JP2004249376A - 圧入装置および圧入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】内外径の同芯度が保証されていないパイプの端部に、圧入部品を圧入する場合の、圧入後における同芯度を保証する。
【解決手段】パイプ2は、その位置の変化を許容するように支持される。圧入部品であるVLシャフト3は、クランプ23によって正確に位置決めされる。クランプ23は、結合部材28によってベースプレート14に結合されている。ラムを移動させることにより、パイプホルダに載置されたパイプ2と、クランプ23に位置決めされたVLシャフト3とに、圧入荷重を付与すると、パイプ2はVLシャフト3に倣うように変位して、圧入が進行する。クランプ23の当金25をその直下からリニアスライド26によって支持することで、圧入反力がクランプ23を介してベース11に伝わることによる歪の発生を回避する。なおかつ、クランプ23の支持強度不足による振れの発生を最小限に抑える。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイプの端部へと圧入部品を圧入する装置および圧入方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、内外径の同芯度が保証されたパイプの端部に、やはり内外径の同芯度が保証された圧入部品を圧入する際には、パイプ外径部を位置決めし、そのパイプ端部に圧入部品を押し込むことで、当該圧入部品がパイプに倣って圧入が進行し、圧入完了後の同芯度が保証されることとなっていた。なお、かかる手法によって製造されたプロペラシャフトの、継手部に対し対応する部品を仮組立する装置が発明されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−308929号公報(請求項1、図1〜図3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の圧入方法は、パイプ内外径の同芯度が保証されていることを前提に成り立つものであり、内外径の同芯度が保証されていないパイプの端部に、圧入部品を圧入する場合には、以下の不具合が生じることとなる。
例えば、内外径の同芯度が保証されていないパイプの外径部を冶具に固定し、パイプ端部に圧入部品を圧入すると、圧入反力による冶具の変形量が大きくなる場合があり、圧入後の同芯度を保証することが不可能となってしまう。また、パイプ外径部を固定する冶具を、上下左右に移動可能としても、パイプ内外径の同芯度が保証されていないことから、圧入前の時点において、パイプと圧入部品との芯のバラツキが発生し、圧入開始時に傾きを生じやすくなる。しかも、圧入作業中の修正も困難であることから、圧入完了時においても、その傾きが除去されないといった問題を生じることとなる。
【0005】
また、パイプ内外径の同芯度が保証されたパイプおよび圧入部品を圧入する場合でも、圧入後の同芯度の更なる向上が望まれていたところである。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、パイプの端部へと圧入部品を圧入して得られる製品の、圧入後における同芯度の向上を図ることにある。特に、内外径の同芯度が保証されていないパイプの端部に圧入部品を圧入する必要がある場合であっても、圧入後における同芯度を保証することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、本発明の請求項1に係る圧入装置は、パイプの端部へと圧入部品を圧入する装置であって、ベースと、当該ベースに固定されたベースプレートにより支持されるタイバーと、当該タイバーに沿って移動可能なラムとを備え、前記ベースに前記タイバーと平行して延びるリニアスライドを設け、当該リニアスライドにより、圧入部品を位置決めするクランプの当金をその直下から支持すると共にパイプを載置するパイプホルダを支持し、かつ、前記クランプを前記ベースプレートまたは前記ラムに対し結合する結合部材を備えることを特徴とするものである。
【0007】
本発明によれば、パイプはパイプホルダに単に載置されるのみであることから、前記パイプはその位置の変化を許容するように支持された状態にある。一方、圧入部品はクランプによって正確に位置決めされる。当該クランプは、前記結合部材によって前記ベースプレートまたは前記ラムに対し結合されているので、前記ラムを前記タイバーに沿って移動させることにより、前記パイプホルダに載置されたパイプと、前記クランプに位置決めされた圧入部品とに、圧入荷重を付与することができる。そして、パイプが圧入部品に倣うように変位して、圧入が進行する。
しかも、前記クランプの当金はその直下からリニアスライドによって支持されているので、圧入反力が前記クランプにかかる際に、当該圧入反力がクランプを介してベースに伝わることによるベースの歪の発生を回避し、かつ、クランプの支持強度不足による振れの発生を最小限に抑えることができる。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る圧入装置は、請求項1記載の圧入装置において、前記圧入部品の圧入面の先端に案内部を設け、かつ、当該案内部を前記パイプ端部へと圧入する間、前記アクチュエータによる前記ラムの駆動速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御する作動制御手段を備えるものである。
本発明によれば、圧入初期段階では、圧入部品の圧入面の先端に設けた案内部を、パイプ端部へと嵌合させることにより、パイプ端部を圧入部品の圧入面に円滑に倣わせ、圧入開始時の傾きの発生を抑えることができる。しかも、前記作動制御手段によって、当該案内部を前記パイプ端部へと圧入する間、前記アクチュエータによる前記ラムの駆動速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御することから、圧入開始時の傾きの発生は確実に抑止される。そして、パイプと圧入部品との同芯を確認した後、圧入作業を進行することが可能となる。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る圧入装置は、請求項1または2記載の圧入装置において、内外径同芯度が保証されていないパイプと、内外径同芯度が保証された圧入部品とを圧入対象とするものである。
上述の如く、本発明に掛る圧入装置によれば、前記圧入部品は前記クランプによって正確に位置決めして支持される一方、パイプは位置の変化を許容するように支持されていることから、パイプが圧入部品に倣うようにして、圧入が進行するものである。よって、パイプの内外径同芯度が保証されていない場合であっても、圧入作業時のパイプ位置決め精度は全く問われず、同芯度に悪影響を与えることはない。一方、前記クランプによって正確に位置決めされる圧入部品は内外径同芯度が保証されていることで、圧入作業時の位置決め精度は確実に保証され、かつ、圧入部品とパイプとを圧入する際の、基準としての機能を発揮することができる。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る圧入装置は、請求項1から3のいずれか1項記載の圧入装置において、前記タイバーは、その中間部が前記ベースに対し軸方向に伸長可能に支持され、かつ、前記ベースプレートによって固定された一端部とは反対側の端部に、タイプレートが固定され、当該タイプレートにアクチュエータが固定され、当該アクチュエータによって前記ラムが駆動されるものである。
この構成によると、前記タイバーは、一端部のみが前記ベースに固定され、他の部分は前記ベースに対し軸方向に伸長可能に支持された状態となっている。そして、前記タイバーの位置決めされた一端部とは反対側の端部にタイプレートを固定し、当該タイプレートに、前記ラムを駆動するアクチュエータを固定することで、圧入反力を全て前記タイバーのみで受け止めることが可能となり、前記ベースへと圧入反力が伝達されることがない。よって、圧入装置の基準となる前記ベースが歪むことによる同芯度の低下を回避することが可能となる。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る圧入装置は、請求項1から4のいずれか1項記載の圧入装置において、前記結合部材として、前記パイプまたは前記圧入部品の長さに対応した種々の長さを有するものを、交換可能に備えることとしたものである。
本発明によれば、前記パイプまたは前記圧入部品の長さを変更することにより必要となる、前記ベースプレートと前記ラムとの間隔の調整を、前記結合部材の長さを変更することによって行うことを可能とする。そして、前記ラムを駆動するアクチュエータに求められる作動ストロークを、圧入作業に必要なストロークのみとすることができる。よって、本装置の汎用性を高めるにあたって、前記アクチュエータの長大化を防ぐことが可能となる。
【0012】
また、上記課題を解決するための、本発明の請求項6に係る圧入方法は、パイプの端部へと圧入部品を圧入する方法であって、圧入部品の圧入面の先端に案内部を設け、当該圧入部品を正確に位置決めして支持する一方、位置の変化を許容するようにパイプを支持し、前記圧入部品および前記パイプへと圧入圧力を付与する際に、前記圧入部品の案内部をパイプ端部へと圧入する間の圧入速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御し、前記案内部の圧入完了後、圧入速度を所定速度へと増加することを特徴とするものである。
【0013】
本発明によれば、前記圧入部品は位置決めして支持される一方、パイプは位置の変化を許容するように支持されていることから、パイプが圧入部品に倣うようにして、圧入が進行する。また、圧入初期段階では、圧入部品の圧入面の先端に設けた案内部を、パイプ端部へと嵌合させることにより、パイプ端部を圧入部品の圧入面に円滑に倣わせ、圧入開始時の傾きの発生を抑えることができる。しかも、当該案内部を前記パイプ端部へと圧入する間の圧入速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御することから、圧入開始時の傾きの発生は確実に抑止される。そして、パイプと圧入部品との同芯を確認した後、圧入作業をさらに進行することが可能となる。前記案内部の圧入完了後、圧入速度を所定速度へと増加することで、圧入サイクルタイムの増加を防いでいる。
【0014】
また、本発明の請求項7に係る圧入方法は、請求項6記載の圧入方法において、内外径同芯度が保証されていないパイプと、内外径同芯度が保証された圧入部品とを圧入対象とするものである。
上述の如く、前記圧入部品は正確に位置決めして支持される一方、パイプは位置の変化を許容するように支持されていることから、パイプが圧入部品に倣うようにして、圧入が進行する。よって、パイプの内外径同芯度が保証されていない場合であっても、圧入作業時のパイプの位置決め精度は全く問われず、同芯度に悪影響を与えることはない。一方、正確に位置決めされる圧入部品は内外径同芯度が保証されていることで、圧入作業時の位置決め精度は確実に保証され、かつ、圧入部品とパイプとを圧入する際の、基準としての機能を発揮することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1には、本発明の実施の形態に係る圧入装置1の側面図を、図2には、圧入装置1の上面図を示している。この圧入装置1は、パイプ2の両端部に、圧入部品であるVLシャフト3(クロスグローブジョイントのインナーレースと締結される部品の通称である。)と、ヨークシャフト4とを圧入して、プロペラシャフトを製造するものである。具体的には、パイプ2の一端部に、VLシャフト3(図8参照)が圧入され、他端部にはヨークシャフト4(図9参照)が圧入され、一体のプロペラシャフト5(図7参照)を組み立てることができる。
【0017】
圧入装置1は、床面に設置されるベース11と、ベース11に対しサポート12(図2)を介して軸方向に伸長可能に支持されるタイバー13(図2)と、タイバー13の一端部をベース11に対し固定するための、ベース11に直接固定されたベースプレート14とを有している。また、タイバー13の他端部にはタイプレート15が固定され、タイプレート15には、アクチュエータ16が固定されている。図示の例では、アクチュエータ16に、サーボモータ17を動力源としてボールネジ18を駆動する、電動リニアアクチュエータを採用している。そして、アクチュエータ16により、タイバー13に沿って移動可能なラム19を駆動するものである。
【0018】
さらに、ベース11には、タイバー13と平行して延びるリニアスライド20を設けている。リニアスライド20は、パイプ2を載置するパイプホルダ21を支持するスライドガイド22と、VLシャフト3またはヨークシャフト4を位置決めするクランプ23、24の当金25(クランプ23の当金25を、図3に断面図示している。)を、その直下から直接的に支持するスライドガイド26、27とを備えている。なお、クランプ23は、受け23aを介して冶具ベース31に固定され、かつ、ベースプレート14に対しても、結合部材28を介して結合されており、クランプ24についても、同様の冶具ベースに固定され、かつ、結合部材29によって、ラム19に結合されている。
【0019】
図3には、VLシャフト3を保持するクランプ23の周辺構造を、拡大して示している。また、図4には、クランプ23の正面図を示している。クランプ23の当金25は、その上方から、VLシャフト3のフランジ部3aを嵌め込むことにより、VLシャフトの位置決めを行うことが可能な受け形状を有している。また、クランプ23は、VLシャフト3に当接して、当金25からVLシャフト3が脱落することを防ぐための、開閉可能なクランプアーム30を備えている。なお、当金25は、冶具ベース31を介して、スライドガイド26に対し強固に固定されている。
【0020】
また、結合部材28は、図3に示すように、クランプ23に固定された反力受32、リニアスライド20のスライドガイド35に支持された冶具サポート33、および、ジョイントシャフト34からなる。そして、クランプ23が受ける圧入反力は、これらの各部材32、33、34を介して、ベースプレート14へと伝えられる。この際、クランプ23はスライドガイド26に固定されていることから、クランプ23には、各部材32、33、34の弾性変形領域内での変位が許容される。ジョイントシャフト34は、パイプ2、VLシャフト3、ヨークシャフト4の長さに対応した、種々の長さのもの(例えば、500mm、1000mm、1500mm等)を複数用意しておき、必要に応じて容易に交換可能となっている。図3に符号44で示す部分は、VLシャフト3の回り止めピンである。
【0021】
図6には、ジョイントシャフト34の着脱構造を斜視図で示している。ジョイントシャフト34の両端部近傍には、小径部34aが形成されている。一方、反力受32と、ベースプレート14に固定されたプレート36とには、各々、ジョイントシャフト34の小径部34を上方から受け止める受け溝32a、36aが形成されている。したがって、ジョイントシャフト34は、反力受32およびベースプレート14に対し、容易に着脱、交換することが可能である。また、ボルト37によって、反力受32およびベースプレート14に対し、ジョイントシャフト34を簡単、確実に固定することが可能となっている。
【0022】
なお、ヨークシャフト4を保持するクランプ24、および、クランプ24をラム19に結合する結合部材29も、上記のクランプ23および結合部材28と同様の構造を有していることから、詳しい説明を省略する。
【0023】
図5には、パイプ2を載置するパイプホルダ21の断面図を示している。パイプホルダ21は、基部38と上部39とに分離しており、上部39はガイドピン40、41に案内されて、基部38に対し昇降可能に支持されている。また、基部38および上部39の対抗面には、バネ42が配置されており、一定のバネ力で、上部39を押し上げている。上部39の上面は、緩やかなV字状の受け面43が形成されており、パイプ2は、受け面43上に載置されることで、自重によって受け面43の底部に収まる。なお、パイプ2の重量が上部39にかかっても、バネ42は縮むことはなく、基部38に対する上部39の高さは一定に維持される。一方、後述する圧入工程において、パイプ2が下方に変位するような場合には、その変位を受けてバネ42が縮み、上部39は沈み込むことができる。
【0024】
図7には、圧入装置1によって組み立てられたプロペラシャフト5を示している。このプロペラシャフトを構成するパイプ2、VLシャフト3およびヨークシャフト4のうち、パイプ2は、内外径同芯度が保証されていない部品を用いることができる。一方、VLシャフト3およびヨークシャフト4は、内外径同芯度が保証された部品である。
図8には、VLシャフト3の単体図を示している。VLシャフト3の圧入面3bには、スプラインが形成されている。そして、圧入面3bの先端には、図8中に一部拡大して示すように、案内部3cが設けられている。案内部3cは、圧入面3bのスプラインの外径を一定量だけ切削除去して小径化するとともに、最端部を面取り加工を施したものである。そして、案内部3cは、パイプ2の内壁2aに対する嵌入促進を図るに適した外径Dおよび小径部長さLを持たせたものである。
図9には、ヨークシャフト4の単体図を示している。ヨークシャフトの圧入面4bにも、VLシャフト3の圧入面3bと同様にスプラインが形成され、圧入面4bの先端にも、VLシャフト3の案内部3cと同様の案内部4cが形成されている。
【0025】
さらに、圧入装置1には、ラム19にかかる圧入反力を検出するロードセル45(図2)およびラム19の位置検出器46(図2)を設けている。また、アクチュエータ16を制御する作動制御手段として、制御盤47を備えている。
【0026】
ここで、圧入装置1による圧入作業の手順を、図10を参照しながら以下に説明する。なお、図10は、ラム19の前進ストロークXと圧入速度Vとの関係を線Aで、および、ラム19の前進ストロークXと圧入荷重Fとの関係を線Bで示したものである。
まず、準備工程として、ラム19をベースプレート14から最も離間させた状態で、クランプ23にVLシャフト3を固定し、クランプ24にヨークシャフト4を固定する。また、パイプホルダ21にパイプ2を載置する。
そして、第1工程(S1)として、VLシャフト3、パイプ2およびヨークシャフト4が全て当接する直前の位置まで、ラム19を低圧高速送り(例えば、V=9m/min(150mm/sec)程度)させる。
続いて、第2工程(S2)として、VLシャフト3の案内部3c、および、ヨークシャフト4の案内部4cを、パイプ2の端部へと圧入する間の圧入速度が、圧入初期の傾きが生じない低圧低速度(例えば、F=1KN、V=0.3m/min(5mm/sec)程度)となるように、ラム19の送り速度を制御する。かかる低速送りを実施することで、芯出し保証がなされる。
【0027】
そして、第3工程(S3)として、案内部3c、4cの圧入完了後、圧入速度を所定速度(通常の圧入速度)へと増加する。圧入完了により、圧入荷重が最大となり(例えば F=80KN)、それを、ロードセル45で検知して、圧入作業を終了する。
なお、上記手順において、次工程に移行するタイミングは、位置検出器46により検出するラム19の送り量等に基づき決定するものとする。
【0028】
上記構成をなす、本発明の実施の形態により得られる作用効果は、以下の通りである。
【0029】
本発明の実施の形態に係る圧入装置1は、パイプ2の両端部へと、二つの圧入部品であるVLシャフト3、ヨークシャフト4を圧入する装置であって、
ベース11と、当該ベース11に固定されたベースプレート14により支持されたタイバー13と、当該タイバー13に沿って移動可能なラム19とを備え、前記ベース11に前記タイバー13と平行して延びるリニアスライド20を設け、当該リニアスライド20により、二つの圧入部品を各々位置決めするクランプ23、24の当金25をその直下から支持すると共にパイプ2を載置するパイプホルダ21を支持し、かつ、前記クランプ23、24を前記ベースプレート14または前記ラム19に対し結合する結合部材28、29を備えることを特徴とするものである。
【0030】
この圧入装置1によると、パイプ2はパイプホルダ21に単に載置されるのみであることから、パイプ2はその位置の変化を許容するように支持された状態にある。一方、圧入部品であるVLシャフト3、ヨークシャフト4は、各々クランプ23、24によって正確に位置決めされている。
そして、クランプ23は、結合部材28によってベースプレート14に結合され、クランプ24は結合部材29によってラム19に対し結合されているので、ラム19をタイバー13に沿って移動させることにより、パイプホルダ21に載置されたパイプ2と、クランプ23、24に位置決めされたVLシャフト3、ヨークシャフト4とに、圧入荷重を付与することができる。そして、パイプ2がVLシャフト3、ヨークシャフト4に倣うように変位して、圧入が進行する。
しかも、クランプ23の当金25はその直下からリニアスライド26によって支持されているので(クランプ24の当金も同様)、圧入反力がクランプ23、24にかかる際に、圧入反力がクランプ23、24を介してベース11に伝わることによるベース11の歪の発生を回避することができる。しかも、リニアスライド26に対するクランプ23、24の支持強度を効率的に向上することとなり、クランプ23、24の支持強度不足による、クランプ23、24の振れの発生を最小限に抑えることが可能となる。よって、圧入開始から圧入完了に至るまで、パイプ2とVLシャフト3との傾きの発生、パイプ2とヨークシャフト4との傾きの発生を確実に防ぐことが可能となる。
【0031】
また、圧入初期段階(S2)では、VLシャフト3、ヨークシャフト4の圧入面3b、4bの先端に設けた案内部3c、4cを、パイプ2の端部へと嵌合させることにより、パイプ2の端部をVLシャフト3、ヨークシャフト4の圧入面3b、4bに円滑に倣わせ、圧入開始時の傾きの発生を抑えることができる。しかも、作動制御手段である制御盤47によって、案内部3c、4cをパイプ2の端部へと圧入する間、アクチュエータ16によるラム19の駆動速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御することから、圧入開始時の傾きの発生は確実に抑止される。
【0032】
前述の如く、圧入装置1によれば、VLシャフト3、ヨークシャフト4はクランプ23、24によって正確に位置決めして支持される一方、パイプ2はパイプホルダ21によって、位置の変化を許容するように支持されていることから、パイプ2がVLシャフト3、ヨークシャフト4に倣うようにして、圧入が進行する。よって、パイプ2の内外径同芯度が保証されていない場合であっても、圧入作業時のパイプ2の位置決め精度は全く問われず、同芯度に悪影響を与えることはない。一方、クランプ23、24によって正確に位置決めされるVLシャフト3、ヨークシャフト4は、内外径同芯度が保証されているので、圧入作業時の位置決め精度は確実に保証され、かつ、VLシャフト3、ヨークシャフト4とパイプ2とを圧入する際の、基準としての機能を発揮することができる。
【0033】
さらに、タイバー13は、一端部のみがベースプレート14によってベース11に固定され、他の部分はサポート12によってベース11に対し軸方向に伸長可能に支持された状態となっている。そして、タイバー13の位置決めされた一端部とは反対側の端部にタイプレート15を固定し、タイプレート15に、ラム19を駆動するアクチュエータ16を固定している。かかる構造により、圧入反力を全てタイバー13のみで受け止めることが可能となり、ベース11へと圧入反力が伝達されることがなくなる。よって、圧入装置1の基準となるベース11が歪むことによる同芯度の低下を回避することが可能となる。
【0034】
加えて、圧入装置1は、結合部材28、29として、パイプ2またはVLシャフト3、ヨークシャフト4の長さに対応した種々の長さを有するものを、交換可能に備えている。そして、パイプ2、VLシャフト3、ヨークシャフト4の長さを変更することにより必要となる、ベースプレート14とラム19との間隔の調整を、結合部材34を適切な長さのものに交換することによって行うことが可能となる。よって、ラム19を駆動するアクチュエータ16に求められる作動ストロークを、圧入作業に必要なストロークのみとすることができ、圧入装置1の汎用性を高めるにあたって、アクチュエータ16の長大化を防ぐことが可能となる。なお、図示の如く、アクチュエータ16に電動リニアアクチュエータを採用する場合には、ボールネジ18の長大化を抑えることができる。また、リニアアクチュエータ16に油圧シリンダを用いる場合には、シリンダおよびピストンロッドの長大化を防ぐことが可能となる。
【0035】
一方、圧入装置1によって実施される圧入方法によれば、VLシャフト3、ヨークシャフト4は位置決めして支持される一方、パイプ2は位置の変化を許容するように支持されていることから、パイプ2がVLシャフト3、ヨークシャフト4に倣うようにして、圧入が進行する。また、圧入初期段階(S2)では、VLシャフト3、ヨークシャフト4の圧入面3b、4bの先端に設けた案内部3c、4cを、パイプ2の端部へと嵌合させることにより、パイプ2の端部をVLシャフト3、ヨークシャフト4の圧入面3b、4bに円滑に倣わせ、圧入開始時の傾きの発生を抑えることができる。しかも、案内部3c、4cをパイプ2の端部へと圧入する間の圧入速度Vを、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御することから、圧入開始時の傾きの発生は確実に抑止される。そして、パイプ2とVLシャフト3、パイプ2とヨークシャフト4の同芯を確認した後に、圧入作業をさらに進行することが可能となる。
そして、案内部3c、4cの圧入完了後、その次の工程(S3)で、圧入速度Vを所定速度へと増加することで、圧入サイクルタイムの増加を防ぐことができる。よって、内外径同芯度が保証されていないパイプ2を用いる場合であっても、圧入後における同芯度を保証したプロペラシャフト5を、効率的に組み立てることが可能となる。
【0036】
また、上記圧入工程において、ロードセル45および位置検出器46によって圧入作業の進行状態を監視することで、締め代過大によるパイプ2の割れや、締め代無し品(圧入荷重不足によりパイプ2からVLシャフト3、ヨークシャフト4が抜けてしまう不良品。)などの品質不良の検知も圧入作業と同時に行うことが可能となる。
【0037】
なお、本発明の実施の形態では、パイプの両端に圧入部品を圧入する場合を例示して説明したが、パイプの一端にのみ圧入部品を圧入する場合であっても、高精度に位置決めされた圧入部品に、パイプを倣わせるようにして圧入作業を行うことで、同様の作用効果を得ることが可能である。また、パイプ2の内外径同芯度が保証されている場合であっても、本発明の実施の形態に係る圧入装置1および圧入方法を用いることで、圧入後の同芯度の更なる向上を図ることができる。
以上説明したように、本発明は、プロペラシャフト5を一例とする、長尺部品の圧入組立工程に用いることにより、高い同芯度を有する長尺部品を提供することが可能となる。
【0038】
【発明の効果】
本発明はこのように構成したので、パイプの端部へと圧入部品を圧入して得られる製品の、圧入後における同芯度の向上を図ることが可能となる。特に、内外径の同芯度が保証されていないパイプの端部に圧入部品を圧入する必要がある場合であっても、圧入後における同芯度を保証することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る圧入装置の側面図である。
【図2】図1に示す圧入装置の上面図である。
【図3】図1に示す圧入装置の、VLシャフトを保持するクランプの周辺構造部を示す拡大図である。
【図4】図4に示すクランプの正面図である。
【図5】図1に示す圧入装置の、パイプを載置するパイプホルダの断面図である。
【図6】図3に示すクランプをベースプレートに対し結合する結合部材の、ジョイントシャフトの着脱構造を示す斜視図である。
【図7】図1に示す圧入装置によって組み立てられたプロペラシャフトを示す側面図である。
【図8】図7に示すプロペラシャフトの一端部に圧入されたVLシャフトの単体図である。
【図9】図7に示すプロペラシャフトの他端部に圧入されたヨークシャフトの単体図である。
【図10】図1に示す圧入装置の、ラムの前進ストロークと圧入速度若しくは圧入荷重ととの関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 圧入装置
2 パイプ
3 VLシャフト
3b 圧入面
3c 案内部
4 ヨークシャフト
4b 圧入面
4c 案内部
11 ベース
12 サポート
13 タイバー
14 ベースプレート
15 タイプレート
16 アクチュエータ
19 ラム
20 リニアスライド
21 パイプホルダ
22 スライドガイド
23、24 クランプ
25 当金
26、27 スライドガイド
28、29 結合部材
31 冶具ベース
34 ジョイントシャフト
43 受け面
47 制御盤

Claims (7)

  1. パイプの端部へと圧入部品を圧入する装置であって、
    ベースと、当該ベースに固定されたベースプレートにより支持されるタイバーと、当該タイバーに沿って移動可能なラムとを備え、前記ベースに前記タイバーと平行して延びるリニアスライドを設け、当該リニアスライドにより、圧入部品を位置決めするクランプの当金をその直下から支持すると共にパイプを載置するパイプホルダを支持し、かつ、前記クランプを前記ベースプレートまたは前記ラムに対し結合する結合部材を備えることを特徴とする圧入装置。
  2. 前記圧入部品の圧入面の先端に案内部を設け、かつ、当該案内部を前記パイプ端部へと圧入する間、前記アクチュエータによる前記ラムの駆動速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御する作動制御手段を備えることを特徴とする請求項1記載の圧入装置。
  3. 内外径同芯度が保証されていないパイプと、内外径同芯度が保証された圧入部品とを圧入対象とすることを特徴とする請求項1または2記載の圧入装置。
  4. 前記タイバーは、その中間部が前記ベースに対し軸方向に伸長可能に支持され、かつ、前記ベースプレートによって固定された一端部とは反対側の端部に、タイプレートが固定され、当該タイプレートにアクチュエータが固定され、当該アクチュエータによって前記ラムが駆動されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の圧入装置。
  5. 前記結合部材として、前記パイプまたは前記圧入部品の長さに対応した種々の長さを有するものを、交換可能に備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の圧入装置。
  6. パイプの端部へと圧入部品を圧入する方法であって、
    圧入部品の圧入面の先端に案内部を設け、
    当該圧入部品を正確に位置決めして支持する一方、位置の変化を許容するようにパイプを支持し、
    前記圧入部品および前記パイプへと圧入圧力を付与する際に、前記圧入部品の案内部をパイプ端部へと圧入する間の圧入速度を、圧入初期の傾きが生じない低速度に制御し、前記案内部の圧入完了後、圧入速度を所定速度へと増加することを特徴とする圧入方法。
  7. 内外径同芯度が保証されていないパイプと、内外径同芯度が保証された圧入部品とを圧入対象とすることを特徴とする請求項6記載の圧入方法。
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