JP2004223760A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メイン基板110に実装されたメインメモリ111には、LED素子の発光を制御するための補正データが記憶されており、LEDアレイヘッドに対応する補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板がメイン基板に実装された接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cに挿入されると、メイン基板110に実装された制御部112は、接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cに挿入されているサブ基板のサブメモリに記憶されている補正データをメインメモリ111に転送して書き込む。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のLED素子からなるLEDアレイヘッドによって画像の静電潜像を形成する画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コピー機やプリンタなどの画像形成装置では、次のように画像形成が行われる。帯電装置により一様に帯電された感光体ドラムの表面に、画像データに応じてLED(Light Emitting Diode)光が照射され、感光体ドラム表面に静電潜像が形成される。この静電潜像に対して現像装置からトナーが供給され、感光体ドラム表面にトナー画像が形成された後、このトナー画像が転写装置の転写バイアスによって記録紙上に転写される。記録紙に転写された未定着状態のトナー画像は定着装置による加熱及び加圧で定着され、記録紙上に電子写真画像が形成される。このとき、LED光の照射には、複数のLED素子がライン上に配置されたLEDアレイヘッドが用いられる(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
図7は、従来のLEDアレイヘッドに用いられる制御基板を示す図である。図7に示す制御基板310には、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各色に応じたLEDアレイヘッドの補正データを記憶するメモリ311Y,311M,311C,311Bと、メモリ311Y,311M,311C,311Bに記憶されている補正データに基づいて各LEDアレイヘッドの発光を制御する制御部312と、各LEDアレイヘッドを駆動するための出力ドライバ313とで構成される。
【0004】
LEDアレイヘッドは、工場での製造条件などに起因して、単位素子あたりに通電される電流とその時の発光量との関係(以下、発光効率という)にばらつきが生じる場合がある。そのため、LEDアレイヘッドを製造する過程において、LEDをその特性に応じてランク分けし、同一ランクに属するLED素子でLEDアレイヘッドを製造している。このような作業を行うことによって、あるLEDアレイヘッドは発光効率の高いLED素子で構成され、あるLEDアレイヘッドは発光効率の低いLED素子で構成されることとなる。
【0005】
また、LEDアレイヘッドには、各LED素子毎の発光量をできる限り抑えるように、各LED素子の通電電流を個別に補正する補正データが必要となる。しかしながら、LEDアレイヘッドには個体差があるため、LEDアレイヘッド毎に補正データを設定する必要があり、LEDアレイヘッドに応じた補正データが作成される。フルカラー印刷可能なタンデム方式の画像形成装置の場合、LEDアレイヘッドは、トナーの色の数だけ、すなわちイエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各トナー色に応じて4つ設けられ、補正データは各LEDアレイヘッドの数だけ(この場合4つ)必要となる。各LEDアレイヘッドに対応する補正データは、画像形成装置の制御基板310上に設けられた4つのメモリ311Y,311M,311C,311Bに各々記憶される。
【0006】
ところで、LEDアレイヘッドの破損や、不良などによってLEDアレイヘッドを交換する際には、LEDアレイヘッドとともに、交換するLEDアレイヘッドに応じた補正データも交換する必要がある。そこで、従来は、物理的に交換可能なメモリ311Y,311M,311C,311Bに補正データを記憶し、当該メモリ311Y,311M,311C,311Bを制御基板100上に実装し、LEDアレイヘッドの交換が生じた場合に、制御基板310上のメモリ311Y,311M,311C,311Bを直接取り外して交換していた。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−58748号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、補正データは、制御基板上に実装されているメモリ311Y,311M,311C,311Bに記憶されているため、生産ライン上での交換や、市場でのサービスマンによる交換の際に、半導体を直接触ることになり、取り扱いに注意が必要となる。また、LEDアレイヘッドの付属品として、補正データが記憶されたメモリを梱包する際に、単体の半導体の個装は手間がかかるという問題を有していた。さらに、フルカラー印刷可能なタンデム方式の画像形成装置の場合、LEDアレイヘッドが、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの各トナー色に応じて4つ必要であるため、従来の構成では、補正データを記憶した交換可能なメモリが制御基板上に4つ実装されることとなり、制御基板の構成が大きくなってしまうという問題を有していた。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、制御基板の構成を簡略化するとともに、簡単にLEDアレイヘッドの交換を行うことができる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置は、複数のLED素子からなるLEDアレイヘッドによって画像の静電潜像を形成する画像形成装置であって、前記LEDアレイヘッドを駆動するための駆動手段が実装された第1の基板と、前記第1の基板に実装され、前記LED素子の発光を制御するための補正データを記憶する主記憶手段と、前記LEDアレイヘッドに対応する補正データを記憶する補助記憶手段が実装された第2の基板と、前記第1の基板に実装され、前記第2の基板が着脱可能な接続コネクタと、前記第1の基板に実装され、前記接続コネクタに前記第2の基板が挿入されることで、前記補助記憶手段に記憶されている補正データを前記主記憶手段に転送して書き込む制御手段とを備える。
【0011】
この構成によれば、第1の基板に実装された主記憶手段にLED素子の発光を制御するための補正データが記憶されており、LEDアレイヘッドに対応する補正データを記憶する補助記憶手段が実装された第2の基板が第1の基板に実装された接続コネクタに挿入されると、第1の基板に実装された制御手段によって補助記憶手段に記憶されている補正データが主記憶手段に転送されて書き込まれる。
【0012】
すなわち、LEDアレイヘッドの交換が生じた場合、第2の基板が第1の基板に設けられた接続コネクタに挿入されることによって、第2の基板の補助記憶手段に記憶されている交換用のLEDアレイヘッドの補正データが第1の基板に設けられた主記憶手段に転送されて書き込まれるため、従来のように補正データが記憶されたメモリを直接抜き差しする必要がなくなり、簡単にLEDアレイヘッドの交換を行うことができる。
【0013】
また、上記の画像形成装置において、前記LEDアレイヘッドは複数設けられ、前記主記憶手段は各LEDアレイヘッドに応じた補正データを記憶し、前記接続コネクタは複数の前記LEDアレイヘッドの数に応じて設けられ、制御手段は、前記接続コネクタに前記第2の基板が挿入されることで、前記補助記憶手段に記憶されている補正データを前記主記憶手段に転送して書き込むことが好ましい。
【0014】
この構成によれば、フルカラー印刷可能な画像形成装置の場合、LEDアレイヘッドは複数設けられ、各LEDアレイヘッドに応じて補正データが必要となるが、第1の基板に実装される主記憶手段に各LEDアレイヘッドに応じた補正データが一括して記憶されるため、補正データを記憶したメモリが1つでよく、従来のように複数のLEDアレイヘッドの数に応じたメモリを設ける必要がなくなり、制御基板の構成を簡略化することができる。
【0015】
また、上記の画像形成装置において、前記主記憶手段は、前記静電潜像に供給されるトナーの色毎に補正データを記憶していることが好ましい。
【0016】
この構成によれば、第1の基板に実装される主記憶手段に、各LEDアレイヘッドによって形成される静電潜像に供給されるトナーの色毎の補正データが一括して記憶されるため、補正データを記憶したメモリが1つでよく、従来のようにトナーの色毎のメモリを設ける必要がなくなり、制御基板の構成を簡略化することができる。
【0017】
また、上記の画像形成装置において、前記制御手段は、第2の基板が挿入された接続コネクタから出力されるセレクト信号に基づいて前記補助記憶手段に記憶されている補正データを主記憶手段に書き込むことが好ましい。
【0018】
この構成によれば、第2の基板が挿入された接続コネクタから出力されるセレクト信号に基づいて、当該第2の基板に実装されている補助記憶手段に記憶されている補正データを主記憶手段の適切な記憶領域に記憶することができる。
【0019】
また、上記の画像形成装置において、前記制御手段は、前記LEDアレイヘッドを交換する場合、交換する前の前記LEDアレイヘッドに対応する補正データが記憶されている前記主記憶手段の領域とは異なる領域に前記補助記憶手段から転送される新たな前記LEDアレイヘッドに対応する補正データを書き込むことが好ましい。
【0020】
この構成によれば、LEDアレイヘッドを交換する場合、制御手段によって、交換する前のLEDアレイヘッドに対応する補正データが新たなLEDアレイヘッドに対応する補正データに書き換えられるのではなく、交換前の補正データが記憶されている主記憶手段の領域とは異なる領域に補助記憶手段から転送される新たな補正データが書き込まれるため、交換するLEDアレイヘッドとは異なる補正データが記憶されている補助記憶手段が実装された第2の基板を接続コネクタに挿入してしまった場合でも交換前の補正データに復旧することができる。
【0021】
また、上記の画像形成装置において、前記第2の基板が接続される前記接続コネクタを特定する特定手段をさらに備えることが好ましい。
【0022】
この構成によれば、特定手段によって、第2の基板が接続される接続コネクタが特定されるので、LEDアレイヘッドを交換する場合、交換するLEDアレイヘッドに対応する補正データが記憶されている補助記憶手段が実装されている第2の基板を適切な接続コネクタに挿入することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、プリンタ(画像形成装置の一例)1では、プリンタ本体2内にブラック(B)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色用にそれぞれ現像装置3B,3Y,3M,3Cが備えられている。それぞれの現像装置3B,3Y,3M,3Cには感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cが備えられ、図中の矢印方向に回転するようになっている。この感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cが帯電部5B,5Y,5M,5Cによって一様に帯電され、外部PC等から入力された画像データに基づくLED光が、LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cからドラム表面上に照射されて静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーが供給されてトナー像が形成される。このトナーの供給は、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に応じたトナー供給容器7B,7Y,7M,7Cから現像装置3B,3Y,3M,3Cを介してそれぞれ行われる。これら各色用に4つの感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cが並設されている下方には用紙搬送ベルト8が配設されている。用紙搬送ベルト8は圧ローラ9によって各感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cに押し付けられた状態とされ、ローラ10,11によって感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cの回転方向の順方向に回転されるようになっている。
【0024】
そして感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cと用紙搬送ベルト8との間に、給紙機構12から用紙搬送路13を経由して用紙が搬送され、用紙が各色の感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cと用紙搬送ベルト8との間を搬送されていく間に、各感光体ドラム4B,4Y,4M,4C表面の各色のトナー像が転写バイアスによって次々に用紙に転写される。全ての感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cからトナー像が転写された用紙は定着ローラ対を有する定着装置14に搬送され、ここでトナー像が定着ローラ対によるニップで熱定着されてカラー画像が形成される。定着装置14を通過した用紙は用紙搬送路15に送られ、排出部16から排出される。なお、上記の各感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cには、感光体ドラム4B,4Y,4M,4C上の残留トナー等を除去するためにクリーニング機構20が備えられている。
【0025】
図2は本発明に係るプリンタ1の概略構成を示すブロック図である。プリンタ1には、プリンタ1全体の制御を司る全体制御部101が備えられ、この全体制御部101には、装置全体の動作プログラム等を記憶したROM102が接続され、記録に用いる画像データ等を格納しておくためのRAM103が接続されている。全体制御部101は、帯電部5及び現像部3と、各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cを制御する露光部15と、感光体ドラム4上のトナー像を転写用紙に転写するための転写バイアス部104と、感光体ドラム4の駆動源であるドラムモータ105とを制御する。なお、図2では特に図示していないが、これら帯電部5、現像部3、転写バイアス部104、及びドラムモータ105は各色用に設けられている。また、全体制御部101は、定着装置14の制御を行い、定着ローラ対の回転速度、定着ローラ対の一方を構成する熱ローラ内のヒータのオン・オフを制御するとともに、定着ローラ対を所定時間駆動し、熱ローラの周面を一様に所定温度とする。転写ベルト8を走行させる駆動ローラ10のローラ駆動モータ106も全体制御部101によって制御される。
【0026】
全体制御部101は、インタフェイス107を介してPC(パソコン)108と接続され、プリンタ1はこのPC108から入力される画像データに基づいて露光部15を駆動制御する。全体制御部101には、ユーザからの印刷指示等が入力される操作パネル109が接続されている。
【0027】
図3は、LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cを制御するためのメイン基板の一例を示す図である。メイン基板(第1の基板に相当する)110には、各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに応じた補正データを記憶するメインメモリ(主記憶手段に相当する)111、LEDアレイヘッド6Bに応じた補正データを記憶するサブメモリ(補助記憶手段に相当する)が実装されたサブ基板(第2の基板に相当する)が接続される接続コネクタ61B、LEDアレイヘッド6Yに応じた補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が接続される接続コネクタ61Y、LEDアレイヘッド6Mに応じた補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が接続される接続コネクタ61M及びLEDアレイヘッド6Cに応じた補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が接続される接続コネクタ61C、接続コネクタにサブ基板が挿入されることで、サブメモリに記憶されている補正データをメインメモリ111に転送して書き込む制御部(制御手段に相当する)112及び各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cを駆動する出力ドライバ113が実装されている。
【0028】
接続コネクタ61Bは、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bの発光を制御するための補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が着脱可能に構成されている。接続コネクタ61Yは、イエロー用のLEDアレイヘッド6Yの発光を制御するための補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が着脱可能に構成されている。接続コネクタ61Mは、マゼンタ用のLEDアレイヘッド6Mの発光を制御するための補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が着脱可能に構成されている。接続コネクタ61Cは、シアン用のLEDアレイヘッド6Cの発光を制御するための補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板が着脱可能に構成されている。
【0029】
また、図3に示すように、それぞれの接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cの下方には、トナーの色を表すシルク表示部(特定手段に相当する)61’B,61’Y,61’M,61’Cが形成されている。シルク表示部61’Bには、「B」という文字がシルク表示で形成され、サブメモリ62Bが実装されたサブ基板120が接続コネクタ61Bに接続されることを表している。シルク表示部61’Yには、「Y」という文字がシルク表示で形成され、サブメモリ62Yが実装されたサブ基板120が接続コネクタ61Yに接続されることを表している。シルク表示部61’Mには、「M」という文字がシルク表示で形成され、サブメモリ62Mが実装されたサブ基板120が接続コネクタ61Mに接続されることを表している。シルク表示部61’Cには、「C」という文字がシルク表示で形成され、サブメモリ62Cが実装されたサブ基板120が接続コネクタ61Cに接続されることを表している。
【0030】
このように、シルク表示部61’B,61’Y,61’M,61’Cによって、サブ基板120が接続される接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cが特定されるので、LEDアレイヘッドを交換する場合、交換するLEDアレイヘッドに対応する補正データが記憶されているサブメモリ62B,62Y,62M,62Cが実装されているサブ基板120を適切な接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cに挿入することができる。
【0031】
図4は、補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板の一例を示す図である。なお、図4では、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bの発光を制御するためのサブメモリ62Bが実装されている場合のサブ基板120を示しているが、イエロー、マゼンタ及びシアン用のLEDアレイヘッド6Y,6M,6Cの発光を制御するためのサブメモリ62Y,62M,62Cが実装される場合も同様の構成となる。
【0032】
サブ基板120には、LEDアレイヘッド6Bに応じた補正データを記憶するサブメモリ62B及びメイン基板110に実装されている接続コネクタ61Bに着脱可能に構成される接続コネクタ63Bが実装されている。
【0033】
図5は、図2に示す露光部の構成の一例を示すブロック図である。なお、図5では、全ての接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cにサブ基板120が接続され、各サブメモリ62B,62Y,62M,62Cが制御部112と接続されている場合について示している。
【0034】
LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cは、各感光体ドラム4B,4Y,4M,4Cの回転軸に平行な方向に並んだ数千個のLED素子から構成されている。制御部112は、RAM103(図2参照)に記憶されている画像データに応じて各LED素子のオン/オフを制御する制御信号を出力ドライバ113に出力し、出力ドライバ113は、制御信号に基づいて各LED素子のオン/オフを切り換えることでLEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cを駆動する。
【0035】
メインメモリ111は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)で構成され、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの各色に応じたLEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cの発光を制御するための補正データを記憶する。なお、各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに応じた補正データは、プリンタ1の出荷時にあらかじめ格納されている。
【0036】
制御部112は、例えば、CPU(中央演算処理装置)で構成され、接続コネクタ61B,61Y,61M,61Cのいずれかにサブ基板120が挿入されることによって、サブ基板120に実装されているサブメモリ62B,62Y,62M,62Cに記憶されている補正データを所定のデータ転送方式に基づいてメインメモリ111に転送して書き込む。
【0037】
サブメモリ62Bは、例えば、EEPROMで構成され、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bの発光を制御するための補正データを記憶している。サブメモリ62Yは、例えば、EEPROMで構成され、イエロー用のLEDアレイヘッド6Yの発光を制御するための補正データを記憶している。サブメモリ62Mは、例えば、EEPROMで構成され、マゼンタ用のLEDアレイヘッド6Mの発光を制御するための補正データを記憶している。サブメモリ62Cは、例えば、EEPROMで構成され、シアン用のLEDアレイヘッド6Cの発光を制御するための補正データを記憶している。なお、サブメモリ62B,62Y,62M,62Cを書き換え可能なEEPROMで構成することによって、サブメモリ62B,62Y,62M,62Cに記憶されている補正データがメインメモリ111に転送されて不用になった場合でも記憶内容を他の補正データに書き換えることで何回も使用することができ、コストの削減を図ることができる。
【0038】
生産ラインや市場などにおいてLEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに不具合が生じ、交換が発生した場合、LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cとともに補正データも交換する必要がある。これは、LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cには生産上のばらつきがあり、個々のLEDアレイヘッドに応じた補正を行う必要があるためである。そのため、交換するLEDアレイヘッドに応じた補正データを記憶しているサブメモリが実装されているサブ基板120を接続コネクタに接続し、電源を投入することで、制御部112は、メインメモリ111に補正データを転送して書き込む。
【0039】
図6は、メインメモリの記憶領域の一例を示す概念図である。図6に示すように、領域200には、各色のLEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに関する補正データが記憶されており、領域201にはブラック用のLEDアレイヘッド6Bの発光を制御するための補正データが格納され、領域202にはイエロー用のLEDアレイヘッド6Yの発光を制御するための補正データが格納され、領域203にはシアン用のLEDアレイヘッド6Cの発光を制御するための補正データが格納され、領域204にはマゼンタ用のLEDアレイヘッド6Mの発光を制御するための補正データが格納されている。領域210は、空き領域となっている。
【0040】
ここで、サブメモリ62B,62Y,62M,62Cからメインメモリ111に補正データを書き込む動作について説明する。
【0041】
まず、プリンタ1の電源が投入されていない状態で、メイン基板110に実装されている接続コネクタ61Bにサブメモリ62Bが実装されたサブ基板120が挿入され、制御部112とサブメモリ62Bとが接続される。
【0042】
次に、電源が投入されると、制御部112は、所定のデータ伝送方式に基づいてサブメモリ62Bに記憶されている補正データを読み出し、読み出された補正データをメインメモリ111に転送して書き込む。なお、ここで用いられるデータ伝送方式としては、公知の汎用ポートが用いられる。
【0043】
サブ基板120は、各色共通の仕様、共通の回路構成からなるので、どの色の接続コネクタにも接続可能である。メイン基板110は、サブ基板120の挿入時にサブ基板120から制御部112に入力されるセレクト信号(どの色のコネクタに接続されたかを検知する)と、メイン基板110側でハードあるいはソフト的に設定されているサブメモリに対するチップセレクト信号との2種類のハード/ソフト構成からなり、制御部112は、セレクト信号に基づいてサブ基板120が複数の接続コネクタのうちのどの色の接続コネクタに接続されたかを認識し、メインメモリ111の適切な空間に補正データを自動的に転送する。
【0044】
サブメモリから読み出された補正データは、サブ基板120挿入時に接続コネクタを介して出力されるセレクト信号に基づき、何色のLEDアレイヘッドの補正データであるかが認識され、制御部112の制御によってメインメモリの所定領域に格納される。
【0045】
例えば、ブラック用LEDアレイヘッド6Bの補正データであれば、セレクト信号SEL_Kが出力される。なお、イエロー用LEDアレイヘッド6Yの補正データであれば、セレクト信号SEL_Yが出力され、シアン用LEDアレイヘッド6Cの補正データであれば、セレクト信号SEL_Cが出力され、マゼンタ用LEDアレイヘッド6Mの補正データであれば、セレクト信号SEL_Mが出力される。例えば、制御部112は、入力されるセレクト信号がSEL_Kであった場合、接続されるサブ基板120上の補正データをブラック用LEDアレイヘッド6Bのためのメインメモリ111の所定の領域201に自動転送する。
【0046】
また、サブ基板上のサブメモリ62B,62Y,62M,62CがEEPROMの場合、デバイスにアドレス入力端子があるのでその組み合わせの切り替えでチップセレクト信号とし、例えば、メインメモリ111側の端子A0〜A2と格納するメインメモリ111の領域を以下のように設定する。A0=0,A1=0,A2=1の場合、ブラック用の補正データであるため、メインメモリ111の領域201に格納され、A0=0,A1=1,A2=0の場合、イエロー用の補正データであるため、メインメモリ111の領域202に格納され、A0=1,A1=0,A2=0の場合、シアン用の補正データであるため、メインメモリ111の領域203に格納され、A0=1,A1=0,A2=1の場合、マゼンタ用の補正データであるため、メインメモリ111の領域204に格納される。
【0047】
また、サブ基板上のサブメモリ62B,62Y,62M,62Cがフラッシュメモリの場合、メイン基板110側でハードあるいはソフト的に設定されているサブメモリ62B,62Y,62M,62Cに対するチップセレクト信号が、MS_0であれば、ブラック用の補正データであるため、メインメモリ111の領域201に格納され、MS_1であれば、イエロー用の補正データであるため、メインメモリ111の領域202に格納され、MS_2であれば、シアン用の補正データであるため、メインメモリ111の領域203に格納され、MS_3であれば、マゼンタ用の補正データであるため、メインメモリ111の領域204に格納される。
【0048】
なお、メインメモリ111において、交換時の補正データは、交換前の補正データとは異なる別の領域に記憶される。つまり、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bを交換する場合、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bの発光を制御するための補正データがサブメモリ62Bから転送されるが、この補正データは領域201に上書きされるのではなく、空き領域210に格納される。つまり、ブラック用のLEDアレイヘッド6Bを交換する場合、制御部112によって、メインメモリ111の領域201における交換前の補正データが新たな補正データに書き換えられるのではなく、交換前の補正データが記憶されているメインメモリ111の領域201とは異なる別の空き領域210にサブメモリ62Bから転送される新たな補正データが書き込まれる。そのため、例えば、交換するLEDアレイヘッド6Bとは異なる補正データが記憶されているサブメモリ62Yが実装されているサブ基板120を接続コネクタ62Bに挿入してしまった場合でも、領域201に格納されている交換前の補正データは残ることとなり、復旧することができる。
【0049】
このように、LEDアレイヘッド6Bの交換が生じた場合、サブ基板120がメイン基板110に実装された接続コネクタ61Bに挿入されることによって、サブ基板120のサブメモリ62Bに記憶されている交換用のLEDアレイヘッドの補正データがメイン基板110に設けられたメインメモリ111に転送されて書き込まれるため、従来のように補正データが記憶されたメモリを直接抜き差しする必要がなくなり、簡単にLEDアレイヘッドの交換を行うことができるようになる。
【0050】
また、フルカラー印刷可能なタンデム方式のプリンタ1の場合、LEDアレイヘッドはトナー色の数に応じて複数設けられ、各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに応じて補正データが必要となるが、メイン基板110に実装されるメインメモリ111に各LEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cに応じた補正データが一括して記憶されるため、補正データを記憶したメモリを1つにすることができる。そのため、従来のように複数のLEDアレイヘッド6B,6Y,6M,6Cの数に応じたメモリを設ける必要がなくなり、メイン基板110の構成を簡略化することでメイン基板110を小型化することができ、制御基板のコストを安価にすることができる。
【0051】
さらに、メインメモリ111は、各トナーの色毎に補正データを記憶しているので、補正データを記憶したメモリが1つでよく、従来のようにトナーの色毎のメモリを設ける必要がなくなり、メイン基板110の構成を簡略化することができる。
【0052】
また、サブメモリからメインメモリへ補正データを転送するデータ転送方式は、本実施の形態では、汎用ポートを用いて行うとしたが、本発明は特にこれに限定されず、例えば、I2Cバス、パラレルのバス方式、2線式及び3線式等のCLK非同期、あるいは同期式の方法などを用いてもよい。
【0053】
また、本実施の形態では、フルカラー印刷可能なタンデム方式の画像形成装置について説明したが、本発明は特にこれに限定されず、例えば白黒印刷のみが可能な画像形成装置であってもよい。白黒印刷のみが可能な画像形成装置の場合、メイン基板110には、メインメモリ111、制御部112、出力ドライバ113及びブラック用の接続コネクタ61Bのみが実装されることとなる。この場合、サブ基板120がメイン基板110に実装された接続コネクタ61Bに挿入されることによって、サブ基板120のサブメモリ62Bに記憶されている交換用のLEDアレイヘッドの補正データがメイン基板110に設けられたメインメモリ111に転送されて書き込まれるため、従来のように補正データが記憶されたメモリを直接抜き差しする必要がなくなり、簡単にLEDアレイヘッドの交換を行うことができる。
【0054】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、LEDアレイヘッドの交換が生じた場合、第2の基板が第1の基板に設けられた接続コネクタに挿入されることによって、第2の基板の補助記憶手段に記憶されている交換用のLEDアレイヘッドの補正データが第1の基板に設けられた主記憶手段に転送されて書き込まれるため、従来のように補正データが記憶されたメモリを直接抜き差しする必要がなくなり、簡単にLEDアレイヘッドの交換を行うことができる。
【0055】
請求項2に記載の発明によれば、フルカラー印刷可能な画像形成装置の場合、LEDアレイヘッドは複数設けられ、各LEDアレイヘッドに応じて補正データが必要となるが、第1の基板に実装される主記憶手段に各LEDアレイヘッドに応じた補正データが一括して記憶されるため、補正データを記憶したメモリが1つでよく、従来のように複数のLEDアレイヘッドの数に応じたメモリを設ける必要がなくなり、制御基板の構成を簡略化することができる。
【0056】
請求項3に記載の発明によれば、第1の基板に実装される主記憶手段に各LEDアレイヘッドによって形成される画像の静電潜像に供給されるトナーの色毎の補正データが一括して記憶されるため、補正データを記憶したメモリが1つでよく、従来のようにトナーの色毎のメモリを設ける必要がなくなり、制御基板の構成を簡略化することができる。
【0057】
請求項4に記載の発明によれば、第2の基板が挿入された接続コネクタから出力されるセレクト信号に基づいて、当該第2の基板に実装されている補助記憶手段に記憶されている補正データを主記憶手段の適切な記憶領域に記憶することができる。
【0058】
請求項5に記載の発明によれば、LEDアレイヘッドを交換する場合、制御手段によって、交換する前のLEDアレイヘッドに対応する補正データが新たなLEDアレイヘッドに対応する補正データに書き換えられるのではなく、交換前の補正データが記憶されている主記憶手段の領域とは異なる領域に補助記憶手段から転送される新たな補正データが書き込まれるため、交換するLEDアレイヘッドとは異なる補正データが記憶されている補助記憶手段が実装された第2の基板を接続コネクタに挿入してしまった場合でも交換前の補正データに復旧することができる。
【0059】
請求項6に記載の発明によれば、特定手段によって、第2の基板が接続される接続コネクタが特定されるので、LEDアレイヘッドを交換する場合、交換するLEDアレイヘッドに対応する補正データが記憶されている補助記憶手段が実装されている第2の基板を適切な接続コネクタに挿入することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明に係るプリンタの概略構成を示すブロック図である。
【図3】LEDアレイヘッドを制御するためのメイン基板の一例を示す図である。
【図4】補正データを記憶するサブメモリが実装されたサブ基板の一例を示す図である。
【図5】図2に示す露光部の構成の一例を示すブロック図である。
【図6】メインメモリの記憶領域の一例を示す概念図である。
【図7】従来のLEDアレイヘッドに用いられる制御基板を示す図である。
【符号の説明】
1 プリンタ(画像形成装置)
6B ブラック用LEDアレイヘッド
6Y イエロー用LEDアレイヘッド
6M マゼンタ用LEDアレイヘッド
6C シアン用LEDアレイヘッド
15 露光部
61B,61Y,61M,61C 接続コネクタ
61’B,61’Y,61’M,61’C シルク表示部
62B,62Y,62M,62C サブメモリ(補助記憶手段)
110 メイン基板(第1の基板)
111 メインメモリ(主記憶手段)
112 制御部(制御手段)
113 出力ドライバ(駆動手段)
120 サブ基板(第2の記憶手段)
Claims (6)
- 複数のLED素子からなるLEDアレイヘッドによって画像の静電潜像を形成する画像形成装置であって、
前記LEDアレイヘッドを駆動するための駆動手段が実装された第1の基板と、
前記第1の基板に実装され、前記LED素子の発光を制御するための補正データを記憶する主記憶手段と、
前記LEDアレイヘッドに対応する補正データを記憶する補助記憶手段が実装された第2の基板と、
前記第1の基板に実装され、前記第2の基板が着脱可能な接続コネクタと、
前記第1の基板に実装され、前記接続コネクタに前記第2の基板が挿入されることで、前記補助記憶手段に記憶されている補正データを前記主記憶手段に転送して書き込む制御手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。 - 前記LEDアレイヘッドは複数設けられ、
前記主記憶手段は各LEDアレイヘッドに応じた補正データを記憶し、
前記接続コネクタは複数の前記LEDアレイヘッドの数に応じて設けられ、
前記制御手段は、前記接続コネクタに前記第2の基板が挿入されることで、前記補助記憶手段に記憶されている補正データを前記主記憶手段に転送して書き込むことを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。 - 前記主記憶手段は、前記静電潜像に供給されるトナーの色毎に補正データを記憶していることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記第2の基板が挿入された接続コネクタから出力されるセレクト信号に基づいて前記補助記憶手段に記憶されている補正データを主記憶手段に転送して書き込むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記LEDアレイヘッドを交換する場合、交換する前の前記LEDアレイヘッドに対応する補正データが記憶されている前記主記憶手段の領域とは異なる領域に前記補助記憶手段から転送される新たな前記LEDアレイヘッドに対応する補正データを書き込むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第2の基板が接続される前記接続コネクタを特定する特定手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の画像形成装置。
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