JP2004223313A - 振動機構及び振動ローラ - Google Patents
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Abstract
【課題】可動偏心錘とストッパとが衝突した際の衝撃力が低減され、もって衝突音の低減や磨耗粉の抑制、固定偏心錘或いはストッパの損傷防止が可能となる振動機構及び振動ローラを提供する。
【解決手段】起振軸24に外嵌して取り付けられ、起振軸24に対して相対的に回転可能な可動偏心錘34と、起振軸24と一体的に回転し、可動偏心錘34の回転変位を規制するストッパ36とを備えた振動機構であって、起振軸24と可動偏心錘34との嵌合接触による摩擦力以外に、可動偏心錘34に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を設ける構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】起振軸24に外嵌して取り付けられ、起振軸24に対して相対的に回転可能な可動偏心錘34と、起振軸24と一体的に回転し、可動偏心錘34の回転変位を規制するストッパ36とを備えた振動機構であって、起振軸24と可動偏心錘34との嵌合接触による摩擦力以外に、可動偏心錘34に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を設ける構成とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動機構および振動ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動ローラは、主に高速道路やダム等の建設現場における盛土の締固め施工や道路のアスファルト舗装の転圧施工等に使用され、転圧輪(ロール)が振動しながら地盤を転圧していくので地盤が高密度に締め固まるという効果を有する。ロールに内蔵される振動機構としては、偏心錘を取り付けた起振軸を回転させるという構造が一般的であり、この場合、ロールに発生する起振力Fは次式で示される。
F=mrω2 …式(1)
mは偏心質量、rは起振軸の軸心と偏心錘の重心との距離、ωは起振軸の角速度である。ここにmrの値を偏心モーメントと称する。
【0003】
前記振動機構の一構造例を図6に示す。起振軸51には一対の固定偏心錘52が固設されるとともに、両固定偏心錘52間において、可動偏心錘53が起振軸51に対して回転可能となるように外嵌されている。そして、両固定偏心錘52間には可動偏心錘53に当接して可動偏心錘53の回転変位を規制するストッパ54が固設されている。この図6に示した構造が適用される振動機構として、以下では、起振軸51が単数設けられた、いわゆる「1軸式」と、一対設けられた、いわゆる「2軸式」とに分けて説明する。
【0004】
図7は1軸式を示す説明図である。本例は2段式の可変振幅機構を備えた場合を示しており、起振軸51が正逆回転可能に構成されている。ここで、一対の固定偏心錘52の合計の偏心モーメントm1r1は、可動偏心錘53の偏心モーメントm2r2よりも大きいものとする。図7(a)に示すように、起振軸51がR方向に回転するとストッパ54が可動偏心錘53の一方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では固定偏心錘52と可動偏心錘53の偏位の方向が逆となり、つまり固定偏心錘52,52と可動偏心錘53とによる偏心錘全体の偏心モーメントの値が「m1r1−m2r2」となり、振動力が互いに打ち消されるように作用するので小さな振動力となり、低い振幅の振動となる。逆に、図7(b)に示すように、起振軸51がS方向に回転するとストッパ54が可動偏心錘53の他方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では固定偏心錘52と可動偏心錘53の偏位の方向が一致して偏心錘全体の偏心モーメントの値が「m1r1+m2r2」となり、振動力が合成されるように作用するので大きな振動力となり、高い振幅の振動となる。
【0005】
次いで、2軸式の場合について図8を参照して説明する。本例は、同期的に同方向に回転する一対の起振軸51(51A,51B)が、ロール内の起振機ケース(図示せず)内においてロール中心を挟んで配設された場合を示している。なお、前記起振機ケースは車両の走行時にはロールと一体となって回転するように構成されている。また、本例はロールの振動が「通常振動」と「水平振動」とに切り替え可能に構成されたタイプを示すものであり、図8(a),(b−1)〜(b−4)ではいずれもロールの回転位置に関して、起振軸51Aが上方に、起振軸51Bが下方に位置した状態の場合を示している。
【0006】
起振軸51Aにおいては、一対の固定偏心錘52Aが固設されるとともに、両固定偏心錘52A間には、可動偏心錘53Aが起振軸51Aに対して回動可能となるように外嵌されている。ここで、可動偏心錘53Aによる偏心モーメントm2r2は、一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1より大きいものとする。起振軸51Bにおいては、一対の固定偏心錘52Bが固設されるとともに、両固定偏心錘52B間には、可動偏心錘53Bが起振軸51Bに対して回動可能となるように外嵌されている。ここで、一対の固定偏心錘52Bの合計の偏心モーメントm3r3は、前記可動偏心錘53Aによる偏心モーメントm2r2と同じ大きさであり、可動偏心錘53Bによる偏心モーメントm4r4は、前記一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1と同じ大きさである。
【0007】
図8(a)は通常振動の場合を示しており、起振軸51A及び51BがS方向に回転すると、各ストッパ54が各可動偏心錘53A,53Bの一方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では各固定偏心錘52A,52Bと各可動偏心錘53A,53Bの重心の位置が起振軸51A,51Bを挟んで逆となる。起振軸51A側においては、一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1よりも可動偏心錘53Aの偏心モーメントm2r2が大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m2r2−m1r1」となり、振動力が作用する方向は図における右矢印方向となる。起振軸51B側においては、一対の固定偏心錘52Bの合計の偏心モーメントm3r3が、可動偏心錘53Bの偏心モーメントm4r4よりも大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3−m4r4」となり、この場合も振動力が作用する方向は右矢印方向となる。すなわち、各偏心モーメントの値「m2r2−m1r1」,「m3r3−m4r4」は同じ値であることから、起振軸51A,51Bには互いに同一の振動力が同方向に向けて発生することとなる。
【0008】
勿論、起振軸51A及び51Bは同期的に同方向に回転するので、各振動力が作用する方向の関係は維持され、例えば図示しないが、起振軸51A側の振動力が図における左方向に作用するときには起振軸51B側の振動力も左方向に作用し、起振軸51A側の振動力が上方向、下方向に作用するときには起振軸51B側の振動力も上方向、下方向に作用する。以上により、ロールには、各起振軸51A及び51Bの振動力が同一方向に合成されて、1軸式の場合と同様に、常に同一値の振動力として作用する。本明細書ではこれを「通常振動」というものとする。
【0009】
次いで、水平振動の場合について図8(b−1)〜(b−4)を参照して説明する。起振軸51A及び51BがR方向に回転すると、各ストッパ54が各可動偏心錘53の他方の端部側を押圧しながら回転し、(b−1)→(b−2)→(b−3)→(b−4)の状態が繰り返される。この各状態では、固定偏心錘52Aと可動偏心錘53Aは、(b−1)〜(b−4)に示されるように重なった状態で回転し、起振軸51A回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m1r1+m2r2」となる。同様に、固定偏心錘52Bと可動偏心錘53Bも重なった状態で回転し、起振軸51B回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3+m4r4」となる。勿論、各偏心モーメントの値「m1r1+m2r2」,「m3r3+m4r4」は同じ値である。
【0010】
(b−1)の位置では、起振軸51Aにはロール中心に向かう力が加わり、ロール中心を挟んで180度反対の位置にある起振軸51Bにおいても、ロール中心に向かう同じ大きさの力が加わるので、振動力は互いに打ち消される。(b−2)の位置では、起振軸51Aにはロールの円周方向右回りに向かう力が加わり、起振軸51Bにもロールの円周方向右回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には右から左へ向かう方向の水平力が加わる。(b−3)の位置では、起振軸51Aにはロール中心から遠ざかる方向に力が加わり、起振軸51Bにもそれとは逆の方向に力が加わるので振動力は互いに打ち消される。(b−4)の位置では、起振軸51Aにはロールの円周方向左回りに向かう力が加わり、起振軸51Bにもロールの円周方向左回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には、左から右へ向かう方向の水平力が加わる。以上により、交互に(b−2)の状態と(b−4)の状態が繰り返されることで、ロールの接地部には水平方向の振動力が加わる。本明細書ではこれを「水平振動」というものとする。
【0011】
以上の通常振動と水平振動との使い分けは、通常、施工対象となる地盤の材質等により適宜に決定される。なお、水平振動に関する機構については特許文献1にも開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特公平4−6805号公報(第5及び第6頁、第5図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示した従来構造の振動機構によれば、次のような問題がある。起振軸51を図示しない振動用モータにより回転させると、ストッパ54が可動偏心錘53に当接(衝突)することとなるが、通常、起振軸51は1分間当たり数千回転する仕様となっていることからその立ち上がり速度も速く、また特に1軸式の場合において低振幅振動と高振幅振動との差を大きくしたいときには、可動偏心錘53の質量が大きくなることから、可動偏心錘53とストッパ54との衝突時における衝撃力が大きくなりやすくなる。そのため、大きな衝突音が発生して不快な騒音となったり、また、衝突の際に磨耗粉が発生しやすくなるため、この磨耗粉が起振軸51を軸支するベアリング(図示せず)に侵入してベアリングに損傷を与えるおそれもある。さらには、ストッパ54と固定偏心錘52との固着部位(溶接箇所等)や固定偏心錘52と起振軸51との固着部位に大きな負荷がかかるため、例えば溶接強度を上げたうえで品質チェックを徹底させる措置が必要になる等の問題があった。
【0014】
また、起振軸51を回転させる駆動源が例えば油圧モータである場合、油圧モータを停止させた直後には圧油の流れの停止に基づくブレーキ力により起振軸51側、つまりストッパ54の回転速度は急激に下がることとなるが、可動偏心錘53は慣性力によりそのまま高回転速度を維持したまま回転するので、前記した回転開始時の場合と同様に可動偏心錘53とストッパ54との衝突時における衝撃力が大きくなる。特に振動ローラは施工状況によって振動のON−OFF操作を頻繁に行う場合も多く、以上のように振動の開始及び停止のたびに可動偏心錘53とストッパ54との間に大きな衝撃力が発生することは問題である。
【0015】
また、以上の振動の開始及び停止時における衝突の問題は1軸式、2軸式共に有する問題であるが、これとは別に2軸式の場合には図9に示すような問題もある。図9は振動をかけていない状態(つまり起振軸51A,51Bが回転停止の状態)でロールを回転させた場合を示す側面説明図であり、ロールが図9における反時計回りに回転すると、一対の起振軸51A,51Bもロールの中心を軸として反時計回りに公転する状態を示している。一方の起振軸51A側における可動偏心錘53Aの動きに着目すると、(a)の状態でストッパ54によりその一端側で押し上げられた可動偏心錘53Aは、その自重により起振軸51A回りに、反時計回りに回転する。そして、(c)の状態のように可動偏心錘53Aは起振軸51Aの下方に位置するが、慣性力が作用しているためそのまま上方に向けて回転し、(d)に示すように、その他端側がストッパ54に衝突する。次いで、ストッパ54に衝突した反動で可動偏心錘53Aは今度は時計回りに回転し、一方、ストッパ54はロールの回転とともに反時計回りに公転しているので、可動偏心錘53Aとストッパ54は、(e)に示すように、可動偏心錘53Aの一端側の部位で再度衝突する。
【0016】
したがって、無振動での走行、例えば車両の回送走行時等においても、この図9に示した可動偏心錘53Aとストッパ54の2度の衝突が、走行中絶えず繰り返されることとなり、前記したように衝突音が発生して不快な騒音となったり、磨耗粉が発生しやすくなる等の問題があった。
【0017】
以上の可動偏心錘53とストッパ54との衝突の問題に対して、例えば可動偏心錘53やストッパ54にゴム材等からなる衝撃干渉部材を設けることも考えられるが、ゴム材等の弾性を有する材質は強度が不足し、且つ剥離しやすいという問題があり、特に、振動ローラの場合、振動機構はオイルの充填された室内に収装されることから、このオイルによってゴム材が劣化しやすい等の問題もあり、長期使用には不向きである。
【0018】
本発明は以上のような問題を解決するために創作されたものであり、可動偏心錘とストッパとが衝突した際の衝撃力が低減され、もって衝突音の低減や磨耗粉の抑制、固定偏心錘或いはストッパの損傷防止が可能となる振動機構及び振動ローラを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、水平状に延設される起振軸に外嵌して取り付けられ、前記起振軸に対して相対的に回転可能な可動偏心錘と、前記起振軸と一体的に回転し、前記可動偏心錘の回転変位を規制するストッパとを備えた振動機構であって、前記起振軸と前記可動偏心錘との嵌合接触による摩擦力以外に、前記可動偏心錘に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構を設ける構成とした。
【0020】
また、前記起振軸が回転停止の状態において、前記可動偏心錘は、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときには前記摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定されている構成とした。
【0021】
また、前記所定角度としては、水平レベルを挟んで上下それぞれ10度から20度の間の値とすることが好ましい。
【0022】
また、前記摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構を備える構成とした。
【0023】
また、前記起振軸には、前記可動偏心錘を挟むように一対の固定偏心錘が取り付けられ、前記ブレーキ機構は、前記可動偏心錘の側面に当接する当接部材と、この当接部材を常に前記可動偏心錘の側面に向けて付勢する付勢部材とを備えた構成からなり、少なくとも一方の固定偏心錘において設けられる構成とした。
【0024】
さらに、前記振動機構をロールの内部に備える振動ローラとした。
【0025】
また、ロールの内部に起振軸を2軸として備え、前記ブレーキ機構を各起振軸に備えた振動ローラとした。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る振動機構を内蔵したロールの平断面説明図であり、本発明を前記した「通常振動」と「水平振動」とに切り替え可能な2軸式の振動機構に適用した例を示すものである。また、図2は図1におけるA−A断面図であり、(a)は「通常振動」の場合を、(b)は「水平振動」の場合を示す。
【0027】
ロール1は例えば図示しない振動ローラの機枠に固設された支持板2に回転自在に支持されている。ロール1は中空円筒形状を呈し、その内周面には中央部にそれぞれ貫通孔3a,4aを形成した円板形状の第1鏡板3と第2鏡板4が互いに離間して固設されている。第1鏡板3と第2鏡板4との間には、貫通孔3aと貫通孔4aとの各周縁部にわたって挟持されるように中空円筒形状の起振機ケース5がロール1と同芯状に固設される。第1鏡板3及び第2鏡板4にはそれぞれの貫通孔3a,貫通孔4aを閉塞するようにアクスルシャフト6,アクスルシャフト7が取り付けられ、各々のフランジ部6a,7aにてボルト8によりそれぞれ貫通孔3a,貫通孔4aの周縁部に締結固定される。
【0028】
一方のアクスルシャフト6は、軸受10,10を介して軸受部材9に枢支される。軸受部材9は、取り付け板12,防振ゴム11を介して前記した支持板2に連結する部材である。他方のアクスルシャフト7は、取り付け板13を介して走行用モータ14の出力部14aに固設される。走行用モータ14の固定部14bは取り付け板15,防振ゴム16を介して支持板2側に固設されている。走行用モータ14は通常、油圧モータ等からなる。
【0029】
前記軸受部材9には振動用モータ取り付け部材17を介して振動用モータ18が固設され、その回転軸にはカップリング19を介してギア軸20が連結している。ギア軸20は軸受21,21を介してアクスルシャフト6に枢支されることによりロール1と同芯状となるように水平に延設され、起振機ケース5内に突出したその先端部には平歯車からなる駆動ギア23が固設されている。振動用モータ18も通常、油圧モータ等からなり、正逆回転が可能に構成されている。
【0030】
起振軸24,25は、それぞれ各両端部が軸受22を介してアクスルシャフト6,7に枢支されることにより起振機ケース5内において水平状に延設され、ロール1の回転軸を挟んで互いに180度反対の位置に配設されている。起振軸24,25の各一端側寄りにはそれぞれ従動ギア26,27が固設されており、この従動ギア26,27が前記駆動ギア23に噛合する。従動ギア26,27は互いに同一の径及び同一の歯数を有するものである。
【0031】
以上により、走行用モータ14の出力部14aが回転すると、アクスルシャフト6が軸受部材9に対して回転可能に構成されていることから、ロール1が走行回転し、これに伴って起振軸24,25は図9で説明したようにロール1の回転軸回りに公転する。また、振動用モータ18を作動させると、駆動ギア23が回転し、この駆動ギア23に噛合する従動ギア26,27により起振軸24,25は同期的に、且つ同一方向に回転する。
【0032】
本実施形態における振動機構31は、前記した起振軸24,25と、起振軸24,25に固設される各一対の固定偏心錘32,33と、起振軸24,25に対して相対的に回転可能な可動偏心錘34,35と、起振軸24,25とそれぞれ一体的に回転し、可動偏心錘34,35の回転変位を規制するストッパ36,37とを備えた構成からなる。
【0033】
先ず、起振軸24側について説明すると、一対の固定偏心錘32は互いに離間して起振軸24に溶接等により固設されている。固定偏心錘32は、図2に示すように、起振軸24に外嵌して固設される基端部32aと、この基端部32aから起振軸24の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部32bとを有している。ストッパ36はピン形状を呈した部材であり、両固定偏心錘32に穿設された貫通孔に挿通されることにより、図1に示すように、固定偏心錘32,32間において起振軸24と平行となるように掛け渡された状態となり、溶接等により固定偏心錘32,32に固設されている。可動偏心錘34は、固定偏心錘32,32の間に取り付けられる部材であって、図2に示すように、起振軸24に回転可能に外嵌する基端部34aと、この基端部34aから起振軸24の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部34bとを有した構成からなる。
【0034】
次いで、起振軸25側について説明すると、基本的には起振軸24側と同様な構成となっている。すなわち、一対の固定偏心錘33は、互いに離間して起振軸25に固設されており、図2に示すように、起振軸25に外嵌して固設される基端部33aと、この基端部33aから起振軸25の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部33bとを有している。ストッパ37はピン形状を呈した部材であり、両固定偏心錘33に穿設された貫通孔に挿通されることにより、図1に示すように、固定偏心錘33,33間において起振軸25と平行となるように掛け渡された状態で固定偏心錘33,33に固設される。可動偏心錘35は、固定偏心錘33,33の間に取り付けられる部材であって、図2に示すように、起振軸25に回転可能に外嵌する基端部35aと、この基端部35aから起振軸25の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部35bとを有する。
【0035】
以上の固定偏心錘32と固定偏心錘33との互いの位置関係は、図2に示すように、偏心部32bと偏心部33bとが、起振軸24と起振軸25の各軸心を結ぶ中心線38を挟んで互いに反対に位置するような関係にある。また、起振軸24側において、可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2は、一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1より大きく設定されている。そして、起振軸25側において、一対の固定偏心錘33の合計の偏心モーメントm3r3は、前記可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2と同じ大きさであり、可動偏心錘35の偏心モーメントm4r4は、前記一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1と同じ大きさに設定されている。
【0036】
図2(a)に示すように、「通常振動」の場合には、駆動ギア23が図における反時計回りに回転し、従動ギア26,27を介して起振軸24,25が時計回りに回転すると、各ストッパ36,37が各可動偏心錘34,35の一方の端部側を押圧しながら回転する。この状態では各固定偏心錘32,33の重心の位置と各可動偏心錘34,35の重心の位置が起振軸24,25を挟んで逆となる。起振軸24側においては、一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1よりも可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2が大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m2r2−m1r1」となり、振動力が作用する方向は図における右矢印方向となる。起振軸25側においては、一対の固定偏心錘33の合計の偏心モーメントm3r3が可動偏心錘35の偏心モーメントm4r4よりも大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3−m4r4」となり、この場合も振動力が作用する方向は右矢印方向となる。すなわち、各偏心モーメントの値「m2r2−m1r1」,「m3r3−m4r4」は同じ値であることから、起振軸24,25には互いに同一の振動力が同方向に向けて発生することとなる。
【0037】
次いで、図2(b)に示すように、「水平振動」の場合には、駆動ギア23が図における時計回りに回転し、従動ギア26,27を介して起振軸24,25が反時計回りに回転することで、各ストッパ36,37が各可動偏心錘34,35の他方の端部側を押圧しながら回転する。この「水平振動」では、起振軸24においては固定偏心錘32と可動偏心錘34とが重なりながら回転し、起振軸25においても固定偏心錘33と可動偏心錘35とが重なりながら回転する。したがって、起振軸24回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m1r1+m2r2」であり、起振軸25回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3+m4r4」である。勿論、各偏心モーメントの値「m1r1+m2r2」,「m3r3+m4r4」は同じ値である。
【0038】
図2(b)に示した状態は、前記した図8(b−4)と同一の状態である。すなわち、起振軸24にはロールの円周方向左回りに向かう力が加わり、起振軸25にもロールの円周方向左回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には、図における左から右へ向かう方向の水平力が加わる。なお、図8(b−1)〜(b−3)に対応する状態の説明はここでは省略するものとする。
【0039】
さて、本発明は、以上の振動機構31において、起振軸24,25と可動偏心錘34,35との嵌合接触による摩擦力以外に、図1等に示すように、可動偏心錘34,35に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を設けたことを主な特徴とする。本実施形態において、「起振軸24,25と可動偏心錘34,35との嵌合接触による摩擦力」とは、勿論、起振軸24の外周面と基端部34aに穿設された貫通孔の内周面との接触による摩擦力、及び起振軸25の外周面と基端部35aに穿設された貫通孔の内周面との接触による摩擦力をいうものである。
【0040】
起振軸24,25に設けた各ブレーキ機構39は互いに略同一の構成であるため、以下では起振軸24側のブレーキ機構39についてのみ説明する。本実施形態では、ブレーキ機構39として、図3に示すように、可動偏心錘34の側面に当接する当接部材40と、この当接部材40を常に可動偏心錘34の側面に向けて付勢する付勢部材41とを備えた構成としている。
【0041】
図3を参照して具体的に説明すると、各固定偏心錘32の偏心部32bにおいて水平方向に貫通するように貫通孔32cを穿設し、この貫通孔32cの内部に、当接部材40としての鋼球40Aと、付勢部材41としての圧縮ばね41Aを収装する。そして、固定偏心錘32の外側面には、ボルト取り付け座42を、その雌ねじ孔が貫通孔32cと同心状となるように溶接等により固設する。これにより、ボルト取り付け座42に調整用ボルト43を螺合させることで、圧縮ばね41Aは調整用ボルト43の先端面と鋼球40Aとの間で圧縮され、もって鋼球40Aを可動偏心錘34の側面に向けて付勢(押圧)する。これにより、可動偏心錘34の側面と鋼球40Aとの間には摩擦力が発生し、この摩擦力が起振軸24回りの可動偏心錘34の回転に対する抵抗力として作用することとなる。なお、符号44は、調整用ボルト43のゆるみ止め用のロックナットを示す。
【0042】
また、調整用ボルト43のねじ込み量を調整することにより圧縮ばね41A(付勢部材41)の付勢力を調整できるので、前記摩擦力の値を適宜に調整できることとなる。このように、固定偏心錘32に貫通孔32cを穿設し、その内部に当接部材40や付勢部材41を収装し、調整用ボルト43にて付勢部材41の付勢力を調整可能とする構造とすれば、簡易なブレーキ機構39となり、且つ、摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構45をも兼ねた構造にできる。
【0043】
図3(a)において仮想線にて示す符号46は、可動偏心錘34の側面に対する鋼球40A(当接部材40)の回転軌跡を示す。本図から判るように、鋼球40Aは、常に可動偏心錘34の側面(基端部34aの側面及び偏心部34bの側面)において、起振軸24回りにおける固定偏心錘32と可動偏心錘34との相対的な全ての回動範囲にわたって接触するように構成されているので、固定偏心錘32と可動偏心錘34とのいかなる相対的な変位角度においても、前記摩擦力を発生することができ、また、押し付けている鋼球40Aが抜け落ちることもない。
【0044】
ここで、ブレーキ機構39はどちらか一方の固定偏心錘32にのみ設けることも可能である。しかし、その場合、圧縮ばね41Aの付勢力により可動偏心錘34は他方の固定偏心錘32の側面に接触することとなるが、その接触状態は、固定偏心錘32と可動偏心錘34との互いの位相角度の違いによって異なるため、摩擦力の値が安定性に欠けるというおそれがある。これに対し、図3(b)に示すように、両方の固定偏心錘32に同一構造のブレーキ機構39を可動偏心錘34を挟んで対称的に設けることで、安定した摩擦力を可動偏心錘34に付与することができる。
【0045】
以上のように、可動偏心錘34に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を備える構成とすれば、この摩擦力が起振軸24回りの可動偏心錘34の回転に対する抵抗力として作用するので、その分、可動偏心錘34の回転力が弱まり、ストッパ36に衝突した際には衝撃力が低減される。したがって、衝突音の低減化が図れるとともに、磨耗粉の発生が抑制されるので、振動機構等を構成する軸受(図1における符号21,22)の損傷防止が図れる。また、ストッパ36と固定偏心錘32との固着部位(溶接箇所等)や固定偏心錘32と起振軸24との固着部位に加わる負荷も低減されるので、長期的な品質維持性能が向上する。
【0046】
次いで、前記摩擦力の程度に関し、摩擦力が弱すぎると、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能において劣ることとなり、逆に摩擦力が強すぎると、起振軸24の回転方向を切り替えたとき、つまり「通常振動」と「水平振動」との切り替え時(1軸式の場合にあっては、「低振幅」と「高振幅」との切り替え時)において可動偏心錘34が切り替え方向にスムースに追従回転せず、特に、回転数が上がると可動偏心錘34の遠心力により、起振軸24と可動偏心錘34の摩擦力が上がって切り替わらなくなる、というおそれがある。
【0047】
この問題に対し、本発明者は各種の設定試験を行い、起振軸24が回転停止の状態において、可動偏心錘34を、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときにはブレーキ機構39による摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定すれば、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能と、起振軸24の回転方向の切り替え時における可動偏心錘34のスムースな追従回転性とを両立させ得ることが判明した。換言すると、可動偏心錘34の自重によるモーメントが所定の値未満の状態においては、可動偏心錘34の回転が阻止され、所定の値以上に達したときに回転するように設定するものである。
【0048】
図4(a)に示すように、可動偏心錘34の重心Gに対する重力によるモーメントm2gr2・cosθ(m2は偏心質量、gは重力加速度、r2は起振軸24の軸心と可動偏心錘34の重心Gとの距離、θは、起振軸24の軸心と可動偏心錘34の重心Gとを結ぶ線と、水平線との交差角度を表す)が最大となるのは、可動偏心錘34の重心Gの位置が起振軸24の軸心と互いに水平レベルにあるとき、つまり交差角度θが零のときであり、その値はm2gr2となる。したがって、前記所定角度としてのθ(水平レベルを挟んで±θ)の範囲内に重心Gが位置したときに、重力によるモーメントm2gr2・cosθがブレーキ機構39の摩擦力に打ち勝って、可動偏心錘34が摩擦力に抗して自重により図4における反時計回りに回転するように設定する。
【0049】
設定試験の結果、所定角度θとしては、10度から20度の値とすれば良好な結果が得られることが判った。そのようにしてブレーキ機構39が設定されていれば、起振軸24が停止しているときは少なくとも、図4(b)に示すように、±10度の範囲内のいずれかに重心Gが位置したときには可動偏心錘34が必ず回り、±20度の範囲外に重心Gが位置したときには可動偏心錘34が回らないこととなり、前記したように、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能と、起振軸24の回転方向の切り替え時における可動偏心錘34のスムースな追従回転性とを良好に両立できることが判明した。可動偏心錘34は回転初期には必ずこの位置を通過するため、重力によるモーメントm2gr2・cosθと回転慣性抵抗力により、確実に切り替わるものである。
【0050】
次に、図5は可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力をさらに効果的に低減する機構を付加した場合を示す側面説明図である。この場合、例えば、ストッパ36に衝突する可動偏心錘34の部位に孔47を穿設し、この孔47に、可動偏心錘34の表面部から突出するように配設され、ストッパ36に衝突する衝突部材48と、衝突部材48を可動偏心錘34の表面部から突出させるように常時付勢する弾性部材(圧縮ばね材等)49を収装する。これにより、可動偏心錘34が回転してストッパ36に衝突する際には、衝突部材48がストッパ36に衝突することとなり、弾性部材49の弾性力によって、衝突部材48が孔47内に後退する過程において衝撃力が低減(緩衝)される。なお、衝突部材48と弾性部材49としては例えば公知のプランジャユニットが適用できる。
【0051】
また、以上に説明したような振動機構をロール1内に備えた振動ローラとすることにより、騒音が小さく、また、軸受の損傷が防止されるので信頼性の高い締固め車両となり、さらに、ストッパ36,37の取り付け部位等の固着強度、具体的には溶接強度を上げる必要もなくなるので組み立て作業が簡易な締固め車両となる。特に、本実施形態のように、ロール1の内部に起振軸を2軸として備えた振動ローラにおいて、各起振軸24,25にブレーキ機構39を備える構成とすれば、無振動での走行、例えば車両の回送時等において、起振軸24,25がロール1の回転軸回りに公転することによって起こる可動偏心錘34,35とストッパ36,37との各衝突時の衝撃力も低減できる。
【0052】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。説明した形態は起振軸が2軸式の場合であったが、本発明は勿論、1軸式の場合にも適用可能である。また、本発明に係る振動機構はロールの振動に限られず、その他の振動装置にも適用可能である。さらに、設計によっては、固定偏心錘を個別に有さず、起振軸と一体に成形する場合もあり得、本発明はこの場合にも適用可能である。その他、本発明は、各構成要素の形状やレイアウト、個数等についてその主旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果が奏される。
(1)可動偏心錘に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構を備える構成とすれば、この摩擦力が起振軸回りの可動偏心錘の回転に対する抵抗力として作用するので、その分、可動偏心錘の回転力が弱まり、ストッパに衝突した際には衝撃力が低減される。したがって、衝突音の低減化が図れるとともに、磨耗粉の発生が抑制されるので、振動機構等を構成する軸受等の損傷防止が図れる。また、ストッパの固着部位に加わる負荷も低減されるので、長期的な品質維持性能が向上する。
(2)前記起振軸が回転停止の状態において、可動偏心錘を、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときには前記摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定すれば、可動偏心錘とストッパとの衝撃力の低減機能と、起振軸の回転方向の切り替え時における可動偏心錘のスムースな追従回転性とを両立できる。
(3)前記所定角度としては、水平レベルを挟んで上下それぞれ10度から20度の間の値であれば、可動偏心錘とストッパとの衝撃力の低減機能と、起振軸の回転方向の切り替え時における可動偏心錘のスムースな追従回転性とをより効果的に両立できる。
(4)前記摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構を備える構成とすれば、摩擦力の初期設定やメンテナンス時における摩擦力の設定が容易に行えることとなる。
(5)起振軸に、可動偏心錘を挟むように一対の固定偏心錘が取り付けられた振動機構において、前記ブレーキ機構として、可動偏心錘の側面に当接する当接部材と、この当接部材を常に可動偏心錘の側面に向けて付勢する付勢部材とを備えた構成とし、このブレーキ機構を少なくとも一方の固定偏心錘において設ける構成とすれば、簡易で組み付けの容易なブレーキ機構が実現される。
(6)以上の振動機構をロールの内部に備えた振動ローラとすれば、騒音が小さく、また、軸受の損傷が防止されるので信頼性の高い締固め車両となり、さらに、ストッパの取り付け部位等の固着強度を上げる必要もなくなるので組み立て作業の簡易な締固め車両となる。
(7)特に、ロールの内部に起振軸を2軸として備えた振動ローラにおいて、各起振軸にブレーキ機構を備える構成とすれば、例えば車両の回送時等において、起振軸がロールの回転軸回りに公転することによって起こる可動偏心錘とストッパとの衝突時の衝撃力も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動機構を内蔵したロールの平断面説明図である。
【図2】図1におけるA−A断面図であり、(a)は「通常振動」の場合を、(b)は「水平振動」の場合を示す。
【図3】(a)は図1におけるB−B断面図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。
【図4】(a)は図1におけるB−B断面図であり、可動偏心錘の重心に対する重力によるモーメントが最大となったときの状態を示す。(b)は可動偏心錘が回動する所定角度の設定状態を示す説明図である。
【図5】可動偏心錘に衝突部材と弾性部材を付加した場合を示す説明図である。
【図6】従来における振動機構の一構造例を示し、(a)は正面説明図、(b)は側面説明図である。
【図7】1軸式で可変振幅機構を備えた振動機構の作用を示す側面説明図であり、(a)は低振幅振動の場合、(b)は高振幅振動の場合である。
【図8】2軸式で「通常振動」と「水平振動」との切り替えが可能な振動機構の作用を示す側面説明図であり、(a)は通常振動の場合を、(b−1)〜(b−4)は水平振動の場合を示す。
【図9】2軸式で「通常振動」と「水平振動」との切り替えが可能な振動機構において、起振軸が回転停止の状態においてロールの中心回りに公転した際の作用説明図である。
【符号の説明】
1 ロール
24,25 起振軸
31 振動機構
32,33 固定偏心錘
34,35 可動偏心錘
36,37 ストッパ
39 ブレーキ機構
40 当接部材
41 付勢部材
45 摩擦力調整機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、振動機構および振動ローラに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
振動ローラは、主に高速道路やダム等の建設現場における盛土の締固め施工や道路のアスファルト舗装の転圧施工等に使用され、転圧輪(ロール)が振動しながら地盤を転圧していくので地盤が高密度に締め固まるという効果を有する。ロールに内蔵される振動機構としては、偏心錘を取り付けた起振軸を回転させるという構造が一般的であり、この場合、ロールに発生する起振力Fは次式で示される。
F=mrω2 …式(1)
mは偏心質量、rは起振軸の軸心と偏心錘の重心との距離、ωは起振軸の角速度である。ここにmrの値を偏心モーメントと称する。
【0003】
前記振動機構の一構造例を図6に示す。起振軸51には一対の固定偏心錘52が固設されるとともに、両固定偏心錘52間において、可動偏心錘53が起振軸51に対して回転可能となるように外嵌されている。そして、両固定偏心錘52間には可動偏心錘53に当接して可動偏心錘53の回転変位を規制するストッパ54が固設されている。この図6に示した構造が適用される振動機構として、以下では、起振軸51が単数設けられた、いわゆる「1軸式」と、一対設けられた、いわゆる「2軸式」とに分けて説明する。
【0004】
図7は1軸式を示す説明図である。本例は2段式の可変振幅機構を備えた場合を示しており、起振軸51が正逆回転可能に構成されている。ここで、一対の固定偏心錘52の合計の偏心モーメントm1r1は、可動偏心錘53の偏心モーメントm2r2よりも大きいものとする。図7(a)に示すように、起振軸51がR方向に回転するとストッパ54が可動偏心錘53の一方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では固定偏心錘52と可動偏心錘53の偏位の方向が逆となり、つまり固定偏心錘52,52と可動偏心錘53とによる偏心錘全体の偏心モーメントの値が「m1r1−m2r2」となり、振動力が互いに打ち消されるように作用するので小さな振動力となり、低い振幅の振動となる。逆に、図7(b)に示すように、起振軸51がS方向に回転するとストッパ54が可動偏心錘53の他方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では固定偏心錘52と可動偏心錘53の偏位の方向が一致して偏心錘全体の偏心モーメントの値が「m1r1+m2r2」となり、振動力が合成されるように作用するので大きな振動力となり、高い振幅の振動となる。
【0005】
次いで、2軸式の場合について図8を参照して説明する。本例は、同期的に同方向に回転する一対の起振軸51(51A,51B)が、ロール内の起振機ケース(図示せず)内においてロール中心を挟んで配設された場合を示している。なお、前記起振機ケースは車両の走行時にはロールと一体となって回転するように構成されている。また、本例はロールの振動が「通常振動」と「水平振動」とに切り替え可能に構成されたタイプを示すものであり、図8(a),(b−1)〜(b−4)ではいずれもロールの回転位置に関して、起振軸51Aが上方に、起振軸51Bが下方に位置した状態の場合を示している。
【0006】
起振軸51Aにおいては、一対の固定偏心錘52Aが固設されるとともに、両固定偏心錘52A間には、可動偏心錘53Aが起振軸51Aに対して回動可能となるように外嵌されている。ここで、可動偏心錘53Aによる偏心モーメントm2r2は、一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1より大きいものとする。起振軸51Bにおいては、一対の固定偏心錘52Bが固設されるとともに、両固定偏心錘52B間には、可動偏心錘53Bが起振軸51Bに対して回動可能となるように外嵌されている。ここで、一対の固定偏心錘52Bの合計の偏心モーメントm3r3は、前記可動偏心錘53Aによる偏心モーメントm2r2と同じ大きさであり、可動偏心錘53Bによる偏心モーメントm4r4は、前記一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1と同じ大きさである。
【0007】
図8(a)は通常振動の場合を示しており、起振軸51A及び51BがS方向に回転すると、各ストッパ54が各可動偏心錘53A,53Bの一方の端部側を押圧しながら回転し、この状態では各固定偏心錘52A,52Bと各可動偏心錘53A,53Bの重心の位置が起振軸51A,51Bを挟んで逆となる。起振軸51A側においては、一対の固定偏心錘52Aの合計の偏心モーメントm1r1よりも可動偏心錘53Aの偏心モーメントm2r2が大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m2r2−m1r1」となり、振動力が作用する方向は図における右矢印方向となる。起振軸51B側においては、一対の固定偏心錘52Bの合計の偏心モーメントm3r3が、可動偏心錘53Bの偏心モーメントm4r4よりも大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3−m4r4」となり、この場合も振動力が作用する方向は右矢印方向となる。すなわち、各偏心モーメントの値「m2r2−m1r1」,「m3r3−m4r4」は同じ値であることから、起振軸51A,51Bには互いに同一の振動力が同方向に向けて発生することとなる。
【0008】
勿論、起振軸51A及び51Bは同期的に同方向に回転するので、各振動力が作用する方向の関係は維持され、例えば図示しないが、起振軸51A側の振動力が図における左方向に作用するときには起振軸51B側の振動力も左方向に作用し、起振軸51A側の振動力が上方向、下方向に作用するときには起振軸51B側の振動力も上方向、下方向に作用する。以上により、ロールには、各起振軸51A及び51Bの振動力が同一方向に合成されて、1軸式の場合と同様に、常に同一値の振動力として作用する。本明細書ではこれを「通常振動」というものとする。
【0009】
次いで、水平振動の場合について図8(b−1)〜(b−4)を参照して説明する。起振軸51A及び51BがR方向に回転すると、各ストッパ54が各可動偏心錘53の他方の端部側を押圧しながら回転し、(b−1)→(b−2)→(b−3)→(b−4)の状態が繰り返される。この各状態では、固定偏心錘52Aと可動偏心錘53Aは、(b−1)〜(b−4)に示されるように重なった状態で回転し、起振軸51A回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m1r1+m2r2」となる。同様に、固定偏心錘52Bと可動偏心錘53Bも重なった状態で回転し、起振軸51B回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3+m4r4」となる。勿論、各偏心モーメントの値「m1r1+m2r2」,「m3r3+m4r4」は同じ値である。
【0010】
(b−1)の位置では、起振軸51Aにはロール中心に向かう力が加わり、ロール中心を挟んで180度反対の位置にある起振軸51Bにおいても、ロール中心に向かう同じ大きさの力が加わるので、振動力は互いに打ち消される。(b−2)の位置では、起振軸51Aにはロールの円周方向右回りに向かう力が加わり、起振軸51Bにもロールの円周方向右回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には右から左へ向かう方向の水平力が加わる。(b−3)の位置では、起振軸51Aにはロール中心から遠ざかる方向に力が加わり、起振軸51Bにもそれとは逆の方向に力が加わるので振動力は互いに打ち消される。(b−4)の位置では、起振軸51Aにはロールの円周方向左回りに向かう力が加わり、起振軸51Bにもロールの円周方向左回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には、左から右へ向かう方向の水平力が加わる。以上により、交互に(b−2)の状態と(b−4)の状態が繰り返されることで、ロールの接地部には水平方向の振動力が加わる。本明細書ではこれを「水平振動」というものとする。
【0011】
以上の通常振動と水平振動との使い分けは、通常、施工対象となる地盤の材質等により適宜に決定される。なお、水平振動に関する機構については特許文献1にも開示されている。
【0012】
【特許文献1】
特公平4−6805号公報(第5及び第6頁、第5図)
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示した従来構造の振動機構によれば、次のような問題がある。起振軸51を図示しない振動用モータにより回転させると、ストッパ54が可動偏心錘53に当接(衝突)することとなるが、通常、起振軸51は1分間当たり数千回転する仕様となっていることからその立ち上がり速度も速く、また特に1軸式の場合において低振幅振動と高振幅振動との差を大きくしたいときには、可動偏心錘53の質量が大きくなることから、可動偏心錘53とストッパ54との衝突時における衝撃力が大きくなりやすくなる。そのため、大きな衝突音が発生して不快な騒音となったり、また、衝突の際に磨耗粉が発生しやすくなるため、この磨耗粉が起振軸51を軸支するベアリング(図示せず)に侵入してベアリングに損傷を与えるおそれもある。さらには、ストッパ54と固定偏心錘52との固着部位(溶接箇所等)や固定偏心錘52と起振軸51との固着部位に大きな負荷がかかるため、例えば溶接強度を上げたうえで品質チェックを徹底させる措置が必要になる等の問題があった。
【0014】
また、起振軸51を回転させる駆動源が例えば油圧モータである場合、油圧モータを停止させた直後には圧油の流れの停止に基づくブレーキ力により起振軸51側、つまりストッパ54の回転速度は急激に下がることとなるが、可動偏心錘53は慣性力によりそのまま高回転速度を維持したまま回転するので、前記した回転開始時の場合と同様に可動偏心錘53とストッパ54との衝突時における衝撃力が大きくなる。特に振動ローラは施工状況によって振動のON−OFF操作を頻繁に行う場合も多く、以上のように振動の開始及び停止のたびに可動偏心錘53とストッパ54との間に大きな衝撃力が発生することは問題である。
【0015】
また、以上の振動の開始及び停止時における衝突の問題は1軸式、2軸式共に有する問題であるが、これとは別に2軸式の場合には図9に示すような問題もある。図9は振動をかけていない状態(つまり起振軸51A,51Bが回転停止の状態)でロールを回転させた場合を示す側面説明図であり、ロールが図9における反時計回りに回転すると、一対の起振軸51A,51Bもロールの中心を軸として反時計回りに公転する状態を示している。一方の起振軸51A側における可動偏心錘53Aの動きに着目すると、(a)の状態でストッパ54によりその一端側で押し上げられた可動偏心錘53Aは、その自重により起振軸51A回りに、反時計回りに回転する。そして、(c)の状態のように可動偏心錘53Aは起振軸51Aの下方に位置するが、慣性力が作用しているためそのまま上方に向けて回転し、(d)に示すように、その他端側がストッパ54に衝突する。次いで、ストッパ54に衝突した反動で可動偏心錘53Aは今度は時計回りに回転し、一方、ストッパ54はロールの回転とともに反時計回りに公転しているので、可動偏心錘53Aとストッパ54は、(e)に示すように、可動偏心錘53Aの一端側の部位で再度衝突する。
【0016】
したがって、無振動での走行、例えば車両の回送走行時等においても、この図9に示した可動偏心錘53Aとストッパ54の2度の衝突が、走行中絶えず繰り返されることとなり、前記したように衝突音が発生して不快な騒音となったり、磨耗粉が発生しやすくなる等の問題があった。
【0017】
以上の可動偏心錘53とストッパ54との衝突の問題に対して、例えば可動偏心錘53やストッパ54にゴム材等からなる衝撃干渉部材を設けることも考えられるが、ゴム材等の弾性を有する材質は強度が不足し、且つ剥離しやすいという問題があり、特に、振動ローラの場合、振動機構はオイルの充填された室内に収装されることから、このオイルによってゴム材が劣化しやすい等の問題もあり、長期使用には不向きである。
【0018】
本発明は以上のような問題を解決するために創作されたものであり、可動偏心錘とストッパとが衝突した際の衝撃力が低減され、もって衝突音の低減や磨耗粉の抑制、固定偏心錘或いはストッパの損傷防止が可能となる振動機構及び振動ローラを提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため、水平状に延設される起振軸に外嵌して取り付けられ、前記起振軸に対して相対的に回転可能な可動偏心錘と、前記起振軸と一体的に回転し、前記可動偏心錘の回転変位を規制するストッパとを備えた振動機構であって、前記起振軸と前記可動偏心錘との嵌合接触による摩擦力以外に、前記可動偏心錘に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構を設ける構成とした。
【0020】
また、前記起振軸が回転停止の状態において、前記可動偏心錘は、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときには前記摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定されている構成とした。
【0021】
また、前記所定角度としては、水平レベルを挟んで上下それぞれ10度から20度の間の値とすることが好ましい。
【0022】
また、前記摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構を備える構成とした。
【0023】
また、前記起振軸には、前記可動偏心錘を挟むように一対の固定偏心錘が取り付けられ、前記ブレーキ機構は、前記可動偏心錘の側面に当接する当接部材と、この当接部材を常に前記可動偏心錘の側面に向けて付勢する付勢部材とを備えた構成からなり、少なくとも一方の固定偏心錘において設けられる構成とした。
【0024】
さらに、前記振動機構をロールの内部に備える振動ローラとした。
【0025】
また、ロールの内部に起振軸を2軸として備え、前記ブレーキ機構を各起振軸に備えた振動ローラとした。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る振動機構を内蔵したロールの平断面説明図であり、本発明を前記した「通常振動」と「水平振動」とに切り替え可能な2軸式の振動機構に適用した例を示すものである。また、図2は図1におけるA−A断面図であり、(a)は「通常振動」の場合を、(b)は「水平振動」の場合を示す。
【0027】
ロール1は例えば図示しない振動ローラの機枠に固設された支持板2に回転自在に支持されている。ロール1は中空円筒形状を呈し、その内周面には中央部にそれぞれ貫通孔3a,4aを形成した円板形状の第1鏡板3と第2鏡板4が互いに離間して固設されている。第1鏡板3と第2鏡板4との間には、貫通孔3aと貫通孔4aとの各周縁部にわたって挟持されるように中空円筒形状の起振機ケース5がロール1と同芯状に固設される。第1鏡板3及び第2鏡板4にはそれぞれの貫通孔3a,貫通孔4aを閉塞するようにアクスルシャフト6,アクスルシャフト7が取り付けられ、各々のフランジ部6a,7aにてボルト8によりそれぞれ貫通孔3a,貫通孔4aの周縁部に締結固定される。
【0028】
一方のアクスルシャフト6は、軸受10,10を介して軸受部材9に枢支される。軸受部材9は、取り付け板12,防振ゴム11を介して前記した支持板2に連結する部材である。他方のアクスルシャフト7は、取り付け板13を介して走行用モータ14の出力部14aに固設される。走行用モータ14の固定部14bは取り付け板15,防振ゴム16を介して支持板2側に固設されている。走行用モータ14は通常、油圧モータ等からなる。
【0029】
前記軸受部材9には振動用モータ取り付け部材17を介して振動用モータ18が固設され、その回転軸にはカップリング19を介してギア軸20が連結している。ギア軸20は軸受21,21を介してアクスルシャフト6に枢支されることによりロール1と同芯状となるように水平に延設され、起振機ケース5内に突出したその先端部には平歯車からなる駆動ギア23が固設されている。振動用モータ18も通常、油圧モータ等からなり、正逆回転が可能に構成されている。
【0030】
起振軸24,25は、それぞれ各両端部が軸受22を介してアクスルシャフト6,7に枢支されることにより起振機ケース5内において水平状に延設され、ロール1の回転軸を挟んで互いに180度反対の位置に配設されている。起振軸24,25の各一端側寄りにはそれぞれ従動ギア26,27が固設されており、この従動ギア26,27が前記駆動ギア23に噛合する。従動ギア26,27は互いに同一の径及び同一の歯数を有するものである。
【0031】
以上により、走行用モータ14の出力部14aが回転すると、アクスルシャフト6が軸受部材9に対して回転可能に構成されていることから、ロール1が走行回転し、これに伴って起振軸24,25は図9で説明したようにロール1の回転軸回りに公転する。また、振動用モータ18を作動させると、駆動ギア23が回転し、この駆動ギア23に噛合する従動ギア26,27により起振軸24,25は同期的に、且つ同一方向に回転する。
【0032】
本実施形態における振動機構31は、前記した起振軸24,25と、起振軸24,25に固設される各一対の固定偏心錘32,33と、起振軸24,25に対して相対的に回転可能な可動偏心錘34,35と、起振軸24,25とそれぞれ一体的に回転し、可動偏心錘34,35の回転変位を規制するストッパ36,37とを備えた構成からなる。
【0033】
先ず、起振軸24側について説明すると、一対の固定偏心錘32は互いに離間して起振軸24に溶接等により固設されている。固定偏心錘32は、図2に示すように、起振軸24に外嵌して固設される基端部32aと、この基端部32aから起振軸24の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部32bとを有している。ストッパ36はピン形状を呈した部材であり、両固定偏心錘32に穿設された貫通孔に挿通されることにより、図1に示すように、固定偏心錘32,32間において起振軸24と平行となるように掛け渡された状態となり、溶接等により固定偏心錘32,32に固設されている。可動偏心錘34は、固定偏心錘32,32の間に取り付けられる部材であって、図2に示すように、起振軸24に回転可能に外嵌する基端部34aと、この基端部34aから起振軸24の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部34bとを有した構成からなる。
【0034】
次いで、起振軸25側について説明すると、基本的には起振軸24側と同様な構成となっている。すなわち、一対の固定偏心錘33は、互いに離間して起振軸25に固設されており、図2に示すように、起振軸25に外嵌して固設される基端部33aと、この基端部33aから起振軸25の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部33bとを有している。ストッパ37はピン形状を呈した部材であり、両固定偏心錘33に穿設された貫通孔に挿通されることにより、図1に示すように、固定偏心錘33,33間において起振軸25と平行となるように掛け渡された状態で固定偏心錘33,33に固設される。可動偏心錘35は、固定偏心錘33,33の間に取り付けられる部材であって、図2に示すように、起振軸25に回転可能に外嵌する基端部35aと、この基端部35aから起振軸25の軸心に対して偏って形成される略半円形状を呈した偏心部35bとを有する。
【0035】
以上の固定偏心錘32と固定偏心錘33との互いの位置関係は、図2に示すように、偏心部32bと偏心部33bとが、起振軸24と起振軸25の各軸心を結ぶ中心線38を挟んで互いに反対に位置するような関係にある。また、起振軸24側において、可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2は、一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1より大きく設定されている。そして、起振軸25側において、一対の固定偏心錘33の合計の偏心モーメントm3r3は、前記可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2と同じ大きさであり、可動偏心錘35の偏心モーメントm4r4は、前記一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1と同じ大きさに設定されている。
【0036】
図2(a)に示すように、「通常振動」の場合には、駆動ギア23が図における反時計回りに回転し、従動ギア26,27を介して起振軸24,25が時計回りに回転すると、各ストッパ36,37が各可動偏心錘34,35の一方の端部側を押圧しながら回転する。この状態では各固定偏心錘32,33の重心の位置と各可動偏心錘34,35の重心の位置が起振軸24,25を挟んで逆となる。起振軸24側においては、一対の固定偏心錘32の合計の偏心モーメントm1r1よりも可動偏心錘34の偏心モーメントm2r2が大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m2r2−m1r1」となり、振動力が作用する方向は図における右矢印方向となる。起振軸25側においては、一対の固定偏心錘33の合計の偏心モーメントm3r3が可動偏心錘35の偏心モーメントm4r4よりも大きく設定されているため、偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3−m4r4」となり、この場合も振動力が作用する方向は右矢印方向となる。すなわち、各偏心モーメントの値「m2r2−m1r1」,「m3r3−m4r4」は同じ値であることから、起振軸24,25には互いに同一の振動力が同方向に向けて発生することとなる。
【0037】
次いで、図2(b)に示すように、「水平振動」の場合には、駆動ギア23が図における時計回りに回転し、従動ギア26,27を介して起振軸24,25が反時計回りに回転することで、各ストッパ36,37が各可動偏心錘34,35の他方の端部側を押圧しながら回転する。この「水平振動」では、起振軸24においては固定偏心錘32と可動偏心錘34とが重なりながら回転し、起振軸25においても固定偏心錘33と可動偏心錘35とが重なりながら回転する。したがって、起振軸24回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m1r1+m2r2」であり、起振軸25回りの偏心錘全体の偏心モーメントは「m3r3+m4r4」である。勿論、各偏心モーメントの値「m1r1+m2r2」,「m3r3+m4r4」は同じ値である。
【0038】
図2(b)に示した状態は、前記した図8(b−4)と同一の状態である。すなわち、起振軸24にはロールの円周方向左回りに向かう力が加わり、起振軸25にもロールの円周方向左回りに向かう力が加わる。これにより、ロールが載っている地面の接地部には、図における左から右へ向かう方向の水平力が加わる。なお、図8(b−1)〜(b−3)に対応する状態の説明はここでは省略するものとする。
【0039】
さて、本発明は、以上の振動機構31において、起振軸24,25と可動偏心錘34,35との嵌合接触による摩擦力以外に、図1等に示すように、可動偏心錘34,35に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を設けたことを主な特徴とする。本実施形態において、「起振軸24,25と可動偏心錘34,35との嵌合接触による摩擦力」とは、勿論、起振軸24の外周面と基端部34aに穿設された貫通孔の内周面との接触による摩擦力、及び起振軸25の外周面と基端部35aに穿設された貫通孔の内周面との接触による摩擦力をいうものである。
【0040】
起振軸24,25に設けた各ブレーキ機構39は互いに略同一の構成であるため、以下では起振軸24側のブレーキ機構39についてのみ説明する。本実施形態では、ブレーキ機構39として、図3に示すように、可動偏心錘34の側面に当接する当接部材40と、この当接部材40を常に可動偏心錘34の側面に向けて付勢する付勢部材41とを備えた構成としている。
【0041】
図3を参照して具体的に説明すると、各固定偏心錘32の偏心部32bにおいて水平方向に貫通するように貫通孔32cを穿設し、この貫通孔32cの内部に、当接部材40としての鋼球40Aと、付勢部材41としての圧縮ばね41Aを収装する。そして、固定偏心錘32の外側面には、ボルト取り付け座42を、その雌ねじ孔が貫通孔32cと同心状となるように溶接等により固設する。これにより、ボルト取り付け座42に調整用ボルト43を螺合させることで、圧縮ばね41Aは調整用ボルト43の先端面と鋼球40Aとの間で圧縮され、もって鋼球40Aを可動偏心錘34の側面に向けて付勢(押圧)する。これにより、可動偏心錘34の側面と鋼球40Aとの間には摩擦力が発生し、この摩擦力が起振軸24回りの可動偏心錘34の回転に対する抵抗力として作用することとなる。なお、符号44は、調整用ボルト43のゆるみ止め用のロックナットを示す。
【0042】
また、調整用ボルト43のねじ込み量を調整することにより圧縮ばね41A(付勢部材41)の付勢力を調整できるので、前記摩擦力の値を適宜に調整できることとなる。このように、固定偏心錘32に貫通孔32cを穿設し、その内部に当接部材40や付勢部材41を収装し、調整用ボルト43にて付勢部材41の付勢力を調整可能とする構造とすれば、簡易なブレーキ機構39となり、且つ、摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構45をも兼ねた構造にできる。
【0043】
図3(a)において仮想線にて示す符号46は、可動偏心錘34の側面に対する鋼球40A(当接部材40)の回転軌跡を示す。本図から判るように、鋼球40Aは、常に可動偏心錘34の側面(基端部34aの側面及び偏心部34bの側面)において、起振軸24回りにおける固定偏心錘32と可動偏心錘34との相対的な全ての回動範囲にわたって接触するように構成されているので、固定偏心錘32と可動偏心錘34とのいかなる相対的な変位角度においても、前記摩擦力を発生することができ、また、押し付けている鋼球40Aが抜け落ちることもない。
【0044】
ここで、ブレーキ機構39はどちらか一方の固定偏心錘32にのみ設けることも可能である。しかし、その場合、圧縮ばね41Aの付勢力により可動偏心錘34は他方の固定偏心錘32の側面に接触することとなるが、その接触状態は、固定偏心錘32と可動偏心錘34との互いの位相角度の違いによって異なるため、摩擦力の値が安定性に欠けるというおそれがある。これに対し、図3(b)に示すように、両方の固定偏心錘32に同一構造のブレーキ機構39を可動偏心錘34を挟んで対称的に設けることで、安定した摩擦力を可動偏心錘34に付与することができる。
【0045】
以上のように、可動偏心錘34に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構39を備える構成とすれば、この摩擦力が起振軸24回りの可動偏心錘34の回転に対する抵抗力として作用するので、その分、可動偏心錘34の回転力が弱まり、ストッパ36に衝突した際には衝撃力が低減される。したがって、衝突音の低減化が図れるとともに、磨耗粉の発生が抑制されるので、振動機構等を構成する軸受(図1における符号21,22)の損傷防止が図れる。また、ストッパ36と固定偏心錘32との固着部位(溶接箇所等)や固定偏心錘32と起振軸24との固着部位に加わる負荷も低減されるので、長期的な品質維持性能が向上する。
【0046】
次いで、前記摩擦力の程度に関し、摩擦力が弱すぎると、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能において劣ることとなり、逆に摩擦力が強すぎると、起振軸24の回転方向を切り替えたとき、つまり「通常振動」と「水平振動」との切り替え時(1軸式の場合にあっては、「低振幅」と「高振幅」との切り替え時)において可動偏心錘34が切り替え方向にスムースに追従回転せず、特に、回転数が上がると可動偏心錘34の遠心力により、起振軸24と可動偏心錘34の摩擦力が上がって切り替わらなくなる、というおそれがある。
【0047】
この問題に対し、本発明者は各種の設定試験を行い、起振軸24が回転停止の状態において、可動偏心錘34を、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときにはブレーキ機構39による摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定すれば、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能と、起振軸24の回転方向の切り替え時における可動偏心錘34のスムースな追従回転性とを両立させ得ることが判明した。換言すると、可動偏心錘34の自重によるモーメントが所定の値未満の状態においては、可動偏心錘34の回転が阻止され、所定の値以上に達したときに回転するように設定するものである。
【0048】
図4(a)に示すように、可動偏心錘34の重心Gに対する重力によるモーメントm2gr2・cosθ(m2は偏心質量、gは重力加速度、r2は起振軸24の軸心と可動偏心錘34の重心Gとの距離、θは、起振軸24の軸心と可動偏心錘34の重心Gとを結ぶ線と、水平線との交差角度を表す)が最大となるのは、可動偏心錘34の重心Gの位置が起振軸24の軸心と互いに水平レベルにあるとき、つまり交差角度θが零のときであり、その値はm2gr2となる。したがって、前記所定角度としてのθ(水平レベルを挟んで±θ)の範囲内に重心Gが位置したときに、重力によるモーメントm2gr2・cosθがブレーキ機構39の摩擦力に打ち勝って、可動偏心錘34が摩擦力に抗して自重により図4における反時計回りに回転するように設定する。
【0049】
設定試験の結果、所定角度θとしては、10度から20度の値とすれば良好な結果が得られることが判った。そのようにしてブレーキ機構39が設定されていれば、起振軸24が停止しているときは少なくとも、図4(b)に示すように、±10度の範囲内のいずれかに重心Gが位置したときには可動偏心錘34が必ず回り、±20度の範囲外に重心Gが位置したときには可動偏心錘34が回らないこととなり、前記したように、可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力の低減機能と、起振軸24の回転方向の切り替え時における可動偏心錘34のスムースな追従回転性とを良好に両立できることが判明した。可動偏心錘34は回転初期には必ずこの位置を通過するため、重力によるモーメントm2gr2・cosθと回転慣性抵抗力により、確実に切り替わるものである。
【0050】
次に、図5は可動偏心錘34とストッパ36との衝撃力をさらに効果的に低減する機構を付加した場合を示す側面説明図である。この場合、例えば、ストッパ36に衝突する可動偏心錘34の部位に孔47を穿設し、この孔47に、可動偏心錘34の表面部から突出するように配設され、ストッパ36に衝突する衝突部材48と、衝突部材48を可動偏心錘34の表面部から突出させるように常時付勢する弾性部材(圧縮ばね材等)49を収装する。これにより、可動偏心錘34が回転してストッパ36に衝突する際には、衝突部材48がストッパ36に衝突することとなり、弾性部材49の弾性力によって、衝突部材48が孔47内に後退する過程において衝撃力が低減(緩衝)される。なお、衝突部材48と弾性部材49としては例えば公知のプランジャユニットが適用できる。
【0051】
また、以上に説明したような振動機構をロール1内に備えた振動ローラとすることにより、騒音が小さく、また、軸受の損傷が防止されるので信頼性の高い締固め車両となり、さらに、ストッパ36,37の取り付け部位等の固着強度、具体的には溶接強度を上げる必要もなくなるので組み立て作業が簡易な締固め車両となる。特に、本実施形態のように、ロール1の内部に起振軸を2軸として備えた振動ローラにおいて、各起振軸24,25にブレーキ機構39を備える構成とすれば、無振動での走行、例えば車両の回送時等において、起振軸24,25がロール1の回転軸回りに公転することによって起こる可動偏心錘34,35とストッパ36,37との各衝突時の衝撃力も低減できる。
【0052】
以上、本発明について好適な実施形態を説明した。説明した形態は起振軸が2軸式の場合であったが、本発明は勿論、1軸式の場合にも適用可能である。また、本発明に係る振動機構はロールの振動に限られず、その他の振動装置にも適用可能である。さらに、設計によっては、固定偏心錘を個別に有さず、起振軸と一体に成形する場合もあり得、本発明はこの場合にも適用可能である。その他、本発明は、各構成要素の形状やレイアウト、個数等についてその主旨を逸脱しない範囲で適宜に設計変更が可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果が奏される。
(1)可動偏心錘に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構を備える構成とすれば、この摩擦力が起振軸回りの可動偏心錘の回転に対する抵抗力として作用するので、その分、可動偏心錘の回転力が弱まり、ストッパに衝突した際には衝撃力が低減される。したがって、衝突音の低減化が図れるとともに、磨耗粉の発生が抑制されるので、振動機構等を構成する軸受等の損傷防止が図れる。また、ストッパの固着部位に加わる負荷も低減されるので、長期的な品質維持性能が向上する。
(2)前記起振軸が回転停止の状態において、可動偏心錘を、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときには前記摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定すれば、可動偏心錘とストッパとの衝撃力の低減機能と、起振軸の回転方向の切り替え時における可動偏心錘のスムースな追従回転性とを両立できる。
(3)前記所定角度としては、水平レベルを挟んで上下それぞれ10度から20度の間の値であれば、可動偏心錘とストッパとの衝撃力の低減機能と、起振軸の回転方向の切り替え時における可動偏心錘のスムースな追従回転性とをより効果的に両立できる。
(4)前記摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構を備える構成とすれば、摩擦力の初期設定やメンテナンス時における摩擦力の設定が容易に行えることとなる。
(5)起振軸に、可動偏心錘を挟むように一対の固定偏心錘が取り付けられた振動機構において、前記ブレーキ機構として、可動偏心錘の側面に当接する当接部材と、この当接部材を常に可動偏心錘の側面に向けて付勢する付勢部材とを備えた構成とし、このブレーキ機構を少なくとも一方の固定偏心錘において設ける構成とすれば、簡易で組み付けの容易なブレーキ機構が実現される。
(6)以上の振動機構をロールの内部に備えた振動ローラとすれば、騒音が小さく、また、軸受の損傷が防止されるので信頼性の高い締固め車両となり、さらに、ストッパの取り付け部位等の固着強度を上げる必要もなくなるので組み立て作業の簡易な締固め車両となる。
(7)特に、ロールの内部に起振軸を2軸として備えた振動ローラにおいて、各起振軸にブレーキ機構を備える構成とすれば、例えば車両の回送時等において、起振軸がロールの回転軸回りに公転することによって起こる可動偏心錘とストッパとの衝突時の衝撃力も低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る振動機構を内蔵したロールの平断面説明図である。
【図2】図1におけるA−A断面図であり、(a)は「通常振動」の場合を、(b)は「水平振動」の場合を示す。
【図3】(a)は図1におけるB−B断面図、(b)は(a)におけるC−C断面図である。
【図4】(a)は図1におけるB−B断面図であり、可動偏心錘の重心に対する重力によるモーメントが最大となったときの状態を示す。(b)は可動偏心錘が回動する所定角度の設定状態を示す説明図である。
【図5】可動偏心錘に衝突部材と弾性部材を付加した場合を示す説明図である。
【図6】従来における振動機構の一構造例を示し、(a)は正面説明図、(b)は側面説明図である。
【図7】1軸式で可変振幅機構を備えた振動機構の作用を示す側面説明図であり、(a)は低振幅振動の場合、(b)は高振幅振動の場合である。
【図8】2軸式で「通常振動」と「水平振動」との切り替えが可能な振動機構の作用を示す側面説明図であり、(a)は通常振動の場合を、(b−1)〜(b−4)は水平振動の場合を示す。
【図9】2軸式で「通常振動」と「水平振動」との切り替えが可能な振動機構において、起振軸が回転停止の状態においてロールの中心回りに公転した際の作用説明図である。
【符号の説明】
1 ロール
24,25 起振軸
31 振動機構
32,33 固定偏心錘
34,35 可動偏心錘
36,37 ストッパ
39 ブレーキ機構
40 当接部材
41 付勢部材
45 摩擦力調整機構
Claims (7)
- 水平状に延設される起振軸に外嵌して取り付けられ、前記起振軸に対して相対的に回転可能な可動偏心錘と、前記起振軸と一体的に回転し、前記可動偏心錘の回転変位を規制するストッパとを備えた振動機構であって、
前記起振軸と前記可動偏心錘との嵌合接触による摩擦力以外に、前記可動偏心錘に対してその回転を妨げる摩擦力を付与するブレーキ機構を設けたことを特徴とする振動機構。 - 前記起振軸が回転停止の状態において、前記可動偏心錘は、その重心位置が、水平レベルを挟んだ所定角度の範囲外であるときには前記摩擦力によって回転が阻止され、前記所定角度の範囲内であるときには自重により前記摩擦力に抗して回転可能となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の振動機構。
- 前記所定角度は、水平レベルを挟んで上下それぞれ10度から20度の値であることを特徴とする請求項2に記載の振動機構。
- 前記摩擦力を調整可能な摩擦力調整機構を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の振動機構。
- 前記起振軸には、前記可動偏心錘を挟むように一対の固定偏心錘が取り付けられ、
前記ブレーキ機構は、前記可動偏心錘の側面に当接する当接部材と、この当接部材を常に前記可動偏心錘の側面に向けて付勢する付勢部材とを備えた構成からなり、少なくとも一方の固定偏心錘において設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の振動機構。 - 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の振動機構をロールの内部に備えたことを特徴とする振動ローラ。
- ロールの内部に起振軸を2軸として備え、前記ブレーキ機構を各起振軸に備えたことを特徴とする請求項6に記載の振動ローラ。
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