JP2004238327A - 貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および化粧料 - Google Patents

貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および化粧料 Download PDF

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JP2004238327A JP2003029161A JP2003029161A JP2004238327A JP 2004238327 A JP2004238327 A JP 2004238327A JP 2003029161 A JP2003029161 A JP 2003029161A JP 2003029161 A JP2003029161 A JP 2003029161A JP 2004238327 A JP2004238327 A JP 2004238327A
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章裕 黒田
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Abstract

【課題】水や油に対しても色落ちせず、強い耐久性を有し、彩度か高く、かつ保護コロイド成分などによる安全性の低下を防止でき、さらに貴金属の優れた熱伝導効果を利用することで夏場の放熱性に優れることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および化粧料を提供する。
【解決手段】母材顔料の質量に対して、貴金属純分として0.1質量%以上50質量%未満の範囲の量の貴金属コロイド、および有機金属化合物にて顔料を被覆し、さらにそれを焼成することにより得られることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料、および該貴金属・金属酸化物被覆処理顔料を含有する化粧料。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、母材顔料の質量に対して、貴金属純分として0.1質量%以上50質量%未満の範囲の量の貴金属コロイド、および有機金属化合物にて顔料を被覆し、さらにそれを焼成することにより得られる貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および該貴金属・金属酸化物被覆処理顔料を含有する化粧料に関する。
さらに詳しくは、貴金属コロイドを有機金属化合物と共に顔料に被覆し、焼成することで、有機金属化合物が金属酸化物に変化する際に貴金属コロイドを取り込んだ形で皮膜を形成することを利用し、水や油に対しても色落ちせず、強い耐久性を有し、かつ保護コロイド成分による安全性の低下を防止でき、彩度が高く、さらに貴金属の優れた熱伝導効果を利用することで夏場の放熱性に優れることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、貴金属でメッキした雲母を配合した化粧料が知られている(特許文献1、2)。また、水膨潤性粘土鉱物にアルミニウム、金、銀粉を取り込んだ複合粉体(特許文献3)のように貴金属粉末を取り込んだものも知られている。さらには、金属コロイドを用いてシルクパウダーを染色したものを化粧料へ配合する技術についても知られている(特許文献4)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭62−10880号公報
【特許文献2】
特開昭61−229808号公報
【特許文献3】
特開昭63−30313号公報
【特許文献4】
特開平3−77806号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、貴金属でメッキする場合、被覆量を多くしないと被覆がうまくいかなかったり、均一な処理ができない問題がある他、顔料の色が金属色となるため化粧料などに配合しようとすると色が目立ちすぎ配合しにくい問題があった。また、被覆量を多くすると高価になってしまう問題もあった。一方、貴金属の粒子を固定化する場合では、貴金属の量を多くしないとその効果が出しにくく、メッキと同様に金属色を有するなどの問題があり、さらにこの場合も高価になってしまう問題があった。そして、貴金属コロイドを用いた場合には、その保護コロイドなどが皮膚や人体に安全であるか否かによりかなりの使用上の制限を受けてしまうことが多かった。また、貴金属コロイドを顔料に被覆した場合、一般的には溶媒が揮発してコロイドが高濃度化する過程で凝集が生じてしまい、その色が暗色化することが多かった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明人らは、これらの問題について鋭意検討を行った結果、貴金属コロイドを有機金属化合物と共に顔料に被覆し、焼成することで、有機金属化合物が金属酸化物に変化する際に貴金属コロイドを取り込んだ形で皮膜を形成し、さらに金属コロイドの凝集が防止されることで彩度の高い顔料が得られることを見出した。また、メッキなどで問題になっていた貴金属の被覆量が制限される問題についても自在にコントロールができるようになった。そして、貴金属の持つ優れた熱伝導効果を利用することで夏場の放熱性に優れる特性を与えることに成功した。この貴金属被覆処理顔料を配合した化粧料は、彩度が高く、色の安定性に優れ、耐久性にも優れている他、放熱性があるので、夏場に冷感を持つ特徴がある。
【0006】
すなわち、本発明は、母材顔料の質量に対して、貴金属純分として0.1質量%以上50質量%未満の範囲の量の貴金属コロイド、および有機金属化合物にて顔料を被覆し、さらにそれを焼成することにより得られることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料である。
【0007】
第2の本発明は、貴金属が金、銀、白金から選ばれることを特徴とする上記の金属被覆処理顔料である。
【0008】
第3の本発明は、 有機金属化合物の被覆量が母材顔料の質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲にあることを特徴とする上記の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
【0009】
第4の本発明は、有機金属化合物がシリコーン油およびシリコーン樹脂の1種以上から選ばれることを特徴とする上記の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料である。
【0010】
第5の本発明は、焼成温度が400〜1000℃の範囲にあることを特徴とする上記の金属被覆処理顔料である。
【0011】
第6の本発明は、上記の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料を含有することを特徴とする化粧料である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明で用いる貴金属とは、金、銀、白金、パラジウムなどが挙げられる。この内、金、銀、白金が好ましく、特に粒子が微細な球状であり、色が赤色系で使いやすい金コロイドが好ましい。本発明で用いる貴金属はコロイド状態で用いる。貴金属コロイドは、例えば、塩化金酸、硝酸銀、酢酸銀、過塩素酸銀、塩化白金酸、塩化白金酸カリウムなどの貴金属化合物を、水、低級アルコール、その他の有機溶媒などの溶媒を単独、または2種以上を用いて溶解した後、水素化ホウ素ナトリウム、ポリビニルブチラール、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸塩、アミンなどの還元剤を用いて貴金属に還元することによって、貴金属のコロイド粒子を形成させるが、還元処理の際に保護コロイドを加えておくことによって、保護コロイドで保護されて分散性に優れ安定な貴金属コロイドが得られる。保護コロイドとしては、クエン酸などの有機酸系化合物、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース塩等の水溶性高分子、アミン系樹脂、界面活性剤などが挙げられるが、貴金属のコロイドの濃度を高くし易いアミン系樹脂が好ましい。本発明では貴金属がコロイド状態のものであれば、その製造方法は問わない。また、上記溶媒を一部除去するか全量除いたものも使用できる。市販の高濃度コロイドの例としては、日本ペイント社製の高濃度貴金属コロイド(例えばAuE−101、金コロイド、粒径約10nm)が好ましい例として挙げられる。
【0013】
本発明では貴金属コロイドと共に有機金属化合物を被覆する。本発明で言う有機金属化合物とは、珪素、チタン、アルミニウムなどの金属元素を含む有機化合物であり、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン油、トりメチルシロキシケイ酸などのシリコーン樹脂、テトラエトキシシラン、シランカップリング剤などのシラン類、チタンカップリング剤などの有機チタネート類、アルミニウムカップリング剤などの有機アルミネート類が挙げられるが、好ましくはシリコーン油やシリコーン樹脂であり、特に供給が安定しており安価で貴金属コロイドの分散性に優れているシリコーン油が好ましい。また、有機金属化合物の質量に占める金属元素の割合が多いものを使用した場合(例えばメチルハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる)には緻密な皮膜が得られる傾向があり、また有機金属化合物の質量に占める金属元素の割合が少ないものを使用した場合(例えばジアルキルジアルコキシシランが挙げられる)には比較的疎な、空隙を持った皮膜が得られる傾向がある。これら有機金属化合物は焼成することによって、酸化珪素(シリカ)、酸化チタン、酸化アルミニウム(アルミナ)などに変化して貴金属とともに母材顔料を被覆する。
【0014】
本発明では貴金属コロイドおよび有機金属化合物にて母材顔料を被覆する。被覆方法としては、エタノール、イソプロピルアルコール、プロピルアルコールなどの低級アルコール類、ヘキサン、トルエンなどの揮発性有機溶媒などと顔料、貴金属コロイド、有機金属化合物を混合してスラリーを形成した後、溶媒を留去または噴霧乾燥する方法が塗膜の均一性に富むため最も好ましい。また流動層乾燥機を用いて、低濃度の貴金属コロイド、有機金属化合物溶液を顔料に噴霧する方法や、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて顔料と貴金属コロイド、有機金属化合物を乾式で混合する方法なども挙げられる。また混合後、粉砕機を用いて粉砕したり、メッシュを通すことで粒子の凝集を減らすことも可能である。
【0015】
本発明で用いる貴金属コロイドの被覆量としては、貴金属コロイド中の貴金属純分換算で、母材顔料の質量に対して、0.1質量%以上50質量%未満の範囲で顔料に被覆する。0.1質量%未満では、熱伝導性が悪くなる問題があり、また50質量%を超えると価格が高くなり、色が濃色化して化粧料などに使用しにくくなる問題がある。
【0016】
本発明で用いる有機金属化合物の被覆量としては、母材顔料の質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲で被覆することが好ましい。0.1質量%未満では皮膜の均一性が担保できず、不均一となる場合があり、20質量%を超えると得られる顔料の感触にきしみ感が強くなったり、凝集が生じて分散性が悪くなるなどの場合がある。
【0017】
本発明で用いる母材顔料は化粧品で使用できるものであれば良いが、400℃以上で燃焼してしまうものは使用できない。具体的には無機粉体が好ましく、例えば顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、低次酸化チタン、ベンガラ、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウムなどが挙げられる。また、これらの顔料の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができる。
【0018】
本発明では、こうして得られた貴金属コロイド被覆顔料を焼成する。焼成の条件としては空気または酸素中で、400〜1000℃の温度範囲で実施することが好ましい。400℃未満では燃焼が不完全となる場合があり、また1000℃を超えると顔料によっては融解してしまう場合がある。また、焼成の時間としては、10分〜24時間が好ましく、特に好ましくは30分〜12時間の範囲である。この範囲であると品質の安定性とコストが両立しやすい。
【0019】
本発明ではこうして得られた焼成顔料を、さらに粉砕、篩い分けしても構わない。さらに、この焼成顔料をさらに、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、シラン処理、有機チタネート処理、有機アルミニウム処理、油剤処理、樹脂処理、フッ素化合物処理、N−アシル化リジン処理、金属石鹸処理などの撥水化表面処理や、金属酸化物処理、デオキシリボ核酸処理、寒天処理、ヒアルロン酸処理、ポリアルギン酸処理などの親水性表面処理など、各種の表面処理を行っても構わない。
【0020】
本発明の化粧料ではこうして得られた貴金属・金属酸化物被覆処理顔料を化粧料の総量に対して、0.1〜100質量%の範囲で配合することが好ましい。
【0021】
本発明の化粧料では、上記の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料以外の成分として、化粧料に用いられる各種の成分、例えば顔料、樹脂、粘剤、油剤、防菌防腐剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、香料、保湿剤、塩類、溶媒、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の成分を適宜配合することが可能である。
【0022】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、エノ油、オリーブ油、カポックロウ、カヤ油、肝油、キョウニン油、鯨ロウ、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シナギリ油、シナモン油、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、胚芽油、パーシック油、ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、綿実油、落花生油、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート;炭化水素油として、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン、プリスタン、ポリブテン、α−オレフィンオリゴマー等;高級脂肪酸としては、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、イソステアリン酸;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸ミリスチル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等が挙げられる。また、シリコーン油の例としては、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、アモジメチコーン、フッ素変性ジメチコノール、シリコーンガム等が挙げられる。
【0023】
本発明で用いる紫外線吸収剤の例としては、例えばパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPABA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPABA、サリチル酸オクチル、2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、これらの高分子誘導体、及びシラン誘導体等が挙げられる。これらの成分は後述の微粒子酸化チタンなどの紫外線防御素材と組み合わせて使用することが好ましい。特に夏場用の製剤として、冷感と紫外線防御効果が両立させてためにも好ましい。
【0024】
また、有機系紫外線吸収剤がポリマー粉末中に封止されたものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくても良く、平均一次粒子径としては0.1〜50μmの範囲にあれば良く、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂等が挙げられる。これらのポリマー粉末中に、粉末質量の0.1〜30質量%の範囲で有機系紫外線吸収剤を取り込ませた粉末が好ましく、特にUVA吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを配合することが好ましい。上記の紫外線防御成分のうち、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、オキシベンゾン、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種が、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いので、好ましい。特に、無機系と有機系を併用することが好ましい。また、UV−Aに対応したものとUV−Bに対応したものを組み合わせて用いることも好適である。
【0025】
保湿剤の例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン、ラフィノースなどが挙げられる。
【0026】
本発明の化粧料で用いる顔料としては、通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料、天然色素等があげられ、具体的には、無機粉体としては、顔料級酸化チタン、酸化ジルコニウム、顔料級酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸(シリカ)、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒子酸化セリウム等;有機粉体としては、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、12ナイロン、6ナイロン等のナイロンパウダーやポリアミドパウダー、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γ−酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。これらの顔料は前記同様に各種の表面処理がされていてもいなくても構わない。この内、シリコーンエラストマー球状粉体(例えば東レダウコーニングシリコーン社製トレフィルEシリーズ)は断熱性を補助することが可能であるため、配合していることが好ましい。尚、シリコーンエラストマー球状粉体の配合の形態としては、乾式または湿式により粉砕された形態で配合されていることが好ましい。
【0027】
本発明の化粧料で用いる生理活性成分としては、皮膚や頭髪に塗布した場合に皮膚や頭髪に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、抗炎症剤、老化防止剤、ひきしめ剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。その中でも、天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分が特に好ましい。本発明では、これらの生理活性成分を1種または2種以上配合することが好ましい。例えば、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
【0028】
また、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等のアミノ酸、エストラジオール、エテニルエストラジオールなどのホルモン、アミノ酸、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等の抗炎症剤、ビタミンA,B2,B6,C,D,K,ビタミンC配糖体、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、α−ヒドロキシ酸、β−ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ−オリザノールなどの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、l−メントール、カンフルなどの清涼剤、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、γ−アミノ−β−ヒドロキシ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコルチゾン、ハッカ油等が挙げられる。この内、メントールや各種のメントール誘導体を配合し、化粧料の冷感を強調することも可能であり好ましい。
【0029】
本発明で用いる生理活性成分の配合量はその活性成分の効果濃度によって異なり、それぞれの活性成分の効果濃度範囲に濃度設定することが好ましい。例えばアスコルビン酸ならば3質量%、アスコルビン酸配糖体ならば2質量%といった濃度が挙げられる。
【0030】
防菌防腐剤としては、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素、フェノキシエタノール等がある。
【0031】
界面活性剤としては、例えばアニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤を用いることができる。より詳しくは脂肪酸石鹸、α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のカチオン性界面活性剤、ラウリン酸アルカノールアミド、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE脂肪酸エステル、ポリエーテル変性シリコーン等のノニオン性界面活性剤、カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等の両性界面活性剤が挙げられる。また、サポニン、糖系界面活性剤等の天然系界面活性剤を用いることもできる。
【0032】
本発明の化粧料に用いられる樹脂・粘剤の例としては、例えばポリアクリル酸ナトリウム、セルロースエーテル、アルギン酸カルシウム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体、ビニルピロリドン系ポリマー、ビニルアルコール/ビニルピロリドン共重合体、窒素置換アクリルアミド系ポリマー、ポリアクリルアミド、カチオン化ガーガムなどのカチオン系ポリマー、ジメチルアクリルアンモニウム系ポリマー、アクリル酸メタクリル酸アクリル共重合体、POE/POP共重合体、ポリビニルアルコール、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、ガーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン、セルロース、ポリエチレンイミン、高重合ポリエチレングリコール、カチオン化シリコーン重合体、合成ラテックス、シリコーン化プルラン、トリメチルシロキシケイ酸、フッ素化ポリメチルシロキシケイ酸、アクリル化シリコーン、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどが挙げられる。
【0033】
本発明の化粧料としては、例えばファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、アイブロー、チーク、口紅、ネイルカラーなどのメイクアップ化粧料、乳液、クリーム、ローション、カラミンローション、サンスクリーン剤、サンタン剤、アフターシェーブローション、プレシェーブローション、パック料、アクネ対策化粧料、エッセンスなどの基礎化粧料、シャンプー、リンス、コンディショナー、ヘアカラー、ヘアトニック、セット剤、ボディパウダー、デオドラント、脱毛剤、石鹸、ボディシャンプー、入浴剤、ハンドソープ、香水などが挙げられる。
【0034】
本発明の化粧料の剤型としては、二層状、油中水型エマルション、水中油型エマルション、ジェル状、スプレー、ローション状、ムース状、油性、固型状、シート状など従来公知の剤型を使用することができる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例および比較例によって本発明を更に詳細に説明する。
【0036】
実施例および比較例の各組成物の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0037】
[放熱性評価]
29℃の室内で、内腕部に粉末を塗布し、経時での温度変化を非接触表面温度計を用い、未塗布部位との比較で測定した。
【0038】
[コロイドの溶出確認]
顔料をエタノール5質量%水溶液に5質量%の割合で分散させ、沈降させた時の溶液色の変化からコロイドの溶出を確認した。
【0039】
[色評価試験]
試料を半折したろ紙の上に少量載せ、ついでろ紙を折り、戻した状態での色を目視評価した。実施例と対応する比較例について彩度の確認を実施した。
【0040】
[官能特性評価]
専門パネラーを各評価品目ごとに10名ずつ用意し(但し、品目によりパネラーが重複する場合もある)、表1に示す評価基準に従って評価を行い、全パネラーの合計点数を以て評価結果とした。従って、点数が高いほど評価項目に対する有用性が高いことを示す(満点:50点)。
【0041】
[表1]
Figure 2004238327
【0042】
実施例1
タルク100質量部に、金コロイド溶液(日本ペイント製AuE−101)を金純分で2質量部とシリコーン油の一種であるジメチルポリシロキサン油2質量部とエタノール100質量部との混合溶液を加えてスラリーを形成させ、よく攪拌した。次いで攪拌下に加熱して溶媒を留去し、ミキサーで粉砕して金・ジメチルポリシロキサン被覆タルクを得た。次に、るつぼに同顔料を入れ、焼成炉を用いて500℃にて1時間焼成を行い、濃紫色の金シリカ焼成処理タルクを得た。(注:シリコーンは焼成によりシリカに変換される。)
【0043】
比較例1
実施例1の金・シリコーン被覆タルク(未焼成)を以って比較例とした。
【0044】
実施例2
顔料級酸化チタン100質量部に、金コロイド溶液(日本ペイント製AuE−101)を金純分で4質量部とシリコーン油の一種であるメチルハイドロジェンポリシロキサン(信越化学工業社製KF−99P)3質量部とエタノール70質量部との混合溶液を加えてスラリーを形成させ、よく攪拌した。次いで攪拌下に加熱して溶媒を留去し、ミキサーで粉砕して金・シリコーン被覆顔料級酸化チタンを得た。次に、るつぼに同顔料を入れ、焼成炉を用いて600℃にて1時間焼成を行い、紫色の金シリカ焼成処理顔料級酸化チタンを得た。(注:シリコーンは焼成によりシリカに変換される。)
【0045】
比較例2
実施例2の金・シリコーン被覆顔料級酸化チタン(未焼成)を以って比較例とした。
【0046】
実施例3
実施例1のタルクの代わりにマイカを用いた他は全て実施例1と同様にして金・シリカ焼成処理マイカを得た。
【0047】
比較例3
実施例3の金・シリコーン被覆マイカ(未焼成)を以って比較例とした。
【0048】
比較例4
タルク100質量部に、金コロイド溶液(日本ペイント製AuE−101)を金純分で2質量部とエタノール100質量部との混合溶液を加えてスラリーを形成させ、よく攪拌した。次いで攪拌下に加熱して溶媒を留去し、ミキサーで粉砕して金被覆タルクを得た。次に、るつぼに同顔料を入れ、焼成炉を用いて500℃にて1時間焼成を行い、濃紫色の金焼成処理タルクを得た。
【0049】
比較例5
顔料級酸化チタン100質量部に、金コロイド溶液(日本ペイント製AuE−101)を金純分で2質量部とエタノール70質量部との混合溶液を加えてスラリーを形成させ、よく攪拌した。次いで攪拌下に加熱して溶媒を留去し、ミキサーで粉砕して金被覆顔料級酸化チタンを得た。次に、るつぼに同顔料を入れ、焼成炉を用いて600℃にて1時間焼成を行い、濃紫色の金焼成処理顔料級酸化チタンを得た。
【0050】
比較例6
比較例4のタルクの代わりにマイカを用いた他は全て比較例4と同様にして金焼成処理マイカを得た。
【0051】
実施例4
表2の処方と製造方法に従いアイシャドウを得た。尚、表中の配合量の単位は質量%を用いた。
【0052】
[表2]
ポリエチレンワックス 2
エチレンプロピレンコポリマー 4
マイクロクリスタリンワックス 4
流動パラフィン 39
ワセリン 5
ソルビタンセスキオレート 1
金・シリカ焼成処理タルク(実施例1) 5
金・シリカ焼成処理顔料級酸化チタン(実施例2) 3
金・シリカ焼成処理マイカ(実施例3) 残 量
雲母チタン 17
防腐剤 適 量
【0053】
油性成分を加熱溶解した後、粉体成分を投入し、ローラーを用いて混練した後、金皿に流し込み冷却して製品を得た。
【0054】
比較例7
表3の処方と製造方法に従いアイシャドウを得た。尚、表3で用いたタルク、顔料級酸化チタン、マイカは実施例4で使用したものと同じグレードのものを使用した。表中の配合量の単位は質量%を用いた。
【0055】
[表3]
ポリエチレンワックス 2
エチレンプロピレンコポリマー 4
マイクロクリスタリンワックス 4
流動パラフィン 39
ワセリン 5
ソルビタンセスキオレート 1
未処理タルク 5
未処理顔料級酸化チタン 3
未処理マイカ 残 量
雲母チタン 17
防腐剤 適 量
【0056】
油性成分を加熱溶解した後、粉体成分を投入し、ローラーを用いて混練した後、金皿に流し込み冷却して製品を得た。
【0057】
比較例8
表4の処方と製造方法に従いアイシャドウを得た。尚、表中の配合量の単位は質量%を用いた。
【0058】
[表4]
ポリエチレンワックス 2
エチレンプロピレンコポリマー 4
マイクロクリスタリンワックス 4
流動パラフィン 39
ワセリン 5
ソルビタンセスキオレート 1
金・シリコーン被覆タルク(比較例1) 5
金・シリコーン被覆顔料級酸化チタン(比較例2) 3
金・シリコーン被覆マイカ(比較例3) 残 量
雲母チタン 17
防腐剤 適 量
【0059】
油性成分を加熱溶解した後、粉体成分を投入し、ローラーを用いて混練した後、金皿に流し込み冷却して製品を得た。
【0060】
表5、表6、表7、表8に実施例および比較例の評価結果を示す。
【0061】
[表5]
(コロイドの溶出確認試験結果)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 溶出なし
実施例2 溶出なし
実施例3 溶出なし
比較例1 溶出が認められる
比較例2 溶出が認められる
比較例3 溶出が認められる
【0062】
[表6]
(放熱性評価結果) 塗布10分後の未塗布部位との温度差
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 −2℃
実施例2 −2℃
実施例3 −2℃
未処理タルク 0℃
未処理顔料級酸化チタン 0℃
未処理セリサイト 0℃
【0063】
[表7]
(目視色評価結果)
本発明試料 比較試料 比較結果
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
実施例1 比較例4 実施例の方がコロイドの原色を残している
実施例2 比較例5 実施例の方がコロイドの原色を残している
実施例3 比較例6 実施例の方がコロイドの原色を残している
【0064】
[表8]
(官能特性評価結果)
Figure 2004238327
【0065】
表5の結果より、本実施例は比較例と比べて耐溶出性に優れていることが判る。また、この傾向は水だけでなく、油剤と接触した場合にも生じることが判っており、焼成しないと皮膚に適用した時に塗布時および経時で色ムラが生じることが判る。
また、表6の結果より、本実施例は未処理粉体と比べて放熱性に優れていることが判る。
表7の結果より、本発明の実施例は、有機金属化合物を用いずに貴金属のみを被覆した比較例と比べて金コロイドの原色を残していて彩度が高いことが判る。比較例では、色がややくすんでしまったために黒味かがった紫色となっている。
次に、表8の結果より、本発明の化粧料の実施例は、貴金属と金属酸化物被覆処理を行っていない顔料を配合した比較例7、および焼成処理を行っていない貴金属とシリコーン被覆顔料を配合した比較例8と比べて、放熱性があり、かつ塗布色の彩度が高く、きれいであることが判る。
【0066】
【発明の効果】
以上のことから、本発明は、貴金属コロイドを有機金属化合物と共に顔料に被覆し、焼成することで、有機金属化合物が金属酸化物に変化する際に貴金属コロイドを取り込んだ形で皮膜を形成することを利用し、彩度が高く、水や油に対しても色落ちせず、強い耐久性を有し、かつ保護コロイド成分などによる安全性の低下を防止でき、さらに貴金属の優れた熱伝導効果を利用することで夏場の放熱性に優れることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料および化粧料が得られることは明らかである。

Claims (6)

  1. 母材顔料の質量に対して、貴金属純分として0.1質量%以上50質量%未満の範囲の量の貴金属コロイド、および有機金属化合物にて顔料を被覆し、さらにそれを焼成することにより得られることを特徴とする貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
  2. 貴金属が金、銀、白金から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
  3. 有機金属化合物の被覆量が母材顔料の質量に対して0.1質量%〜20質量%の範囲にあることを特徴とする請求項1または2記載の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
  4. 有機金属化合物がシリコーン油およびシリコーン樹脂の1種以上から選ばれることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
  5. 焼成温度が400〜1000℃の範囲にあることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の貴金属・金属酸化物被覆処理顔料を含有することを特徴とする化粧料。
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