JP2004243927A - 車両のシフト装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態で、パーキングブレーキを作動させるようにする。
【解決手段】自動変速機用の車両のシフト装置1において、シフトレバー2をブレーキ用ケーブル10と接続し、シフトレバー2がパーキングレンジ位置に隣接するリバースレンジ位置からパーキングレンジ位置へと移動する際に、ブレーキ用ケーブル10が緊張してパーキングブレーキが作動するよう構成した。
【選択図】 図2
【解決手段】自動変速機用の車両のシフト装置1において、シフトレバー2をブレーキ用ケーブル10と接続し、シフトレバー2がパーキングレンジ位置に隣接するリバースレンジ位置からパーキングレンジ位置へと移動する際に、ブレーキ用ケーブル10が緊張してパーキングブレーキが作動するよう構成した。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機用の車両のシフト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車車両においては、原動機側と駆動輪側との間にトランスミッションを介在させ、トランスミッションにより動力の接続及び切断、駆動輪側の出力の変速等を行うものが一般的である。トランスミッションとしては、変速を自動的に行うオートマチックトランスミッション(以下、ATという。)と、変速を乗員の手動により行うマニュアルトランスミッション(以下、MTという。)とが存在する。ATにおいては、乗員により操作されるシフトレバーがガイドプレートに形成された孔部内を移動することにより、パーキングレンジ位置、リバースレンジ位置、ドライブレンジ位置等の各レンジ位置への移動が許容されるようになっている。
【0003】
また、自動車等の車両には、車両の停止状態を保つためのパーキングブレーキが設けられる。このパーキングブレーキは、乗員により操作されるレバー部材又はペダル部材とケーブルを介して接続されるものが一般的である。
【0004】
ところで、ATのシフトレバーと、パーキングブレーキのレバー部材とを共用とした車両のシフト装置が知られている(特許文献1参照。)。この車両のシフト装置によれば、ガイドプレートの孔部は、パーキングレンジ位置と連続して形成されたブレーキ作動区間を有している。このシフト装置によれば、シフトレバーをパーキングレンジ位置に移動させた後、シフトレバーをブレーキ作動区間に進入させると、パーキングブレーキが作動するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−113120号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両のシフト装置では、シフトレバーをパーキングレンジ位置に移動させた後にパーキングブレーキが作動するので、車両が坂路等で停車している場合には、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が傾斜により移動してしまうおそれがある。ここで、乗員がフットブレーキを使用することにより、車両の移動は防止できるが、エンジンが既に停止状態となっている場合には、エンジンの助力を得てブレーキペダルを踏動することができないため、車両の停止状態を維持するために多大な踏動力が要求されることとなる。
【0007】
また、従前はシフトレバーをパーキングレンジ位置に位置させるものが一般的であったため、このシフト装置に乗員が慣熟するまでの間、乗員は、シフトレバーをパーキングレンジ位置に位置させたままパーキングブレーキを作動させることを忘れて降車することも考えられる。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることのできる車両のシフト装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、乗員に操作され少なくとも一方向に回動自在のシフトレバーが、ガイドプレートに形成された孔部内を移動することにより、シフトレバーの複数のレンジ位置への移動が許容される自動変速機用の車両のシフト装置であって、前記シフトレバーをパーキングブレーキ用のケーブルと接続し、前記シフトレバーがパーキングレンジ位置に隣接する隣接レンジ位置から該パーキングレンジ位置へと移動する際に、前記ケーブルが緊張してパーキングブレーキが作動するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、シフトレバーが隣接レンジ位置からパーキングレンジ位置へと移動する際に、パーキングブレーキのケーブルが緊張するので、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることができる。
すなわち、シフトレバーがパーキングレンジ位置へ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなり、例えばパーキングレンジ位置へ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはない。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両のシフト装置において、前記シフトレバーを略直交する二方向に回動自在に設け、前記ガイドプレートの孔部は、前記隣接レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる離脱区間と、この離脱区間と連続して形成され該離脱区間と略直交する方向へ延びるブレーキ作動区間とを有し、前記ブレーキ作動区間内をシフトレバーが移動する際に、前記ケーブルが緊張するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、隣接レンジ位置からパーキングレンジ位置へシフトレバーが移動する際に、シフトレバーが離脱区間を移動することにより、まず、シフトレバーが隣接レンジ位置から外れる。この後、シフトレバーがブレーキ作動区間内を移動することにより、パーキングブレーキが作動する。
ここで、離脱区間とブレーキ作動区間とで、シフトレバーが異なる方向へ移動することから、シフトレバーが誤動作により隣接レンジ位置から外れても、直ちにパーキングレンジ位置へ移動することはない。また、誤動作によりパーキングブレーキが作動することもない。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両のシフト装置において、前記ガイドプレートの孔部は、自動変速レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる自動手動切換区間と、この自動手動切換区間と連続して形成され該自動手動切換区間と略直交する方向へ延びる手動変速区間と、を有し、前記手動変速区間内のシフトレバーの移動により、自動変速機の変速比が手動で変更されるよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の作用に加え、シフトレバーが自動変速レンジ位置から自動手動切換区間を経由して手動変速区間内に到達すると、手動により自動変速機の変速操作が可能となる。ここで、自動手動切換区間と手動変速区間とで、シフトレバーの移動が許容される方向が異なることから、自動変速レンジ位置から手動変速区間へシフトレバーが移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1から図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1はシフト装置付近の車両の室内外観図、図2はシフト装置の一部分解斜視図、図3はシフト装置の側面断面図、図4はシフト装置の背面断面図、図5はガイドプレートの上面図である。
【0016】
図1に示すように、この車両のシフト装置1は、自動変速機用のものであり、乗員によりシフト操作されるシフトレバー2と、このシフトレバー2を案内する孔部3が形成されるガイドプレート4とを有している。この車両のシフト装置1は、回動自在のシフトレバー2が、孔部3内を移動することにより、シフトレバー2の複数のレンジ位置P,R,N,Dへの移動が許容される。図1に示すように、この車両のシフト装置1は、いわゆるフロアシフト式のものであり、箱状に形成されたシフト装置本体5がフロア側に設置され、上方へ延びるシフトレバー2が乗員の操作により略前後及び略左右の略直交する二方向へ移動するようになっている。
【0017】
シフトレバー2は、シフト装置本体5の上部を略閉塞するガイドプレート4から上方へ突出して略上下に延び、前後及び左右方向へ回動自在にシフト装置本体5内にて支持される。図2に示すように、シフトレバー2の下部には、このシフトレバー2と係脱自在のレバーブラケット6が一体的に設けられる。このレバーブラケット6の左側には、その上端から下方へ延び、シフトレバー2のカバー部材2aに突設される係止ピン2bを挿通する切欠6aが形成される。尚、カバー2aはシフトレバー2に対して、シフトレバー2の長手方向へ移動自在となっており、プランジャ2cにより上方へ付勢されている。すなわち、図2に示すように、係止ピン2bと切欠6aとが係わっている状態で、レバーブラケット6はシフトレバー2と、前後方向へ一体的に移動する。尚、レバーブラケット6はシフトレバー2の長手方向へ移動自在であり、レバーブラケット6がシフトレバー2の下端側へ移動して、係止ピン2bが切欠6aから抜脱しない限り、レバーブラケット6はシフトレバー2と一体的に移動する。また、係止ピン2bが切欠6aから抜脱すると、シフトレバー2がレバーブラケット6から前方へ離脱可能な状態となる。
【0018】
図3に示すように、このレバーブラケット6は、シフト装置本体5の下部から下方へ突出するATセレクト用アーム7に連結される。このATセレクトアーム7には、自動変速機の制御部(図示せず)側と接続されたセレクトケーブル8が接続される。すなわち、レバーブラケット6の前後回動と連動して、ATセレクトアーム7が前後回動し、結果、セレクトケーブル8が押し引きされ、制御部側にてシフトレバー2が、リバースレンジ位置R、ニュートラルレンジ位置N、ドライブレンジ位置Dのいずれかの位置かを認識できるようになっている。尚、本実施形態においては、パーキングレンジ位置Pの検出は、図2に示すように、シフト装置本体5内に設置され制御部と電気的に接続されたパーキングスイッチ9により行う。
【0019】
図5に示すように、ガイドプレート4の孔部3は、シフトレバー2を、パーキングレンジ位置P、リバースレンジ位置R、ニュートラルレンジ位置N、ドライブレンジ位置Dへとこの順に案内する。本実施形態においては、孔部3は、各レンジ位置P,R,N,Dに対応して前後左右へ延びる段状に形成される。
【0020】
パーキングレンジ位置Pとリバースレンジ位置Rとの間は、左右方向に比して前後方向が長い段状に形成される。パーキングレンジ位置Pと隣接する隣接レンジ位置としてのリバースレンジ位置Rから左右方向へ延びる区間が離脱区間Sをなし、この離脱区間Sと連続して形成され離脱区間Sと略直交する方向(前後方向)へ延びる区間がブレーキ作動区間Bをなす。
【0021】
図2及び図4に示すように、シフトレバー2の後端には、パーキングブレーキを作動させるブレーキ用ケーブル10が接続される。このブレーキ用ケーブル10は、シフトレバー2がブレーキ作動区間Bを前方へ移動する際に緊張し、離脱区間Sではシフト装置本体5内で弛緩するようになっている。ここで、シフトレバー2のカバー部材2aに略左方へ延びるよう突設された係止ピン2bが、ブレーキ作動区間Bに対応してシフト装置本体5内に配設されたパーキングブレーキ用ギヤ11と係合する。この係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ11の構造は、従来公知のパーキングブレーキ機構と同様であるので、ここでは詳述しない。
【0022】
本実施形態においては、このパーキングブレーキ用ギヤ11は、ガイドプレート4の下面に固着され、下部に係止ピン2bと係合可能なラチェットギヤ部12が形成される。前述のように、係止ピン2bはプランジャ2cによりシフトレバー2の上端側へ付勢されたカバー部材2aに形成されている。すなわち、ラチェットギヤ部12における下方へ突出する複数の歯の部分を係止ピン2bが通過する際には、カバー部材2a全体がプランジャ2cの付勢力に抗して下方へ移動する。そして、各歯を通過すると、プランジャ2cの付勢力により係止ピン2bが上方へ移動して、係止ピン2bとラチェットギヤ部12とが確実に噛み合う。
【0023】
また、図4に示すように、レバーブラケット6には左方へ延びるガイドピン6bが突出形成される。シフト装置本体5内には、ブレーキ作動区間Bに対応してパーキングブレーキ用ギヤ11の下方にガイドプレート13が配設される。ガイドプレート13の下部には、前下がりに傾斜する傾斜部13aが形成される。シフトレバー2が前方へ移動して、レバーブラケット6が前方へ移動すると、ガイドピン6bがこの傾斜部13aと当接して、レバーブラケット6ごとガイドピン6bがシフトレバー2の下端側へ移動するようになっている。レバーブラケット6がシフトレバー2の下端側へ移動すると、係止ピン2bが切欠6aから抜脱し、レバーブラケット6とシフトレバー2との係止が解除され、シフトレバー2はレバーブラケット6と独立して前方へ移動することとなる。
【0024】
図3に示すように、レバーブラケット6の上端には、上方へ凸に湾曲するプランジャ部6cが形成される。シフトレバー2の下部には、このプランジャ部6cと摺接する摺接部2bが形成される。本実施形態においては、レバーブラケット6に対してシフトレバー2の左右回動が許容されるよう構成される。摺接部2bは、シフトレバー2の左右回動によるプランジャ部6cの上端の軌跡に対応して形成され、ニュートラルレンジ位置Nとドライブレンジ位置Dの左右位置と、後述する手動変速区間Mの左右位置とに対応してプランジャ部6cの上端が嵌入する複数の嵌入部2dを並んで有している。図3に示すように、レバーブラケット6は、ばね6dにより上方に付勢されており、この結果、プランジャ部6cが嵌入部2dへ嵌入すると、シフトレバー2が左右方向に位置決めされる。これにより、乗員にとっては、シフトレバー2のいわゆる節度感が得られるようになっている。
【0025】
シフトレバー2は、ブレーキ作動区間Bの前端まで移動してパーキングレンジ位置Pへ到達すると、前述のパーキングスイッチ9と接触する。尚、本実施形態においては、このパーキングスイッチ9は接触式のスイッチであるが、非接触式のものを用いて構成してもよい。
【0026】
ここで、図5に示すように、孔部3におけるブレーキ作動区間Bの前部及びパーキングレンジ位置Pは、ブレーキ作動区間Bの後部に比して幅方向に広く形成されており、シフトレバー2の左右方向への移動が許容される。すなわち、このブレーキ作動区間Bでは、図5中の黒塗りの矢印で示すようにシフトレバー2を右方向へ移動させることにより、係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ11との係合が解除されるようになっている。従って、本実施形態においては、シフトレバー2がブレーキ作動区間Bの前部内であれば、パーキングレンジ位置Pに到達せずとも、パーキングブレーキが動作した状態となるし、シフトレバー2を右方向へ移動させてパーキングブレーキの解除が可能である。
【0027】
本実施形態においては、ガイドプレート4の孔部3は、ドライブレンジ位置Dから右方へ延びる自動手動切換区間Cと、この自動手動切換区間Cの右端部と連続して形成され前方及び後方へ延びる手動変速区間Mとが形成されている。シフト装置本体5内には、左右に延びる自動手動切換区間Cの端部に対応する手動切換スイッチ14と、前後に延びる手動変速区間Mの前端側と対応するシフトアップ変速スイッチ15と、手動変速区間Mの後端側と対応するシフトダウン変速スイッチ16とが配設される。
【0028】
図4に示す手動切換スイッチ14は制御部に電気的に接続され、シフトレバー2が自動手動切換区間Cを通過して右側へ傾倒するとONとなり、シフトレバー2がドライブレンジ位置Dに位置して略直立の状態でOFFとなる。また、図2に示す各変速スイッチ15,16は制御部に電気的に接続され、シフトレバー2が手動変速区間Mの両端側へ移動すると、各変速スイッチ15,16の一方がONとなる。これにより、手動変速区間Mにシフトレバー2が進入すると、自動変速機がマニュアルモードに切り換えられ、各変速スイッチ15,16のいずれかがONとなると、シフトアップ又はシフトダウンが図られる。すなわち、自動変速機の変速比が手動で変更されるように構成されている。尚、これら各スイッチ14,15,16に関する構成等は、従来公知のものと同様である。
【0029】
以上のように構成された車両のシフト装置1では、乗員は、シフトレバー2がリバースレンジ位置Rからパーキングレンジ位置Pへと移動させる際に、まずシフトレバー2を左方へ傾倒させることにより離脱区間S内を移動させ、リバースレンジ位置Rからシフトレバー2を外す。
【0030】
この後、乗員は、シフトレバー2を前方へ傾倒させることによりブレーキ作動区間B内を移動させ、シフトレバー2をパーキングレンジ位置Pへとさせる。このとき、シフトレバー2が前方へ移動することにより、レバーブラケット6のガイドピン6bがガイドプレート13の傾斜部13aにより押し下げされ、レバーブラケット6はばね6dの付勢力に抗してシフトレバー2の下端側へと移動する。そして、レバーブラケット6の切欠6aから係止ピン2bが抜脱し、シフトレバー2とレバーブラケット6との係止状態が解除される。すなわち、係止状態が解除された後は、レバーブラケット6と独立してシフトレバー2は前方へ移動する。
【0031】
また、シフトレバー2がブレーキ作動区間B内を前方へ移動する際に、ブレーキ用ケーブル10が緊張してパーキングブレーキが作動する。そして、前述のように、シフトレバー2の係止ピン2bがパーキングブレーキ用ギヤ13と係合するので、シフトレバー2を右側へ移動させない限り、シフトレバー2の後方への移動が規制される。
【0032】
乗員の操作により、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ到達すると、パーキングスイッチ9によりシフトレバー2がパーキングレンジ位置Pに位置することが検出される。
【0033】
パーキングシフト位置Pに位置するシフトレバー2をリバースレンジ位置Rへ移動させる場合は、シフトレバー2を右側へ移動させて、係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ13との係合を解除した状態で、ブレーキ作動区間B内を後方へ移動させる。
このとき、シフトレバー2は前後所定位置にて、シフトレバー2との係合が解除されたレバーブラケット6と再び係わり、シフトレバー2とともにレバーブラケット6が後方へ移動する。そして、レバーブラケット6がばね6dによりシフトレバー2の上端側へ付勢されていることから、ガイドピン6bが傾斜部13aを通過するとレバーブラケット6が上昇し、切欠6aに係止ピン2bが入り込む。この後、離脱区間S内を右側へ移動させることにより、リバースレンジ位置Rへとシフトレバー2が案内される。
【0034】
このように、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、シフトレバー2がリバースレンジ位置Rからパーキングレンジ位置Pへと移動する際に、パーキングブレーキ用ケーブル10が緊張するので、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pに位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることができる。すなわち、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなり、例えばパーキングレンジ位置Pへ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはない。従って、1つのシフトレバー2により変速操作及びパーキングブレーキ操作が可能であることは勿論、車両の安全性が格段に向上する。
【0035】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、離脱区間Sとブレーキ作動区間Bとで、シフトレバー2が異なる方向へ移動することから、シフトレバー2が誤動作によりリバースレンジ位置Rから外れても、直ちにパーキングレンジ位置Pへ移動することはない。また、誤動作によりブレーキ作動区間Bに進入することがないので、パーキングブレーキが作動することもない。
【0036】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、シフトレバー2が自動変速レンジ位置としてのドライブレンジ位置Dから自動手動切換区間Cを経由して手動変速区間M内に到達すると、手動により自動変速機の変速操作が可能となる。ここで、自動手動切換区間Cと手動変速区間Mとで、シフトレバー2の移動が許容される方向が異なることから、ドライブレンジ位置Dから手動変速区間Mへシフトレバー2が移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。すなわち、誤動作により、手動で変速操作されることがなく、実用に際して極めて有利である。
【0037】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、パーキングレンジ位置Pの検出をパーキングスイッチ9により行うこととし、前後に比較的長く形成されたブレーキ作動区間B内にてレバーブラケット6がシフトレバー2から外れるようにしたので、セレクトアーム7はリバースレンジ位置Rからドライブレンジ位置Dの間でのみ前後に移動することとなる。すなわち、シフトレバー2が前後に比較的長く形成されたブレーキ作動区間B内を移動する際には、セレクトアーム7及びセレクトケーブル8が移動することがないのでこれらの移動スペースを確保する必要がなく、シフト装置1の小型化を図ることができる。
【0038】
尚、前記実施形態においては、ブレーキ用ケーブル10がシフト装置本体5内で弛緩するものを示したが、例えば従来公知の巻き取り機構等により、パーキングブレーキの非作動時に付勢力によりパーキング用ケーブルを巻き取る構成であってもよい。この場合は、ブレーキ用ケーブルを弛緩させるスペースをシフト装置本体5内に確保する必要がなく、さらなるシフト装置1の小型化を図ることができる。
【0039】
また、前記実施形態においては、シフトレバー2による手動の変速操作が可能なものを示したが、この機能を有さないシフト装置であってもよいことは勿論である。
【0040】
また、前記実施形態においては、シフトレバー2が前後方向と左右方向の略直交する二方向へ回動するものを示したが、例えば前後方向にのみ回動するものであっても、パーキングレンジ位置Pへ移動する際にパーキングブレーキが作動するよう構成されていれば、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ到達した状態でパーキングブレーキを作動させることができる。
【0041】
また、前記実施形態においては、いわゆるフロアシフト式のシフト装置1を示したが、コラムシフト式のものであっても本発明を適用可能であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の車両のシフト装置によれば、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態でパーキングブレーキを作動させることができ、シフトレバーがパーキングレンジ位置へ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなる。すなわち、例えばパーキングレンジ位置へ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはなく、車両の安全性が格段に向上する。
【0043】
請求項2に記載の車両のシフト装置によれば、請求項1の効果に加え、シフトレバーが誤動作によりリバースレンジ位置から外れても、ブレーキ作動区間に進入することがなく、誤動作に起因するパーキングブレーキの作動を防止することができる。
【0044】
請求項3に記載の車両のシフト装置によれば、請求項1または2の効果に加え、自動手動切換区間と手動変速区間とで、シフトレバーの移動が許容される方向が異なることから、ドライブレンジ位置から手動変速区間へシフトレバーが移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。すなわち、誤動作により、手動で変速操作されることがなく、実用に際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、シフト装置付近の車両の室内外観図である。
【図2】シフト装置の一部分解斜視図である。
【図3】シフト装置の側面断面図である。
【図4】シフト装置の背面断面図である。
【図5】ガイドプレートの上面図である。
【符号の説明】
1 車両のシフト装置
2 シフトレバー
3 孔部
4 ガイドプレート
10 パーキングブレーキ用ケーブル
B ブレーキ作動区間
C 自動手動切換区間
D ドライブレンジ位置
M 手動変速区間
N ニュートラルレンジ位置
P パーキングレンジ位置
R リバースレンジ位置
S 離脱区間
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動変速機用の車両のシフト装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車車両においては、原動機側と駆動輪側との間にトランスミッションを介在させ、トランスミッションにより動力の接続及び切断、駆動輪側の出力の変速等を行うものが一般的である。トランスミッションとしては、変速を自動的に行うオートマチックトランスミッション(以下、ATという。)と、変速を乗員の手動により行うマニュアルトランスミッション(以下、MTという。)とが存在する。ATにおいては、乗員により操作されるシフトレバーがガイドプレートに形成された孔部内を移動することにより、パーキングレンジ位置、リバースレンジ位置、ドライブレンジ位置等の各レンジ位置への移動が許容されるようになっている。
【0003】
また、自動車等の車両には、車両の停止状態を保つためのパーキングブレーキが設けられる。このパーキングブレーキは、乗員により操作されるレバー部材又はペダル部材とケーブルを介して接続されるものが一般的である。
【0004】
ところで、ATのシフトレバーと、パーキングブレーキのレバー部材とを共用とした車両のシフト装置が知られている(特許文献1参照。)。この車両のシフト装置によれば、ガイドプレートの孔部は、パーキングレンジ位置と連続して形成されたブレーキ作動区間を有している。このシフト装置によれば、シフトレバーをパーキングレンジ位置に移動させた後、シフトレバーをブレーキ作動区間に進入させると、パーキングブレーキが作動するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−113120号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記車両のシフト装置では、シフトレバーをパーキングレンジ位置に移動させた後にパーキングブレーキが作動するので、車両が坂路等で停車している場合には、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が傾斜により移動してしまうおそれがある。ここで、乗員がフットブレーキを使用することにより、車両の移動は防止できるが、エンジンが既に停止状態となっている場合には、エンジンの助力を得てブレーキペダルを踏動することができないため、車両の停止状態を維持するために多大な踏動力が要求されることとなる。
【0007】
また、従前はシフトレバーをパーキングレンジ位置に位置させるものが一般的であったため、このシフト装置に乗員が慣熟するまでの間、乗員は、シフトレバーをパーキングレンジ位置に位置させたままパーキングブレーキを作動させることを忘れて降車することも考えられる。
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることのできる車両のシフト装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、乗員に操作され少なくとも一方向に回動自在のシフトレバーが、ガイドプレートに形成された孔部内を移動することにより、シフトレバーの複数のレンジ位置への移動が許容される自動変速機用の車両のシフト装置であって、前記シフトレバーをパーキングブレーキ用のケーブルと接続し、前記シフトレバーがパーキングレンジ位置に隣接する隣接レンジ位置から該パーキングレンジ位置へと移動する際に、前記ケーブルが緊張してパーキングブレーキが作動するよう構成したことを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、シフトレバーが隣接レンジ位置からパーキングレンジ位置へと移動する際に、パーキングブレーキのケーブルが緊張するので、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることができる。
すなわち、シフトレバーがパーキングレンジ位置へ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなり、例えばパーキングレンジ位置へ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはない。
【0011】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の車両のシフト装置において、前記シフトレバーを略直交する二方向に回動自在に設け、前記ガイドプレートの孔部は、前記隣接レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる離脱区間と、この離脱区間と連続して形成され該離脱区間と略直交する方向へ延びるブレーキ作動区間とを有し、前記ブレーキ作動区間内をシフトレバーが移動する際に、前記ケーブルが緊張するよう構成したことを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の作用に加え、隣接レンジ位置からパーキングレンジ位置へシフトレバーが移動する際に、シフトレバーが離脱区間を移動することにより、まず、シフトレバーが隣接レンジ位置から外れる。この後、シフトレバーがブレーキ作動区間内を移動することにより、パーキングブレーキが作動する。
ここで、離脱区間とブレーキ作動区間とで、シフトレバーが異なる方向へ移動することから、シフトレバーが誤動作により隣接レンジ位置から外れても、直ちにパーキングレンジ位置へ移動することはない。また、誤動作によりパーキングブレーキが作動することもない。
【0013】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両のシフト装置において、前記ガイドプレートの孔部は、自動変速レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる自動手動切換区間と、この自動手動切換区間と連続して形成され該自動手動切換区間と略直交する方向へ延びる手動変速区間と、を有し、前記手動変速区間内のシフトレバーの移動により、自動変速機の変速比が手動で変更されるよう構成したことを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2の作用に加え、シフトレバーが自動変速レンジ位置から自動手動切換区間を経由して手動変速区間内に到達すると、手動により自動変速機の変速操作が可能となる。ここで、自動手動切換区間と手動変速区間とで、シフトレバーの移動が許容される方向が異なることから、自動変速レンジ位置から手動変速区間へシフトレバーが移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1から図5は本発明の一実施形態を示すもので、図1はシフト装置付近の車両の室内外観図、図2はシフト装置の一部分解斜視図、図3はシフト装置の側面断面図、図4はシフト装置の背面断面図、図5はガイドプレートの上面図である。
【0016】
図1に示すように、この車両のシフト装置1は、自動変速機用のものであり、乗員によりシフト操作されるシフトレバー2と、このシフトレバー2を案内する孔部3が形成されるガイドプレート4とを有している。この車両のシフト装置1は、回動自在のシフトレバー2が、孔部3内を移動することにより、シフトレバー2の複数のレンジ位置P,R,N,Dへの移動が許容される。図1に示すように、この車両のシフト装置1は、いわゆるフロアシフト式のものであり、箱状に形成されたシフト装置本体5がフロア側に設置され、上方へ延びるシフトレバー2が乗員の操作により略前後及び略左右の略直交する二方向へ移動するようになっている。
【0017】
シフトレバー2は、シフト装置本体5の上部を略閉塞するガイドプレート4から上方へ突出して略上下に延び、前後及び左右方向へ回動自在にシフト装置本体5内にて支持される。図2に示すように、シフトレバー2の下部には、このシフトレバー2と係脱自在のレバーブラケット6が一体的に設けられる。このレバーブラケット6の左側には、その上端から下方へ延び、シフトレバー2のカバー部材2aに突設される係止ピン2bを挿通する切欠6aが形成される。尚、カバー2aはシフトレバー2に対して、シフトレバー2の長手方向へ移動自在となっており、プランジャ2cにより上方へ付勢されている。すなわち、図2に示すように、係止ピン2bと切欠6aとが係わっている状態で、レバーブラケット6はシフトレバー2と、前後方向へ一体的に移動する。尚、レバーブラケット6はシフトレバー2の長手方向へ移動自在であり、レバーブラケット6がシフトレバー2の下端側へ移動して、係止ピン2bが切欠6aから抜脱しない限り、レバーブラケット6はシフトレバー2と一体的に移動する。また、係止ピン2bが切欠6aから抜脱すると、シフトレバー2がレバーブラケット6から前方へ離脱可能な状態となる。
【0018】
図3に示すように、このレバーブラケット6は、シフト装置本体5の下部から下方へ突出するATセレクト用アーム7に連結される。このATセレクトアーム7には、自動変速機の制御部(図示せず)側と接続されたセレクトケーブル8が接続される。すなわち、レバーブラケット6の前後回動と連動して、ATセレクトアーム7が前後回動し、結果、セレクトケーブル8が押し引きされ、制御部側にてシフトレバー2が、リバースレンジ位置R、ニュートラルレンジ位置N、ドライブレンジ位置Dのいずれかの位置かを認識できるようになっている。尚、本実施形態においては、パーキングレンジ位置Pの検出は、図2に示すように、シフト装置本体5内に設置され制御部と電気的に接続されたパーキングスイッチ9により行う。
【0019】
図5に示すように、ガイドプレート4の孔部3は、シフトレバー2を、パーキングレンジ位置P、リバースレンジ位置R、ニュートラルレンジ位置N、ドライブレンジ位置Dへとこの順に案内する。本実施形態においては、孔部3は、各レンジ位置P,R,N,Dに対応して前後左右へ延びる段状に形成される。
【0020】
パーキングレンジ位置Pとリバースレンジ位置Rとの間は、左右方向に比して前後方向が長い段状に形成される。パーキングレンジ位置Pと隣接する隣接レンジ位置としてのリバースレンジ位置Rから左右方向へ延びる区間が離脱区間Sをなし、この離脱区間Sと連続して形成され離脱区間Sと略直交する方向(前後方向)へ延びる区間がブレーキ作動区間Bをなす。
【0021】
図2及び図4に示すように、シフトレバー2の後端には、パーキングブレーキを作動させるブレーキ用ケーブル10が接続される。このブレーキ用ケーブル10は、シフトレバー2がブレーキ作動区間Bを前方へ移動する際に緊張し、離脱区間Sではシフト装置本体5内で弛緩するようになっている。ここで、シフトレバー2のカバー部材2aに略左方へ延びるよう突設された係止ピン2bが、ブレーキ作動区間Bに対応してシフト装置本体5内に配設されたパーキングブレーキ用ギヤ11と係合する。この係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ11の構造は、従来公知のパーキングブレーキ機構と同様であるので、ここでは詳述しない。
【0022】
本実施形態においては、このパーキングブレーキ用ギヤ11は、ガイドプレート4の下面に固着され、下部に係止ピン2bと係合可能なラチェットギヤ部12が形成される。前述のように、係止ピン2bはプランジャ2cによりシフトレバー2の上端側へ付勢されたカバー部材2aに形成されている。すなわち、ラチェットギヤ部12における下方へ突出する複数の歯の部分を係止ピン2bが通過する際には、カバー部材2a全体がプランジャ2cの付勢力に抗して下方へ移動する。そして、各歯を通過すると、プランジャ2cの付勢力により係止ピン2bが上方へ移動して、係止ピン2bとラチェットギヤ部12とが確実に噛み合う。
【0023】
また、図4に示すように、レバーブラケット6には左方へ延びるガイドピン6bが突出形成される。シフト装置本体5内には、ブレーキ作動区間Bに対応してパーキングブレーキ用ギヤ11の下方にガイドプレート13が配設される。ガイドプレート13の下部には、前下がりに傾斜する傾斜部13aが形成される。シフトレバー2が前方へ移動して、レバーブラケット6が前方へ移動すると、ガイドピン6bがこの傾斜部13aと当接して、レバーブラケット6ごとガイドピン6bがシフトレバー2の下端側へ移動するようになっている。レバーブラケット6がシフトレバー2の下端側へ移動すると、係止ピン2bが切欠6aから抜脱し、レバーブラケット6とシフトレバー2との係止が解除され、シフトレバー2はレバーブラケット6と独立して前方へ移動することとなる。
【0024】
図3に示すように、レバーブラケット6の上端には、上方へ凸に湾曲するプランジャ部6cが形成される。シフトレバー2の下部には、このプランジャ部6cと摺接する摺接部2bが形成される。本実施形態においては、レバーブラケット6に対してシフトレバー2の左右回動が許容されるよう構成される。摺接部2bは、シフトレバー2の左右回動によるプランジャ部6cの上端の軌跡に対応して形成され、ニュートラルレンジ位置Nとドライブレンジ位置Dの左右位置と、後述する手動変速区間Mの左右位置とに対応してプランジャ部6cの上端が嵌入する複数の嵌入部2dを並んで有している。図3に示すように、レバーブラケット6は、ばね6dにより上方に付勢されており、この結果、プランジャ部6cが嵌入部2dへ嵌入すると、シフトレバー2が左右方向に位置決めされる。これにより、乗員にとっては、シフトレバー2のいわゆる節度感が得られるようになっている。
【0025】
シフトレバー2は、ブレーキ作動区間Bの前端まで移動してパーキングレンジ位置Pへ到達すると、前述のパーキングスイッチ9と接触する。尚、本実施形態においては、このパーキングスイッチ9は接触式のスイッチであるが、非接触式のものを用いて構成してもよい。
【0026】
ここで、図5に示すように、孔部3におけるブレーキ作動区間Bの前部及びパーキングレンジ位置Pは、ブレーキ作動区間Bの後部に比して幅方向に広く形成されており、シフトレバー2の左右方向への移動が許容される。すなわち、このブレーキ作動区間Bでは、図5中の黒塗りの矢印で示すようにシフトレバー2を右方向へ移動させることにより、係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ11との係合が解除されるようになっている。従って、本実施形態においては、シフトレバー2がブレーキ作動区間Bの前部内であれば、パーキングレンジ位置Pに到達せずとも、パーキングブレーキが動作した状態となるし、シフトレバー2を右方向へ移動させてパーキングブレーキの解除が可能である。
【0027】
本実施形態においては、ガイドプレート4の孔部3は、ドライブレンジ位置Dから右方へ延びる自動手動切換区間Cと、この自動手動切換区間Cの右端部と連続して形成され前方及び後方へ延びる手動変速区間Mとが形成されている。シフト装置本体5内には、左右に延びる自動手動切換区間Cの端部に対応する手動切換スイッチ14と、前後に延びる手動変速区間Mの前端側と対応するシフトアップ変速スイッチ15と、手動変速区間Mの後端側と対応するシフトダウン変速スイッチ16とが配設される。
【0028】
図4に示す手動切換スイッチ14は制御部に電気的に接続され、シフトレバー2が自動手動切換区間Cを通過して右側へ傾倒するとONとなり、シフトレバー2がドライブレンジ位置Dに位置して略直立の状態でOFFとなる。また、図2に示す各変速スイッチ15,16は制御部に電気的に接続され、シフトレバー2が手動変速区間Mの両端側へ移動すると、各変速スイッチ15,16の一方がONとなる。これにより、手動変速区間Mにシフトレバー2が進入すると、自動変速機がマニュアルモードに切り換えられ、各変速スイッチ15,16のいずれかがONとなると、シフトアップ又はシフトダウンが図られる。すなわち、自動変速機の変速比が手動で変更されるように構成されている。尚、これら各スイッチ14,15,16に関する構成等は、従来公知のものと同様である。
【0029】
以上のように構成された車両のシフト装置1では、乗員は、シフトレバー2がリバースレンジ位置Rからパーキングレンジ位置Pへと移動させる際に、まずシフトレバー2を左方へ傾倒させることにより離脱区間S内を移動させ、リバースレンジ位置Rからシフトレバー2を外す。
【0030】
この後、乗員は、シフトレバー2を前方へ傾倒させることによりブレーキ作動区間B内を移動させ、シフトレバー2をパーキングレンジ位置Pへとさせる。このとき、シフトレバー2が前方へ移動することにより、レバーブラケット6のガイドピン6bがガイドプレート13の傾斜部13aにより押し下げされ、レバーブラケット6はばね6dの付勢力に抗してシフトレバー2の下端側へと移動する。そして、レバーブラケット6の切欠6aから係止ピン2bが抜脱し、シフトレバー2とレバーブラケット6との係止状態が解除される。すなわち、係止状態が解除された後は、レバーブラケット6と独立してシフトレバー2は前方へ移動する。
【0031】
また、シフトレバー2がブレーキ作動区間B内を前方へ移動する際に、ブレーキ用ケーブル10が緊張してパーキングブレーキが作動する。そして、前述のように、シフトレバー2の係止ピン2bがパーキングブレーキ用ギヤ13と係合するので、シフトレバー2を右側へ移動させない限り、シフトレバー2の後方への移動が規制される。
【0032】
乗員の操作により、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ到達すると、パーキングスイッチ9によりシフトレバー2がパーキングレンジ位置Pに位置することが検出される。
【0033】
パーキングシフト位置Pに位置するシフトレバー2をリバースレンジ位置Rへ移動させる場合は、シフトレバー2を右側へ移動させて、係止ピン2bとパーキングブレーキ用ギヤ13との係合を解除した状態で、ブレーキ作動区間B内を後方へ移動させる。
このとき、シフトレバー2は前後所定位置にて、シフトレバー2との係合が解除されたレバーブラケット6と再び係わり、シフトレバー2とともにレバーブラケット6が後方へ移動する。そして、レバーブラケット6がばね6dによりシフトレバー2の上端側へ付勢されていることから、ガイドピン6bが傾斜部13aを通過するとレバーブラケット6が上昇し、切欠6aに係止ピン2bが入り込む。この後、離脱区間S内を右側へ移動させることにより、リバースレンジ位置Rへとシフトレバー2が案内される。
【0034】
このように、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、シフトレバー2がリバースレンジ位置Rからパーキングレンジ位置Pへと移動する際に、パーキングブレーキ用ケーブル10が緊張するので、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pに位置した状態で、パーキングブレーキを作動させることができる。すなわち、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなり、例えばパーキングレンジ位置Pへ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはない。従って、1つのシフトレバー2により変速操作及びパーキングブレーキ操作が可能であることは勿論、車両の安全性が格段に向上する。
【0035】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、離脱区間Sとブレーキ作動区間Bとで、シフトレバー2が異なる方向へ移動することから、シフトレバー2が誤動作によりリバースレンジ位置Rから外れても、直ちにパーキングレンジ位置Pへ移動することはない。また、誤動作によりブレーキ作動区間Bに進入することがないので、パーキングブレーキが作動することもない。
【0036】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、シフトレバー2が自動変速レンジ位置としてのドライブレンジ位置Dから自動手動切換区間Cを経由して手動変速区間M内に到達すると、手動により自動変速機の変速操作が可能となる。ここで、自動手動切換区間Cと手動変速区間Mとで、シフトレバー2の移動が許容される方向が異なることから、ドライブレンジ位置Dから手動変速区間Mへシフトレバー2が移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。すなわち、誤動作により、手動で変速操作されることがなく、実用に際して極めて有利である。
【0037】
また、本実施形態の車両のシフト装置1によれば、パーキングレンジ位置Pの検出をパーキングスイッチ9により行うこととし、前後に比較的長く形成されたブレーキ作動区間B内にてレバーブラケット6がシフトレバー2から外れるようにしたので、セレクトアーム7はリバースレンジ位置Rからドライブレンジ位置Dの間でのみ前後に移動することとなる。すなわち、シフトレバー2が前後に比較的長く形成されたブレーキ作動区間B内を移動する際には、セレクトアーム7及びセレクトケーブル8が移動することがないのでこれらの移動スペースを確保する必要がなく、シフト装置1の小型化を図ることができる。
【0038】
尚、前記実施形態においては、ブレーキ用ケーブル10がシフト装置本体5内で弛緩するものを示したが、例えば従来公知の巻き取り機構等により、パーキングブレーキの非作動時に付勢力によりパーキング用ケーブルを巻き取る構成であってもよい。この場合は、ブレーキ用ケーブルを弛緩させるスペースをシフト装置本体5内に確保する必要がなく、さらなるシフト装置1の小型化を図ることができる。
【0039】
また、前記実施形態においては、シフトレバー2による手動の変速操作が可能なものを示したが、この機能を有さないシフト装置であってもよいことは勿論である。
【0040】
また、前記実施形態においては、シフトレバー2が前後方向と左右方向の略直交する二方向へ回動するものを示したが、例えば前後方向にのみ回動するものであっても、パーキングレンジ位置Pへ移動する際にパーキングブレーキが作動するよう構成されていれば、シフトレバー2がパーキングレンジ位置Pへ到達した状態でパーキングブレーキを作動させることができる。
【0041】
また、前記実施形態においては、いわゆるフロアシフト式のシフト装置1を示したが、コラムシフト式のものであっても本発明を適用可能であるし、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の車両のシフト装置によれば、シフトレバーがパーキングレンジ位置に位置した状態でパーキングブレーキを作動させることができ、シフトレバーがパーキングレンジ位置へ移動するまでの間に、車両の停車状態が保持されることとなる。すなわち、例えばパーキングレンジ位置へ移動させた後にパーキングブレーキが作動するもののように、パーキングブレーキが作動するまでの間に車両が路面の傾斜等により移動してしまうことはなく、車両の安全性が格段に向上する。
【0043】
請求項2に記載の車両のシフト装置によれば、請求項1の効果に加え、シフトレバーが誤動作によりリバースレンジ位置から外れても、ブレーキ作動区間に進入することがなく、誤動作に起因するパーキングブレーキの作動を防止することができる。
【0044】
請求項3に記載の車両のシフト装置によれば、請求項1または2の効果に加え、自動手動切換区間と手動変速区間とで、シフトレバーの移動が許容される方向が異なることから、ドライブレンジ位置から手動変速区間へシフトレバーが移動する際に、自動変速機が変速してしまうことはない。すなわち、誤動作により、手動で変速操作されることがなく、実用に際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すもので、シフト装置付近の車両の室内外観図である。
【図2】シフト装置の一部分解斜視図である。
【図3】シフト装置の側面断面図である。
【図4】シフト装置の背面断面図である。
【図5】ガイドプレートの上面図である。
【符号の説明】
1 車両のシフト装置
2 シフトレバー
3 孔部
4 ガイドプレート
10 パーキングブレーキ用ケーブル
B ブレーキ作動区間
C 自動手動切換区間
D ドライブレンジ位置
M 手動変速区間
N ニュートラルレンジ位置
P パーキングレンジ位置
R リバースレンジ位置
S 離脱区間
Claims (3)
- 乗員に操作され少なくとも一方向に回動自在のシフトレバーが、ガイドプレートに形成された孔部内を移動することにより、シフトレバーの複数のレンジ位置への移動が許容される自動変速機用の車両のシフト装置であって、
前記シフトレバーをパーキングブレーキ用のケーブルと接続し、
前記シフトレバーがパーキングレンジ位置に隣接する隣接レンジ位置から該パーキングレンジ位置へと移動する際に、前記ケーブルが緊張してパーキングブレーキが作動するよう構成したことを特徴とする車両のシフト装置。 - 前記シフトレバーを略直交する二方向に回動自在に設け、
前記ガイドプレートの孔部は、前記隣接レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる離脱区間と、この離脱区間と連続して形成され該離脱区間と略直交する方向へ延びるブレーキ作動区間とを有し、
前記ブレーキ作動区間内をシフトレバーが移動する際に、前記ケーブルが緊張するよう構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両のシフト装置。 - 前記ガイドプレートの孔部は、自動変速レンジ位置からシフトレバーの回動方向のいずれかに延びる自動手動切換区間と、この自動手動切換区間と連続して形成され該自動手動切換区間と略直交する方向へ延びる手動変速区間と、を有し、
前記手動変速区間内のシフトレバーの移動により、自動変速機の変速比が手動で変更されるよう構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のシフト装置。
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- 2003-02-14 JP JP2003036671A patent/JP2004243927A/ja active Pending
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