JP2004230331A - 用役媒体供給スタンド - Google Patents
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Abstract
【課題】化学物質を製造する工場等で各工程毎の処理機器に洗浄等のため用役媒体を必要とする場合、用役媒体を対象機器へその都度仮設備を接続して供給する煩わしさを解消し得る用役媒体供給スタンドを得る。
【解決手段】用役媒体供給スタンド10は、共通ヘッダ11に複数の用役ライン12(12a〜12g)を連結し、かつ複数の用役供給ライン13(13a〜13d)を連結し、各ラインにはそれぞれ独立に開閉弁V1a〜V3a……V1g〜V3g、及びVa〜Vdが設けられて成り、用役ライン12へ接続される用役媒体の供給手段から所要の用役媒体が供給されると開閉弁を操作して用役供給ライン13から対象機器へ供給される。
【選択図】 図1
【解決手段】用役媒体供給スタンド10は、共通ヘッダ11に複数の用役ライン12(12a〜12g)を連結し、かつ複数の用役供給ライン13(13a〜13d)を連結し、各ラインにはそれぞれ独立に開閉弁V1a〜V3a……V1g〜V3g、及びVa〜Vdが設けられて成り、用役ライン12へ接続される用役媒体の供給手段から所要の用役媒体が供給されると開閉弁を操作して用役供給ライン13から対象機器へ供給される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、スラリー流体を搬送する搬送管で接続された各種スラリー処理装置を含むスラリー処理機器に対し、各機器内や配管の洗浄等を行なう用役処理のための用役媒体を供給する用役媒体供給スタンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、高純度テレフタル酸等の化学物質を製造する化学工場等では、混合槽、反応器、熱交換器、晶析槽、分離機、乾燥機など各種の工程を成す化学機器が工程順に多数設置され、これら機器間をスラリー搬送管又は搬送管で接続して各機器から機器へとスラリー流体又は液体を搬送し、化学物質を製造する設備が設置されている。
【0003】
このような設備では、化学物質の製造開始前、製造中、製造停止後のいずれかに、系内機器や配管の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通等の目的で水、蒸気、空気、溶媒、アルカリ、窒素などを供給する用役処理を必要とする場合がある。このような場合、一般には各機器又は特定位置の配管に、水、蒸気、空気、溶媒、アルカリ、窒素などの用役媒体を供給する。例えば、高圧噴流洗浄装置のような機器を用いて部分的にそれぞれの用役処理が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した化学工場等の設備は、前述したように化学物質の製造開始又は停止後は勿論のこと、化学物質の製造中であっても長期間製造が行なわれると、定期的な保守点検あるいは故障時に系全体又は系の一部の運転を停止させて用役処理を必要とするが、その都度系全体に対しあるいは系の一部に対し用役媒体の供給装置を仮配置し、仮接続して用役処理を行なう必要があり、このような場合に迅速に対処することができないため、その改善が要望されていた。
【0005】
この発明は、上述した問題に留意して、化学物質を製造する工場等で各工程毎の処理機器に洗浄等のため用役媒体を必要とする場合、用役媒体を対象機器へその都度仮設備を接続して供給する煩わしさを解消し得る用役媒体供給スタンドを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、異なる種類の用役媒体を受入れる複数の用役ラインを共通ヘッダに連結し、単独又は複数組のスラリー処理機器及びそれらの配管を含む対象機器へ用役媒体を送り出す用役供給ラインを共通ヘッダに連結し、各ラインにはそれぞれ独立に開閉弁を設け、用役ラインに接続される用役供給手段から受入れた必要な用役媒体を開閉弁を切替操作して共通ヘッダを経由して各対象機器へ供給するようにした用役媒体供給スタンドとしたのである。
【0007】
上記構成のこの発明の用役媒体供給スタンドによれば、用役媒体を必要とする対象機器へ効率よく用役媒体が選択、供給される。上記供給スタンドは、異なる種類の用役媒体をこのスタンドを経由するように供給し、そこから対象機器へ開閉弁を切換操作することにより用役供給ラインを介して所望の対象機器へ送り込む。異なる種類の用役媒体とは、例えば水、蒸気、空気、窒素ガス、イナートガス、酢酸溶媒、アルカリなどであり、これらの用役媒体は全種類のものを同時使用するのではなく、そのうちの1つ又は複数を使用目的に応じて選択して使用する。
【0008】
使用目的としては、配管を含む対象機器内の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通などであり、例えば洗浄には水、蒸気、空気のいずれか又はこれらを順番に、ガス置換には窒素ガス、イナートガス、暖気には空気、配管閉塞時の導通にはアルカリ、酢酸溶媒というようにそれぞれの目的に適合する媒体を選択して使用する。これらの用役媒体は、それぞれの媒体の供給手段を用役ラインに接続して供給され、共通ヘッダを介して所要の用役供給ラインから対象機器へ送り出される。
【0009】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の用役媒体供給スタンドの全体概略構成図である。図示の用役媒体供給スタンド10は、異なる種類の用役媒体を受入れ、共通ヘッダ11を経由して対象機器へそれぞれの用途に応じて必要な用役媒体を供給するスタンドであり、配管を含む対象機器内部の洗浄等のため必要な用役媒体を対象機器へ送ることができるように用役媒体を集中して受入れ、分配するものとして設置される。用役媒体、対象機器については後で説明する。
【0010】
用役媒体供給スタンド10は、用役媒体を受入れる複数の用役ライン12(図示の例では12a〜12gの7つのライン)が共通ヘッダ11に連結され、かつこの共通ヘッダ11には用役媒体を対象機器へ送り出すための複数の用役供給ライン13(図示の例では13a〜13dの4つのライン)がそれぞれ少しずつ互いに位置をずらして連結されて形成されている。上記複数の用役ライン12(12a〜12g)にはそれぞれ独立して複数の開閉弁V1a〜V3a……V1g〜V3gが設けられ、又用役供給ライン13(13a〜13d)にもそれぞれ独立して複数の開閉弁Va〜Vdが設けられている。
【0011】
上記用役ライン12(12a〜12g)に設けられている複数の開閉弁のうちV3a……V3gに対してはそれぞれ用役ライン12(12a〜12g)を共通ヘッダ11から切離してドレンタンクへ導くための共通ドレン管14に接続する配管が設けられている。又、用役ライン12(12a〜12g)には、その上流側端に図示しない用役媒体供給手段15(15a〜15g)が接続されるよう接続端が設けられている。この接続端はフランジ又は接続ニップル、接続弁としてもよい。用役媒体供給手段15(15a〜15g)は、例えば用役媒体を吸引して所定圧で送り込むポンプ等が用いられる。
【0012】
なお、共通ヘッダ11の片端寄りには共通ヘッダ11内の用役媒体の圧力を検出するための圧力ゲージ(PG)16が接続管を介して接続され、かつ接続管は開閉弁により共通ドレン管14へも接続管LGDを介して接続されている。又、さらに上記片端寄りの所定位置には共通ヘッダ11を共通ドレン管14に接続する接続管LD を設け、さらに図示省略しているが、共通ヘッダ11の端には共通ヘッダ内の洗浄のための洗浄口として端フランジ又は開閉弁を設けている。17はドレンタンクである。
【0013】
上述した用役媒体供給スタンド10は、図示の例では、化学工場等に設置される4つの晶析槽(フラッシュ槽)20A〜20Dに用役供給ライン13(13a〜13d)を接続し、晶析槽間の輸送配管の洗浄のために用役媒体を送るように設置されている。又、このスタンド10に受入れる用役媒体として、図示の例では酢酸溶媒15a、イナートガスIG(不活性ガス)15b、窒素15c、空気15d、アルカリ15e、水15f、蒸気15gがそれぞれの供給手段から供給される。これらの異なる種類の用役媒体は、対象機器、配管内の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通のいずれかの目的に適合する媒体としてそれぞれの用途に応じて利用される。
【0014】
上記の構成とした実施形態の用役媒体供給スタンド10によれば、対象機器の洗浄等のため供給スタンド10に集中して供給された用役媒体を、効率よく対象機器へ分配して所望の作業を行なうことができる。用役媒体を供給する場合、まず所定の供給手段を用役ライン12のうち該当するラインへ接続し、開閉弁V1a、V2a〜V1g、V2gのいずれかを開き、共通ヘッダ11へ用役媒体を送る。共通ヘッダ11からは、開閉弁Va、Vdのうち該当する弁を開き、所定の対象機器、例えば晶析槽20A〜20Dへ用役媒体を送る。
【0015】
用役媒体は、例えば前述した7種類の異なる種類のものが選択できるが、これらは洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通のいずれかの目的に応じて適合する種類のものが選択されている。例えば洗浄のために水、蒸気、アルカリ媒体、ガス置換にイナートガス、窒素、空気、暖気には空気、配管閉塞時の導通には酢酸溶媒、アルカリというようにそれぞれの目的に応じて最適の用役媒体が用いられる。
【0016】
上記供給スタンド10は、晶析槽(フラッシュ槽)20A〜20Dへ用役媒体を供給するため、このスタンド10に用役媒体を集中して供給し、そこから分配することにより用役媒体の供給を合理的に行なうようにしたが、晶析槽20A〜20Dのような用役媒体を必要とする対象機器は、例えば後述するテレフタル酸のような化学物質を製造する工場等であれば、種々の処理工程から化学物質が処理されるため他にも種々存在する。
【0017】
従って、上記供給スタンド10は各工程での操作性を配慮して各工程毎に設置し、供給箇所までの配管距離が10m以内で同一フロアとなるように設置するのが好ましい。又、供給ヘッダ11の高さをバルブ操作等を配慮するとフロアから1.2〜1.3mとするのがよい。更に、ヘッダの末端をフランジとしておくと、将来的に配管追加が容易であり好ましい。
【0018】
上述した晶析槽(フラッシュ槽)を備えた図2に示すテレフタル酸製造設備について簡単に説明する。パラキシレン(PX)と溶媒の酢酸と、触媒が酸化反応器21へ送られ、この反応器21へ分子状酸素含有ガスを供給して140〜210℃程の温度で酸化処理される。この反応器21で発生するガス成分は、図示していないが、反応器から抜き出されて熱交換器で酢酸等を凝縮分離した後排出され、凝縮液は反応器21へ還流される。
【0019】
酸化反応器21で酸化処理されたスラリー物質はスラリー搬送管L2 を経て晶析槽であるフラッシュ槽へ送られる。なお、実際の設備では、酸化反応器21よりさらに高温で酸化処理する酸化槽が設置され、又フラッシュ槽の複数段が設置されているが、簡略化のため図示省略している。フラッシュ槽で上記スラリー物質が晶析される。晶析の条件は、析出する固形分の収率、同固形分の純度等を勘案して選ばれ、一般に温度70〜190℃、圧力0.04〜1.5MPaとして実施される。
【0020】
晶析されたスラリー物質は、スラリー搬送管L3 を経て固液分離槽24へ送られ、ここで液体成分と固体成分とに分離され、固体成分はスラリー搬送管L4 を経て粗テレフタル酸として回収される。
【0021】
上記の粗テレフタル酸を搬送管L5 を経て送り、これに水を含む液体を加えて混合・溶解工程25においてスラリー化し、これを加熱溶解した搬送管L6 を経て水添反応器26へ送り、水素添加触媒の存在下で水添処理を行う。得られた反応物を搬送管L7 を経て晶析器27へ送り、晶析器27で晶析される。晶析された物質は搬送管L8 を経て固液分離・洗浄工程28で分離、洗浄され、その後搬送管L9 を経て乾燥器29で乾燥され、搬送管L10で送り出されると高純度テレフタル酸(PTA)が得られる。
【0022】
以上のようなテレフタール酸製造設備において、調整槽、反応器、多段の晶析槽、分離機など用役媒体を必要とする各工程に対し、上記用役媒体供給スタンド10をそれぞれ設け、必要な配管を設置する。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明の用役媒体供給スタンドは共通ヘッダに対して複数の用役ラインと複数の用役供給ラインとを連結し、各ラインには独立の開閉弁を設け、用役ラインに接続される供給手段から供給される所要の用役媒体を開閉弁を操作することにより所定の用役供給ラインから対象機器へと送り出すように構成したから、流体に必要な処理を加えて所望の化学物質を製造する工程等で用役媒体を必要とする際に、上記スタンドから開閉弁を操作することにより効率よく対象機器へ適宜、的確に用役媒体を送ることができ、従来の方法より作業効率が格段に向上するという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の用役媒体供給スタンドの全体概略構成図
【図2】同上の供給スタンドを備えたテレフタル酸製造設備の全体概略図
【符号の説明】
10 用役媒体供給スタンド
11 共通ヘッダ
12(12a〜12g) 用役ライン
13(13a〜13d) 用役供給ライン
V1a〜V3a 開閉弁
Va〜Vd 開閉弁
14 共通ドレン管
15(15a〜15g) 用役供給手段
【発明の属する技術分野】
この発明は、スラリー流体を搬送する搬送管で接続された各種スラリー処理装置を含むスラリー処理機器に対し、各機器内や配管の洗浄等を行なう用役処理のための用役媒体を供給する用役媒体供給スタンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、高純度テレフタル酸等の化学物質を製造する化学工場等では、混合槽、反応器、熱交換器、晶析槽、分離機、乾燥機など各種の工程を成す化学機器が工程順に多数設置され、これら機器間をスラリー搬送管又は搬送管で接続して各機器から機器へとスラリー流体又は液体を搬送し、化学物質を製造する設備が設置されている。
【0003】
このような設備では、化学物質の製造開始前、製造中、製造停止後のいずれかに、系内機器や配管の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通等の目的で水、蒸気、空気、溶媒、アルカリ、窒素などを供給する用役処理を必要とする場合がある。このような場合、一般には各機器又は特定位置の配管に、水、蒸気、空気、溶媒、アルカリ、窒素などの用役媒体を供給する。例えば、高圧噴流洗浄装置のような機器を用いて部分的にそれぞれの用役処理が行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した化学工場等の設備は、前述したように化学物質の製造開始又は停止後は勿論のこと、化学物質の製造中であっても長期間製造が行なわれると、定期的な保守点検あるいは故障時に系全体又は系の一部の運転を停止させて用役処理を必要とするが、その都度系全体に対しあるいは系の一部に対し用役媒体の供給装置を仮配置し、仮接続して用役処理を行なう必要があり、このような場合に迅速に対処することができないため、その改善が要望されていた。
【0005】
この発明は、上述した問題に留意して、化学物質を製造する工場等で各工程毎の処理機器に洗浄等のため用役媒体を必要とする場合、用役媒体を対象機器へその都度仮設備を接続して供給する煩わしさを解消し得る用役媒体供給スタンドを提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決する手段として、異なる種類の用役媒体を受入れる複数の用役ラインを共通ヘッダに連結し、単独又は複数組のスラリー処理機器及びそれらの配管を含む対象機器へ用役媒体を送り出す用役供給ラインを共通ヘッダに連結し、各ラインにはそれぞれ独立に開閉弁を設け、用役ラインに接続される用役供給手段から受入れた必要な用役媒体を開閉弁を切替操作して共通ヘッダを経由して各対象機器へ供給するようにした用役媒体供給スタンドとしたのである。
【0007】
上記構成のこの発明の用役媒体供給スタンドによれば、用役媒体を必要とする対象機器へ効率よく用役媒体が選択、供給される。上記供給スタンドは、異なる種類の用役媒体をこのスタンドを経由するように供給し、そこから対象機器へ開閉弁を切換操作することにより用役供給ラインを介して所望の対象機器へ送り込む。異なる種類の用役媒体とは、例えば水、蒸気、空気、窒素ガス、イナートガス、酢酸溶媒、アルカリなどであり、これらの用役媒体は全種類のものを同時使用するのではなく、そのうちの1つ又は複数を使用目的に応じて選択して使用する。
【0008】
使用目的としては、配管を含む対象機器内の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通などであり、例えば洗浄には水、蒸気、空気のいずれか又はこれらを順番に、ガス置換には窒素ガス、イナートガス、暖気には空気、配管閉塞時の導通にはアルカリ、酢酸溶媒というようにそれぞれの目的に適合する媒体を選択して使用する。これらの用役媒体は、それぞれの媒体の供給手段を用役ラインに接続して供給され、共通ヘッダを介して所要の用役供給ラインから対象機器へ送り出される。
【0009】
【実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は実施形態の用役媒体供給スタンドの全体概略構成図である。図示の用役媒体供給スタンド10は、異なる種類の用役媒体を受入れ、共通ヘッダ11を経由して対象機器へそれぞれの用途に応じて必要な用役媒体を供給するスタンドであり、配管を含む対象機器内部の洗浄等のため必要な用役媒体を対象機器へ送ることができるように用役媒体を集中して受入れ、分配するものとして設置される。用役媒体、対象機器については後で説明する。
【0010】
用役媒体供給スタンド10は、用役媒体を受入れる複数の用役ライン12(図示の例では12a〜12gの7つのライン)が共通ヘッダ11に連結され、かつこの共通ヘッダ11には用役媒体を対象機器へ送り出すための複数の用役供給ライン13(図示の例では13a〜13dの4つのライン)がそれぞれ少しずつ互いに位置をずらして連結されて形成されている。上記複数の用役ライン12(12a〜12g)にはそれぞれ独立して複数の開閉弁V1a〜V3a……V1g〜V3gが設けられ、又用役供給ライン13(13a〜13d)にもそれぞれ独立して複数の開閉弁Va〜Vdが設けられている。
【0011】
上記用役ライン12(12a〜12g)に設けられている複数の開閉弁のうちV3a……V3gに対してはそれぞれ用役ライン12(12a〜12g)を共通ヘッダ11から切離してドレンタンクへ導くための共通ドレン管14に接続する配管が設けられている。又、用役ライン12(12a〜12g)には、その上流側端に図示しない用役媒体供給手段15(15a〜15g)が接続されるよう接続端が設けられている。この接続端はフランジ又は接続ニップル、接続弁としてもよい。用役媒体供給手段15(15a〜15g)は、例えば用役媒体を吸引して所定圧で送り込むポンプ等が用いられる。
【0012】
なお、共通ヘッダ11の片端寄りには共通ヘッダ11内の用役媒体の圧力を検出するための圧力ゲージ(PG)16が接続管を介して接続され、かつ接続管は開閉弁により共通ドレン管14へも接続管LGDを介して接続されている。又、さらに上記片端寄りの所定位置には共通ヘッダ11を共通ドレン管14に接続する接続管LD を設け、さらに図示省略しているが、共通ヘッダ11の端には共通ヘッダ内の洗浄のための洗浄口として端フランジ又は開閉弁を設けている。17はドレンタンクである。
【0013】
上述した用役媒体供給スタンド10は、図示の例では、化学工場等に設置される4つの晶析槽(フラッシュ槽)20A〜20Dに用役供給ライン13(13a〜13d)を接続し、晶析槽間の輸送配管の洗浄のために用役媒体を送るように設置されている。又、このスタンド10に受入れる用役媒体として、図示の例では酢酸溶媒15a、イナートガスIG(不活性ガス)15b、窒素15c、空気15d、アルカリ15e、水15f、蒸気15gがそれぞれの供給手段から供給される。これらの異なる種類の用役媒体は、対象機器、配管内の洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通のいずれかの目的に適合する媒体としてそれぞれの用途に応じて利用される。
【0014】
上記の構成とした実施形態の用役媒体供給スタンド10によれば、対象機器の洗浄等のため供給スタンド10に集中して供給された用役媒体を、効率よく対象機器へ分配して所望の作業を行なうことができる。用役媒体を供給する場合、まず所定の供給手段を用役ライン12のうち該当するラインへ接続し、開閉弁V1a、V2a〜V1g、V2gのいずれかを開き、共通ヘッダ11へ用役媒体を送る。共通ヘッダ11からは、開閉弁Va、Vdのうち該当する弁を開き、所定の対象機器、例えば晶析槽20A〜20Dへ用役媒体を送る。
【0015】
用役媒体は、例えば前述した7種類の異なる種類のものが選択できるが、これらは洗浄、ガス置換、暖気、配管閉塞時の導通のいずれかの目的に応じて適合する種類のものが選択されている。例えば洗浄のために水、蒸気、アルカリ媒体、ガス置換にイナートガス、窒素、空気、暖気には空気、配管閉塞時の導通には酢酸溶媒、アルカリというようにそれぞれの目的に応じて最適の用役媒体が用いられる。
【0016】
上記供給スタンド10は、晶析槽(フラッシュ槽)20A〜20Dへ用役媒体を供給するため、このスタンド10に用役媒体を集中して供給し、そこから分配することにより用役媒体の供給を合理的に行なうようにしたが、晶析槽20A〜20Dのような用役媒体を必要とする対象機器は、例えば後述するテレフタル酸のような化学物質を製造する工場等であれば、種々の処理工程から化学物質が処理されるため他にも種々存在する。
【0017】
従って、上記供給スタンド10は各工程での操作性を配慮して各工程毎に設置し、供給箇所までの配管距離が10m以内で同一フロアとなるように設置するのが好ましい。又、供給ヘッダ11の高さをバルブ操作等を配慮するとフロアから1.2〜1.3mとするのがよい。更に、ヘッダの末端をフランジとしておくと、将来的に配管追加が容易であり好ましい。
【0018】
上述した晶析槽(フラッシュ槽)を備えた図2に示すテレフタル酸製造設備について簡単に説明する。パラキシレン(PX)と溶媒の酢酸と、触媒が酸化反応器21へ送られ、この反応器21へ分子状酸素含有ガスを供給して140〜210℃程の温度で酸化処理される。この反応器21で発生するガス成分は、図示していないが、反応器から抜き出されて熱交換器で酢酸等を凝縮分離した後排出され、凝縮液は反応器21へ還流される。
【0019】
酸化反応器21で酸化処理されたスラリー物質はスラリー搬送管L2 を経て晶析槽であるフラッシュ槽へ送られる。なお、実際の設備では、酸化反応器21よりさらに高温で酸化処理する酸化槽が設置され、又フラッシュ槽の複数段が設置されているが、簡略化のため図示省略している。フラッシュ槽で上記スラリー物質が晶析される。晶析の条件は、析出する固形分の収率、同固形分の純度等を勘案して選ばれ、一般に温度70〜190℃、圧力0.04〜1.5MPaとして実施される。
【0020】
晶析されたスラリー物質は、スラリー搬送管L3 を経て固液分離槽24へ送られ、ここで液体成分と固体成分とに分離され、固体成分はスラリー搬送管L4 を経て粗テレフタル酸として回収される。
【0021】
上記の粗テレフタル酸を搬送管L5 を経て送り、これに水を含む液体を加えて混合・溶解工程25においてスラリー化し、これを加熱溶解した搬送管L6 を経て水添反応器26へ送り、水素添加触媒の存在下で水添処理を行う。得られた反応物を搬送管L7 を経て晶析器27へ送り、晶析器27で晶析される。晶析された物質は搬送管L8 を経て固液分離・洗浄工程28で分離、洗浄され、その後搬送管L9 を経て乾燥器29で乾燥され、搬送管L10で送り出されると高純度テレフタル酸(PTA)が得られる。
【0022】
以上のようなテレフタール酸製造設備において、調整槽、反応器、多段の晶析槽、分離機など用役媒体を必要とする各工程に対し、上記用役媒体供給スタンド10をそれぞれ設け、必要な配管を設置する。
【0023】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明の用役媒体供給スタンドは共通ヘッダに対して複数の用役ラインと複数の用役供給ラインとを連結し、各ラインには独立の開閉弁を設け、用役ラインに接続される供給手段から供給される所要の用役媒体を開閉弁を操作することにより所定の用役供給ラインから対象機器へと送り出すように構成したから、流体に必要な処理を加えて所望の化学物質を製造する工程等で用役媒体を必要とする際に、上記スタンドから開閉弁を操作することにより効率よく対象機器へ適宜、的確に用役媒体を送ることができ、従来の方法より作業効率が格段に向上するという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の用役媒体供給スタンドの全体概略構成図
【図2】同上の供給スタンドを備えたテレフタル酸製造設備の全体概略図
【符号の説明】
10 用役媒体供給スタンド
11 共通ヘッダ
12(12a〜12g) 用役ライン
13(13a〜13d) 用役供給ライン
V1a〜V3a 開閉弁
Va〜Vd 開閉弁
14 共通ドレン管
15(15a〜15g) 用役供給手段
Claims (5)
- 異なる種類の用役媒体を受入れる複数の用役ラインを共通ヘッダに連結し、単独又は複数組のスラリー処理機器及びそれらの配管を含む対象機器へ用役媒体を送り出す用役供給ラインを共通ヘッダに連結し、各ラインにはそれぞれ独立に開閉弁を設け、用役ラインに接続される用役供給手段から受入れた必要な用役媒体を開閉弁を切替操作して共通ヘッダを経由して各対象機器へ供給するようにした用役媒体供給スタンド。
- 前記異なる種類の用役媒体として、水、蒸気、空気、窒素ガス、イナートガス、酢酸、アルカリ溶媒のいずれかの用役媒体供給手段を用役ラインに接続して供給するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の用役媒体供給スタンド。
- 前記共通ヘッダには共通ヘッダ内の洗浄のための洗浄口が設けられ、用役ライン及び共通ヘッダはドレン排出のための共通ドレン管に連結されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の用役媒体供給スタンド。
- 原料物質を含む流体を混合処理し、その後必要な条件で反応、晶析、分離を含む必要な処理をする機器を搬送管を介して結び、これら処理を経て所望の化学物質を製造する製造設備に対し、上記複数段の処理工程のうち用役媒体による用役処理を必要とする処理工程毎にその処理工程に含まれる対象機器に用役媒体を送るよう所定距離内に請求項1乃至3のいずれかに記載の用役媒体供給スタンドを設置した化学物質製造装置。
- 前記原料物質にパラキシレンを用いてテレフタル酸を生成して得られるスラリー流を請求項4の製造装置に用いてテレフタル酸を製造するようにしたテレフタル酸製造設備。
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---|---|---|---|
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JP (1) | JP2004230331A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010151461A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Kirin Engineering Co Ltd | 配管システム |
-
2003
- 2003-01-31 JP JP2003024213A patent/JP2004230331A/ja active Pending
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JP2010151461A (ja) * | 2008-12-24 | 2010-07-08 | Kirin Engineering Co Ltd | 配管システム |
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