JP2004233953A - ポジ型レジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】レジストパターンを形成する際に、現像処理後の乾燥工程において、微細なレジストパターンが倒れるのを防止できるようにする。
【解決手段】リソグラフィー工程において、アルカリ現像した後、基板上に存在する液体を臨界乾燥用液体で置換した後、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物であって、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】リソグラフィー工程において、アルカリ現像した後、基板上に存在する液体を臨界乾燥用液体で置換した後、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物であって、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は臨界乾燥工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平1−220828号公報、第4頁右上欄
【特許文献2】
特開平9−82629号公報、[0024]、[0026]
【0004】
上記特許文献1には、露光後処理後の基板を超臨界流体中に浸漬することにより現像作用、レジストの除去作用、および異物の洗浄作用が得られることが記載されている。
上記特許文献2には、現像処理後の現像液、または現像およびリンス処理後のリンス液をフッ素系不活性液体と置換した後、窒素ブロアにて表面を乾燥させる方法が記載されている。
【0005】
以下、本発明の背景技術を説明する。
半導体デバイス等の各種デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー法が多用されているが、デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンの微細化も要求されている。
現在では、リソグラフィー法により、例えば線幅が0.20μm以下の微細なパターンを形成する場合があり、また膜厚が厚くて線幅が細い、いわゆるアスペクト比(レジスト高さ/レジストパターン幅)が極めて高い微細パターンが要求される場合もある。
【0006】
しかしながら、このように微細なレジストパターンや、アスペクト比が極めて高いレジストパターンは、現像処理後の工程で倒れてしまうという問題があった。
【0007】
このようなパターン倒れの問題に対して、下記特許文献3には、リンス後の乾燥時に、レジストパターンの間に溜まっているリンス液の液面が、レジストパターンの表面よりも低くなると、リンス液の表面張力によってレジストパターンに引力が作用してパターン倒れが発生するという知見に基づいて、臨界乾燥法を用いる方法が記載されている。
すなわち、基板上にポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるレジスト膜を形成した後、X線を用いて所望のパターンに露光し、メチルイソブチルケトン(MIBK)とイソプロピルアルコール(IPA)の混合液からなる有機溶媒系の現像液で現像し、基板全体をIPAでリンスした後、基板上に残っているIPAを液体のCO2で置換し、この液体CO2を、臨界状態を経てガス状にすることによって、リンス液の乾燥時にレジストパターンに表面張力が作用しないようにする方法が記載されている。
【0008】
【特許文献3】
特開平5−315241号公報、[0022]〜[0031]
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では新規なレジスト材料の開発が進み、現像液にアルカリ水溶液を用い、リンス液には純水を用いる場合が多くなっている。
しかしながら、アルカリ水溶液で現像した後の乾燥工程に、上記特許文献3に記載されている方法を適用しても、基板上のレジストパターン間に溜まっている水分が除去されずに残留してしまうため、乾燥時にレジストパターンに表面張力が作用してパターン倒れが生じる、という問題があった。
また、アルカリ現像後に純水でリンスした場合でも、リンス水の水分が同じ作用を示すので、同様の問題が生じる。
【0010】
よって本発明の課題は、アルカリ現像後の乾燥工程において、レジストパターンの倒れが生じるのを防止できるようにした、臨界乾燥工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明のポジ型レジスト組成物は、リソグラフィー工程において、アルカリ現像した後、基板上に存在する液体を臨界乾燥用液体で置換した後、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物であって、該ポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有することを特徴とする。
【0012】
なお、リソグラフィー工程は、通常、レジスト塗布、プレベーク、選択的露光、露光後加熱、及びアルカリ現像を順次施す工程を含む。
また、「露光」には電子線の照射も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポジ型レジスト組成物]
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)成分と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有するものである。
【0014】
かかるポジ型レジスト組成物にあっては、前記(B)成分から発生した酸が作用すると、(A)成分に含まれている酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたポジ型レジスト組成物に対して、マスクパターンを介して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
【0015】
本発明に係るポジ型レジスト組成物としては、例えば、ArFエキシマレーザーを用いて露光する方法に好適なレジスト材料として提案されているArF用ポジ型レジスト組成物や、KrFエキシマレーザーを用いて露光する方法に好適なレジスト材料として提案されているKrF用ポジ型レジスト組成物であって、前記アルカリ可溶性単位の含有量が上記の範囲内であるものを好適に用いることができる。
【0016】
KrF用ポジ型レジスト組成物の樹脂成分(A)は、一般に、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と、水酸基が酸解離性の溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位および/または酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位からなっており、またArF用ポジ型レジスト組成物の樹脂成分(A)は、一般に、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂からなっている。
【0017】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を示す。「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を示す。
【0018】
本発明におけるアルカリ可溶性単位は、具体的にはフェノール性水酸基やカルボキシル基を有する構成単位であり、例えば、下記[化1]に示したヒドロキシスチレンから誘導される単位、下記[化2]に示したアクリル酸から誘導される単位、および下記[化3]に示したメタクリル酸から誘導される単位である。なお、アルコール性水酸基は本発明におけるアルカリ可溶性単位を構成するものではない。
【0019】
【化1】
(式中、Rは水素原子またはメチル基である。)
【化2】
【化3】
【0020】
本発明において、前記(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量が20モル%を超えると、レジストパターンに表面の荒れ、膜減り、基板からの剥離等の欠陥が生じ易くなる。
前記(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下であり、ゼロが最も好ましい。
【0021】
[樹脂成分(A)]
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、複数の異なる機能を有するモノマー単位、例えば以下の構成単位の組み合わせにより構成される。
酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(以下、第1の構成単位又は(a1)という場合がある。)、
ラクトン単位を含む構成単位(以下、第2の構成単位又は(a2)という場合がある。)、
アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位(以下、第3の構成単位又は(a3)という場合がある。)、
前記第1の構成単位の前記酸解離性溶解抑制基、前記第2の構成単位のラクトン単位、および前記第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも異なる多環式基を含む構成単位(以下、第4の構成単位又は(a4)という場合がある。)
本明細書において「ラクトン単位」とは、単環式又は多環式のラクトンから1個の水素原子を除いた基を示す。
【0022】
(a1)〜(a3)は必須であり、(a4)は、要求される特性等によって適宜組み合わせ可能である。
(a1)と(a2)と(a3)を含有させることにより、置換液に対する耐溶解性が大きくなり、耐エッチング性、解像性、レジスト膜と基板との密着性も良くなる。さらにはこれら3種の構成単位が(A)成分の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上を占めていることが好ましい。
さらに、(A)成分に(a4)を含有させることにより、特に孤立パターンからセミデンスパターン(線幅1に対してスペース幅が1.2〜2のラインアンドスペースパターン)の解像性に優れ、好ましい。
なお、(a1)〜(a4)それぞれについて、複数種を併用してもよい。
【0023】
[第1の構成単位(a1)]
(A)成分の第1の構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であってもよく、水酸基が酸解離性溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であってもよい。
(a1)における酸解離性溶解抑制基は、露光前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、露光後は前記(B)成分から発生した酸の作用により解離し、この(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば特に限定せずに用いることができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基またはヒドロキシスチレンの水酸基と、環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、第3級アルコキシカルボニル基、又は鎖状アルコキシアルキル基などが広く知られている。
【0024】
(a1)として、例えば、多環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を含み、かつ(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
前記多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テロラシクロアルカンなどから1個の水素元素を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFレジストにおいて、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
または、(a1)として、例えば、水酸基が酸解離性溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
第1の構成単位(a1)として好適なモノマー単位を下記[化4]〜[化17]に示す。
【0025】
【化4】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R1は低級アルキル基である。)
【0026】
【化5】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立して低級アルキル基である。)
【0027】
【化6】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R4は第3級アルキル基である。)
【0028】
【化7】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0029】
【化8】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R5はメチル基である。)
【0030】
【化9】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R6は低級アルキル基である。)
【0031】
【化10】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0032】
【化11】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0033】
【化12】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R7は低級アルキル基である。)
【0034】
【化13】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R8は低級アルキル基である。)
【0035】
【化14】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0036】
【化15】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0037】
【化16】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0038】
【化17】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0039】
上記R1〜R3およびR6〜R8はそれぞれ、炭素数1〜5の低級の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましい。
また、R4は、tert−ブチル基やtert−アミル基のような第3級アルキル基であり、tert−ブチル基である場合が工業的に好ましい。
第1の構成単位(a1)として、上記に挙げた中でも、特に一般式(I)、(II)、(III)で表される構成単位は、現像処理後に形成されたレジストパターンが後工程で用いられる置換液による侵食を受けにくいのでより好ましい。
【0040】
[第2の構成単位(a2)]
(A)成分の第2の構成単位(a2)は、ラクトン単位を有するので、レジスト膜と基板の密着性を高めたり、現像液との親水性を高めるために有効である。
本発明における(a2)は、ラクトン単位を有し、(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
例えば、単環式のラクトン単位としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基などが挙げられる。また、多環式のラクトン単位としては、ラクトン含有ビシクロアルカンから水素原子を1つを除いた基などが挙げられる。
(a2)として、好ましくは、ラクトン単位を含み、かつ(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が用いられる。
第2の構成単位(a2)として好適なモノマー単位を下記[化18]〜[化20]に示す。
【0041】
【化18】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0042】
【化19】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0043】
【化20】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0044】
これらの中でも、α炭素にエステル結合を有する(メタ)アクリル酸のγ−ブチロラクトンエステル又は[化18]や[化19]のようなノルボルナンラクトンエステルが、特に工業上入手しやすく好ましい。
【0045】
[第3の構成単位(a3)]
(A)成分の第3の構成単位(a3)のアルコール性水酸基含有多環式基における水酸基は極性基であるため、これを用いることにより(A)成分全体の現像液との親水性が高まり、露光部におけるアルカリ溶解性が向上する。したがって、(a3)は解像性の向上に寄与する。
そして、(a3)における多環式基としては、前記第1の構成単位(a1)の説明において例示したものと同様の多環式基から適宜選択して用いることができる。
(a3)におけるアルコール性水酸基含有多環式基は特に限定されないが、例えば、水酸基含有アダマンチル基などが好ましく用いられる。
さらに、この水酸基含有アダマンチル基が、下記一般式(IV)で表されるものであると、耐ドライエッチング性を上昇させ、パターン断面形状の垂直性を高める効果を有するため、好ましい。
【0046】
【化21】
(式中、nは1〜3の整数である。)
【0047】
第3の構成単位(a3)は、上記したようなアルコール性水酸基含有多環式基を有し、かつ(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
特に(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
具体的には、下記一般式(IVa)で表される構成単位が好ましい。
【0048】
【化22】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0049】
[第4の構成単位(a4)]
第4の構成単位(a4)において、「前記酸解離性溶解抑制基、前記ラクトン単位、および前記アルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも異なる」多環式基とは、(A)成分において、構成単位(a4)の多環式基が、前記第1の構成単位の酸解離性溶解抑制基、前記第2の構成単位のラクトン単位、および前記第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも重複しない多環式基、という意味であり、(a4)が、(A)成分を構成している第1の構成単位の酸解離性溶解抑制基、第2の構成単位のラクトン単位、第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基をいずれも保持しないことを意味している。
(a4)における多環式基は、ひとつの(A)成分において、前記(a1)〜(a3)として用いられた構成単位と重複しない様に選択されていればよく、特に限定されるものではない。例えば、(a4)における多環式基として、前記の構成単位(a1)として例示したものと同様の多環式基を用いることができ、ArFポジレジスト材料として従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
【0050】
(a4)としては、上記したような多環式基を有し、かつ(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
(a4)の好ましい例を下記[化23]〜[化25]に示す。
【0051】
【化23】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0052】
【化24】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0053】
【化25】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0054】
本発明において、(A)成分の組成は、該(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第1の構成単位(a1)が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であると、解像性に優れ、好ましい。
また、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第2の構成単位(a2)が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であると、解像度に優れ、好ましい。
また、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第3の構成単位(a3)が5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%であると、レジストパターン形状に優れ、好ましい。
第4の構成単位(a4)を用いる場合、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは5〜20モル%であると、孤立パターンからセミデンスパターンの解像性に優れ、好ましい。
【0055】
また、本発明における樹脂成分(A)の質量平均分子量(ポリスチレン換算、以下同様)は特に限定するものではないが、5000〜30000、さらに好ましくは8000〜20000とされる。この範囲よりも大きいとレジスト溶剤への溶解性が悪くなり、小さいとレジストパターン断面形状が悪くなるおそれがある。
【0056】
本発明における樹脂成分(A)は、必須成分である(a1)、(a2)、および(a3)、または必要に応じて(a4)の各構成単位にそれぞれ相当するモノマーを、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって共重合させることにより、容易に製造することかできる。樹脂成分(A)には、(a1)として、上記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種を含有させることが特に好ましい。
また(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量を20モル%未満とするには、共重合させるモノマー全体における、該アルカリ可溶性単位を有するモノマーの含有割合を20モル%未満とすればよい。
【0057】
[酸発生剤成分(B)]
本発明において、酸発生剤成分(B)としては、従来、化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
【0058】
該酸発生剤の例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートなどのオニウム塩などが挙げられる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
【0059】
(B)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われないし、30質量部を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
【0060】
[有機溶剤(C)]
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、前記(A)成分と前記(B)成分と、後述する任意の(D)成分を、有機溶剤(C)に溶解させて製造することができる。
有機溶剤(C)としては、前記(A)成分と前記(B)成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
【0061】
有機溶剤(C)として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルピン酸メチル、ピルピン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
【0062】
特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトン等のヒドロキシ基やラクトンを有する極性溶剤との混合溶剤は、ポジ型レジスト組成物の保存安定性が向上するため、好ましい。ELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が6:4〜4:6であると好ましい。
PGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比が8:2〜2:8、好ましくは8:2〜5:5であると好ましい。
特にPGMEAとPGMEとの混合溶剤は、前記(a1)〜(a4)を全て含む(A)成分を用いる場合に、ポジ型レジスト組成物の保存安定性が向上し、好ましい。
(C)成分として、他にはPGMEA及び乳酸エチルの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
【0063】
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、有機溶剤(C)の含有量は、該レジスト組成物の固形分濃度が3〜30質量%となる範囲で、レジスト膜厚に応じて適宜設定される。
【0064】
[その他の成分]
また、本発明に係るポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンを含有させることができる。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアミンは、(A)成分に対して、通常0.01〜2.0質量%の範囲で用いられる。
【0065】
本発明に係るポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0066】
[パターン形成方法]
次に、本発明に係るパターン形成方法について説明する。
まずシリコンウェーハ等の基板上に、本発明に係るポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベークを行う。次いで、露光装置などを用い、ポジ型レジスト組成物の塗膜に対して、選択的に露光を行った後、PEB(露光後加熱)を行う。なお、この選択的な露光とは、下記露光光によるマスクパターンを介しての露光、電子線によるマスクパターンを介しての照射、あるいは電子線によるマスクパターンを介さいない描画をも含むものである。続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液を用いて現像処理した後、純水を用いて水リンスを行う。水リンスは、例えば、基板を回転させながら基板表面に水を滴下または噴霧して、基板上の現像液および該現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流す。これによりポジ型レジスト組成物の塗膜がマスクパターンに応じた形状にパターニングされ、未乾燥のレジストパターンが得られる。
【0067】
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に本発明に係るポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーおよび電子線に対して有効である。
なお、基板とレジスト組成物の塗膜との間に、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
なお、現像処理後の水リンスは省略することもできるが、水リンス工程を行って、アルカリ現像液中のアルカリ成分等を洗い流す方が好ましい。以下、水リンス工程を行う実施形態を例に挙げて説明する。
【0068】
水リンスを終えた基板は、未乾燥のレジストパターンが純水中に完全に浸漬されている状態で、次の置換工程へ供する。
置換工程では、基板上に存在する液体、本実施形態では水を置換液で置換する操作を、1回または複数回行って、基板上の、未乾燥のレジストパターンが置換液中に完全に浸漬されている状態とする。基板上の液体を置換液で置換する操作方法は特に限定されず、例えば、基板を置換液中に浸漬する方法や、基板上に置換液を噴霧する方法等を用いることができる。
また、置換工程において、まず基板上の液体を第1の置換液で置換した後、前記第1の置換液を第2の置換液で置換して、基板上の、未乾燥のレジストパターンが第2の置換液中に完全に浸漬されている状態としてもよい。
水リンス後の置換工程において、基板上の液体を置換液で置換する操作を2回以上行うと、基板上の液体を高度に除去するうえで好ましい。
【0069】
本発明における置換液としては、未乾燥のレジストパターンと反応しない不活性液体であって、基板上に存在する液体を該置換液で置換することができ、かつ本発明における臨界乾燥用液体によって置換され得るものであれば使用可能である。特に、界面活性剤を含有する置換液は、液体を効率よく置換することができるのでより好ましい。
置換液としては、フッ素系不活性液体が好ましく用いられる。該フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7、C5H2F10、C2H3Cl2F等のフッ素系化合物を主成分とする液体が挙げられる。これらのフッ素系化合物と、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類を混合してなるフッ素系不活性液体も好ましい。
【0070】
また、上述したように、第1の置換液と第2の置換液を用いて2段階の置換を行う場合、第1の置換液として界面活性剤が添加されたものを用い、第2の置換液として界面活性剤を含有しないものを用いると、置換工程を終えたときに界面活性剤が基板上に残留しないようにできるので好ましい。
第1の置換液として界面活性剤が添加されたものを用いることは、より微細なパターンを形成する場合、特に電子線露光を用いて微細なパターンを形成する場合に有効である。
【0071】
置換工程を終えた基板は、未乾燥のレジストパターンが置換液中に完全に浸漬されている状態で、次の乾燥工程へ供する。
乾燥工程では、まず、基板上の置換液を臨界乾燥用液体で置換する。臨界乾燥用液体は、置換液を置換する時に液相となり得る流体、例えば二酸化炭素など、常温常圧で気相の流体を、置換時の雰囲気の温度および圧力を適宜設定することにより液化させた液化ガスを用いることもできる。
【0072】
臨界乾燥用液体としては、臨界温度が0℃以上で、臨界圧力が30MPa以下である流体が好ましく用いられる。具体例としては、CO2、H2O、C3H6、N2O、CHF3等が挙げられる。ここに例示した流体の臨界温度(以下、Tcということもある。)および臨界圧力(以下、Pcということもある。)は以下のとおりである。
CO2:Tc=31.1℃、Pc=約7.38MPa(72.8atm)、
H2O:Tc=374℃、Pc=約22.0MPa(217.6atm)、
C3H6:Tc=92.3℃、Pc=約4.6MPa(45.6atm)、
N2O:Tc=36.5℃、Pc=約7.27MPa(71.7atm)、
CHF3:Tc=25.9℃、Pc=約48.4MPa(47.8atm)。
これらの中で、工業的利用条件として好ましいものは二酸化炭素である。
以下、臨界乾燥用液体として液体CO2を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0073】
図1は流体の気液平衡曲線を模式的に例示した図である。図中、点Aは臨界点を示し、二酸化炭素の場合、Tc=31.1℃、Pc=7.38MPaの点である。
基板上の置換液を臨界乾燥用液体で置換する方法は特に限定されないが、液体CO2を用いる場合は、置換工程を終えた基板を、レジストパターンが置換液中に浸漬されている状態で、内部を加圧可能な圧力容器内に入れる。このときの圧力容器内の温度および圧力は、通常、室温および大気圧となる(図1中、点(1))。次いで、この圧力容器内に液体CO2を圧送するとともに、圧力容器内の温度および圧力をCO2が液相となる条件(例えば、図1中、点(2))として、圧力容器内に液体CO2を充填する。そして、圧力容器内の温度および圧力を保った状態で、液体CO2を圧力容器内に供給しつつ、置換液と混合した液体CO2を圧力容器外へ流出させることによって、基板上の置換液を臨界乾燥用液体(液体CO2)で置換する。
【0074】
次いで、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる。具体的には、圧力容器内を、一旦、臨界乾燥用液体が超臨界状態となる温度および圧力(例えば図1中、点(3))にした後、その温度を保ったまま、超臨界状態となった該臨界乾燥用液体を圧力容器外へ放出する。これにより臨界乾燥用液体の圧力が降下し、例えば図中、点(4)の温度および圧力となり、基板上の液体が気相の状態で除去され、乾燥する。この後、必要に応じて圧力容器内を室温に冷却する。
臨界乾燥用液体として液体CO2を用いる場合は、基板上の置換液を液体CO2で置換した後、圧力容器内を31.1℃以上、7.38MPa以上とすることによりCO2を超臨界状態とする。この後、温度を31.1℃以上に保ったままCO2を徐々にリークさせると、圧力容器内の圧力が7.38MPa未満に低下し、最終的には大気圧となる。これにより、超臨界状態のCO2は気相に変化し、基板が乾燥状態となる。さらに、圧力容器内の温度を室温にまで低下させて、乾燥工程が終了すると、乾燥されたレジストパターンが得られる。
【0075】
なお、臨界乾燥用液体を臨界状態とする際は、温度を臨界温度以上とし、かつ圧力を臨界圧力以上として超臨界状態とすることが好ましいが、温度が臨界温度未満および/または圧力が臨界圧力未満で、流体が超臨界状態に近い状態にある亜臨界状態としても、同様にして基板上の液体を除去することが可能である。
【0076】
このようにしてレジストパターンを形成することにより、線幅が小さいレジストパターンや、アスペクト比が高いレジストパターンなど倒れやすい形状のレジストパターンや、特にパターン倒れが生じやすかった、ピッチが小さいラインアンドスペースパターンであっても、乾燥工程におけるレジストパターン倒れを防止することができる。
ここで、ラインアンドスペースパターンにおけるピッチとは、パターンの線幅方向における、レジストパターン幅とスペース幅の合計の距離をいう。
また、水リンスを省略する場合も、現像処理後に基板上の現像液(アルカリ性水溶液)を乾燥させる工程において、同様の置換工程および乾燥工程を適用することができ、これによってレジストパターン倒れを防止することができる。
さらに、レジストパターンが、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、前記構成単位(a1)、(a2)、および(a3)を有する樹脂成分(A)を含むレジスト組成物からなっているので、未乾燥のレジストパターンが置換液と接触しても、表面の荒れ、膜減り、基板からの剥離等の欠陥は生じず、形状精度の高いレジストパターンを、歩留まり良く得ることができる。
【0077】
本発明に係る方法で形成されるレジストパターンは、好ましくは、線幅が20〜130nm、より好ましくは30〜100nmで、アスペクト比が2.0〜10.0、より好ましくは2.5〜8.0で、かつピッチが40〜300nm、より好ましくは50〜260nmの高密度ラインアンドスペースパターンである。
線幅が上記範囲を超えると、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲より小さいと形成困難となる。
アスペクト比が上記範囲より小さいと、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲を超えると形成困難となる。
ピッチが上記範囲を超えると、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲より小さいと形成困難となる。
また、特に、臨界乾燥工程を用いるとともに、露光に電子線を用いることにより、より微細なレジストパターンや、より高いアスペクト比のレジストパターンを実現できる。例えば、線幅20〜100nm、好ましくは20〜80nm、アスペクト比2.0〜10.0程度の微細なラインアンドスペースパターンであっても、パターン倒れ無く形成することが可能である。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
実施例1
下記の(A)成分、(B)成分、および(D)成分を(C)成分に均一に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
(A)成分としては、[化26]に示した3種の構成単位からなるアクリル酸エステル系共重合体100質量部を用いた。(A)成分の調製に用いた各構成単位p、q、rの比は、p=40モル%、q=40モル%、r=20モル%とした。
調製した(A)成分におけるアルカリ可溶性単位は0モル%で、(A)成分の質量平均分子量は10,000であった。
【0079】
【化26】
【0080】
(B)成分としては、トリフェニルスルホニムノナフルオロブタンスルホネート2.0質量部と、トリフェニルスルホニムトリフルオロメタンスルホネート0.6質量部を用いた。
(C)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート450質量部と乳酸エチル300質量部との混合溶剤を用いた。
(D)成分としては、トリエタノールアミン0.3質量部を用いた。
【0081】
次いで、得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いてシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚340nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置S−302(Nikon社製、NA(開口数)=0.60,σ=0.40)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、位相シフトマスクを用いて選択的に照射した。
そして、130℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にてアルカリ現像液で60秒間パドル現像し、その後180秒間、純水を用いて水リンスした。アルカリ現像液としては2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。
【0082】
水リンスを終えた基板を第1の置換液に浸漬させて、基板上に存在している液体を第1の置換液で置換した後、引き続いて第2の置換液に浸漬させて、基板上の液体を第2の置換液で置換した。第1の置換液としては、フッ素系不活性液体であるCF3CF2CHCl2およびCClF2CF2CHClFを主成分とし、界面活性剤を含む、旭硝子社製の商品名:AK225DWを用い、第2の置換液としては、上記フッ素系不活性液体を主成分とする旭硝子社製の商品名:AK225を用いた。これらは、金属、プラスチック、ゴム等からなる部材などの洗浄剤という用途で市販されているものである。
【0083】
次いで、微細構造乾燥装置(日立サイエンスシステムズ社製:SRD−2020形)を用いて、臨界乾燥を行った。
すなわち、まず圧力容器内に基板を入れた。このときの圧力容器内の温度は室温(23℃)、圧力は大気圧であった(図1中、点(1))。
続いて、圧力容器内に液体CO2を圧送するとともに、圧力容器内の圧力を7.5MPaに上昇させた。温度は23℃に保持した(図1中、点(2))。さらに、圧力容器内の温度および圧力を保った状態で、液体CO2を圧力容器内に供給しつつ、圧力容器内の液体CO2を圧力容器外へ流出させることによって、基板上の液体を臨界乾燥用液体で置換した。
【0084】
次いで、圧力容器内の圧力を7.5MPaに保持したまま、昇温速度2℃/分で35℃まで昇温させ、圧力容器内のCO2を超臨界状態とした(図1中、点(3))。
続いて、温度を35℃以上に保ったままCO2を徐々にリークさせた。これにより圧力容器内の圧力は大気圧まで下がり、CO2は気相状態となった(図1中、点(4))。
この後、圧力容器内の温度を室温にまで低下させて、乾燥工程を終了した。
このようにして乾燥された基板上には、線幅90nm、アスペクト比3.8、ピッチ180nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0085】
比較例1
水リンス工程までは、上記実施例1と同様に行った後、基板を回転させるスピンドライ法で水切りをし、さらに、100℃のホットプレート上で基板を加熱して、基板上に残っていた純水を除去した。
このようにして乾燥された基板において、レジストパターンの形状は良好であったが、隣り合うレジストパターンどうしが互いに引き合うように倒れていた。
【0086】
実施例2
上記実施例1において、より露光量を多くし(オーバードーズ)、より微細な形状のレジストパターンを形成したところ、線幅48nm、アスペクト比7.1、ピッチ180nmのラインアンドスペースパターンが形成された。レジストパターンの形状は良好であり、パターン倒れは生じていなかった。
【0087】
比較例2
実施例1において、(A)成分を、[化26]に示した3種の構成単位の比を、p=30モル%、q=30モル%、r=10モル%とするとともに、[化3]に示した構成単位を30モル%を含有させて調製した樹脂100質量部に変更した他は同様にして、レジスト組成物を調製した。
得られたレジスト組成物を用いて、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、線幅90nm、ピッチ180nmのラインアンドスペースパターンは、第1の置換液に浸漬させた時点で、表面荒れ、膜減り、および基盤からの剥離が発生し、形状不良となった。
【0088】
実施例3
(A)成分としては、前記実施例1と同様のものを用いた。
(B)成分としては、トリフェニルスルホニムノナフルオロブタンスルホネート6.82質量部を用いた。
(C)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート450質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル300質量部との混合溶剤を用いた。
(D)成分としては、トリエタノールアミン0.3質量部を用いた。
上記の(A)成分、(B)成分、(D)成分、および非イオン性フッ素・シリコーン系界面活性剤(商品名メガファックR−08(大日本インキ化学工業社製))0.05質量部を(C)成分に均一に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
【0089】
次いで、得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いてヘキサメチルジシラザン処理したシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で150℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚340nmのレジスト層を形成した。
次いで、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いてホトレジスト層に直接電子線を照射して描画する方法で選択的露光を行った。
そして、140℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にてアルカリ現像液に60秒間浸漬させるディップ現像を行い、その後60秒間、純水を用いて水リンスした。アルカリ現像液としては2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。
【0090】
水リンスを終えた基板を第1の置換液に60秒間浸漬させて、基板上に存在している液体を第1の置換液で置換した後、引き続いて第2の置換液に60秒間浸漬させて、基板上の液体を第2の置換液で置換した。第1の置換液および第2の置換液は、上記実施例1と同じAK225DWおよびAK225をそれぞれ用いた。
【0091】
次いで、上記実施例1と同様にして、微細構造乾燥装置を用いて、臨界乾燥を行った。
このようにして乾燥された基板上には、線幅70nm、アスペクト比4.86、ピッチ140nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0092】
実施例4
上記実施例3において、第1の置換液を、フッ素系不活性液体であるCF3CF2CHCl2およびCClF2CF2CHClFを主成分とし、界面活性剤を含む、旭硝子社製の商品名:AK225DHに変更した他は同様にして、レジストパターンを形成した。基板上には、線幅70nm、アスペクト比4.86、ピッチ140nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像処理後の乾燥工程において、微細なレジストパターンの倒れが生じるのを防止して、良好な形状のレジストパターンを歩留まり良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、臨界乾燥用液体の臨界状態を経てレジストパターンを乾燥させる乾燥工程を説明するための図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は臨界乾燥工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平1−220828号公報、第4頁右上欄
【特許文献2】
特開平9−82629号公報、[0024]、[0026]
【0004】
上記特許文献1には、露光後処理後の基板を超臨界流体中に浸漬することにより現像作用、レジストの除去作用、および異物の洗浄作用が得られることが記載されている。
上記特許文献2には、現像処理後の現像液、または現像およびリンス処理後のリンス液をフッ素系不活性液体と置換した後、窒素ブロアにて表面を乾燥させる方法が記載されている。
【0005】
以下、本発明の背景技術を説明する。
半導体デバイス等の各種デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー法が多用されているが、デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンの微細化も要求されている。
現在では、リソグラフィー法により、例えば線幅が0.20μm以下の微細なパターンを形成する場合があり、また膜厚が厚くて線幅が細い、いわゆるアスペクト比(レジスト高さ/レジストパターン幅)が極めて高い微細パターンが要求される場合もある。
【0006】
しかしながら、このように微細なレジストパターンや、アスペクト比が極めて高いレジストパターンは、現像処理後の工程で倒れてしまうという問題があった。
【0007】
このようなパターン倒れの問題に対して、下記特許文献3には、リンス後の乾燥時に、レジストパターンの間に溜まっているリンス液の液面が、レジストパターンの表面よりも低くなると、リンス液の表面張力によってレジストパターンに引力が作用してパターン倒れが発生するという知見に基づいて、臨界乾燥法を用いる方法が記載されている。
すなわち、基板上にポリメチルメタクリレート(PMMA)からなるレジスト膜を形成した後、X線を用いて所望のパターンに露光し、メチルイソブチルケトン(MIBK)とイソプロピルアルコール(IPA)の混合液からなる有機溶媒系の現像液で現像し、基板全体をIPAでリンスした後、基板上に残っているIPAを液体のCO2で置換し、この液体CO2を、臨界状態を経てガス状にすることによって、リンス液の乾燥時にレジストパターンに表面張力が作用しないようにする方法が記載されている。
【0008】
【特許文献3】
特開平5−315241号公報、[0022]〜[0031]
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年では新規なレジスト材料の開発が進み、現像液にアルカリ水溶液を用い、リンス液には純水を用いる場合が多くなっている。
しかしながら、アルカリ水溶液で現像した後の乾燥工程に、上記特許文献3に記載されている方法を適用しても、基板上のレジストパターン間に溜まっている水分が除去されずに残留してしまうため、乾燥時にレジストパターンに表面張力が作用してパターン倒れが生じる、という問題があった。
また、アルカリ現像後に純水でリンスした場合でも、リンス水の水分が同じ作用を示すので、同様の問題が生じる。
【0010】
よって本発明の課題は、アルカリ現像後の乾燥工程において、レジストパターンの倒れが生じるのを防止できるようにした、臨界乾燥工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明のポジ型レジスト組成物は、リソグラフィー工程において、アルカリ現像した後、基板上に存在する液体を臨界乾燥用液体で置換した後、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物であって、該ポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有することを特徴とする。
【0012】
なお、リソグラフィー工程は、通常、レジスト塗布、プレベーク、選択的露光、露光後加熱、及びアルカリ現像を順次施す工程を含む。
また、「露光」には電子線の照射も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
[ポジ型レジスト組成物]
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)成分と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有するものである。
【0014】
かかるポジ型レジスト組成物にあっては、前記(B)成分から発生した酸が作用すると、(A)成分に含まれている酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体がアルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。
そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたポジ型レジスト組成物に対して、マスクパターンを介して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
【0015】
本発明に係るポジ型レジスト組成物としては、例えば、ArFエキシマレーザーを用いて露光する方法に好適なレジスト材料として提案されているArF用ポジ型レジスト組成物や、KrFエキシマレーザーを用いて露光する方法に好適なレジスト材料として提案されているKrF用ポジ型レジスト組成物であって、前記アルカリ可溶性単位の含有量が上記の範囲内であるものを好適に用いることができる。
【0016】
KrF用ポジ型レジスト組成物の樹脂成分(A)は、一般に、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位と、水酸基が酸解離性の溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位および/または酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位からなっており、またArF用ポジ型レジスト組成物の樹脂成分(A)は、一般に、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂からなっている。
【0017】
本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、メタクリル酸とアクリル酸の一方あるいは両方を示す。「構成単位」とは、重合体を構成するモノマー単位を示す。
【0018】
本発明におけるアルカリ可溶性単位は、具体的にはフェノール性水酸基やカルボキシル基を有する構成単位であり、例えば、下記[化1]に示したヒドロキシスチレンから誘導される単位、下記[化2]に示したアクリル酸から誘導される単位、および下記[化3]に示したメタクリル酸から誘導される単位である。なお、アルコール性水酸基は本発明におけるアルカリ可溶性単位を構成するものではない。
【0019】
【化1】
(式中、Rは水素原子またはメチル基である。)
【化2】
【化3】
【0020】
本発明において、前記(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量が20モル%を超えると、レジストパターンに表面の荒れ、膜減り、基板からの剥離等の欠陥が生じ易くなる。
前記(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量は、好ましくは10モル%以下、より好ましくは5モル%以下であり、ゼロが最も好ましい。
【0021】
[樹脂成分(A)]
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、複数の異なる機能を有するモノマー単位、例えば以下の構成単位の組み合わせにより構成される。
酸解離性溶解抑制基を含む構成単位(以下、第1の構成単位又は(a1)という場合がある。)、
ラクトン単位を含む構成単位(以下、第2の構成単位又は(a2)という場合がある。)、
アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位(以下、第3の構成単位又は(a3)という場合がある。)、
前記第1の構成単位の前記酸解離性溶解抑制基、前記第2の構成単位のラクトン単位、および前記第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも異なる多環式基を含む構成単位(以下、第4の構成単位又は(a4)という場合がある。)
本明細書において「ラクトン単位」とは、単環式又は多環式のラクトンから1個の水素原子を除いた基を示す。
【0022】
(a1)〜(a3)は必須であり、(a4)は、要求される特性等によって適宜組み合わせ可能である。
(a1)と(a2)と(a3)を含有させることにより、置換液に対する耐溶解性が大きくなり、耐エッチング性、解像性、レジスト膜と基板との密着性も良くなる。さらにはこれら3種の構成単位が(A)成分の80モル%以上、より好ましくは90モル%以上を占めていることが好ましい。
さらに、(A)成分に(a4)を含有させることにより、特に孤立パターンからセミデンスパターン(線幅1に対してスペース幅が1.2〜2のラインアンドスペースパターン)の解像性に優れ、好ましい。
なお、(a1)〜(a4)それぞれについて、複数種を併用してもよい。
【0023】
[第1の構成単位(a1)]
(A)成分の第1の構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位であってもよく、水酸基が酸解離性溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位であってもよい。
(a1)における酸解離性溶解抑制基は、露光前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、露光後は前記(B)成分から発生した酸の作用により解離し、この(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば特に限定せずに用いることができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシル基またはヒドロキシスチレンの水酸基と、環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、第3級アルコキシカルボニル基、又は鎖状アルコキシアルキル基などが広く知られている。
【0024】
(a1)として、例えば、多環式基を含有する酸解離性溶解抑制基を含み、かつ(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
前記多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テロラシクロアルカンなどから1個の水素元素を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。この様な多環式基は、ArFレジストにおいて、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。これらの中でもアダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましい。
または、(a1)として、例えば、水酸基が酸解離性溶解抑制基で置換されたヒドロキシスチレンから誘導される構成単位を好適に用いることができる。
第1の構成単位(a1)として好適なモノマー単位を下記[化4]〜[化17]に示す。
【0025】
【化4】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R1は低級アルキル基である。)
【0026】
【化5】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R2及びR3はそれぞれ独立して低級アルキル基である。)
【0027】
【化6】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R4は第3級アルキル基である。)
【0028】
【化7】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0029】
【化8】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R5はメチル基である。)
【0030】
【化9】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R6は低級アルキル基である。)
【0031】
【化10】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0032】
【化11】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0033】
【化12】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R7は低級アルキル基である。)
【0034】
【化13】
(式中、Rは水素原子又はメチル基、R8は低級アルキル基である。)
【0035】
【化14】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0036】
【化15】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0037】
【化16】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0038】
【化17】
(式中、Rは水素原子又はメチル基である。)
【0039】
上記R1〜R3およびR6〜R8はそれぞれ、炭素数1〜5の低級の直鎖又は分岐状アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。工業的にはメチル基又はエチル基が好ましい。
また、R4は、tert−ブチル基やtert−アミル基のような第3級アルキル基であり、tert−ブチル基である場合が工業的に好ましい。
第1の構成単位(a1)として、上記に挙げた中でも、特に一般式(I)、(II)、(III)で表される構成単位は、現像処理後に形成されたレジストパターンが後工程で用いられる置換液による侵食を受けにくいのでより好ましい。
【0040】
[第2の構成単位(a2)]
(A)成分の第2の構成単位(a2)は、ラクトン単位を有するので、レジスト膜と基板の密着性を高めたり、現像液との親水性を高めるために有効である。
本発明における(a2)は、ラクトン単位を有し、(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
例えば、単環式のラクトン単位としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基などが挙げられる。また、多環式のラクトン単位としては、ラクトン含有ビシクロアルカンから水素原子を1つを除いた基などが挙げられる。
(a2)として、好ましくは、ラクトン単位を含み、かつ(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が用いられる。
第2の構成単位(a2)として好適なモノマー単位を下記[化18]〜[化20]に示す。
【0041】
【化18】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0042】
【化19】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0043】
【化20】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0044】
これらの中でも、α炭素にエステル結合を有する(メタ)アクリル酸のγ−ブチロラクトンエステル又は[化18]や[化19]のようなノルボルナンラクトンエステルが、特に工業上入手しやすく好ましい。
【0045】
[第3の構成単位(a3)]
(A)成分の第3の構成単位(a3)のアルコール性水酸基含有多環式基における水酸基は極性基であるため、これを用いることにより(A)成分全体の現像液との親水性が高まり、露光部におけるアルカリ溶解性が向上する。したがって、(a3)は解像性の向上に寄与する。
そして、(a3)における多環式基としては、前記第1の構成単位(a1)の説明において例示したものと同様の多環式基から適宜選択して用いることができる。
(a3)におけるアルコール性水酸基含有多環式基は特に限定されないが、例えば、水酸基含有アダマンチル基などが好ましく用いられる。
さらに、この水酸基含有アダマンチル基が、下記一般式(IV)で表されるものであると、耐ドライエッチング性を上昇させ、パターン断面形状の垂直性を高める効果を有するため、好ましい。
【0046】
【化21】
(式中、nは1〜3の整数である。)
【0047】
第3の構成単位(a3)は、上記したようなアルコール性水酸基含有多環式基を有し、かつ(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
特に(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位が好ましい。
具体的には、下記一般式(IVa)で表される構成単位が好ましい。
【0048】
【化22】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0049】
[第4の構成単位(a4)]
第4の構成単位(a4)において、「前記酸解離性溶解抑制基、前記ラクトン単位、および前記アルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも異なる」多環式基とは、(A)成分において、構成単位(a4)の多環式基が、前記第1の構成単位の酸解離性溶解抑制基、前記第2の構成単位のラクトン単位、および前記第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも重複しない多環式基、という意味であり、(a4)が、(A)成分を構成している第1の構成単位の酸解離性溶解抑制基、第2の構成単位のラクトン単位、第3の構成単位のアルコール性水酸基含有多環式基をいずれも保持しないことを意味している。
(a4)における多環式基は、ひとつの(A)成分において、前記(a1)〜(a3)として用いられた構成単位と重複しない様に選択されていればよく、特に限定されるものではない。例えば、(a4)における多環式基として、前記の構成単位(a1)として例示したものと同様の多環式基を用いることができ、ArFポジレジスト材料として従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
【0050】
(a4)としては、上記したような多環式基を有し、かつ(A)成分の他の構成単位と共重合可能なものであればよい。
(a4)の好ましい例を下記[化23]〜[化25]に示す。
【0051】
【化23】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0052】
【化24】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0053】
【化25】
(式中Rは水素原子又はメチル基である)
【0054】
本発明において、(A)成分の組成は、該(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第1の構成単位(a1)が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であると、解像性に優れ、好ましい。
また、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第2の構成単位(a2)が20〜60モル%、好ましくは30〜50モル%であると、解像度に優れ、好ましい。
また、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、第3の構成単位(a3)が5〜50モル%、好ましくは10〜40モル%であると、レジストパターン形状に優れ、好ましい。
第4の構成単位(a4)を用いる場合、(A)成分を構成する構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは5〜20モル%であると、孤立パターンからセミデンスパターンの解像性に優れ、好ましい。
【0055】
また、本発明における樹脂成分(A)の質量平均分子量(ポリスチレン換算、以下同様)は特に限定するものではないが、5000〜30000、さらに好ましくは8000〜20000とされる。この範囲よりも大きいとレジスト溶剤への溶解性が悪くなり、小さいとレジストパターン断面形状が悪くなるおそれがある。
【0056】
本発明における樹脂成分(A)は、必須成分である(a1)、(a2)、および(a3)、または必要に応じて(a4)の各構成単位にそれぞれ相当するモノマーを、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって共重合させることにより、容易に製造することかできる。樹脂成分(A)には、(a1)として、上記一般式(I)〜(III)から選ばれる少なくとも1種を含有させることが特に好ましい。
また(A)成分におけるアルカリ可溶性単位の含有量を20モル%未満とするには、共重合させるモノマー全体における、該アルカリ可溶性単位を有するモノマーの含有割合を20モル%未満とすればよい。
【0057】
[酸発生剤成分(B)]
本発明において、酸発生剤成分(B)としては、従来、化学増幅型レジストにおける酸発生剤として公知のものの中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
【0058】
該酸発生剤の例としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)フェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート、(p−tert−ブチルフェニル)ジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネートなどのオニウム塩などが挙げられる。これらのなかでもフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩が好ましい。
【0059】
(B)成分として、1種の酸発生剤を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の使用量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。0.5質量部未満ではパターン形成が十分に行われないし、30質量部を超えると均一な溶液が得られにくく、保存安定性が低下する原因となるおそれがある。
【0060】
[有機溶剤(C)]
本発明に係るポジ型レジスト組成物は、前記(A)成分と前記(B)成分と、後述する任意の(D)成分を、有機溶剤(C)に溶解させて製造することができる。
有機溶剤(C)としては、前記(A)成分と前記(B)成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種又は2種以上適宜選択して用いることができる。
【0061】
有機溶剤(C)として、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類や、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコール、又はジプロピレングリコールモノアセテートのモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル又はモノフェニルエーテルなどの多価アルコール類及びその誘導体や、ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルピン酸メチル、ピルピン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
【0062】
特に、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)と、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、乳酸エチル(EL)、γ−ブチロラクトン等のヒドロキシ基やラクトンを有する極性溶剤との混合溶剤は、ポジ型レジスト組成物の保存安定性が向上するため、好ましい。ELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比が6:4〜4:6であると好ましい。
PGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比が8:2〜2:8、好ましくは8:2〜5:5であると好ましい。
特にPGMEAとPGMEとの混合溶剤は、前記(a1)〜(a4)を全て含む(A)成分を用いる場合に、ポジ型レジスト組成物の保存安定性が向上し、好ましい。
(C)成分として、他にはPGMEA及び乳酸エチルの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
【0063】
本発明に係るポジ型レジスト組成物において、有機溶剤(C)の含有量は、該レジスト組成物の固形分濃度が3〜30質量%となる範囲で、レジスト膜厚に応じて適宜設定される。
【0064】
[その他の成分]
また、本発明に係るポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の(D)成分として第2級低級脂肪族アミンや第3級低級脂肪族アミンを含有させることができる。
ここで、低級脂肪族アミンとは炭素数5以下のアルキルまたはアルキルアルコールのアミンを言い、この第2級や第3級アミンの例としては、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリペンチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられるが、特にトリエタノールアミンのようなアルカノールアミンが好ましい。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのアミンは、(A)成分に対して、通常0.01〜2.0質量%の範囲で用いられる。
【0065】
本発明に係るポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤などを適宜、添加含有させることができる。
【0066】
[パターン形成方法]
次に、本発明に係るパターン形成方法について説明する。
まずシリコンウェーハ等の基板上に、本発明に係るポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベークを行う。次いで、露光装置などを用い、ポジ型レジスト組成物の塗膜に対して、選択的に露光を行った後、PEB(露光後加熱)を行う。なお、この選択的な露光とは、下記露光光によるマスクパターンを介しての露光、電子線によるマスクパターンを介しての照射、あるいは電子線によるマスクパターンを介さいない描画をも含むものである。続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液を用いて現像処理した後、純水を用いて水リンスを行う。水リンスは、例えば、基板を回転させながら基板表面に水を滴下または噴霧して、基板上の現像液および該現像液によって溶解したレジスト組成物を洗い流す。これによりポジ型レジスト組成物の塗膜がマスクパターンに応じた形状にパターニングされ、未乾燥のレジストパターンが得られる。
【0067】
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用するポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、電子線、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。特に本発明に係るポジ型レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザーおよび電子線に対して有効である。
なお、基板とレジスト組成物の塗膜との間に、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
なお、現像処理後の水リンスは省略することもできるが、水リンス工程を行って、アルカリ現像液中のアルカリ成分等を洗い流す方が好ましい。以下、水リンス工程を行う実施形態を例に挙げて説明する。
【0068】
水リンスを終えた基板は、未乾燥のレジストパターンが純水中に完全に浸漬されている状態で、次の置換工程へ供する。
置換工程では、基板上に存在する液体、本実施形態では水を置換液で置換する操作を、1回または複数回行って、基板上の、未乾燥のレジストパターンが置換液中に完全に浸漬されている状態とする。基板上の液体を置換液で置換する操作方法は特に限定されず、例えば、基板を置換液中に浸漬する方法や、基板上に置換液を噴霧する方法等を用いることができる。
また、置換工程において、まず基板上の液体を第1の置換液で置換した後、前記第1の置換液を第2の置換液で置換して、基板上の、未乾燥のレジストパターンが第2の置換液中に完全に浸漬されている状態としてもよい。
水リンス後の置換工程において、基板上の液体を置換液で置換する操作を2回以上行うと、基板上の液体を高度に除去するうえで好ましい。
【0069】
本発明における置換液としては、未乾燥のレジストパターンと反応しない不活性液体であって、基板上に存在する液体を該置換液で置換することができ、かつ本発明における臨界乾燥用液体によって置換され得るものであれば使用可能である。特に、界面活性剤を含有する置換液は、液体を効率よく置換することができるのでより好ましい。
置換液としては、フッ素系不活性液体が好ましく用いられる。該フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7、C5H2F10、C2H3Cl2F等のフッ素系化合物を主成分とする液体が挙げられる。これらのフッ素系化合物と、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール等のアルコール類を混合してなるフッ素系不活性液体も好ましい。
【0070】
また、上述したように、第1の置換液と第2の置換液を用いて2段階の置換を行う場合、第1の置換液として界面活性剤が添加されたものを用い、第2の置換液として界面活性剤を含有しないものを用いると、置換工程を終えたときに界面活性剤が基板上に残留しないようにできるので好ましい。
第1の置換液として界面活性剤が添加されたものを用いることは、より微細なパターンを形成する場合、特に電子線露光を用いて微細なパターンを形成する場合に有効である。
【0071】
置換工程を終えた基板は、未乾燥のレジストパターンが置換液中に完全に浸漬されている状態で、次の乾燥工程へ供する。
乾燥工程では、まず、基板上の置換液を臨界乾燥用液体で置換する。臨界乾燥用液体は、置換液を置換する時に液相となり得る流体、例えば二酸化炭素など、常温常圧で気相の流体を、置換時の雰囲気の温度および圧力を適宜設定することにより液化させた液化ガスを用いることもできる。
【0072】
臨界乾燥用液体としては、臨界温度が0℃以上で、臨界圧力が30MPa以下である流体が好ましく用いられる。具体例としては、CO2、H2O、C3H6、N2O、CHF3等が挙げられる。ここに例示した流体の臨界温度(以下、Tcということもある。)および臨界圧力(以下、Pcということもある。)は以下のとおりである。
CO2:Tc=31.1℃、Pc=約7.38MPa(72.8atm)、
H2O:Tc=374℃、Pc=約22.0MPa(217.6atm)、
C3H6:Tc=92.3℃、Pc=約4.6MPa(45.6atm)、
N2O:Tc=36.5℃、Pc=約7.27MPa(71.7atm)、
CHF3:Tc=25.9℃、Pc=約48.4MPa(47.8atm)。
これらの中で、工業的利用条件として好ましいものは二酸化炭素である。
以下、臨界乾燥用液体として液体CO2を用いる場合を例に挙げて説明する。
【0073】
図1は流体の気液平衡曲線を模式的に例示した図である。図中、点Aは臨界点を示し、二酸化炭素の場合、Tc=31.1℃、Pc=7.38MPaの点である。
基板上の置換液を臨界乾燥用液体で置換する方法は特に限定されないが、液体CO2を用いる場合は、置換工程を終えた基板を、レジストパターンが置換液中に浸漬されている状態で、内部を加圧可能な圧力容器内に入れる。このときの圧力容器内の温度および圧力は、通常、室温および大気圧となる(図1中、点(1))。次いで、この圧力容器内に液体CO2を圧送するとともに、圧力容器内の温度および圧力をCO2が液相となる条件(例えば、図1中、点(2))として、圧力容器内に液体CO2を充填する。そして、圧力容器内の温度および圧力を保った状態で、液体CO2を圧力容器内に供給しつつ、置換液と混合した液体CO2を圧力容器外へ流出させることによって、基板上の置換液を臨界乾燥用液体(液体CO2)で置換する。
【0074】
次いで、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる。具体的には、圧力容器内を、一旦、臨界乾燥用液体が超臨界状態となる温度および圧力(例えば図1中、点(3))にした後、その温度を保ったまま、超臨界状態となった該臨界乾燥用液体を圧力容器外へ放出する。これにより臨界乾燥用液体の圧力が降下し、例えば図中、点(4)の温度および圧力となり、基板上の液体が気相の状態で除去され、乾燥する。この後、必要に応じて圧力容器内を室温に冷却する。
臨界乾燥用液体として液体CO2を用いる場合は、基板上の置換液を液体CO2で置換した後、圧力容器内を31.1℃以上、7.38MPa以上とすることによりCO2を超臨界状態とする。この後、温度を31.1℃以上に保ったままCO2を徐々にリークさせると、圧力容器内の圧力が7.38MPa未満に低下し、最終的には大気圧となる。これにより、超臨界状態のCO2は気相に変化し、基板が乾燥状態となる。さらに、圧力容器内の温度を室温にまで低下させて、乾燥工程が終了すると、乾燥されたレジストパターンが得られる。
【0075】
なお、臨界乾燥用液体を臨界状態とする際は、温度を臨界温度以上とし、かつ圧力を臨界圧力以上として超臨界状態とすることが好ましいが、温度が臨界温度未満および/または圧力が臨界圧力未満で、流体が超臨界状態に近い状態にある亜臨界状態としても、同様にして基板上の液体を除去することが可能である。
【0076】
このようにしてレジストパターンを形成することにより、線幅が小さいレジストパターンや、アスペクト比が高いレジストパターンなど倒れやすい形状のレジストパターンや、特にパターン倒れが生じやすかった、ピッチが小さいラインアンドスペースパターンであっても、乾燥工程におけるレジストパターン倒れを防止することができる。
ここで、ラインアンドスペースパターンにおけるピッチとは、パターンの線幅方向における、レジストパターン幅とスペース幅の合計の距離をいう。
また、水リンスを省略する場合も、現像処理後に基板上の現像液(アルカリ性水溶液)を乾燥させる工程において、同様の置換工程および乾燥工程を適用することができ、これによってレジストパターン倒れを防止することができる。
さらに、レジストパターンが、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、前記構成単位(a1)、(a2)、および(a3)を有する樹脂成分(A)を含むレジスト組成物からなっているので、未乾燥のレジストパターンが置換液と接触しても、表面の荒れ、膜減り、基板からの剥離等の欠陥は生じず、形状精度の高いレジストパターンを、歩留まり良く得ることができる。
【0077】
本発明に係る方法で形成されるレジストパターンは、好ましくは、線幅が20〜130nm、より好ましくは30〜100nmで、アスペクト比が2.0〜10.0、より好ましくは2.5〜8.0で、かつピッチが40〜300nm、より好ましくは50〜260nmの高密度ラインアンドスペースパターンである。
線幅が上記範囲を超えると、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲より小さいと形成困難となる。
アスペクト比が上記範囲より小さいと、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲を超えると形成困難となる。
ピッチが上記範囲を超えると、本発明に係る方法によらない従来の方法でも形成可能であり、上記範囲より小さいと形成困難となる。
また、特に、臨界乾燥工程を用いるとともに、露光に電子線を用いることにより、より微細なレジストパターンや、より高いアスペクト比のレジストパターンを実現できる。例えば、線幅20〜100nm、好ましくは20〜80nm、アスペクト比2.0〜10.0程度の微細なラインアンドスペースパターンであっても、パターン倒れ無く形成することが可能である。
【0078】
【実施例】
以下、本発明を実施例を示して詳しく説明する。
実施例1
下記の(A)成分、(B)成分、および(D)成分を(C)成分に均一に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
(A)成分としては、[化26]に示した3種の構成単位からなるアクリル酸エステル系共重合体100質量部を用いた。(A)成分の調製に用いた各構成単位p、q、rの比は、p=40モル%、q=40モル%、r=20モル%とした。
調製した(A)成分におけるアルカリ可溶性単位は0モル%で、(A)成分の質量平均分子量は10,000であった。
【0079】
【化26】
【0080】
(B)成分としては、トリフェニルスルホニムノナフルオロブタンスルホネート2.0質量部と、トリフェニルスルホニムトリフルオロメタンスルホネート0.6質量部を用いた。
(C)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート450質量部と乳酸エチル300質量部との混合溶剤を用いた。
(D)成分としては、トリエタノールアミン0.3質量部を用いた。
【0081】
次いで、得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いてシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で130℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚340nmのレジスト層を形成した。
ついで、ArF露光装置S−302(Nikon社製、NA(開口数)=0.60,σ=0.40)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、位相シフトマスクを用いて選択的に照射した。
そして、130℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にてアルカリ現像液で60秒間パドル現像し、その後180秒間、純水を用いて水リンスした。アルカリ現像液としては2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。
【0082】
水リンスを終えた基板を第1の置換液に浸漬させて、基板上に存在している液体を第1の置換液で置換した後、引き続いて第2の置換液に浸漬させて、基板上の液体を第2の置換液で置換した。第1の置換液としては、フッ素系不活性液体であるCF3CF2CHCl2およびCClF2CF2CHClFを主成分とし、界面活性剤を含む、旭硝子社製の商品名:AK225DWを用い、第2の置換液としては、上記フッ素系不活性液体を主成分とする旭硝子社製の商品名:AK225を用いた。これらは、金属、プラスチック、ゴム等からなる部材などの洗浄剤という用途で市販されているものである。
【0083】
次いで、微細構造乾燥装置(日立サイエンスシステムズ社製:SRD−2020形)を用いて、臨界乾燥を行った。
すなわち、まず圧力容器内に基板を入れた。このときの圧力容器内の温度は室温(23℃)、圧力は大気圧であった(図1中、点(1))。
続いて、圧力容器内に液体CO2を圧送するとともに、圧力容器内の圧力を7.5MPaに上昇させた。温度は23℃に保持した(図1中、点(2))。さらに、圧力容器内の温度および圧力を保った状態で、液体CO2を圧力容器内に供給しつつ、圧力容器内の液体CO2を圧力容器外へ流出させることによって、基板上の液体を臨界乾燥用液体で置換した。
【0084】
次いで、圧力容器内の圧力を7.5MPaに保持したまま、昇温速度2℃/分で35℃まで昇温させ、圧力容器内のCO2を超臨界状態とした(図1中、点(3))。
続いて、温度を35℃以上に保ったままCO2を徐々にリークさせた。これにより圧力容器内の圧力は大気圧まで下がり、CO2は気相状態となった(図1中、点(4))。
この後、圧力容器内の温度を室温にまで低下させて、乾燥工程を終了した。
このようにして乾燥された基板上には、線幅90nm、アスペクト比3.8、ピッチ180nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0085】
比較例1
水リンス工程までは、上記実施例1と同様に行った後、基板を回転させるスピンドライ法で水切りをし、さらに、100℃のホットプレート上で基板を加熱して、基板上に残っていた純水を除去した。
このようにして乾燥された基板において、レジストパターンの形状は良好であったが、隣り合うレジストパターンどうしが互いに引き合うように倒れていた。
【0086】
実施例2
上記実施例1において、より露光量を多くし(オーバードーズ)、より微細な形状のレジストパターンを形成したところ、線幅48nm、アスペクト比7.1、ピッチ180nmのラインアンドスペースパターンが形成された。レジストパターンの形状は良好であり、パターン倒れは生じていなかった。
【0087】
比較例2
実施例1において、(A)成分を、[化26]に示した3種の構成単位の比を、p=30モル%、q=30モル%、r=10モル%とするとともに、[化3]に示した構成単位を30モル%を含有させて調製した樹脂100質量部に変更した他は同様にして、レジスト組成物を調製した。
得られたレジスト組成物を用いて、実施例1と同様にしてレジストパターンを形成したところ、線幅90nm、ピッチ180nmのラインアンドスペースパターンは、第1の置換液に浸漬させた時点で、表面荒れ、膜減り、および基盤からの剥離が発生し、形状不良となった。
【0088】
実施例3
(A)成分としては、前記実施例1と同様のものを用いた。
(B)成分としては、トリフェニルスルホニムノナフルオロブタンスルホネート6.82質量部を用いた。
(C)成分としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート450質量部とプロピレングリコールモノメチルエーテル300質量部との混合溶剤を用いた。
(D)成分としては、トリエタノールアミン0.3質量部を用いた。
上記の(A)成分、(B)成分、(D)成分、および非イオン性フッ素・シリコーン系界面活性剤(商品名メガファックR−08(大日本インキ化学工業社製))0.05質量部を(C)成分に均一に溶解し、ポジ型レジスト組成物を調製した。
【0089】
次いで、得られたポジ型レジスト組成物をスピンナーを用いてヘキサメチルジシラザン処理したシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で150℃、90秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚340nmのレジスト層を形成した。
次いで、電子線描画機(日立製HL−800D、70kV加速電圧)を用いてホトレジスト層に直接電子線を照射して描画する方法で選択的露光を行った。
そして、140℃、90秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にてアルカリ現像液に60秒間浸漬させるディップ現像を行い、その後60秒間、純水を用いて水リンスした。アルカリ現像液としては2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いた。
【0090】
水リンスを終えた基板を第1の置換液に60秒間浸漬させて、基板上に存在している液体を第1の置換液で置換した後、引き続いて第2の置換液に60秒間浸漬させて、基板上の液体を第2の置換液で置換した。第1の置換液および第2の置換液は、上記実施例1と同じAK225DWおよびAK225をそれぞれ用いた。
【0091】
次いで、上記実施例1と同様にして、微細構造乾燥装置を用いて、臨界乾燥を行った。
このようにして乾燥された基板上には、線幅70nm、アスペクト比4.86、ピッチ140nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0092】
実施例4
上記実施例3において、第1の置換液を、フッ素系不活性液体であるCF3CF2CHCl2およびCClF2CF2CHClFを主成分とし、界面活性剤を含む、旭硝子社製の商品名:AK225DHに変更した他は同様にして、レジストパターンを形成した。基板上には、線幅70nm、アスペクト比4.86、ピッチ140nmのラインアンドスペースレジストパターンが良好な形状で形成されており、パターン倒れは生じていなかった。
【0093】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、現像処理後の乾燥工程において、微細なレジストパターンの倒れが生じるのを防止して、良好な形状のレジストパターンを歩留まり良く形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る、臨界乾燥用液体の臨界状態を経てレジストパターンを乾燥させる乾燥工程を説明するための図である。
Claims (7)
- リソグラフィー工程において、アルカリ現像した後、基板上に存在する液体を臨界乾燥用液体で置換した後、該臨界乾燥用液体を臨界状態を経て乾燥させる工程を含むレジストパターン形成方法に用いられるポジ型レジスト組成物であって、該ポジ型レジスト組成物は、アルカリ可溶性単位の含有量が20モル%未満であり、かつ酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、(A)と(B)成分を溶解する有機溶剤(C)とを含み、前記(A)成分は、(a1)酸解離性溶解抑制基を含む構成単位、(a2)ラクトン単位を含む構成単位、及び(a3)アルコール性水酸基含有多環式基を含む構成単位を有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
- 前記アルカリ可溶性単位が、フェノール性水酸基を有する構成単位、およびカルボキシル基を有する構成単位から選ばれる1種以上である、請求項1に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記(A)成分における前記各構成単位(a1)〜(a3)のそれぞれの含有量が(a1)20〜60モル%、(a2)20〜60モル%、及び(a3)5〜50モル%であり、前記アルカリ可溶性単位の含有量が0である、請求項1または2のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記(A)成分が、さらに(a4)前記酸解離性溶解抑制基、前記ラクトン単位、および前記アルコール性水酸基含有多環式基のいずれとも異なる多環式基を含む構成単位を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記(A)成分における前記各構成単位(a1)〜(a4)のそれぞれの含有量が(a1)20〜60モル%、(a2)20〜60モル%、(a3)5〜50モル%、及び(a4)1〜30モル%であり、前記アルカリ可溶性単位の含有量が0である、請求項4記載のポジ型レジスト組成物。
- 前記(B)成分が、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物において、さらに2級または3級の低級脂肪族アミン(D)を、前記(A)成分に対して0.01〜2.0質量%含む、ポジ型レジスト組成物。
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