JP2004249041A - 竹製食器の製造方法及び竹製食器 - Google Patents
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Abstract
【課題】防黴性、耐久性に優れ、外観の美麗な竹製食器の製造方法及び竹製食器を提供する。
【解決手段】本体を水中に浸漬して竹が含有する糖質等不要成分を抽出した後、含水率を調整した竹を成形した竹製食器。
【選択図】 なし
【解決手段】本体を水中に浸漬して竹が含有する糖質等不要成分を抽出した後、含水率を調整した竹を成形した竹製食器。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防黴性、耐久性に優れ、外観の美麗な箸やスプーン、皿、椀、ざる等の竹製食器の製造方法及び竹製食器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、竹製食器は、外観が優れており、強度があり、寸法安定性に優れていることから広く利用されている。しかし、一般に竹は成分として糖質やあくを含むことから竹製食器には黴が発生し易い。そのため、竹製食器は、乾燥状態での使用が好ましく、湿度の低い状態で保管しなければならなかった。また、糖質等は腐朽し易いため、耐久性に劣るものであった。
また、竹には昆虫が卵を産みつけることが知られており、その卵が昆虫の幼虫に成長し、竹の成分を食することにより、竹に空洞が発生することがある。そのため、竹の強度が落ちたり、竹の耐久性が著しく劣化したりする。
これらの欠点を改善するため、防黴剤や殺虫剤や抗菌剤等で竹を処理することも行われているが、安全性の点やコストの点から使用が制限されていた。
そのため、広い使用条件や保管条件で黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹製食器が求められている。
【0003】
防黴性に優れた食器としては、例えば特開平8−256894号公報において、竹等で形成された箸の表面に抗菌剤を含む塗料を塗布した塗り箸が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平8−256894号公報における塗り箸の場合、表面に抗菌剤を含む塗料を塗布することにより、外観が美麗で、抗菌性、耐久性に優れた黴の発生が少ない食器とすることが可能である。
【0005】
しかし、製造工程に塗装工程が必要である。また、箸の表面が完全に塗料で被覆されていなければ効果が望めないため、製造工程の管理を厳密にする必要がある。さらに、抗菌剤を含む塗料が高価になるため、コストの高いものになっていた。
また、箸の保管、輸送又は使用中に塗料の層が少しでも傷つくと、防黴性や耐久性が劣化するという不便があった。さらに、表面が塗料で被覆されるため、竹本来の風合いを保つことが難しかった。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであって、製造が容易で、塗料や防黴剤や殺虫剤や抗菌剤等の薬剤を使用しない、広い使用条件や保管条件で黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹製食器の製造方法及び竹製食器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、竹を水中に浸漬した後、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、食器の形状に成形することを特徴とする竹製食器の製造方法である。
【0008】
本発明においては、水中への浸漬は、竹に含まれる不要成分である糖質やあくの抽出を主な目的としている。
浸漬時間は特に限定されるものではないが、3時間以上140時間以下とするのが好ましい。特に常温の水中の場合、24時間以上140時間以下とするのが好ましい。
また、浸漬時間を短くするためには水の温度を高くするのが効果的であり、特に限定はされないが、30℃以上90℃以下とするのが好ましい。
【0009】
本発明においては、竹を浸漬する水は清潔なものであることが好もしいのは当然である。また、水は必ずしも純水である必要はない。また、エチルアルコール等のアルコール類やその他の体に無害な添加物を加え、糖類等の抽出を促進することができる。
【0010】
本発明において、竹の乾燥は一定の温度以上で行うと、乾燥速度を早くすることができ、竹に生みつけられた昆虫の卵等を不活性にする効果があり好ましい。乾燥温度としては、特に限定はされないが、殺虫効果等を考慮、かつ、製造装置を簡略化するためには40℃以上200℃未満が好ましく、50℃以上80℃以下とするのがさらに好ましい。
【0011】
また、含水率を10%以上30%以下とすると、竹のしなやかさが保てるため、竹の成形性を良好にすることができるが、含水率を15%以上25%以下とすると、さらに好ましい。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、竹を水中に浸漬した後、その竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施し、食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下の気中で熱処理することを特徴とする竹製食器の製造方法である。
【0013】
本発明においては、加圧水蒸気の圧力は、必ずしも限定はされないが、110kPaから700kPaとすることが好ましい。また、効果が高く、加圧装置を簡便にするには150kPaから300kPaとすることが好ましい。
また、加圧水蒸気の温度は、120℃以上200℃以下とするとさらに好ましい。
【0014】
本発明においては、食器の形状に形成した竹の熱処理温度は、120℃以上200℃以下とすると、熱処理時間を短くでき、かつ、熱処理装置を簡略化できるのでさらに好ましい。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、100℃以上300℃以下の気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器である。
本発明においては、熱処理温度を120℃以上200℃以下とすると、熱処理時間を短くでき、かつ、熱処理装置を簡略化できるのでさらに好ましい。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、加圧空気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器である。
【0017】
本発明においては、加圧空気の圧力は、必ずしも限定はされないが、110kPaから700kPaとすることが好ましい。また、効果が高く、加圧装置を簡便にするには150kPaから300kPaとすることが好ましい。
【0018】
本発明の加熱処理を水蒸気で行うと、加熱処理後の竹の含水率を、加熱処理前と比べて、極端に変化させることが無く好ましい。
【0019】
本発明における竹製食器は、全体を竹製にする必要は無く、無機物や金属や合成樹脂や木質材料等と複合化してもよい。また、それらは防黴性や耐久性に優れたものが選ばれるのが好ましい。
【0020】
さらに、水中への浸漬や熱処理等は、竹が原料の状態でおこなうこともできるし、食器に形成された後に行うこともできる。
【0021】
【作用】
請求項1記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬することにより、竹が含有する不要成分である糖質やあくを抽出することができ、竹に産み付けられた昆虫の卵等を不活性にすることができる。
また、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥するので、竹に適度のしなやかさを与えることができる。
【0022】
請求項2記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬した後、その竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施す。そのため、竹の含水率を大きく変化させることあなく、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。
また、竹の食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下で熱処理するので、竹製食器を長期間安定的に、所定の形状に保つことができる。
【0023】
請求項3記載の発明の竹製食器においては、100℃以上300℃以下の気中で熱処理された竹で形成されている。そのため、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。また、竹が熱変性することにより、褐色に変色させたり、竹を部分的に炭化することができる。
【0024】
請求項4記載の発明の竹製食器においては、加圧空気中で熱処理された竹で形成されている。加圧することにより、熱処理の効果を促進することができ、処理時間を短くすることができる。また、加圧容器中で熱処理すれば、竹の熱処理の際発生する揮発成分を竹に付着させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を竹箸に関する実施例にもとづき説明する。
【0026】
(実施例1)竹原材料を一定の長さになるよう長さ方向に直角に切った。長さは、箸として使用に適する長さ又は加工後に箸として使用に適する長さにするのがよく、一般的には20cm以上30cm以下に切断される。
【0027】
次に、加工後に箸として適当な太さになるように竹原料を棒状に割り、竹スティック材とした。
【0028】
上記竹スティック材を常温の水に80時間浸漬し、竹の糖質やあく等を抽出した。この際、水が褐色に変化することで、竹から等質やあく等有害成分が大量に抽出されたことが確認できた。
【0029】
続いて、竹スティック材を乾燥室にいれ、60℃から70℃の室温で20時間乾燥し、含水率を約20%に調整した。
【0030】
含水率を約20%に調整した竹スティック材を密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で2時間処理した。
【0031】
次に竹スティック材を成形機で箸の形状に成形し、成形されたものを密封乾燥室にいれ、含水率が約8%になるように乾燥した。
【0032】
(実施例2)竹原材料を一定の長さになるよう長さ方向に直角に切った。長さは、箸として使用に適する長さ又は加工後に箸として使用に適する長さにするのがよく、一般的には20cm以上30cm以下に切断される。
【0033】
次に、加工後に箸として適当な太さになるように竹原料を棒状に割り、竹スティック材とした。
【0034】
上記竹スティック材を常温の水に80時間浸漬し、竹の糖質やあく等を抽出した。この際、水が褐色に変化することで、竹から等質やあく等有害成分が大量に抽出されたことが確認できた。
【0035】
続いて、竹スティック材を乾燥室にいれ、60℃から70℃の室温で20時間乾燥し、含水率を約20%以上25%以下になるように調整した。
【0036】
含水率を調整した竹スティック材を密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で1時間以上1.5時間以下の範囲で処理した。
【0037】
次に竹スティック材を成形機で箸の形状に成形し、密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で0.5時間以上1時間以下の範囲で処理した。その後、さらに、密封乾燥室にいれ、含水率が約8%になるように乾燥した。
【0038】
以上のように成形された実施例1と実勢例2の箸を、竹のスティック材をそのまま箸に成形されたものとを高温多湿状態の室内に設置して防黴性を比較したところ、本発明の実施例による竹製箸の防黴性が明らかに優れていた。
【0039】
以上、本発明の実施例説明したが、本発明の具体的構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、本発明の竹製食器は、箸のように棒状のものだけではなく、皿や椀のように板状に成形されたものでもよい。また、茶せんやざるのように、形状が複雑なものであっても同様の効果が得られ、非常に有効である。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬することにより、竹が含有する糖質やあくを抽出することがでる。その結果、黴等が発生するために必要な養分が少ないため、黴等の発生を抑制することができる。
また、竹に産み付けられた昆虫の卵等を不活性にすることができるので、竹製食器の耐久性や衛生状態を良好に保つことができる。
また、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥するので、竹に適度のしなやかさを与えることができ、竹を食器として容易に成形することができる。
【0042】
また、請求項2記載の発明の竹製食器の製造方法においては、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施すため、竹の含水率を大きく変化させることあなく、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。そのため、黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹を、容易に竹製食器として成形することができる。
また、竹の食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下で熱処理するので、竹製食器を長期間安定的に、所定の形状をに保つことができる。
【0043】
また、請求項3記載の発明の竹製食器においては、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したり昆虫の卵を不活性にすることができる。つまり、竹製食器を長期間にわたって衛生的に保管、使用ができる。また、保管の条件が緩やかになるので、倉庫や輸送手段を簡素化できる。
また、竹が熱変性することにより、褐色に変色させたり、竹を部分的に炭化することができるので、竹製食器の外観を美麗にすることができる。さらに、炭化した竹製食器は、耐久性に優れたものとすることができる。
【0044】
また、請求項4記載の発明の竹製食器においては、加圧空気中で熱処理された竹で形成されている。そのため、熱処理の効果を促進することができ、処理時間を短くすることができる。また、加圧容器中で熱処理すれば、竹の熱処理の際発生する揮発成分を竹に付着させることができる。そのため、竹製食器の防黴性を高めることができ、耐久性を増すことができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、防黴性、耐久性に優れ、外観の美麗な箸やスプーン、皿、椀、ざる等の竹製食器の製造方法及び竹製食器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、竹製食器は、外観が優れており、強度があり、寸法安定性に優れていることから広く利用されている。しかし、一般に竹は成分として糖質やあくを含むことから竹製食器には黴が発生し易い。そのため、竹製食器は、乾燥状態での使用が好ましく、湿度の低い状態で保管しなければならなかった。また、糖質等は腐朽し易いため、耐久性に劣るものであった。
また、竹には昆虫が卵を産みつけることが知られており、その卵が昆虫の幼虫に成長し、竹の成分を食することにより、竹に空洞が発生することがある。そのため、竹の強度が落ちたり、竹の耐久性が著しく劣化したりする。
これらの欠点を改善するため、防黴剤や殺虫剤や抗菌剤等で竹を処理することも行われているが、安全性の点やコストの点から使用が制限されていた。
そのため、広い使用条件や保管条件で黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹製食器が求められている。
【0003】
防黴性に優れた食器としては、例えば特開平8−256894号公報において、竹等で形成された箸の表面に抗菌剤を含む塗料を塗布した塗り箸が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平8−256894号公報における塗り箸の場合、表面に抗菌剤を含む塗料を塗布することにより、外観が美麗で、抗菌性、耐久性に優れた黴の発生が少ない食器とすることが可能である。
【0005】
しかし、製造工程に塗装工程が必要である。また、箸の表面が完全に塗料で被覆されていなければ効果が望めないため、製造工程の管理を厳密にする必要がある。さらに、抗菌剤を含む塗料が高価になるため、コストの高いものになっていた。
また、箸の保管、輸送又は使用中に塗料の層が少しでも傷つくと、防黴性や耐久性が劣化するという不便があった。さらに、表面が塗料で被覆されるため、竹本来の風合いを保つことが難しかった。
【0006】
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであって、製造が容易で、塗料や防黴剤や殺虫剤や抗菌剤等の薬剤を使用しない、広い使用条件や保管条件で黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹製食器の製造方法及び竹製食器を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の発明は、竹を水中に浸漬した後、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、食器の形状に成形することを特徴とする竹製食器の製造方法である。
【0008】
本発明においては、水中への浸漬は、竹に含まれる不要成分である糖質やあくの抽出を主な目的としている。
浸漬時間は特に限定されるものではないが、3時間以上140時間以下とするのが好ましい。特に常温の水中の場合、24時間以上140時間以下とするのが好ましい。
また、浸漬時間を短くするためには水の温度を高くするのが効果的であり、特に限定はされないが、30℃以上90℃以下とするのが好ましい。
【0009】
本発明においては、竹を浸漬する水は清潔なものであることが好もしいのは当然である。また、水は必ずしも純水である必要はない。また、エチルアルコール等のアルコール類やその他の体に無害な添加物を加え、糖類等の抽出を促進することができる。
【0010】
本発明において、竹の乾燥は一定の温度以上で行うと、乾燥速度を早くすることができ、竹に生みつけられた昆虫の卵等を不活性にする効果があり好ましい。乾燥温度としては、特に限定はされないが、殺虫効果等を考慮、かつ、製造装置を簡略化するためには40℃以上200℃未満が好ましく、50℃以上80℃以下とするのがさらに好ましい。
【0011】
また、含水率を10%以上30%以下とすると、竹のしなやかさが保てるため、竹の成形性を良好にすることができるが、含水率を15%以上25%以下とすると、さらに好ましい。
【0012】
また、請求項2記載の発明は、竹を水中に浸漬した後、その竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施し、食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下の気中で熱処理することを特徴とする竹製食器の製造方法である。
【0013】
本発明においては、加圧水蒸気の圧力は、必ずしも限定はされないが、110kPaから700kPaとすることが好ましい。また、効果が高く、加圧装置を簡便にするには150kPaから300kPaとすることが好ましい。
また、加圧水蒸気の温度は、120℃以上200℃以下とするとさらに好ましい。
【0014】
本発明においては、食器の形状に形成した竹の熱処理温度は、120℃以上200℃以下とすると、熱処理時間を短くでき、かつ、熱処理装置を簡略化できるのでさらに好ましい。
【0015】
また、請求項3記載の発明は、100℃以上300℃以下の気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器である。
本発明においては、熱処理温度を120℃以上200℃以下とすると、熱処理時間を短くでき、かつ、熱処理装置を簡略化できるのでさらに好ましい。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、加圧空気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器である。
【0017】
本発明においては、加圧空気の圧力は、必ずしも限定はされないが、110kPaから700kPaとすることが好ましい。また、効果が高く、加圧装置を簡便にするには150kPaから300kPaとすることが好ましい。
【0018】
本発明の加熱処理を水蒸気で行うと、加熱処理後の竹の含水率を、加熱処理前と比べて、極端に変化させることが無く好ましい。
【0019】
本発明における竹製食器は、全体を竹製にする必要は無く、無機物や金属や合成樹脂や木質材料等と複合化してもよい。また、それらは防黴性や耐久性に優れたものが選ばれるのが好ましい。
【0020】
さらに、水中への浸漬や熱処理等は、竹が原料の状態でおこなうこともできるし、食器に形成された後に行うこともできる。
【0021】
【作用】
請求項1記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬することにより、竹が含有する不要成分である糖質やあくを抽出することができ、竹に産み付けられた昆虫の卵等を不活性にすることができる。
また、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥するので、竹に適度のしなやかさを与えることができる。
【0022】
請求項2記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬した後、その竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施す。そのため、竹の含水率を大きく変化させることあなく、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。
また、竹の食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下で熱処理するので、竹製食器を長期間安定的に、所定の形状に保つことができる。
【0023】
請求項3記載の発明の竹製食器においては、100℃以上300℃以下の気中で熱処理された竹で形成されている。そのため、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。また、竹が熱変性することにより、褐色に変色させたり、竹を部分的に炭化することができる。
【0024】
請求項4記載の発明の竹製食器においては、加圧空気中で熱処理された竹で形成されている。加圧することにより、熱処理の効果を促進することができ、処理時間を短くすることができる。また、加圧容器中で熱処理すれば、竹の熱処理の際発生する揮発成分を竹に付着させることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を竹箸に関する実施例にもとづき説明する。
【0026】
(実施例1)竹原材料を一定の長さになるよう長さ方向に直角に切った。長さは、箸として使用に適する長さ又は加工後に箸として使用に適する長さにするのがよく、一般的には20cm以上30cm以下に切断される。
【0027】
次に、加工後に箸として適当な太さになるように竹原料を棒状に割り、竹スティック材とした。
【0028】
上記竹スティック材を常温の水に80時間浸漬し、竹の糖質やあく等を抽出した。この際、水が褐色に変化することで、竹から等質やあく等有害成分が大量に抽出されたことが確認できた。
【0029】
続いて、竹スティック材を乾燥室にいれ、60℃から70℃の室温で20時間乾燥し、含水率を約20%に調整した。
【0030】
含水率を約20%に調整した竹スティック材を密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で2時間処理した。
【0031】
次に竹スティック材を成形機で箸の形状に成形し、成形されたものを密封乾燥室にいれ、含水率が約8%になるように乾燥した。
【0032】
(実施例2)竹原材料を一定の長さになるよう長さ方向に直角に切った。長さは、箸として使用に適する長さ又は加工後に箸として使用に適する長さにするのがよく、一般的には20cm以上30cm以下に切断される。
【0033】
次に、加工後に箸として適当な太さになるように竹原料を棒状に割り、竹スティック材とした。
【0034】
上記竹スティック材を常温の水に80時間浸漬し、竹の糖質やあく等を抽出した。この際、水が褐色に変化することで、竹から等質やあく等有害成分が大量に抽出されたことが確認できた。
【0035】
続いて、竹スティック材を乾燥室にいれ、60℃から70℃の室温で20時間乾燥し、含水率を約20%以上25%以下になるように調整した。
【0036】
含水率を調整した竹スティック材を密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で1時間以上1.5時間以下の範囲で処理した。
【0037】
次に竹スティック材を成形機で箸の形状に成形し、密閉容器に入れ、150℃、200kPaに加圧された水蒸気中で0.5時間以上1時間以下の範囲で処理した。その後、さらに、密封乾燥室にいれ、含水率が約8%になるように乾燥した。
【0038】
以上のように成形された実施例1と実勢例2の箸を、竹のスティック材をそのまま箸に成形されたものとを高温多湿状態の室内に設置して防黴性を比較したところ、本発明の実施例による竹製箸の防黴性が明らかに優れていた。
【0039】
以上、本発明の実施例説明したが、本発明の具体的構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の変更があっても本発明に含まれる。
【0040】
例えば、本発明の竹製食器は、箸のように棒状のものだけではなく、皿や椀のように板状に成形されたものでもよい。また、茶せんやざるのように、形状が複雑なものであっても同様の効果が得られ、非常に有効である。
【0041】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の竹製食器の製造方法においては、竹を水中に浸漬することにより、竹が含有する糖質やあくを抽出することがでる。その結果、黴等が発生するために必要な養分が少ないため、黴等の発生を抑制することができる。
また、竹に産み付けられた昆虫の卵等を不活性にすることができるので、竹製食器の耐久性や衛生状態を良好に保つことができる。
また、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥するので、竹に適度のしなやかさを与えることができ、竹を食器として容易に成形することができる。
【0042】
また、請求項2記載の発明の竹製食器の製造方法においては、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施すため、竹の含水率を大きく変化させることあなく、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したりすることができ、昆虫の卵を確実に不活性にすることができる。そのため、黴の発生が少なく、耐久性に優れた竹を、容易に竹製食器として成形することができる。
また、竹の食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以下で熱処理するので、竹製食器を長期間安定的に、所定の形状をに保つことができる。
【0043】
また、請求項3記載の発明の竹製食器においては、竹の内部まで、殺菌したり殺虫したり昆虫の卵を不活性にすることができる。つまり、竹製食器を長期間にわたって衛生的に保管、使用ができる。また、保管の条件が緩やかになるので、倉庫や輸送手段を簡素化できる。
また、竹が熱変性することにより、褐色に変色させたり、竹を部分的に炭化することができるので、竹製食器の外観を美麗にすることができる。さらに、炭化した竹製食器は、耐久性に優れたものとすることができる。
【0044】
また、請求項4記載の発明の竹製食器においては、加圧空気中で熱処理された竹で形成されている。そのため、熱処理の効果を促進することができ、処理時間を短くすることができる。また、加圧容器中で熱処理すれば、竹の熱処理の際発生する揮発成分を竹に付着させることができる。そのため、竹製食器の防黴性を高めることができ、耐久性を増すことができる。
Claims (4)
- 竹を水中に浸漬した後、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、食器の形状に成形することを特徴とする竹製食器の製造方法。
- 竹を水中に浸漬した後、竹の含水率が10%以上30%以下になるように乾燥し、100℃以上300℃以下の加圧水蒸気で熱処理を施し、食器の形状に成形し、さらに、100℃以上300℃以の気中で熱処理することを特徴とする竹製食器の製造方法。
- 100℃以上300℃以下の気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器。
- 加圧空気中で熱処理された竹で形成されていることを特徴とする竹製食器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003089290A JP2004249041A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 竹製食器の製造方法及び竹製食器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2003089290A JP2004249041A (ja) | 2003-02-21 | 2003-02-21 | 竹製食器の製造方法及び竹製食器 |
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JP2010099912A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Astep:Kk | 竹箸の製造方法及び竹箸 |
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JP2021029312A (ja) * | 2019-08-16 | 2021-03-01 | 株式会社ひろせプロダクト | 竹製飲用ストロー及びその製造方法 |
-
2003
- 2003-02-21 JP JP2003089290A patent/JP2004249041A/ja active Pending
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