JP2004239335A - 変速機 - Google Patents

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Yutaka Iino
豊加 飯野
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Abstract

【課題】変速機の前輪駆動軸に加えられるスラスト力を軽減することにより、変速機の小型化や低コスト化を達成する。
【解決手段】駆動輪に連結される終減速大歯車48に噛み合う終減速小歯車49が設けられた前輪駆動軸16を備え、この前輪駆動軸16に変速された動力を伝達する減速従動歯車28を備える。減速従動歯車28とスプライン結合される前輪駆動軸16のスプライン軸45はヘリカルスプラインに形成され、スプライン軸45は、終減速小歯車49から前輪駆動軸16に加えられるスラスト力(矢印D)に対向するスラスト力(矢印E)を発生する。これにより、前輪駆動軸16に作用するスラスト力を軽減することができ、変速機の小型化や低コスト化を達成することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両に搭載される変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン動力を駆動輪に伝達する動力伝達系には変速機が設けられており、この変速機を介してエンジン動力は走行条件に応じたトルクや回転に変換される。このような変速機としては、運転者が変速操作を行う手動変速機や、自動的に変速操作が行われる自動変速機がある。
【0003】
手動変速機は相互に平行となる回転軸を有しており、一方の回転軸に設けられる駆動歯車と、これに噛み合うように他方の回転軸に設けられる従動歯車とからなる複数の変速歯車列を有している。これらの変速歯車列によって複数の変速段が設定され、動力を伝達する変速歯車列を選択することにより、走行に適した変速段を選択することができる。
【0004】
自動変速機は複数の変速比を形成する変速歯車列と、この変速歯車列のうち動力伝達を行う変速歯車列の切り換えを行う切換機構とを有しており、変速歯車列の形態によって、1軸上での変速を可能とする遊星歯車式と、手動変速機と同様に平行軸上での変速を可能とする平行軸式とがある。さらに、自動変速機として変速比を無段階に制御する無段変速機があり、この無段変速機としては、ベルトまたはチェーンと可変溝幅プーリとにより変速されるベルトドライブ式と、2つのディスクとパワーローラとにより変速されるトロイダル式とがある。
【0005】
また、縦置きの変速機には駆動輪に連結されるデファレンシャル装置を備えるものも多く、変速されたエンジン動力をデファレンシャル装置に伝達する動力伝達軸は、その端部に終減速小歯車としてのハイポイドピニオン等を備えている。この動力伝達軸がデファレンシャル装置に動力を伝達する際に、ハイポイドギヤの噛み合いによって生じるスラスト力が動力伝達軸に加えられるため、動力伝達軸はスラスト力に対応した複列円すいころ軸受等を用いてケースに支持される。
【0006】
しかしながら、スラスト力の全てを軸受によって受けることは、軸受の耐荷重容量を増やすだけでなく、軸受を保持するケースの耐荷重容量を増やす必要があり、変速機の重量増大や高コスト化を招くことになる。また、スラスト力により軸受の回転抵抗が増加するため、動力伝達効率の悪化を招くことになる。そこで、変速歯車列をはすば歯車によって形成し、ハイポイドギヤから生じるスラスト力にはすば歯車から生じるスラスト力を対向させ、軸受にかかるスラスト力を軽減するようにした変速機が開発されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−280450号公報(第2頁、図1)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、変速機が平行軸式であれば、はすば歯車で形成された変速歯車列から生ずるスラスト力を用いて、軸受にかかるスラスト力を軽減することができるが、変速機が遊星歯車式の自動変速機等、つまり1軸上で変速を行う変速機には適用することができなかった。
【0009】
また、平行軸式の変速機であっても、はすば歯車から生じるスラスト力を伝達するためのスラスト軸受等を設ける必要があり、変速機の部品点数増大に伴う大型化や高コスト化を招くことになっていた。
【0010】
本発明の目的は、動力伝達軸に加えられるスラスト力を軽減することにより、変速機の小型化や低コスト化を図ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の変速機は、駆動輪に連結される終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が設けられた動力伝達軸と、前記動力伝達軸にスプライン結合され、変速された動力を前記動力伝達軸に伝達する伝達歯車とを有し、前記動力伝達軸に形成されるスプラインは、前記終減速小歯車から前記動力伝達軸に加えられるスラスト力に対して逆向きのスラスト力を発生するヘリカルスプラインであることを特徴とする。
【0012】
本発明の変速機は、前記伝達歯車は、前記ヘリカルスプラインから前記伝達歯車に加えられるスラスト反力に対して逆向きのスラスト力を発生するはすば歯車であることを特徴とする。
【0013】
本発明の変速機は、前記終減速小歯車はハイポイドピニオンであることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、終減速小歯車から動力伝達軸に加えられるスラスト力を、ヘリカルスプラインから動力伝達軸に加えられる逆方向のスラスト力によって低減することができ、動力伝達軸に作用するスラスト力を軽減することができる。よって、変速機の耐荷重容量を低減することができ、変速機の小型化や低コスト化を達成することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1は本発明の一実施の形態である変速機として遊星歯車式の自動変速機10を示すスケルトン図である。この自動変速機10はエンジン11に連結される入力軸12と、遊星歯車式の変速機構13を介して入力軸12に連結される出力軸14とを有しており、出力軸14はセンタデファレンシャル装置15を介して動力伝達軸である前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とに連結されている。前輪駆動軸16と後輪駆動軸17とは駆動輪としての図示しない前輪と後輪とにそれぞれ連結される。このようにエンジン11と駆動輪とは連結されており、エンジン11の動力が走行状況に応じたトルクや回転に変換されて駆動輪に伝達される。入力軸12、出力軸14、前輪駆動軸16および後輪駆動軸17は車両の進行方向を向いてケース18内に組み込まれており、この自動変速機10は縦置きに搭載され4輪駆動車に適用される。
【0017】
エンジン11のクランク軸19にはトルクコンバータ20が連結され、トルクコンバータ20のタービン軸21には入力軸12の一端が連結されている。入力軸12の他端には複数の遊星変速歯車列やクラッチおよびブレーキ等からなる変速機構13が連結されており、この変速機構13はクラッチやブレーキを係合および解放することによって動力伝達径路を切り換え、エンジン11からの動力を走行に応じて変速する。変速機構13には出力軸14の一端が連結されており変速された動力は出力軸14に伝達される。
【0018】
出力軸14と、これの同心上に設けられる後輪駆動軸17との間には、前輪と後輪とに動力を分配するセンタデファレンシャル装置15が装着されている。このセンタデファレンシャル装置15は複合遊星歯車式であり、出力軸14の他端には第1サンギヤ22が固定され、後輪駆動軸17には第2サンギヤ23が固定される。第1サンギヤ22と第2サンギヤ23との径方向外方には、第1サンギヤ22と第2サンギヤ23とに噛み合う一体型のピニオン24が複数配置されており、ピニオン24はキャリア25に回転自在に支持されている。キャリア25の端部には前輪出力軸26が設けられ、この前輪出力軸26には減速駆動歯車(リダクションドライブギヤ)27が固定されている。
【0019】
センタデファレンシャル装置15の第1サンギヤ22に、変速機構13を経て変速された動力が入力されると、一体型のピニオン24を介して、第2サンギヤ23とキャリア25とに動力が分配される。第2サンギヤ23に分配された動力は、後輪駆動軸17から図示しないリヤデファレンシャル装置を介して後輪に伝達される一方、キャリア25に分配された動力は、減速駆動歯車27から、減速駆動歯車27に噛み合うように設けられた伝達歯車である減速従動歯車(リダクションドリブンギヤ)28を介して前輪駆動軸16に伝達され、前輪駆動軸16が連結されるフロントデファレンシャル装置29を経て前輪に伝達される。このように、センタデファレンシャル装置15によって前輪および後輪を共に駆動することができ、前輪と後輪との間に回転差が生じたときには一体型のピニオン24の回転によって差動吸収される。
【0020】
また、後輪駆動軸17には差動制限クラッチハブ30が固定され、キャリア25の端部には差動制限クラッチドラム31が固定されている。差動制限クラッチハブ30と差動制限クラッチドラム31との間には、複数枚の摩擦プレート32が装着され、差動制限クラッチ33が構成されている。これにより前輪または後輪がスリップして大きな差動回転が生じたときは、差動制限クラッチ33が締結されて差動回転が抑制される。
【0021】
なお、図示する変速機は4輪駆動車に適用されるため、減速駆動歯車27はキャリア25に設けられる前輪出力軸26に固定されているが、前輪駆動車用の変速機であれば、出力軸14が前輪出力軸26として機能するため出力軸14に減速駆動歯車27が固定される。
【0022】
図2は図1の自動変速機10の一部を示す断面図である。図2に示すように、減速駆動歯車27に噛み合って設けられる減速従動歯車28の中心部には、貫通孔40が形成された中空の軸部41が設けられている。この軸部41の両端にはそれぞれ軸受42,43が装着されており、2つの軸受42,43を介して減速従動歯車28はケース18に回転自在に支持されている。
【0023】
貫通孔40の一端側はスプライン孔44に形成されており、これに結合するスプライン軸45が前輪駆動軸16の一端に形成されている。スプライン軸45に形成されるスプライン歯の歯筋は、前輪駆動軸16の軸中心に対して傾斜して設けられており、スプライン孔44に形成されるスプライン歯の歯筋も、スプライン軸45に対応するように傾斜して設けられる。つまり、スプライン孔44とスプライン軸45とはヘリカルスプラインに形成されており、このヘリカルスプラインを用いて前輪駆動軸16と減速従動歯車28とはスプライン結合されている。
【0024】
また、前輪駆動軸16の他端にはフロントデファレンシャル装置29の終減速大歯車48に噛み合うハイポイドピニオンつまり終減速小歯車49が固定されており、前輪駆動軸16を介して減速従動歯車28の動力は終減速大歯車48に伝達される。終減速大歯車48はフロントデファレンシャル装置29を構成するデファレンシャルケース50や図示しない差動歯車等を介して、駆動輪としての前輪に動力を伝達するアクスル軸51に連結されている。従って、終減速大歯車48に伝達された動力は、フロントデファレンシャル装置29により左右の前輪に分配されて伝達される。
【0025】
このように、センタデファレンシャル装置15から前輪に分配された動力は、減速駆動歯車27、減速従動歯車28、前輪駆動軸16およびフロントデファレンシャル装置29を経て左右の前輪に伝達されることになる。
【0026】
図3は減速駆動歯車27からフロントデファレンシャル装置29までの動力伝達部材群を示す斜視図である。以下、エンジン11からの動力が前輪に伝達される際に前輪駆動軸16に作用するスラスト力について説明する。なお、図2および図3に示す矢印は各歯車の回転方向と、スラスト力が加えられる方向とを示している。
【0027】
前輪を前進方向に駆動する際には、エンジン11からの動力は変速機構13を介して変速され、出力軸14を図3の矢印A方向に回転させるように伝達される。出力軸14の動力はセンタデファレンシャル装置15を介して前輪出力軸26に伝達され、矢印Aと同一方向に減速駆動歯車27を回転駆動する。次いで、減速駆動歯車27に噛み合う減速従動歯車28を介して前輪駆動軸16は矢印Bで示す方向に回転駆動される。矢印B方向に回転駆動される終減速小歯車49は、終減速大歯車48を矢印Cで示す方向に回転駆動し、アクスル軸51を介して前輪に動力が伝達される。
【0028】
図3に示すように、終減速大歯車48と終減速小歯車49とは噛み合ってハイポイド歯車を形成している。ハイポイド歯車とは、食い違う軸間において動力を伝達する円すい状の歯車であり、前輪駆動軸16やアクスル軸51の配置を比較的自由に設定することができるため、変速機に用いられることが多い歯車である。
【0029】
このハイポイド歯車は、歯筋のねじれ角によりハイポイド歯車を支持する回転軸に対して軸方向の力であるスラスト力を発生する。つまり、エンジン動力を用いた前進走行の場合には、終減速小歯車49を支持する前輪駆動軸16に対して矢印Dで示す方向にスラスト力が生じることになる。このため、前輪駆動軸16をケース18の軸承板18aに対して回転自在に支持する軸受として、スラスト力に対応する複列円すいころ軸受52が軸承板18aにボルト部材53を介して装着されている。複列円すいころ軸受52が用いられるのは、前進駆動時だけでなく後退駆動時やエンジンブレーキ時に逆方向のスラスト力が前輪駆動軸16に加えられるためである。
【0030】
しかしながら、図3に示すように、前輪駆動軸16のスプライン孔44と減速従動歯車28のスプライン軸45とはヘリカルスプラインに形成されるため、減速従動歯車28の回転が前輪駆動軸16に伝達される際には、スプライン歯の歯筋のねじれ角に応じたスラスト力が、前輪駆動軸16に対して矢印E方向に加えられることになる。スプライン歯の歯筋のねじれ方向は、減速従動歯車28が矢印B方向に回転駆動した際に、前輪駆動軸16に対して矢印E方向にスラスト力を伝達するねじれ方向に形成されている。つまり、終減速小歯車49の歯筋と同じねじれ方向にスプライン歯の歯筋が形成されている。
【0031】
さらに、減速駆動歯車27および減速従動歯車28は、はすば歯車に形成されている。このはすば歯車の歯筋のねじれ方向は、減速駆動歯車27が矢印A方向に回転することによって減速従動歯車28を矢印B方向に回転する際に、減速従動歯車28に対して矢印F方向にスラスト力を加えるねじれ方向に形成されている。つまり、ヘリカルスプラインによって前輪駆動軸16に矢印E方向のスラスト力を加える際に、減速従動歯車28には矢印G方向のスラスト反力が生じることになるが、このスラスト反力を打ち消す矢印F方向のスラスト力が減速従動歯車28に対して加えられるのである。従って、矢印G方向のスラスト反力を打ち消すことにより、ヘリカルスプラインで発生した矢印E方向のスラスト力を、減少させることなく効率的に前輪駆動軸16に加えることができる。
【0032】
このように、終減速小歯車49から前輪駆動軸16に対して矢印D方向に伝達されるスラスト力は、ヘリカルスプラインに形成されたスプライン軸45から前輪駆動軸16に対して矢印E方向に伝達されるスラスト力によって低減され、残ったスラスト力のみが前輪駆動軸16に作用することになる。つまり複列円すいころ軸受52が受けるスラスト力を軽減することができる。
【0033】
次いで、エンジンブレーキ時や後退走行時において前輪駆動軸16に作用するスラスト力について説明する。エンジンブレーキ時にはエンジン11側から駆動輪に動力が伝達されず、駆動輪側からエンジン11に向けて動力が伝達される。また、後退走行時には前輪駆動軸16等の回転が逆転することになる。これらの走行状況においては、終減速大歯車48と終減速小歯車49との噛み合いにより発生して前輪駆動軸16に加えられるスラスト力は、図3に矢印D2で示すように、エンジン駆動による前進走行時とは逆向きの方向に加えられる。
【0034】
同様に、ヘリカルスプラインであるスプライン軸45から前輪駆動軸16に伝達されるスラスト力も、図3に示すように、前進駆動時とは逆向きのE2方向に向けて加えられる。さらに、スプライン軸45から減速従動歯車28に加えられるスラスト反力と、この反力を打ち消すため減速従動歯車28と減速駆動歯車27との噛み合いにより発生するスラスト力とについても、前進駆動時とは逆向きのG2およびF2方向にそれぞれ加えられる。
【0035】
従って、前輪駆動軸16に矢印D2方向に伝達されるスラスト力は、これと逆方向となる矢印E2方向に伝達されるスラスト力によって低減され、残ったスラスト力のみ前輪駆動軸16に作用することになる。つまり、エンジン駆動の前進走行時に加えてエンジンブレーキ時および後退走行時にも複列円すいころ軸受52に加えられるスラスト力を軽減することができるため、全走行領域に渡って軸受52に作用するスラスト力を軽減することができる。
【0036】
これまで説明したように、前輪駆動軸16に作用するスラスト力を軽減することにより、複列円すいころ軸受52に加えられるスラスト力を軽減することができるため、軸受52の耐荷重容量を低く設定することができるだけでなく、軸受52を保持するケース18の軸承板18aの耐荷重容量を低く設定することができるため、小型の軸受を用いることができるとともに、軸承板18aを薄く設定することができる。これにより、変速機の小型化や低コスト化を達成することができる。さらに、軸受52に対するスラスト力の軽減により、軸受52を軸承板18aに装着するボルト部材53の使用本数を減らすことができるため、軽量化や組立工数低減による低コスト化を達成することができる。
【0037】
また、軸受52に対するスラスト力の軽減により、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機の動力伝達効率を向上させ、車両の燃費を向上させることができる。また、軸受52の回転抵抗の低減に伴って変速機潤滑油の温度上昇も抑制することができる。
【0038】
さらに、減速駆動歯車27と減速従動歯車28とをはすば歯車に形成することにより、スプライン軸45から減速従動歯車28に伝達されるスラスト反力を打ち消すため、矢印E方向のスラスト力を低減させることなく効率的に前輪駆動軸16に伝達することができる。また、スプライン軸45から減速従動歯車28に作用するスラスト反力を打ち消すため、減速駆動歯車27と減速従動歯車28との噛み合い精度を維持することができ、噛み合い音の発生を防ぐことができる。
【0039】
なお、ヘリカルスプラインに形成されるスプライン歯のねじれ角は、図示する角度に限定されることなく、各種変速機に応じて任意に設定することができる。つまり、終減速小歯車49より発生するスラスト力が大きな変速機に適用する場合には、スプライン歯のねじれ角を深く設定する一方、終減速小歯車49より発生するスラスト力が小さな変速機に適用する場合には、スプライン歯のねじれ角を浅く設定することによって、ヘリカルスプラインより適切な大きさのスラスト力を発生することができる。
【0040】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。たとえば、変速機としては遊星歯車式の自動変速機10に限られることなく、平行軸式の自動変速機であっても良く、ベルトドライブ式やトロイダル式の無段変速機であっても良い。また、手動変速機に適用しても良いことはいうまでもない。さらに、変速機としては4輪駆動車用の変速機であっても良く、前輪または後輪駆動車用の変速機であっても良い。
【0041】
また、図示する減速小歯車はハイポイドピニオンであるが、これに限定されることはなく、たとえば、はすば傘歯車や曲がりば傘歯車を用いても良い。また、伝達歯車としては減速従動歯車28、つまり前輪出力軸の回転を減速して前輪駆動軸16に伝達する歯車が設けられているが、これに限定されることはなく、等速で回転を伝達する伝達歯車を設けても良く、回転を増速させる伝達歯車を設けても良い。さらに、前輪駆動軸16を支持する軸受として、複列円すいころ軸受52が設けられているが、ヘリカルスプラインによってスラスト力を軽減することができるため、たとえば、アンギュラ玉軸受等を用いるようにしても良い。
【0042】
さらに、減速駆動歯車27と減速従動歯車28との噛み合いによって発生するスラスト力は、スプライン軸45から減速従動歯車28に伝達されるスラスト反力を打ち消すために用いられているが、減速駆動歯車27と減速従動歯車28との歯筋のねじれ角を変更することによってさらに大きなスラスト力を発生させ、終減速小歯車49から前輪駆動軸16に加えられるスラスト力を打ち消すために用いることもできる。
【0043】
なお、動力伝達軸としての前輪駆動軸16に本発明を適用して説明したが、動力伝達軸としては前輪駆動軸16に限られることはなく、終減速小歯車49からスラスト力を加えられる動力伝達軸であれば本発明を適用することができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、終減速小歯車から動力伝達軸に加えられるスラスト力を、ヘリカルスプラインから動力伝達軸に加えられる逆方向のスラスト力によって低減することができ、動力伝達軸に作用するスラスト力を軽減することができる。よって、変速機の耐荷重容量を低減することができ、変速機の小型化や低コスト化を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である変速機として遊星歯車式の自動変速機を示すスケルトン図である。
【図2】図1の自動変速機の一部を示す断面図である。
【図3】減速駆動歯車からフロントデファレンシャル装置までの動力伝達部材群を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 自動変速機(変速機)
16 前輪駆動軸(動力伝達軸)
28 減速従動歯車(伝達歯車、はすば歯車)
48 終減速大歯車
49 終減速小歯車(ハイポイドピニオン)
45 スプライン軸(ヘリカルスプライン)

Claims (3)

  1. 駆動輪に連結される終減速大歯車に噛み合う終減速小歯車が設けられた動力伝達軸と、
    前記動力伝達軸にスプライン結合され、変速された動力を前記動力伝達軸に伝達する伝達歯車とを有し、
    前記動力伝達軸に形成されるスプラインは、前記終減速小歯車から前記動力伝達軸に加えられるスラスト力に対して逆向きのスラスト力を発生するヘリカルスプラインであることを特徴とする変速機。
  2. 請求項1記載の変速機において、前記伝達歯車は、前記ヘリカルスプラインから前記伝達歯車に加えられるスラスト反力に対して逆向きのスラスト力を発生するはすば歯車であることを特徴とする変速機。
  3. 請求項1または2記載の変速機において、前記終減速小歯車はハイポイドピニオンであることを特徴とする変速機。
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