JP2004239095A - 車両の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】エンジンを始動する際に、精度よくかつ適切に吹き上がりを防止し、燃費をより向上することができる技術を提供する。
【解決手段】燃機関の回転に基づいて発電を行う発電手段と、発電手段から供給される電力に基づいて充電される2次電池手段とを備えた車両を対象とする。内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池手段への充電量を制御する制御手段を備える。前記制御手段は、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)とDC/DCコンバータとから構成される。
【選択図】 図2
【解決手段】燃機関の回転に基づいて発電を行う発電手段と、発電手段から供給される電力に基づいて充電される2次電池手段とを備えた車両を対象とする。内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池手段への充電量を制御する制御手段を備える。前記制御手段は、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)とDC/DCコンバータとから構成される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制御装置に係り、特にエンジン始動時における吹き上がりを防止するための制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば交差点等で自動車が停車した場合など所定の停止条件下でエンジンを自動停止させる一方、例えばアクセルペダルを踏み込んだときなど所定の再始動条件下でエンジンを再始動させることで、燃料を節約し、排気エミッションを低減させることができる自動停止始動装置が提案されている。
【0003】
ここで、通常のトランスミッションの油圧ポンプはエンジンにより駆動されており、 エンジンが停止すると、エンジンによって駆動されている油圧ポンプも停止するため、トランスミッションの油圧が低下することになる。この結果、再発進時におけるエンジンの再始動の際、油圧ポンプも作動するが、トランスミッションの油圧上昇遅れが生じ、トランスミッションとエンジンの出力軸間に設けられたクラッチの係合遅れによりエンジンの吹き上がり(空吹かし)が発生する問題があった。
【0004】
かかる問題に対して、例えばモータジェネレータ(発電・電動手段)を発電機として機能させることでエンジンの駆動トルクを消費し、吹き上がりを防止する技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−71138号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1等の従来技術では、吹き上がりを防止するために、モータジェネレータのステータ巻線に流す電流を調整して磁束を変化させることで、発電量、結果としてトルク消費(エンジンの駆動トルクのうちモータジェネレータにより消費されるトルク)を制御するという、励磁制御に基づく枠組みを採用している。
【0007】
しかし、一般に励磁制御は応答特性が高くないため、上記枠組みのもとでは、精度良く適切に吹き上がりを防止することは必ずしも容易でなかった。
【0008】
そこで、本発明は、エンジンを始動する際に、精度よくかつ適切に吹き上がりを防止し、燃費をより向上することができる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両の制御装置は、内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電手段と、発電手段から供給される電力に基づいて充電される2次電池手段とを備えた車両を対象とし、内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池手段への充電量を制御する制御手段を備えることを特徴とする。この場合、前記制御手段は、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)とDC/DCコンバータとから構成されることが望ましい。かかる構成によれば、適切なタイミングで充電量、ひいてはトルク消費を制御することができ、結果として、精度良くエンジン回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止することができる。
【0010】
好適には、前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記2次電池手段への充電量を決定することを特徴とする。かかる構成によれば、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟に吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0011】
好適には、前記制御手段は、内燃機関の回転数が所定の範囲にあることを条件として、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする。かかる構成によれば、内燃機関の回転数が前記所定の範囲外にある場合、通常のエンジン制御に基づいて、パワー不足に陥ることなく、運転者にとって違和感なくスムーズに発進・進行することが可能となる。
【0012】
この場合、前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記所定の範囲を変更することが望ましい。かかる構成によれば、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟に吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0013】
好適には、前記制御手段は、充電量の制御を実施する時間について定めた上限時間内で、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする。かかる構成によれば、エンジン回転数の上昇を必要以上に抑制して発進が遅れてしまうといった事態を防止することができる。
【0014】
好適には、前記2次電池手段は、発電手段からの電力に基づいて充電される第1の2次電池と、第1の2次電池からの電力に基づいて充電される第2の2次電池とを少なくとも備え、前記制御手段は、第1の2次電池から第2の2次電池へ充電される充電量を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両の制御方法は、内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電工程と、発電工程において生成される電力に基づいて2次電池を充電する充電工程と、内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池への充電量を制御する制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の車両の制御方法は、コンピュータにより実施することができるが、そのためのコンピュータプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリ及び通信ネットワークなどの各種の媒体を通じてコンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 図1は、上述した発明が適用された車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成図である。ここでは内燃機関としてガソリン式エンジン(以下、「エンジン」と称す)2が用いられている。
【0018】
エンジン2の出力は、エンジン2のクランク軸(駆動軸に相当する)2aからトルクコンバータ4及びオートマチックトランスミッション(自動変速機:以下「A/T」と呼ぶ。)6を介して、出力軸6a側に出力され、最終的に車輪に伝達される。更に、このようなエンジン2から車輪への駆動力伝達系とは別に、エンジン2の出力は、クランク軸2aに接続されているプーリ10を介して、ベルト14に伝達される。そして、このベルト14により伝達された出力により、別のプーリ16が回転される。
【0019】
オルタネータ(以下、「ALT」と呼ぶ。)26は、プーリ16によりベルト14に連動している。このALT26は、プーリ16を介して伝達されるエンジン2からの回転力を電気エネルギーに変換し、例えば車両走行時に補機類22に電力を供給する。補機類22としては、例えば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等が該当する。なお、 図1では1つの補機類22として示しているが、実際にはエアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等の1つまたは複数が存在する。
【0020】
またALT26は、レクチファイア27、レギュレータ28を介してバッテリー30に対して、更にDC/DCコンバータ32を介してバッテリー34に対して、電気エネルギーの充電を行う。バッテリー30は例えば12Vの鉛電池であり、バッテリー34は例えば12Vのリチウム電池とすることができる。
【0021】
バッテリー30に充電された電気エネルギーは、例えば初回始動時(イグニッションキーによるエンジン始動)にスタータ36に供給され、リングギアを回転させてエンジン2を始動させるために使用される。一方、バッテリー34に充電された電気エネルギーは、例えばエンジン自動停止状態から再始動する際にスタータ36に供給され、同様にリングギアを回転させてエンジン2を始動させるために使用される。このように各バッテリーを使い分ける場合、バッテリー34(リチウム電池)よりもバッテリー30(鉛電池)の方が優先して充電されるように制御することが望ましい。
【0022】
A/T6には、バッテリー30又は34から電力を供給される電動油圧ポンプ38が設けられており、A/T6内部の油圧制御部に対して作動油を供給している。この作動油は油圧制御部内のコントロールバルブにより、A/T6内部のクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの作動状態を調整し、シフト状態を必要に応じて切り替えている。
【0023】
ALT26、スタータ36の制御、その他図示していないがバッテリー30、34に対する蓄電量制御はエコランECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)40及びエンジンECU48によって実行される。またウォータポンプを除く補機類22の駆動オンオフ、電動油圧ポンプ38の駆動制御、A/T6の変速制御、燃料噴射弁(吸気ポート噴射型あるいは筒内噴射型)42による燃料噴射制御、電動モーター44によるスロットルバルブ46の開度制御、その他のエンジン制御は、エンジンECU48により実行される。また、この他、ブレーキECU50が設けられていることにより、各車輪のブレーキの自動制御も実行されている。
【0024】
エコランECU40は、ALT26に内蔵されている回転数センサからALT26の回転軸の回転数、エコランスイッチから運転者によるエコランシステムの起動有無、その他のデータを検出している。また、エンジンECU48は、水温センサからエンジン冷却水温、アイドルスイッチからアクセルペダルの踏み込み有無状態、アクセル開度センサからアクセル開度、舵角センサからステアリングの操舵角、車速センサから車速、スロットル開度センサからスロットル開度、シフト位置センサからのシフト位置、エンジン回転数センサからエンジン回転数、エアコンスイッチからオンオフ操作有無、その他のデータをエンジン制御等のために検出している。またブレーキECU50についても、制動制御等のためにブレーキスイッチからブレーキペダルの踏み込み有無状態、その他のデータを検出している。
【0025】
エコランECU40等の各電子制御装置は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM(エンジン2の停止時に保存すべきデータを記憶するバックアップRAMを含んでいてもよい)、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えて構成される。CPUは、内部バスを介してROM等にアクセス可能であり、ROMに格納されている所定のデータや制御アルゴリズム等に基づいて各種の制御処理を実行し、演算結果や、入力インターフェースを介して各センサから入力されたデータ等をRAMに格納する処理を実行する。また、これらの演算結果やデータ等は、ECU40、48、50等の間で相互にデータ通信が可能となっており、必要に応じてデータを交換して相互に連動して制御を実行することが可能となっている。
【0026】
エコランECU40は、従来と同様に、車両が例えば信号待ち等によって一時的に停車している場合など所定条件下にあるときに、エンジンECU48へ燃料供給のカットを指示することによりエンジン2を自動的に停止させ、再び車両が発進する場合など所定条件下にあるときに、バッテリー30又は34からスタータ36に電力を供給するとともにエンジンECU48に燃料供給の再開を指示してエンジン2を再始動させる、自動停止始動制御を実行するように構成されている。
【0027】
ここで、自動停止始動制御には、D又はN・Pポジションの時にエンジンの自動停止始動制御を行うDエコランと、N・Pポジションの時のみエンジンの自動停止始動制御を行い、他のポジションではエンジンの自動停止始動制御を行わないNエコランとの2タイプが知られているが、本発明はいずれのタイプに対しても適用可能である。
【0028】
自動停止条件としては、例えば、1)ブレーキペダルが踏み込まれた際、その踏力によってブレーキマスター圧が予め設定された所定閾値を超え、その状態で予め設定された所定時間が経過したこと、2)シフトポジションを駆動ポジションから非駆動ポジションに変更する操作、またはパーキングブレーキを作動状態にする操作がなされ、その状態で予め設定された所定時間が経過したこと等、設計に応じて種々の条件を考えることができる。
【0029】
また自動始動条件としては、例えば、1)シフトポジションが非駆動ポジションにあり、かつ、キー操作による始動要求があること、2)シフトポジションが駆動ポジションにあり(Dエコラン実行中)、かつ、ブレーキ始動要求フラグがON状態となっていること、3)シフトポジションが駆動ポジションにあり(Dエコラン実行中)、かつ、アイドルスイッチフラグがOFF状態を示したまま200ms経過していること等、設計に応じて種々の条件を考えることができる。
【0030】
なお、ブレーキ始動要求フラグは、ブレーキスイッチがブレーキペダル踏下無を示している、又はブレーキマスター圧が所定閾値(例えば、0.4MPa)より小さい、又はブレーキマスター圧の減少変化幅が所定閾値(例えば、0.06MPa)以上である、のいずれかが成立する場合にON状態を示し、そうでない場合にOFF状態を示すフラグである。また、アイドルスイッチフラグは、アイドルスイッチがアクセルペダル全閉を示す場合(エンジン2に出力要求をだしていない場合)にON状態を示し、そうでない場合にOFF状態を示すフラグである。
【0031】
このように、エンジン2、各ECU等の構成・動作は、原則として従来の構成・動作と同様である。ただし、本実施形態のエコランECU40は、エンジン2が始動開始した後、バッテリー34への充電量を制御することで、ALT26によるトルク消費量を制御し、それにより内燃機関の回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止する機能を備えている点で、従来の構成と異なっている。
【0032】
以下、かかる吹き上がり防止機能について説明する。
【0033】
最初に、バッテリー34への充電量を制御することによりALT26によるトルク消費量を制御できる原理を説明する。エンジン2の回転に基づいてALT26によって所定の起電力が生じ、該起電力に基づいてDC/DCコンバータ32を介してバッテリー34への充電がなされる。この場合、DC/DCコンバータ32の出力電圧を調整することでバッテリー34への充電量を制御することができる。バッテリー34への充電量が増減した場合、すなわちバッテリー34の充電のために使用される電気エネルギーが増減した場合、かかる電気エネルギーの増減はALT26の発電量の増減により補われることになるが、レギュレータ28が出力電圧を一定に保とうとすることから、結局、ALT26が出力する電流が増減することになる。ALT26が出力する電流は内部においてALT26の回転を止めようとする方向に磁界を生じさせるため、電流が増加するほどALT26は回転しにくくなり、結果としてエンジン2の駆動トルクがより消費されることになる。
【0034】
次に、図2に示すフローチャートに基づいて、吹き上がり防止機能を実現するためにエコランECU40にて実行される処理について説明する。
【0035】
エコランECU40は、エンジン始動の際に、ROM内に記録された制御アルゴリズムに基づき、CPUの制御下で以下の吹き上がり防止処理を実行する。なお、各ステップ(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0036】
まず、エコランECU40は、エンジン2が始動開始しているかどうかを判断する(S100)。そして、開始していると判断した場合、S101に進む。
【0037】
次に、エコランECU40は、エンジン2の初爆が行われたかどうかを判断する(S101)。そして、初爆が行われたと判断した場合、S102に進む。
【0038】
次に、エコランECU40は、エンジン2の回転数が所定値以上となっているかどうかを判断する(S102)。そして、所定値以上となっていると判断した場合、S103に進む。
【0039】
次に、エコランECU40は、充電量制御処理の実施時間を格納するカウンターを初期化するとともに、かかる実施時間の上限値を設定する(S103)。
【0040】
実施時間の上限値は、必要以上に長時間に渡ってエンジン回転数の上昇が抑制されスムーズな発進が阻害されてしまうことを防止するために設定するものである。具体的な値は設計に応じて定めることができるが、例えば数百msec程度とすることが考えられる。
【0041】
次に、エコランECU40は、充電量制御処理を開始する(S104〜S112)
まず、ROMに格納されるアクセル開度と充電量の対応関係を参照し、該時点におけるアクセル開度に基づいて、バッテリー34への充電量(バッテリー34へ供給する電気エネルギー)を決定する(S104)。
【0042】
アクセル開度と充電量の対応関係は、図3(a)に示すように、定性的にはアクセル開度が大きいほど充電量が小さくなるような関係を有している。アクセル開度が大きい場合、すなわちアクセルの踏み込み量が大きい場合、運転者が早い発進を意図していると考えることができるため、エンジン回転数がアイドリング回転数に到達するまでに必要以上に長い時間を要してしまうことは好ましくない。そのため本実施形態では上記のような対応関係を採用し、アクセル開度が大きいほど充電量を小さくして回転数の抑制度合いを押さえることで、アイドリング回転数までの到達時間の短縮化を図っている。
【0043】
なお、アクセル開度に対応する充電量は、アクセル開度に応じて発生するエンジン2の駆動トルクと、バッテリー34への充電により消費されるトルクと、該トルク消費に基づくエンジン回転数の上昇率(上昇速度)の抑制度合い等を予め試験等に基づいて計測し、該計測値に基づいてエンジン回転数がアイドリング回転数(目標回転数)に対してオーバーシュートすることなく漸近するように、定めることができる。
【0044】
次に、エコランECU40は、バッテリー30の充電状態を判断する(S105)。
【0045】
そして、フル充電状態でないと判断した場合は、前記決定した充電量から、バッテリー30を充電するために必要な電気エネルギーを差し引く補正を行う(S106)。一方、フル充電状態であると判断した場合は、補正を行わずにS107に進む。
【0046】
次に、エコランECU40は、ROMに格納されるアクセル開度と制御終了回転数の対応関係を参照し、該時点におけるアクセル開度に基づいて、充電量制御処理を終了するエンジン回転数を決定する(S107)。
【0047】
アクセル開度と制御終了回転数の対応関係は、図3(b)に示すように、定性的にはアクセル開度が大きいほど制御終了回転数が低くなるような関係を有している。アクセル開度と充電量の対応関係の場合と同様に、本実施形態では上記のような対応関係を採用し、アクセル開度が大きいほど早い段階で充電量制御に基づくALT26のトルク消費を終了させ、アイドリング回転数までの到達時間の短縮化を図っている。
【0048】
なお、前記対応関係によれば、アクセル開度が小さい場合、制御終了回転数は高くなるが、その場合の上限は目標回転数であるアイドリング回転数となる。従って、アイドリング回転数に到達する前に充電量制御に基づくALT26のトルク消費は終了し(すなわちALT26のトルク消費は通常状態に戻り)、その後は原則としてアクセルの踏み込み量に基づいてエンジンの回転数が制御されることになる。このように構成したのは、最終的にエンジン回転数をアイドリング回転数に追従制御させるためには、ALT26によるトルク消費に基づいて制御する構成ではパワー不足であること、充電量制御に基づく回転数抑制のない通常のエンジン制御に戻すことで、運転者にとって違和感のない、アクセルの踏み込みに応じたスムーズな発進・進行できることなどを考慮したためである。
【0049】
次に、エコランECU40は、バッテリー34への充電量が前記決定した充電量となるように、DC/DCコンバータ32を制御する(S108)。なお、初爆後S108が最初に実行されるまでの間は、バッテリー34への充電量が所定のデフォルト値(原則として、S104において決定する充電量よりも低い値を採る)となるように、DC/DCコンバータ32は設定されているものとする。
【0050】
これにより、ALT26により生起された起電力に基づき、レクチファイア27、レギュレータ28、DC/DCコンバータ32を介して、前記決定した充電量に対応する電流がバッテリー34に対して供給され、充電がなされる。このとき、バッテリー30がフル充電状態でない場合は、バッテリー30の充電も行われる。
【0051】
次に、エコランECU40は、エンジン回転数と、前記決定した制御終了回転数とを比較する(S109)。
【0052】
そして、エンジン回転数が制御終了回転数以上となっている場合は、バッテリー34への充電量が前記所定のデフォルト値となるように、DC/DCコンバータ32を制御し(S110)、処理を終了する。
【0053】
一方、エンジン回転数が制御終了回転数以上となっていない場合は、エコランECU40は、前記カウンターの値と、実施時間の上限値とを比較する(S111)。
【0054】
そして、カウンター値が上限値以上となっている場合は、バッテリー34への充電量が前記所定のデフォルト値となるように、DC/DCコンバータ32を制御し(S112)、処理を終了する。一方、カウンター値が上限値以上となっていない場合は、S104に戻る。
【0055】
図4は、充電量制御を行う場合(ケース1)と、行わない場合(ケース2)について、エンジン回転数の上昇度合いの一例を概念的に示す図である。図からわかるように、ケース2ではエンジン回転数がアイドリング回転数をオーバーシュートして吹き上がりが生じているのに対し、ケース1では、期間100において充電量制御が実行された結果、エンジン回転数がアイドリング回転数(目標回転数)に対してオーバーシュートすることなく漸近するように変化していることがわかる。なお、ケース1に示す例は、エンジン回転数が制御終了回転数に到達したことにより充電量制御を終了している。
【0056】
このように本実施形態では、ALT26を励磁制御によって直接制御する代わりに、DC/DCコンバータ32を介してバッテリー34への充電量を制御することで、ALT26のトルク消費を制御し、エンジン回転数の上昇を抑制する構成を採用している。2次電池の充電量の制御特性は一般に励磁制御に比較して良好な応答特性を有するため、上記構成によれば、適切なタイミングで充電量、ひいてはトルク消費を制御することができ、結果として、精度良くエンジン2の回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止することができる。
【0057】
特に本実施形態のように、充電量の制御対象であるバッテリー34として、電気エネルギーの受け入れ性のよいリチウム電池を用いることで、より良好な応答特性を得ることができ、好ましい効果を得ることができる。
【0058】
また本実施形態では、実施時間の上限値を定め、かかる上限時間内で充電量制御を適用する構成としているため、エンジン回転数の上昇を必要以上に抑制して発進が遅れてしまうといった事態を防止することができる。
【0059】
更に本実施形態では、内燃機関の回転数が所定の範囲(制御終了回転数を上限とする、アイドリング回転数を超えない範囲)にあることを条件として、充電量制御を適用する構成としているため、エンジン回転数がアイドリング回転数に近い状態では通常のエンジン制御に戻ることができ、パワー不足に陥ることなく、また運転者にとっても違和感なくスムーズに発進・進行することが可能となる。
【0060】
更に本実施形態では、アクセル開度に応じて充電量や制御終了回転数を決定する構成としているため、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟な吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0061】
(その他)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。
【0062】
例えば、本発明の2次電池への充電量を制御する構成と、従来の励磁制御に基づき発電手段を直接制御する構成とを組み合せて吹き上がり防止機能を実現する構成としてもよい。
【0063】
また例えば、上記実施形態では、バッテリー30として12V鉛電池、バッテリー34として12Vリチウム電池の計2つのバッテリーを備え、バッテリー34への充電量を制御する構成としているが、制御装置が備えるバッテリーの個数、充電量制御の対象とするバッテリーの個数、バッテリーの種類(電池のタイプ)、バッテリーの容量などは、設計に応じて変更することが可能である。
【0064】
また例えば、上記実施形態ではバッテリー30とバッテリー34の容量は同一であるが、両者の容量は異なっていてもよく、その場合、容量の大きい方のバッテリーを優先して充電する構成とすることが考えられる。
【0065】
また例えば、上記実施形態ではALT26に対してバッテリー30、34は並列的に配置される構成となっているが、かかる構成に代えて、ALT26により生成された電気エネルギーに基づきバッテリー30を充電し、バッテリー30に蓄積された電気エネルギーに基づきバッテリー34を充電する、直列的な配置構成としてもよい。この場合、バッテリー30とバッテリー34の間にDC/DCコンバータを設け、これを調整することでバッテリー34への充電量(バッテリー30からバッテリー34へ移行する電気エネルギーの量)を制御することが考えられる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンを始動する際に、精度よくかつ適切に吹き上がりを抑制し、燃費をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る、車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、吹き上がり防止処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】アクセル開度と充電量又は制御終了回転数の対応関係を説明するための図である。
【図4】エンジン回転数の上昇度合いを概念的に示す図である。
【符号の説明】
2 エンジン
2a クランク軸
4 トルクコンバータ
6 オートマチックトランスミッション
6a 出力軸
10 プーリ
10a 電磁クラッチ
14 ベルト
16 プーリ
22 補機類
26 オルタネータ
27 レクチファイア
28 レギュレータ
30 バッテリー
32 DC/DCコンバータ
34 バッテリー
36 スタータ
38 電動油圧ポンプ
40 エコランECU
42 燃料噴射弁
44 電動モーター
46 スロットルバルブ
48 エンジンECU
50 ブレーキECU
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制御装置に係り、特にエンジン始動時における吹き上がりを防止するための制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば交差点等で自動車が停車した場合など所定の停止条件下でエンジンを自動停止させる一方、例えばアクセルペダルを踏み込んだときなど所定の再始動条件下でエンジンを再始動させることで、燃料を節約し、排気エミッションを低減させることができる自動停止始動装置が提案されている。
【0003】
ここで、通常のトランスミッションの油圧ポンプはエンジンにより駆動されており、 エンジンが停止すると、エンジンによって駆動されている油圧ポンプも停止するため、トランスミッションの油圧が低下することになる。この結果、再発進時におけるエンジンの再始動の際、油圧ポンプも作動するが、トランスミッションの油圧上昇遅れが生じ、トランスミッションとエンジンの出力軸間に設けられたクラッチの係合遅れによりエンジンの吹き上がり(空吹かし)が発生する問題があった。
【0004】
かかる問題に対して、例えばモータジェネレータ(発電・電動手段)を発電機として機能させることでエンジンの駆動トルクを消費し、吹き上がりを防止する技術が提案されている(特許文献1)。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−71138号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1等の従来技術では、吹き上がりを防止するために、モータジェネレータのステータ巻線に流す電流を調整して磁束を変化させることで、発電量、結果としてトルク消費(エンジンの駆動トルクのうちモータジェネレータにより消費されるトルク)を制御するという、励磁制御に基づく枠組みを採用している。
【0007】
しかし、一般に励磁制御は応答特性が高くないため、上記枠組みのもとでは、精度良く適切に吹き上がりを防止することは必ずしも容易でなかった。
【0008】
そこで、本発明は、エンジンを始動する際に、精度よくかつ適切に吹き上がりを防止し、燃費をより向上することができる技術を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両の制御装置は、内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電手段と、発電手段から供給される電力に基づいて充電される2次電池手段とを備えた車両を対象とし、内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池手段への充電量を制御する制御手段を備えることを特徴とする。この場合、前記制御手段は、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)とDC/DCコンバータとから構成されることが望ましい。かかる構成によれば、適切なタイミングで充電量、ひいてはトルク消費を制御することができ、結果として、精度良くエンジン回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止することができる。
【0010】
好適には、前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記2次電池手段への充電量を決定することを特徴とする。かかる構成によれば、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟に吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0011】
好適には、前記制御手段は、内燃機関の回転数が所定の範囲にあることを条件として、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする。かかる構成によれば、内燃機関の回転数が前記所定の範囲外にある場合、通常のエンジン制御に基づいて、パワー不足に陥ることなく、運転者にとって違和感なくスムーズに発進・進行することが可能となる。
【0012】
この場合、前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記所定の範囲を変更することが望ましい。かかる構成によれば、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟に吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0013】
好適には、前記制御手段は、充電量の制御を実施する時間について定めた上限時間内で、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする。かかる構成によれば、エンジン回転数の上昇を必要以上に抑制して発進が遅れてしまうといった事態を防止することができる。
【0014】
好適には、前記2次電池手段は、発電手段からの電力に基づいて充電される第1の2次電池と、第1の2次電池からの電力に基づいて充電される第2の2次電池とを少なくとも備え、前記制御手段は、第1の2次電池から第2の2次電池へ充電される充電量を制御することを特徴とする。
【0015】
本発明の車両の制御方法は、内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電工程と、発電工程において生成される電力に基づいて2次電池を充電する充電工程と、内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池への充電量を制御する制御工程と、を備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の車両の制御方法は、コンピュータにより実施することができるが、そのためのコンピュータプログラムは、CD−ROM、磁気ディスク、半導体メモリ及び通信ネットワークなどの各種の媒体を通じてコンピュータにインストールまたはロードすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。 図1は、上述した発明が適用された車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成図である。ここでは内燃機関としてガソリン式エンジン(以下、「エンジン」と称す)2が用いられている。
【0018】
エンジン2の出力は、エンジン2のクランク軸(駆動軸に相当する)2aからトルクコンバータ4及びオートマチックトランスミッション(自動変速機:以下「A/T」と呼ぶ。)6を介して、出力軸6a側に出力され、最終的に車輪に伝達される。更に、このようなエンジン2から車輪への駆動力伝達系とは別に、エンジン2の出力は、クランク軸2aに接続されているプーリ10を介して、ベルト14に伝達される。そして、このベルト14により伝達された出力により、別のプーリ16が回転される。
【0019】
オルタネータ(以下、「ALT」と呼ぶ。)26は、プーリ16によりベルト14に連動している。このALT26は、プーリ16を介して伝達されるエンジン2からの回転力を電気エネルギーに変換し、例えば車両走行時に補機類22に電力を供給する。補機類22としては、例えば、エアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等が該当する。なお、 図1では1つの補機類22として示しているが、実際にはエアコン用コンプレッサ、パワーステアリングポンプ、エンジン冷却用ウォータポンプ等の1つまたは複数が存在する。
【0020】
またALT26は、レクチファイア27、レギュレータ28を介してバッテリー30に対して、更にDC/DCコンバータ32を介してバッテリー34に対して、電気エネルギーの充電を行う。バッテリー30は例えば12Vの鉛電池であり、バッテリー34は例えば12Vのリチウム電池とすることができる。
【0021】
バッテリー30に充電された電気エネルギーは、例えば初回始動時(イグニッションキーによるエンジン始動)にスタータ36に供給され、リングギアを回転させてエンジン2を始動させるために使用される。一方、バッテリー34に充電された電気エネルギーは、例えばエンジン自動停止状態から再始動する際にスタータ36に供給され、同様にリングギアを回転させてエンジン2を始動させるために使用される。このように各バッテリーを使い分ける場合、バッテリー34(リチウム電池)よりもバッテリー30(鉛電池)の方が優先して充電されるように制御することが望ましい。
【0022】
A/T6には、バッテリー30又は34から電力を供給される電動油圧ポンプ38が設けられており、A/T6内部の油圧制御部に対して作動油を供給している。この作動油は油圧制御部内のコントロールバルブにより、A/T6内部のクラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチの作動状態を調整し、シフト状態を必要に応じて切り替えている。
【0023】
ALT26、スタータ36の制御、その他図示していないがバッテリー30、34に対する蓄電量制御はエコランECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)40及びエンジンECU48によって実行される。またウォータポンプを除く補機類22の駆動オンオフ、電動油圧ポンプ38の駆動制御、A/T6の変速制御、燃料噴射弁(吸気ポート噴射型あるいは筒内噴射型)42による燃料噴射制御、電動モーター44によるスロットルバルブ46の開度制御、その他のエンジン制御は、エンジンECU48により実行される。また、この他、ブレーキECU50が設けられていることにより、各車輪のブレーキの自動制御も実行されている。
【0024】
エコランECU40は、ALT26に内蔵されている回転数センサからALT26の回転軸の回転数、エコランスイッチから運転者によるエコランシステムの起動有無、その他のデータを検出している。また、エンジンECU48は、水温センサからエンジン冷却水温、アイドルスイッチからアクセルペダルの踏み込み有無状態、アクセル開度センサからアクセル開度、舵角センサからステアリングの操舵角、車速センサから車速、スロットル開度センサからスロットル開度、シフト位置センサからのシフト位置、エンジン回転数センサからエンジン回転数、エアコンスイッチからオンオフ操作有無、その他のデータをエンジン制御等のために検出している。またブレーキECU50についても、制動制御等のためにブレーキスイッチからブレーキペダルの踏み込み有無状態、その他のデータを検出している。
【0025】
エコランECU40等の各電子制御装置は、CPU(プロセッサ)、ROM、RAM(エンジン2の停止時に保存すべきデータを記憶するバックアップRAMを含んでいてもよい)、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えて構成される。CPUは、内部バスを介してROM等にアクセス可能であり、ROMに格納されている所定のデータや制御アルゴリズム等に基づいて各種の制御処理を実行し、演算結果や、入力インターフェースを介して各センサから入力されたデータ等をRAMに格納する処理を実行する。また、これらの演算結果やデータ等は、ECU40、48、50等の間で相互にデータ通信が可能となっており、必要に応じてデータを交換して相互に連動して制御を実行することが可能となっている。
【0026】
エコランECU40は、従来と同様に、車両が例えば信号待ち等によって一時的に停車している場合など所定条件下にあるときに、エンジンECU48へ燃料供給のカットを指示することによりエンジン2を自動的に停止させ、再び車両が発進する場合など所定条件下にあるときに、バッテリー30又は34からスタータ36に電力を供給するとともにエンジンECU48に燃料供給の再開を指示してエンジン2を再始動させる、自動停止始動制御を実行するように構成されている。
【0027】
ここで、自動停止始動制御には、D又はN・Pポジションの時にエンジンの自動停止始動制御を行うDエコランと、N・Pポジションの時のみエンジンの自動停止始動制御を行い、他のポジションではエンジンの自動停止始動制御を行わないNエコランとの2タイプが知られているが、本発明はいずれのタイプに対しても適用可能である。
【0028】
自動停止条件としては、例えば、1)ブレーキペダルが踏み込まれた際、その踏力によってブレーキマスター圧が予め設定された所定閾値を超え、その状態で予め設定された所定時間が経過したこと、2)シフトポジションを駆動ポジションから非駆動ポジションに変更する操作、またはパーキングブレーキを作動状態にする操作がなされ、その状態で予め設定された所定時間が経過したこと等、設計に応じて種々の条件を考えることができる。
【0029】
また自動始動条件としては、例えば、1)シフトポジションが非駆動ポジションにあり、かつ、キー操作による始動要求があること、2)シフトポジションが駆動ポジションにあり(Dエコラン実行中)、かつ、ブレーキ始動要求フラグがON状態となっていること、3)シフトポジションが駆動ポジションにあり(Dエコラン実行中)、かつ、アイドルスイッチフラグがOFF状態を示したまま200ms経過していること等、設計に応じて種々の条件を考えることができる。
【0030】
なお、ブレーキ始動要求フラグは、ブレーキスイッチがブレーキペダル踏下無を示している、又はブレーキマスター圧が所定閾値(例えば、0.4MPa)より小さい、又はブレーキマスター圧の減少変化幅が所定閾値(例えば、0.06MPa)以上である、のいずれかが成立する場合にON状態を示し、そうでない場合にOFF状態を示すフラグである。また、アイドルスイッチフラグは、アイドルスイッチがアクセルペダル全閉を示す場合(エンジン2に出力要求をだしていない場合)にON状態を示し、そうでない場合にOFF状態を示すフラグである。
【0031】
このように、エンジン2、各ECU等の構成・動作は、原則として従来の構成・動作と同様である。ただし、本実施形態のエコランECU40は、エンジン2が始動開始した後、バッテリー34への充電量を制御することで、ALT26によるトルク消費量を制御し、それにより内燃機関の回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止する機能を備えている点で、従来の構成と異なっている。
【0032】
以下、かかる吹き上がり防止機能について説明する。
【0033】
最初に、バッテリー34への充電量を制御することによりALT26によるトルク消費量を制御できる原理を説明する。エンジン2の回転に基づいてALT26によって所定の起電力が生じ、該起電力に基づいてDC/DCコンバータ32を介してバッテリー34への充電がなされる。この場合、DC/DCコンバータ32の出力電圧を調整することでバッテリー34への充電量を制御することができる。バッテリー34への充電量が増減した場合、すなわちバッテリー34の充電のために使用される電気エネルギーが増減した場合、かかる電気エネルギーの増減はALT26の発電量の増減により補われることになるが、レギュレータ28が出力電圧を一定に保とうとすることから、結局、ALT26が出力する電流が増減することになる。ALT26が出力する電流は内部においてALT26の回転を止めようとする方向に磁界を生じさせるため、電流が増加するほどALT26は回転しにくくなり、結果としてエンジン2の駆動トルクがより消費されることになる。
【0034】
次に、図2に示すフローチャートに基づいて、吹き上がり防止機能を実現するためにエコランECU40にて実行される処理について説明する。
【0035】
エコランECU40は、エンジン始動の際に、ROM内に記録された制御アルゴリズムに基づき、CPUの制御下で以下の吹き上がり防止処理を実行する。なお、各ステップ(符号が付与されていない部分的な工程を含む)は処理内容に矛盾を生じない範囲で任意に順番を変更して又は並列に実行することができる。
【0036】
まず、エコランECU40は、エンジン2が始動開始しているかどうかを判断する(S100)。そして、開始していると判断した場合、S101に進む。
【0037】
次に、エコランECU40は、エンジン2の初爆が行われたかどうかを判断する(S101)。そして、初爆が行われたと判断した場合、S102に進む。
【0038】
次に、エコランECU40は、エンジン2の回転数が所定値以上となっているかどうかを判断する(S102)。そして、所定値以上となっていると判断した場合、S103に進む。
【0039】
次に、エコランECU40は、充電量制御処理の実施時間を格納するカウンターを初期化するとともに、かかる実施時間の上限値を設定する(S103)。
【0040】
実施時間の上限値は、必要以上に長時間に渡ってエンジン回転数の上昇が抑制されスムーズな発進が阻害されてしまうことを防止するために設定するものである。具体的な値は設計に応じて定めることができるが、例えば数百msec程度とすることが考えられる。
【0041】
次に、エコランECU40は、充電量制御処理を開始する(S104〜S112)
まず、ROMに格納されるアクセル開度と充電量の対応関係を参照し、該時点におけるアクセル開度に基づいて、バッテリー34への充電量(バッテリー34へ供給する電気エネルギー)を決定する(S104)。
【0042】
アクセル開度と充電量の対応関係は、図3(a)に示すように、定性的にはアクセル開度が大きいほど充電量が小さくなるような関係を有している。アクセル開度が大きい場合、すなわちアクセルの踏み込み量が大きい場合、運転者が早い発進を意図していると考えることができるため、エンジン回転数がアイドリング回転数に到達するまでに必要以上に長い時間を要してしまうことは好ましくない。そのため本実施形態では上記のような対応関係を採用し、アクセル開度が大きいほど充電量を小さくして回転数の抑制度合いを押さえることで、アイドリング回転数までの到達時間の短縮化を図っている。
【0043】
なお、アクセル開度に対応する充電量は、アクセル開度に応じて発生するエンジン2の駆動トルクと、バッテリー34への充電により消費されるトルクと、該トルク消費に基づくエンジン回転数の上昇率(上昇速度)の抑制度合い等を予め試験等に基づいて計測し、該計測値に基づいてエンジン回転数がアイドリング回転数(目標回転数)に対してオーバーシュートすることなく漸近するように、定めることができる。
【0044】
次に、エコランECU40は、バッテリー30の充電状態を判断する(S105)。
【0045】
そして、フル充電状態でないと判断した場合は、前記決定した充電量から、バッテリー30を充電するために必要な電気エネルギーを差し引く補正を行う(S106)。一方、フル充電状態であると判断した場合は、補正を行わずにS107に進む。
【0046】
次に、エコランECU40は、ROMに格納されるアクセル開度と制御終了回転数の対応関係を参照し、該時点におけるアクセル開度に基づいて、充電量制御処理を終了するエンジン回転数を決定する(S107)。
【0047】
アクセル開度と制御終了回転数の対応関係は、図3(b)に示すように、定性的にはアクセル開度が大きいほど制御終了回転数が低くなるような関係を有している。アクセル開度と充電量の対応関係の場合と同様に、本実施形態では上記のような対応関係を採用し、アクセル開度が大きいほど早い段階で充電量制御に基づくALT26のトルク消費を終了させ、アイドリング回転数までの到達時間の短縮化を図っている。
【0048】
なお、前記対応関係によれば、アクセル開度が小さい場合、制御終了回転数は高くなるが、その場合の上限は目標回転数であるアイドリング回転数となる。従って、アイドリング回転数に到達する前に充電量制御に基づくALT26のトルク消費は終了し(すなわちALT26のトルク消費は通常状態に戻り)、その後は原則としてアクセルの踏み込み量に基づいてエンジンの回転数が制御されることになる。このように構成したのは、最終的にエンジン回転数をアイドリング回転数に追従制御させるためには、ALT26によるトルク消費に基づいて制御する構成ではパワー不足であること、充電量制御に基づく回転数抑制のない通常のエンジン制御に戻すことで、運転者にとって違和感のない、アクセルの踏み込みに応じたスムーズな発進・進行できることなどを考慮したためである。
【0049】
次に、エコランECU40は、バッテリー34への充電量が前記決定した充電量となるように、DC/DCコンバータ32を制御する(S108)。なお、初爆後S108が最初に実行されるまでの間は、バッテリー34への充電量が所定のデフォルト値(原則として、S104において決定する充電量よりも低い値を採る)となるように、DC/DCコンバータ32は設定されているものとする。
【0050】
これにより、ALT26により生起された起電力に基づき、レクチファイア27、レギュレータ28、DC/DCコンバータ32を介して、前記決定した充電量に対応する電流がバッテリー34に対して供給され、充電がなされる。このとき、バッテリー30がフル充電状態でない場合は、バッテリー30の充電も行われる。
【0051】
次に、エコランECU40は、エンジン回転数と、前記決定した制御終了回転数とを比較する(S109)。
【0052】
そして、エンジン回転数が制御終了回転数以上となっている場合は、バッテリー34への充電量が前記所定のデフォルト値となるように、DC/DCコンバータ32を制御し(S110)、処理を終了する。
【0053】
一方、エンジン回転数が制御終了回転数以上となっていない場合は、エコランECU40は、前記カウンターの値と、実施時間の上限値とを比較する(S111)。
【0054】
そして、カウンター値が上限値以上となっている場合は、バッテリー34への充電量が前記所定のデフォルト値となるように、DC/DCコンバータ32を制御し(S112)、処理を終了する。一方、カウンター値が上限値以上となっていない場合は、S104に戻る。
【0055】
図4は、充電量制御を行う場合(ケース1)と、行わない場合(ケース2)について、エンジン回転数の上昇度合いの一例を概念的に示す図である。図からわかるように、ケース2ではエンジン回転数がアイドリング回転数をオーバーシュートして吹き上がりが生じているのに対し、ケース1では、期間100において充電量制御が実行された結果、エンジン回転数がアイドリング回転数(目標回転数)に対してオーバーシュートすることなく漸近するように変化していることがわかる。なお、ケース1に示す例は、エンジン回転数が制御終了回転数に到達したことにより充電量制御を終了している。
【0056】
このように本実施形態では、ALT26を励磁制御によって直接制御する代わりに、DC/DCコンバータ32を介してバッテリー34への充電量を制御することで、ALT26のトルク消費を制御し、エンジン回転数の上昇を抑制する構成を採用している。2次電池の充電量の制御特性は一般に励磁制御に比較して良好な応答特性を有するため、上記構成によれば、適切なタイミングで充電量、ひいてはトルク消費を制御することができ、結果として、精度良くエンジン2の回転数の上昇を抑制して吹き上がりを防止することができる。
【0057】
特に本実施形態のように、充電量の制御対象であるバッテリー34として、電気エネルギーの受け入れ性のよいリチウム電池を用いることで、より良好な応答特性を得ることができ、好ましい効果を得ることができる。
【0058】
また本実施形態では、実施時間の上限値を定め、かかる上限時間内で充電量制御を適用する構成としているため、エンジン回転数の上昇を必要以上に抑制して発進が遅れてしまうといった事態を防止することができる。
【0059】
更に本実施形態では、内燃機関の回転数が所定の範囲(制御終了回転数を上限とする、アイドリング回転数を超えない範囲)にあることを条件として、充電量制御を適用する構成としているため、エンジン回転数がアイドリング回転数に近い状態では通常のエンジン制御に戻ることができ、パワー不足に陥ることなく、また運転者にとっても違和感なくスムーズに発進・進行することが可能となる。
【0060】
更に本実施形態では、アクセル開度に応じて充電量や制御終了回転数を決定する構成としているため、アクセルの踏み込み量に反映される運転者の意図に応じて抑制度合いを変えることができ、柔軟な吹き上がり防止機能を実現することができる。
【0061】
(その他)
本発明は上記実施形態に限定されることなく、種々に変形して適用することが可能である。
【0062】
例えば、本発明の2次電池への充電量を制御する構成と、従来の励磁制御に基づき発電手段を直接制御する構成とを組み合せて吹き上がり防止機能を実現する構成としてもよい。
【0063】
また例えば、上記実施形態では、バッテリー30として12V鉛電池、バッテリー34として12Vリチウム電池の計2つのバッテリーを備え、バッテリー34への充電量を制御する構成としているが、制御装置が備えるバッテリーの個数、充電量制御の対象とするバッテリーの個数、バッテリーの種類(電池のタイプ)、バッテリーの容量などは、設計に応じて変更することが可能である。
【0064】
また例えば、上記実施形態ではバッテリー30とバッテリー34の容量は同一であるが、両者の容量は異なっていてもよく、その場合、容量の大きい方のバッテリーを優先して充電する構成とすることが考えられる。
【0065】
また例えば、上記実施形態ではALT26に対してバッテリー30、34は並列的に配置される構成となっているが、かかる構成に代えて、ALT26により生成された電気エネルギーに基づきバッテリー30を充電し、バッテリー30に蓄積された電気エネルギーに基づきバッテリー34を充電する、直列的な配置構成としてもよい。この場合、バッテリー30とバッテリー34の間にDC/DCコンバータを設け、これを調整することでバッテリー34への充電量(バッテリー30からバッテリー34へ移行する電気エネルギーの量)を制御することが考えられる。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、エンジンを始動する際に、精度よくかつ適切に吹き上がりを抑制し、燃費をより向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る、車両用内燃機関及びその制御装置のシステム構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る、吹き上がり防止処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】アクセル開度と充電量又は制御終了回転数の対応関係を説明するための図である。
【図4】エンジン回転数の上昇度合いを概念的に示す図である。
【符号の説明】
2 エンジン
2a クランク軸
4 トルクコンバータ
6 オートマチックトランスミッション
6a 出力軸
10 プーリ
10a 電磁クラッチ
14 ベルト
16 プーリ
22 補機類
26 オルタネータ
27 レクチファイア
28 レギュレータ
30 バッテリー
32 DC/DCコンバータ
34 バッテリー
36 スタータ
38 電動油圧ポンプ
40 エコランECU
42 燃料噴射弁
44 電動モーター
46 スロットルバルブ
48 エンジンECU
50 ブレーキECU
Claims (9)
- 内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電手段と、発電手段から供給される電力に基づいて充電される2次電池手段とを備えた車両を対象とし、内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池手段への充電量を制御する制御手段を備えることを特徴とする車両の制御装置。
- 前記制御手段は、ECU(エレクトロニクス・コントロール・ユニット)とDC/DCコンバータとから構成されることを特徴とする請求項1記載の車両の制御装置。
- 前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記2次電池手段への充電量を決定することを特徴とする請求項1又は2記載の車両の制御装置。
- 前記制御手段は、内燃機関の回転数が所定の範囲にあることを条件として、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
- 前記制御手段は、アクセル開度に基づいて前記所定の範囲を変更することを特徴とする請求項4記載の車両の制御装置。
- 前記制御手段は、充電量の制御を実施する時間について定めた上限時間内で、前記2次電池手段への充電量を制御することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の制御装置。
- 前記2次電池手段は、発電手段からの電力に基づいて充電される第1の2次電池と、第1の2次電池からの電力に基づいて充電される第2の2次電池とを少なくとも備え、
前記制御手段は、第1の2次電池から第2の2次電池へ充電される充電量を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の車両の制御装置。 - 内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電工程と、
発電工程において生成される電力に基づいて2次電池を充電する充電工程と、
内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池への充電量を制御する制御工程と、を備えることを特徴とする車両の制御方法。 - 内燃機関の回転に基づいて発電を行う発電工程と、
発電工程において生成される電力に基づいて2次電池を充電する充電工程と、
内燃機関の回転数の上昇を抑制すべく、2次電池への充電量を制御する制御工程と、をコンピュータで実行させるためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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