JP2004224039A - 帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及び包装用成形体 - Google Patents

帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及び包装用成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】安定した帯電防止性能を有し、かつ耐摩耗性及び緩衝性に優れ、特に電子部品の包装体として優れた保護性能を有する帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及びそれを基材とした発泡容器等の成形体を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂発泡層(A)の少なくとも片面に、高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を有し、シート密度が450kgm−3未満である帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートであり、熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する熱可塑性樹脂材料が、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましく、高分子型帯電防止剤としてはポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーを主成分とするもので、表面抵抗率は1012Ω/□未満であることが好ましい。又該積層発泡シートは、共押出法で製造することが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及びそのシートを熱成形した包装用成形体に関する。詳しくは、安定した帯電防止性を有し、耐摩耗性及び緩衝性に優れ、特に電子部品の包装体として優れた保護性能を有する帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及びそれを熱成形した発泡容器等の成形体に関する。尚、本発明において樹脂組成物の組成を表す単位は、特に断らない限り質量基準の値である。
【0002】
【従来の技術】
電子部品等を包装する際、振動や衝撃などから製品の損傷を防ぐため、緩衝性を備える熱可塑性樹脂の発泡体が使用されていて、中でもポリプロピレン系樹脂発泡シートを熱成形した容器等の包装体は、ポリプロピレン系樹脂が耐摩耗性、耐熱性及び耐溶剤性に優れていることや、そのシートを熱成形して複雑な形状を比較的容易に得られることから、前記の電子部品の包装体に適している。
【0003】
しかし、そのような発泡体は、熱可塑性樹脂からなり、絶縁体であるため帯電性が高く、帯電した静電気が逸散し難く、製品への埃の付着、作業者への電撃及び電子部品の機能を喪失させる等の問題が起きている。
【0004】
このような問題を解決するために、発泡シート及び熱成形した包装体の表面抵抗値を低減して帯電防止性を付与する方法があり、その手段として帯電防止剤を発泡シート又は包装体の表面に塗布する方法や、帯電防止剤を発泡シートに添加する方法がある。
【0005】
帯電防止剤を塗布する方法としては、界面活性剤を含む塗液をシートまたは成形品表面に塗布する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、この方法では、水洗や拭き取りによってシート表面の帯電防止剤が容易に脱落し、帯電防止効果が低下してしまうという問題がある。またこの方法では製造工程が複雑になるため、原料樹脂に添加する方法の方が工程が簡略である。
【0006】
帯電防止剤を原料樹脂に添加する方法の一例としては、イオン性界面活性剤を樹脂中に配合する方法が挙げられ、加熱可塑化したポリオレフィン系樹脂に、発泡剤と少なくとも1種の第4級アンモニウム塩または少なくとも1種の、長鎖脂肪酸とポリオールとの部分エステルを配合することが提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法で得られる発泡体、フィルム及び成形物からなる包装体は、表面を拭いたり、水洗いしたりするとその帯電防止効果が低下するという帯電防止効果の持続性の点で問題点があった。
【0007】
この問題を克服するために、本発明者等は高分子型の帯電防止剤を添加した発泡体を提案している(特願2002−321003号)。この発泡体は、前記の帯電防止効果の持続性においては優れているが、該帯電防止剤を比較的多量添加する必要がありコスト高である。又、この発泡体では、発泡体を構成する樹脂がポリプロピレン系樹脂のみに限定された。
【0008】
一方で基材樹脂層の少なくとも片面に導電性フィラー又は帯電防止剤を配合した樹脂層を積層する方法が種々提案されている(例えば特許文献3及び4参照)。しかしこれらは、導電性フィラーとしてカーボンブラック等を配合した未発泡の樹脂層を積層しているが、帯電防止性および強度や剛性等の物性面では包装材料として適した性能を有しているが、シート表面が搬送する部品等で擦られた場合に粉が発生し、内容物を汚染するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】特開2001−142042号公報
【特許文献2】特許第3026022号公報
【特許文献3】特開平4−43033号公報
【特許文献4】特開2001−347589号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、持続性のある帯電防止効果を有し、かつ耐摩耗性及び緩衝性に優れ、特に電子部品の包装体として優れた保護性能を有する帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート及びそれを基材とした発泡容器等の成形体に関する。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記のように高分子型帯電防止剤をポリプロピレン系樹脂発泡シートに配合することによって、持続性の帯電防止効果が得られる事を先に提案しているが、更に本発明は該発泡シートを多層構成として、基材となる熱可塑性樹脂発泡層の少なくとも片面の表層を、前記高分子型帯電防止剤を添加したポリプロピレン系樹脂発泡層とすることによって、その発泡体当たりの高分子型帯電防止剤の添加量が少なくて済み、持続性の帯電防止効果を有し、且つ内容物との摩擦に対する耐摩耗性の良好な成形体が得られる事を見出し本発明に至った。
【0012】
即ち本発明は、熱可塑性樹脂発泡層(A)の少なくとも片面に、高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を有し、シート密度が450kgm−3未満である帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートである。熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する熱可塑性樹脂材料が、ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。更に高分子型帯電防止剤が、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーを主成分とする帯電防止剤であり、 積層発泡シートの表面抵抗率が1012Ω/□未満である事が好ましい。又、該帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートを製造する方法としては共押出法が好ましい。一方で本発明は該帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートからなる包装用成形体である。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の積層発泡シートの層構成は、熱可塑性樹脂発泡層(A)の少なくとも片面に高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を積層してなる。更に熱可塑性樹脂発泡層(A)を中芯層とし高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を両外層に設けることが、シート全体の帯電防止性を発揮させることができるために好ましい。
【0014】
本発明における熱可塑性樹脂発泡層(A)は、熱可塑性樹脂を主原料とする組成物で、その熱可塑性樹脂の例としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、及びこれらの混合物等を挙げることができる。本発明で用いるポリオレフィン系樹脂としては、プロピレン又はエチレンの単独重合体や、プロピレン又はエチレンと、他のα−オレフィン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステル等を一部共重合した変成オレフィン樹脂も含まれる。
【0015】
熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する前記熱可塑性樹脂には、発泡シートの製膜を阻害しない範囲で、発泡助剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、及び脂肪酸塩、脂肪酸アミド等のスリップ剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0016】
これらの添加剤等の混合方法は、特に限定されるものではないが、一般的には発泡シート製膜時に押出機へ攪拌混合した原料を直接投入する方法、または攪拌混合した原料を単軸または二軸押出機にて溶融混合してペレット化し、発泡押出時に使用する方法等を用いることができる。
【0017】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡層(B)に用いるポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、エチレン又はポリプロピレンと他のα−オレフィンが挙げられるが、良好な発泡シートを製膜する点においてメルトインデックス10g/10分以下のものが好ましい。
【0018】
本発明のポリプロピレン系樹脂発泡層(B)に用いる高分子型帯電防止剤とは、少なくとも1種の単量体単位が化学結合による多数の繰り返しの連鎖構造を有している帯電防止剤であって、その分子量は1000以上が一般的である。帯電防止剤を含有したポリプロピレン系樹脂発泡シートを水洗したり拭き取ったりしたときの帯電防止効果の持続性は、その帯電防止剤の化学構造によって大きく異なるが、低分子型の帯電防止剤と比較して特定の高分子型の帯電防止剤が優れている。
【0019】
高分子型帯電防止剤の例としては、ポリエーテルエステルアミド、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマー、幹ポリマーがポリアミド、枝ポリマーがポリアルキレンエーテルとポリエステルとのブロックポリマーからなるグラフトポリマー、カプロラクタム、イミド環を形成しうる多価カルボン酸成分、有機ジイソシアネート及びポリエチレングリコールの共重合体、α−オレフィンと無水マレイン酸とポリオキシアルキレンアリルエーテルとの共重合体、ポリエチレンエーテル、イソシアネート及びグリコールから成るポリマー等を挙げることができ、これらの少なくとも1種を用いることにより、持続性の高い帯電防止効果が得られる。また、これらのうちでポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーが、他の高分子型帯電防止剤と比較して少量の添加量で十分な帯電防止効果が得られることから発泡シートの押出成形が容易であることから特に好ましい。これらの帯電防止剤としては、前記成分を主成分とする市販の帯電防止剤を用いることが出来る。
【0020】
高分子型帯電防止剤の添加量は、高分子型帯電防止剤の種類によって異なるが、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーを主成分とする帯電防止剤の場合には、ポリプロピレン系樹脂発泡層(B)の樹脂成分100部に対して10〜30部が好ましい。10部未満では十分な表面抵抗値が得られず、30部を超えると発泡シートの発泡不良や外観不良の原因になる可能性がある。
【0021】
ポリプロピレン系樹脂発泡層(B)には、発泡シートの製膜を阻害しない範囲で、発泡助剤、酸化防止剤、着色剤、紫外線吸収剤、可塑剤、及び脂肪酸塩、脂肪酸アミド等のスリップ剤等を必要に応じて添加してもよい。
【0022】
熱可塑性樹脂発泡層(A)及びポリプロピレン系樹脂発泡層(B)は、それぞれ前記の樹脂組成物を化学発泡剤又は物理発泡剤を用いで、後述する方法で発泡押出成形することによって得ることができる。
【0023】
ポリプロピレン系樹脂発泡層(B)に用いるポリプロピレン系樹脂は、未発泡でも比較的優れた耐摩耗性を示すが、発泡させることにより更に耐摩耗性が向上する。即ち、表面層を発泡させることにより、外部からの摩擦応力を緩和する効果が付与されることにより、本発明の積層発泡シートが、優れた耐摩耗性を有したものとなる。
【0024】
本発明の積層発泡シートは、熱可塑性樹脂発泡層(A)と、ポリプロピレン系樹脂発泡層(B)より構成されるが、(A)層の密度は、積層シートの緩衝性の点で、(B)層の密度は前記の耐摩耗性の点で重要である。多くの場合各層は剥離できないので両者の密度を個別に測定することは出来ないが、この積層シートとして測定した密度は450kgm−3未満であり、好ましくは300kgm−3以上450kgm−3未満である。密度が450kgm−3以上になると、十分な緩衝性が得られず、一方でシート表面の耐摩耗性が不十分となる。一方で密度が300kgm−3未満となると、積層シートを容器等に熱成形する際の成形性が低下し、シート表面の平滑性も低下し、耐摩耗性も低下するので好ましくない。
【0025】
各樹脂発泡層の厚みについては、使用する樹脂材料、発泡倍率の組み合わせによって異なり、適宜定めることができる。また、積層発泡シート全体の厚みは特に限定されない。
【0026】
本発明の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートの表面抵抗率は1012Ω/□未満が好ましい。表面抵抗率が1012Ω/□以上となると、発泡体表面の帯電により静電気が発生し、塵埃が付着することにより電子部品の包装体として不適となる。さらに帯電した静電気によって、これら部品や機器がその機能を喪失するという事態が起こる恐れが有り好ましくない。
【0027】
本発明の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートを製造する方法は特に限定されるものではないが、(A)層用の熱可塑性樹脂組成物と発泡剤からなる樹脂組成物と、(B)層用の高分子型帯電防止を含有するポリプロピレン系樹脂組成物と発泡剤からなる樹脂組成物とを、それぞれ溶融混練して共押出法にて積層し、ダイスより押出成形することにより本発明の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートを得ることが好ましい。具体的には、公知の発泡成形方法及び通常の複数の押出成形機でフィードブロック法またはマルチマニホールド法を用いた共押出成形方法を適用することが出来る。一方で各樹脂層を、接着層を介在させてドライラミネート法、押出ラミネート法及びプレス等の公知の方法にて積層することも可能であるが、生産性の点で前記の共押出法が優れている。
【0028】
本発明の熱可塑性樹脂発泡層(A)及びポリプロピレン系樹脂発泡層(B)の発泡剤としては化学発泡剤と物理発泡剤がある。化学発泡剤の具体例としては、重曹とクエン酸の混合物、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノベンゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタルアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p、p’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、炭酸塩、有機酸塩等が挙げられる。化学発泡剤の添加方法は特に限定されず、樹脂組成物にドライブレンドする方法や、押出機のホッパー中で定量フィーダーを使用して添加する方法、或いは各発泡層の基材樹脂と相溶性のある熱可塑性樹脂をベースとするマスターバッチを作成し添加する方法等を用いることができる。
【0029】
物理発泡剤としては炭酸ガス、プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリクロロモノフルオロメタン、メタノール、エタノール、水等が例示されるが、安全性の面で炭酸ガスが好適に用いられる。物理発泡剤の添加方法としては、二軸押出機の中央ゾーンまたはタンデム押出機の1段目押出機の中央ゾーンに供給する方法等が挙げられる。
【0030】
本発明の積層発泡シートは、熱成形して成形体とし、特に電子部品の包装用のトレイ、コンテナ及びその他の容器、もしくは型枠等の包装用成形体として好適に用いることができる。熱成形とは、一般的に言われているような成形シートを加熱軟化させて、軟らかい間に外力を加えて成形する方法である。熱成形には外力として空気を用いる方法として真空成形と圧空成形の二通りがある。またシートの加熱方法としてヒーターによる間接加熱方法と熱風により加熱する方法がある。また、成形型の凹凸の組み合わせやプラグ使用など、補助エアーの使用など多くの成形方法が知られている。例えば、ストレート真空成形、ストレート圧空成形、ドレープ真空成形、ドレープ圧空成形、プラグアシスト成形、ドレープアンドプラグアシスト成形、プラグアシスト圧空成形、プラグアシストリバースドロー成形、エアクション成形、プラグアシストエアストリップ成形、マッチモールド(プレス)成形などがあげられ、それらのいずれの方法を用いても良い。
【0031】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0032】
以下の実施例及び比較例において用いた測定方法は下記の方法にて行った。
【0033】
(シート密度)ミラージュ貿易社製電子比重計(MD−200S)にて測定した。
【0034】
(表面抵抗率)三菱化学社製ハイレスタ−UP(MCP−HT450,JボックスUタイプ)を使用し、印加電圧500V、測定時間60秒の条件で、サンプルを環境温度23℃、環境湿度55%にて24時間放置した後、測定を行った。また、サンプルを30℃の流水で2時間水洗浄し、清浄な紙で水分を拭き取り、環境温度23℃、環境湿度55%にて24時間放置した後、洗浄後の表面抵抗率の測定を行った。
【0035】
(耐摩耗性)JIS K 7204に準拠し、磨耗輪CF−17、過重98000N×2、測定回数1000回転、回転速度72rpmの条件で摩擦試験を行った後、サンプルの質量を測定し、摩擦試験前の質量からの差を摩耗量とした。測定は3回行い、結果は平均値を示した。
【0036】
(実用落下試験)発泡シートを真空成形機にて縦400mm、横300mm、深さ45mmの形状のトレーに成形し、その中に300mm×200mm×厚さ1.5mmのガラス板を入れ、それを10段重ねた状態で段ボールに入れた。トレイ10段を詰めた段ボール箱を、高さ300mmから段ボールの1角及び稜角3箇所、更に6面を一回ずつ落とし、ガラス板の破損状態を評価した。(評価基準:○=破損なし、×破損有り)
【0037】
(実施例1〜2)
中芯層及び帯電防止剤を含有する表層として、表1に示すポリプロピレン樹脂の配合組成物を、各々東芝機械社製90mm単軸押出機(L/D=34)とプラコー社製40mm単軸押出機に供給して溶融押出し、それぞれの溶融樹脂を三和精工社製2種3層フィードブロックにて合流させ、750mm巾のT型ダイスを通して、1/8/1の厚さの層構成で総厚1.0mmの積層発泡シートを製膜した。得られた積層発泡シートの各層のシート密度及び表面抵抗率、耐摩耗性の測定結果を表1に示す。
【0038】
(実施例3〜4)
中芯層の樹脂としてポリスチレン樹脂を用い、中芯層及び表層の配合組成を、表1に示した通りとした以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを製膜し、同様の評価を行った。
【0039】
(比較例1)
表層の帯電防止剤として、界面活性剤型のものを用い、表1に示した添加量とした以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを製膜し、同様の評価を行った。
(比較例2)
表層を未発泡層とした以外は、実施例2と同様にして積層発泡シートを製膜し、同様の評価を行った。
(比較例3)
中芯層及び表層の配合組成を表1に示した通りとし、積層シートの密度を630kgm−3とした以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを製膜し、同様の評価を行った。
(比較例4)
表層の樹脂としてポリスチレン樹脂を用い、配合組成を表1に示した通りとした以外は、実施例1と同様にして積層発泡シートを製膜し、同様の評価を行った。
【0040】
【表1】
Figure 2004224039
【0041】
PP:ポリプロピレン樹脂、 チッソ(株)製 A5014、 MI=4.0g/分(230℃、JIS K6758法)
PS:ポリスチレン樹脂、 電気化学工業(株)製 HRM−2
CF:化学発泡剤(CF) 永和化成(株)製 CF
高分子型帯電防止剤:三洋化成(株)製 ペレスタット300
界面活性剤型帯電防止剤:花王社 TS−3B
【0042】
各実施例の積層発泡シートは、洗浄による表面抵抗率の上昇が見られないことから帯電防止性が安定しており、耐摩耗性も優れている。これに対して比較例1の積層発泡シートは、帯電防止剤が界面活性剤であることから洗浄後の表面抵抗率が上昇し、帯電防止性が低下している。比較例2の積層発泡シートは表層が未発泡であることから、耐摩耗性に劣り、比較例3については、シート密度が高いことにより耐摩耗性と成形体の緩衝性が劣る。
【0043】
【発明の効果】
本発明の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートを熱成形した包装体は、表面の帯電防止性が安定しており、水で洗浄しても帯電防止性の変化がみられない。更に、耐摩耗性及び緩衝性に優れていることから、特に電子部品の包装体として有用である。

Claims (6)

  1. 熱可塑性樹脂発泡層(A)の少なくとも片面に、高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を有し、シート密度が450kgm−3未満である帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート。
  2. 熱可塑性樹脂発泡層(A)を構成する熱可塑性樹脂材料が、ポリプロピレン系樹脂であることを特徴とする、請求項1記載の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート。
  3. 高分子型帯電防止剤が、ポリオレフィンとポリエーテルのブロックポリマーを主成分とする請求項1〜2記載のいずれか1項に記載の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート。
  4. 積層発泡シートの表面抵抗率が1012Ω/□未満である請求項1〜3記載のいずれか1項に記載の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シート。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートからなる包装用成形体。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートを製造する方法が、共押出法により熱可塑性樹脂発泡層(A)と高分子型帯電防止剤を配合してなるポリプロピレン系樹脂発泡層(B)を積層することを特徴とする帯電防止性熱可塑性樹脂積層発泡シートの製造方法。
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