JP2004226916A - 表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放電の安定化が図られた表示装置およびその駆動方法を提供することである。
【解決手段】各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに分割される。アドレス期間にアドレス電極とスキャン電極との間に書き込みパルスVw,Vsがアドレスドライバおよびスキャンドライバにより印加されることによりアドレス放電が起こる。維持期間にスキャン電極とサスティン電極との間に交互に維持パルスVi,Vjがスキャンドライバおよびサスティンドライバにより印加されることにより維持放電が起こる。維持期間においてアドレス電極にその維持期間の長さに応じた調整電圧CVが印加される。
【選択図】 図3
【解決手段】各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに分割される。アドレス期間にアドレス電極とスキャン電極との間に書き込みパルスVw,Vsがアドレスドライバおよびスキャンドライバにより印加されることによりアドレス放電が起こる。維持期間にスキャン電極とサスティン電極との間に交互に維持パルスVi,Vjがスキャンドライバおよびサスティンドライバにより印加されることにより維持放電が起こる。維持期間においてアドレス電極にその維持期間の長さに応じた調整電圧CVが印加される。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電を制御することにより画像を表示する表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDP(プラズマディスプレイパネル)を用いたプラズマディスプレイ装置は、薄型化および大画面化が可能であるという利点を有する。このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電の際の発光を利用することにより画像を表示している。
【0003】
図13はAC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図である。図13に示すように、AC型PDPの放電セルにおいては、対向する電極301,302の表面がそれぞれ誘電体層303,304で覆われている。
【0004】
図13(a)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも低い電圧を印加した場合には、放電が起こらない。図13(b)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも高いパルス状の電圧(書き込みパルス)を印加すると、放電が発生する。放電が発生すると、負電荷は電極301の方向に進んで誘電体層303の壁面に蓄積され、正電荷は電極302の方向に進んで誘電体層304の壁面に蓄積される。誘電体層303,304の壁面に蓄積された電荷を壁電荷と呼ぶ。また、この壁電荷により誘起された電圧を壁電圧と呼ぶ。
【0005】
図13(c)に示すように、誘電体層303の壁面には負の壁電荷が蓄積され、誘電体層304の壁面には正の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性は、外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電は自動的に停止する。
【0006】
図13(d)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と同じ向きになるため、放電空間内における実効電圧が高くなる。実効電圧が放電開始電圧を超えると、逆極性の放電が発生する。それにより、正電荷が電極301の方向に進み、すでに誘電体層303に蓄積されている負の壁電荷を中和し、負電荷が電極302の方向に進み、すでに誘電体層304に蓄積されている正の壁電荷を中和する。
【0007】
そして、図13(e)に示すように、誘電体層303,304の壁面にそれぞれ正および負の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電が停止する。
【0008】
さらに、図13(f)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、逆極性の放電が発生し、負電荷は電極301の方向に進み、正電荷は電極302の方向に進み、図13(c)の状態に戻る。
【0009】
図13(g)に示すように、電極301,302間に壁電圧と逆極性の消去波形を印加することにより誘電体層303,304の壁面に蓄積された壁電荷を消滅させて放電を終了させることができる。この消去波形のパルス幅は、残留壁電荷を打ち消すことができかつ新たに逆極性の壁電荷を蓄積することができないように狭く設定される。一旦壁電荷が消滅すると、図13(h)に示すように、次の維持パルスを印加しても放電は発生しない。
【0010】
このように、放電開始電圧よりも高い書き込みパルスを印加することにより一旦放電が開始された後は、壁電荷の働きにより放電開始電圧よりも低い外部印加電圧(維持パルス)の極性を反転させることにより放電を持続させることができる。書き込みパルスを印加することにより放電を開始させることをアドレス放電と呼び、アドレス放電を行う期間をアドレス期間と呼び、交互に反転する維持パルスを印加することにより放電を持続させることを維持放電と呼び、維持放電を行う期間を維持期間と呼び、消去波形を印加する期間を消去期間と呼ぶ。
【0011】
図14は従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図である。
【0012】
図14に示すように、PDP1は、複数のアドレス電極11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0013】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成されている。各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0014】
アドレスドライバ2は、画像データに応じて複数のアドレス電極11を駆動する。スキャンドライバ3は、複数のスキャン電極12を順に駆動する。サスティンドライバ4は、複数のサスティン電極13を共通に駆動する。
【0015】
図15はAC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図である。
図15に示す放電セル200においては、表面ガラス基板201上に対になるスキャン電極12およびサスティン電極13が画面の水平方向に形成され、それらのスキャン電極12およびサスティン電極13は透明誘電体層202および保護層203で覆われている。一方、表面ガラス基板201に対向する裏面ガラス基板204上にはアドレス電極11が画面の垂直方向に形成され、アドレス電極11上には透明誘電体層205が形成されている。透明誘電体層205上には蛍光体206が塗布されている。
【0016】
この放電セル200では、アドレス電極11とスキャン電極12との間に書き込みパルスを印加することによりアドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生した後、スキャン電極12とサスティン電極13との間に交互に反転する周期的な維持パルスを印加することによりスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が行われる。
【0017】
AC型PDPにおける階調表示駆動方式としては、アドレス放電を行うアドレス期間と維持放電を行う維持期間とを分離して放電セルを放電させるADS(Address and Display−period Separated;アドレス・表示期間分離)方式が用いられている。
【0018】
図16はADS方式を説明するための図である。図16の縦軸は第1ラインから第mラインまでのスキャン電極の走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示す。
【0019】
ADS方式では、1フィールド(1/60秒=16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドに分割する。また、各サブフィールドは、点灯セル選択のためのアドレス放電が行われるアドレス期間と、表示のための維持放電が行われる維持期間(発光期間)とに分割される。
【0020】
図16の例では、1フィールドが4つのサブフィールドSF1,SF2,SF3およびSF4に時間的に分割されている。サブフィールドSF1はアドレス期間AD1と維持期間SUS1とに分離され、サブフィールドSF2はアドレス期間AD2と維持期間SUS2とに分離され、サブフィールドSF3はアドレス期間AD3と維持期間SUS3とに分離され、サブフィールドSF4はアドレス期間AD4と維持期間SUS4とに分離されている。
【0021】
ADS方式では、各サブフィールドで第1ラインから第mラインまでPDPの全面にアドレス放電による走査が行われ、PDPの全面のアドレス放電の終了時に維持放電が行われる。
【0022】
また、ADS方式では、PDPの放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドSF4のみにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、PDPの放電セルの輝度を最も高くしたい場合、サブフィールドSF1〜サブフィールドSF4の全てにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させる。このように、ADS方式では、PDPの放電セルを点灯させる維持期間を選択することにより階調表示を行うことができる。上記のようなADS方式のプラズマディスプレイ装置において、全放電セルの壁電荷を均一に調整するために1フィールドごとに全放電セルに対する初期化を行うことが提案されている(特許文献1,2参照。)。
【0023】
【特許文献1】
特開2000−214823号公報
【特許文献2】
特開2000−242224号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1フィールドごとに初期化を行った場合でも、PDPを構成する放電セルの一部に書き込みパルスを印加したときに、その放電セルがアドレス放電しないことがある。
【0025】
これは、維持放電により放電空間の電荷が励起され、電荷が移動しやすい状態になっており、これによって次のサブフィールドの書き込みのために蓄積した壁電荷が減少してしまうことに起因すると考えられる。
【0026】
本発明の目的は、放電の安定化が図られた表示装置およびその駆動方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
(第1の発明)
第1の発明に係る表示装置は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルと、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するサブフィールド分割手段と、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加する第1の電圧印加手段と、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加する第2の電圧印加手段と、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整する電圧調整手段とを備えたものである。
【0028】
第1の発明に係る表示装置においては、複数の第1の電極が第1の方向に配列され、複数の第2の電極が第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列され、複数の第3の電極が第2の方向に沿って配列され、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に複数の放電セルが設けられる。
【0029】
サブフィールド分割手段により各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割される。各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1のパルス電圧が第1の電圧印加手段により印加されることにより第1の放電が起こる。維持期間に第2の電極と第3の電極との間に交互に反転する第2のパルス電圧が第2の電圧印加手段により周期的に印加されることにより第2の放電が起こる。
【0030】
この場合、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【0031】
(第2の発明)
第2の発明に係る表示装置は、第1の発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、各維持期間において第1の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するものである。
【0032】
この場合、各維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて第1の電極の電位を調整することにより
第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することができる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0033】
(第3の発明)
第3の発明に係る表示装置は、第1の発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、各維持期間において第2の電極および第3の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するものである。
【0034】
この場合、各維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて第2の電極および第3の電極の電位を調整することにより第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することができる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0035】
(第4の発明)
第4の発明に係る表示装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほど第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が大きくなるように第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整するものである。
【0036】
この場合、第1の放電が行われなかった放電セルにおいて維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほどプライミング効果による壁電荷の減少量が大きくなる。したがって、維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほど第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が大きくなるように第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することにより、サブフィールドの維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて、次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な十分の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0037】
(第5の発明)
第5の発明に係る表示装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、サブフィールド分割手段は、各サブフィールドにおける第2のパルス電圧のパルス数を示す情報を出力し、電圧調整手段は、サブフィールド分割手段から出力される情報に基づいて各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整するものである。
【0038】
この場合、第2のパルス電圧のパルス数に基づいて各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が調整される。それにより、第2のパルス電圧のパルス数を制御される場合でも、制御された維持パルス数に応じて第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が調整される。また、第2のパルス電圧のパルス数に応じて減少する壁電荷の量を予め補充して保持することができる。
【0039】
(第6の発明)
第6の発明に係る表示装置の駆動方法は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルとを備えた表示装置の駆動方法であって、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するステップと、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加するステップと、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加するステップと、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するステップとを備えたものである。
【0040】
第6の発明に係る表示装置の駆動方法においては、各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割され、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧が印加され、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧が周期的に印加され、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整される。
【0041】
この場合、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の一例としてプラズマディスプレイ装置について説明する。
【0043】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
図1のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)1、アドレスドライバ2、スキャンドライバ3、サスティンドライバ4、適応型アドレス電荷調整回路5、A/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9a、維持パルス/消去波形発生回路9bおよび初期化波形発生回路10を含む。
【0045】
A/Dコンバータ6には、映像信号VDが入力される。また、A/Dコンバータ6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9a、維持パルス/消去波形発生回路9bおよび初期化波形発生回路10には水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが与えられる。
【0046】
A/Dコンバータ6は、入力されたアナログの映像信号VDを水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてデジタルの画像データに変換し、その画像データを走査数変換部7に与える。走査数変換部7は、A/Dコンバータ6より与えられた画像データをPDP1の画素数に応じたライン数の画像データに変換し、各ラインごとの画像データをサブフィールド変換部8に与える。各ラインごとの画像データは、PDP1を構成する各ラインが有する複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素データからなる。
【0047】
サブフィールド変換部8は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ2にシリアルに出力する。
【0048】
また、サブフィールド変換部8は、各サブフィールドの維持パルス数を含む維持期間情報を適応型アドレス電荷調整回路5、維持パルス発生回路9aおよび維持パルス/消去波形発生回路9bに与える。適応型アドレス電荷調整回路5は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報に応じて調整電圧CVを生成し、その調整電圧CVをアドレスドライバ2に与える。なお、適応型アドレス電荷調整回路5の詳細については後述する。
【0049】
維持パルス発生回路9aは、維持期間情報に基づいて維持パルスを生成し、初期化波形発生回路10に与える。初期化波形発生回路10は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいて初期化波形を生成し、維持パルス発生回路9aより与えられる維持パルスとともにスキャンドライバ3に出力する。
【0050】
一方、維持パルス/消去波形発生回路9bは、水平同期信号H、垂直同期信号Vおよび維持期間情報に基づいて維持パルスおよび消去波形を生成し、サスティンドライバ4に出力する。
【0051】
図1のPDP1は、複数のアドレス電極(データ電極)11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0052】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成され、各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0053】
アドレスドライバ2は、サブフィールド変換部8から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて書き込みパルスを複数のアドレス電極11に選択的に与える。また、アドレスドライバ2は、適応型アドレス電荷調整回路5から与えられる調整電圧CVに応じて後述するように維持期間中のアドレス電極11の電位を調整する。
【0054】
スキャンドライバ3は、初期化波形発生回路10から与えられる初期化波形、書き込みパルスおよび維持パルスを各スキャン電極12に順に与える。
【0055】
サスティンドライバ4は、維持パルス/消去波形発生回路9bから与えられる維持パルスおよび消去波形を複数のサスティン電極13に与える。
【0056】
図2は適応型アドレス電荷調整回路5の構成の一例を示す構成図である。
適応型アドレス電荷調整回路5は、電圧制御回路30、複数の電源回路51,52,53,…,5n、複数のダイオード61,62,63,…,6nおよび複数の電界効果トランジスタ71,72,73,…,7nより構成される。ここで、nは2以上の整数である。
【0057】
なお、電源回路51,52,53,…,5nは、各々異なる電圧を出力する。例えば、電源回路51は−70Vの電圧を出力し、電源回路52は−50Vの電圧を出力する。
【0058】
図2に示すように、電源回路51〜5nは、それぞれダイオード61〜6nおよび電界効果トランジスタ71〜7nを介して出力ノードN1に接続されている。また、電圧制御回路30の出力配線SD1,SD2,SD3,・・・,SDnは、電界効果トランジスタ71〜7nのゲートにそれぞれ接続されている。
【0059】
図2の電圧制御回路30には、サブフィールド変換部8より維持期間情報が与えられる。電圧制御回路30は、与えられる維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて複数の出力配線SD1,SD2,SD3,…,SDnのうちの1本を選択し、その選択された出力配線に選択信号を出力する。それにより、電界効果トランジスタ71〜7nのうち1つがオンし、電源回路51〜5nのうち1つから電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。
【0060】
例えば、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD1に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ71がオンし電源回路51から−70Vの電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。また、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD2に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ72がオンし電源回路52から−50Vの電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。
【0061】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について説明する。
【0062】
図3は図1のPDP1の各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャートである。また、図4は書き込みパルスが印加された放電セルの壁電荷の状態を示す模式図であり、図5は書き込みパルスが印加されない放電セルの壁電荷の状態を示す模式図である。
【0063】
図3のタイミングチャートは、PDP1の垂直方向に配列された1本のアドレス電極11の駆動電圧、そのアドレス電極11と交差する1本のスキャン電極12の駆動電圧および1本のサスティン電極13の駆動電圧を示している。
【0064】
各フィールドは、複数のサブフィールドに分割される。図3の例では、1フィールドが第1〜第8のサブフィールドに分割されている。各サブフィールドは、スキャン電極12に初期化波形を印加して全ての放電セルの壁電荷を均一に調整するための初期化動作(セットアップ動作)を行う初期化期間、アドレス電極11およびスキャン電極12に書き込みパルスを印加してアドレス放電を行うアドレス期間、スキャン電極12およびサスティン電極13に交互に維持パルスを印加して放電を維持させる維持期間およびスキャン電極12とサスティン電極13とに消去波形を印加して放電を停止させる消去期間により構成される。
【0065】
また、図4(a)および図5(a)は初期化期間後の放電セルの状態を示し、図4(b)および図5(b)はアドレス期間中の放電セルの状態を示し、図4(c)および図5(c)は維持期間中の放電セルの状態を示し、図4(d)および図5(d)は消去期間中の放電セルの状態を示し、図4(e)および図5(e)は次のサブフィールドの初期化期間後の放電セルの状態を示す。
【0066】
また、図3に示す第1〜第8のサブフィールドの維持期間の維持パルス数はそれぞれ異なる。第1〜第8のサブフィールドのうち維持期間で放電セルを点灯させるべきサブフィールドを選択し組み合わせることにより256階調の階調表示を行うことができる。
【0067】
例えば、放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、放電セルの輝度を最も高くしたい場合、第1〜第8のサブフィールドの全てにおいてアドレス放電を行った後に放電セルに維持パルスを印加して発光を維持させる。それにより、1フィールドにおける放電セルの発光回数又は発光時間を調整し、階調表示を行うことができる。
【0068】
なお、後述するように、第2〜第8のサブフィールドの初期化期間では、第1のサブフィールドでの初期化期間の初期化波形の電圧波形の一部を用いた疑似初期化放電を行うものとする。
【0069】
本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持期間にアドレス電極11に調整電圧CVが印加されるが、ここでは、アドレス電極11に調整電圧CVが印加されない場合の動作を説明する。
【0070】
まず、図3に示すように、第1のサブフィールドの初期化期間において、アドレスドライバ2によりアドレス電極11が0Vに保持され、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が放電開始電圧に達しないVmまで上昇される。このとき、サスティンドライバ4によりサスティン電極13は0Vに保持される。
【0071】
次に、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmから放電開始電圧を超えるVsetまで上昇される。例えば、Vmは175Vであり、Vsetは395Vである。
【0072】
スキャン電極12の電圧がVmからVsetまで上昇する間に、スキャン電極12とアドレス電極11との間およびスキャン電極12とサスティン電極13との間でそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積されるとともに、アドレス電極11およびサスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0073】
次に、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmまで降下される。一方、このタイミングで、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧がVseuに上昇される。例えば、電圧Vseuは140Vである。
【0074】
次いで、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmからVsecに降下される。スキャン電極12の電圧がVmからVsecまで降下する間に、再びサスティン電極13とスキャン電極12との間で2回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびサスティン電極13の正の壁電荷が減少する。
【0075】
この場合、スキャン電極12とアドレス電極11との間にも同時に放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびアドレス電極11の正の壁電荷が減少する。
【0076】
その結果、図4(a)および図5(a)に示すように、初期化期間後の放電セルにおいては、アドレス電極11に所定量の正の壁電荷が蓄積され、スキャン電極12に所定量の負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に所定量の正の壁電荷が蓄積される。以上により、全ての放電セルの壁電荷の量が均一に調整され、初期化期間が終了する。
【0077】
次に、図3に示す第1のサブフィールドのアドレス期間において、映像信号VDに応じて正極性の書き込みパルスVwがアドレスドライバ2により点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11に印加される。なお、点灯させない放電セルに対応するアドレス電極11には書き込みパルスVwは印加されない。
【0078】
スキャンドライバ3によりスキャン電極12に書き込みパルスVwに同期して電圧Vagから電圧Vaに変化する負極性の書き込みパルスVsが印加される。この場合、点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧は、書き込みパルスVwと書き込みパルスVsとの間の電位差に、初期化期間にスキャン電極12およびアドレス電極11の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。それにより、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、アドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生し、スキャン電極12とサスティン電極13との間で放電が発生する。その結果、図4(b)に示すように、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、アドレス電極11に負の壁電荷が蓄積される。また、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。
【0079】
一方、アドレス期間でアドレス電極11に書き込みパルスVwが印加されない場合には、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えないため、図5(b)に示すように、アドレス電極11とスキャン電極12との交点の放電セルではアドレス放電が発生しない。したがって、放電セルの壁電荷は図5(a)の初期化期間後の状態を維持する。
【0080】
図3に示すように、続く第1のサブフィールドの維持期間においては、スキャン電極12に一定周期で維持パルスViが印加され、サスティン電極13に一定周期で維持パルスVjが印加される。スキャン電極12に印加される維持パルスViの位相は、サスティン電極13に印加される維持パルスVjの位相に対して180度ずれている。例えば、スキャンドライバ3により電圧Vmの維持パルスViがスキャン電極12に印加されたときに、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧は接地電位0Vにされる。サスティンドライバ4により電圧Vmの維持パルスVjがサスティン電極13に印加されたときに、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧は接地電位0Vにされる。
【0081】
なお、上記のように、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持期間において、図2の電圧制御回路30が維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて調整電圧CVをアドレスドライバ2に印加するが、ここでは、調整電圧CVが印加されない場合の動作を説明する。
【0082】
この場合、点灯させるべき放電セルに対応するスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、維持パルスViと維持パルスVjとの間の電位差に、アドレス期間にスキャン電極12およびサスティン電極13の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。まず、図4(b)の状態からスキャン電極12に維持パルスViが印加され、サスティン電極13が接地電位0Vにされる。それにより、スキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、図4(c)に示すように、スキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0083】
次に、スキャン電極12が0Vにされ、サスティン電極13に維持パルスVjが印加される。それにより、スキャン電極12およびサスティン電極13との間で、維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。第1のサブフィールドの終了時には、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積されている。
【0084】
一方、書き込みパルスVwが印加されないためにアドレス放電を起こさなかった放電セルにおけるスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、放電開始電圧を超えない。そのため、図5(c)に示すように、スキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生しない。しかしながら、放電セル内の空間に存在する荷電粒子によるプライミング効果により放電セル内で電荷が移動しやすい状態となっている。ここで、プライミング効果とは、放電セル内に荷電粒子が存在すると、より低い電圧で放電を開始させることが可能となる現象をいう。その結果、プライミング効果により、アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の壁電荷の量が減少する。
【0085】
次いで、図3に示す第1のサブフィールドの消去期間において、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が0VからVmに上昇された後、短期間でVbkに降下される。そして、ほぼ同時にサスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧が接地電位0VからVseuに上昇される。その結果、スキャン電極12とサスティン電極13との間に微弱な消去放電が起こる。それにより、スキャン電極12の壁電荷およびサスティン電極13の壁電荷は、維持放電後より減少し、図4(d)に示すように、スキャン電極12にわずかな負の壁電荷およびサスティン電極13にわずかな正の壁電荷が残存して維持放電が停止する。また、このときアドレス電極11には、スキャン電極12およびサステイン電極13の印加電圧VbkおよびVseuに近い電圧値となるような正の壁電荷が蓄積される。
【0086】
一方、維持放電を起こさなかった放電セルにおいては、電荷量が変化することなく次のサブフィールドの書き込み状態に移行する。
【0087】
次いで、図3に示すように、第2のサブフィールドの初期化期間において、アドレスドライバ2によりアドレス電極11の電圧が0Vに保持され、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVbkからVsecまで降下される。この場合、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧はVseuに保持される。例えば、電圧Vseuは140Vである。
【0088】
このとき、第2のサブフィールドにおいては、第1のサブフィールドにおける初期化波形とは異なる擬似初期化波形の駆動波形がスキャン電極12に印加される。
【0089】
その結果、図4(e)、図5(e)に示すように、放電セルにおいては、図4(a)、図5(a)に示す初期化期間後の放電セルと同様に、アドレス電極11に所定量の正の壁電荷が蓄積され、スキャン電極12に所定量の負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に所定量の正の壁電荷が蓄積された状態となる。その後、第2のサブフィールドのアドレス期間において、アドレス電極11に書き込みパルスVwが印加され、スキャン電極12に書き込みパルスVsが印加されると、アドレス放電が発生する。
【0090】
しかしながら、維持パルス数の多いサブフィールドの後、プライミング効果により所定の壁電荷が蓄積されずにアドレス電極11に蓄積される正の壁電荷が減少し、スキャン電極12に蓄積される負の壁電荷が減少し、サスティン電極13に蓄積される正の壁電荷が減少する。そのため、第2のサブフィールドのアドレス期間において、アドレス電極11に書き込みパルスVwが印加され、スキャン電極12に書き込みパルスVsが印加されても、アドレス放電が生じない。
【0091】
そこで、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、前のサブフィールドにおいてアドレス放電が行われなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドにおいてアドレス放電が安定して行われるように、各サブフィールドの維持期間にアドレス電極11に以下に示すような調整電圧CVを印加している。
【0092】
次に、図6はアドレス電極11に印加される調整電圧CVの働きを示す模式図である。
【0093】
図6(a1),(a2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが0Vの場合を示し、図6(b1),(b2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが−50Vの場合を示し、図6(c1),(c2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが−70Vの場合を示す。図6(a1),(b1),(c1)はそれぞれ維持期間中の放電を起している放電セルの各電極の状態を示し、図6(a2),(b2),(c2)はそれぞれ維持期間終了後の消去放電後の放電セルの各電極の状態を示す。
【0094】
図6(a1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが0Vの場合にスキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には90Vの壁電荷が蓄えられている。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には90Vの壁電荷が蓄えられている。
【0095】
この場合、図6(a2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される90Vの壁電荷の量が70Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0096】
この場合、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されてもアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えずアドレス放電できない状態となる。
【0097】
また、書き込みパルスVwが印加されずに長い維持期間が経過した後の放電セルでは、前のサブフィールドの初期化後の壁電荷の量を保持できず、次のサブフィールドにおいて書き込みパルスVwを印加してもアドレス放電が発生しない。
【0098】
一方、図6(b1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが−50Vの場合、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が50V分増加するので、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられている。
【0099】
この場合、図6(b2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される140Vの壁電荷の量が120Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0100】
しかしながら、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるのでアドレス放電が行われる。
【0101】
また、図6(c1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが−70Vの場合、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が70V分増加するので、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。
【0102】
この場合、図6(c2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される160Vの壁電荷の量が140Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0103】
この場合も、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を十分に超えるので容易にアドレス放電が行われる。したがって、より長い維持期間が経過した後の放電セルでもアドレス放電を行うことが可能となる。
【0104】
以上のように、各サブフィールドの維持期間においてアドレス電極11に調整電圧CVを印加することにより維持パルス数の多い維持期間を経過した後の放電セルや書き込みパルスVwが印加されずアドレス放電しなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドのアドレス放電に必要な所定量の壁電荷を各電極に蓄積することができる。
【0105】
次に、図7は調整電圧CVの具体例を示す模式図である。図7(a)は各サブフィールドを示し、図7(b)はアドレス電極に印加される調整電圧CVを示す。
【0106】
図7(a)に示すように、各サブフィールドSF1〜SF5は、初期化期間R1〜R5、アドレス期間AD1〜AD5、維持期間SUS1〜SUS5および消去期間RS1〜RS5に分離され、サブフィールドSF1の維持期間SUS1が20の重みを有し、サブフィールドSF2の維持期間SUS2が21の重みを有し、サブフィールドSF3の維持期間SUS3が22の重みを有し、サブフィールドSF4の維持期間SUS4が23の重みを有し、サブフィールドSF5の維持期間SUS5が24の重みを有するものとする。この場合、サブフィールドSFS1〜SFS5において維持期間SUS1〜SUS5の長さが順に長くなる。
【0107】
図7(b)に示すように、図2の電圧制御回路30は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報の維持パルス数が多く、維持期間が長い程アドレス電極11に印加される負の調整電圧CVの絶対値を大きくする。
【0108】
すなわち、電圧制御回路30は、維持期間SUS1〜SUS5において調整電圧CVの値をそれぞれCV1〜CV5に設定する。
【0109】
図8は維持パルス数と最適な調整電圧CVとの関係の測定結果を示す図である。図8の縦軸は調整電圧CVの絶対値を示し、横軸は維持パルス数を示す。この測定においては、維持パルス数を変えて書き込みパラメータが一定となる調整電圧CVを最適な調整電圧CVとして求めた。ここで、書き込みパラメータとは、プラズマディスプレイ装置の書き込みの形成遅れパラメータおよび統計遅れパラメータを含む(ITE Technical Report Vol.19,No.66,PP.55〜60,IPU’95−72,IDY’95−177(Nov.1995)テレビジョン学会技術報告参照)。
【0110】
図8に示すように、書き込みパラメータを一定に維持するためには、維持パルス数が多くなるにつれて、調整電圧CVの絶対値を増加すればよいことがわかる。
【0111】
以上のように、本実施の形態のプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持パルス数に応じてアドレス電極11に印加される調整電圧CVが設定されるので、前のサブフィールドでアドレス放電が行われなかった場合でも次のサブフィールドでアドレス放電を行うために必要な所定量の壁電荷をアドレス電極11およびスキャン電極12に保持することができる。
【0112】
なお、本実施の形態においては、予め定められた各維持期間の維持パルス数に応じて電圧制御回路30がアドレス電極11に印加する調整電圧CVを設定しているが、これに限定されず、本発明は、放電セルの点灯率(点灯する放電セルの数/PDP1の全放電セルの数)に応じて各維持期間の維持パルス数を制御するプラズマディスプレイ装置にも適用可能である。この場合、電圧制御回路30は点灯率に応じて各維持期間の維持パルス数が調整された場合、その調整された維持期間の長さに応じて調整電圧CVの絶対値を設定する。
【0113】
また、本実施の形態においては、256階調を表示するため1フィールドを8個のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドの維持期間の維持パルス数が異なることとしたが、これに限定されず、1フィールドを任意の数のサブフィールドに分割することにより任意の数の階調を表示することができる。この場合、一部のサブフィールドの維持期間の維持パルス数をほぼ同じ数にしてもよい。
【0114】
本実施の形態においては、アドレス電極11が第1の電極に相当し、スキャン電極12が第2の電極に相当し、サスティン電極13が第3の電極に相当し、サブフィールド変換部8がサブフィールド分割手段に相当し、アドレス放電が第1の放電に相当し、書き込みパルスVw,Vsが第1のパルス電圧に相当し、アドレスドライバ2およびスキャンドライバ3が第1の電圧印加手段に相当し、維持パルスVi,Vjが第2のパルス電圧に相当し、維持パルス数が第2のパルス電圧のパルス数に相当し、維持期間情報が第2のパルス電圧のパルス数を示す情報に相当し、維持放電が第2の放電に相当し、スキャンドライバ3およびサスティンドライバ4が第2の電圧印加手段に相当し、適応型アドレス電荷調整回路5が電圧調整手段に相当する。
【0115】
(第2の実施の形態)
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態が本発明の第1の実施の形態と異なるのは以下の点である。
【0116】
図9は本発明の第2の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0117】
図9のプラズマディスプレイ装置は、図1に示すプラズマディスプレイ装置の適応型アドレス電荷調整回路5の代わりに適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15を含む。
【0118】
サブフィールド変換部8は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ2にシリアルに出力する。
【0119】
また、サブフィールド変換部8は、各サブフィールドの維持パルス数を含む維持期間情報を適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15、維持パルス発生回路9aおよび維持パルス/消去波形発生回路9bに与える。適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報に応じて調整電圧CVSを生成し、その調整電圧CVSをスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に与える。なお、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15の詳細については後述する。
【0120】
アドレスドライバ2は、サブフィールド変換部8から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて書き込みパルスを複数のアドレス電極11に選択的に与える。
【0121】
スキャンドライバ3は、初期化波形発生回路10から与えられる初期化波形、書き込みパルスおよび維持パルスを各スキャン電極12に順に与える。また、スキャンドライバ3は、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15から与えられる調整電圧CVSに応じて後述するように維持期間中のスキャン電極12の電位を調整する。
【0122】
サスティンドライバ4は、維持パルス/消去波形発生回路9bから与えられる維持パルスおよび消去波形を複数のサスティン電極13に与える。また、サスティンドライバ4は、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15から与えられる調整電圧CVSに応じて後述するように維持期間中のサスティン電極13の電位を調整する。
【0123】
図10は適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15の構成の一例を示す構成図である。
【0124】
適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15は、電圧制御回路30、複数の電源回路81,82,83,…,8n、複数のダイオード91,92,93,…,9nおよび複数の電界効果トランジスタ101,102,103,…,10nより構成される。ここで、nは2以上の整数である。
【0125】
なお、電源回路81,82,83,…,8nは、各々異なる電圧を出力する。例えば、電源回路81は70Vの電圧を出力し、電源回路82は50Vの電圧を出力する。
【0126】
図10に示すように、電源回路81〜8nは、それぞれダイオード91〜9nおよび電界効果トランジスタ101〜10nを介して出力ノードN1に接続されている。また、電圧制御回路30の出力配線SD1,SD2,SD3,・・・,SDnは、電界効果トランジスタ101〜10nのゲートにそれぞれ接続されている。
【0127】
図10の電圧制御回路30には、サブフィールド変換部8より維持期間情報が与えられる。電圧制御回路30は、与えられる維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて複数の出力配線SD1,SD2,SD3,…,SDnのうちの1本を選択し、その選択された出力配線に選択信号を出力する。それにより、電界効果トランジスタ101〜10nのうち1つがオンし、電源回路81〜8nのうち1つから電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。
【0128】
例えば、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD1に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ101がオンし電源回路81から70Vの電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。また、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD2に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ102がオンし電源回路82から50Vの電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。
【0129】
次いで、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について説明する。
【0130】
図11は図9のPDP1の各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャートである。
【0131】
図11のタイミングチャートは、PDP1の垂直方向に配列された1本のアドレス電極11の駆動電圧、そのアドレス電極11と交差する1本のスキャン電極12の駆動電圧および1本のサスティン電極13の駆動電圧を示している。
【0132】
各フィールドは、複数のサブフィールドに分割される。図11の例では、1フィールドが第1〜第8のサブフィールドに分割されている。各サブフィールドは、スキャン電極12に初期化波形を印加して全ての放電セルの壁電荷を均一に調整するための初期化動作(セットアップ動作)を行う初期化期間、アドレス電極11およびスキャン電極12に書き込みパルスを印加してアドレス放電を行うアドレス期間、スキャン電極12およびサスティン電極13に交互に維持パルスを印加して放電を維持させる維持期間およびスキャン電極12とサスティン電極13とに消去波形を印加して放電を停止させる消去期間により構成される。
【0133】
また、図11に示す第1〜第8のサブフィールドの維持期間の維持パルス数はそれぞれ異なる。第1〜第8のサブフィールドのうち維持期間で放電セルを点灯させるべきサブフィールドを選択し組み合わせることにより256階調の階調表示を行うことができる。
【0134】
例えば、放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、放電セルの輝度を最も高くしたい場合、第1〜第8のサブフィールドの全てにおいてアドレス放電を行った後に放電セルに維持パルスを印加して発光を維持させる。それにより、1フィールドにおける放電セルの発光回数又は発光時間を調整し、階調表示を行うことができる。
【0135】
なお、図3に示す駆動電圧と同様に、第2〜第8のサブフィールドの初期化期間では、第1のサブフィールドでの初期化期間の初期化波形の電圧波形の一部を用いた疑似初期化放電を行うものとする。
【0136】
図11に示す第1のサブフィールドの初期化期間およびアドレス期間におけるアドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各電極の駆動電圧は、図3に示す第1のサブフィールドの初期化期間およびアドレス期間における各電極の駆動電圧と同様である。
【0137】
図11に示すように、第1のサブフィールドの維持期間においては、スキャン電極12およびサスティン電極13に維持期間の長さに応じた調整電圧CVSが印加される。さらに、スキャン電極12には調整電圧CVSに加えて一定周期の維持パルスViが印加され、サスティン電極13にも調整電圧CVSに加えて一定周期の維持パルスVjが印加される。以下、維持パルスViを調整電圧CVSの電圧分オフセットした駆動電圧波形を維持パルスVIと呼び、維持パルスVjを調整電圧CVSの電圧分オフセットした駆動電圧波形を維持パルスVJと呼ぶ。スキャン電極12に印加される維持パルスVIの位相は、サスティン電極13に印加される維持パルスVJの位相に対して180度ずれている。
【0138】
次に、図12はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSの働きを示す模式図である。
【0139】
図12(a1),(a2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが0Vの場合を示し、図12(b1),(b2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが50Vの場合を示し、図12(c1),(c2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが70Vの場合を示す。図12(a1),(b1),(c1)はそれぞれ維持期間中の放電を起している放電セルの各電極の状態を示し、図12(a2),(b2),(c2)はそれぞれ維持期間終了後の消去放電後の放電セルの各電極の状態を示す。
【0140】
図12(a1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが0Vの場合にスキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11に90Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11に90Vの壁電荷が蓄えられている。
【0141】
この場合、図12(a2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される90Vの壁電荷の量が70Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0142】
この場合、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されてもアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えずアドレス放電できない状態となる。
【0143】
また、書き込みパルスVwが印加されずに長い維持期間が経過した後の放電セルでは、前のサブフィールドの初期化後の壁電荷の量を保持できず、次のサブフィールドにおいて書き込みパルスVwを印加してもアドレス放電が発生しない。
【0144】
一方、図12(b1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが50Vの場合、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が50V分増加し、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられている。また、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられている。このとき、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられている。
【0145】
この場合、図12(b2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される140Vの壁電荷の量が120Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0146】
しかしながら、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるのでアドレス放電が行われる。
【0147】
また、図12(c1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが70Vの場合、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が70V分増加し、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。
【0148】
この場合、図12(c2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される160Vの壁電荷の量が140Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0149】
この場合も、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を十分に超えるので容易にアドレス放電が行われる。この場合、より長い維持期間が経過した後の放電セルでもアドレス放電を行うことが可能となる。
【0150】
以上のように、スキャン電極12およびサスティン電極13に調整電圧CVSを印加することにより維持パルス数の多い維持期間を経過した後の放電セルや書き込みパルスVwが印加されずアドレス放電しなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドのアドレス放電に必要な所定量の壁電荷を各電極に蓄積することができる。
【0151】
なお、図7に示す調整電圧CVと同様に、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報の維持パルス数が多い程、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される正の調整電圧CVSの絶対値が大きく設定される。
【0152】
本実施の形態においては、アドレス電極11が第1の電極に相当し、スキャン電極12が第2の電極に相当し、サスティン電極13が第3の電極に相当し、サブフィールド変換部8がサブフィールド分割手段に相当し、アドレス放電が第1の放電に相当し、書き込みパルスVw,Vsが第1のパルス電圧に相当し、アドレスドライバ2およびスキャンドライバ3が第1の電圧印加手段に相当し、維持パルスVi,Vjが第2のパルス電圧に相当し、維持パルス数が第2のパルス電圧のパルス数に相当し、維持期間情報が第2のパルス電圧のパルス数を示す情報に相当し、維持放電が第2の放電に相当し、スキャンドライバ3およびサスティンドライバ4が第2の電圧印加手段に相当し、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15が電圧調整手段に相当する。
【0153】
【発明の効果】
本発明によれば、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
【図2】適応型アドレス電荷調整回路の構成の一例を示す構成図
【図3】図1のPDPの各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャート
【図4】書き込みパルスが印加された放電セルの壁電荷の状態を示す模式図
【図5】書き込みパルスが印加されない放電セルの壁電荷の状態を示す模式図
【図6】アドレス電極に印加される調整電圧CVの働きを示す模式図
【図7】調整電圧CVの具体例を示す模式図
【図8】維持パルス数と最適な調整電圧との関係の測定結果を示す図
【図9】本発明の第2の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
【図10】適応型スキャン・サスティン電荷調整回路の構成の一例を示す構成図
【図11】図9のPDPの各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャート
【図12】スキャン電極およびサスティン電極に印加される調整電圧CVSの働きを示す模式図
【図13】AC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図
【図14】従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図
【図15】AC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図
【図16】ADS方式を説明するための図
【符号の説明】
1 PDP(プラズマディスプレイ)
2 アドレスドライバ
3 スキャンドライバ
4 サスティンドライバ
5 適応型アドレス電荷調整回路
6 A/Dコンバータ
7 走査数変換部
8 サブフィールド変換部
9a 維持パルス発生回路
9b 維持パルス/消去波形発生回路
10 初期化波形発生回路
11 アドレス電極
12 スキャン電極
13 サスティン電極
15 適応型スキャン・サスティン電荷調整回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電を制御することにより画像を表示する表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
PDP(プラズマディスプレイパネル)を用いたプラズマディスプレイ装置は、薄型化および大画面化が可能であるという利点を有する。このプラズマディスプレイ装置では、ガス放電の際の発光を利用することにより画像を表示している。
【0003】
図13はAC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図である。図13に示すように、AC型PDPの放電セルにおいては、対向する電極301,302の表面がそれぞれ誘電体層303,304で覆われている。
【0004】
図13(a)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも低い電圧を印加した場合には、放電が起こらない。図13(b)に示すように、電極301,302間に放電開始電圧よりも高いパルス状の電圧(書き込みパルス)を印加すると、放電が発生する。放電が発生すると、負電荷は電極301の方向に進んで誘電体層303の壁面に蓄積され、正電荷は電極302の方向に進んで誘電体層304の壁面に蓄積される。誘電体層303,304の壁面に蓄積された電荷を壁電荷と呼ぶ。また、この壁電荷により誘起された電圧を壁電圧と呼ぶ。
【0005】
図13(c)に示すように、誘電体層303の壁面には負の壁電荷が蓄積され、誘電体層304の壁面には正の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性は、外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電は自動的に停止する。
【0006】
図13(d)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と同じ向きになるため、放電空間内における実効電圧が高くなる。実効電圧が放電開始電圧を超えると、逆極性の放電が発生する。それにより、正電荷が電極301の方向に進み、すでに誘電体層303に蓄積されている負の壁電荷を中和し、負電荷が電極302の方向に進み、すでに誘電体層304に蓄積されている正の壁電荷を中和する。
【0007】
そして、図13(e)に示すように、誘電体層303,304の壁面にそれぞれ正および負の壁電荷が蓄積される。この場合、壁電圧の極性が外部印加電圧の極性と逆向きであるため、放電の進行に従って放電空間内における実効電圧が低下し、放電が停止する。
【0008】
さらに、図13(f)に示すように、外部印加電圧の極性を反転させると、逆極性の放電が発生し、負電荷は電極301の方向に進み、正電荷は電極302の方向に進み、図13(c)の状態に戻る。
【0009】
図13(g)に示すように、電極301,302間に壁電圧と逆極性の消去波形を印加することにより誘電体層303,304の壁面に蓄積された壁電荷を消滅させて放電を終了させることができる。この消去波形のパルス幅は、残留壁電荷を打ち消すことができかつ新たに逆極性の壁電荷を蓄積することができないように狭く設定される。一旦壁電荷が消滅すると、図13(h)に示すように、次の維持パルスを印加しても放電は発生しない。
【0010】
このように、放電開始電圧よりも高い書き込みパルスを印加することにより一旦放電が開始された後は、壁電荷の働きにより放電開始電圧よりも低い外部印加電圧(維持パルス)の極性を反転させることにより放電を持続させることができる。書き込みパルスを印加することにより放電を開始させることをアドレス放電と呼び、アドレス放電を行う期間をアドレス期間と呼び、交互に反転する維持パルスを印加することにより放電を持続させることを維持放電と呼び、維持放電を行う期間を維持期間と呼び、消去波形を印加する期間を消去期間と呼ぶ。
【0011】
図14は従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図である。
【0012】
図14に示すように、PDP1は、複数のアドレス電極11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0013】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成されている。各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0014】
アドレスドライバ2は、画像データに応じて複数のアドレス電極11を駆動する。スキャンドライバ3は、複数のスキャン電極12を順に駆動する。サスティンドライバ4は、複数のサスティン電極13を共通に駆動する。
【0015】
図15はAC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図である。
図15に示す放電セル200においては、表面ガラス基板201上に対になるスキャン電極12およびサスティン電極13が画面の水平方向に形成され、それらのスキャン電極12およびサスティン電極13は透明誘電体層202および保護層203で覆われている。一方、表面ガラス基板201に対向する裏面ガラス基板204上にはアドレス電極11が画面の垂直方向に形成され、アドレス電極11上には透明誘電体層205が形成されている。透明誘電体層205上には蛍光体206が塗布されている。
【0016】
この放電セル200では、アドレス電極11とスキャン電極12との間に書き込みパルスを印加することによりアドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生した後、スキャン電極12とサスティン電極13との間に交互に反転する周期的な維持パルスを印加することによりスキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が行われる。
【0017】
AC型PDPにおける階調表示駆動方式としては、アドレス放電を行うアドレス期間と維持放電を行う維持期間とを分離して放電セルを放電させるADS(Address and Display−period Separated;アドレス・表示期間分離)方式が用いられている。
【0018】
図16はADS方式を説明するための図である。図16の縦軸は第1ラインから第mラインまでのスキャン電極の走査方向(垂直走査方向)を示し、横軸は時間を示す。
【0019】
ADS方式では、1フィールド(1/60秒=16.67ms)を複数のサブフィールドに時間的に分割する。例えば、8ビットで256階調表示を行う場合には、1フィールドを8つのサブフィールドに分割する。また、各サブフィールドは、点灯セル選択のためのアドレス放電が行われるアドレス期間と、表示のための維持放電が行われる維持期間(発光期間)とに分割される。
【0020】
図16の例では、1フィールドが4つのサブフィールドSF1,SF2,SF3およびSF4に時間的に分割されている。サブフィールドSF1はアドレス期間AD1と維持期間SUS1とに分離され、サブフィールドSF2はアドレス期間AD2と維持期間SUS2とに分離され、サブフィールドSF3はアドレス期間AD3と維持期間SUS3とに分離され、サブフィールドSF4はアドレス期間AD4と維持期間SUS4とに分離されている。
【0021】
ADS方式では、各サブフィールドで第1ラインから第mラインまでPDPの全面にアドレス放電による走査が行われ、PDPの全面のアドレス放電の終了時に維持放電が行われる。
【0022】
また、ADS方式では、PDPの放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドSF4のみにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、PDPの放電セルの輝度を最も高くしたい場合、サブフィールドSF1〜サブフィールドSF4の全てにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させる。このように、ADS方式では、PDPの放電セルを点灯させる維持期間を選択することにより階調表示を行うことができる。上記のようなADS方式のプラズマディスプレイ装置において、全放電セルの壁電荷を均一に調整するために1フィールドごとに全放電セルに対する初期化を行うことが提案されている(特許文献1,2参照。)。
【0023】
【特許文献1】
特開2000−214823号公報
【特許文献2】
特開2000−242224号公報
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、1フィールドごとに初期化を行った場合でも、PDPを構成する放電セルの一部に書き込みパルスを印加したときに、その放電セルがアドレス放電しないことがある。
【0025】
これは、維持放電により放電空間の電荷が励起され、電荷が移動しやすい状態になっており、これによって次のサブフィールドの書き込みのために蓄積した壁電荷が減少してしまうことに起因すると考えられる。
【0026】
本発明の目的は、放電の安定化が図られた表示装置およびその駆動方法を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】
(第1の発明)
第1の発明に係る表示装置は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルと、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するサブフィールド分割手段と、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加する第1の電圧印加手段と、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加する第2の電圧印加手段と、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整する電圧調整手段とを備えたものである。
【0028】
第1の発明に係る表示装置においては、複数の第1の電極が第1の方向に配列され、複数の第2の電極が第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列され、複数の第3の電極が第2の方向に沿って配列され、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に複数の放電セルが設けられる。
【0029】
サブフィールド分割手段により各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割される。各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1のパルス電圧が第1の電圧印加手段により印加されることにより第1の放電が起こる。維持期間に第2の電極と第3の電極との間に交互に反転する第2のパルス電圧が第2の電圧印加手段により周期的に印加されることにより第2の放電が起こる。
【0030】
この場合、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【0031】
(第2の発明)
第2の発明に係る表示装置は、第1の発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、各維持期間において第1の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するものである。
【0032】
この場合、各維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて第1の電極の電位を調整することにより
第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することができる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0033】
(第3の発明)
第3の発明に係る表示装置は、第1の発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、各維持期間において第2の電極および第3の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するものである。
【0034】
この場合、各維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて第2の電極および第3の電極の電位を調整することにより第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することができる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0035】
(第4の発明)
第4の発明に係る表示装置は、第1〜第3のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、電圧調整手段は、維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほど第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が大きくなるように第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整するものである。
【0036】
この場合、第1の放電が行われなかった放電セルにおいて維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほどプライミング効果による壁電荷の減少量が大きくなる。したがって、維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほど第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が大きくなるように第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整することにより、サブフィールドの維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に応じて、次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な十分の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができる。
【0037】
(第5の発明)
第5の発明に係る表示装置は、第1〜第4のいずれかの発明に係る表示装置の構成において、サブフィールド分割手段は、各サブフィールドにおける第2のパルス電圧のパルス数を示す情報を出力し、電圧調整手段は、サブフィールド分割手段から出力される情報に基づいて各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧を調整するものである。
【0038】
この場合、第2のパルス電圧のパルス数に基づいて各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が調整される。それにより、第2のパルス電圧のパルス数を制御される場合でも、制御された維持パルス数に応じて第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧が調整される。また、第2のパルス電圧のパルス数に応じて減少する壁電荷の量を予め補充して保持することができる。
【0039】
(第6の発明)
第6の発明に係る表示装置の駆動方法は、第1の方向に配列された複数の第1の電極と、第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、複数の第1の電極、複数の第2の電極および複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルとを備えた表示装置の駆動方法であって、各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するステップと、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加するステップと、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加するステップと、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するステップとを備えたものである。
【0040】
第6の発明に係る表示装置の駆動方法においては、各フィールドがアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割され、各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧が印加され、維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧が周期的に印加され、各維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整される。
【0041】
この場合、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置の一例としてプラズマディスプレイ装置について説明する。
【0043】
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0044】
図1のプラズマディスプレイ装置は、PDP(プラズマディスプレイパネル)1、アドレスドライバ2、スキャンドライバ3、サスティンドライバ4、適応型アドレス電荷調整回路5、A/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9a、維持パルス/消去波形発生回路9bおよび初期化波形発生回路10を含む。
【0045】
A/Dコンバータ6には、映像信号VDが入力される。また、A/Dコンバータ6、走査数変換部7、サブフィールド変換部8、維持パルス発生回路9a、維持パルス/消去波形発生回路9bおよび初期化波形発生回路10には水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが与えられる。
【0046】
A/Dコンバータ6は、入力されたアナログの映像信号VDを水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいてデジタルの画像データに変換し、その画像データを走査数変換部7に与える。走査数変換部7は、A/Dコンバータ6より与えられた画像データをPDP1の画素数に応じたライン数の画像データに変換し、各ラインごとの画像データをサブフィールド変換部8に与える。各ラインごとの画像データは、PDP1を構成する各ラインが有する複数の画素にそれぞれ対応する複数の画素データからなる。
【0047】
サブフィールド変換部8は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ2にシリアルに出力する。
【0048】
また、サブフィールド変換部8は、各サブフィールドの維持パルス数を含む維持期間情報を適応型アドレス電荷調整回路5、維持パルス発生回路9aおよび維持パルス/消去波形発生回路9bに与える。適応型アドレス電荷調整回路5は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報に応じて調整電圧CVを生成し、その調整電圧CVをアドレスドライバ2に与える。なお、適応型アドレス電荷調整回路5の詳細については後述する。
【0049】
維持パルス発生回路9aは、維持期間情報に基づいて維持パルスを生成し、初期化波形発生回路10に与える。初期化波形発生回路10は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vに基づいて初期化波形を生成し、維持パルス発生回路9aより与えられる維持パルスとともにスキャンドライバ3に出力する。
【0050】
一方、維持パルス/消去波形発生回路9bは、水平同期信号H、垂直同期信号Vおよび維持期間情報に基づいて維持パルスおよび消去波形を生成し、サスティンドライバ4に出力する。
【0051】
図1のPDP1は、複数のアドレス電極(データ電極)11、複数のスキャン電極(走査電極)12および複数のサスティン電極(維持電極)13を含む。複数のアドレス電極11は画面の垂直方向に配列され、複数のスキャン電極12および複数のサスティン電極13は画面の水平方向に配列されている。複数のサスティン電極13は共通に接続されている。
【0052】
アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各交点に放電セルが形成され、各放電セルが画面上の画素を構成する。
【0053】
アドレスドライバ2は、サブフィールド変換部8から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて書き込みパルスを複数のアドレス電極11に選択的に与える。また、アドレスドライバ2は、適応型アドレス電荷調整回路5から与えられる調整電圧CVに応じて後述するように維持期間中のアドレス電極11の電位を調整する。
【0054】
スキャンドライバ3は、初期化波形発生回路10から与えられる初期化波形、書き込みパルスおよび維持パルスを各スキャン電極12に順に与える。
【0055】
サスティンドライバ4は、維持パルス/消去波形発生回路9bから与えられる維持パルスおよび消去波形を複数のサスティン電極13に与える。
【0056】
図2は適応型アドレス電荷調整回路5の構成の一例を示す構成図である。
適応型アドレス電荷調整回路5は、電圧制御回路30、複数の電源回路51,52,53,…,5n、複数のダイオード61,62,63,…,6nおよび複数の電界効果トランジスタ71,72,73,…,7nより構成される。ここで、nは2以上の整数である。
【0057】
なお、電源回路51,52,53,…,5nは、各々異なる電圧を出力する。例えば、電源回路51は−70Vの電圧を出力し、電源回路52は−50Vの電圧を出力する。
【0058】
図2に示すように、電源回路51〜5nは、それぞれダイオード61〜6nおよび電界効果トランジスタ71〜7nを介して出力ノードN1に接続されている。また、電圧制御回路30の出力配線SD1,SD2,SD3,・・・,SDnは、電界効果トランジスタ71〜7nのゲートにそれぞれ接続されている。
【0059】
図2の電圧制御回路30には、サブフィールド変換部8より維持期間情報が与えられる。電圧制御回路30は、与えられる維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて複数の出力配線SD1,SD2,SD3,…,SDnのうちの1本を選択し、その選択された出力配線に選択信号を出力する。それにより、電界効果トランジスタ71〜7nのうち1つがオンし、電源回路51〜5nのうち1つから電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。
【0060】
例えば、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD1に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ71がオンし電源回路51から−70Vの電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。また、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD2に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ72がオンし電源回路52から−50Vの電圧が調整電圧CVとしてアドレスドライバ2に供給される。
【0061】
次いで、本発明の第1の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について説明する。
【0062】
図3は図1のPDP1の各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャートである。また、図4は書き込みパルスが印加された放電セルの壁電荷の状態を示す模式図であり、図5は書き込みパルスが印加されない放電セルの壁電荷の状態を示す模式図である。
【0063】
図3のタイミングチャートは、PDP1の垂直方向に配列された1本のアドレス電極11の駆動電圧、そのアドレス電極11と交差する1本のスキャン電極12の駆動電圧および1本のサスティン電極13の駆動電圧を示している。
【0064】
各フィールドは、複数のサブフィールドに分割される。図3の例では、1フィールドが第1〜第8のサブフィールドに分割されている。各サブフィールドは、スキャン電極12に初期化波形を印加して全ての放電セルの壁電荷を均一に調整するための初期化動作(セットアップ動作)を行う初期化期間、アドレス電極11およびスキャン電極12に書き込みパルスを印加してアドレス放電を行うアドレス期間、スキャン電極12およびサスティン電極13に交互に維持パルスを印加して放電を維持させる維持期間およびスキャン電極12とサスティン電極13とに消去波形を印加して放電を停止させる消去期間により構成される。
【0065】
また、図4(a)および図5(a)は初期化期間後の放電セルの状態を示し、図4(b)および図5(b)はアドレス期間中の放電セルの状態を示し、図4(c)および図5(c)は維持期間中の放電セルの状態を示し、図4(d)および図5(d)は消去期間中の放電セルの状態を示し、図4(e)および図5(e)は次のサブフィールドの初期化期間後の放電セルの状態を示す。
【0066】
また、図3に示す第1〜第8のサブフィールドの維持期間の維持パルス数はそれぞれ異なる。第1〜第8のサブフィールドのうち維持期間で放電セルを点灯させるべきサブフィールドを選択し組み合わせることにより256階調の階調表示を行うことができる。
【0067】
例えば、放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、放電セルの輝度を最も高くしたい場合、第1〜第8のサブフィールドの全てにおいてアドレス放電を行った後に放電セルに維持パルスを印加して発光を維持させる。それにより、1フィールドにおける放電セルの発光回数又は発光時間を調整し、階調表示を行うことができる。
【0068】
なお、後述するように、第2〜第8のサブフィールドの初期化期間では、第1のサブフィールドでの初期化期間の初期化波形の電圧波形の一部を用いた疑似初期化放電を行うものとする。
【0069】
本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持期間にアドレス電極11に調整電圧CVが印加されるが、ここでは、アドレス電極11に調整電圧CVが印加されない場合の動作を説明する。
【0070】
まず、図3に示すように、第1のサブフィールドの初期化期間において、アドレスドライバ2によりアドレス電極11が0Vに保持され、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が放電開始電圧に達しないVmまで上昇される。このとき、サスティンドライバ4によりサスティン電極13は0Vに保持される。
【0071】
次に、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmから放電開始電圧を超えるVsetまで上昇される。例えば、Vmは175Vであり、Vsetは395Vである。
【0072】
スキャン電極12の電圧がVmからVsetまで上昇する間に、スキャン電極12とアドレス電極11との間およびスキャン電極12とサスティン電極13との間でそれぞれ1回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積されるとともに、アドレス電極11およびサスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0073】
次に、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmまで降下される。一方、このタイミングで、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧がVseuに上昇される。例えば、電圧Vseuは140Vである。
【0074】
次いで、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVmからVsecに降下される。スキャン電極12の電圧がVmからVsecまで降下する間に、再びサスティン電極13とスキャン電極12との間で2回目の微弱な初期化放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびサスティン電極13の正の壁電荷が減少する。
【0075】
この場合、スキャン電極12とアドレス電極11との間にも同時に放電が起こり、スキャン電極12の負の壁電荷およびアドレス電極11の正の壁電荷が減少する。
【0076】
その結果、図4(a)および図5(a)に示すように、初期化期間後の放電セルにおいては、アドレス電極11に所定量の正の壁電荷が蓄積され、スキャン電極12に所定量の負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に所定量の正の壁電荷が蓄積される。以上により、全ての放電セルの壁電荷の量が均一に調整され、初期化期間が終了する。
【0077】
次に、図3に示す第1のサブフィールドのアドレス期間において、映像信号VDに応じて正極性の書き込みパルスVwがアドレスドライバ2により点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11に印加される。なお、点灯させない放電セルに対応するアドレス電極11には書き込みパルスVwは印加されない。
【0078】
スキャンドライバ3によりスキャン電極12に書き込みパルスVwに同期して電圧Vagから電圧Vaに変化する負極性の書き込みパルスVsが印加される。この場合、点灯させるべき放電セルに対応するアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧は、書き込みパルスVwと書き込みパルスVsとの間の電位差に、初期化期間にスキャン電極12およびアドレス電極11の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。それにより、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、アドレス電極11とスキャン電極12との間でアドレス放電が発生し、スキャン電極12とサスティン電極13との間で放電が発生する。その結果、図4(b)に示すように、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、アドレス電極11に負の壁電荷が蓄積される。また、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。
【0079】
一方、アドレス期間でアドレス電極11に書き込みパルスVwが印加されない場合には、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えないため、図5(b)に示すように、アドレス電極11とスキャン電極12との交点の放電セルではアドレス放電が発生しない。したがって、放電セルの壁電荷は図5(a)の初期化期間後の状態を維持する。
【0080】
図3に示すように、続く第1のサブフィールドの維持期間においては、スキャン電極12に一定周期で維持パルスViが印加され、サスティン電極13に一定周期で維持パルスVjが印加される。スキャン電極12に印加される維持パルスViの位相は、サスティン電極13に印加される維持パルスVjの位相に対して180度ずれている。例えば、スキャンドライバ3により電圧Vmの維持パルスViがスキャン電極12に印加されたときに、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧は接地電位0Vにされる。サスティンドライバ4により電圧Vmの維持パルスVjがサスティン電極13に印加されたときに、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧は接地電位0Vにされる。
【0081】
なお、上記のように、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持期間において、図2の電圧制御回路30が維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて調整電圧CVをアドレスドライバ2に印加するが、ここでは、調整電圧CVが印加されない場合の動作を説明する。
【0082】
この場合、点灯させるべき放電セルに対応するスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、維持パルスViと維持パルスVjとの間の電位差に、アドレス期間にスキャン電極12およびサスティン電極13の各々に蓄積された壁電荷による壁電圧を加算した値となる。まず、図4(b)の状態からスキャン電極12に維持パルスViが印加され、サスティン電極13が接地電位0Vにされる。それにより、スキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるため、図4(c)に示すように、スキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に正の壁電荷が蓄積される。
【0083】
次に、スキャン電極12が0Vにされ、サスティン電極13に維持パルスVjが印加される。それにより、スキャン電極12およびサスティン電極13との間で、維持放電が発生する。その結果、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積される。第1のサブフィールドの終了時には、スキャン電極12に正の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に負の壁電荷が蓄積されている。
【0084】
一方、書き込みパルスVwが印加されないためにアドレス放電を起こさなかった放電セルにおけるスキャン電極12とサスティン電極13との間の実効電圧は、放電開始電圧を超えない。そのため、図5(c)に示すように、スキャン電極12とサスティン電極13との間で維持放電が発生しない。しかしながら、放電セル内の空間に存在する荷電粒子によるプライミング効果により放電セル内で電荷が移動しやすい状態となっている。ここで、プライミング効果とは、放電セル内に荷電粒子が存在すると、より低い電圧で放電を開始させることが可能となる現象をいう。その結果、プライミング効果により、アドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の壁電荷の量が減少する。
【0085】
次いで、図3に示す第1のサブフィールドの消去期間において、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧が0VからVmに上昇された後、短期間でVbkに降下される。そして、ほぼ同時にサスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧が接地電位0VからVseuに上昇される。その結果、スキャン電極12とサスティン電極13との間に微弱な消去放電が起こる。それにより、スキャン電極12の壁電荷およびサスティン電極13の壁電荷は、維持放電後より減少し、図4(d)に示すように、スキャン電極12にわずかな負の壁電荷およびサスティン電極13にわずかな正の壁電荷が残存して維持放電が停止する。また、このときアドレス電極11には、スキャン電極12およびサステイン電極13の印加電圧VbkおよびVseuに近い電圧値となるような正の壁電荷が蓄積される。
【0086】
一方、維持放電を起こさなかった放電セルにおいては、電荷量が変化することなく次のサブフィールドの書き込み状態に移行する。
【0087】
次いで、図3に示すように、第2のサブフィールドの初期化期間において、アドレスドライバ2によりアドレス電極11の電圧が0Vに保持され、スキャンドライバ3によりスキャン電極12の電圧がVbkからVsecまで降下される。この場合、サスティンドライバ4によりサスティン電極13の電圧はVseuに保持される。例えば、電圧Vseuは140Vである。
【0088】
このとき、第2のサブフィールドにおいては、第1のサブフィールドにおける初期化波形とは異なる擬似初期化波形の駆動波形がスキャン電極12に印加される。
【0089】
その結果、図4(e)、図5(e)に示すように、放電セルにおいては、図4(a)、図5(a)に示す初期化期間後の放電セルと同様に、アドレス電極11に所定量の正の壁電荷が蓄積され、スキャン電極12に所定量の負の壁電荷が蓄積され、サスティン電極13に所定量の正の壁電荷が蓄積された状態となる。その後、第2のサブフィールドのアドレス期間において、アドレス電極11に書き込みパルスVwが印加され、スキャン電極12に書き込みパルスVsが印加されると、アドレス放電が発生する。
【0090】
しかしながら、維持パルス数の多いサブフィールドの後、プライミング効果により所定の壁電荷が蓄積されずにアドレス電極11に蓄積される正の壁電荷が減少し、スキャン電極12に蓄積される負の壁電荷が減少し、サスティン電極13に蓄積される正の壁電荷が減少する。そのため、第2のサブフィールドのアドレス期間において、アドレス電極11に書き込みパルスVwが印加され、スキャン電極12に書き込みパルスVsが印加されても、アドレス放電が生じない。
【0091】
そこで、本実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置では、前のサブフィールドにおいてアドレス放電が行われなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドにおいてアドレス放電が安定して行われるように、各サブフィールドの維持期間にアドレス電極11に以下に示すような調整電圧CVを印加している。
【0092】
次に、図6はアドレス電極11に印加される調整電圧CVの働きを示す模式図である。
【0093】
図6(a1),(a2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが0Vの場合を示し、図6(b1),(b2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが−50Vの場合を示し、図6(c1),(c2)はアドレス電極11に印加される調整電圧CVが−70Vの場合を示す。図6(a1),(b1),(c1)はそれぞれ維持期間中の放電を起している放電セルの各電極の状態を示し、図6(a2),(b2),(c2)はそれぞれ維持期間終了後の消去放電後の放電セルの各電極の状態を示す。
【0094】
図6(a1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが0Vの場合にスキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には90Vの壁電荷が蓄えられている。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には90Vの壁電荷が蓄えられている。
【0095】
この場合、図6(a2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される90Vの壁電荷の量が70Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0096】
この場合、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されてもアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えずアドレス放電できない状態となる。
【0097】
また、書き込みパルスVwが印加されずに長い維持期間が経過した後の放電セルでは、前のサブフィールドの初期化後の壁電荷の量を保持できず、次のサブフィールドにおいて書き込みパルスVwを印加してもアドレス放電が発生しない。
【0098】
一方、図6(b1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが−50Vの場合、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が50V分増加するので、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられている。
【0099】
この場合、図6(b2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される140Vの壁電荷の量が120Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0100】
しかしながら、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるのでアドレス放電が行われる。
【0101】
また、図6(c1)に示すように、アドレス電極11に印加される調整電圧CVが−70Vの場合、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が70V分増加するので、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。
【0102】
この場合、図6(c2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される160Vの壁電荷の量が140Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0103】
この場合も、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を十分に超えるので容易にアドレス放電が行われる。したがって、より長い維持期間が経過した後の放電セルでもアドレス放電を行うことが可能となる。
【0104】
以上のように、各サブフィールドの維持期間においてアドレス電極11に調整電圧CVを印加することにより維持パルス数の多い維持期間を経過した後の放電セルや書き込みパルスVwが印加されずアドレス放電しなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドのアドレス放電に必要な所定量の壁電荷を各電極に蓄積することができる。
【0105】
次に、図7は調整電圧CVの具体例を示す模式図である。図7(a)は各サブフィールドを示し、図7(b)はアドレス電極に印加される調整電圧CVを示す。
【0106】
図7(a)に示すように、各サブフィールドSF1〜SF5は、初期化期間R1〜R5、アドレス期間AD1〜AD5、維持期間SUS1〜SUS5および消去期間RS1〜RS5に分離され、サブフィールドSF1の維持期間SUS1が20の重みを有し、サブフィールドSF2の維持期間SUS2が21の重みを有し、サブフィールドSF3の維持期間SUS3が22の重みを有し、サブフィールドSF4の維持期間SUS4が23の重みを有し、サブフィールドSF5の維持期間SUS5が24の重みを有するものとする。この場合、サブフィールドSFS1〜SFS5において維持期間SUS1〜SUS5の長さが順に長くなる。
【0107】
図7(b)に示すように、図2の電圧制御回路30は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報の維持パルス数が多く、維持期間が長い程アドレス電極11に印加される負の調整電圧CVの絶対値を大きくする。
【0108】
すなわち、電圧制御回路30は、維持期間SUS1〜SUS5において調整電圧CVの値をそれぞれCV1〜CV5に設定する。
【0109】
図8は維持パルス数と最適な調整電圧CVとの関係の測定結果を示す図である。図8の縦軸は調整電圧CVの絶対値を示し、横軸は維持パルス数を示す。この測定においては、維持パルス数を変えて書き込みパラメータが一定となる調整電圧CVを最適な調整電圧CVとして求めた。ここで、書き込みパラメータとは、プラズマディスプレイ装置の書き込みの形成遅れパラメータおよび統計遅れパラメータを含む(ITE Technical Report Vol.19,No.66,PP.55〜60,IPU’95−72,IDY’95−177(Nov.1995)テレビジョン学会技術報告参照)。
【0110】
図8に示すように、書き込みパラメータを一定に維持するためには、維持パルス数が多くなるにつれて、調整電圧CVの絶対値を増加すればよいことがわかる。
【0111】
以上のように、本実施の形態のプラズマディスプレイ装置では、各サブフィールドの維持パルス数に応じてアドレス電極11に印加される調整電圧CVが設定されるので、前のサブフィールドでアドレス放電が行われなかった場合でも次のサブフィールドでアドレス放電を行うために必要な所定量の壁電荷をアドレス電極11およびスキャン電極12に保持することができる。
【0112】
なお、本実施の形態においては、予め定められた各維持期間の維持パルス数に応じて電圧制御回路30がアドレス電極11に印加する調整電圧CVを設定しているが、これに限定されず、本発明は、放電セルの点灯率(点灯する放電セルの数/PDP1の全放電セルの数)に応じて各維持期間の維持パルス数を制御するプラズマディスプレイ装置にも適用可能である。この場合、電圧制御回路30は点灯率に応じて各維持期間の維持パルス数が調整された場合、その調整された維持期間の長さに応じて調整電圧CVの絶対値を設定する。
【0113】
また、本実施の形態においては、256階調を表示するため1フィールドを8個のサブフィールドに分割し、それぞれのサブフィールドの維持期間の維持パルス数が異なることとしたが、これに限定されず、1フィールドを任意の数のサブフィールドに分割することにより任意の数の階調を表示することができる。この場合、一部のサブフィールドの維持期間の維持パルス数をほぼ同じ数にしてもよい。
【0114】
本実施の形態においては、アドレス電極11が第1の電極に相当し、スキャン電極12が第2の電極に相当し、サスティン電極13が第3の電極に相当し、サブフィールド変換部8がサブフィールド分割手段に相当し、アドレス放電が第1の放電に相当し、書き込みパルスVw,Vsが第1のパルス電圧に相当し、アドレスドライバ2およびスキャンドライバ3が第1の電圧印加手段に相当し、維持パルスVi,Vjが第2のパルス電圧に相当し、維持パルス数が第2のパルス電圧のパルス数に相当し、維持期間情報が第2のパルス電圧のパルス数を示す情報に相当し、維持放電が第2の放電に相当し、スキャンドライバ3およびサスティンドライバ4が第2の電圧印加手段に相当し、適応型アドレス電荷調整回路5が電圧調整手段に相当する。
【0115】
(第2の実施の形態)
次いで、本発明の第2の実施の形態について説明する。本発明の第2の実施の形態が本発明の第1の実施の形態と異なるのは以下の点である。
【0116】
図9は本発明の第2の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図である。
【0117】
図9のプラズマディスプレイ装置は、図1に示すプラズマディスプレイ装置の適応型アドレス電荷調整回路5の代わりに適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15を含む。
【0118】
サブフィールド変換部8は、各ラインごとの画像データの各画素データを複数のサブフィールドに対応する複数のビットに分割し、各サブフィールドごとに各画素データの各ビットをアドレスドライバ2にシリアルに出力する。
【0119】
また、サブフィールド変換部8は、各サブフィールドの維持パルス数を含む維持期間情報を適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15、維持パルス発生回路9aおよび維持パルス/消去波形発生回路9bに与える。適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15は、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報に応じて調整電圧CVSを生成し、その調整電圧CVSをスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に与える。なお、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15の詳細については後述する。
【0120】
アドレスドライバ2は、サブフィールド変換部8から各サブフィールドごとにシリアルに与えられるデータをパラレルデータに変換し、そのパラレルデータに基づいて書き込みパルスを複数のアドレス電極11に選択的に与える。
【0121】
スキャンドライバ3は、初期化波形発生回路10から与えられる初期化波形、書き込みパルスおよび維持パルスを各スキャン電極12に順に与える。また、スキャンドライバ3は、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15から与えられる調整電圧CVSに応じて後述するように維持期間中のスキャン電極12の電位を調整する。
【0122】
サスティンドライバ4は、維持パルス/消去波形発生回路9bから与えられる維持パルスおよび消去波形を複数のサスティン電極13に与える。また、サスティンドライバ4は、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15から与えられる調整電圧CVSに応じて後述するように維持期間中のサスティン電極13の電位を調整する。
【0123】
図10は適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15の構成の一例を示す構成図である。
【0124】
適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15は、電圧制御回路30、複数の電源回路81,82,83,…,8n、複数のダイオード91,92,93,…,9nおよび複数の電界効果トランジスタ101,102,103,…,10nより構成される。ここで、nは2以上の整数である。
【0125】
なお、電源回路81,82,83,…,8nは、各々異なる電圧を出力する。例えば、電源回路81は70Vの電圧を出力し、電源回路82は50Vの電圧を出力する。
【0126】
図10に示すように、電源回路81〜8nは、それぞれダイオード91〜9nおよび電界効果トランジスタ101〜10nを介して出力ノードN1に接続されている。また、電圧制御回路30の出力配線SD1,SD2,SD3,・・・,SDnは、電界効果トランジスタ101〜10nのゲートにそれぞれ接続されている。
【0127】
図10の電圧制御回路30には、サブフィールド変換部8より維持期間情報が与えられる。電圧制御回路30は、与えられる維持期間情報に含まれる維持パルス数に応じて複数の出力配線SD1,SD2,SD3,…,SDnのうちの1本を選択し、その選択された出力配線に選択信号を出力する。それにより、電界効果トランジスタ101〜10nのうち1つがオンし、電源回路81〜8nのうち1つから電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。
【0128】
例えば、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD1に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ101がオンし電源回路81から70Vの電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。また、電圧制御回路30が維持パルス数に応じて出力配線SD2に選択信号を出力した場合、電界効果トランジスタ102がオンし電源回路82から50Vの電圧が調整電圧CVSとしてスキャンドライバ3およびサスティンドライバ4に供給される。
【0129】
次いで、本発明の第2の実施の形態に係るプラズマディスプレイ装置の駆動方法について説明する。
【0130】
図11は図9のPDP1の各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャートである。
【0131】
図11のタイミングチャートは、PDP1の垂直方向に配列された1本のアドレス電極11の駆動電圧、そのアドレス電極11と交差する1本のスキャン電極12の駆動電圧および1本のサスティン電極13の駆動電圧を示している。
【0132】
各フィールドは、複数のサブフィールドに分割される。図11の例では、1フィールドが第1〜第8のサブフィールドに分割されている。各サブフィールドは、スキャン電極12に初期化波形を印加して全ての放電セルの壁電荷を均一に調整するための初期化動作(セットアップ動作)を行う初期化期間、アドレス電極11およびスキャン電極12に書き込みパルスを印加してアドレス放電を行うアドレス期間、スキャン電極12およびサスティン電極13に交互に維持パルスを印加して放電を維持させる維持期間およびスキャン電極12とサスティン電極13とに消去波形を印加して放電を停止させる消去期間により構成される。
【0133】
また、図11に示す第1〜第8のサブフィールドの維持期間の維持パルス数はそれぞれ異なる。第1〜第8のサブフィールドのうち維持期間で放電セルを点灯させるべきサブフィールドを選択し組み合わせることにより256階調の階調表示を行うことができる。
【0134】
例えば、放電セルの輝度を最も低くしたい場合、最も維持期間の短いサブフィールドにおいてアドレス放電を行った後に維持パルスを放電セルに印加して発光を維持させ、放電セルの輝度を最も高くしたい場合、第1〜第8のサブフィールドの全てにおいてアドレス放電を行った後に放電セルに維持パルスを印加して発光を維持させる。それにより、1フィールドにおける放電セルの発光回数又は発光時間を調整し、階調表示を行うことができる。
【0135】
なお、図3に示す駆動電圧と同様に、第2〜第8のサブフィールドの初期化期間では、第1のサブフィールドでの初期化期間の初期化波形の電圧波形の一部を用いた疑似初期化放電を行うものとする。
【0136】
図11に示す第1のサブフィールドの初期化期間およびアドレス期間におけるアドレス電極11、スキャン電極12およびサスティン電極13の各電極の駆動電圧は、図3に示す第1のサブフィールドの初期化期間およびアドレス期間における各電極の駆動電圧と同様である。
【0137】
図11に示すように、第1のサブフィールドの維持期間においては、スキャン電極12およびサスティン電極13に維持期間の長さに応じた調整電圧CVSが印加される。さらに、スキャン電極12には調整電圧CVSに加えて一定周期の維持パルスViが印加され、サスティン電極13にも調整電圧CVSに加えて一定周期の維持パルスVjが印加される。以下、維持パルスViを調整電圧CVSの電圧分オフセットした駆動電圧波形を維持パルスVIと呼び、維持パルスVjを調整電圧CVSの電圧分オフセットした駆動電圧波形を維持パルスVJと呼ぶ。スキャン電極12に印加される維持パルスVIの位相は、サスティン電極13に印加される維持パルスVJの位相に対して180度ずれている。
【0138】
次に、図12はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSの働きを示す模式図である。
【0139】
図12(a1),(a2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが0Vの場合を示し、図12(b1),(b2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが50Vの場合を示し、図12(c1),(c2)はスキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが70Vの場合を示す。図12(a1),(b1),(c1)はそれぞれ維持期間中の放電を起している放電セルの各電極の状態を示し、図12(a2),(b2),(c2)はそれぞれ維持期間終了後の消去放電後の放電セルの各電極の状態を示す。
【0140】
図12(a1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが0Vの場合にスキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11に90Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11に90Vの壁電荷が蓄えられている。
【0141】
この場合、図12(a2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される90Vの壁電荷の量が70Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0142】
この場合、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されてもアドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えずアドレス放電できない状態となる。
【0143】
また、書き込みパルスVwが印加されずに長い維持期間が経過した後の放電セルでは、前のサブフィールドの初期化後の壁電荷の量を保持できず、次のサブフィールドにおいて書き込みパルスVwを印加してもアドレス放電が発生しない。
【0144】
一方、図12(b1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが50Vの場合、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が50V分増加し、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられている。また、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられている。このとき、アドレス電極11には、140Vの壁電荷が蓄えられている。
【0145】
この場合、図12(b2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される140Vの壁電荷の量が120Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0146】
しかしながら、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を超えるのでアドレス放電が行われる。
【0147】
また、図12(c1)に示すように、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される調整電圧CVSが70Vの場合、スキャン電極12とサスティン電極13との間に180Vの維持パルスViが印加されると、アドレス電極11に蓄積される正の電荷の量が70V分増加し、スキャン電極12には−90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には90Vの壁電荷が蓄えられる。また、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられる。さらに、スキャン電極12とサスティン電極13との間に−180Vの維持パルスVjが印加されると、スキャン電極12には90Vの壁電荷が蓄えられ、サスティン電極13には−90Vの壁電荷が蓄えられる。このとき、アドレス電極11には、160Vの壁電荷が蓄えられている。
【0148】
この場合、図12(c2)に示すように、維持パルス数の多い維持期間が経過した後の放電セルでは、プライミング効果によりアドレス電極11に蓄積された正の壁電荷が減少する。例えば、アドレス電極11に蓄積される160Vの壁電荷の量が140Vまで減少してしまう。また、スキャン電極12においても負の壁電荷の量が減少し、サスティン電極13においても正の壁電荷の量が減少する。
【0149】
この場合も、次のサブフィールドのアドレス期間において書き込みパルスVwが印加されると、アドレス電極11とスキャン電極12との間の実効電圧が放電開始電圧を十分に超えるので容易にアドレス放電が行われる。この場合、より長い維持期間が経過した後の放電セルでもアドレス放電を行うことが可能となる。
【0150】
以上のように、スキャン電極12およびサスティン電極13に調整電圧CVSを印加することにより維持パルス数の多い維持期間を経過した後の放電セルや書き込みパルスVwが印加されずアドレス放電しなかった放電セルにおいても、次のサブフィールドのアドレス放電に必要な所定量の壁電荷を各電極に蓄積することができる。
【0151】
なお、図7に示す調整電圧CVと同様に、サブフィールド変換部8より与えられる維持期間情報の維持パルス数が多い程、スキャン電極12およびサスティン電極13に印加される正の調整電圧CVSの絶対値が大きく設定される。
【0152】
本実施の形態においては、アドレス電極11が第1の電極に相当し、スキャン電極12が第2の電極に相当し、サスティン電極13が第3の電極に相当し、サブフィールド変換部8がサブフィールド分割手段に相当し、アドレス放電が第1の放電に相当し、書き込みパルスVw,Vsが第1のパルス電圧に相当し、アドレスドライバ2およびスキャンドライバ3が第1の電圧印加手段に相当し、維持パルスVi,Vjが第2のパルス電圧に相当し、維持パルス数が第2のパルス電圧のパルス数に相当し、維持期間情報が第2のパルス電圧のパルス数を示す情報に相当し、維持放電が第2の放電に相当し、スキャンドライバ3およびサスティンドライバ4が第2の電圧印加手段に相当し、適応型スキャン・サスティン電荷調整回路15が電圧調整手段に相当する。
【0153】
【発明の効果】
本発明によれば、維持期間において第1の電極と第2の電極との間の電圧および第1の電極と第3の電極との間の電圧がその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整されることにより、第1、第2および第3の電極に蓄積される壁電荷の量が調整される。それにより、第1の放電が行われない放電セルの維持期間中にプライミング効果により壁電荷の量が減少しても、その壁電荷の量が十分に補われる。その結果、各サブフィールドで第1の放電が行われなかった放電セルにおいても次のサブフィールドで第1の放電を行うために必要な所定量の壁電荷を第1の電極、第2の電極および第3の電極に保持することができ、放電の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
【図2】適応型アドレス電荷調整回路の構成の一例を示す構成図
【図3】図1のPDPの各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャート
【図4】書き込みパルスが印加された放電セルの壁電荷の状態を示す模式図
【図5】書き込みパルスが印加されない放電セルの壁電荷の状態を示す模式図
【図6】アドレス電極に印加される調整電圧CVの働きを示す模式図
【図7】調整電圧CVの具体例を示す模式図
【図8】維持パルス数と最適な調整電圧との関係の測定結果を示す図
【図9】本発明の第2の実施の形態によるプラズマディスプレイ装置の構成を示すブロック図
【図10】適応型スキャン・サスティン電荷調整回路の構成の一例を示す構成図
【図11】図9のPDPの各電極に印加される駆動電圧の一例を示すタイミングチャート
【図12】スキャン電極およびサスティン電極に印加される調整電圧CVSの働きを示す模式図
【図13】AC型PDPにおける放電セルの駆動方法を説明するための図
【図14】従来のプラズマディスプレイ装置の主としてPDP(プラズマディスプレイパネル)の構成を示す模式図
【図15】AC型PDPにおける3電極面放電セルの模式的断面図
【図16】ADS方式を説明するための図
【符号の説明】
1 PDP(プラズマディスプレイ)
2 アドレスドライバ
3 スキャンドライバ
4 サスティンドライバ
5 適応型アドレス電荷調整回路
6 A/Dコンバータ
7 走査数変換部
8 サブフィールド変換部
9a 維持パルス発生回路
9b 維持パルス/消去波形発生回路
10 初期化波形発生回路
11 アドレス電極
12 スキャン電極
13 サスティン電極
15 適応型スキャン・サスティン電荷調整回路
Claims (6)
- 第1の方向に配列された複数の第1の電極と、
前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、
前記第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、
前記複数の第1の電極、前記複数の第2の電極および前記複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルと、
各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するサブフィールド分割手段と、
各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加する第1の電圧印加手段と、
前記維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加する第2の電圧印加手段と、
各維持期間において前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧および前記第1の電極と前記第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整する電圧調整手段とを備えたことを特徴とする表示装置。 - 前記電圧調整手段は、各維持期間において前記第1の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記電圧調整手段は、各維持期間において前記第2の電極および前記第3の電極の電位をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整することを特徴とする請求項1記載の表示装置。
- 前記電圧調整手段は、維持期間の第2のパルス電圧のパルス数が多いほど前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧および前記第1の電極と前記第3の電極との間の電圧が大きくなるように前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧および前記第1の電極と前記第3の電極との間の電圧を調整することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表示装置。
- 前記サブフィールド分割手段は、各サブフィールドにおける第2のパルス電圧のパルス数を示す情報を出力し、
前記電圧調整手段は、前記サブフィールド分割手段から出力される情報に基づいて各維持期間において前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧および前記第1の電極と前記第3の電極との間の電圧を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の表示装置。 - 第1の方向に配列された複数の第1の電極と、前記第1の方向と交差する第2の方向に沿って配列された複数の第2の電極と、前記第2の方向に沿って配列された複数の第3の電極と、前記複数の第1の電極、前記複数の第2の電極および前記複数の第3の電極の交点に設けられた複数の放電セルとを備えた表示装置の駆動方法であって、
各フィールドをアドレス期間および維持期間をそれぞれ含む複数のサブフィールドに時間的に分割するステップと、
各サブフィールドのアドレス期間において選択された第1の電極と第2の電極との間に第1の放電を起こさせるための第1のパルス電圧を印加するステップと、
前記維持期間に第2の電極と第3の電極との間に第2の放電を起こさせるための交互に反転する第2のパルス電圧を周期的に印加するステップと、
各維持期間において前記第1の電極と前記第2の電極との間の電圧および前記第1の電極と前記第3の電極との間の電圧をその維持期間の第2のパルス電圧のパルス数に基づいて調整するステップとを備えたことを特徴とする表示装置の駆動方法。
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-
2003
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