JP2004229960A - 緊急遮断機能付き湿式流水検知装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】非火災時において流水検知装置の弁体が開放した場合、二次側配管への給水を完全に遮断可能な流水検知装置の提供。
【解決手段】流水検知装置3の内部が隔壁8により一次側Iと二次側IIとに仕切られており、隔壁8には連通口9が設けられ、該連通口9の二次側IIには弁箱内壁に沿って摺動自在な弁体10が載置され、弁体10と弁箱内壁によって形成された制御室15が一次側Iおよび二次側IIと連通しており、制御室15と二次側IIとの間に通電閉の電磁弁21が設けられ、一次側Iと制御室15との間に電磁弁21の弁座口径より小径なオリフィス20と、一次側Iへの逆流を防ぐ逆止弁19が設けられ、流水検知手段を有した流水検知装置であり、スプリンクラーヘッド4の作動時に火災感知器5からの火災信号が無い場合は前記電磁弁21が閉止されることで弁体10が弁座に着座し、該電磁弁21の閉止状態が維持される。
【選択図】 図2
【解決手段】流水検知装置3の内部が隔壁8により一次側Iと二次側IIとに仕切られており、隔壁8には連通口9が設けられ、該連通口9の二次側IIには弁箱内壁に沿って摺動自在な弁体10が載置され、弁体10と弁箱内壁によって形成された制御室15が一次側Iおよび二次側IIと連通しており、制御室15と二次側IIとの間に通電閉の電磁弁21が設けられ、一次側Iと制御室15との間に電磁弁21の弁座口径より小径なオリフィス20と、一次側Iへの逆流を防ぐ逆止弁19が設けられ、流水検知手段を有した流水検知装置であり、スプリンクラーヘッド4の作動時に火災感知器5からの火災信号が無い場合は前記電磁弁21が閉止されることで弁体10が弁座に着座し、該電磁弁21の閉止状態が維持される。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプリンクラーヘッドが接続された配管内に消火水が充填されている湿式のスプリンクラー設備に設置される流水検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えるスプリンクラー消火設備は、スプリンクラーヘッドが設置された配管に消火水を充填した湿式スプリンクラー設備が一般的に用いられている。その他に凍結防止の目的で前記配管内に気体を充填した乾式スプリンクラー設備と、スプリンクラーヘッドと火災感知器の両方が作動した場合に消火水を散布する予作動式スプリンクラー設備とがある。
【0003】
湿式スプリンクラー設備(以下、「スプリンクラー設備」とする)は、コスト面においても他の2つより経済的である。しかしスプリンクラーヘッドが火災時以外に衝撃を受ける等して放水してしまった場合、室内が水浸しになり水損被害が発生することになる。
【0004】
そこで上記のスプリンクラー設備に設置される流水検知装置に、放水停止スイッチの操作によってスプリンクラーが設置されている配管、いわゆる二次側配管への消火水の流路を閉止する遮断手段を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
上記の流水検知装置は、弁体が弁箱内壁に沿って上下に摺動するリフト弁構造をしている自動開閉弁であり、一次側が水源と接続し、二次側がスプリンクラーヘッドに接続されている。
【0006】
弁体から弁箱外部に突設した昇降軸の先端に設けたリミットスイッチにより、弁体の開閉による上下運動を検出して弁体の開閉状態を監視している。弁体の上部と弁箱内壁とにより形成された空間と一次側と二次側とは、配管によって連通されており、該配管の前記空間と二次側との間には常時開の電磁弁が設けられている。
【0007】
二次側に設けられたスプリンクラーヘッドが誤作動した場合には、押釦スイッチを押して電磁弁を閉止させ、弁体上部空間に一次側の消火水を充水させることで弁体を弁座に着座させ、二次側への給水を遮断するものである。
【0008】
また上記以外に、遮断手段として配管上に常時開状態にある電動弁を流水検知装置と直列に設置し、遮断手段の起動を、スプリンクラーヘッドの作動に伴う流水検知信号を受けた際に、火災検出装置からの火災信号がない場合に起動させるスプリンクラー設備がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
上記の先行技術を元に構成した流水検知装置およびスプリンクラー設備を図7に示す。図中の流水検知装置51の構成は、前述の特許文献1に記載されている流水検知装置と略同じである。特許文献1との相違点は、電磁弁52の閉止を火災感知器53からの火災信号とリミットスイッチ54からの弁開信号により判断していることである。
【0010】
具体的には、リミットスイッチ54からの弁開信号出力時に火災感知器53からの信号がない場合に電磁弁52を閉止する構成である。火災時においてスプリンクラーヘッド55が作動すると二次側配管II内の消火水がスプリンクラーヘッド55より流出するので、二次側配管II内が減圧し、流水検知装置51の弁体56が開く。
【0011】
流水検知装置51の弁体56が開くとリミットスイッチ54が作動し、信号制御装置57に弁開信号を出力する。このとき信号制御装置57に接続された火災感知器53からの火災信号がある場合は、そのままの状態を維持して一次側配管Iから二次側配管IIへ消火水を供給し、スプリンクラーヘッド55より消火水を散布して火災の抑制・鎮圧を行う。
【0012】
スプリンクラーヘッド55が誤作動した場合においては、リミットスイッチ54が作動して弁開信号を信号制御装置57に出力した際に、火災感知器53から火災信号が無いので、電磁弁52を閉止して弁体56を弁座に着座させることで二次側配管IIへの消火水の供給を停止し、水損被害を防ぐものである。
【0013】
【特許文献1】
特公昭35−16346号公報 (第1−2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−5365号公報 (第3−7頁、第1図、第5図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スプリンクラーヘッド55が誤作動して二次側配管IIの消火水が流出することで、二次側配管II内の消火水が減圧されて弁体が開いたときに、火災感知器53からの火災信号は出力されていないので電磁弁52が閉止されるが、電磁弁52を閉止すると弁体56は弁座に着座する方向に動き、リミットスイッチ54の弁開信号が消滅する。
【0015】
リミットスイッチ54の弁開信号が無くなると電磁弁52は開放状態に戻り、再び弁体56が開放されてしまい、弁体56の開閉動作が繰り返されることになり、二次側配管IIへの消火水の供給を完全に遮断できるものではなかった。
【0016】
そこで本発明では上記問題に鑑み、非火災時において流水検知装置の弁体が開放した場合、二次側配管への給水を完全に遮断可能な流水検知装置の提供を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1記載の発明は、消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、該電磁弁の閉止状態が維持されることを特徴とした流水検知装置である。
【0018】
請求項2記載の発明は、消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、電磁弁閉止時に流水検知手段からの検知信号が消滅した際、所定時間経過後に電磁弁が開放される流水検知装置である。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記構成の流水検知装置において、流水検知手段として弁体に弁箱外部に貫通して突設された軸を有し、該軸の先端に設けられたリミットスイッチにより弁体の開閉を検知可能とし、リミットスイッチの作動により弁開信号が出力されたときに、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能である請求項1または2記載の流水検知装置である。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記電磁弁の閉止状態は火災感知器の火災信号により解除される請求項1、2、3記載の流水検知装置である。
【0021】
請求項5記載の発明は、前記流水検知装置に、弁体の周面と接触する垂直部を有する弁座面を設けた請求項3記載の流水検知装置である。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記電磁弁にオフ・ディレー・タイマーを設けた請求項2記載の流水検知装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1から図3を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の系統図である。図2は第1実施形態の流水検知装置の断面図、図3は本発明の第1実施形態の流水検知装置の作動フローである。
【0024】
本発明の第1実施形態の流水検知装置は、電磁弁が閉止されると閉止状態が維持される構成の流水検知装置である。
【0025】
第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備は、図1に示すように水源1、給水装置2、流水検知装置3、スプリンクラーヘッド4、火災感知器5、信号制御装置6から構成される。
【0026】
水源1は、消火水を貯蔵しておく水槽であり、給水装置2は配管7に水源1から消火水を汲み上げ、配管7に接続されたスプリンクラーヘッド4へ供給するための装置である。警戒時において配管7は末端のスプリンクラーヘッド4まで消火水が充填されている。なお、水源1および給水装置2のかわりに家庭用の水道設備を使用することも可能である。
【0027】
流水検知装置3は、図2に示すように弁箱内部が隔壁8により一次側室Iと二次側室IIに仕切られており、隔壁8には一次側室Iと二次側室IIを連通する連通口9が穿設されている。
【0028】
連通口9の二次側室II側を弁座として、該弁座の上に有底円筒型の弁体10が載置されている。該弁体10の上部はフランジ形状をしており、フランジ側面は弁箱の内壁に沿って摺動自在であり、フランジ側面には水平溝が刻設され、該水平溝にリング状の水密部材11が設けられている。
【0029】
弁体10から弁箱外部へ突設して設けられた軸12の先端付近には、リミットスイッチ13が設けられており、弁体10の開閉による上下運動をリミットスイッチ13により検出可能である。
【0030】
具体的に説明するとリミットスイッチ13は、アクチュエーターから物体が離れるとスイッチがONとなるb接点のものを用い、アクチュエーターには弾発体により付勢されたプレートPが常に接触した状態にある。
【0031】
弁体10が開くと軸12も上方へ移動し、アクチュエーターと接触しているプレートPが軸12に押されてアクチュエーターより離れることでリミットスイッチ13がONとなり、信号制御装置6へ弁開信号を送信する。
【0032】
弁体10の上部には弁箱内壁および蓋14によって空間が形成され、これを制御室15とする。弁体10と蓋14との間には弾発体16が設けられ、弁体10を弁座側に付勢している。
【0033】
制御室15は外部へ通じる接続口17を有しており、該接続口17に一次側室Iと二次側室IIへ通じる配管18が接続されている。該配管18の一次側室Iから制御室15までの間18Aには、一次側室I側から制御室15への通水が可能な逆止弁19と、オリフィス20が設置され、制御室15から二次側室IIまでの間18Bには、常時開放状態にあり通電時に閉弁する電磁弁21が設けられている。
【0034】
オリフィス20の口径は、電磁弁21の弁座口径よりも小径とする。
【0035】
電磁弁21は信号制御装置6と接続されており、信号制御装置6からの信号によって開閉制御可能である。該電磁弁21は機構がシンプルで信頼性の高い直動型のものを用いるのが好ましい。また通電時に内部の弁体が閉止される構造のものを用いる。
【0036】
通電時に弁体が閉止される構造としたことで、常時において電磁弁21の弁体は開放状態にあり、火災時に停電等で電気設備が機能しなくなった場合においても、本発明の流水検知装置を設置したスプリンクラー設備による消火活動に支障が出ることは無い。
【0037】
スプリンクラーヘッド4は、内部に弁体を支持している感熱作動機構を有しており、火災の熱によって感熱作動機構が作動して弁体を開放させ、二次側IIに接続された配管内の消火水を散布するものである。
【0038】
火災感知器5は、火災の熱や煙等によって火災を感知し、火災信号を出力するものである。火災感知器5は、スプリンクラーヘッド4の作動よりも早く作動するタイプのものを使用するのが好ましい。
【0039】
信号制御装置6は、流水検知装置3の弁開信号と、火災感知器5の火災信号を受け、各々の信号状態によって給水装置2の起動信号を出力したり、流水検知装置3に設けられた電磁弁21の開閉を制御するものである。
【0040】
次に上記の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の作動について図3を参照して説明する。
【0041】
火災が発生すると、火災感知器5が作動して信号制御装置6に火災信号を出力する。火災感知器5の作動に続いてスプリンクラーヘッド4が作動すると、二次側室IIと接続している配管内の消火水がスプリンクラーヘッド4より噴出する。
【0042】
スプリンクラーヘッド4の作動によって二次側室IIに接続された配管内は減圧し、またオリフィス20によって一次側室Iから制御室15への消火水の供給量が制限されているので、流水検知装置3の弁体10にかかる力は、一次側室Iよりかかる圧力が制御室15内の圧力を上回り弁体10が少し開方向へ移動し、スプリンクラーヘッドの作動分の流量が流れる程度に開き、一次側室Iより二次側室IIへ消火水が流れ込む。
【0043】
弁体10が開いたことにより軸12も上方へ移動して、プレートPを押し上げリミットスイッチ13がON状態となり、信号制御装置6に弁開信号を出力する。
【0044】
信号制御装置6は、リミットスイッチ13からの弁開信号を受信した際、前述の火災感知器5による火災信号が出力されていれば、給水装置2を起動させて水源1より消火水を汲み上げ、二次側室IIと接続した配管に設けられたスプリンクラーヘッド4に消火水を供給する。
【0045】
給水装置2の起動により、配管7から一次側室Iを通って加圧された消火水が送られてくるので、弁体10は全開位置まで移動する。送水された消火水はスプリンクラーヘッド4より散布され火災を鎮圧・消火するものである。
【0046】
続いて、スプリンクラーヘッド4が火災時以外に誤作動した場合について説明する。
【0047】
スプリンクラーヘッド4が作動すると、前述のように流水検知装置3の弁体10がスプリンクラーヘッドの作動分の流量が流れる程度に開き、リミットスイッチ13から弁開信号が信号制御装置6へ出力される。
【0048】
そのとき、信号制御装置6には火災感知器5より火災信号が入力されていないので、信号制御装置6は電磁弁21を閉止させ、その状態を維持し制御室15へ一次側室Iの消火水を流入させる。
【0049】
制御室15内に消火水が流入すると弁体10は下方へ摺動して弁座に着座され、一次側室Iから二次側室IIへの通水を遮断して、スプリンクラーヘッド4の誤作動による水損被害を低減させるものである。
【0050】
電磁弁21が閉止したままの状態を管理人等に知らせて流水検知装置の復旧を促すように、電磁弁21の閉止時には通水遮断警報を出力することも可能である。
【0051】
また、電磁弁21が閉止した状態で火災感知器5が作動した場合には、直ちに電磁弁21への通電を停止して電磁弁21を開放させることで弁体10を開放し、スプリンクラーヘッド4に消火水を供給可能である。
【0052】
尚、電磁弁21の閉止状態を維持する機能は、信号制御装置6に組み込んでもよいし、図4に示すスプリンクラー設備においては流水検知装置3の信号制御回路30に自己保持回路を設けて構成することも可能である。
【0053】
続いて第2実施形態の流水検知装置について図5、6を参照して説明する。図5は第2実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図であり、図6は第2実施形態の流水検知装置の作動フローである。
【0054】
第2実施形態の流水検知装置は、電磁弁を閉止状態から開放状態に戻す際に、所定時間経過後に開放状態にするよう構成した流水検知装置である。
【0055】
第2実施形態の流水検知装置およびスプリンクラー設備は、第1実施形態にて説明したものと略同様であるので構成が同じ部分には同符号を付して説明は省略する。
【0056】
第1実施形態ではb接点のリミットスイッチを用いることで弁体の微々たる開放量を検出したが、第2実施形態においては、図5に示すように弁体10と弁座との接触部分に垂直部40を設け、該垂直部40の水密部材41としてOリングを弁体10に設置して、弁閉止時には弁体10と弁座が嵌合している構成にする。
【0057】
上記構成にすることで、例えばスプリンクラーヘッド4が1個だけ作動した場合等の少ない流量が流れる際にも、弁体10が垂直方向に移動する距離が増えるのでリミットスイッチ13のアクチュエーターと軸12の間の距離が充分確保できるようになる。
【0058】
そこで、リミットスイッチ13のアクチュエーターと接触しているプレートPから、軸12の先端までの空間の距離を、前記垂直部40の長さより短くし、弁体10が弁座から離れない状態、つまり一次側室Iから二次側室IIに消火水が流出しない段階でリミットスイッチ13が作動し、弁開信号が出力されるように構成した。
【0059】
次に第2実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の作動について図6を参照して説明する。
【0060】
火災が発生すると、火災感知器5が作動して信号制御装置6に火災信号を出力する。火災感知器5の作動に続いてスプリンクラーヘッド4が作動すると、二次側室IIと接続している配管内の消火水がスプリンクラーヘッド4より噴出する。
【0061】
スプリンクラーヘッド4の作動によって二次側室IIに接続された配管内は減圧し、またオリフィス20によって一次側室Iから制御室15への消火水の供給量が制限されているので、流水検知装置3の弁体10にかかる力は、一次側室Iよりかかる圧力が制御室15内の圧力を上回り弁体10が少し開方向へ移動する。
【0062】
弁体10が開方向へ移動したことにより軸12も上方へ移動して、プレートPを上方に押し上げてリミットスイッチ13がON状態となり、信号制御装置6に弁開信号を出力する。
【0063】
信号制御装置6は、リミットスイッチ13からの弁開信号を受信した際、前述の火災感知器5による火災信号が出力されていれば、給水装置2を起動させて水源1より消火水を汲み上げ、二次側室IIと接続した配管に設けられたスプリンクラーヘッド4に消火水を供給する。
【0064】
給水装置2の起動により、配管7から一次側室Iを通って加圧された消火水が送られてくるので、弁体10は全開位置まで移動する。送水された消火水はスプリンクラーヘッド4より散布され火災を鎮圧・消火するものである。
【0065】
続いてスプリンクラーヘッド4が火災時以外に誤作動した場合について説明する。
【0066】
スプリンクラーヘッド4が作動すると、流水検知装置3の二次側室II内の消火水が減圧し、弁体10が制御室15側に摺動してリミットスイッチ13から弁開信号が信号制御装置6へ出力される。
【0067】
このとき、弁体10は弁座から離れていないので一次側室Iから二次側室IIへ消火水は流れない。同時に信号制御装置6に火災感知器5より火災信号が入力されていないので、信号制御装置6は電磁弁21に通電して弁体を閉止させて、制御室15へ一次側室Iの消火水を流入させる。
【0068】
制御室15内に消火水が流入すると弁体10は弁座が設けられている一次側室Iの方向へ移動する。弁体10が、ある位置まで弁座側へ移動すると、プレートPから軸12が離れて弁開信号が消滅する。
【0069】
その際、前述の図1の信号制御装置6または図4の流水検知装置3の信号制御回路30内に設けたオフ・ディレー・タイマーにより、弁開信号が消滅してから所定時間経過後に電磁弁21への通電を停止し、電磁弁21を開放状態にする。
【0070】
所定時間が経過するまで電磁弁21は閉止された状態なので弁体10の底面が弁座に着座し、連通口9は完全に遮断される。
【0071】
所定時間が経過して電磁弁21が開放された後、誤作動したスプリンクラーヘッド4より二次側配管内の消火水が外部に流れたままとなっているので、再び弁体10が制御室15側へ摺動してリミットスイッチ13が作動し、電磁弁21を閉止する。
【0072】
以上のように電磁弁21の開閉が繰り返されるが、弁体10が連通口9を開く位置に到達する前にリミットスイッチ13が作動するので、一次側室Iから二次側室IIへ消火水が流入することは無い。
【0073】
また、流水検知装置3の二次側室IIに接続する配管に減圧スイッチを設けておくと、スプリンクラーヘッド4の誤作動による配管内の減圧を検知して管理人等にスプリンクラーヘッドが誤作動したことを知らせることが可能となる。
【0074】
弁開信号が消滅してから所定時間経過後に電磁弁21を開放状態にすることで、他階の自動開閉弁の作動等によりポンプが起動する等して配管内の消火水が振動した場合に、弁体10が一瞬制御室15側に動いて、リミットスイッチ13が作動し電磁弁21が閉止されるが、所定時間経過後に電磁弁21が開放されるので、第1実施形態のように電磁弁21の閉止後の復旧を行う手間が省ける。
【0075】
上記第1、2実施形態においてスプリンクラーヘッド4の作動によって生じる現象を検知するための流水検知手段として説明した弁開放信号のかわりに、例えば特開平2−209164号公報に記載されているスプリンクラーヘッドからの作動信号を用いることや、スプリンクラーヘッドが接続された配管に設けた減圧スイッチからの減圧信号を用いることも可能である。
【0076】
また、上記第1、2実施形態で説明した流水検知装置の軸12とリミットスイッチ13のかわりに、弁座面に外部へ通じる穴を穿設して該穴に圧力スイッチを接続し、弁体10が開くことにより穴へ流入した水の圧力を検知して弁開信号とすることも可能である。
【0077】
あるいは本発明の流水検知装置とは別に設けた流水検知装置からの信号を用いることも可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば上記構成の流水検知装置に設けられた電磁弁の閉止状態を維持させることによって、スプリンクラーヘッドの誤作動時にはスプリンクラーヘッドへの給水を完全に遮断することが可能となり、水損被害を低減できる効果がある。
【0079】
あるいは電磁弁の閉止状態を開放状態に戻す際に、所定時間遅延した後に開放状態に戻すことで、スプリンクラーヘッドの誤作動時にはスプリンクラーヘッドへの給水を完全に遮断でき、さらに配管内の水の振動等で流水検知装置の弁体が一瞬開いた場合に、閉止された電磁弁が所定時間後に開放されるので、流水検知装置の復帰が自動的に行われる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の系統図
【図2】第1実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図
【図3】第1実施形態の流水検知装置の作動フロー
【図4】本発明の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の他の実施形態
【図5】第2実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図
【図6】第2実施形態の流水検知装置の作動フロー
【図7】従来の流水検知装置およびスプリンクラー設備の系統図
【符号の説明】
3 流水検知装置
4 スプリンクラーヘッド
5 火災感知器
10 弁体
12 軸
13 リミットスイッチ
15 制御室
21 電磁弁
30 流水検知装置の信号制御回路
40 弁座の垂直部
41 水密部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、スプリンクラーヘッドが接続された配管内に消火水が充填されている湿式のスプリンクラー設備に設置される流水検知装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来において閉鎖型スプリンクラーヘッドを備えるスプリンクラー消火設備は、スプリンクラーヘッドが設置された配管に消火水を充填した湿式スプリンクラー設備が一般的に用いられている。その他に凍結防止の目的で前記配管内に気体を充填した乾式スプリンクラー設備と、スプリンクラーヘッドと火災感知器の両方が作動した場合に消火水を散布する予作動式スプリンクラー設備とがある。
【0003】
湿式スプリンクラー設備(以下、「スプリンクラー設備」とする)は、コスト面においても他の2つより経済的である。しかしスプリンクラーヘッドが火災時以外に衝撃を受ける等して放水してしまった場合、室内が水浸しになり水損被害が発生することになる。
【0004】
そこで上記のスプリンクラー設備に設置される流水検知装置に、放水停止スイッチの操作によってスプリンクラーが設置されている配管、いわゆる二次側配管への消火水の流路を閉止する遮断手段を設けたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
【0005】
上記の流水検知装置は、弁体が弁箱内壁に沿って上下に摺動するリフト弁構造をしている自動開閉弁であり、一次側が水源と接続し、二次側がスプリンクラーヘッドに接続されている。
【0006】
弁体から弁箱外部に突設した昇降軸の先端に設けたリミットスイッチにより、弁体の開閉による上下運動を検出して弁体の開閉状態を監視している。弁体の上部と弁箱内壁とにより形成された空間と一次側と二次側とは、配管によって連通されており、該配管の前記空間と二次側との間には常時開の電磁弁が設けられている。
【0007】
二次側に設けられたスプリンクラーヘッドが誤作動した場合には、押釦スイッチを押して電磁弁を閉止させ、弁体上部空間に一次側の消火水を充水させることで弁体を弁座に着座させ、二次側への給水を遮断するものである。
【0008】
また上記以外に、遮断手段として配管上に常時開状態にある電動弁を流水検知装置と直列に設置し、遮断手段の起動を、スプリンクラーヘッドの作動に伴う流水検知信号を受けた際に、火災検出装置からの火災信号がない場合に起動させるスプリンクラー設備がある(例えば、特許文献2参照。)。
【0009】
上記の先行技術を元に構成した流水検知装置およびスプリンクラー設備を図7に示す。図中の流水検知装置51の構成は、前述の特許文献1に記載されている流水検知装置と略同じである。特許文献1との相違点は、電磁弁52の閉止を火災感知器53からの火災信号とリミットスイッチ54からの弁開信号により判断していることである。
【0010】
具体的には、リミットスイッチ54からの弁開信号出力時に火災感知器53からの信号がない場合に電磁弁52を閉止する構成である。火災時においてスプリンクラーヘッド55が作動すると二次側配管II内の消火水がスプリンクラーヘッド55より流出するので、二次側配管II内が減圧し、流水検知装置51の弁体56が開く。
【0011】
流水検知装置51の弁体56が開くとリミットスイッチ54が作動し、信号制御装置57に弁開信号を出力する。このとき信号制御装置57に接続された火災感知器53からの火災信号がある場合は、そのままの状態を維持して一次側配管Iから二次側配管IIへ消火水を供給し、スプリンクラーヘッド55より消火水を散布して火災の抑制・鎮圧を行う。
【0012】
スプリンクラーヘッド55が誤作動した場合においては、リミットスイッチ54が作動して弁開信号を信号制御装置57に出力した際に、火災感知器53から火災信号が無いので、電磁弁52を閉止して弁体56を弁座に着座させることで二次側配管IIへの消火水の供給を停止し、水損被害を防ぐものである。
【0013】
【特許文献1】
特公昭35−16346号公報 (第1−2頁、第1図)
【特許文献2】
特開平10−5365号公報 (第3−7頁、第1図、第5図)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記スプリンクラーヘッド55が誤作動して二次側配管IIの消火水が流出することで、二次側配管II内の消火水が減圧されて弁体が開いたときに、火災感知器53からの火災信号は出力されていないので電磁弁52が閉止されるが、電磁弁52を閉止すると弁体56は弁座に着座する方向に動き、リミットスイッチ54の弁開信号が消滅する。
【0015】
リミットスイッチ54の弁開信号が無くなると電磁弁52は開放状態に戻り、再び弁体56が開放されてしまい、弁体56の開閉動作が繰り返されることになり、二次側配管IIへの消火水の供給を完全に遮断できるものではなかった。
【0016】
そこで本発明では上記問題に鑑み、非火災時において流水検知装置の弁体が開放した場合、二次側配管への給水を完全に遮断可能な流水検知装置の提供を目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために請求項1記載の発明は、消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、該電磁弁の閉止状態が維持されることを特徴とした流水検知装置である。
【0018】
請求項2記載の発明は、消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、電磁弁閉止時に流水検知手段からの検知信号が消滅した際、所定時間経過後に電磁弁が開放される流水検知装置である。
【0019】
請求項3記載の発明は、前記構成の流水検知装置において、流水検知手段として弁体に弁箱外部に貫通して突設された軸を有し、該軸の先端に設けられたリミットスイッチにより弁体の開閉を検知可能とし、リミットスイッチの作動により弁開信号が出力されたときに、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能である請求項1または2記載の流水検知装置である。
【0020】
請求項4記載の発明は、前記電磁弁の閉止状態は火災感知器の火災信号により解除される請求項1、2、3記載の流水検知装置である。
【0021】
請求項5記載の発明は、前記流水検知装置に、弁体の周面と接触する垂直部を有する弁座面を設けた請求項3記載の流水検知装置である。
【0022】
請求項6記載の発明は、前記電磁弁にオフ・ディレー・タイマーを設けた請求項2記載の流水検知装置である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図1から図3を参照して説明する。図1は本発明の第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の系統図である。図2は第1実施形態の流水検知装置の断面図、図3は本発明の第1実施形態の流水検知装置の作動フローである。
【0024】
本発明の第1実施形態の流水検知装置は、電磁弁が閉止されると閉止状態が維持される構成の流水検知装置である。
【0025】
第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備は、図1に示すように水源1、給水装置2、流水検知装置3、スプリンクラーヘッド4、火災感知器5、信号制御装置6から構成される。
【0026】
水源1は、消火水を貯蔵しておく水槽であり、給水装置2は配管7に水源1から消火水を汲み上げ、配管7に接続されたスプリンクラーヘッド4へ供給するための装置である。警戒時において配管7は末端のスプリンクラーヘッド4まで消火水が充填されている。なお、水源1および給水装置2のかわりに家庭用の水道設備を使用することも可能である。
【0027】
流水検知装置3は、図2に示すように弁箱内部が隔壁8により一次側室Iと二次側室IIに仕切られており、隔壁8には一次側室Iと二次側室IIを連通する連通口9が穿設されている。
【0028】
連通口9の二次側室II側を弁座として、該弁座の上に有底円筒型の弁体10が載置されている。該弁体10の上部はフランジ形状をしており、フランジ側面は弁箱の内壁に沿って摺動自在であり、フランジ側面には水平溝が刻設され、該水平溝にリング状の水密部材11が設けられている。
【0029】
弁体10から弁箱外部へ突設して設けられた軸12の先端付近には、リミットスイッチ13が設けられており、弁体10の開閉による上下運動をリミットスイッチ13により検出可能である。
【0030】
具体的に説明するとリミットスイッチ13は、アクチュエーターから物体が離れるとスイッチがONとなるb接点のものを用い、アクチュエーターには弾発体により付勢されたプレートPが常に接触した状態にある。
【0031】
弁体10が開くと軸12も上方へ移動し、アクチュエーターと接触しているプレートPが軸12に押されてアクチュエーターより離れることでリミットスイッチ13がONとなり、信号制御装置6へ弁開信号を送信する。
【0032】
弁体10の上部には弁箱内壁および蓋14によって空間が形成され、これを制御室15とする。弁体10と蓋14との間には弾発体16が設けられ、弁体10を弁座側に付勢している。
【0033】
制御室15は外部へ通じる接続口17を有しており、該接続口17に一次側室Iと二次側室IIへ通じる配管18が接続されている。該配管18の一次側室Iから制御室15までの間18Aには、一次側室I側から制御室15への通水が可能な逆止弁19と、オリフィス20が設置され、制御室15から二次側室IIまでの間18Bには、常時開放状態にあり通電時に閉弁する電磁弁21が設けられている。
【0034】
オリフィス20の口径は、電磁弁21の弁座口径よりも小径とする。
【0035】
電磁弁21は信号制御装置6と接続されており、信号制御装置6からの信号によって開閉制御可能である。該電磁弁21は機構がシンプルで信頼性の高い直動型のものを用いるのが好ましい。また通電時に内部の弁体が閉止される構造のものを用いる。
【0036】
通電時に弁体が閉止される構造としたことで、常時において電磁弁21の弁体は開放状態にあり、火災時に停電等で電気設備が機能しなくなった場合においても、本発明の流水検知装置を設置したスプリンクラー設備による消火活動に支障が出ることは無い。
【0037】
スプリンクラーヘッド4は、内部に弁体を支持している感熱作動機構を有しており、火災の熱によって感熱作動機構が作動して弁体を開放させ、二次側IIに接続された配管内の消火水を散布するものである。
【0038】
火災感知器5は、火災の熱や煙等によって火災を感知し、火災信号を出力するものである。火災感知器5は、スプリンクラーヘッド4の作動よりも早く作動するタイプのものを使用するのが好ましい。
【0039】
信号制御装置6は、流水検知装置3の弁開信号と、火災感知器5の火災信号を受け、各々の信号状態によって給水装置2の起動信号を出力したり、流水検知装置3に設けられた電磁弁21の開閉を制御するものである。
【0040】
次に上記の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の作動について図3を参照して説明する。
【0041】
火災が発生すると、火災感知器5が作動して信号制御装置6に火災信号を出力する。火災感知器5の作動に続いてスプリンクラーヘッド4が作動すると、二次側室IIと接続している配管内の消火水がスプリンクラーヘッド4より噴出する。
【0042】
スプリンクラーヘッド4の作動によって二次側室IIに接続された配管内は減圧し、またオリフィス20によって一次側室Iから制御室15への消火水の供給量が制限されているので、流水検知装置3の弁体10にかかる力は、一次側室Iよりかかる圧力が制御室15内の圧力を上回り弁体10が少し開方向へ移動し、スプリンクラーヘッドの作動分の流量が流れる程度に開き、一次側室Iより二次側室IIへ消火水が流れ込む。
【0043】
弁体10が開いたことにより軸12も上方へ移動して、プレートPを押し上げリミットスイッチ13がON状態となり、信号制御装置6に弁開信号を出力する。
【0044】
信号制御装置6は、リミットスイッチ13からの弁開信号を受信した際、前述の火災感知器5による火災信号が出力されていれば、給水装置2を起動させて水源1より消火水を汲み上げ、二次側室IIと接続した配管に設けられたスプリンクラーヘッド4に消火水を供給する。
【0045】
給水装置2の起動により、配管7から一次側室Iを通って加圧された消火水が送られてくるので、弁体10は全開位置まで移動する。送水された消火水はスプリンクラーヘッド4より散布され火災を鎮圧・消火するものである。
【0046】
続いて、スプリンクラーヘッド4が火災時以外に誤作動した場合について説明する。
【0047】
スプリンクラーヘッド4が作動すると、前述のように流水検知装置3の弁体10がスプリンクラーヘッドの作動分の流量が流れる程度に開き、リミットスイッチ13から弁開信号が信号制御装置6へ出力される。
【0048】
そのとき、信号制御装置6には火災感知器5より火災信号が入力されていないので、信号制御装置6は電磁弁21を閉止させ、その状態を維持し制御室15へ一次側室Iの消火水を流入させる。
【0049】
制御室15内に消火水が流入すると弁体10は下方へ摺動して弁座に着座され、一次側室Iから二次側室IIへの通水を遮断して、スプリンクラーヘッド4の誤作動による水損被害を低減させるものである。
【0050】
電磁弁21が閉止したままの状態を管理人等に知らせて流水検知装置の復旧を促すように、電磁弁21の閉止時には通水遮断警報を出力することも可能である。
【0051】
また、電磁弁21が閉止した状態で火災感知器5が作動した場合には、直ちに電磁弁21への通電を停止して電磁弁21を開放させることで弁体10を開放し、スプリンクラーヘッド4に消火水を供給可能である。
【0052】
尚、電磁弁21の閉止状態を維持する機能は、信号制御装置6に組み込んでもよいし、図4に示すスプリンクラー設備においては流水検知装置3の信号制御回路30に自己保持回路を設けて構成することも可能である。
【0053】
続いて第2実施形態の流水検知装置について図5、6を参照して説明する。図5は第2実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図であり、図6は第2実施形態の流水検知装置の作動フローである。
【0054】
第2実施形態の流水検知装置は、電磁弁を閉止状態から開放状態に戻す際に、所定時間経過後に開放状態にするよう構成した流水検知装置である。
【0055】
第2実施形態の流水検知装置およびスプリンクラー設備は、第1実施形態にて説明したものと略同様であるので構成が同じ部分には同符号を付して説明は省略する。
【0056】
第1実施形態ではb接点のリミットスイッチを用いることで弁体の微々たる開放量を検出したが、第2実施形態においては、図5に示すように弁体10と弁座との接触部分に垂直部40を設け、該垂直部40の水密部材41としてOリングを弁体10に設置して、弁閉止時には弁体10と弁座が嵌合している構成にする。
【0057】
上記構成にすることで、例えばスプリンクラーヘッド4が1個だけ作動した場合等の少ない流量が流れる際にも、弁体10が垂直方向に移動する距離が増えるのでリミットスイッチ13のアクチュエーターと軸12の間の距離が充分確保できるようになる。
【0058】
そこで、リミットスイッチ13のアクチュエーターと接触しているプレートPから、軸12の先端までの空間の距離を、前記垂直部40の長さより短くし、弁体10が弁座から離れない状態、つまり一次側室Iから二次側室IIに消火水が流出しない段階でリミットスイッチ13が作動し、弁開信号が出力されるように構成した。
【0059】
次に第2実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の作動について図6を参照して説明する。
【0060】
火災が発生すると、火災感知器5が作動して信号制御装置6に火災信号を出力する。火災感知器5の作動に続いてスプリンクラーヘッド4が作動すると、二次側室IIと接続している配管内の消火水がスプリンクラーヘッド4より噴出する。
【0061】
スプリンクラーヘッド4の作動によって二次側室IIに接続された配管内は減圧し、またオリフィス20によって一次側室Iから制御室15への消火水の供給量が制限されているので、流水検知装置3の弁体10にかかる力は、一次側室Iよりかかる圧力が制御室15内の圧力を上回り弁体10が少し開方向へ移動する。
【0062】
弁体10が開方向へ移動したことにより軸12も上方へ移動して、プレートPを上方に押し上げてリミットスイッチ13がON状態となり、信号制御装置6に弁開信号を出力する。
【0063】
信号制御装置6は、リミットスイッチ13からの弁開信号を受信した際、前述の火災感知器5による火災信号が出力されていれば、給水装置2を起動させて水源1より消火水を汲み上げ、二次側室IIと接続した配管に設けられたスプリンクラーヘッド4に消火水を供給する。
【0064】
給水装置2の起動により、配管7から一次側室Iを通って加圧された消火水が送られてくるので、弁体10は全開位置まで移動する。送水された消火水はスプリンクラーヘッド4より散布され火災を鎮圧・消火するものである。
【0065】
続いてスプリンクラーヘッド4が火災時以外に誤作動した場合について説明する。
【0066】
スプリンクラーヘッド4が作動すると、流水検知装置3の二次側室II内の消火水が減圧し、弁体10が制御室15側に摺動してリミットスイッチ13から弁開信号が信号制御装置6へ出力される。
【0067】
このとき、弁体10は弁座から離れていないので一次側室Iから二次側室IIへ消火水は流れない。同時に信号制御装置6に火災感知器5より火災信号が入力されていないので、信号制御装置6は電磁弁21に通電して弁体を閉止させて、制御室15へ一次側室Iの消火水を流入させる。
【0068】
制御室15内に消火水が流入すると弁体10は弁座が設けられている一次側室Iの方向へ移動する。弁体10が、ある位置まで弁座側へ移動すると、プレートPから軸12が離れて弁開信号が消滅する。
【0069】
その際、前述の図1の信号制御装置6または図4の流水検知装置3の信号制御回路30内に設けたオフ・ディレー・タイマーにより、弁開信号が消滅してから所定時間経過後に電磁弁21への通電を停止し、電磁弁21を開放状態にする。
【0070】
所定時間が経過するまで電磁弁21は閉止された状態なので弁体10の底面が弁座に着座し、連通口9は完全に遮断される。
【0071】
所定時間が経過して電磁弁21が開放された後、誤作動したスプリンクラーヘッド4より二次側配管内の消火水が外部に流れたままとなっているので、再び弁体10が制御室15側へ摺動してリミットスイッチ13が作動し、電磁弁21を閉止する。
【0072】
以上のように電磁弁21の開閉が繰り返されるが、弁体10が連通口9を開く位置に到達する前にリミットスイッチ13が作動するので、一次側室Iから二次側室IIへ消火水が流入することは無い。
【0073】
また、流水検知装置3の二次側室IIに接続する配管に減圧スイッチを設けておくと、スプリンクラーヘッド4の誤作動による配管内の減圧を検知して管理人等にスプリンクラーヘッドが誤作動したことを知らせることが可能となる。
【0074】
弁開信号が消滅してから所定時間経過後に電磁弁21を開放状態にすることで、他階の自動開閉弁の作動等によりポンプが起動する等して配管内の消火水が振動した場合に、弁体10が一瞬制御室15側に動いて、リミットスイッチ13が作動し電磁弁21が閉止されるが、所定時間経過後に電磁弁21が開放されるので、第1実施形態のように電磁弁21の閉止後の復旧を行う手間が省ける。
【0075】
上記第1、2実施形態においてスプリンクラーヘッド4の作動によって生じる現象を検知するための流水検知手段として説明した弁開放信号のかわりに、例えば特開平2−209164号公報に記載されているスプリンクラーヘッドからの作動信号を用いることや、スプリンクラーヘッドが接続された配管に設けた減圧スイッチからの減圧信号を用いることも可能である。
【0076】
また、上記第1、2実施形態で説明した流水検知装置の軸12とリミットスイッチ13のかわりに、弁座面に外部へ通じる穴を穿設して該穴に圧力スイッチを接続し、弁体10が開くことにより穴へ流入した水の圧力を検知して弁開信号とすることも可能である。
【0077】
あるいは本発明の流水検知装置とは別に設けた流水検知装置からの信号を用いることも可能である。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば上記構成の流水検知装置に設けられた電磁弁の閉止状態を維持させることによって、スプリンクラーヘッドの誤作動時にはスプリンクラーヘッドへの給水を完全に遮断することが可能となり、水損被害を低減できる効果がある。
【0079】
あるいは電磁弁の閉止状態を開放状態に戻す際に、所定時間遅延した後に開放状態に戻すことで、スプリンクラーヘッドの誤作動時にはスプリンクラーヘッドへの給水を完全に遮断でき、さらに配管内の水の振動等で流水検知装置の弁体が一瞬開いた場合に、閉止された電磁弁が所定時間後に開放されるので、流水検知装置の復帰が自動的に行われる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の系統図
【図2】第1実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図
【図3】第1実施形態の流水検知装置の作動フロー
【図4】本発明の流水検知装置が設けられたスプリンクラー設備の他の実施形態
【図5】第2実施形態の警戒時における流水検知装置の断面図
【図6】第2実施形態の流水検知装置の作動フロー
【図7】従来の流水検知装置およびスプリンクラー設備の系統図
【符号の説明】
3 流水検知装置
4 スプリンクラーヘッド
5 火災感知器
10 弁体
12 軸
13 リミットスイッチ
15 制御室
21 電磁弁
30 流水検知装置の信号制御回路
40 弁座の垂直部
41 水密部材
Claims (6)
- 消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、
弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、
一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、
スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、
スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、該電磁弁の閉止状態が維持されることを特徴とした流水検知装置。 - 消火設備に設けられる開閉弁であり、内部が給水側に接続される一次側室とスプリンクラーヘッド側に接続される二次側室とが隔壁によって仕切られており、隔壁には連通口が設けられ、該連通口の二次側には弁箱の内壁に沿って摺動自在な弁体が載置され、
弁体と弁箱内壁によって形成された制御室が一次側および二次側と連通しており、制御室と二次側との間に通電時に閉弁する電磁弁が設けられ、
一次側と制御室との間には、前記電磁弁の弁座口径より小径であるオリフィスと、一次側への逆流を防止した逆止弁が設けられ、
スプリンクラーヘッドの作動によって生じる現象を検出可能な流水検知手段を有する流水検知装置において、
スプリンクラーヘッドの作動時に、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であり、電磁弁閉止時に流水検知手段からの検知信号が消滅した際、所定時間経過後に電磁弁が開放されることを特徴とした流水検知装置。 - 前記構成の流水検知装置において、流水検知手段として弁体に弁箱外部に貫通して突設された軸を有し、該軸の先端に設けられたリミットスイッチにより弁体の開閉を検知可能とし、リミットスイッチの作動により弁開信号が出力されたときに、スプリンクラーヘッドの近傍に設けられた火災感知器からの火災信号が無い場合は前記電磁弁が閉止され弁体が弁座に着座可能であることを特徴とした請求項1または2記載の流水検知装置。
- 前記電磁弁の閉止状態は火災感知器の火災信号により解除されることを特徴とした請求項1、2、3記載の流水検知装置。
- 前記流水検知装置には、弁体の周面と接触する垂直部を有する弁座面を設けたことを特徴とする請求項3記載の流水検知装置。
- 前記電磁弁にオフ・ディレー・タイマーを設けたことを特徴とした請求項2記載の流水検知装置。
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JP (1) | JP2004229960A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016080123A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 能美防災株式会社 | リリーフ弁及び消火設備 |
CN108926789A (zh) * | 2018-08-24 | 2018-12-04 | 东莞骑士换电电子科技有限公司 | 一种充电柜自动消防喷水、自动断电装置 |
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2003
- 2003-01-31 JP JP2003023194A patent/JP2004229960A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2016080123A (ja) * | 2014-10-21 | 2016-05-16 | 能美防災株式会社 | リリーフ弁及び消火設備 |
CN108926789A (zh) * | 2018-08-24 | 2018-12-04 | 东莞骑士换电电子科技有限公司 | 一种充电柜自动消防喷水、自动断电装置 |
CN108926789B (zh) * | 2018-08-24 | 2023-06-02 | 东莞骑士换电电子科技有限公司 | 一种充电柜自动消防喷水、自动断电装置 |
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