前記エンドキャップには、前記電動要素に給電するためのターミナルが取り付けられていることを特徴とする請求項1の密閉式圧縮機。
  3. 前記スペーサの溝の深さを、前記エンドキャップの端部が前記容器本体の端部開口縁より当該容器本体内に進入する寸法としたことを特徴とする請求項1又は請求項2の密閉式圧縮機。
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