JP2004246034A - 液晶表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】バックライトからの光を表示に効率良く利用することを可能とし、これにより高輝度の液晶表示装置を提供する。
【解決手段】バックライトと液晶表示パネルを具備してなり、液晶表示パネルの基板22の液晶層23側に、透明有機膜31と反射膜32が形成され、反射膜32に開口部32Bが設けられ、前記バックライトは、導光板12を備え、導光板12の一面側が反射面12cとされ、反射面12cには緩斜面部14aと急斜面部14bとで形成される溝14が複数ストライプ状に連続形成され、急斜面部14bと開口部32Bとが相互に重なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置を採用する。
【選択図】 図4
【解決手段】バックライトと液晶表示パネルを具備してなり、液晶表示パネルの基板22の液晶層23側に、透明有機膜31と反射膜32が形成され、反射膜32に開口部32Bが設けられ、前記バックライトは、導光板12を備え、導光板12の一面側が反射面12cとされ、反射面12cには緩斜面部14aと急斜面部14bとで形成される溝14が複数ストライプ状に連続形成され、急斜面部14bと開口部32Bとが相互に重なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置を採用する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関するものであり、特に、反射膜とバックライトの相対位置を最適化させて輝度を向上させた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の携帯電話や携帯情報端末には、ほぼ全ての製品に液晶表示装置が搭載されており、最近ではこれらの携帯電子機器の多くにカラー表示の半透過反射型液晶表示装置が搭載されている。
半透過反射型液晶表示装置は、液晶表示パネルを構成する一対の透明な基板の内側あるいは外側に、外部から入射した光を反射させるための反射膜を備えるとともに、その背面側にバックライトを備えており、太陽光あるいは外部の照明を光源として利用する反射型液晶表示装置としての反射モードと、バックライトの光を光源として利用する透過型液晶表示装置としての透過モードを切り替えながら使用することが可能なものである。この従来の半透過反射型液晶表示装置の一例としては、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−90730号公報
【0004】
液晶表示パネルは、ガラスなどの透明な一対の基板を対向させて配置し、その間に液晶層を封止して構成されている。一方の基板の液晶層側には前述の反射膜が備えられている。この反射膜は、液晶層に入射する光を反射・散乱させて、明るい表示を得られるようにするために設けられたものである。この反射膜には、Al、Agなどの反射率の高い金属材料が用いられる。
金属反射膜の膜厚を8nm〜50nmとすれば、金属層を通してバックライトの光を液晶層に導き、明るい表示を得ることができる。
尚、膜厚が8nmより薄い場合には、金属反射膜による光の反射率が小さすぎるために反射モード時の表示が暗くなる。また、膜厚を50nmより厚くすると反射率が高くなり、反射モード時の表示が明るくなるが、透過モード時の光が不足して表示が暗くなる。このように、明るい表示を得るためには、金属反射膜の厚みの微妙な制御が必要となる。
そこで、50nm以上の厚い金属反射膜に微小な開口部を多数設け、透過モード時に開口部からバックライトからの光を透過させて表示を明るくすることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の半透過反射型液晶表示装置においては、透過時の明るさを確保することが優先され、開口率を高めに設定することも行われているが、反射時の明るさも維持する必要があり、これらを考慮した設計が必要になる。そして、これまでバックライトからの光を表示に効率よく利用することについて特に検討がなされていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、バックライトと反射膜の開口部との相対的な位置関係を規定して、バックライトからの光を表示に効率良く利用することを可能とし、これにより高輝度の液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の液晶表示装置は、バックライトと、該バックライトの出射面外方に備えられた半透過型の液晶表示パネルとを具備してなり、液晶表示パネルは、液晶層を挟んで対向する一対の基板を備え、前記一対の基板のうち、一方の基板の液晶層側に、透明有機膜と反射膜と液晶駆動用電極とが少なくとも形成され、前記反射膜に前記バックライトからの光を透過させるための複数の開口部が設けられてなり、前記バックライトは、導光板と、該導光板の一端面側に配置された光源とを備え、前記導光板の一面側が、内部を伝搬する光を反射させるための凹凸の形状が形成された反射面とされ、前記導光板の他面側が前記反射面により反射された光を出射させるための出射面とされ、前記反射面には緩斜面部と該緩斜面部よりも急な傾斜角度を有する急斜面部とで形成される溝が複数ストライプ状に連続形成されてなり、前記急斜面部と前記開口部からのバックライト出射光の光束とが相互に略重なるように配置されていることを特徴とする。
【0007】
上記の液晶表示装置によれば、光源から出射された光を急斜面部で反射して導光板の出射面から液晶表示パネルに照射できるので、液晶表示パネルを裏側から照明することができ、バックライトとして機能させることができる。
そして、急斜面部と開口部とが相互に重なるように配置されているので、急斜面部で反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部が配置される形となり、バックライトから出射された光が開口部を通じて液晶層側に効率よく透過されるので、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【0008】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であり、前記急斜面部と前記開口部とが、前記出斜面の法線方向に沿って略重なるように配置されていることを特徴とする。
通常の液晶表示装置においては、急斜面部で反射された光の反射方向が、出斜面の法線方向に一致するので、上記の液晶表示装置によれば、急斜面部で反射された光の反射方向の先に反射膜の開口部が配置される形となり、バックライトからの光が開口部を通じて液晶層側に効率よく透過されて、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【0009】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であって、前記反射膜上にカラーフィルタが形成され、前記導光板の前記急斜面部と前記カラーフィルタと前記反射膜の前記開口部とが相互に重なるように配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記の液晶表示装置によれば、急斜面部とカラーフィルタと開口部とが相互に重なるように配置されているので、バックライトからの光を開口部およびカラーフィルタを通じて液晶層側に効率よく透過させることができ、明るいカラー表示を得ることができる。
【0011】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であって、前記反射膜に内面が球面の一部をなす多数の凹部が連続して形成されていることを特徴とする。
このような反射膜を利用すれば、外光が弱い場合でも反射光を有効に利用することが可能となる。
【0012】
また本発明の液晶表示装置においては、前記液晶駆動用電極が複数のストライプ電極により構成されていることが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルがパッシブマトリックス型の液晶表示パネルであっても良い。
【0013】
また本発明の液晶表示装置においては、前記液晶駆動用電極が一の共通電極により構成されていることが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルがアクティブマトリックス型の液晶表示パネルであっても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。また、各図において各構成部材の縮尺は図示し易いように適宜変更して記載してある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のバックライト(面状発光装置)を備えた半透過型の液晶表示装置の断面構成図であり、図2は同バックライトの斜視図、図3は同バックライトの一部を拡大して示す側面図である。図1の断面方向は、図2においてはI−I線に沿う方向となる。なお、本実施形態の液晶表示装置は、いわゆるパッシブマトリックス型と呼ばれるものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置Aは、液晶表示パネル20と、この液晶表示パネル20の背面側に配置されて液晶表示パネル20を裏面側から照明するためのバックライト10とから概略構成されている。
【0017】
液晶表示パネル20は半透過型のものであり、液晶層23を挟持して対向するガラスなどからなる透明の第1の基板21と、透明の第2の基板22をシール材24で接合一体化して概略構成されている。第1の基板21および第2の基板22の液晶層23側には、表示回路層26,27がそれぞれ形成されている。
【0018】
次に図1および図2に示すように、バックライト10は透明な導光板12と光源装置13とから概略構成されている。バックライト10において、光源装置(光源)13は、導光板12に光を導入する側の端面12a側に配設されている。
導光板12は、上記液晶表示パネル20の背面側(基板22の外側)に配置されて光源装置13から入射された光を液晶表示パネル20に照射するものであり、平板状の透明なアクリル樹脂板などから構成されている。図2に示すように導光板12の一側の端面12a(以下、入射面12aということもある)には光源装置13が配設されており、光源装置13から出射される光が入射面12aを介して導光板12の内部に導入されるようになっている。
また、図1および図2に示すように、導光板12の下面(液晶表示パネル20側と反対側の面)は、プリズム面(反射面)12cとされており、このプリズム面12cと反対側の上面(液晶表示パネル20側の面)は、平面型の出射面12bとされている。
【0019】
導光板12を構成する材料としてはアクリル系樹脂のほか、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの透明な樹脂材料や、ガラスなどを用いることができる。
【0020】
出射面12bは、液晶表示パネル20と対向配置されて液晶表示パネル20を照明するための光が出射される面であり、例えば、表面粗さ(Ra)が10nm以下の平滑な面とされている。
プリズム面12cには、導光板12内部を伝搬する光を反射させて伝搬方向を変えるために、断面略V字状の溝14が、平面視したときにストライプ状となるように、所定のピッチで複数形成されている。これらの溝14は、出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aに連続して形成され、緩斜面部14aよりも急な傾斜角度で形成された急斜面部14bとからなる非対称形状とされてなり、それぞれの溝14の形成方向は、導光板12の入射面12aに対して平行に延在するようにそろえられている。また導光板12の向きは、緩斜面部14aが光源装置13から離れるにしたがって漸次厚みを増すように構成することが好ましい。即ち、急斜面部14bが光源装置13から離れるにしたがって漸次薄くなるように配置することにより、光源装置13から出射された光が急斜面部14bで反射されて出射面12bから出射される効率を向上させることができる。
【0021】
図3は、導光板12の一部を拡大して示す側面図である。図3中符号19は、導光板12の内部を伝搬する光の伝搬経路の例を示す。図示左側に配置された光源装置13から出射された光19は、導光板12の内面で反射されながら導光板12の内部を伝搬し、その一部は導光板12の出射面12bから出射する。
なお、光源装置13から導光板12側に入射される光は図3に示す平行光に限らず、種々の入射角度成分をもった光が入射される。
導光板12内における光の伝搬経路は、溝14を構成している緩斜面部14aの傾斜角θ1、急斜面部14bの傾斜角θ2、および溝14のピッチPTによって変化し得る。したがって、これらの傾斜角θ1およびθ2ならびにピッチPTを適宜設定することによって、出射面12bの面内における出射光量の均一性を向上させ、導光板12のプリズム面12c側に輝線が生じるのを防止することができるとともに、プリズム面12cから出射される光が最大となる方向Rmと出射面12bの法線P’とが成す角度θAを所望の範囲に制御することも可能である。
【0022】
例えば、得ようとする液晶表示装置1の表示画面を様々な角度から観察したときに最も明るく見える角度(視角)、すなわち表示画面において輝度が最大となる視角が、表示画面の法線に対して±10°の範囲内となるように設定したい場合には、急斜面部14bの傾斜角θ2を、40°以上50°以下、例えば43゜前後とすることが好ましい。同様に緩斜面部14aの傾斜角θ1は1.8゜〜2.5゜の範囲、例えば2゜前後とすることが好ましい。
また、溝14のピッチPTは、小さいほどバックライト10から出射される光量が低下し、液晶表示装置1の輝度が低下する。一方、ピッチPTが大きすぎると、導光板12に輝線が生じてバックライト10としての輝度にムラが生じ易いので好ましくない。したがって、溝14のピッチPTは、120μm以上、250μm以下の範囲とするのが好ましい。
【0023】
次に、図4に液晶表示装置Aの拡大断面構成図を示す。
図4に示すように、第2の基板22の液晶層23側には、表示回路層27が形成されている。表示回路層27は、第2の基板22に積層されて反射膜32に凹凸の形状を与えるための透明有機膜31と、液晶表示装置1に入射した光を反射させるための反射膜32と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ33R、33G、33Bと、透明有機膜31と反射膜32を被覆して保護するとともに透明有機膜31やカラーフィルタ33R、33G、33Bによる凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜34と、液晶層23を駆動するためのストライプ状の電極層(ストライプ電極(液晶駆動用電極))35と、液晶層23を構成する液晶分子の配向を制御するための配向膜36とが順次積層されて形成されている。
【0024】
また、第1の基板21の液晶層23側には、表示回路層26が形成されている。表示回路層26は、第1の基板21側から順に、ストライプ状の電極層(ストライプ電極)35、オーバーコート膜34、配向膜36が積層されて形成されている。
【0025】
更に、第2の基板22の液晶層23側と反対側(第2の基板22の外面側)に、偏光板38が設けられており、第1の基板21の液晶層23側と反対側(第1の基板21の外面側)には、位相差板47と偏光板48がこの順で積層されている。
そして、第2の基板22の偏光板38の外側に、半透過液晶表示装置Aにおいて透過表示を行うための光源としての導光板12が配設されている。
【0026】
第1,第2の基板21、22に各々設けられた電極層35、35は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを多数整列形成したもので、外部の駆動回路(図示せず)に個々に接続されて液晶層23を構成する液晶分子を駆動するためのものである。各電極層35,35は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置Aがパッシブマトリクス型とされている。各電極層35,35が交差する部分が画素とされている。
【0027】
次に、透明有機膜31と反射膜32とにより反射体30が構成されている。図5に反射体30の斜視図を示す。
図4および図5に示すように、透明有機膜31はその上に形成される反射膜32に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。このように反射膜32に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置Aに入射する光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができる。
すなわち図5に示すように、透明有機膜31の表面には、その内面が球面の一部をなす多数の凹部32Aが左右に重なり合うようにして連続して形成されており、その面上に反射膜32が積層されている。
また、図4および図5に示すように、反射膜32には多数の開口部32Bが設けられている。開口部32Bは、電極層35,35の交差部分(画素)に対応する位置に設けられていて、バックライト20からの光を液晶層23側に透過させる。
【0028】
次に図6には、導光板12と反射膜32の開口部32Bとカラーフィルタ33R、33G、33Bの位置関係を説明するための図であって、液晶層23側からカラーフィルタ33R、33G、33Bおよび反射膜32ならびに導光板12を見た平面透視模式図を示す。
図4および図6に示すように、開口部32B上には、カラーフィルタ33R、33G、33Bが積層されている。また、各カラーフィルタ33R、33G、33Bの形成位置は、第2の基板22側の電極層35と第1の基板21側の電極層35とが交差する位置に対応している。すなわち、各カラーフィルタ33R、33G、33Bは、電極層35,35の交差部分である画素に対応する位置に配置されている。各カラーフィルタは、青色のカラーフィルタ33B、緑色のカラーフィルタ33G、赤色のカラーフィルタ33Rから構成されている。また、図4および図6に示すように、各カラーフィルタ33R、33G、33Bは相互に一定の間隔をあけて配置されている。
【0029】
また、図4および図6に示すように、導光板12の急斜面部14b…上に、カラーフィルタ33R…および反射膜の開口部32Bが配置されている。すなわち、急斜面部14b…、カラーフィルタ33R…および反射膜の開口部32Bが、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねられている。また、急斜面部14bは、その長手方向が図6中左右方向に沿うように形成されていて、カラーフィルタ33R、33G、33Bおよび開口部32Bがこの急斜面部14bの長手方向に沿って配置されている。
【0030】
そして図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置Aにおいては、光源装置から発した光が、導光板12の内部を透過して急斜面部14bにより反射され、更に出斜面12bから液晶表示パネル20側に出射される。この光19は、出斜面12bのほぼ法線方向に向けて出射される。急斜面部14bの当該法線方向には、反射膜32の開口部32bおよびカラーフィルタ33R、33G、33Bが位置しているため、光19がこれら開口部32Bおよびカラーフィルタ33R、33G、33Bを通過して液晶層23を透過することになる。
【0031】
このように、急斜面部14bで反射された光19の反射方向の先に、反射膜の開口部32Bが配置されているので、バックライト10からの光が開口部32Bを通じて液晶層23側に効率よく透過されて、液晶表示装置Aの輝度を高めることができる。
特に上記の液晶表示装置Aによれば、急斜面部14bと開口部32Bとが相互に重なるように配置させるだけで、開口部32Bを通じてバックライト10からの光を液晶層23側に効率よく透過させることができる。
【0032】
尚、図3において説明したように、出斜面12bから出射される光の方向Rmは、緩斜面部14a及び急斜面部14bの角度θ1、θ2及びピッチPにより変更することができる。従って出斜面12bから出射される光の方向Rmが出斜面の法線方向P’と一致しない場合には、急斜面部14b、開口部32B及びカラーフィルタ33R、33G、33Bを、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねることは必ずしも必要がなく、急斜面部14bで反射された光の反射方向Rmの先に、反射膜の開口部32Bを配置させればよい。
【0033】
また、本発明では、バックライト10の導光板12に対する急斜面14bと緩斜面14aとの接合部と、開口部32Bとが干渉してモアレが出ないような工夫がなされていることが望ましい。このためには開口部32Bの形状を変えることが好ましい。
【0034】
尚、上記凹部32Aの深さを0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部32Aのピッチを5μm〜50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部32A内面の傾斜角を−30度〜+30度の範囲に設定することが望ましい。
特に、凹部32A内面の傾斜角分布を−30度〜+30度の範囲に設定する点、隣接する凹部32Aのピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が特に重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部32Aのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部32A内面の傾斜角分布が−30度〜30度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部32Aの深さが3μmを超えると、後工程で凹部32Aを平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜(オーバーコート膜34)で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなり、表示むらの原因となる。
【0035】
隣接する凹部32Aのピッチが5μm未満の場合、透明有機膜31を形成するために用いる転写型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、前記転写型の製作に使用しうる30μm〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部32Aのピッチを5μm〜50μmとすることが望ましい。
【0036】
(第2の実施形態)
図7は、本実施形態のバックライト(面状発光装置)を備えた半透過型の液晶表示装置の断面構成図である。なお、本実施形態の液晶表示装置は、いわゆるアクティブマトリックス型と呼ばれるものである。
尚、図7に示す構成要素のうち、図1〜図4に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図7に示すように、本実施形態の液晶表示装置において液晶パネル100は、素子側の基板110と、対向基板140と、これら一対の基板110、140の間に挟持された液晶層150と、基板110の外側に外側から順に配置された偏光板151、第1の位相差板152、第2の位相差板153を備えて構成されている。なお、図7では略したが、基板110と基板140は平面視矩形状とされてそれらの周縁部間にシール材が介在され、基板110と基板140とシール材に囲まれた状態でこれらの基板間に液晶層150が挟持されている。
【0038】
素子側の基板110は、図7に示すようにガラスやプラスチック等からなる基板本体111上に(図1では基板本体111の下面側に、換言すると液晶層側に)、TFT(スイッチング素子)130と画素電極120が形成されている。以下では、基板110上において、画素電極120が形成された領域、TFT130が形成された領域を、それぞれ画素領域、素子領域と呼ぶ。
【0039】
本実施形態のTFT130は逆スタガ型の構造を有し、本体となる基板111の最下層部から順にゲート電極112、ゲート絶縁膜113、半導体層114、115、ソース電極116およびドレイン電極117が形成されている。すなわち、図示略の走査線一部が延出されてゲート電極112が形成され、これを覆ったゲート絶縁層113上にゲート電極112を平面視で跨るようにアイランド状の半導体層114が形成され、この半導体層114の両端側の一方に半導体層115を介してソース電極116が、他方に半導体層115を介してドレイン電極117が形成されている。なお、半導体層114上にアイランド状の絶縁膜118が被覆形成され、この絶縁膜118を介して先のソース電極116の先端部とドレイン電極117の先端部が対向されている。この絶縁膜118は半導体層114を製造する際にエッチングストッパ層として機能し、半導体層114を保護するためのものである。
【0040】
ゲート電極112は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、銅(Cu)、クロム(Cr)等の金属あるいはこれら金属を一種類以上含んだMo−W等の合金からなる。
ゲート絶縁層113は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNy)等のシリコン系の絶縁膜からなり、ゲート電極112を覆うように基板111のほぼ全面に形成されている。
【0041】
半導体層114は、不純物ドープの行われていないアモルファスシリコン(a−Si)等からなるi型の半導体層であり、ゲート絶縁層113を介してゲート電極112と対向する領域がチャネル領域として構成される。
ソース電極116およびドレイン電極117は、Al、Mo、W、Ta、Ti、Cu、Cr等の金属およびこれら金属を一種類以上含んだ合金からなり、半導体層114上に、チャネル領域を挟むように対向して形成されている。また、ソース電極116は列方向に配設される図示略の信号線から延出されて形成されている。半導体層114とソース電極116およびドレイン電極117との間で良好なオーミック接触を得るために、半導体層114と各電極116、117との間には、リン(P)等のV族元素を高濃度にドープしたn型半導体層115が設けられている。
また、ドレイン電極117は画素電極120に接続されている。この画素電極120は、ゲート絶縁層113上にマトリクス状に複数形成され、本実施形態では図示略の走査線と信号線とによって区画された領域に対応させて一つずつ設けられている。そして、この画素電極120は、その端辺が走査線および信号線に沿うように配されており、TFT130および走査線、信号線を除く領域を画素領域とするようになっている。
そして、上述のように構成された基板111上には絶縁層119を覆うようにラビング等の所定の配向処理が施されたポリイミド等からなる配向膜123が形成されている。
【0042】
一方、対向基板140はカラーフィルタアレイ基板として構成され、ガラスやプラスチック等からなる基板本体141上に、図7に示す透明有機膜135とカラーフィルタ142が形成されている。更に、カラーフィルタ142上には、共通電極143(液晶駆動用電極)、配向膜144が順次積層されている。
透明有機膜135は、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテンポリマ(BCB)等の有機絶縁材料からなる。この透明有機膜135は基板141上に比較的厚く積層され、この透明有機膜135の表面側(液晶層側)には少なくとも画素領域に対応する位置に、複数の凹部136が設けられ、これらの凹部136上には更にAlやAg等からなる反射膜137が形成され、反射膜137にも先の凹部136に合致する形状の凹部138が形成されている。この反射膜137の凹部138により液晶パネル100に入射した光は一部散乱反射され、より広い観察範囲でより明るい表示が得られるようになっている。
また、図7に示すように、反射膜137には開口部137Bが設けられている。開口部137Bは、画素電極120に対応する位置に設けられている。
【0043】
また図7に示すように、開口部137B上にカラーフィルタ142が積層されている。カラーフィルタ142は、画素電極120に対応する位置に配置されている。カラーフィルタ142は、青色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、赤色のカラーフィルタから構成されている。また、図7に示すように、カラーフィルタ142同士が相互に一定の間隔をあけて配置されており、カラーフィルタ142、142間にはブラックマトリックス層142Tが配置されている。
【0044】
そして、図7に示すように、導光板12の急斜面部14b…上に、カラーフィルタ142および反射膜の開口部137Bが配置されている。すなわち、急斜面部14b…、カラーフィルタ142および反射膜の開口部137Bが、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねられている。
【0045】
そして図7に示すように、本実施形態の液晶表示装置においては、光源装置から発した光219が、導光板12の内部を透過して急斜面部14bにより反射され、更に出斜面12bから液晶表示パネル100側に出射される。この光219は、出斜面12bのほぼ法線方向に向けて出射される。急斜面部14bの当該法線方向には、反射膜137の開口部137Bおよびカラーフィルタ142が位置しているため、光219がこれら開口部137Bおよびカラーフィルタ142を通過して液晶層150を透過することになる。
【0046】
このように、急斜面部14bで反射された光219の反射方向の先に、反射膜の開口部137Bが配置されているので、導光板12からの光が開口部137Bを通じて液晶層150側に効率よく透過されて、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
特に上記の液晶表示装置によれば、急斜面部14bと開口部137Bとが相互に重なるように配置させるだけで、導光板12からの光を開口部137Bを通じて液晶層150側に効率よく透過させることができる。
【0047】
尚、第1の実施形態の場合と同様に、出斜面12bから出射される光の方向は、緩斜面部14a及び急斜面部14bの角度及びピッチにより変更することができる。従って急斜面部14b、開口部137B及びカラーフィルタ142について、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねることは必ずしも必要がなく、急斜面部14bで反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部137Bが配置されていればよい。
【0048】
尚、図7ではアクティブ駆動素子を観察側に配置した例を示したが、アクティブ駆動素子を観察側と反対側の基板に配置しても良い。
【0049】
【実施例】
緩斜面部の角度θ1を1.8°とし、急斜面部の角度θ2を42°とし、ピッチPを191.3μmとしたこと以外は図1〜図4に示したものと同様な導光板を製造し、この導光板を用いてバックライトを製造した。尚、上述のピッチを急斜面部のピッチ成分と緩斜面部のピッチ成分に分けた場合、急斜面部のピッチは6.5μmとなり、緩斜面部のピッチは184.8μmとなる。
また、基板上に透明有機膜を形成した後、この透明有機膜上にAlからなる反射膜を蒸着により積層した。次に反射膜に一辺が20μmの矩形状の開口部をレーザー法によって複数形成した。各開口部は、相互に191μmの間隔をもってマトリックス状に形成された。このようにして図1または図4に示すような反射体を製造した。
更に、反射体の各開口部上に、一辺が55μmの矩形状のカラーフィルタを複数形成した。各カラーフィルタは、相互に64μmの間隔をもってマトリックス状に形成された。このようにして図1または図4に示すようなカラーフィルタを製造した。
更に、カラーフィルタ上に、オーバーコート層、ストライプ電極、配向膜を形成した。
また、別の基板上にストライプ電極、オーバーコート層、配向膜を順次形成した。
【0050】
そして、得られた一対の基板の間に液晶層を封入して液晶表示パネルを形成するととともに、液晶表示パネルの一方の基板(反射体を設けた基板)の外側に先程のバックライトを貼り合わせた。液晶表示パネルとバックライトを貼り合わせる際には、導光板の急斜面部と反射膜の開口部が重なるように貼り合わせた。このようにして、図1または図4に示したものと同様な液晶表示装置を製造した。
この液晶表示装置を実施例とした。
【0051】
また、液晶表示パネルとバックライトを貼り合わせる際に、導光板の急斜面部と反射膜の開口部との重ね合わせを特に考慮せずに貼り合わせたこと以外は、上記実施例と同様にして比較例の液晶表示装置を製造した。
【0052】
得られた実施例および比較例の液晶表示装置について、バックライトを点灯させた際の液晶表示装置の表示輝度を測定したところ、実施例の表示輝度は、比較例の表示輝度に対して30%増の明るさが得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、光源から出射された光を急斜面部で反射して導光板の出射面から液晶表示パネルに照射できるので、液晶表示パネルを裏側から照明することができ、バックライトとして機能させることができる。そして、急斜面部で反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部が配置されているので、バックライトからの光を開口部を通じて液晶層側に効率よく透過させることができ、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の断面模式図。
【図2】図1の液晶表示装置に備えられるバックライトを示す斜視図。
【図3】バックライトの導光板の要部を示す断面模式図。
【図4】図1に示した液晶表示装置の要部を示す断面模式図。
【図5】図1に示した液晶表示装置に備えられる反射体の部分斜視図。
【図6】導光板の急斜面部と反射膜の開口部とカラーフィルタの位置関係を示す平面模式図。
【図7】本発明の第2の実施形態である液晶表示装置の要部を示す断面模式図。
【符号の説明】
10…バックライト、12…導光板、12a…一端面、12b…出斜面、12c…プリズム面(反射面)、13…光源装置(光源)、14…溝、14a…緩斜面部、14b…急斜面部、20…液晶表示パネル、21…基板、22…基板(一方の基板)、23…液晶層、31…透明有機膜、32…反射膜、32A…凹部、32B…開口部、33R、33G、33B…カラーフィルタ、35…ストライプ電極(液晶駆動用電極)、A…液晶表示装置、P’…法線方向、Rm…光の反射方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置に関するものであり、特に、反射膜とバックライトの相対位置を最適化させて輝度を向上させた液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の携帯電話や携帯情報端末には、ほぼ全ての製品に液晶表示装置が搭載されており、最近ではこれらの携帯電子機器の多くにカラー表示の半透過反射型液晶表示装置が搭載されている。
半透過反射型液晶表示装置は、液晶表示パネルを構成する一対の透明な基板の内側あるいは外側に、外部から入射した光を反射させるための反射膜を備えるとともに、その背面側にバックライトを備えており、太陽光あるいは外部の照明を光源として利用する反射型液晶表示装置としての反射モードと、バックライトの光を光源として利用する透過型液晶表示装置としての透過モードを切り替えながら使用することが可能なものである。この従来の半透過反射型液晶表示装置の一例としては、例えば下記特許文献1に記載されたものがある。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−90730号公報
【0004】
液晶表示パネルは、ガラスなどの透明な一対の基板を対向させて配置し、その間に液晶層を封止して構成されている。一方の基板の液晶層側には前述の反射膜が備えられている。この反射膜は、液晶層に入射する光を反射・散乱させて、明るい表示を得られるようにするために設けられたものである。この反射膜には、Al、Agなどの反射率の高い金属材料が用いられる。
金属反射膜の膜厚を8nm〜50nmとすれば、金属層を通してバックライトの光を液晶層に導き、明るい表示を得ることができる。
尚、膜厚が8nmより薄い場合には、金属反射膜による光の反射率が小さすぎるために反射モード時の表示が暗くなる。また、膜厚を50nmより厚くすると反射率が高くなり、反射モード時の表示が明るくなるが、透過モード時の光が不足して表示が暗くなる。このように、明るい表示を得るためには、金属反射膜の厚みの微妙な制御が必要となる。
そこで、50nm以上の厚い金属反射膜に微小な開口部を多数設け、透過モード時に開口部からバックライトからの光を透過させて表示を明るくすることが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の半透過反射型液晶表示装置においては、透過時の明るさを確保することが優先され、開口率を高めに設定することも行われているが、反射時の明るさも維持する必要があり、これらを考慮した設計が必要になる。そして、これまでバックライトからの光を表示に効率よく利用することについて特に検討がなされていなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、バックライトと反射膜の開口部との相対的な位置関係を規定して、バックライトからの光を表示に効率良く利用することを可能とし、これにより高輝度の液晶表示装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の液晶表示装置は、バックライトと、該バックライトの出射面外方に備えられた半透過型の液晶表示パネルとを具備してなり、液晶表示パネルは、液晶層を挟んで対向する一対の基板を備え、前記一対の基板のうち、一方の基板の液晶層側に、透明有機膜と反射膜と液晶駆動用電極とが少なくとも形成され、前記反射膜に前記バックライトからの光を透過させるための複数の開口部が設けられてなり、前記バックライトは、導光板と、該導光板の一端面側に配置された光源とを備え、前記導光板の一面側が、内部を伝搬する光を反射させるための凹凸の形状が形成された反射面とされ、前記導光板の他面側が前記反射面により反射された光を出射させるための出射面とされ、前記反射面には緩斜面部と該緩斜面部よりも急な傾斜角度を有する急斜面部とで形成される溝が複数ストライプ状に連続形成されてなり、前記急斜面部と前記開口部からのバックライト出射光の光束とが相互に略重なるように配置されていることを特徴とする。
【0007】
上記の液晶表示装置によれば、光源から出射された光を急斜面部で反射して導光板の出射面から液晶表示パネルに照射できるので、液晶表示パネルを裏側から照明することができ、バックライトとして機能させることができる。
そして、急斜面部と開口部とが相互に重なるように配置されているので、急斜面部で反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部が配置される形となり、バックライトから出射された光が開口部を通じて液晶層側に効率よく透過されるので、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【0008】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であり、前記急斜面部と前記開口部とが、前記出斜面の法線方向に沿って略重なるように配置されていることを特徴とする。
通常の液晶表示装置においては、急斜面部で反射された光の反射方向が、出斜面の法線方向に一致するので、上記の液晶表示装置によれば、急斜面部で反射された光の反射方向の先に反射膜の開口部が配置される形となり、バックライトからの光が開口部を通じて液晶層側に効率よく透過されて、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【0009】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であって、前記反射膜上にカラーフィルタが形成され、前記導光板の前記急斜面部と前記カラーフィルタと前記反射膜の前記開口部とが相互に重なるように配置されていることを特徴とする。
【0010】
上記の液晶表示装置によれば、急斜面部とカラーフィルタと開口部とが相互に重なるように配置されているので、バックライトからの光を開口部およびカラーフィルタを通じて液晶層側に効率よく透過させることができ、明るいカラー表示を得ることができる。
【0011】
また本発明の液晶表示装置は、先に記載の液晶表示装置であって、前記反射膜に内面が球面の一部をなす多数の凹部が連続して形成されていることを特徴とする。
このような反射膜を利用すれば、外光が弱い場合でも反射光を有効に利用することが可能となる。
【0012】
また本発明の液晶表示装置においては、前記液晶駆動用電極が複数のストライプ電極により構成されていることが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルがパッシブマトリックス型の液晶表示パネルであっても良い。
【0013】
また本発明の液晶表示装置においては、前記液晶駆動用電極が一の共通電極により構成されていることが好ましい。
すなわち、液晶表示パネルがアクティブマトリックス型の液晶表示パネルであっても良い。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。また、各図において各構成部材の縮尺は図示し易いように適宜変更して記載してある。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態のバックライト(面状発光装置)を備えた半透過型の液晶表示装置の断面構成図であり、図2は同バックライトの斜視図、図3は同バックライトの一部を拡大して示す側面図である。図1の断面方向は、図2においてはI−I線に沿う方向となる。なお、本実施形態の液晶表示装置は、いわゆるパッシブマトリックス型と呼ばれるものである。
【0016】
図1に示すように、本実施形態の液晶表示装置Aは、液晶表示パネル20と、この液晶表示パネル20の背面側に配置されて液晶表示パネル20を裏面側から照明するためのバックライト10とから概略構成されている。
【0017】
液晶表示パネル20は半透過型のものであり、液晶層23を挟持して対向するガラスなどからなる透明の第1の基板21と、透明の第2の基板22をシール材24で接合一体化して概略構成されている。第1の基板21および第2の基板22の液晶層23側には、表示回路層26,27がそれぞれ形成されている。
【0018】
次に図1および図2に示すように、バックライト10は透明な導光板12と光源装置13とから概略構成されている。バックライト10において、光源装置(光源)13は、導光板12に光を導入する側の端面12a側に配設されている。
導光板12は、上記液晶表示パネル20の背面側(基板22の外側)に配置されて光源装置13から入射された光を液晶表示パネル20に照射するものであり、平板状の透明なアクリル樹脂板などから構成されている。図2に示すように導光板12の一側の端面12a(以下、入射面12aということもある)には光源装置13が配設されており、光源装置13から出射される光が入射面12aを介して導光板12の内部に導入されるようになっている。
また、図1および図2に示すように、導光板12の下面(液晶表示パネル20側と反対側の面)は、プリズム面(反射面)12cとされており、このプリズム面12cと反対側の上面(液晶表示パネル20側の面)は、平面型の出射面12bとされている。
【0019】
導光板12を構成する材料としてはアクリル系樹脂のほか、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ樹脂などの透明な樹脂材料や、ガラスなどを用いることができる。
【0020】
出射面12bは、液晶表示パネル20と対向配置されて液晶表示パネル20を照明するための光が出射される面であり、例えば、表面粗さ(Ra)が10nm以下の平滑な面とされている。
プリズム面12cには、導光板12内部を伝搬する光を反射させて伝搬方向を変えるために、断面略V字状の溝14が、平面視したときにストライプ状となるように、所定のピッチで複数形成されている。これらの溝14は、出射面12bに対して傾斜して形成された緩斜面部14aと、この緩斜面部14aに連続して形成され、緩斜面部14aよりも急な傾斜角度で形成された急斜面部14bとからなる非対称形状とされてなり、それぞれの溝14の形成方向は、導光板12の入射面12aに対して平行に延在するようにそろえられている。また導光板12の向きは、緩斜面部14aが光源装置13から離れるにしたがって漸次厚みを増すように構成することが好ましい。即ち、急斜面部14bが光源装置13から離れるにしたがって漸次薄くなるように配置することにより、光源装置13から出射された光が急斜面部14bで反射されて出射面12bから出射される効率を向上させることができる。
【0021】
図3は、導光板12の一部を拡大して示す側面図である。図3中符号19は、導光板12の内部を伝搬する光の伝搬経路の例を示す。図示左側に配置された光源装置13から出射された光19は、導光板12の内面で反射されながら導光板12の内部を伝搬し、その一部は導光板12の出射面12bから出射する。
なお、光源装置13から導光板12側に入射される光は図3に示す平行光に限らず、種々の入射角度成分をもった光が入射される。
導光板12内における光の伝搬経路は、溝14を構成している緩斜面部14aの傾斜角θ1、急斜面部14bの傾斜角θ2、および溝14のピッチPTによって変化し得る。したがって、これらの傾斜角θ1およびθ2ならびにピッチPTを適宜設定することによって、出射面12bの面内における出射光量の均一性を向上させ、導光板12のプリズム面12c側に輝線が生じるのを防止することができるとともに、プリズム面12cから出射される光が最大となる方向Rmと出射面12bの法線P’とが成す角度θAを所望の範囲に制御することも可能である。
【0022】
例えば、得ようとする液晶表示装置1の表示画面を様々な角度から観察したときに最も明るく見える角度(視角)、すなわち表示画面において輝度が最大となる視角が、表示画面の法線に対して±10°の範囲内となるように設定したい場合には、急斜面部14bの傾斜角θ2を、40°以上50°以下、例えば43゜前後とすることが好ましい。同様に緩斜面部14aの傾斜角θ1は1.8゜〜2.5゜の範囲、例えば2゜前後とすることが好ましい。
また、溝14のピッチPTは、小さいほどバックライト10から出射される光量が低下し、液晶表示装置1の輝度が低下する。一方、ピッチPTが大きすぎると、導光板12に輝線が生じてバックライト10としての輝度にムラが生じ易いので好ましくない。したがって、溝14のピッチPTは、120μm以上、250μm以下の範囲とするのが好ましい。
【0023】
次に、図4に液晶表示装置Aの拡大断面構成図を示す。
図4に示すように、第2の基板22の液晶層23側には、表示回路層27が形成されている。表示回路層27は、第2の基板22に積層されて反射膜32に凹凸の形状を与えるための透明有機膜31と、液晶表示装置1に入射した光を反射させるための反射膜32と、カラー表示を行うためのカラーフィルタ33R、33G、33Bと、透明有機膜31と反射膜32を被覆して保護するとともに透明有機膜31やカラーフィルタ33R、33G、33Bによる凹凸を平坦化するためのオーバーコート膜34と、液晶層23を駆動するためのストライプ状の電極層(ストライプ電極(液晶駆動用電極))35と、液晶層23を構成する液晶分子の配向を制御するための配向膜36とが順次積層されて形成されている。
【0024】
また、第1の基板21の液晶層23側には、表示回路層26が形成されている。表示回路層26は、第1の基板21側から順に、ストライプ状の電極層(ストライプ電極)35、オーバーコート膜34、配向膜36が積層されて形成されている。
【0025】
更に、第2の基板22の液晶層23側と反対側(第2の基板22の外面側)に、偏光板38が設けられており、第1の基板21の液晶層23側と反対側(第1の基板21の外面側)には、位相差板47と偏光板48がこの順で積層されている。
そして、第2の基板22の偏光板38の外側に、半透過液晶表示装置Aにおいて透過表示を行うための光源としての導光板12が配設されている。
【0026】
第1,第2の基板21、22に各々設けられた電極層35、35は、ITO(Indium tin oxide)などの透明導電膜からなる短冊状の平面形状のものを多数整列形成したもので、外部の駆動回路(図示せず)に個々に接続されて液晶層23を構成する液晶分子を駆動するためのものである。各電極層35,35は互いに平面視直角に向くように配置されて上記の液晶表示装置Aがパッシブマトリクス型とされている。各電極層35,35が交差する部分が画素とされている。
【0027】
次に、透明有機膜31と反射膜32とにより反射体30が構成されている。図5に反射体30の斜視図を示す。
図4および図5に示すように、透明有機膜31はその上に形成される反射膜32に凹凸形状を与えて反射光を効率よく散乱させるために設けられているものである。このように反射膜32に凹凸形状を与えることにより、液晶表示装置Aに入射する光を効率よく反射することができるため、反射モードにおける明るい表示を実現することができる。
すなわち図5に示すように、透明有機膜31の表面には、その内面が球面の一部をなす多数の凹部32Aが左右に重なり合うようにして連続して形成されており、その面上に反射膜32が積層されている。
また、図4および図5に示すように、反射膜32には多数の開口部32Bが設けられている。開口部32Bは、電極層35,35の交差部分(画素)に対応する位置に設けられていて、バックライト20からの光を液晶層23側に透過させる。
【0028】
次に図6には、導光板12と反射膜32の開口部32Bとカラーフィルタ33R、33G、33Bの位置関係を説明するための図であって、液晶層23側からカラーフィルタ33R、33G、33Bおよび反射膜32ならびに導光板12を見た平面透視模式図を示す。
図4および図6に示すように、開口部32B上には、カラーフィルタ33R、33G、33Bが積層されている。また、各カラーフィルタ33R、33G、33Bの形成位置は、第2の基板22側の電極層35と第1の基板21側の電極層35とが交差する位置に対応している。すなわち、各カラーフィルタ33R、33G、33Bは、電極層35,35の交差部分である画素に対応する位置に配置されている。各カラーフィルタは、青色のカラーフィルタ33B、緑色のカラーフィルタ33G、赤色のカラーフィルタ33Rから構成されている。また、図4および図6に示すように、各カラーフィルタ33R、33G、33Bは相互に一定の間隔をあけて配置されている。
【0029】
また、図4および図6に示すように、導光板12の急斜面部14b…上に、カラーフィルタ33R…および反射膜の開口部32Bが配置されている。すなわち、急斜面部14b…、カラーフィルタ33R…および反射膜の開口部32Bが、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねられている。また、急斜面部14bは、その長手方向が図6中左右方向に沿うように形成されていて、カラーフィルタ33R、33G、33Bおよび開口部32Bがこの急斜面部14bの長手方向に沿って配置されている。
【0030】
そして図4に示すように、本実施形態の液晶表示装置Aにおいては、光源装置から発した光が、導光板12の内部を透過して急斜面部14bにより反射され、更に出斜面12bから液晶表示パネル20側に出射される。この光19は、出斜面12bのほぼ法線方向に向けて出射される。急斜面部14bの当該法線方向には、反射膜32の開口部32bおよびカラーフィルタ33R、33G、33Bが位置しているため、光19がこれら開口部32Bおよびカラーフィルタ33R、33G、33Bを通過して液晶層23を透過することになる。
【0031】
このように、急斜面部14bで反射された光19の反射方向の先に、反射膜の開口部32Bが配置されているので、バックライト10からの光が開口部32Bを通じて液晶層23側に効率よく透過されて、液晶表示装置Aの輝度を高めることができる。
特に上記の液晶表示装置Aによれば、急斜面部14bと開口部32Bとが相互に重なるように配置させるだけで、開口部32Bを通じてバックライト10からの光を液晶層23側に効率よく透過させることができる。
【0032】
尚、図3において説明したように、出斜面12bから出射される光の方向Rmは、緩斜面部14a及び急斜面部14bの角度θ1、θ2及びピッチPにより変更することができる。従って出斜面12bから出射される光の方向Rmが出斜面の法線方向P’と一致しない場合には、急斜面部14b、開口部32B及びカラーフィルタ33R、33G、33Bを、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねることは必ずしも必要がなく、急斜面部14bで反射された光の反射方向Rmの先に、反射膜の開口部32Bを配置させればよい。
【0033】
また、本発明では、バックライト10の導光板12に対する急斜面14bと緩斜面14aとの接合部と、開口部32Bとが干渉してモアレが出ないような工夫がなされていることが望ましい。このためには開口部32Bの形状を変えることが好ましい。
【0034】
尚、上記凹部32Aの深さを0.1μm〜3μmの範囲でランダムに形成し、隣接する凹部32Aのピッチを5μm〜50μmの範囲でランダムに配置し、上記凹部32A内面の傾斜角を−30度〜+30度の範囲に設定することが望ましい。
特に、凹部32A内面の傾斜角分布を−30度〜+30度の範囲に設定する点、隣接する凹部32Aのピッチを平面全方向に対してランダムに配置する点が特に重要である。なぜならば、仮に隣接する凹部32Aのピッチに規則性があると、光の干渉色が出て反射光が色付いてしまうという不具合があるからである。また、凹部32A内面の傾斜角分布が−30度〜30度の範囲を超えると、反射光の拡散角が広がりすぎて反射強度が低下し、明るい表示が得られない(反射光の拡散角が空気中で36度以上になり、液晶表示装置内部の反射強度ピークが低下し、全反射ロスが大きくなる)からである。
また、凹部32Aの深さが3μmを超えると、後工程で凹部32Aを平坦化する場合に凸部の頂上が平坦化膜(オーバーコート膜34)で埋めきれず、所望の平坦性が得られなくなり、表示むらの原因となる。
【0035】
隣接する凹部32Aのピッチが5μm未満の場合、透明有機膜31を形成するために用いる転写型の製作上の制約があり、加工時間が極めて長くなる、所望の反射特性が得られるだけの形状が形成できない、干渉光が発生する等の問題が生じる。また、実用上、前記転写型の製作に使用しうる30μm〜100μm径のダイヤモンド圧子を用いる場合、隣接する凹部32Aのピッチを5μm〜50μmとすることが望ましい。
【0036】
(第2の実施形態)
図7は、本実施形態のバックライト(面状発光装置)を備えた半透過型の液晶表示装置の断面構成図である。なお、本実施形態の液晶表示装置は、いわゆるアクティブマトリックス型と呼ばれるものである。
尚、図7に示す構成要素のうち、図1〜図4に示した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略する。
【0037】
図7に示すように、本実施形態の液晶表示装置において液晶パネル100は、素子側の基板110と、対向基板140と、これら一対の基板110、140の間に挟持された液晶層150と、基板110の外側に外側から順に配置された偏光板151、第1の位相差板152、第2の位相差板153を備えて構成されている。なお、図7では略したが、基板110と基板140は平面視矩形状とされてそれらの周縁部間にシール材が介在され、基板110と基板140とシール材に囲まれた状態でこれらの基板間に液晶層150が挟持されている。
【0038】
素子側の基板110は、図7に示すようにガラスやプラスチック等からなる基板本体111上に(図1では基板本体111の下面側に、換言すると液晶層側に)、TFT(スイッチング素子)130と画素電極120が形成されている。以下では、基板110上において、画素電極120が形成された領域、TFT130が形成された領域を、それぞれ画素領域、素子領域と呼ぶ。
【0039】
本実施形態のTFT130は逆スタガ型の構造を有し、本体となる基板111の最下層部から順にゲート電極112、ゲート絶縁膜113、半導体層114、115、ソース電極116およびドレイン電極117が形成されている。すなわち、図示略の走査線一部が延出されてゲート電極112が形成され、これを覆ったゲート絶縁層113上にゲート電極112を平面視で跨るようにアイランド状の半導体層114が形成され、この半導体層114の両端側の一方に半導体層115を介してソース電極116が、他方に半導体層115を介してドレイン電極117が形成されている。なお、半導体層114上にアイランド状の絶縁膜118が被覆形成され、この絶縁膜118を介して先のソース電極116の先端部とドレイン電極117の先端部が対向されている。この絶縁膜118は半導体層114を製造する際にエッチングストッパ層として機能し、半導体層114を保護するためのものである。
【0040】
ゲート電極112は、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、銅(Cu)、クロム(Cr)等の金属あるいはこれら金属を一種類以上含んだMo−W等の合金からなる。
ゲート絶縁層113は酸化シリコン(SiOx)や窒化シリコン(SiNy)等のシリコン系の絶縁膜からなり、ゲート電極112を覆うように基板111のほぼ全面に形成されている。
【0041】
半導体層114は、不純物ドープの行われていないアモルファスシリコン(a−Si)等からなるi型の半導体層であり、ゲート絶縁層113を介してゲート電極112と対向する領域がチャネル領域として構成される。
ソース電極116およびドレイン電極117は、Al、Mo、W、Ta、Ti、Cu、Cr等の金属およびこれら金属を一種類以上含んだ合金からなり、半導体層114上に、チャネル領域を挟むように対向して形成されている。また、ソース電極116は列方向に配設される図示略の信号線から延出されて形成されている。半導体層114とソース電極116およびドレイン電極117との間で良好なオーミック接触を得るために、半導体層114と各電極116、117との間には、リン(P)等のV族元素を高濃度にドープしたn型半導体層115が設けられている。
また、ドレイン電極117は画素電極120に接続されている。この画素電極120は、ゲート絶縁層113上にマトリクス状に複数形成され、本実施形態では図示略の走査線と信号線とによって区画された領域に対応させて一つずつ設けられている。そして、この画素電極120は、その端辺が走査線および信号線に沿うように配されており、TFT130および走査線、信号線を除く領域を画素領域とするようになっている。
そして、上述のように構成された基板111上には絶縁層119を覆うようにラビング等の所定の配向処理が施されたポリイミド等からなる配向膜123が形成されている。
【0042】
一方、対向基板140はカラーフィルタアレイ基板として構成され、ガラスやプラスチック等からなる基板本体141上に、図7に示す透明有機膜135とカラーフィルタ142が形成されている。更に、カラーフィルタ142上には、共通電極143(液晶駆動用電極)、配向膜144が順次積層されている。
透明有機膜135は、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ベンゾシクロブテンポリマ(BCB)等の有機絶縁材料からなる。この透明有機膜135は基板141上に比較的厚く積層され、この透明有機膜135の表面側(液晶層側)には少なくとも画素領域に対応する位置に、複数の凹部136が設けられ、これらの凹部136上には更にAlやAg等からなる反射膜137が形成され、反射膜137にも先の凹部136に合致する形状の凹部138が形成されている。この反射膜137の凹部138により液晶パネル100に入射した光は一部散乱反射され、より広い観察範囲でより明るい表示が得られるようになっている。
また、図7に示すように、反射膜137には開口部137Bが設けられている。開口部137Bは、画素電極120に対応する位置に設けられている。
【0043】
また図7に示すように、開口部137B上にカラーフィルタ142が積層されている。カラーフィルタ142は、画素電極120に対応する位置に配置されている。カラーフィルタ142は、青色のカラーフィルタ、緑色のカラーフィルタ、赤色のカラーフィルタから構成されている。また、図7に示すように、カラーフィルタ142同士が相互に一定の間隔をあけて配置されており、カラーフィルタ142、142間にはブラックマトリックス層142Tが配置されている。
【0044】
そして、図7に示すように、導光板12の急斜面部14b…上に、カラーフィルタ142および反射膜の開口部137Bが配置されている。すなわち、急斜面部14b…、カラーフィルタ142および反射膜の開口部137Bが、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねられている。
【0045】
そして図7に示すように、本実施形態の液晶表示装置においては、光源装置から発した光219が、導光板12の内部を透過して急斜面部14bにより反射され、更に出斜面12bから液晶表示パネル100側に出射される。この光219は、出斜面12bのほぼ法線方向に向けて出射される。急斜面部14bの当該法線方向には、反射膜137の開口部137Bおよびカラーフィルタ142が位置しているため、光219がこれら開口部137Bおよびカラーフィルタ142を通過して液晶層150を透過することになる。
【0046】
このように、急斜面部14bで反射された光219の反射方向の先に、反射膜の開口部137Bが配置されているので、導光板12からの光が開口部137Bを通じて液晶層150側に効率よく透過されて、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
特に上記の液晶表示装置によれば、急斜面部14bと開口部137Bとが相互に重なるように配置させるだけで、導光板12からの光を開口部137Bを通じて液晶層150側に効率よく透過させることができる。
【0047】
尚、第1の実施形態の場合と同様に、出斜面12bから出射される光の方向は、緩斜面部14a及び急斜面部14bの角度及びピッチにより変更することができる。従って急斜面部14b、開口部137B及びカラーフィルタ142について、導光板12の出斜面12bの法線方向に沿って重ねることは必ずしも必要がなく、急斜面部14bで反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部137Bが配置されていればよい。
【0048】
尚、図7ではアクティブ駆動素子を観察側に配置した例を示したが、アクティブ駆動素子を観察側と反対側の基板に配置しても良い。
【0049】
【実施例】
緩斜面部の角度θ1を1.8°とし、急斜面部の角度θ2を42°とし、ピッチPを191.3μmとしたこと以外は図1〜図4に示したものと同様な導光板を製造し、この導光板を用いてバックライトを製造した。尚、上述のピッチを急斜面部のピッチ成分と緩斜面部のピッチ成分に分けた場合、急斜面部のピッチは6.5μmとなり、緩斜面部のピッチは184.8μmとなる。
また、基板上に透明有機膜を形成した後、この透明有機膜上にAlからなる反射膜を蒸着により積層した。次に反射膜に一辺が20μmの矩形状の開口部をレーザー法によって複数形成した。各開口部は、相互に191μmの間隔をもってマトリックス状に形成された。このようにして図1または図4に示すような反射体を製造した。
更に、反射体の各開口部上に、一辺が55μmの矩形状のカラーフィルタを複数形成した。各カラーフィルタは、相互に64μmの間隔をもってマトリックス状に形成された。このようにして図1または図4に示すようなカラーフィルタを製造した。
更に、カラーフィルタ上に、オーバーコート層、ストライプ電極、配向膜を形成した。
また、別の基板上にストライプ電極、オーバーコート層、配向膜を順次形成した。
【0050】
そして、得られた一対の基板の間に液晶層を封入して液晶表示パネルを形成するととともに、液晶表示パネルの一方の基板(反射体を設けた基板)の外側に先程のバックライトを貼り合わせた。液晶表示パネルとバックライトを貼り合わせる際には、導光板の急斜面部と反射膜の開口部が重なるように貼り合わせた。このようにして、図1または図4に示したものと同様な液晶表示装置を製造した。
この液晶表示装置を実施例とした。
【0051】
また、液晶表示パネルとバックライトを貼り合わせる際に、導光板の急斜面部と反射膜の開口部との重ね合わせを特に考慮せずに貼り合わせたこと以外は、上記実施例と同様にして比較例の液晶表示装置を製造した。
【0052】
得られた実施例および比較例の液晶表示装置について、バックライトを点灯させた際の液晶表示装置の表示輝度を測定したところ、実施例の表示輝度は、比較例の表示輝度に対して30%増の明るさが得られた。
【0053】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の液晶表示装置によれば、光源から出射された光を急斜面部で反射して導光板の出射面から液晶表示パネルに照射できるので、液晶表示パネルを裏側から照明することができ、バックライトとして機能させることができる。そして、急斜面部で反射された光の反射方向の先に、反射膜の開口部が配置されているので、バックライトからの光を開口部を通じて液晶層側に効率よく透過させることができ、液晶表示装置の輝度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態である液晶表示装置の断面模式図。
【図2】図1の液晶表示装置に備えられるバックライトを示す斜視図。
【図3】バックライトの導光板の要部を示す断面模式図。
【図4】図1に示した液晶表示装置の要部を示す断面模式図。
【図5】図1に示した液晶表示装置に備えられる反射体の部分斜視図。
【図6】導光板の急斜面部と反射膜の開口部とカラーフィルタの位置関係を示す平面模式図。
【図7】本発明の第2の実施形態である液晶表示装置の要部を示す断面模式図。
【符号の説明】
10…バックライト、12…導光板、12a…一端面、12b…出斜面、12c…プリズム面(反射面)、13…光源装置(光源)、14…溝、14a…緩斜面部、14b…急斜面部、20…液晶表示パネル、21…基板、22…基板(一方の基板)、23…液晶層、31…透明有機膜、32…反射膜、32A…凹部、32B…開口部、33R、33G、33B…カラーフィルタ、35…ストライプ電極(液晶駆動用電極)、A…液晶表示装置、P’…法線方向、Rm…光の反射方向
Claims (6)
- バックライトと、該バックライトの出射面外方に備えられた半透過型の液晶表示パネルとを具備してなり、
液晶表示パネルは、液晶層を挟んで対向する一対の基板を備え、前記一対の基板のうち、一方の基板の液晶層側に、透明有機膜と反射膜と液晶駆動用電極とが少なくとも形成され、前記反射膜に前記バックライトからの光を透過させるための複数の開口部が設けられてなり、
前記バックライトは、導光板と、該導光板の一端面側に配置された光源とを備え、前記導光板の一面側が、内部を伝搬する光を反射させるための凹凸の形状が形成された反射面とされ、前記導光板の他面側が前記反射面により反射された光を出射させるための出射面とされ、前記反射面には緩斜面部と該緩斜面部よりも急な傾斜角度を有する急斜面部とで形成される溝が複数ストライプ状に連続形成されてなり、
前記急斜面部と前記開口部からのバックライト出射光の光束とが相互に略重なるように配置されていることを特徴とする液晶表示装置。 - 前記急斜面部と前記開口部とが、前記出斜面の法線方向に沿って略重なるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記反射膜上にカラーフィルタが形成され、前記導光板の前記急斜面部と前記カラーフィルタと前記反射膜の前記開口部とが相互に重なるように配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
- 前記反射膜に内面が球面の一部をなす多数の凹部が連続して形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
- 前記液晶駆動用電極が複数のストライプ電極により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
- 前記液晶駆動用電極が一の共通電極により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
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-
2003
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