JP2004225805A - 油圧ショベルの油圧回路 - Google Patents
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Abstract
【課題】作業形態のいかんにかかわらず、常にエネルギー効率がよいこと。
【解決手段】掘削装置の駆動源としてのバケットシリンダ3のメータアウト32の流量を制御するためにバイパス絞り弁34を設けるとともに、このバイパス絞り弁34は、バケットシリンダ3の負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口を増大させるようにコントローラ27で制御されている。
【選択図】 図1
【解決手段】掘削装置の駆動源としてのバケットシリンダ3のメータアウト32の流量を制御するためにバイパス絞り弁34を設けるとともに、このバイパス絞り弁34は、バケットシリンダ3の負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口を増大させるようにコントローラ27で制御されている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場等で使用される油圧ショベルの油圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルの油圧回路においては、流量制御としてメータアウト制御が広く用いられている。このメータアウト制御は油圧シリンダの出口配管にメータアウト絞りを設け、これによりシリンダ流出流量を制御することでシリンダ動作の速度制御を行うものである。
【0003】
このメータアウト制御において、例えば油圧シリンダのロッドが伸びるシリンダ動作方向に自重などの負荷が作用すると、そのシリンダ動作が増速されて油圧ポンプによる供給流量が不足し、その結果シリンダ供給側の配管内でキャビテーションを起こす問題があった。これに対し、メータアウト開口を絞ることにより、油圧シリンダ内のロッド室側に背圧を与えてそのシリンダ動作を減速させることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−22054号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、油圧ショベルの作業形態には、バケットを空中に上げた状態で作業を行ういわゆる空中作業と、バケットを地中に食い込ませた状態で作業を行う掘削作業とが含まれており、このうちの掘削作業においては、アーム引き操作およびブーム掘削操作に対して、負荷抵抗となる掘削抵抗が、上記シリンダ動作方向と逆方向のシリンダ制動方向に作用する。
【0006】
ところが、この掘削作業においても、上記のようにメータアウト開口を絞ってシリンダ動作を減速させた場合には、上記負荷抵抗がシリンダ制動方向に作用する結果、油圧ポンプに対して負荷が大きくなり、ポンプ動力が増加しエネルギー効率が悪化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業形態のいかんを問わず、常にエネルギー効率のよい油圧ショベルの油圧回路を提供することである、
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掘削装置の駆動源としての油圧シリンダのメータアウト流量を制御するメータアウト制御手段を設け、このメータアウト制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口を増大させるように構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、メータアウト制御手段により、油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口が増大させられるので、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、メータアウトの開度を大きくすることで、メータアウトの絞り抵抗を低減させることができる。その結果、ポンプ動力を低減させて、エネルギー効率を向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明のように、メータアウト制御手段は、油圧シリンダに対する油の給排を制御するコントロール弁のメータアウト通路と並列に設けられたバイパス弁と、このバイパス弁の開度を制御するバイパス制御部とによって構成されたこととすれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合には、上記バイパス弁の開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減させることができる。なお、上記バイパス弁には、開口面積を調整可能なバイパス絞り弁の他、オンオフ式の切換弁をも含む。
【0011】
請求項3記載の発明のように、操作手段の操作に応じてコントロール弁の作動を制御するコントローラがバイパス制御部を兼ねることとすれば、構成がさらに簡単化されるとともに、操作性も向上される。
【0012】
請求項4記載の発明のように、コントロール弁としてパイロット式コントロール弁を設けるとともに、そのパイロットラインに電磁弁を設け、コントローラは掘削作業時に上記コントロール弁のメータアウト開口を増大させるように上記電磁弁の開度を制御するパイロット制御部を備えたこととすれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、上記コントロール弁のメータアウト開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減させることができる。なお、電磁弁を設けた場合には、例えば掘削判定の継続時間が設定時間以上となったときに、コントロール弁内のメータアウト開口の絞り面積を大きくするなどの制御を行うことが可能となり、軽い掘削を行う場合などに、掘削判定が頻繁に行われてその制御がハンチングするなどの問題が解消される。
【0013】
ところで、掘削作業の場合、空中でバケットを抱え込んだ状態では、その空中操作においても、油圧シリンダの負荷圧が高くなる。したがって、例えばそのメータイン側が高圧となった場合に、メータアウトを絞るように制御したのでは、上記空中操作においてもメータアウトの開口面積が変化することとなる。この開口面積の変化に伴い、バケット及びアームの動きが変化し、オペレータの意思通りに動かなくなるため、操作性が悪化する。
【0014】
これに対し、請求項5記載の発明のように、作業状態が掘削作業か否かを検出する作業状態検出手段を有し、バイパス制御部は、この作業状態検出手段によって掘削作業時であることが検出されたときにメータアウト開口を増大させるように構成されたこととすれば、掘削作業を自動的に検出され、この検出結果によりメータアウト開口面積を拡大することが可能となり、手動で切り換え操作を行うなどの手間をかけることなく、エネルギー効率を向上させることができる。
【0015】
すなわち、上記のように、空中でバケットを抱え込んだ状態では、油圧シリンダの負荷圧が高くならないため、メータアウトの開口面積が変化することがない。したがって、この構成では、空中操作でメータアウトの開口面積が変化することがないため、上記のように空中操作においても操作性が悪化することはない。一方、掘削作業時には、メータアウトの開口面積が変化するが、掘削中は掘削抵抗が大きいため、掘削中にそのメータアウトの開口面積を変化させたとしても、バケット及びアームの動きはほとんど変化せず、かつ、メータアウトの絞り損失を低減させることが可能となる。
【0016】
請求項6記載の発明のように、作業状態検出手段は、油圧シリンダの駆動回路中のポンプ吐出圧又は同油圧シリンダの前後圧の測定値に基づいて、作業状態が掘削作業か否かを検出することとすれば、簡単な構成で掘削作業を自動的に判別することができる。
【0017】
請求項7記載の発明のように、油圧シリンダのメータイン流量を制御するメータイン制御手段をさらに設け、このメータイン制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータイン開口を増大させるように構成されたこととすれば、メータイン制御手段により、油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータイン開口が増大させられるので、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、このメータインの開度を大きくすることで、メータインの絞り抵抗を低減させることができる。その結果、ポンプ動力をさらに低減させて、エネルギー効率をより一層向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【0019】
図1において、1,2は可変容量タイプの油圧ポンプ、3,4は油圧ポンプ1,2から供給される作動油によってそれぞれ作動する油圧シリンダとしてのバケットシリンダ及びアームシリンダ、5,6はバケットシリンダ3及びアームシリンダ4に対する作動油の給排をそれぞれ制御するコントロール弁である(5がバケットシリンダ用コントロール弁、6がアームシリンダ用コントロール弁である)。7〜12はリリーフ弁、13〜16はチェック弁である。油圧ポンプ1,2はエンジン駆動のものであってもよいし、モータ駆動のものであってもよい。
【0020】
また、17,18は油圧ポンプ1,2の吐出圧(ポンプ圧)をそれぞれ検出する圧力センサ、19,20は操作レバー、21,22はレバー操作量に応じてパイロット圧をそれぞれ発生させるリモコン弁、23〜26はパイロット圧を検出する圧力センサである。27は圧力センサ17,18により検出されたポンプ圧、及び圧力センサ23〜26により検出されたパイロット圧を入力し、これらの入力に基づいて油圧ポンプ1,2の吐出量を制御するための出力信号を同ポンプの図示しない流量調整部に発するコントローラである。
【0021】
さらに、28,29はブリードオフ、30,31はメータイン、32,33はメータアウトである。34は、メータアウト32をバイパスするバイパス絞り弁(メータアウト制御手段、バイパス弁に相当する。)であり、このバイパス絞り弁34の開度もコントローラ27により制御されるようになっている。なお、圧力センサ18等として、油圧ショベルに標準搭載されているエンジン停止検出用のセンサを使用することができる。
【0022】
この本実施形態1の油圧回路を備えた油圧ショベルは、その作業形態として空中作業と掘削作業とを有する。以下、各作業について説明する。図2は本実施形態1の油圧回路を備えた油圧ショベルの空中作業時の状態を示す側面図、図3は同掘削作業時の状態を示す側面図である。なお、図2,3において、41はアーム、42はバケット、44〜54はアーム動作等の各方向を示す。
【0023】
油圧ショベルの作業形態としての空中作業とは、図2に示すように、バケット42を空中に上げた状態での作業をいうが、この空中作業では、アーム41の自重は44の方向に作用するため、この自重負荷はアームシリンダ4に対してはシリンダ伸び方向45に作用する。また、バケット42の自重は46の方向に作用するため、この自重負荷はバケットシリンダ3に対してはシリンダ伸び方向47の方向に作用する。
【0024】
そして、この空中作業中での掘削作業に入るための操作では、アームシリンダ4を伸び方向に駆動するため、上記自重による負荷はアームシリンダ4の駆動方向46と同一方向に作用する。また、バケットシリンダ3を伸び方向に駆動するため、上記自重による負荷はバケットシリンダ3の駆動方向48と同一の方向に作用する。
【0025】
一方、油圧ショベルの作業形態としての掘削作業とは、図3に示すように、バケット42を地盤に食い込ませた状態でアーム41を引き動作することによって、バケット42で掘削動作をする作業をいうが、この掘削作業では、バケット42は掘削反力49を受けるため、バケットシリンダ3の負荷方向はシリンダ縮み方向50となる。この掘削作業中での掘削動作を行うための操作では、バケットシリンダ3の駆動方向は伸び方向51であるため、この場合負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。また、アーム41も掘削反力52を受けるため、アームシリンダ4の負荷方向はシリンダ縮み方向53となる。この掘削作業中での掘削動作を行うための操作では、アームシリンダ4の駆動方向は伸び方向54であるため、この場合負荷の方向はアームシリンダ4の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。
【0026】
ついで、本実施形態1の油圧回路のバイパス絞り弁の動作等について説明する。図4,図5は空中作業時,掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、それぞれ(a)はメータアウトの開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス絞り弁の開口面積の変化を示す図、(c)はシリンダ排出側の合成開口面積の変化を示す図である。
【0027】
まず空中作業においては、図4(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図4(b)に示すように、バイパス絞り弁34の開口面積は、空中作業時には全閉となるようにコントローラ27によって制御される。したがって、図4(c)に示すように、空中作業時の排出側合成開口面積はA1となり絞られた状態になる。
【0028】
これに対して、掘削作業時においては、図5(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図5(b)に示すように、バイパス絞り弁34の開口面積はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA2となる。したがって、図5(c)に示すように、掘削作業時の排出側合成開口面積はA1+A2となり開かれた状態となる。
【0029】
ここで、空中作業時のバケット掘削操作においては、上記図2に示したように、負荷がシリンダ駆動方向と同一方向に作用する。この場合、本実施形態1では、メータアウト32の開口面積が絞られた状態となるため、シリンダ排出側に高い背圧が発生し、これがバケットシリンダ3に対する制動力として作用する。したがって、シリンダ速度が増速しなくなるため、油圧ポンプ1の供給流量が不足しキャビテーションを起こす問題は解消される。
【0030】
一方、掘削作業時においては、上記図3に示したように、負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。この場合、本実施形態1では、掘削作業時に排出側合成開口面積が大きくなるため、シリンダ排出側の絞り抵抗がきわめて小さくなり、エネルギー効率が低下する問題は解消される。
【0031】
なお、バイパス弁として、上記バイパス絞り弁34に代えて、オンオフ式の切換弁を用いることもできる。図6はその掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウトの開口面積の変化を示す図、(b)は切換弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側の合成開口面積の変化を示す図である。
【0032】
この場合、掘削作業時においては、図6(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図6(b)に示すように、切換弁の開口面積はレバー操作量が大きくなると急に開口面積が増大し最大値はA2となる。したがって、図6(c)に示すように、操作レバー19を入れていくと排出側合成開口面積が急に開くが、掘削作業においては、微速での操作性はあまり要求されないため、このような構成としても操作性上の問題は少ない。このため、この方法によればバイパス弁の構造を簡易化できるとともに、操作レバー19が浅い位置でも排出側合成開口面積が大きくなるため、エネルギー効率を向上する効果がさらに向上する。
【0033】
引き続き、本実施形態1の油圧回路における掘削作業の判定及びバイパス弁の開度調整方法について説明する。図7,図8は掘削作業の判定方法を例示する図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【0034】
いま図7(a)に示すように、操作レバー20の操作によりアーム引き操作を行ったとする。このときが空中作業時であるとすると、上記図2で示したように、アーム41の自重44はアームシリンダ4の伸び方向45に作用する。アームシリンダ4の駆動方向は伸び方向45であるので、このアーム引き操作では、自重の作用する方向はアームシリンダ4の駆動方向46と一致する。このため、空中作業時においては、ポンプ負荷が小さくなり、図7(b)中の破線で示すように、ポンプ圧65は低圧になる。
【0035】
一方、掘削作業時であるとすると、図3に示したように、掘削抵抗52はシリンダ縮み方向53に作用する。この場合には、負荷方向はシリンダ制動方向に作用するため、油圧ポンプ2に対する負荷が大きくなり、図7(b)中の実線で示すように、ポンプ圧66は高圧になる。
【0036】
したがって、図1に示したように、アームシリンダ4に作動油を供給する油圧ポンプ2のポンプ圧を圧力センサ(作動状態検出手段に相当する。)18により検出し、図7(b)に示すように、そのポンプ圧Ppがしきい値Ppsより大きくなった場合に、コントローラ27が掘削作業時であると判定し(作業状態検出手段としての機能である)、バイパス絞り弁34の開度を、図7(c)中の68のように、拡大することにより、メータアウト32の開度を大きくする(メータアウト制御手段、バイパス制御部としての機能である)。
【0037】
この方法を用いることにより、掘削作業時を自動的に判別し、上記方法によりメータアウト32の開度を開くことが可能となり、手動で切り換え操作を行うなどの手間をかけることなく自動的にエネルギー効率を改善することができる。
【0038】
また、下記のような方法を用いることとしてもよい。
【0039】
いま、図8(a)に示すように、操作レバー20の操作によりアーム引き操作を行ったとする。このときに、図8(b)に示すように、ポンプ圧Ppがしきい値Ppsを越えると、その超えた時点からポンプ圧が大きくなるに従って(図中69,70)、図8(c)に示すように、バイパス絞り弁34の開き方が大きくなるようにする(図中71,72)。
【0040】
この方法によれば、掘削する土が軟らかい場合はメータアウト32が絞られることで、過度に操作速度が速くなる問題を解消することができるとともに、掘削する土が硬い場合はメータアウト32が開くことで、これらの絞り抵抗を低減しエネルギー効率を向上させることができる。
【0041】
ところで、上記実施形態1では、メータアウト32の開度調整のみを行っているが、さらにメータイン30の開度調整を行うこととしてもよい。実施形態2は、このことに着目してなされたもので、以下に説明する。
【0042】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。なお、ここではバイパス絞り弁34まわりについては上記実施形態1と同様の構成であるのでその記載を省略する。また、その他の上記実施形態1と共通する要素には同一番号を付して記載するが、その重複説明は省略する。
【0043】
この実施形態2においては、図9に示すように、コントロール弁5のメータイン30をバイパスするバイパス絞り弁(バイパス弁に相当する。)60をさらに設け、空中作業時にはバイパス絞り弁60が閉じるように動作するとともに、掘削判定時にはバイパス絞り弁60の開度が大きくなるよう動作する。すなわち、メータイン30とバイパス絞り弁60とは、上記図4,図5に示すように上記実施形態1と同様な動作となる。
【0044】
すなわち、この場合には、空中作業時には、上記図4(a)〜(c)において、バイパス絞り弁60が閉じることにより、メータイン30の開度がレバー操作量が増大するに従って増加するため、レバー操作量に対してシリンダ速度を容易にコントロールすることが可能となるとともに、掘削作業時には、図5(a)〜(c)において、シリンダ供給側の絞り抵抗を低減し、エネルギー効率を改善することができる。
【0045】
本実施形態2における掘削作業の判定方法及びバイパス絞り弁60の開度調整方法も、上記実施形態1と同様に行うことができる。したがって、図9に示したように、アームシリンダ4に作動油を供給する油圧ポンプ2のポンプ圧Ppを圧力センサ18により検出し、図7(b)に示すように、そのポンプ圧Ppがしきい値Ppsより大きくなった場合に掘削作業時であると判定し、バイパス絞り弁60の開度を、図7(c)中の68のように、拡大することにより、メータイン30の開度を大きくすることにより、上記実施形態1と同様に、掘削作業時を自動的に判別し、上記方法によりメータイン30の開度を開くことが可能となり、手動で切り替え操作を行うなどの手間をかけることなく自動的にエネルギー効率を改善することができる。
【0046】
また、バイパス絞り弁60の代わりに、オンオフ式の切換弁を設けてもよい。その場合には、図8(b)に示したように、ポンプ圧Ppがしきい値Ppsを越えると、この超えた時点からポンプ圧Ppが大きくなるに従って(図中69,70)、バイパス絞り弁60の開き方が大きくなるようにすれば(図中71,72)、上記実施形態1と同様に、掘削する土が軟らかい場合はメータイン30が絞られることで、過度に操作速度が速くなる問題を解消することができるとともに、掘削する土が硬い場合はメータイン30が開くことで、これらの絞り抵抗を低減しエネルギー効率を向上することができる。
【0047】
上記実施形態1,2の変形例として以下のような構成が考えられる。
【0048】
(変形例1)
図10は変形例1に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。なお、ここでは、バケットシリンダ3側の駆動回路は上記実施形態1,2と同様であるので、その回路の要素をすべて省略している。さらに、アームシリンダ4側の駆動回路においても上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複説明を省略する。
【0049】
この変形例1では、掘削作業時の判定方法として、図10に示すように、アームシリンダ4の前後圧を圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)80、81により測定し、次式により、シリンダ負荷を求める方法を採用している。
【0050】
F=Ah×Ph−Ar×Pr (1)
ここで、F:負荷力、Ah:アームシリンダヘッド側断面積、Ph:アームシリンダヘッド圧、Ar:アームシリンダロッド側断面積、Pr:アームシリンダロッド圧である。
【0051】
そして、コントローラ27は、油圧ショベルの作業形態が掘削作業となっているか否かを、アームシリンダ4の駆動回路中のシリンダ前後圧の測定値に基づいて判定する(作業状態検出手段としての機能である)。
【0052】
この変形例1によれば、圧力センサ80,81により、上記ポンプ圧よりも高い精度での差圧検出が可能となるので、精度良くアームシリンダ4の負荷を求めることができるようになり、掘削作業時の判定の判定精度が高まって、より効果的にエネルギー効率を低減することができる。
【0053】
(変形例2)
図11は変形例2に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図、図12はその制御例を示す図である。なお、ここでは、アームシリンダ4側の油圧回路は上記実施形態1,2と同様であるので、その回路の要素を省略している。さらに、バケットシリンダ3側の油圧回路においても上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複説明を省略する。
【0054】
図11において、85はバケットシリンダ3を伸び方向に操作する場合のパイロットライン86に設置された電磁切換弁(メータアウト制御手段、電磁弁に相当する。)であり、コントローラ27はこの電磁切換弁85の開度を制御することにより、コントロール弁(メータアウト制御手段に相当する。)5の開度を制御する(メータアウト制御手段、パイロット制御手段としての機能である)。
【0055】
すなわち、コントローラ27による電磁切換弁85の制御動作では、図12に示すように、空中作業時にはレバー操作量に対してコントロール弁5のストロークが0〜st1となるようにパイロット圧を制御するとともに、掘削作業時にはコントロール弁5のストロークが0〜st2となるようにパイロット圧を制御する。
【0056】
そして、同図において、空中作業時のメータイン30、メータアウト32の開口面積▲1▼,▲2▼はそれぞれ最大でA2、A1となるのに対し、掘削作業時にはメータイン30、メータアウト32の開口面積▲1▼,▲2▼はともに最大でA3となり、両開口面積▲1▼,▲2▼が拡大される。このことから、掘削作業時にはメータイン30、メータアウト32の絞り抵抗が低減され、エネルギー効率の高い運転が可能となる。ただし、同図中の▲3▼はブリードオフ28の開口面積の変化を示す。
【0057】
この変形例2によれば、掘削作業時のように、負荷がシリンダ制動方向に作用する場合でも、コントロール弁5の開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減してポンプ動力を低減させることができる。
【0058】
なお、電磁切換弁85を設けた場合には、例えば掘削判定の継続時間が設定時間以上となったときに、コントロール弁5内のメータアウト32の絞り面積を開くなどの制御を行うことが可能となり、軽い掘削を行う場合などに、掘削判定が頻繁に行われてその制御がハンチングするなどの問題が解消される。
【0059】
(変形例3)
上記実施形態1,2では、バケットシリンダ3の駆動回路中のコントロール弁5のバイパス絞り弁34,60の開度調整について説明したが、アームシリンダ4の駆動回路中のコントロール弁6についても、これと全く同様の構成とすることができる。
【0060】
この変形例3では、アームシリンダ4側においても、空中作業時のバケット掘削操作では、上記図2に示したように、負荷がシリンダ駆動方向と同一方向に作用する。この場合に、メータアウト33又はメータイン31の開口面積が絞られた状態とすれば、シリンダ排出側に高い背圧が発生し、これがバケットシリンダ3に対する制動力として作用する。したがって、シリンダ速度が増速しなくなるため、油圧ポンプ2の供給流量が不足しキャビテーションを起こす問題は解消される。
【0061】
また、その掘削作業時においても、上記図3に示したように、負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。この場合に、掘削作業時に排出側合成開口面積を大きくすれば、シリンダ排出側の絞り抵抗がきわめて小さくなり、エネルギー効率が低下する問題は解消される。
【0062】
なお、上記実施形態1,2では、バイパス絞り弁34,60を設けているが、その代わりに、コントローラ27でコントロール弁(メータアウト制御手段に相当する。)5のメータアウト32,メータイン30を直接絞るように制御してもよい(メータアウト制御手段としての機能である)。コントロール弁6についてもこれと同様の構成をとることができる。さらに、上記実施形態1,2では、アウト油圧ショベルの作業形態としての空中作業と掘削作業とについて説明しているが、他の作業があってもよく、その他の作業の場合には上記空中作業と同様に扱えば足りる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、メータアウトの開度を大きくすることで、メータアウトの絞り抵抗を低減させることができるので、ポンプ動力を低減させて、エネルギー効率を向上させることができる。その結果、作業形態のいかんにかかわらず、常にエネルギー効率のよい油圧回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【図2】本実施形態1の油圧回路を搭載した油圧ショベルの空中作業時の状態を示す側面図である。
【図3】本実施形態1の油圧回路を搭載した油圧ショベルの掘削作業時の状態を示す側面図である。
【図4】空中作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図5】掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図6】掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図7】掘削作業の判定方法を一例を示す図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【図8】掘削作業の判定方法を他の例を示す図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【図10】変形例1に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。
【図11】変形例2に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。
【図12】変形例2における制御例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ
3 バケットシリンダ(油圧シリンダに相当する。)
4 アームシリンダ(油圧シリンダに相当する。)
5,6 コントロール弁
18 圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)
27 コントローラ(メータアウト制御手段、作業状態検出手段、バイパス制御部、パイロット制御部としての機能を有する。)
28,29 ブリードオフ
30,31 メータイン
32,33 メータアウト
34 バイパス絞り弁(メータアウト制御手段、バイパス弁に相当する。)
60 バイパス絞り弁(メータイン制御手段、バイパス弁に相当する。)
80,81 圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)
85 電磁切換弁(メータアウト制御手段、電磁弁に相当する。)
86 パイロットライン
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設現場等で使用される油圧ショベルの油圧回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧ショベルの油圧回路においては、流量制御としてメータアウト制御が広く用いられている。このメータアウト制御は油圧シリンダの出口配管にメータアウト絞りを設け、これによりシリンダ流出流量を制御することでシリンダ動作の速度制御を行うものである。
【0003】
このメータアウト制御において、例えば油圧シリンダのロッドが伸びるシリンダ動作方向に自重などの負荷が作用すると、そのシリンダ動作が増速されて油圧ポンプによる供給流量が不足し、その結果シリンダ供給側の配管内でキャビテーションを起こす問題があった。これに対し、メータアウト開口を絞ることにより、油圧シリンダ内のロッド室側に背圧を与えてそのシリンダ動作を減速させることがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−22054号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、油圧ショベルの作業形態には、バケットを空中に上げた状態で作業を行ういわゆる空中作業と、バケットを地中に食い込ませた状態で作業を行う掘削作業とが含まれており、このうちの掘削作業においては、アーム引き操作およびブーム掘削操作に対して、負荷抵抗となる掘削抵抗が、上記シリンダ動作方向と逆方向のシリンダ制動方向に作用する。
【0006】
ところが、この掘削作業においても、上記のようにメータアウト開口を絞ってシリンダ動作を減速させた場合には、上記負荷抵抗がシリンダ制動方向に作用する結果、油圧ポンプに対して負荷が大きくなり、ポンプ動力が増加しエネルギー効率が悪化するという問題があった。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、作業形態のいかんを問わず、常にエネルギー効率のよい油圧ショベルの油圧回路を提供することである、
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、掘削装置の駆動源としての油圧シリンダのメータアウト流量を制御するメータアウト制御手段を設け、このメータアウト制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口を増大させるように構成されたことを特徴とするものである。
【0009】
この構成によれば、メータアウト制御手段により、油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口が増大させられるので、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、メータアウトの開度を大きくすることで、メータアウトの絞り抵抗を低減させることができる。その結果、ポンプ動力を低減させて、エネルギー効率を向上させることができる。
【0010】
請求項2記載の発明のように、メータアウト制御手段は、油圧シリンダに対する油の給排を制御するコントロール弁のメータアウト通路と並列に設けられたバイパス弁と、このバイパス弁の開度を制御するバイパス制御部とによって構成されたこととすれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合には、上記バイパス弁の開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減させることができる。なお、上記バイパス弁には、開口面積を調整可能なバイパス絞り弁の他、オンオフ式の切換弁をも含む。
【0011】
請求項3記載の発明のように、操作手段の操作に応じてコントロール弁の作動を制御するコントローラがバイパス制御部を兼ねることとすれば、構成がさらに簡単化されるとともに、操作性も向上される。
【0012】
請求項4記載の発明のように、コントロール弁としてパイロット式コントロール弁を設けるとともに、そのパイロットラインに電磁弁を設け、コントローラは掘削作業時に上記コントロール弁のメータアウト開口を増大させるように上記電磁弁の開度を制御するパイロット制御部を備えたこととすれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、上記コントロール弁のメータアウト開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減させることができる。なお、電磁弁を設けた場合には、例えば掘削判定の継続時間が設定時間以上となったときに、コントロール弁内のメータアウト開口の絞り面積を大きくするなどの制御を行うことが可能となり、軽い掘削を行う場合などに、掘削判定が頻繁に行われてその制御がハンチングするなどの問題が解消される。
【0013】
ところで、掘削作業の場合、空中でバケットを抱え込んだ状態では、その空中操作においても、油圧シリンダの負荷圧が高くなる。したがって、例えばそのメータイン側が高圧となった場合に、メータアウトを絞るように制御したのでは、上記空中操作においてもメータアウトの開口面積が変化することとなる。この開口面積の変化に伴い、バケット及びアームの動きが変化し、オペレータの意思通りに動かなくなるため、操作性が悪化する。
【0014】
これに対し、請求項5記載の発明のように、作業状態が掘削作業か否かを検出する作業状態検出手段を有し、バイパス制御部は、この作業状態検出手段によって掘削作業時であることが検出されたときにメータアウト開口を増大させるように構成されたこととすれば、掘削作業を自動的に検出され、この検出結果によりメータアウト開口面積を拡大することが可能となり、手動で切り換え操作を行うなどの手間をかけることなく、エネルギー効率を向上させることができる。
【0015】
すなわち、上記のように、空中でバケットを抱え込んだ状態では、油圧シリンダの負荷圧が高くならないため、メータアウトの開口面積が変化することがない。したがって、この構成では、空中操作でメータアウトの開口面積が変化することがないため、上記のように空中操作においても操作性が悪化することはない。一方、掘削作業時には、メータアウトの開口面積が変化するが、掘削中は掘削抵抗が大きいため、掘削中にそのメータアウトの開口面積を変化させたとしても、バケット及びアームの動きはほとんど変化せず、かつ、メータアウトの絞り損失を低減させることが可能となる。
【0016】
請求項6記載の発明のように、作業状態検出手段は、油圧シリンダの駆動回路中のポンプ吐出圧又は同油圧シリンダの前後圧の測定値に基づいて、作業状態が掘削作業か否かを検出することとすれば、簡単な構成で掘削作業を自動的に判別することができる。
【0017】
請求項7記載の発明のように、油圧シリンダのメータイン流量を制御するメータイン制御手段をさらに設け、このメータイン制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータイン開口を増大させるように構成されたこととすれば、メータイン制御手段により、油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータイン開口が増大させられるので、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、このメータインの開度を大きくすることで、メータインの絞り抵抗を低減させることができる。その結果、ポンプ動力をさらに低減させて、エネルギー効率をより一層向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【0019】
図1において、1,2は可変容量タイプの油圧ポンプ、3,4は油圧ポンプ1,2から供給される作動油によってそれぞれ作動する油圧シリンダとしてのバケットシリンダ及びアームシリンダ、5,6はバケットシリンダ3及びアームシリンダ4に対する作動油の給排をそれぞれ制御するコントロール弁である(5がバケットシリンダ用コントロール弁、6がアームシリンダ用コントロール弁である)。7〜12はリリーフ弁、13〜16はチェック弁である。油圧ポンプ1,2はエンジン駆動のものであってもよいし、モータ駆動のものであってもよい。
【0020】
また、17,18は油圧ポンプ1,2の吐出圧(ポンプ圧)をそれぞれ検出する圧力センサ、19,20は操作レバー、21,22はレバー操作量に応じてパイロット圧をそれぞれ発生させるリモコン弁、23〜26はパイロット圧を検出する圧力センサである。27は圧力センサ17,18により検出されたポンプ圧、及び圧力センサ23〜26により検出されたパイロット圧を入力し、これらの入力に基づいて油圧ポンプ1,2の吐出量を制御するための出力信号を同ポンプの図示しない流量調整部に発するコントローラである。
【0021】
さらに、28,29はブリードオフ、30,31はメータイン、32,33はメータアウトである。34は、メータアウト32をバイパスするバイパス絞り弁(メータアウト制御手段、バイパス弁に相当する。)であり、このバイパス絞り弁34の開度もコントローラ27により制御されるようになっている。なお、圧力センサ18等として、油圧ショベルに標準搭載されているエンジン停止検出用のセンサを使用することができる。
【0022】
この本実施形態1の油圧回路を備えた油圧ショベルは、その作業形態として空中作業と掘削作業とを有する。以下、各作業について説明する。図2は本実施形態1の油圧回路を備えた油圧ショベルの空中作業時の状態を示す側面図、図3は同掘削作業時の状態を示す側面図である。なお、図2,3において、41はアーム、42はバケット、44〜54はアーム動作等の各方向を示す。
【0023】
油圧ショベルの作業形態としての空中作業とは、図2に示すように、バケット42を空中に上げた状態での作業をいうが、この空中作業では、アーム41の自重は44の方向に作用するため、この自重負荷はアームシリンダ4に対してはシリンダ伸び方向45に作用する。また、バケット42の自重は46の方向に作用するため、この自重負荷はバケットシリンダ3に対してはシリンダ伸び方向47の方向に作用する。
【0024】
そして、この空中作業中での掘削作業に入るための操作では、アームシリンダ4を伸び方向に駆動するため、上記自重による負荷はアームシリンダ4の駆動方向46と同一方向に作用する。また、バケットシリンダ3を伸び方向に駆動するため、上記自重による負荷はバケットシリンダ3の駆動方向48と同一の方向に作用する。
【0025】
一方、油圧ショベルの作業形態としての掘削作業とは、図3に示すように、バケット42を地盤に食い込ませた状態でアーム41を引き動作することによって、バケット42で掘削動作をする作業をいうが、この掘削作業では、バケット42は掘削反力49を受けるため、バケットシリンダ3の負荷方向はシリンダ縮み方向50となる。この掘削作業中での掘削動作を行うための操作では、バケットシリンダ3の駆動方向は伸び方向51であるため、この場合負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。また、アーム41も掘削反力52を受けるため、アームシリンダ4の負荷方向はシリンダ縮み方向53となる。この掘削作業中での掘削動作を行うための操作では、アームシリンダ4の駆動方向は伸び方向54であるため、この場合負荷の方向はアームシリンダ4の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。
【0026】
ついで、本実施形態1の油圧回路のバイパス絞り弁の動作等について説明する。図4,図5は空中作業時,掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、それぞれ(a)はメータアウトの開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス絞り弁の開口面積の変化を示す図、(c)はシリンダ排出側の合成開口面積の変化を示す図である。
【0027】
まず空中作業においては、図4(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図4(b)に示すように、バイパス絞り弁34の開口面積は、空中作業時には全閉となるようにコントローラ27によって制御される。したがって、図4(c)に示すように、空中作業時の排出側合成開口面積はA1となり絞られた状態になる。
【0028】
これに対して、掘削作業時においては、図5(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図5(b)に示すように、バイパス絞り弁34の開口面積はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA2となる。したがって、図5(c)に示すように、掘削作業時の排出側合成開口面積はA1+A2となり開かれた状態となる。
【0029】
ここで、空中作業時のバケット掘削操作においては、上記図2に示したように、負荷がシリンダ駆動方向と同一方向に作用する。この場合、本実施形態1では、メータアウト32の開口面積が絞られた状態となるため、シリンダ排出側に高い背圧が発生し、これがバケットシリンダ3に対する制動力として作用する。したがって、シリンダ速度が増速しなくなるため、油圧ポンプ1の供給流量が不足しキャビテーションを起こす問題は解消される。
【0030】
一方、掘削作業時においては、上記図3に示したように、負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。この場合、本実施形態1では、掘削作業時に排出側合成開口面積が大きくなるため、シリンダ排出側の絞り抵抗がきわめて小さくなり、エネルギー効率が低下する問題は解消される。
【0031】
なお、バイパス弁として、上記バイパス絞り弁34に代えて、オンオフ式の切換弁を用いることもできる。図6はその掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウトの開口面積の変化を示す図、(b)は切換弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側の合成開口面積の変化を示す図である。
【0032】
この場合、掘削作業時においては、図6(a)に示すように、メータアウト32はレバー操作量が大きくなるに従って開口面積が増大し最大値はA1となる。一方、図6(b)に示すように、切換弁の開口面積はレバー操作量が大きくなると急に開口面積が増大し最大値はA2となる。したがって、図6(c)に示すように、操作レバー19を入れていくと排出側合成開口面積が急に開くが、掘削作業においては、微速での操作性はあまり要求されないため、このような構成としても操作性上の問題は少ない。このため、この方法によればバイパス弁の構造を簡易化できるとともに、操作レバー19が浅い位置でも排出側合成開口面積が大きくなるため、エネルギー効率を向上する効果がさらに向上する。
【0033】
引き続き、本実施形態1の油圧回路における掘削作業の判定及びバイパス弁の開度調整方法について説明する。図7,図8は掘削作業の判定方法を例示する図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【0034】
いま図7(a)に示すように、操作レバー20の操作によりアーム引き操作を行ったとする。このときが空中作業時であるとすると、上記図2で示したように、アーム41の自重44はアームシリンダ4の伸び方向45に作用する。アームシリンダ4の駆動方向は伸び方向45であるので、このアーム引き操作では、自重の作用する方向はアームシリンダ4の駆動方向46と一致する。このため、空中作業時においては、ポンプ負荷が小さくなり、図7(b)中の破線で示すように、ポンプ圧65は低圧になる。
【0035】
一方、掘削作業時であるとすると、図3に示したように、掘削抵抗52はシリンダ縮み方向53に作用する。この場合には、負荷方向はシリンダ制動方向に作用するため、油圧ポンプ2に対する負荷が大きくなり、図7(b)中の実線で示すように、ポンプ圧66は高圧になる。
【0036】
したがって、図1に示したように、アームシリンダ4に作動油を供給する油圧ポンプ2のポンプ圧を圧力センサ(作動状態検出手段に相当する。)18により検出し、図7(b)に示すように、そのポンプ圧Ppがしきい値Ppsより大きくなった場合に、コントローラ27が掘削作業時であると判定し(作業状態検出手段としての機能である)、バイパス絞り弁34の開度を、図7(c)中の68のように、拡大することにより、メータアウト32の開度を大きくする(メータアウト制御手段、バイパス制御部としての機能である)。
【0037】
この方法を用いることにより、掘削作業時を自動的に判別し、上記方法によりメータアウト32の開度を開くことが可能となり、手動で切り換え操作を行うなどの手間をかけることなく自動的にエネルギー効率を改善することができる。
【0038】
また、下記のような方法を用いることとしてもよい。
【0039】
いま、図8(a)に示すように、操作レバー20の操作によりアーム引き操作を行ったとする。このときに、図8(b)に示すように、ポンプ圧Ppがしきい値Ppsを越えると、その超えた時点からポンプ圧が大きくなるに従って(図中69,70)、図8(c)に示すように、バイパス絞り弁34の開き方が大きくなるようにする(図中71,72)。
【0040】
この方法によれば、掘削する土が軟らかい場合はメータアウト32が絞られることで、過度に操作速度が速くなる問題を解消することができるとともに、掘削する土が硬い場合はメータアウト32が開くことで、これらの絞り抵抗を低減しエネルギー効率を向上させることができる。
【0041】
ところで、上記実施形態1では、メータアウト32の開度調整のみを行っているが、さらにメータイン30の開度調整を行うこととしてもよい。実施形態2は、このことに着目してなされたもので、以下に説明する。
【0042】
(実施形態2)
図9は本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。なお、ここではバイパス絞り弁34まわりについては上記実施形態1と同様の構成であるのでその記載を省略する。また、その他の上記実施形態1と共通する要素には同一番号を付して記載するが、その重複説明は省略する。
【0043】
この実施形態2においては、図9に示すように、コントロール弁5のメータイン30をバイパスするバイパス絞り弁(バイパス弁に相当する。)60をさらに設け、空中作業時にはバイパス絞り弁60が閉じるように動作するとともに、掘削判定時にはバイパス絞り弁60の開度が大きくなるよう動作する。すなわち、メータイン30とバイパス絞り弁60とは、上記図4,図5に示すように上記実施形態1と同様な動作となる。
【0044】
すなわち、この場合には、空中作業時には、上記図4(a)〜(c)において、バイパス絞り弁60が閉じることにより、メータイン30の開度がレバー操作量が増大するに従って増加するため、レバー操作量に対してシリンダ速度を容易にコントロールすることが可能となるとともに、掘削作業時には、図5(a)〜(c)において、シリンダ供給側の絞り抵抗を低減し、エネルギー効率を改善することができる。
【0045】
本実施形態2における掘削作業の判定方法及びバイパス絞り弁60の開度調整方法も、上記実施形態1と同様に行うことができる。したがって、図9に示したように、アームシリンダ4に作動油を供給する油圧ポンプ2のポンプ圧Ppを圧力センサ18により検出し、図7(b)に示すように、そのポンプ圧Ppがしきい値Ppsより大きくなった場合に掘削作業時であると判定し、バイパス絞り弁60の開度を、図7(c)中の68のように、拡大することにより、メータイン30の開度を大きくすることにより、上記実施形態1と同様に、掘削作業時を自動的に判別し、上記方法によりメータイン30の開度を開くことが可能となり、手動で切り替え操作を行うなどの手間をかけることなく自動的にエネルギー効率を改善することができる。
【0046】
また、バイパス絞り弁60の代わりに、オンオフ式の切換弁を設けてもよい。その場合には、図8(b)に示したように、ポンプ圧Ppがしきい値Ppsを越えると、この超えた時点からポンプ圧Ppが大きくなるに従って(図中69,70)、バイパス絞り弁60の開き方が大きくなるようにすれば(図中71,72)、上記実施形態1と同様に、掘削する土が軟らかい場合はメータイン30が絞られることで、過度に操作速度が速くなる問題を解消することができるとともに、掘削する土が硬い場合はメータイン30が開くことで、これらの絞り抵抗を低減しエネルギー効率を向上することができる。
【0047】
上記実施形態1,2の変形例として以下のような構成が考えられる。
【0048】
(変形例1)
図10は変形例1に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。なお、ここでは、バケットシリンダ3側の駆動回路は上記実施形態1,2と同様であるので、その回路の要素をすべて省略している。さらに、アームシリンダ4側の駆動回路においても上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複説明を省略する。
【0049】
この変形例1では、掘削作業時の判定方法として、図10に示すように、アームシリンダ4の前後圧を圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)80、81により測定し、次式により、シリンダ負荷を求める方法を採用している。
【0050】
F=Ah×Ph−Ar×Pr (1)
ここで、F:負荷力、Ah:アームシリンダヘッド側断面積、Ph:アームシリンダヘッド圧、Ar:アームシリンダロッド側断面積、Pr:アームシリンダロッド圧である。
【0051】
そして、コントローラ27は、油圧ショベルの作業形態が掘削作業となっているか否かを、アームシリンダ4の駆動回路中のシリンダ前後圧の測定値に基づいて判定する(作業状態検出手段としての機能である)。
【0052】
この変形例1によれば、圧力センサ80,81により、上記ポンプ圧よりも高い精度での差圧検出が可能となるので、精度良くアームシリンダ4の負荷を求めることができるようになり、掘削作業時の判定の判定精度が高まって、より効果的にエネルギー効率を低減することができる。
【0053】
(変形例2)
図11は変形例2に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図、図12はその制御例を示す図である。なお、ここでは、アームシリンダ4側の油圧回路は上記実施形態1,2と同様であるので、その回路の要素を省略している。さらに、バケットシリンダ3側の油圧回路においても上記実施形態1,2と共通する要素には同一番号を付してその重複説明を省略する。
【0054】
図11において、85はバケットシリンダ3を伸び方向に操作する場合のパイロットライン86に設置された電磁切換弁(メータアウト制御手段、電磁弁に相当する。)であり、コントローラ27はこの電磁切換弁85の開度を制御することにより、コントロール弁(メータアウト制御手段に相当する。)5の開度を制御する(メータアウト制御手段、パイロット制御手段としての機能である)。
【0055】
すなわち、コントローラ27による電磁切換弁85の制御動作では、図12に示すように、空中作業時にはレバー操作量に対してコントロール弁5のストロークが0〜st1となるようにパイロット圧を制御するとともに、掘削作業時にはコントロール弁5のストロークが0〜st2となるようにパイロット圧を制御する。
【0056】
そして、同図において、空中作業時のメータイン30、メータアウト32の開口面積▲1▼,▲2▼はそれぞれ最大でA2、A1となるのに対し、掘削作業時にはメータイン30、メータアウト32の開口面積▲1▼,▲2▼はともに最大でA3となり、両開口面積▲1▼,▲2▼が拡大される。このことから、掘削作業時にはメータイン30、メータアウト32の絞り抵抗が低減され、エネルギー効率の高い運転が可能となる。ただし、同図中の▲3▼はブリードオフ28の開口面積の変化を示す。
【0057】
この変形例2によれば、掘削作業時のように、負荷がシリンダ制動方向に作用する場合でも、コントロール弁5の開度を大きくすることで、その絞り抵抗を低減してポンプ動力を低減させることができる。
【0058】
なお、電磁切換弁85を設けた場合には、例えば掘削判定の継続時間が設定時間以上となったときに、コントロール弁5内のメータアウト32の絞り面積を開くなどの制御を行うことが可能となり、軽い掘削を行う場合などに、掘削判定が頻繁に行われてその制御がハンチングするなどの問題が解消される。
【0059】
(変形例3)
上記実施形態1,2では、バケットシリンダ3の駆動回路中のコントロール弁5のバイパス絞り弁34,60の開度調整について説明したが、アームシリンダ4の駆動回路中のコントロール弁6についても、これと全く同様の構成とすることができる。
【0060】
この変形例3では、アームシリンダ4側においても、空中作業時のバケット掘削操作では、上記図2に示したように、負荷がシリンダ駆動方向と同一方向に作用する。この場合に、メータアウト33又はメータイン31の開口面積が絞られた状態とすれば、シリンダ排出側に高い背圧が発生し、これがバケットシリンダ3に対する制動力として作用する。したがって、シリンダ速度が増速しなくなるため、油圧ポンプ2の供給流量が不足しキャビテーションを起こす問題は解消される。
【0061】
また、その掘削作業時においても、上記図3に示したように、負荷の方向はバケットシリンダ3の駆動方向と逆、すなわち制動方向となる。この場合に、掘削作業時に排出側合成開口面積を大きくすれば、シリンダ排出側の絞り抵抗がきわめて小さくなり、エネルギー効率が低下する問題は解消される。
【0062】
なお、上記実施形態1,2では、バイパス絞り弁34,60を設けているが、その代わりに、コントローラ27でコントロール弁(メータアウト制御手段に相当する。)5のメータアウト32,メータイン30を直接絞るように制御してもよい(メータアウト制御手段としての機能である)。コントロール弁6についてもこれと同様の構成をとることができる。さらに、上記実施形態1,2では、アウト油圧ショベルの作業形態としての空中作業と掘削作業とについて説明しているが、他の作業があってもよく、その他の作業の場合には上記空中作業と同様に扱えば足りる。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、掘削作業時のように、負荷が油圧シリンダを制動する方向に作用する場合でも、メータアウトの開度を大きくすることで、メータアウトの絞り抵抗を低減させることができるので、ポンプ動力を低減させて、エネルギー効率を向上させることができる。その結果、作業形態のいかんにかかわらず、常にエネルギー効率のよい油圧回路が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【図2】本実施形態1の油圧回路を搭載した油圧ショベルの空中作業時の状態を示す側面図である。
【図3】本実施形態1の油圧回路を搭載した油圧ショベルの掘削作業時の状態を示す側面図である。
【図4】空中作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図5】掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図6】掘削作業時でのレバー操作量とコントロール弁の開口面積との関係を示す図であって、(a)はメータアウト(メータイン)の開口面積の変化を示す図、(b)はバイパス弁の開口面積の変化を示す図、(c)は排出側(供給側)の合成開口面積の変化を示す図である。
【図7】掘削作業の判定方法を一例を示す図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【図8】掘削作業の判定方法を他の例を示す図であって、(a)はレバー操作量の変化を示す図、(b)はポンプ圧の変化を示す図、(c)はバイパス弁の開度の変化を示す図である。
【図9】本発明の実施形態2に係る油圧ショベルの油圧回路を示す図である。
【図10】変形例1に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。
【図11】変形例2に係る油圧ショベルの油圧回路の一部を示す図である。
【図12】変形例2における制御例を示す図である。
【符号の説明】
1,2 油圧ポンプ
3 バケットシリンダ(油圧シリンダに相当する。)
4 アームシリンダ(油圧シリンダに相当する。)
5,6 コントロール弁
18 圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)
27 コントローラ(メータアウト制御手段、作業状態検出手段、バイパス制御部、パイロット制御部としての機能を有する。)
28,29 ブリードオフ
30,31 メータイン
32,33 メータアウト
34 バイパス絞り弁(メータアウト制御手段、バイパス弁に相当する。)
60 バイパス絞り弁(メータイン制御手段、バイパス弁に相当する。)
80,81 圧力センサ(作業状態検出手段に相当する。)
85 電磁切換弁(メータアウト制御手段、電磁弁に相当する。)
86 パイロットライン
Claims (7)
- 掘削装置の駆動源としての油圧シリンダのメータアウト流量を制御するメータアウト制御手段を設け、このメータアウト制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータアウト開口を増大させるように構成されたことを特徴とする油圧ショベルの油圧回路。
- メータアウト制御手段は、油圧シリンダに対する油の給排を制御するコントロール弁のメータアウト通路と並列に設けられたバイパス弁と、このバイパス弁の開度を制御するバイパス制御部とによって構成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の油圧ショベルの油圧回路。
- 操作手段の操作に応じてコントロール弁の作動を制御するコントローラがバイパス制御部を兼ねることを特徴とする請求項2記載の油圧ショベルの油圧回路。
- コントロール弁としてパイロット式コントロール弁を設けるとともに、そのパイロットラインに電磁弁を設け、コントローラは掘削作業時に上記コントロール弁のメータアウト開口を増大させるように上記電磁弁の開度を制御するパイロット制御部を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油圧ショベルの油圧回路。
- 作業状態が掘削作業か否かを検出する作業状態検出手段を有し、バイパス制御部は、この作業状態検出手段によって掘削作業時であることが検出されたときにメータアウト開口を増大させるように構成されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油圧ショベルの油圧回路。
- 作業状態検出手段は、油圧シリンダの駆動回路中のポンプ吐出圧又は同油圧シリンダの前後圧の測定値に基づいて、作業状態が掘削作業か否かを検出することを特徴とする請求項5記載の油圧ショベルの油圧回路。
- 油圧シリンダのメータイン流量を制御するメータイン制御手段をさらに設け、このメータイン制御手段は、上記油圧シリンダの負荷がシリンダ減速方向に働く掘削作業時に、負荷がシリンダ増速方向に働く作業時と比較してメータイン開口を増大させるように構成されたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の油圧ショベルの油圧回路。
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