JP2004249438A - 縦型円筒研削盤及びこれを用いた研削方法 - Google Patents

縦型円筒研削盤及びこれを用いた研削方法 Download PDF

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武樹 白井
Chandora Shekaru Sharuma
チャンドラ シェカル シャルマ
Yasuhiro Michiyama
泰宏 道山
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Abstract

【課題】研削加工中におけるワークの芯ずれが発生し難く、高精度の研削加工を行うことができる他、芯だし作業が容易で加工開始前の段取時間を短縮することが可能であり、極めて加工効率の高い縦型円筒研削盤及びこれを用いた円筒状ワークの研削方法を提供する。
【解決手段】円筒状ワークの外周面に対して研削加工を施すための円筒研削盤であって、固定ベッドと、この固定ベッド上に設けられると共に鉛直方向と合致した回転軸を備え、円筒状ワークの中心軸を前記回転軸に合致させて保持し該ワークに対して所定速度の回転を与えるワーク主軸台と、砥石の回転を支承するスピンドル主軸を有すると共に該砥石を回転駆動するモータを備えた砥石ヘッドと、この砥石ヘッドを鉛直方向及び水平方向へ自在に移動させ、前記砥石をワークに対して任意の切り込み量で切り込ませる砥石送りテーブルとを設けた。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒状ワークの外周面を研削加工によって所定の精度に仕上げるための円筒研削盤に関するものであり、更には、かかる研削盤を用いてフランジ部が突設された円筒状ワークの外周面を段取なく連続的に加工するための研削方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【非特許文献1】研削加工のすすめ方(工業調査会/1992.4.1発行)
【特許文献1】特表2002−543991号公報
【0003】
円筒状ワークの外周面を研削する研削盤としては、円筒研削盤が最も一般的である。この円筒研削盤は、固定ベッド上にワーク主軸台、心押台、砥石台等を配置したものであり、前記ワーク主軸台によって回転を与えられたワークに対し、回転する円盤状の砥石をその半径方向へ送り込むことにより、ワークの外周面を研削するように構成されている。
【0004】
ワークはその軸方向の両端面にセンタ穴が設けられており、ワーク主軸台と心押台に設けられたセンタがこれらセンタ穴に嵌合することによって、かかるワークを軸方向の両端から支えている。殆どの円筒研削盤にあっては、ワークは回転軸を水平方向と合致させた状態で支承される一方、砥石が装着される砥石台のスピンドル軸もワークの回転軸と平行に設けられており、砥石を半径方向に送り込む量を調整することにより、研削代を調整することができるようになっている。
【0005】
しかし、このような従来の円筒研削盤ではワークの回転軸が水平方向に合致していることから、かかるワークが重量物の場合、加工途中でセンタ穴が摩耗してしまい、ワークの中心軸がワーク主軸台の回転軸芯から変位しまう所謂芯ずれが発生し易いといった問題点があった。このため、研削加工における加工精度が低下し、特に、砥石先端をチャート図に描かれた形状に倣って移動させながらワークに該チャート図と同じ形状を形成するプロファイル研削においては、加工後のワーク形状の精度が極端に悪化してしまう。
【0006】
センタ穴に対して定期的に極圧グリースを給油することで、かかるセンタ穴の摩耗はある程度まで抑えることが可能であるが、給油のために研削作業を中止することが必要とされ、加工効率の向上を阻害する一要因となっている。
【0007】
また、このようにワークの回転軸が水平方向に合致している場合、ワークを主軸台及び心押台の間に固定した後の芯だし作業に大変手間がかかり、特にワークが重量物になった場合は顕著である。このために、研削加工開始前の段取に時間を要し、このことも加工効率を低下させる一因となっていた。
【0008】
一方、このような円筒研削盤を用いた研削方法としては、ワークの仕上げ形状に合致した総型砥石を使用し、砥石とワークを相対的に移動させず、砥石をワークに対して切り込ませるだけの所謂プランジカット研削や、ワークの軸端で砥石を該ワークに対して所定量だけ切り込ませた後、ワークと砥石とを回転軸方向へ相対的に移動させながら該ワークの外周面の研削を行う所謂トラバース研削が知られている。ワークのサイズが小さいものであれば前者のプランジカット研削で対応することが可能であるが、大サイズのワークに対してはトラバース研削で対応することになる。
【0009】
しかし、砥石軸がワークの回転軸と平行に設けられている場合、円筒状ワークの外周面にフランジ部等が突設されていると、ワークの一方の軸端から他方の軸端までを連続してトラバース研削することができなかった。すなわち、一方の軸端からフランジ部までの外周面を研削した後、一旦ワークを主軸台から取り外して180°反転させ、再度主軸台に装着してから芯だし作業を行い、この後に残りの外周面を研削する必要が生じ、前述のように段取に時間と手間がかかることを考えると、著しく加工効率が悪いものとならざるを得なかった。
【0010】
特表2002−543991号公報には、外周面にフランジ部が突設された円筒状のワークを主軸台に対して一回クランプするのみで、かかるワークの外周面の研削加工を総てなし得る研削盤が開示されている。しかし、この研削盤では、砥石主軸が互いに交わった一対の砥石が砥石台に設けられており、これら2つの砥石を使い分けることで、加工途中におけるワークの掴み直しを行うことなく、フランジ部の両側におけるワークの外周面の加工を可能としている。従って、砥石を回転させるためのスピンドルやモータが1セットだけ余分に必要となり、また、いずれか一方の砥石を加工位置から対比させるための機構も必要となり、研削盤それ自体の製造コストは高いものとなってしまう。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、研削加工中におけるワークの芯ずれが発生し難く、高精度の研削加工を行うことができる他、芯だし作業が容易で加工開始前の段取時間を短縮することが可能であり、極めて加工効率の高い縦型円筒研削盤及びこれを用いた円筒状ワークの研削方法を提供することにある。
【0012】
また、本発明の他の目的は、フランジ部が突設された円筒状ワークの外周面を、途中で段取を行うことなく連続的に研削することが可能な円筒状ワークの研削方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、円筒状ワークの外周面に対して研削加工を施すための円筒研削盤であって、固定ベッドと、この固定ベッド上に設けられると共に鉛直方向と合致した回転軸を備え、円筒状ワークの中心軸を前記回転軸に合致させて保持し該ワークに対して所定速度の回転を与えるワーク主軸台と、砥石の回転を支承するスピンドル主軸を有すると共に該砥石を回転駆動するモータを備えた砥石ヘッドと、この砥石ヘッドを鉛直方向及び水平方向へ自在に移動させ、前記砥石をワークに対して任意の切り込み量で切り込ませる砥石送りテーブルとを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
このように構成された本発明の円筒研削盤によれば、前記ワーク主軸台がその回転軸を鉛直方向と合致させていることから、円筒状のワークをその中心軸が前記回転軸に合致するようにワーク主軸台に保持することで、かかるワークの自重は常にワーク主軸台の回転軸方向へ作用することになり、譬えワークに設けたセンタ穴が摩耗してしまった場合であっても、ワークの中心軸とワーク主軸台の回転軸芯との芯ずれを防止することが可能となる。これにより、本発明の研削盤によれば、研削加工精度の向上を図ることができるものである。
【0015】
また、本発明の研削盤では、ワーク主軸台の回転軸を鉛直方向へ合致させたことから、ワークの自重がワーク主軸台の回転軸方向へ作用することになり、ワーク主軸台の回転軸が水平方向へ合致している従来の円筒研削盤と比較して、ワークをワーク主軸台に固定した後の芯だし作業を容易に行うことができる。これにより、研削加工開始前の段取時間の短縮化が図られ、加工効率の向上に資することが可能となる。
【0016】
一方、フランジ部が突設された円筒状ワークの外周面の研削加工を行う場合、かかるワークの一方の軸端から他方の軸端まで連続的にトラバース研削を可能にするためには、砥石ヘッドと砥石送りテーブルとの間に姿勢変更手段を介在させ、前記スピンドル主軸の向きを鉛直方向に合致した位置から水平方向へ合致した位置までの90度間で自在に変更可能に構成するのが好ましい。このように構成すれば、スピンドル主軸にカップ砥石を装着する共に、前記姿勢変更手段を用いてスピンドル主軸の軸方向を水平方向と合致させ、この状態から前記砥石送りテーブルを移動させ、前記カップ砥石を用いてワークの外周面を前記フランジ部も含めて連続的に研削することが可能となる。スピンドル主軸がワーク主軸台の回転軸と平行に設けられた円筒研削盤を用いてフランジ部を含めたトラバース研削を実施するためには、ワーク径に対して砥石径を極端に大きくする等の対策が必要であり、加工精度や研削盤のサイズ等を考慮すると現実的ではなかった。このため、フランジ部が突設された円筒状ワークの外周面を研削するに当たっては、先ず、ワークの一方の軸端からフランジ部までの外周面を研削加工した後、ワークを180°ひっくり返してワーク主軸台に装着し直し、この後にワークの他方の軸端からフランジ部までを研削していた。しかし、スピンドル主軸の向きが90°自在に変更可能な本発明の研削盤によれば、研削加工の途中でワークの掴み直しを行う必要がなく、芯だし作業等の段取を省略できる分だけ、加工効率の向上を図ることができるものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の縦型円筒研削盤を詳細に説明する。
図1は本発明を適用した円筒研削盤の実施例を示すものである。この円筒研削盤は中空円筒状又は中実円柱状ワークWの外周面の研削加工を行い得るものであり、円筒状ワークWに関しては内周面の研削加工にも使用することができるように構成されている。具体的には、工場の床面に設置される固定ベッド1と、この固定ベッド1上に設けられたワーク主軸台2と、このワーク主軸台2の上方で昇降自在に設けられた心押台3と、砥石4を保持すると共に所定の回転数で回転駆動する砥石ヘッド5と、この砥石ヘッド5を移動させ、前記ワーク主軸台2に装着されたワークWに対して前記砥石4を切り込ませる砥石送りテーブル6とから構成されている。
【0018】
前記ワーク主軸台2は回転テーブルとして固定ベッド1上に設けられており、その回転軸は鉛直方向(図1紙面上下方向)に合致している。図1に示されるようにワークWはこのワーク主軸台2の上にセンタ20を介して支承され、あるいはマグネットチャック等を用いて固定されるようになっている。かかるワーク主軸台2は、内外輪の間に複数のローラを配列したクロスローラベアリング21によって、前記固定ベッド1に対する回転が支承されており、図示外のモータからドライブベルトによって回転駆動力が伝達されるようになっている。なお、この実施例では転がり軸受によってワーク主軸台2の回転を支承したが、極めて高い回転精度を得たい場合等には、静圧軸受を用いることも可能である。
【0019】
また、前記固定ベッド1には鉛直上方へ向けて支持コラム30が立設されており、前記心押台3はこの支持コラムに対して鉛直方向へ昇降自在に設けられている。すなわち、支持コラムにはリニアベアリングの軌道レール31,31が固定される一方、心押台3にはリニアベアリングのスライダ(図示せず)が固定され、これら軌道レール31上でスライダを移動させることにより、心押台3が支持コラム31に対して自在に昇降することが可能となっている。また、支持コラム31には油圧シリンダ32が固定されており、かかる油圧シリンダ32のシリンダロッド33が心押台3に接続されている。従って、油圧シリンダ32を作動させ、シリンダロッド33をシリンダ本体から突出させると、前記心押台3が下降し、シリンダロッド33をシリンダ本体内に収納すると、前記心押台3が自重に抗して上昇するようになっている。そして、心押台3をワークWのサイズに対応した位置まで下降させることにより、かかる心押台3に装着されたセンタ34がワーク主軸台2に立設されたセンタ20と相まってワークWを回転軸方向から挟持し、かかるワークWの回転を支承するようになっている。
【0020】
一方、前記砥石ヘッド5は、スピンドルとモータを一体化したものであり、ワークWの研削を行う砥石4はクイル部50を介してスピンドル主軸に装着されるようになっている。また、スピンドル主軸の回転速度はワークの研削条件に応じて種々変化させられるようになっている。
【0021】
また。前記砥石送りテーブル6は、固定ベッド1から起立した砥石支持コラムの一側面に対して水平方向(X方向)に移動自在な中間テーブル60を設ける一方、この中間テーブル60上に鉛直方向(Y方向)へ移動自在なトップテーブル61を設けて構成されており、前記砥石ヘッド5はトップテーブル61上に固定されている。尚、図1は砥石支持コラムを省略して描いてある。中間テーブル60及びトップテーブル61の移動機構はリニアベアリングとボールねじの組み合わせが用いられており、ボールねじのねじ軸62をモータ63によって回転させることにより、かかる回転量に応じた移動量を中間テーブル60及びトップテーブル61に与えることができるようになっている。尚、図1中の符号64はトップテーブル61のY方向への移動を支承するリニアベアリングの軌道レールである。
【0022】
更に、前記砥石ヘッド5は砥石送りテーブル6のトップテーブル61に対して直接固定されているのではなく、角度調整テーブル7を介してトップテーブル61に固定されている。この角度調整テーブル7はトップテーブル61に対して回転自在に設けられており、図2(a)及び(b)に示すように、砥石ヘッド5のスピンドル主軸をX方向に合致させた状態、Y方向に合致させた状態のいずれか一方に設定できるようになっている。すなわち、この角度調整テーブル7が本発明の姿勢変更手段に相当する。角度調整テーブル7の外周縁にはラック70が形成される一方、前記トップテーブル61には前記ラック70と噛み合う操作ギヤ71が設けられており、かかる操作ギヤ71を手動で回転させることにより、角度調整テーブル7が図2(a)の位置あるいは図2(b)の位置に任意に設定変更され、更に、図示外の固定手段によって、変更先で角度調整テーブル7を固定することができるようになっている。これにより、ワークWのサイズや形状に応じて砥石形状やスピンドル主軸の姿勢を選択し、加工効率の向上を図ることができるものである。
【0023】
図3は本実施例の円筒研削盤におけるワークWの加工例を示すものである。このワークWは中空部を有した円筒状に形成されると共に、その外周面の長手方向の中央にはフランジ部W1が立設されている。このワークWの外周面を本実施例の円筒研削盤で加工するに当たっては、先ず、両軸端にセンタ穴が形成された治具8を中空部に挿入してワークWに固定し、この後にワーク主軸台2に取り付けられたセンタ20と心押台3に取り付けられたセンタ34を治具8のセンタ穴に嵌合させ、ワークWをワーク主軸台2と心押台3との間で挟み込むようにして支持する。これにより、ワーク主軸台2に回転を与えると、ワークWがワーク主軸台2と共に回転することになる。尚、研削抵抗によってワークWの回転が妨げられるのを防止するため、ワーク主軸台2側のセンタ20と治具8との間にはケレが取り付けられている。
【0024】
ワークWをワーク主軸台2に装着するに当たっては、ワークWの中心軸をワーク主軸台2の回転軸に正確に合致させる所謂芯だし作業が必要となる。従来の円筒研削盤のようにワーク主軸台の回転軸が水平方向と合致している場合には、ワーク主軸台に対するワークのチャッキングを緩めると、かかるワークの自重によって該ワークの中心軸が傾き易いことから、芯だし作業は難しく、手間と時間のかかる作業であつた。このため、研削加工を開始する前の段取に時間がかかり、特にワークの形状等との関係から、加工途中でワークをワーク主軸台に対して掴み直す必要がある場合等には、段取に多くの時間を要し、作業効率が著しく低下していた。
【0025】
しかし、本実施例の円筒研削盤では、前述のようにワーク主軸台2の回転軸を鉛直方向に合致させていることから、ワーク主軸台2に対するワークWのチャッキングを緩めても、ワークWの中心軸がワーク主軸台2の回転軸に対して傾き難く、その分だけ従来よりも芯だし作業を容易に行うことが可能となっている。これにより、研削加工開始前の段取時間を短縮化することができ、研削加工における作業効率の向上を図ることができるものである。
【0026】
一方、このワークWの外周面の研削加工にはカップ型砥石を使用する。カップ型砥石4を装着した砥石ヘッド5は前記角度調整テーブル7を回転させることにより、スピンドル主軸が水平方向に合致するように設定する。この状態から砥石送りテーブル6を移動させ、カップ型砥石4の環状先端面をワークWの外周面に押し当てることにより、かかるワークWの外周面の研削加工を行うことができる。このとき、図4に示すように、カップ型砥石4の回転中心はワークWの中心軸、すなわちワーク主軸台2の回転軸を含む平面内に位置している。
【0027】
図5に示すように、カップ砥石4はワークWの一方の軸端から研削加工を開始し、先ずはワークWの軸方向へ移動しながら、かかるワークWの小径部分の外周面の研削加工を行う(矢線▲1▼)、次に、カップ砥石4を水平方向へ移動させながら、フランジ部W1の表裏両面の研削加工を行う(矢線▲2▼)。そして、最後にワークWの残りの小径部分の外周面の研削加工を行う(矢線▲3▼)。つまり、本実施例の円筒研削盤にあっては、砥石4としてカップ型砥石を用いると共に、かるカップ型砥石4が装着された砥石ヘッド5のスピンドル主軸をワークWの回転軸と直交させることにより、外周面にフランジ部W1が立設された円筒状のワークWであっても、かかるワークWの外形をなぞるようにしてトラバース研削を行うことが可能となっている。
【0028】
これにより、外周面にフランジ部W1が突設されたワークW、すなわち従来は研削加工の途中においてワーク主軸台2に対するワークWの掴み直しを行い、ワークWの軸方向を反転させる必要があったものであっても、本実施例の円筒研削盤を用いればワークての掴み直しが不要となり、掴み直しの際に必要であった芯だし作業等の段取を省略することができるものである。その結果、研削加工の作業効率を著しく改善することが可能となる。
【0029】
そして、以上のようにして本実施例の円筒研削盤によって研削加工がなされたワークWは、ワーク主軸台2の回転軸を鉛直方向に合致させていることから、かかるワーク主軸台2に装着されたワークWが回転中、すなわち研削加工中に自重を原因とした芯ずれを発生し難く、ワーク主軸台2の回転軸が水平方向に合致している従来の円筒研削盤に比べて、ワーク外周面の研削加工精度を高めることが可能となる。特に、大型で重量が大きい円筒状ワークWの外周面を加工する際には、極めて有利である。また、ワークWの両軸端に設けたセンタ穴の摩耗がワーク外周面の研削加工の精度に及ぼす影響も著しく軽減されるので、かかるセンタ穴の摩耗を防止すべく極圧グリースを給油する頻度も軽減することが可能となる。
【0030】
一方、図6は、本実施例の円筒研削盤を用いて他の形状の円筒状ワークW2の研削加工を実施する様子を示したものである。この図に示されるように、本実施例の研削盤では前記角度調整テーブル7を回転させることにより、従来の円筒研削盤と同様、砥石ヘッド5のスピンドル主軸をワーク主軸台2の回転軸と平行に設定した状態でも研削加工を行うことができる。この場合であっても、ワーク主軸台2の回転軸は鉛直方向と合致していることから、研削加工中におけるワークW2の芯ずれを回避することができ、ワーク外周面の研削加工精度を高めることが可能となるものである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の円筒研削盤によれば、ワーク主軸台の回転軸を鉛直方向と合致させていることから、かかるワーク主軸台に装着されたワークの自重は常にワーク主軸台の回転軸方向へ作用することになり、研削加工中におけるワーク中心軸とワーク主軸台の回転軸芯との芯ずれを防止することができるので、極めて高精度の研削加工を行うことが可能となり、特に重量の大きい大型ワークの外周面を研削加工する際に有利である。
【0032】
また、ワークの自重がワーク主軸台の回転軸方向へ作用するので、ワークをワーク主軸台に固定した後の芯だし作業を容易に行うことができ、研削加工開始前の段取時間の短縮化を図ることが可能となり、極めて加工効率の高い縦型円筒研削盤を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した縦型円筒研削盤の実施例を示す正面図である。
【図2】実施例に係る角度調整テーブルを用いて砥石ヘッドの設定姿勢を変更した状態を示す図である。
【図3】カップ型砥石を用いたワークの研削加工の一例を示す図である。
【図4】カップ型砥石の回転軸とワークの回転軸との位置関係を示す図である。
【図5】図3に示す研削加工におけるトラバース研削の進行順序を示す図である。
【図6】他の形状のワークに対する研削加工の例を示す図である。
【符号の説明】
1…固定ベッド、2…ワーク主軸台、3…心押台、4…砥石、5…砥石ヘッド、6…砥石送りテーブル、7…角度調整テーブル

Claims (4)

  1. 円筒状ワークの外周面に対して研削加工を施すための円筒研削盤であって、
    固定ベッドと、この固定ベッド上に設けられると共に鉛直方向と合致した回転軸を備え、円筒状ワークの中心軸を前記回転軸に合致させて保持し該ワークに対して所定速度の回転を与えるワーク主軸台と、砥石の回転を支承するスピンドル主軸を有すると共に該砥石を回転駆動するモータを備えた砥石ヘッドと、この砥石ヘッドを鉛直方向及び水平方向へ自在に移動させ、前記砥石をワークに対して任意の切り込み量で切り込ませる砥石送りテーブルとを備えたことを特徴とする縦型円筒研削盤。
  2. 前記ワーク主軸台の上方には昇降自在な心押台が設けられていることを特徴とする請求項1記載の縦型円筒研削盤。
  3. 前記砥石ヘッドは姿勢変更手段を介して前記砥石送りテーブルに固定されており、この姿勢変更手段は、前記スピンドル主軸の向きを鉛直方向に合致した位置から水平方向へ合致した位置までの90度間で自在に変更可能であることを特徴とする請求項1記載の縦型円筒研削盤。
  4. 外周面にフランジ部が突設された円筒状ワークの外周面を研削加工する方法であって、
    請求項3記載の縦型円筒研削盤のワーク主軸台に前記ワークを固定する一方、前記砥石台のスピンドル主軸にカップ砥石を装着し、前記姿勢変更手段を用いてスピンドル主軸の軸方向を水平方向と合致させた状態で前記砥石送りテーブルを移動させ、前記カップ砥石を用いてワークの外周面を前記フランジ部も含めて連続的に研削することを特徴とする円筒状ワークの研削方法。
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