JP2004250442A - エンドセリン血中濃度低下剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】 エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬を提供する。
【解決手段】 エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬であって、下記一般式(1)で表わされるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
【化1】
〔R1 は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C5のアルコキシ基、又はC2〜C6のジアルキルアミノ基を表わし、R2は水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C5のアルコキシ基を表わし、R3は水素原子、ヒドロキシル基、−O−(CH2)n−COOH(nは1〜5の整数を表わす。)、又はO−CO−(CH2)l−COOH(lは1〜3の整数を表わす。)を表わし、R4は−N(R5)(R6)(R5及びR6は水素原子又はC1〜C8のアルキル基を表わす。)などを表わし、mは0〜5の整数を表わす。〕
【選択図】 なし
【解決手段】 エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬であって、下記一般式(1)で表わされるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
【化1】
〔R1 は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C5のアルコキシ基、又はC2〜C6のジアルキルアミノ基を表わし、R2は水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C5のアルコキシ基を表わし、R3は水素原子、ヒドロキシル基、−O−(CH2)n−COOH(nは1〜5の整数を表わす。)、又はO−CO−(CH2)l−COOH(lは1〜3の整数を表わす。)を表わし、R4は−N(R5)(R6)(R5及びR6は水素原子又はC1〜C8のアルキル基を表わす。)などを表わし、mは0〜5の整数を表わす。〕
【選択図】 なし
Description
本発明はエンドセリンの血中濃度を低下させる医薬に関する。
エンドセリン(以下、本明細書において「ET」と略す場合がある)は血管内皮細胞由来の血管収縮物質として見出されたペプチドホルモンである。ヒトETにはアミノ酸2ないし6個の差異で3種類のアイソペプチドが知られており、それぞれET−1、ET−2、及びET−3と命名されている。これらのうち、血管内皮細胞において合成及び分泌されるのはET−1のみであり、末梢血中に存在するのはET−1、ET−3、及び前駆体であるbigETである。ETは高血圧をはじめとする循環器疾患、血管傷害を合併する糖尿病や膠原病などにおいて高値を示すことが知られている。
一方、下記式(2):
で表される塩酸サルポグレラートに代表される特定構造のアミノプロポキシビベンジル類は5HT2受容体に高い選択性を示し、血圧にほとんど影響を与えないことが報告されており、さらに、重篤な副作用もほとんどなく、高い安全性を示す薬剤である。塩酸サルポグレラートについては、これまで脳循環障害、虚血性心疾患、末梢循環障害等の疾患における、血栓生成及び血管収縮に基づく種々の微小循環障害の改善に有効であることが知られている(特開平2−304022号公報)。
臨床において、塩酸サルポグレラートが膠原病患者におけるレイノー症状に有効であることが知られている(平成11年度セロトニン(5-HT2)研究会報告)。また、塩酸サルポグレラートが皮膚結節性多発動脈炎(CPN、結節性動脈周囲炎と呼ばれる場合もある)における血漿セロトニン濃度を低下させることも報告されている(平成10年度セロトニン(5-HT2)研究会報告)。さらに、塩酸サルポグレラートと血管動作物質との関連については、セロトニンとET−1との組み合わせにより惹起される血管平滑筋細胞増殖が塩酸サルポグレラートの前処置により抑制されることが示されている(J. Hypertens, 19, pp.731-739, 2001)。しかしながら、塩酸サルポグレラートがエンドセリンの血中濃度を低下させることは従来知られていない。
本発明の課題は、エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬を提供することにある。
種々の血管動作物質が相互作用することにより血管平滑筋細胞の増殖が加速されることが知られている。例えば、それぞれ単独では細胞増殖を惹起しない低濃度のトロンボキサンA2とセロトニンとを組み合わせることによりイヌ大動脈血管平滑筋細胞の増殖が顕著に増加することが報告されており(Circulation, 96, pp.2280-2286, 1997)、それぞれ単独では細胞増殖を促進させない低濃度でエンドセリン−1とセロトニンとを組み合わせることにより、セロトニンが引き起こす血管平滑筋細胞増殖作用が顕著に増強されることも知られている(J. Hypertens, 19, pp.731-739, 2001)。
このような観点から、ともに血管動作物質であるエンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させることは血管疾患などの予防及び/又は治療に有用である。従って、本発明の別の課題は、エンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる医薬を提供することにある。
種々の血管動作物質が相互作用することにより血管平滑筋細胞の増殖が加速されることが知られている。例えば、それぞれ単独では細胞増殖を惹起しない低濃度のトロンボキサンA2とセロトニンとを組み合わせることによりイヌ大動脈血管平滑筋細胞の増殖が顕著に増加することが報告されており(Circulation, 96, pp.2280-2286, 1997)、それぞれ単独では細胞増殖を促進させない低濃度でエンドセリン−1とセロトニンとを組み合わせることにより、セロトニンが引き起こす血管平滑筋細胞増殖作用が顕著に増強されることも知られている(J. Hypertens, 19, pp.731-739, 2001)。
このような観点から、ともに血管動作物質であるエンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させることは血管疾患などの予防及び/又は治療に有用である。従って、本発明の別の課題は、エンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる医薬を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表わされるアミノアルコキシビベンジル類が血中のエンドセリン濃度を低下させる作用を有することを見出した。また、上記の物質が、血中のエンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる作用を有することも見出した。本発明はこれらの知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明は、エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬であって、下記一般式(1)で表わされるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬を提供するものである。
〔式中、R1 は水素原子、ハロゲン原子、C1〜C5のアルコキシ基、又はC2〜C6のジアルキルアミノ基を表わし、R2は水素原子、ハロゲン原子又はC1〜C5のアルコキシ基を表わし、R3は水素原子、ヒドロキシル基、−O−(CH2)n−COOH(式中、nは1〜5の整数を表わす。)、又はO−CO−(CH2)l−COOH(式中、lは1〜3の整数を表わす。)を表わし、R4は−N(R5)(R6)(式中、R5及びR6はそれぞれ独立して水素原子又はC1〜C8のアルキル基を表わす。)又は
(式中、Aはカルボキシル基で置換されていてもよいC3〜C5のアルキレン基を表わす。)を表わし、mは0〜5の整数を表わす。〕
本発明の好ましい態様によれば、エンドセリンがエンドセリン−1である上記の医薬;エンドセリンとセロトニンの血中濃度を同時に低下させる上記の医薬;膠原病においてエンドセリンの血中濃度を同時に低下させるために用いる上記の医薬;膠原病がレイノー病、レイノー症候群、又は皮膚結節性多発動脈炎である上記の医薬;アミノアルコキシビベンジル類が下記(2)で表わされる化合物である上記の医薬;
アミノアルコキシビベンジル類が下記(3)で表わされる化合物である上記の医薬;
及び、塩酸塩の形態の上記の医薬が提供される。
さらに別の観点からは、エンドセリンの血中濃度上昇を伴う疾患の予防及び/又は治療のために用いる上記の医薬;エンドセリンの血中濃度上昇に起因する疾患の予防及び/又は治療のために用いる上記の医薬;エンドセリン及びセロトニンの血中濃度の同時上昇を伴う疾患の予防及び/又は治療のために用いる上記の医薬;エンドセリン及びセロトニンの血中濃度の同時上昇に起因する疾患の予防及び/又は治療のために用いる上記の医薬が本発明により提供される。好ましくは、該疾患は、本態性高血圧、冠動脈疾患、動脈硬化症、バージャー病、高安病、糖尿病、膠原病、急性腎不全、敗血症、又は広汎性血管内凝固である。また、上記の医薬の製造のための上記一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の使用も本発明により提供される。
本発明のさらに別の観点からは、エンドセリンの血中濃度を低下させる方法、好ましくはエンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる方法であって、ヒトを含む哺乳類動物に上記一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の有効量を投与する工程を含む方法;エンドセリンの血中濃度の上昇を伴う疾患、好ましくはエンドセリン及びセロトニンの血中濃度の同時上昇を伴う疾患の予防及び/又は治療方法であって、ヒトを含む哺乳類動物に上記一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量を投与する工程を含む方法;及び、エンドセリンの血中濃度上昇に起因する疾患、好ましくはエンドセリン及びセロトニンの血中濃度の同時上昇に起因する疾患の予防及び/又は治療方法であって、ヒトを含む哺乳類動物に上記一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質の予防及び/又は治療有効量を投与する工程を含む方法が提供される。
本発明の医薬は、上記一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む。
R1は水素原子;塩素原子、弗素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のC1〜C5のアルコキシ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等のC2〜C6のジアルキルアミノ基を示す。R2は水素原子;塩素原子、弗素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等のC1〜C5のアルコキシ基を示す。R3は水素原子;ヒドロキシル基;−O−(CH2)2 −COOH、−O−(CH2)3−COOH等の−O−(CH2)n−COOH(式中、nは1〜5の整数を示す);−O−CO−(CH2)2−COOH、−O−CO−(CH2)3−COOH等の−O−CO−(CH2)l−COOH(式中、lは1〜3の整数を示す)を示す。R4はアミノ基、若しくはメチルアミノ基、エチルアミノ基、ブチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、メチルエチルアミノ基等の炭素数1〜8のアルキル基を1〜2個有するアミノ基を示すか、又はトリメチレンアミノ基、ペンタメチレンアミノ基、3−カルボキシペンタメチレンアミノ基等の環にカルボキシル基が置換していてもよい4〜6員のポリメチレンアミノ基を表わす。
上記一般式(1)に包含される化合物のうち、本発明に好ましく用いられる化合物のいくつかを表−1に示す。
これらのなかでも、アミノアルコキシ基−OCH2C(R3)H−(CH2)m−R4がフェニル基の2−位に結合している化合物が好ましい。また、R1は水素原子、C1〜C5のアルコキシ基、又はC2〜C6のジアルキルアミノ基が好ましく、R2は水素原子が好ましく、R4は少なくとも1個のC1〜C8のアルキル基を有するアミノ基又はトリメチレン基ないしはペンタメチレン基を有する4〜6員のポリメチレンアミノ基であるのが好ましく、mは0〜2の整数であることが好ましい。特に好ましいのは、R1がメトキシ基であり、R2が水素原子であり、R3が水酸基であり、R4がジメチルアミノ基であるNo.15の化合物(以下、本明細書においてこの化合物を「M−1」と呼ぶ場合がある)及びそのコハク酸エステルであるNo.14の化合物である。
一般式(1)で表わされる化合物の薬学的に許容される塩を形成する酸としては、例えば塩化水素酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸、酢酸、コハク酸、アジピン酸、プロピオン酸、酒石酸、マレイン酸、蓚酸、クエン酸、安息香酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等が用いられる。また、一般式(1)で表わされる化合物又は薬学的に許容されるその塩の溶媒和物又は水和物も用いることができる。これらのうちで特に好ましいのは、下記式(4)で表わされる(±)−1−〔O−〔2−(m−メトキシフェニル)エチル〕フェノキシ〕−3−(ジメチルアミノ)−2−プロピル水素スクシナートの塩酸塩である(以下、本明細書において、この物質を「塩酸サルポグレラート」ということもある)。
一般式(1)で表されるアミノアルコキシビベンジル類、並びに薬学的に許容されるその塩及びそのエステルは公知であり、特開昭58−32847号公報に記載の方法又はそれに準じた方法により容易に合成できる。なお、上記式(4)で表される塩酸サルポグレラートは、三菱ウェルファーマ株式会社より「アンプラーグ(登録商標)」として市販されており、本発明においては市販の「アンプラーグ」をそのまま使用することも可能である。
本発明の医薬は、エンドセリンの血中濃度を低下させる作用を有しており、好ましくはエンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる作用を有している。本明細書において「エンドセリン」という用語には3種類のアイソペプチドであるET−1、ET−2、及びET−3が包含されるが、これらのうちET−1が好ましい。ET−1が高値を示す疾患としては、例えば、本態性高血圧、冠動脈疾患、血管傷害(動脈硬化症、バージャー病、高安病など)、糖尿病、膠原病(レイノー病、レイノー症候群、皮膚結節性多発動脈炎)、急性腎不全、敗血症、広汎性血管内凝固などが挙げられ、これらはいずれも本発明の医薬の適用対象である。
本発明の医薬の好ましい適用対象として、特に膠原病を挙げることができる。膠原病に包含される疾患のうち、レイノー病(「一次性レイノー症状」と呼ばれる場合もあり、基礎疾患がなく、機能的な小動脈収縮によるものである)、レイノー症候群(「2次性レイノー症状」と呼ばれる場合もあり、レイノー病以外の種々の疾患に合併して生じる症状のことである)、皮膚結節性多発動脈炎(結節性動脈周囲炎と呼ばれる場合もあり、四肢とくに下肢における皮下結節、網状皮斑、皮膚潰瘍などの皮膚症状を主徴とする血管炎の1型である)などを挙げることができる。また、皮膚結節性多発動脈炎に併発するレイノー症候群なども本発明の医薬の好ましい適用対象である。
本発明の医薬の投与方法は当業者が適宜選択可能である。例えば、皮下注射、静脈内注射、筋肉注射、腹腔内注射等の非経口投与、又は経口投与のいずれの投与経路を選択することも可能である。投与量は患者の年齢、健康状態、体重などの条件、同時に投与される医薬がある場合にはその種類や投与頻度などの条件、あるいは所望の効果の性質等により適宜決定することができる。一般的には、有効成分の1日投与量は0.5〜50mg/kg体重、通常1〜30mg/kg体重であり、一日あたり1回あるいはそれ以上投与することができる。
本発明の医薬は、上記の有効成分と1種又は2種以上の製剤用添加物とを含む医薬組成物を調製して投与することが好ましい。経口投与に適した医薬組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、粉剤、液剤、エリキシル剤等を挙げることができ、非経口投与に適した医薬組成物としては、例えば、液剤あるいは懸濁化剤等の殺菌した液状の形態の医薬組成物を例示することができる。
医薬組成物の調製に用いられる製剤用添加物の種類は特に制限されず、種々医薬組成物の形態に応じて適宜の製剤用添加物を選択することが可能である。製剤用添加物は固体又は液体のいずれであってもよく、例えば固体担体や液状担体などを用いることができる。固体担体の例としては通常のゼラチンタイプのカプセルを用いることができる。また、例えば、有効成分を1種又は2種以上の製剤用添加物とともに、あるいは製剤用添加物を用いずに錠剤化することができ、あるいは粉末として調製して包装することができる。これらのカプセル、錠剤、粉末は、一般的には製剤の全重量に対して5〜95重量%、好ましくは5〜90重量%の有効成分を含むことができ、投与単位形態は5〜500mg、好ましくは25〜250mgの有効成分を含有するのがよい。液状担体としては水、あるいは石油、ピーナツ油、大豆油、ミネラル油、ゴマ油等の動植物起源の油又は合成の油が用いられる。また、一般に生理食塩水、デキストロールあるいは類似のショ糖溶液、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類が液状担体として好ましく、特に生理食塩水を用いた注射液の場合には通常0.5〜20%、好ましくは1〜10%重量の有効成分を含むように調製することができる。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。なお、以下で用いた塩酸サルポグレラートとしては、三菱ウェルファーマ株式会社から市販されている「アンプラ−グ(登録商標)」を使用した。
例1
皮膚結節性多発動脈炎患者(2名)の臨床症状増悪時と改善時におけるセロトニン(5HT)及びエンドセリン(ET)の血中濃度を測定した。患者に塩酸サルポグレラート(300 mg/day)を投与した。エンドセリン及びセトロニンは健常人に比較して増悪期において有意に高値であったが、塩酸サルポグレラートの投与後、全例で血中濃度が低下した。また、相関した臨床症状の改善が認められた。結果を下記の表及び図1に示す。
例1
皮膚結節性多発動脈炎患者(2名)の臨床症状増悪時と改善時におけるセロトニン(5HT)及びエンドセリン(ET)の血中濃度を測定した。患者に塩酸サルポグレラート(300 mg/day)を投与した。エンドセリン及びセトロニンは健常人に比較して増悪期において有意に高値であったが、塩酸サルポグレラートの投与後、全例で血中濃度が低下した。また、相関した臨床症状の改善が認められた。結果を下記の表及び図1に示す。
例2
下記の表に示す男女4名につき、臨床症状増悪時と改善時におけるエンドセリン(ET)の血中濃度を測定した。患者に塩酸サルポグレラート(100 mg×3回/day)を投与した。エンドセリンは健常人に比較して増悪期において有意に高値であったが、塩酸サルポグレラートの投与後、全例で異常値から正常値である2.3 pg/ml 程度まで血中濃度が低下した。また、相関した臨床症状の改善が認められた。
結果を下記の表に示す。この結果より、特にエンドセリン濃度の高いレイノー病及びレイノー症候群の患者において、塩酸サルポグレラートは有用であることが明らかとなった。
下記の表に示す男女4名につき、臨床症状増悪時と改善時におけるエンドセリン(ET)の血中濃度を測定した。患者に塩酸サルポグレラート(100 mg×3回/day)を投与した。エンドセリンは健常人に比較して増悪期において有意に高値であったが、塩酸サルポグレラートの投与後、全例で異常値から正常値である2.3 pg/ml 程度まで血中濃度が低下した。また、相関した臨床症状の改善が認められた。
結果を下記の表に示す。この結果より、特にエンドセリン濃度の高いレイノー病及びレイノー症候群の患者において、塩酸サルポグレラートは有用であることが明らかとなった。
本発明の医薬はエンドセリンの血中濃度を低下させる作用を有しており、さらにエンドエリンとセロトニンの血中濃度を同時に低下させる作用も有している。従って、本発明の医薬は、エンドセリンの血中濃度上昇を伴う疾患やエンドセリンの血中濃度上昇に起因する疾患の予防及び/又は治療に有用である。
Claims (10)
- エンドセリンの血中濃度を低下させる医薬であって、下記一般式(1)で表わされるアミノアルコキシビベンジル類、薬学上許容し得るその塩若しくはそのエステル、並びにそれらの溶媒和物及びそれらの水和物からなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
- エンドセリンがエンドセリン−1である請求項1に記載の医薬。
- エンドセリン及びセロトニンの血中濃度を同時に低下させる請求項1又は2に記載の医薬。
- 膠原病においてエンドセリンの血中濃度を低下させるために用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の医薬。
- 膠原病がレイノー病、レイノー症候群、又は皮膚結節性多発動脈炎である請求項4に記載の医薬。
- エンドセリンの血中濃度上昇を伴う疾患又はエンドセリンの血中濃度上昇に起因する疾患の予防及び/又は治療のために用いる請求項1ないし3のいずれか1項に記載の医薬。
- 該疾患が本態性高血圧、冠動脈疾患、動脈硬化症、バージャー病、高安病、糖尿病、膠原病、急性腎不全、敗血症、又は広汎性血管内凝固である請求項6に記載の医薬。
- 塩酸塩の形態の請求項8又は9に記載の医薬。
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