JP2004244145A - 用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法 - Google Patents
用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】プラテン等の摩耗による経年変化や、カーボンリボンや用紙の量、慣性および関連する機構からの用紙搬送に対しての過負荷による搬送誤差を、随時計測し補正することで安定した用紙搬送とすることができる用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法を提供する。
【解決手段】計測手段により用紙長を計測し、入力手段により入力された用紙のサイズと、記憶手段に記憶された複数の用紙長とから補正比率を演算して求める補正比率演算手段とを有し、補正比率演算手段で求めた補正比率から補正する用紙の搬送量に換算する換算手段と、換算手段により求めた用紙の搬送量で、搬送手段により用紙を搬送する。
【選択図】 図4
【解決手段】計測手段により用紙長を計測し、入力手段により入力された用紙のサイズと、記憶手段に記憶された複数の用紙長とから補正比率を演算して求める補正比率演算手段とを有し、補正比率演算手段で求めた補正比率から補正する用紙の搬送量に換算する換算手段と、換算手段により求めた用紙の搬送量で、搬送手段により用紙を搬送する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する利用分野】
本発明は、用紙を搬送するプリンタおよび貼付装置にかかわるもので、特に用紙搬送において、外部からの過負荷や各ローラー部材等の摩耗などによる経年変化により発生する用紙の搬送誤差を自動補正する用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用紙を搬送し剥離動作するプリンタにおいて、剥離されたラベルの前縁を検出して、そのラベルの位置を検出するラベル検出器を設け、登録スイッチでラベル送り量設定モードに設定した状態で、手動送りキーによりラベル位置を設定し、ラベル送り量をメモリに記憶する。その後、記憶されたラベル送り量に基づいてラベル用紙の搬送を行なうことで、ラベル位置の検出を正確に求めることができ、ラベル送り量の設定操作を容易とするラベルプリンタのラベル送り方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、用紙に対し印字を行なうプリンタにおいて、プラテンの摩耗等の経年変化による搬送誤差に対応するため、所定量用紙を搬送した後に紙送りキ−を操作して更に用紙を搬送し、所定量のステップ数とキー操作により搬送したステップ数から、印字位置までの用紙搬送量を再設定することで、正確な位置に印刷が行われるようにする印刷媒体搬送誤差補正装置および印刷媒体搬送誤差補正方法が知られている。(例えば、特許文献2参照。)
【特許文献1】
特開昭61−244572号公報(第1−3頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開2002−2036号公報(第2−6頁、第1−4図)
【0003】
上記特許文献では、いずれも用紙または、ラベルを所定位置まで搬送しながら、その搬送量(ステップ数)を計測し停止する。その後、キー操作により手動で再度用紙搬送を低速で搬送すると共に、適切な停止位置までの補正する量(補正ステップ数)を目視により確認し設定する。上記で求めた所定位置まで搬送した量(ステップ数)と補正する量(補正ステップ数)との計算により、適切な用紙搬送を行なうものであるが、補正する位置を目視しながらキー操作で行なうため、キー操作を誤った場合には適切な停止位置を通過してしまい、上記処理を繰り返し行なう必要が生じ、適切な用紙搬送をするまでに多くの用紙および時間を要すると共に設定操作が煩わしいという問題がある。
また、上記特許文献は、目視により補正する停止位置を決定するため、精度的に誤差が生じ易い問題がある。
また、上記特許文献は、異なる長さの用紙を使用する場合に、上記手順をその都度行なう必要があるため、汎用性に欠けるという問題がある。
【0004】
また、用紙の搬送精度は、通常の連続印字動作において、プラテン或いは搬送途中にあるローラーに紙粉が付着することやローラーの摩耗によりスリップし、用紙を所定量搬送できない場合がある。その他、ロール状に巻回された用紙が用紙供給部から順次繰出される場合に、搬送の停止から再び搬送する時、または、搬送方向とは逆送するバックフィードから搬送方向への搬送方向切替え時に、用紙供給部側からの慣性による反発力が用紙量(重さ)により可変的に働いて、安定した用紙搬送が行なえない場合がある。
上記の場合には、センサーで計測している用紙長にスリップ等による搬送されないステップ数を含めカウントされるため、結果、正規の用紙長より長く計測されることになる。
さらに、熱転写プリンタではカーボンリボンの巻取り側と供給側の巻き径によるテンション変化や、剥離動作では、台紙からラベルを剥離した後、台紙をローラー等により引っ張る力によっても用紙搬送量に影響する場合や、カッタ動作では、カッタ刃の磨耗により用紙の切断時に用紙がカッタ部側に引き寄せられることでも用紙搬送量に影響する場合がある。
上記の場合には、用紙が搬送されるステップ毎に、または用紙の切断時に、用紙が搬送方向に数ステップ多く搬送されるため、センサーで計測している用紙長が正規の用紙長より短く計測されることになる。
上記いずれの場合においても、上記特許文献では考慮されていない。
【0005】
また、カッタ動作や剥離動作を行なう場合の用紙の停止位置(カット位置、剥離位置)を、補正用のボリュームや操作パネルからの補正値の入力により補正することが知られているが、上記で説明したように用紙搬送の誤差は供給する用紙の量や、プラテン等の清掃前後などにおいても変化するため、上記補正値の設定を搬送の変化に合わせて設定する必要があり、その設定操作が煩わしいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、プラテン等の摩耗による経年変化や、カーボンリボンや用紙の量、慣性および関連する機構からの用紙搬送に対しての過負荷による搬送誤差を、随時計測し補正することで安定した用紙搬送とすることができる用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、外部から入力した用紙のサイズに基づいて、搬送し計測した複数の用紙長とから用紙搬送の補正比率を求め、用紙交換等により用紙長が変更されても、用紙の搬送を自動補正することができる。
【0008】
さらにまた、用紙の搬送方向に対し進行方向および後退方向に補正することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、消耗部材の経年変化や外部からの過負荷による用紙搬送時の搬送誤差を計測し補正比率を求め、用紙搬送の搬送量に換算し補正することに着目したもので、少なくともプラテンと搬送モータにより用紙を搬送する搬送手段と、前記用紙を検知し用紙長を計測する計測手段と、前記計測手段により計測した前記用紙長を複数記憶する記憶手段と、前記用紙のサイズを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記用紙のサイズと、前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから補正比率を演算して求める補正比率演算手段と、前記補正比率演算手段で求めた補正比率から補正する用紙の搬送量に換算する換算手段と、を有し、前記換算手段により求めた前記用紙の搬送量で、前記搬送手段により前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正装置である。
【0010】
前記補正比率演算手段により求めた補正比率を記憶する補正記憶手段を有し、前記補正記憶手段により前記補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算手段は、前記補正記憶手段により記憶された前記補正比率と、前記入力手段により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶手段により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする用紙搬送補正装置である。
【0011】
少なくともプラテンと搬送モータから成る用紙搬送部により用紙を搬送し、計測部により前記用紙の検知に伴い用紙長を計測し、記憶部により前記用紙の長さを複数記憶し、入力部より前記用紙のサイズを入力し、補正比率演算部により、前記入力部より入力された前記用紙のサイズと前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから補正比率を演算して求め、前記補正比率演算部で求めた補正比率から換算部により補正する用紙の搬送量に換算し、前記換算部で求めた用紙の搬送量で前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正方法である。
【0012】
前記補正比率演算部により求めた補正比率を記憶する補正記憶部を有し、前記補正記憶部により補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算部は、前記補正記憶部により記憶された補正比率と、前記入力部により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶部により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする用紙搬送補正方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の用紙搬送補正装置を具備した剥離装置の一実施の形態における電気的な構成ブロック図である。
1はCPUであり、CPU1は、LCDやLED等の表示と複数のキーを操作してプリンタおよび貼付装置の動作にかかわる設定や用紙のサイズを入力する操作パネル2(入力手段)と、CPU1の作業領域および用紙を計測した複数の用紙長を記憶するRAM3(記憶手段)と、透過型および反射型等のセンサーにより用紙を検知し用紙長を計測する計測部4(計測手段)と、補正比率を記憶するEEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5(補正記憶手段)と、用紙搬送用のステッピングモータ等をギヤおよびベルトを介してステップ制御するモータ制御部6(搬送手段)と、CPU1が処理する各種プログラムを格納しROMおよびフラッシュ・メモリ等からなるプログラム格納部7と、ホストコンピュータ等の外部機器と接続し、用紙のサイズや各種データを受信および送信するインターフェース部8(入力手段)とをシステムバス9を介して制御する。
【0014】
次に本発明の実施の形態を、印字部を備えた剥離装置を例に説明する。
図2は、剥離装置での概略説明図である。
図2の剥離装置20は、ラベルLが台紙Dに仮着されロール状に巻回された用紙Pを順次矢印Aの方向に繰出す用紙供給部21と、用紙Pを搬送方向(矢印A方向)に案内し、バックフィード動作時に用紙Pを搬送方向とは逆方向(矢印Aの逆方向)に搬送するガイドローラー22a、22bと、用紙Pの搬送に伴いラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端までの用紙長Yを計測するセンサー23と、搬送モータ24の駆動に伴いベルト25を介して連動し用紙Pを搬送するプラテン26と、プラテン26に対向して用紙Pを挟持し、可変情報などの印字を行なうサーマルヘッド27と、台紙Dを屈曲することにより台紙DからラベルLを剥離する剥離バー28と、台紙Dを挟持し下方に引っ張るニップローラー29a,29bとから構成する。
尚、ガイドローラー22a、22bおよびニップローラー29a,29bを、ギヤまたはベルトを介して搬送モータ24の駆動により連動する構成としても良く、個別のモータにより駆動するように構成しても良い。
また、図2のXは、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量を示し、Zは、用紙検知開始位置T2からプラテン26(印字位置T3)までの用紙搬送量を示す。尚、用紙搬送量は、搬送モータ24の回転ステップ数に換算して表される。
上記構成において、例えば、プラテン26やガイドローラー22a、22bが摩耗し正しく用紙Pが搬送されない場合は、センサー23で計測した用紙長Yは正規の用紙長より長くなり、また、ニップローラー29a,29bで強く用紙Pを引っ張った場合は、正規の用紙長より多く搬送されカウントされる搬送モータ24のステップ数が少なくカウントされることから、用紙長Yが正規の長さより短くなる。
尚、本実施の形態では、サーマルヘッド27のヘッド密度および搬送モータ24により駆動され用紙を搬送するプラテン26の1ステップを0.125mm(8本/mm)とし、センサー23により計測する用紙Pの正規用紙長を40mm(320ステップ)で説明する。さらに、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量Xを160mm(1280ステップ)で説明する。
【0015】
次に、本発明の実施の形態における記憶手段に、4個の用紙長Yを記憶したテーブルを用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態における用紙長を記憶したテーブルの概略説明図である。
図3は、図2においてプラテンローラー26により搬送され、センサー23がラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端まで搬送モータ24の回転ステップ数により計測した用紙長Y(ステップ数)を、RAM3内に形成したテーブルに記憶した状態を示すもので、図3の(a)のL1、L2、L3、L4は、図2中のラベルLのL1、L2、L3、L4を示し、センサー23で計測した各々の用紙長Yが履歴として記憶されている。
また、図3の(b)は、図2において、さらに矢印A方向に用紙が搬送された場合、ラベルLのL1が削除され、以降の用紙長Y(L2、L3、L4)が矢印B方向に移行し記憶され、図2で新たに計測したラベルL5の用紙長Y(L5)が用紙の計測と共に記憶された状態を示す。
このように、RAM3内に形成したテーブルの用紙長Yは、用紙Pの搬送によりセンサー23で検知され計測された順次更新し記憶される。
さらに、図3中の用紙長Yは、プラテン26やガイドローラー22a、22bが摩耗し正しく用紙Pが搬送されない場合、正規用紙長とした40mm(320ステップ)に対し、センサー23で計測した各々の用紙長Yが1〜6ステップ長く計測された例を示している。
尚、上記複数の用紙長Yは、本装置の電源投入時、および用紙交換や紙切れエラー等により用紙Pが装置内に再セットされる場合に初期化されるものである。
また、用紙長Yの記録方法は、上記説明のように記憶した用紙長Y(L2、L3、L4)を移行せず、テーブルの記憶位置を示すポインタ等を使用して、古い順番に用紙長Yを更新し記憶するようにしても良い。
【0016】
次に、本実施の形態における補正比率について説明する。
補正比率とは、RAM3内に記憶された複数の用紙長Y(ステップ数)を加算し、予め操作パネル2およびインターフェース部8より入力された用紙のサイズ(正規用紙長 320ステップ)により割ることで誤差を求め、その誤差をパーミル単位(1/1000)の補正比率として記憶し、次回からは、この補正比率も含めて新たな補正比率を求め、これを規定の搬送量に換算し用紙を搬送することで、時系列的な用紙搬送での変化を緩和し補正するものである。
【0017】
次に、本発明の実施の形態における処理の流れを図を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
先ず、記憶した補正比率データが、EEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5内に有るかを判定する(ステップ10)。
補正比率データは、製品出荷時のオールクリアや、基板交換および上記EEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5のみが交換された場合に初期化される。
上記理由により、補正比率データが存在しない場合は補正比率を1000パーミル(搬送誤差無し)としてRAM3に記憶(ステップ11)し、補正比率データがある場合は、これをRAM3に読み出す(ステップ12)。
次に、用紙Pが搬送モータ24の駆動にともない連動するプラテンローラー26により搬送され、センサー23でラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端まで計測した用紙長Yが、RAM3内に形成したテーブルに有るかを判定する(ステップ13)。
用紙長Yがない状態(電源投入時、および用紙交換や紙切れエラー等により用紙Pが装置内に再セットされる場合に初期化されている状態)の場合は、予め操作パネル2およびインターフェース部8より入力された用紙のサイズ(例えば40mm)と、サーマルヘッド27のヘッド密度および搬送モータ24により駆動され用紙を搬送するプラテン26の1ステップ(例えば、8本/mm)により、正規用紙長のステップ数(320ステップ)を求める(ステップ14)。
求めた正規用紙長とRAMに記憶された補正比率を掛け、擬似的なステップ数を求めるために1000で割り、求められたステップ数をRAM3内に形成したテーブル内全てにセットする(ステップ15)。
上記処理により、電源投入時などRAM3内に用紙長Yの履歴データがない場合でも、擬似的なテーブルを作成することができ、継続して摩耗等による搬送誤差の補正を行なうことができる。
【0018】
次に、ステップ16では、RAM3に記憶された複数の用紙長Yのデータ(L1+L2+L3+L4)を全て加算し、その合計値を、操作パネル2およびインターフェース部8より入力された正規用紙長(320ステップ)で割り誤差を求め、パーミル単位とするために予め1000を掛け、計測した複数の用紙長Yにおける誤差比率を求める。
具体的には、
用紙長Y(L1+L2+L3+L4)÷用紙サイズ(320ステップ)×1000
とし、4031が求められる。
続いて、RAM3に読み出した補正比率(例えば1002パーミルとする)を、用紙長Yの記憶した数と同数(4)で掛け、時系列的な用紙搬送における誤差比率を求める。
具体的には、
1002パーミル×4
とし、4008が求められる。
続いて、複数の用紙長Yより求めた誤差比率(4031)と、補正比率により求めた誤差比率(4008)、および前述の比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)の1/2(4)を加算し、前述の比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)で割ることにより、新たな補正比率が求められる。
具体的には、
(4031+4008+4)÷8
とし、1005パーミルが求められる(補正比率演算手段)。
尚、上記で比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)の1/2(4)を加算することで、パーミル単位での四捨五入となり好ましい補正比率を求めることができるが、不要であっても良い。
求めた補正比率データを、非揮発メモリ部5に記憶する(ステップ17)。
【0019】
次に、上記で求めた補正比率(1005パーミル)と、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)を掛け、1000で割ることにより適切な用紙搬送量Xに換算(換算手段)することができる(ステップ18)。
具体的には、
(1280×1005)÷1000
とし、1286ステップが求められる。
これにより、各ラベルLの先端を検知した時(用紙検知開始位置T2)から、1286ステップ(用紙搬送量X)搬送した位置を剥離停止位置T1とすることで、適切な用紙搬送とすることができる(ステップ19)。
尚、上記補正は、用紙の搬送方向に対し後退方向に補正(正補正)される。
【0020】
上記処理を、図3の(b)で説明すると、計測した複数の用紙長Yにおける誤差比率が4040で、上記処理(ステップ16)で求めた補正比率(1005パーミル)での誤差比率4020により、求められる新たな補正比率は1008パーミルとなり、用紙搬送量Xは、1290ステップとなる。
【0021】
次に、用紙Pがニップローラー29a,29bや図示せぬカッタ部により、図2の矢印A方向に通常よりも強く引き寄せられた場合を説明する。
用紙Pが、ニップローラー29a,29bや図示せぬカッタ部により、通常よりも強く引き寄せられた場合、センサー23で計測される用紙長Yは、正規用紙長(320ステップ)よりも短く計測されるため、例えば、L1〜L4が319、318、318、316ステップとなり、用紙長Yにおける誤差比率が3971で、補正比率を1000パーミルとし誤差比率を求めた場合4000となり、新たな補正比率は996パーミルが求められ、用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)が1274ステップとなり、用紙の搬送方向に対し進行方向に補正(負補正)することも可能となる。
上記の負の補正は、用紙Pがニップローラー29a,29bにより、図2の矢印A方向に通常よりも強く引き寄せられるため、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)で、用紙Pが搬送された場合に、ラベルLが剥離停止位置T1から行き過ぎて剥離装置から落下するなどを防止することになる。
上記により本発明は、用紙交換等により用紙のサイズが変更されても、補正比率により用紙搬送量Xを求めるため、適切な用紙搬送とすることができる。
【0022】
上記実施の形態では、求めた補正比率データを非揮発メモリ部5に記憶する説明としたが、本装置の電源投入時に補正比率を1000パーミルとし、RAM3に記憶し補正比率を求め更新し用紙搬送の補正をするようにしても良い。但し、補正比率を非揮発メモリ部5に記憶することで、本装置の電源の投入に関係なく、摩耗等の経年変化による消耗度合いに合わせ、長期にわたり用紙搬送に反映することができる。
尚、上記実施の形態では、用紙長Yの履歴を4つRAM3内に形成し、計測した用紙長Yと補正比率との計算上の割合を4:4としたが、これに限定されるものではなく、用紙長Yの履歴の数はRAM3の容量により増減でき、また、計測した用紙長Yと補正比率との計算上の割合を8:2などにすることで、用紙搬送誤差をより搬送補正に反映することができるが、逆に一時的なスリップ等による誤差も反映されるため同割合とすることが好ましい。
また、上記実施の形態では、印字部を備えた剥離装置として説明したが、これに限定するものではなく、サーマルヘッド27を転向ローラーとすることで、ラベル貼付専用の貼付装置とすることができ、剥離停止位置T1をカッタ刃切断位置とすることで、カッタ動作を行なうプリンタに応用することができるほか、用紙搬送量Xを用紙検知開始位置T2からプラテン26(印字位置T3)までの用紙搬送量Zとすることで、印字位置までの適切な用紙搬送とすることができることは言うまでもない。
さらにまた、上記実施の形態では、カーボンリボンにより印字する熱転写方式のプリンタや、インクジェット式プリンタおよびドットインパクト式プリンタ等のパルスモータのステップ駆動により用紙搬送を行なうプリンタおよび貼付装置においても適用でき、同様な効果を奏するものである。
さらにまた、上記実施の形態では、ラベルが台紙に仮着された用紙を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、台紙が無く裏面にマークおよび糊を施したラベルや、裏面に糊が無い連続紙で、用紙に穴や両端乃至端面に溝を形成した用紙であっても良く、用紙の形状に合わせてセンサー23を変更することで対応可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の用紙長の計測履歴データと補正比率により、プラテン等の摩耗による経年変化や、カーボンリボンや用紙の量、慣性および関連する機構からの用紙搬送に対しての過負荷による搬送誤差を、随時補正することで安定した用紙搬送とすることができる。
また、本発明は、外部から入力した用紙のサイズに基づいて、搬送し計測した複数の用紙長とから用紙搬送の補正比率を求め、補正記憶手段により更新し記憶するため、用紙交換等により用紙長が変更されても、用紙の搬送を自動補正できる。
さらにまた、本発明は、補正比率により用紙搬送量Xを求め用紙搬送量を補正するため、用紙の搬送方向に対し進行方向および後退方向に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における用紙搬送補正装置を具備した剥離装置の電気的な構成ブロック図である。
【図2】同、本発明の実施の形態における剥離装置での概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における用紙長を記憶したテーブルの概略説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 操作パネル
3 RAM
4 計測部
5 非揮発メモリ部
6 モータ制御部
7 プログラム格納部
8 インターフェース部
9 システムバス
P 用紙
D 台紙
L ラベル
20 剥離装置
21 用紙供給部
22a ガイドローラー
22b ガイドローラー
23 センサー
24 搬送モータ
25 ベルト
26 プラテン
27 サーマルヘッド
28 剥離バー
29a ニップローラー
29b ニップローラー
【発明の属する利用分野】
本発明は、用紙を搬送するプリンタおよび貼付装置にかかわるもので、特に用紙搬送において、外部からの過負荷や各ローラー部材等の摩耗などによる経年変化により発生する用紙の搬送誤差を自動補正する用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、用紙を搬送し剥離動作するプリンタにおいて、剥離されたラベルの前縁を検出して、そのラベルの位置を検出するラベル検出器を設け、登録スイッチでラベル送り量設定モードに設定した状態で、手動送りキーによりラベル位置を設定し、ラベル送り量をメモリに記憶する。その後、記憶されたラベル送り量に基づいてラベル用紙の搬送を行なうことで、ラベル位置の検出を正確に求めることができ、ラベル送り量の設定操作を容易とするラベルプリンタのラベル送り方法が知られている。(例えば、特許文献1参照。)
また、用紙に対し印字を行なうプリンタにおいて、プラテンの摩耗等の経年変化による搬送誤差に対応するため、所定量用紙を搬送した後に紙送りキ−を操作して更に用紙を搬送し、所定量のステップ数とキー操作により搬送したステップ数から、印字位置までの用紙搬送量を再設定することで、正確な位置に印刷が行われるようにする印刷媒体搬送誤差補正装置および印刷媒体搬送誤差補正方法が知られている。(例えば、特許文献2参照。)
【特許文献1】
特開昭61−244572号公報(第1−3頁、第1−4図)
【特許文献2】
特開2002−2036号公報(第2−6頁、第1−4図)
【0003】
上記特許文献では、いずれも用紙または、ラベルを所定位置まで搬送しながら、その搬送量(ステップ数)を計測し停止する。その後、キー操作により手動で再度用紙搬送を低速で搬送すると共に、適切な停止位置までの補正する量(補正ステップ数)を目視により確認し設定する。上記で求めた所定位置まで搬送した量(ステップ数)と補正する量(補正ステップ数)との計算により、適切な用紙搬送を行なうものであるが、補正する位置を目視しながらキー操作で行なうため、キー操作を誤った場合には適切な停止位置を通過してしまい、上記処理を繰り返し行なう必要が生じ、適切な用紙搬送をするまでに多くの用紙および時間を要すると共に設定操作が煩わしいという問題がある。
また、上記特許文献は、目視により補正する停止位置を決定するため、精度的に誤差が生じ易い問題がある。
また、上記特許文献は、異なる長さの用紙を使用する場合に、上記手順をその都度行なう必要があるため、汎用性に欠けるという問題がある。
【0004】
また、用紙の搬送精度は、通常の連続印字動作において、プラテン或いは搬送途中にあるローラーに紙粉が付着することやローラーの摩耗によりスリップし、用紙を所定量搬送できない場合がある。その他、ロール状に巻回された用紙が用紙供給部から順次繰出される場合に、搬送の停止から再び搬送する時、または、搬送方向とは逆送するバックフィードから搬送方向への搬送方向切替え時に、用紙供給部側からの慣性による反発力が用紙量(重さ)により可変的に働いて、安定した用紙搬送が行なえない場合がある。
上記の場合には、センサーで計測している用紙長にスリップ等による搬送されないステップ数を含めカウントされるため、結果、正規の用紙長より長く計測されることになる。
さらに、熱転写プリンタではカーボンリボンの巻取り側と供給側の巻き径によるテンション変化や、剥離動作では、台紙からラベルを剥離した後、台紙をローラー等により引っ張る力によっても用紙搬送量に影響する場合や、カッタ動作では、カッタ刃の磨耗により用紙の切断時に用紙がカッタ部側に引き寄せられることでも用紙搬送量に影響する場合がある。
上記の場合には、用紙が搬送されるステップ毎に、または用紙の切断時に、用紙が搬送方向に数ステップ多く搬送されるため、センサーで計測している用紙長が正規の用紙長より短く計測されることになる。
上記いずれの場合においても、上記特許文献では考慮されていない。
【0005】
また、カッタ動作や剥離動作を行なう場合の用紙の停止位置(カット位置、剥離位置)を、補正用のボリュームや操作パネルからの補正値の入力により補正することが知られているが、上記で説明したように用紙搬送の誤差は供給する用紙の量や、プラテン等の清掃前後などにおいても変化するため、上記補正値の設定を搬送の変化に合わせて設定する必要があり、その設定操作が煩わしいという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、プラテン等の摩耗による経年変化や、カーボンリボンや用紙の量、慣性および関連する機構からの用紙搬送に対しての過負荷による搬送誤差を、随時計測し補正することで安定した用紙搬送とすることができる用紙搬送補正装置および用紙搬送補正方法を提供することを目的とする。
【0007】
また、外部から入力した用紙のサイズに基づいて、搬送し計測した複数の用紙長とから用紙搬送の補正比率を求め、用紙交換等により用紙長が変更されても、用紙の搬送を自動補正することができる。
【0008】
さらにまた、用紙の搬送方向に対し進行方向および後退方向に補正することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、消耗部材の経年変化や外部からの過負荷による用紙搬送時の搬送誤差を計測し補正比率を求め、用紙搬送の搬送量に換算し補正することに着目したもので、少なくともプラテンと搬送モータにより用紙を搬送する搬送手段と、前記用紙を検知し用紙長を計測する計測手段と、前記計測手段により計測した前記用紙長を複数記憶する記憶手段と、前記用紙のサイズを入力する入力手段と、前記入力手段により入力された前記用紙のサイズと、前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから補正比率を演算して求める補正比率演算手段と、前記補正比率演算手段で求めた補正比率から補正する用紙の搬送量に換算する換算手段と、を有し、前記換算手段により求めた前記用紙の搬送量で、前記搬送手段により前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正装置である。
【0010】
前記補正比率演算手段により求めた補正比率を記憶する補正記憶手段を有し、前記補正記憶手段により前記補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算手段は、前記補正記憶手段により記憶された前記補正比率と、前記入力手段により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶手段により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする用紙搬送補正装置である。
【0011】
少なくともプラテンと搬送モータから成る用紙搬送部により用紙を搬送し、計測部により前記用紙の検知に伴い用紙長を計測し、記憶部により前記用紙の長さを複数記憶し、入力部より前記用紙のサイズを入力し、補正比率演算部により、前記入力部より入力された前記用紙のサイズと前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから補正比率を演算して求め、前記補正比率演算部で求めた補正比率から換算部により補正する用紙の搬送量に換算し、前記換算部で求めた用紙の搬送量で前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正方法である。
【0012】
前記補正比率演算部により求めた補正比率を記憶する補正記憶部を有し、前記補正記憶部により補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算部は、前記補正記憶部により記憶された補正比率と、前記入力部により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶部により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする用紙搬送補正方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の用紙搬送補正装置を具備した剥離装置の一実施の形態における電気的な構成ブロック図である。
1はCPUであり、CPU1は、LCDやLED等の表示と複数のキーを操作してプリンタおよび貼付装置の動作にかかわる設定や用紙のサイズを入力する操作パネル2(入力手段)と、CPU1の作業領域および用紙を計測した複数の用紙長を記憶するRAM3(記憶手段)と、透過型および反射型等のセンサーにより用紙を検知し用紙長を計測する計測部4(計測手段)と、補正比率を記憶するEEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5(補正記憶手段)と、用紙搬送用のステッピングモータ等をギヤおよびベルトを介してステップ制御するモータ制御部6(搬送手段)と、CPU1が処理する各種プログラムを格納しROMおよびフラッシュ・メモリ等からなるプログラム格納部7と、ホストコンピュータ等の外部機器と接続し、用紙のサイズや各種データを受信および送信するインターフェース部8(入力手段)とをシステムバス9を介して制御する。
【0014】
次に本発明の実施の形態を、印字部を備えた剥離装置を例に説明する。
図2は、剥離装置での概略説明図である。
図2の剥離装置20は、ラベルLが台紙Dに仮着されロール状に巻回された用紙Pを順次矢印Aの方向に繰出す用紙供給部21と、用紙Pを搬送方向(矢印A方向)に案内し、バックフィード動作時に用紙Pを搬送方向とは逆方向(矢印Aの逆方向)に搬送するガイドローラー22a、22bと、用紙Pの搬送に伴いラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端までの用紙長Yを計測するセンサー23と、搬送モータ24の駆動に伴いベルト25を介して連動し用紙Pを搬送するプラテン26と、プラテン26に対向して用紙Pを挟持し、可変情報などの印字を行なうサーマルヘッド27と、台紙Dを屈曲することにより台紙DからラベルLを剥離する剥離バー28と、台紙Dを挟持し下方に引っ張るニップローラー29a,29bとから構成する。
尚、ガイドローラー22a、22bおよびニップローラー29a,29bを、ギヤまたはベルトを介して搬送モータ24の駆動により連動する構成としても良く、個別のモータにより駆動するように構成しても良い。
また、図2のXは、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量を示し、Zは、用紙検知開始位置T2からプラテン26(印字位置T3)までの用紙搬送量を示す。尚、用紙搬送量は、搬送モータ24の回転ステップ数に換算して表される。
上記構成において、例えば、プラテン26やガイドローラー22a、22bが摩耗し正しく用紙Pが搬送されない場合は、センサー23で計測した用紙長Yは正規の用紙長より長くなり、また、ニップローラー29a,29bで強く用紙Pを引っ張った場合は、正規の用紙長より多く搬送されカウントされる搬送モータ24のステップ数が少なくカウントされることから、用紙長Yが正規の長さより短くなる。
尚、本実施の形態では、サーマルヘッド27のヘッド密度および搬送モータ24により駆動され用紙を搬送するプラテン26の1ステップを0.125mm(8本/mm)とし、センサー23により計測する用紙Pの正規用紙長を40mm(320ステップ)で説明する。さらに、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量Xを160mm(1280ステップ)で説明する。
【0015】
次に、本発明の実施の形態における記憶手段に、4個の用紙長Yを記憶したテーブルを用いて説明する。
図3は、本発明の実施の形態における用紙長を記憶したテーブルの概略説明図である。
図3は、図2においてプラテンローラー26により搬送され、センサー23がラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端まで搬送モータ24の回転ステップ数により計測した用紙長Y(ステップ数)を、RAM3内に形成したテーブルに記憶した状態を示すもので、図3の(a)のL1、L2、L3、L4は、図2中のラベルLのL1、L2、L3、L4を示し、センサー23で計測した各々の用紙長Yが履歴として記憶されている。
また、図3の(b)は、図2において、さらに矢印A方向に用紙が搬送された場合、ラベルLのL1が削除され、以降の用紙長Y(L2、L3、L4)が矢印B方向に移行し記憶され、図2で新たに計測したラベルL5の用紙長Y(L5)が用紙の計測と共に記憶された状態を示す。
このように、RAM3内に形成したテーブルの用紙長Yは、用紙Pの搬送によりセンサー23で検知され計測された順次更新し記憶される。
さらに、図3中の用紙長Yは、プラテン26やガイドローラー22a、22bが摩耗し正しく用紙Pが搬送されない場合、正規用紙長とした40mm(320ステップ)に対し、センサー23で計測した各々の用紙長Yが1〜6ステップ長く計測された例を示している。
尚、上記複数の用紙長Yは、本装置の電源投入時、および用紙交換や紙切れエラー等により用紙Pが装置内に再セットされる場合に初期化されるものである。
また、用紙長Yの記録方法は、上記説明のように記憶した用紙長Y(L2、L3、L4)を移行せず、テーブルの記憶位置を示すポインタ等を使用して、古い順番に用紙長Yを更新し記憶するようにしても良い。
【0016】
次に、本実施の形態における補正比率について説明する。
補正比率とは、RAM3内に記憶された複数の用紙長Y(ステップ数)を加算し、予め操作パネル2およびインターフェース部8より入力された用紙のサイズ(正規用紙長 320ステップ)により割ることで誤差を求め、その誤差をパーミル単位(1/1000)の補正比率として記憶し、次回からは、この補正比率も含めて新たな補正比率を求め、これを規定の搬送量に換算し用紙を搬送することで、時系列的な用紙搬送での変化を緩和し補正するものである。
【0017】
次に、本発明の実施の形態における処理の流れを図を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
先ず、記憶した補正比率データが、EEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5内に有るかを判定する(ステップ10)。
補正比率データは、製品出荷時のオールクリアや、基板交換および上記EEPROMやフラッシュ・メモリ等の非揮発メモリ部5のみが交換された場合に初期化される。
上記理由により、補正比率データが存在しない場合は補正比率を1000パーミル(搬送誤差無し)としてRAM3に記憶(ステップ11)し、補正比率データがある場合は、これをRAM3に読み出す(ステップ12)。
次に、用紙Pが搬送モータ24の駆動にともない連動するプラテンローラー26により搬送され、センサー23でラベルLの先端を検知し、次のラベルLの先端まで計測した用紙長Yが、RAM3内に形成したテーブルに有るかを判定する(ステップ13)。
用紙長Yがない状態(電源投入時、および用紙交換や紙切れエラー等により用紙Pが装置内に再セットされる場合に初期化されている状態)の場合は、予め操作パネル2およびインターフェース部8より入力された用紙のサイズ(例えば40mm)と、サーマルヘッド27のヘッド密度および搬送モータ24により駆動され用紙を搬送するプラテン26の1ステップ(例えば、8本/mm)により、正規用紙長のステップ数(320ステップ)を求める(ステップ14)。
求めた正規用紙長とRAMに記憶された補正比率を掛け、擬似的なステップ数を求めるために1000で割り、求められたステップ数をRAM3内に形成したテーブル内全てにセットする(ステップ15)。
上記処理により、電源投入時などRAM3内に用紙長Yの履歴データがない場合でも、擬似的なテーブルを作成することができ、継続して摩耗等による搬送誤差の補正を行なうことができる。
【0018】
次に、ステップ16では、RAM3に記憶された複数の用紙長Yのデータ(L1+L2+L3+L4)を全て加算し、その合計値を、操作パネル2およびインターフェース部8より入力された正規用紙長(320ステップ)で割り誤差を求め、パーミル単位とするために予め1000を掛け、計測した複数の用紙長Yにおける誤差比率を求める。
具体的には、
用紙長Y(L1+L2+L3+L4)÷用紙サイズ(320ステップ)×1000
とし、4031が求められる。
続いて、RAM3に読み出した補正比率(例えば1002パーミルとする)を、用紙長Yの記憶した数と同数(4)で掛け、時系列的な用紙搬送における誤差比率を求める。
具体的には、
1002パーミル×4
とし、4008が求められる。
続いて、複数の用紙長Yより求めた誤差比率(4031)と、補正比率により求めた誤差比率(4008)、および前述の比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)の1/2(4)を加算し、前述の比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)で割ることにより、新たな補正比率が求められる。
具体的には、
(4031+4008+4)÷8
とし、1005パーミルが求められる(補正比率演算手段)。
尚、上記で比率をもとめるために合算された用紙長の数(8)の1/2(4)を加算することで、パーミル単位での四捨五入となり好ましい補正比率を求めることができるが、不要であっても良い。
求めた補正比率データを、非揮発メモリ部5に記憶する(ステップ17)。
【0019】
次に、上記で求めた補正比率(1005パーミル)と、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)を掛け、1000で割ることにより適切な用紙搬送量Xに換算(換算手段)することができる(ステップ18)。
具体的には、
(1280×1005)÷1000
とし、1286ステップが求められる。
これにより、各ラベルLの先端を検知した時(用紙検知開始位置T2)から、1286ステップ(用紙搬送量X)搬送した位置を剥離停止位置T1とすることで、適切な用紙搬送とすることができる(ステップ19)。
尚、上記補正は、用紙の搬送方向に対し後退方向に補正(正補正)される。
【0020】
上記処理を、図3の(b)で説明すると、計測した複数の用紙長Yにおける誤差比率が4040で、上記処理(ステップ16)で求めた補正比率(1005パーミル)での誤差比率4020により、求められる新たな補正比率は1008パーミルとなり、用紙搬送量Xは、1290ステップとなる。
【0021】
次に、用紙Pがニップローラー29a,29bや図示せぬカッタ部により、図2の矢印A方向に通常よりも強く引き寄せられた場合を説明する。
用紙Pが、ニップローラー29a,29bや図示せぬカッタ部により、通常よりも強く引き寄せられた場合、センサー23で計測される用紙長Yは、正規用紙長(320ステップ)よりも短く計測されるため、例えば、L1〜L4が319、318、318、316ステップとなり、用紙長Yにおける誤差比率が3971で、補正比率を1000パーミルとし誤差比率を求めた場合4000となり、新たな補正比率は996パーミルが求められ、用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)が1274ステップとなり、用紙の搬送方向に対し進行方向に補正(負補正)することも可能となる。
上記の負の補正は、用紙Pがニップローラー29a,29bにより、図2の矢印A方向に通常よりも強く引き寄せられるため、センサー23の用紙検知開始位置T2から剥離停止位置T1までの用紙搬送量X(1280ステップ)で、用紙Pが搬送された場合に、ラベルLが剥離停止位置T1から行き過ぎて剥離装置から落下するなどを防止することになる。
上記により本発明は、用紙交換等により用紙のサイズが変更されても、補正比率により用紙搬送量Xを求めるため、適切な用紙搬送とすることができる。
【0022】
上記実施の形態では、求めた補正比率データを非揮発メモリ部5に記憶する説明としたが、本装置の電源投入時に補正比率を1000パーミルとし、RAM3に記憶し補正比率を求め更新し用紙搬送の補正をするようにしても良い。但し、補正比率を非揮発メモリ部5に記憶することで、本装置の電源の投入に関係なく、摩耗等の経年変化による消耗度合いに合わせ、長期にわたり用紙搬送に反映することができる。
尚、上記実施の形態では、用紙長Yの履歴を4つRAM3内に形成し、計測した用紙長Yと補正比率との計算上の割合を4:4としたが、これに限定されるものではなく、用紙長Yの履歴の数はRAM3の容量により増減でき、また、計測した用紙長Yと補正比率との計算上の割合を8:2などにすることで、用紙搬送誤差をより搬送補正に反映することができるが、逆に一時的なスリップ等による誤差も反映されるため同割合とすることが好ましい。
また、上記実施の形態では、印字部を備えた剥離装置として説明したが、これに限定するものではなく、サーマルヘッド27を転向ローラーとすることで、ラベル貼付専用の貼付装置とすることができ、剥離停止位置T1をカッタ刃切断位置とすることで、カッタ動作を行なうプリンタに応用することができるほか、用紙搬送量Xを用紙検知開始位置T2からプラテン26(印字位置T3)までの用紙搬送量Zとすることで、印字位置までの適切な用紙搬送とすることができることは言うまでもない。
さらにまた、上記実施の形態では、カーボンリボンにより印字する熱転写方式のプリンタや、インクジェット式プリンタおよびドットインパクト式プリンタ等のパルスモータのステップ駆動により用紙搬送を行なうプリンタおよび貼付装置においても適用でき、同様な効果を奏するものである。
さらにまた、上記実施の形態では、ラベルが台紙に仮着された用紙を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、台紙が無く裏面にマークおよび糊を施したラベルや、裏面に糊が無い連続紙で、用紙に穴や両端乃至端面に溝を形成した用紙であっても良く、用紙の形状に合わせてセンサー23を変更することで対応可能である。
【0023】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数の用紙長の計測履歴データと補正比率により、プラテン等の摩耗による経年変化や、カーボンリボンや用紙の量、慣性および関連する機構からの用紙搬送に対しての過負荷による搬送誤差を、随時補正することで安定した用紙搬送とすることができる。
また、本発明は、外部から入力した用紙のサイズに基づいて、搬送し計測した複数の用紙長とから用紙搬送の補正比率を求め、補正記憶手段により更新し記憶するため、用紙交換等により用紙長が変更されても、用紙の搬送を自動補正できる。
さらにまた、本発明は、補正比率により用紙搬送量Xを求め用紙搬送量を補正するため、用紙の搬送方向に対し進行方向および後退方向に補正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における用紙搬送補正装置を具備した剥離装置の電気的な構成ブロック図である。
【図2】同、本発明の実施の形態における剥離装置での概略説明図である。
【図3】本発明の実施の形態における用紙長を記憶したテーブルの概略説明図である。
【図4】本発明の実施の形態における処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 CPU
2 操作パネル
3 RAM
4 計測部
5 非揮発メモリ部
6 モータ制御部
7 プログラム格納部
8 インターフェース部
9 システムバス
P 用紙
D 台紙
L ラベル
20 剥離装置
21 用紙供給部
22a ガイドローラー
22b ガイドローラー
23 センサー
24 搬送モータ
25 ベルト
26 プラテン
27 サーマルヘッド
28 剥離バー
29a ニップローラー
29b ニップローラー
Claims (4)
- 少なくともプラテンと搬送モータにより用紙を搬送する搬送手段と、
前記用紙を検知し用紙長を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測した前記用紙長を複数記憶する記憶手段と、
前記用紙のサイズを入力する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記用紙のサイズと、前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから補正比率を演算して求める補正比率演算手段と、
前記補正比率演算手段で求めた補正比率から補正する用紙の搬送量に換算する換算手段と、を有し、
前記換算手段により求めた前記用紙の搬送量で、前記搬送手段により前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正装置。 - 前記補正比率演算手段により求めた補正比率を記憶する補正記憶手段を有し、前記補正記憶手段により前記補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算手段は、前記補正記憶手段により記憶された前記補正比率と、前記入力手段により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶手段に記憶された前記複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶手段により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする請求項1に記載の用紙搬送補正装置。
- 少なくともプラテンと搬送モータから成る用紙搬送部により用紙を搬送し、計測部により前記用紙の検知に伴い用紙長を計測し、記憶部により前記用紙の長さを複数記憶し、入力部より前記用紙のサイズを入力し、補正比率演算部により、前記入力部より入力された前記用紙のサイズと前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから補正比率を演算して求め、前記補正比率演算部で求めた補正比率から換算部により補正する用紙の搬送量に換算し、前記換算部で求めた用紙の搬送量で前記用紙を搬送することを特徴とする用紙搬送補正方法。
- 前記補正比率演算部により求めた補正比率を記憶する補正記憶部を有し、前記補正記憶部により補正比率が記憶されている場合に、前記補正比率演算部は、前記補正記憶部により記憶された補正比率と、前記入力部により入力された前記用紙のサイズおよび前記記憶部に記憶された複数の用紙長とから新たな補正比率を演算して求め、前記補正記憶部により前記補正比率を更新し記憶することを特徴とする請求項3に記載の用紙搬送補正方法。
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