JP2004222932A - 化粧料容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能な化粧料容器を提供する。
【解決手段】蓋体6の外面6aに、これを覆って交換可能に設けられる交換用カバー7と、蓋体6の外面6a側から窪ませて形成された第1の溝24と、第1の溝24内部に形成された凸状リブ26と、交換用カバー7に形成され、第1の溝24内に挿入されて凸状リブ26に係脱自在に係合される可撓変形自在な弾性片18と、蓋体6の内面6b側から窪ませて第1の溝24に連通させて形成され、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18を可撓変形させて凸状リブ26から離脱させるべく、当該弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】蓋体6の外面6aに、これを覆って交換可能に設けられる交換用カバー7と、蓋体6の外面6a側から窪ませて形成された第1の溝24と、第1の溝24内部に形成された凸状リブ26と、交換用カバー7に形成され、第1の溝24内に挿入されて凸状リブ26に係脱自在に係合される可撓変形自在な弾性片18と、蓋体6の内面6b側から窪ませて第1の溝24に連通させて形成され、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18を可撓変形させて凸状リブ26から離脱させるべく、当該弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能な化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に化粧料容器は、化粧料を収納する容器本体と、この容器本体を開いたり閉じたりする蓋体とを備えて構成されている。そして化粧料容器の外観をなすこれら容器本体や蓋体に対しては、そのデザイン性を高めるために、従来からさまざまな方法によって加飾が施されている。例えば、スパッタリングなどによって表面処理を行ったり、転写シートを用いて文字や模様などを転写したり、あるいは模様などを付した上に透明・半透明の層を重ねたりするなどして、容器本体や蓋体に装飾を施すようにしていた。
【0003】
なお、本願出願人は、関連する先行出願として、特願2001−49000、特願2002−280340、特願2002−304682、特願2002−304683、特願2002−321873、特願2002−321874を出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の化粧料容器にあっては、製品としての化粧料容器を高級感溢れる高い品質で提供するという目的で、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないように、上記いずれの加飾方法にあっても、容器本体や蓋体に対し加飾部分が一体不可分となるように互いに分離不能に一体的に形成しなければならないという要請があった。
【0005】
このような要請は反面、化粧料容器の外観が生産者の選定したデザインに限定されることを意味し、購買者が化粧料容器の意匠的外観を、好みに応じて自由に選べるようにすることを妨げていた。このため、購買者は気に入ったデザインの化粧料容器を見つけることができず、これが買い控えの一因になっていたと考えられる。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能な化粧料容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる化粧料容器は、容器本体とこれを開閉する蓋体とを有する化粧料容器において、上記蓋体および上記容器本体の少なくともいずれか一方の外面に、これらを覆って交換可能に設けられる交換用カバーと、上記蓋体もしくは上記容器本体の外面側から窪ませて形成された第1の溝と、該第1の溝内部に形成された係合部と、上記交換用カバーに形成され、上記第1の溝内に挿入されて上記係合部に係脱自在に係合される可撓変形自在な被係合部と、上記蓋体もしくは上記容器本体の内面側から窪ませて上記第1の溝に連通させて形成され、該第1の溝内部で上記係合部に係合している上記被係合部を可撓変形させて該係合部から離脱させるべく、該被係合部に操作力を加えるための第2の溝とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能となる。また被係合部に操作力を加えるための第2の溝を、蓋体や容器本体の内面側から窪ませて形成していて、化粧料容器の外観を良好なものとし得る。さらに、係合部と被係合部とを第1の溝内部で係合させるようにしていて、交換用カバーが蓋体や容器本体から不用意に外れてしまうことを適切に防止することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる化粧料容器の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる化粧料容器1は図1〜図5に示すように、収納凹部2が形成された皿状の合成樹脂製容器本体3と、容器本体3の前後方向後端にヒンジ4を介して上下方向へ回動自在に連結されて容器本体3を開閉するとともに、容器本体3の前端にフック5を介して係脱自在に係合されて当該容器本体3の閉止状態を維持する板体状の合成樹脂製の蓋体6と、蓋体6に着脱自在に設けられ、交換可能に蓋体6の外面6aを覆う板体状の合成樹脂製の交換用カバー7とから主に構成される。
【0010】
交換用カバー7の材質は合成樹脂製に限らず、金属製であってもよい。また、交換用カバー7は容器本体3を覆って設けられてもよく、また蓋体6および容器本体3の双方に設けられてもよい。図示例にあっては、これら容器本体3、蓋体6、並びに交換用カバー7は平面外形輪郭が矩形状に形成されるけれども、多角形状や円形状であってもよい。蓋体6の内面6bには、鏡8が取り付けられている。
【0011】
フック5は、容器本体3の前端に形成された凹所9内に突設されたフック用突起10と、蓋体6の前端から垂下されてフック用突起10に係脱自在に係合されるフック片11とから構成される。またヒンジ4は、フック5とは反対側において容器本体3の後端から一対突設されたヒンジ片12間に、蓋体6の後端から垂下させたヒンジブロック13が挟み込まれ、これらヒンジブロック13からヒンジ片12にわたって形成したピン穴14にヒンジピン(図示せず)が挿入されることで構成され、ヒンジブロック13はヒンジピンを介してヒンジ片12に対し回動自在に連結される。
【0012】
交換用カバー7は、化粧料容器1、本実施形態にあっては蓋体6の意匠的外観を購買者が好みに応じて自由に選べるように、各種のさまざまな加飾が施されたものが用意されるようになっている。これら交換用カバー7に施される加飾部分は、部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないように、交換用カバー7に対し一般周知の方法によって一体不可分に分離不能に一体的に形成される。
【0013】
これら交換用カバー7は、その外形輪郭が容器本体3の外形輪郭と一致するようにほぼ同じ外形寸法で形成されるとともに、この交換用カバー7が取り付けられる蓋体6は、取り付け代を確保するためにこれらよりも若干小さな外形寸法で形成され、交換用カバー7はこの蓋体6の上にこれを覆って重ね合わされる。
【0014】
交換用カバー7には、その外周縁から蓋体6側に垂下させて環状の垂下部15が形成される。フック5側に位置する垂下部15には、容器本体3の左右幅方向に適宜間隔を隔てて、交換用カバー7の下面7a側へ折り返すことで係合突部16が形成され、この係合突部16によって角付けされた入隅部17が形成される。また、交換用カバー7の下面7aには、ヒンジブロック13直上位置から下方へ突出させて、水平方向に可撓変形自在な被係合部としての弾性片18が設けられる。この弾性片18の下端には、これより蓋体6の前後方向前方へ突出させて係止突起19が形成され、この係止突起19によって、弾性片18には角付けされた入隅部20が形成される。
【0015】
他方、蓋体6には、その外周壁6cから外方へ突出させて、交換用カバー7の垂下部15が載置される環状のフランジ部21が形成される。またフック5側に位置する外周壁6aにはこれを窪ませることで、交換用カバー7の係合突部16を挿抜自在に挿入するための係合凹部22が形成され、この係合凹部22によって、角付けされた出隅部23が形成される。そして、交換用カバー7を蓋体6のフック5側から装着して係合突部16を係合凹部22に差し込むことにより、入隅部17が出隅部23に対して上下方向へは離脱不能に、かつ水平方向へは係脱自在に係合されるようになっている。
【0016】
また、蓋体6にはその外面6a側からヒンジブロック13へわたって上下方向に窪ませて、弾性片18が挿抜自在に挿入される第1の溝24が形成される。また、ヒンジブロック13には、鏡8に面する、すなわち蓋体6の外面6aとは反対側の蓋体6の内面6b側からほぼ水平方向へ窪ませて、第1の溝24と連通される第2の溝25が形成され、これら第1の溝24および第2の溝25によりヒンジブロック13には、L字状の通孔が形成される。
【0017】
第1の溝24内部には、その内面から蓋体6の前後方向後方へ弾性片18の係止突起19に向かって突出させて係合部としての凸状リブ26が形成され、この凸状リブ26により、角付けされた入隅部20に向かい合う出隅部27が形成される。そしてこの出隅部27は、第1の溝24内に挿入された弾性片18の係止突起19が凸状リブ26下に係止されることにより、入隅部20と上下方向に離脱不能にかつ水平方向に係脱自在に係合される。
【0018】
第2の溝25は、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18の係止突起19を離脱させるべく、弾性片18を可撓変形させる水平方向の操作力を加えるために備えられ、係止突起19が達する位置において、当該第1の溝24と連通される。そしてこの第2の溝25には、弾性片18に操作力を加えるためのコインなどの押圧操作具Pが挿入され、挿入した押圧操作具Pによって弾性片18を水平方向に変形させることができるようになっている。
【0019】
さらに、係止突起19および凸状リブ26にあっては図2に示すように、係止突起19が凸状リブ26を乗り越える過程で互いに向かい合う面が、その乗り越えをスムーズにするためにテーパ面28,29で形成される。そしてまた、係止突起19のテーパ面29と第2の溝25の内面との間には図3に示すように、交換用カバー7を蓋体6から離隔させるべく、弾性片18を第1の溝24に沿って押圧するために、第2の溝25の奥に向かって、すなわち押圧操作具Pの挿入方向に沿って順次狭められ、押圧操作具Pが差し入れられることによりその操作力の一部を押圧力に変換するくさび状の隙間Gが形成される。
【0020】
本実施形態にかかる化粧料容器1の作用について説明すると、化粧料容器1を購入した購買者が蓋体6に装着されている交換用カバー7を、他のデザインの新たな交換用カバー7に交換する際には、蓋体6を回動させて容器本体3を開き、図3に示すように蓋体6の内面6bに現れた第2の溝25内へ、係止突起19に向かって押圧操作具Pを挿入する。
【0021】
押圧操作具Pで係止突起19を押圧操作すると図4に示すように、弾性片18が第1の溝24内で水平方向に可撓変形され、この可撓変形に伴って係止突起19が凸状リブ26から離脱されて、蓋体6に対する交換用カバー7の係止状態が解除されるとともに、これと同時に、くさび状隙間Gに差し込まれた押圧操作具Pが弾性片18を第1の溝24に沿って下方へ押し下げる作用も発揮し、これら係止突起19および凸状リブ26の係合解除と、弾性片18の押し下げとによって交換用カバー7は、図5に示すように蓋体6から跳ね出されるようにして分離される。
【0022】
その後は、交換用カバー7を蓋体6の水平方向前方へ押し出せば、係合突部16を係合凹部22から離脱させることができ、これにより交換用カバー7を蓋体6から取り外すことができる。
【0023】
次いで、新たな交換用カバー7を蓋体6に装着する際には、蓋体6前端側において係合突部16を係合凹部22に差し入れて係合させる一方で、蓋体6後端側においては、弾性片18を第1の溝24内に挿入してそのまま交換用カバー7を蓋体6に向かって押し付ければ、弾性片18の可撓変形を伴って係止突起19が凸状リブ26を乗り越えると同時に入隅部20が出隅部27と係合し、これにより新しい交換用カバー7を蓋体6に重ね合わせて取り付けることができる。
【0024】
以上説明したように本実施形態にかかる化粧料容器1にあっては、蓋体6の外面6aにこれを覆って交換可能に設けられる交換用カバー7と、蓋体6の外面6a側から窪ませて形成された第1の溝24と、第1の溝24内部に形成された凸状リブ26と、交換用カバー7に形成され、第1の溝24内に挿入されて凸状リブ26に係脱自在に係合される可撓変形自在な弾性片18と、蓋体6の内面6b側から窪ませて、第1の溝24に連通させて形成され、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18を可撓変形させて凸状リブ26から離脱させるべく、当該弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25とを備えたので、化粧料容器1の外観が生産者の選定したデザインに限定されることがなく、化粧料容器1として、購買者が好みに応じて外観を自由度高く選ぶことができ、これにより購買意欲を高め得るものとすることができる。
【0025】
また、交換用カバー7としては、従来の蓋体などと同様に、加飾部分を一体不可分に互いに分離不能に一体的に形成すればよく、従って加飾部分が交換用カバー7から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがなくて、製品としての化粧料容器1を、従来と遜色のない高級感溢れる高い品質で提供することができる。また、弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25を、蓋体6の内面6b側から窪ませて形成したので、化粧料容器1の外観を凹凸のない良好なものとすることができる。
【0026】
また、弾性片18の係止突起19と第2の溝25との間に、交換用カバー7を蓋体6から離隔させる方向へ押圧するために、操作力の一部を押圧力に変換するくさび状隙間Gを形成したので、交換用カバー7を取り外す際には、このくさび状隙間Gを利用した弾性片18の押圧によって、交換用カバー7を蓋体6に対して跳ね出させることができ、これにより使用者は、交換用カバー7が蓋体6から離脱したことを知得できるとともに、交換用カバー7が蓋体6から浮き上がった状態となるので、これら両者が重ね合わされている場合よりも、容易に交換用カバー7を蓋体6から取り外すことができる。
【0027】
また、係合突部16と係合凹部22、並びに係止突起19と凸状リブ26、特に可撓変形される弾性片18の係止突起19とこれに係合する凸状リブ26とを、上下方向には離脱不能に角付けされた入隅部17,20と出隅部23,27とで係脱自在に係合したことにより、交換用カバー7を蓋体6にしっかりと取り付け固定することができ、落下などによって化粧料容器1に大きな衝撃が加わったとしても、これによって交換用カバー7が蓋体6から簡単に脱落することを確実に防止することができる。
【0028】
このように交換用カバー7を蓋体6に安定的保持できる一方で、蓋体6に対する交換用カバー7の押し付け操作や、弾性片18を可撓変形させる第2の溝25からの操作によって係止突起19と凸状リブ26とを容易に係脱させることができ、簡単に交換用カバー7の交換を行うことができる。
【0029】
また、係止突起19のテーパ面29は、凸状リブ26との係止を円滑化する機能も併せ持ち、交換用カバー7の装着操作を円滑化することができる。さらに、ヒンジブロック13を利用して、これに第1の溝24および第2の溝25を形成するようにしていて、交換用カバー7の交換操作のために化粧料容器1の外形寸法が大きくなってしまうことを防止することができる。
【0030】
上述した本実施形態にあっては、蓋体6に交換可能にこれを覆う交換用カバー7を着脱自在に設ける場合を例にとって説明したが、容器本体3に交換用カバー7を設けるようにしても良い。この場合、交換用カバー7については上記実施形態と同様に構成すれば良く、他方、第1の溝24は容器本体3の外面から、そして第2の溝25は収納凹部2側から形成するようにすればよい。
【0031】
本実施形態にあっては、ヒンジ4やフック5を備えた化粧料容器1を例示して説明したが、これに限らず、容器本体3に対してネジ構造や径嵌合構造によって蓋体6を着脱するタイプの各種容器に適用してもよいことはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上要するに、本発明にかかる化粧料容器にあっては、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる化粧料容器の好適な一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1の化粧料容器の一部分解斜視断面図である。
【図3】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す最初の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【図4】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す途中の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【図5】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す最後の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 化粧料容器 3 容器本体
6 蓋体 6a 蓋体の外面
6b 蓋体の内面 7 交換用カバー
18 弾性片 24 第1の溝
25 第2の溝 26 凸状リブ
【発明の属する技術分野】
本発明は、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能な化粧料容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に化粧料容器は、化粧料を収納する容器本体と、この容器本体を開いたり閉じたりする蓋体とを備えて構成されている。そして化粧料容器の外観をなすこれら容器本体や蓋体に対しては、そのデザイン性を高めるために、従来からさまざまな方法によって加飾が施されている。例えば、スパッタリングなどによって表面処理を行ったり、転写シートを用いて文字や模様などを転写したり、あるいは模様などを付した上に透明・半透明の層を重ねたりするなどして、容器本体や蓋体に装飾を施すようにしていた。
【0003】
なお、本願出願人は、関連する先行出願として、特願2001−49000、特願2002−280340、特願2002−304682、特願2002−304683、特願2002−321873、特願2002−321874を出願している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の化粧料容器にあっては、製品としての化粧料容器を高級感溢れる高い品質で提供するという目的で、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないように、上記いずれの加飾方法にあっても、容器本体や蓋体に対し加飾部分が一体不可分となるように互いに分離不能に一体的に形成しなければならないという要請があった。
【0005】
このような要請は反面、化粧料容器の外観が生産者の選定したデザインに限定されることを意味し、購買者が化粧料容器の意匠的外観を、好みに応じて自由に選べるようにすることを妨げていた。このため、購買者は気に入ったデザインの化粧料容器を見つけることができず、これが買い控えの一因になっていたと考えられる。
【0006】
本発明は上記従来の課題に鑑みて創案されたものであって、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能な化粧料容器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる化粧料容器は、容器本体とこれを開閉する蓋体とを有する化粧料容器において、上記蓋体および上記容器本体の少なくともいずれか一方の外面に、これらを覆って交換可能に設けられる交換用カバーと、上記蓋体もしくは上記容器本体の外面側から窪ませて形成された第1の溝と、該第1の溝内部に形成された係合部と、上記交換用カバーに形成され、上記第1の溝内に挿入されて上記係合部に係脱自在に係合される可撓変形自在な被係合部と、上記蓋体もしくは上記容器本体の内面側から窪ませて上記第1の溝に連通させて形成され、該第1の溝内部で上記係合部に係合している上記被係合部を可撓変形させて該係合部から離脱させるべく、該被係合部に操作力を加えるための第2の溝とを備えたことを特徴とする。
【0008】
これにより、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることが可能となる。また被係合部に操作力を加えるための第2の溝を、蓋体や容器本体の内面側から窪ませて形成していて、化粧料容器の外観を良好なものとし得る。さらに、係合部と被係合部とを第1の溝内部で係合させるようにしていて、交換用カバーが蓋体や容器本体から不用意に外れてしまうことを適切に防止することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明にかかる化粧料容器の好適な一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。本実施形態にかかる化粧料容器1は図1〜図5に示すように、収納凹部2が形成された皿状の合成樹脂製容器本体3と、容器本体3の前後方向後端にヒンジ4を介して上下方向へ回動自在に連結されて容器本体3を開閉するとともに、容器本体3の前端にフック5を介して係脱自在に係合されて当該容器本体3の閉止状態を維持する板体状の合成樹脂製の蓋体6と、蓋体6に着脱自在に設けられ、交換可能に蓋体6の外面6aを覆う板体状の合成樹脂製の交換用カバー7とから主に構成される。
【0010】
交換用カバー7の材質は合成樹脂製に限らず、金属製であってもよい。また、交換用カバー7は容器本体3を覆って設けられてもよく、また蓋体6および容器本体3の双方に設けられてもよい。図示例にあっては、これら容器本体3、蓋体6、並びに交換用カバー7は平面外形輪郭が矩形状に形成されるけれども、多角形状や円形状であってもよい。蓋体6の内面6bには、鏡8が取り付けられている。
【0011】
フック5は、容器本体3の前端に形成された凹所9内に突設されたフック用突起10と、蓋体6の前端から垂下されてフック用突起10に係脱自在に係合されるフック片11とから構成される。またヒンジ4は、フック5とは反対側において容器本体3の後端から一対突設されたヒンジ片12間に、蓋体6の後端から垂下させたヒンジブロック13が挟み込まれ、これらヒンジブロック13からヒンジ片12にわたって形成したピン穴14にヒンジピン(図示せず)が挿入されることで構成され、ヒンジブロック13はヒンジピンを介してヒンジ片12に対し回動自在に連結される。
【0012】
交換用カバー7は、化粧料容器1、本実施形態にあっては蓋体6の意匠的外観を購買者が好みに応じて自由に選べるように、各種のさまざまな加飾が施されたものが用意されるようになっている。これら交換用カバー7に施される加飾部分は、部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないように、交換用カバー7に対し一般周知の方法によって一体不可分に分離不能に一体的に形成される。
【0013】
これら交換用カバー7は、その外形輪郭が容器本体3の外形輪郭と一致するようにほぼ同じ外形寸法で形成されるとともに、この交換用カバー7が取り付けられる蓋体6は、取り付け代を確保するためにこれらよりも若干小さな外形寸法で形成され、交換用カバー7はこの蓋体6の上にこれを覆って重ね合わされる。
【0014】
交換用カバー7には、その外周縁から蓋体6側に垂下させて環状の垂下部15が形成される。フック5側に位置する垂下部15には、容器本体3の左右幅方向に適宜間隔を隔てて、交換用カバー7の下面7a側へ折り返すことで係合突部16が形成され、この係合突部16によって角付けされた入隅部17が形成される。また、交換用カバー7の下面7aには、ヒンジブロック13直上位置から下方へ突出させて、水平方向に可撓変形自在な被係合部としての弾性片18が設けられる。この弾性片18の下端には、これより蓋体6の前後方向前方へ突出させて係止突起19が形成され、この係止突起19によって、弾性片18には角付けされた入隅部20が形成される。
【0015】
他方、蓋体6には、その外周壁6cから外方へ突出させて、交換用カバー7の垂下部15が載置される環状のフランジ部21が形成される。またフック5側に位置する外周壁6aにはこれを窪ませることで、交換用カバー7の係合突部16を挿抜自在に挿入するための係合凹部22が形成され、この係合凹部22によって、角付けされた出隅部23が形成される。そして、交換用カバー7を蓋体6のフック5側から装着して係合突部16を係合凹部22に差し込むことにより、入隅部17が出隅部23に対して上下方向へは離脱不能に、かつ水平方向へは係脱自在に係合されるようになっている。
【0016】
また、蓋体6にはその外面6a側からヒンジブロック13へわたって上下方向に窪ませて、弾性片18が挿抜自在に挿入される第1の溝24が形成される。また、ヒンジブロック13には、鏡8に面する、すなわち蓋体6の外面6aとは反対側の蓋体6の内面6b側からほぼ水平方向へ窪ませて、第1の溝24と連通される第2の溝25が形成され、これら第1の溝24および第2の溝25によりヒンジブロック13には、L字状の通孔が形成される。
【0017】
第1の溝24内部には、その内面から蓋体6の前後方向後方へ弾性片18の係止突起19に向かって突出させて係合部としての凸状リブ26が形成され、この凸状リブ26により、角付けされた入隅部20に向かい合う出隅部27が形成される。そしてこの出隅部27は、第1の溝24内に挿入された弾性片18の係止突起19が凸状リブ26下に係止されることにより、入隅部20と上下方向に離脱不能にかつ水平方向に係脱自在に係合される。
【0018】
第2の溝25は、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18の係止突起19を離脱させるべく、弾性片18を可撓変形させる水平方向の操作力を加えるために備えられ、係止突起19が達する位置において、当該第1の溝24と連通される。そしてこの第2の溝25には、弾性片18に操作力を加えるためのコインなどの押圧操作具Pが挿入され、挿入した押圧操作具Pによって弾性片18を水平方向に変形させることができるようになっている。
【0019】
さらに、係止突起19および凸状リブ26にあっては図2に示すように、係止突起19が凸状リブ26を乗り越える過程で互いに向かい合う面が、その乗り越えをスムーズにするためにテーパ面28,29で形成される。そしてまた、係止突起19のテーパ面29と第2の溝25の内面との間には図3に示すように、交換用カバー7を蓋体6から離隔させるべく、弾性片18を第1の溝24に沿って押圧するために、第2の溝25の奥に向かって、すなわち押圧操作具Pの挿入方向に沿って順次狭められ、押圧操作具Pが差し入れられることによりその操作力の一部を押圧力に変換するくさび状の隙間Gが形成される。
【0020】
本実施形態にかかる化粧料容器1の作用について説明すると、化粧料容器1を購入した購買者が蓋体6に装着されている交換用カバー7を、他のデザインの新たな交換用カバー7に交換する際には、蓋体6を回動させて容器本体3を開き、図3に示すように蓋体6の内面6bに現れた第2の溝25内へ、係止突起19に向かって押圧操作具Pを挿入する。
【0021】
押圧操作具Pで係止突起19を押圧操作すると図4に示すように、弾性片18が第1の溝24内で水平方向に可撓変形され、この可撓変形に伴って係止突起19が凸状リブ26から離脱されて、蓋体6に対する交換用カバー7の係止状態が解除されるとともに、これと同時に、くさび状隙間Gに差し込まれた押圧操作具Pが弾性片18を第1の溝24に沿って下方へ押し下げる作用も発揮し、これら係止突起19および凸状リブ26の係合解除と、弾性片18の押し下げとによって交換用カバー7は、図5に示すように蓋体6から跳ね出されるようにして分離される。
【0022】
その後は、交換用カバー7を蓋体6の水平方向前方へ押し出せば、係合突部16を係合凹部22から離脱させることができ、これにより交換用カバー7を蓋体6から取り外すことができる。
【0023】
次いで、新たな交換用カバー7を蓋体6に装着する際には、蓋体6前端側において係合突部16を係合凹部22に差し入れて係合させる一方で、蓋体6後端側においては、弾性片18を第1の溝24内に挿入してそのまま交換用カバー7を蓋体6に向かって押し付ければ、弾性片18の可撓変形を伴って係止突起19が凸状リブ26を乗り越えると同時に入隅部20が出隅部27と係合し、これにより新しい交換用カバー7を蓋体6に重ね合わせて取り付けることができる。
【0024】
以上説明したように本実施形態にかかる化粧料容器1にあっては、蓋体6の外面6aにこれを覆って交換可能に設けられる交換用カバー7と、蓋体6の外面6a側から窪ませて形成された第1の溝24と、第1の溝24内部に形成された凸状リブ26と、交換用カバー7に形成され、第1の溝24内に挿入されて凸状リブ26に係脱自在に係合される可撓変形自在な弾性片18と、蓋体6の内面6b側から窪ませて、第1の溝24に連通させて形成され、第1の溝24内部で凸状リブ26に係合している弾性片18を可撓変形させて凸状リブ26から離脱させるべく、当該弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25とを備えたので、化粧料容器1の外観が生産者の選定したデザインに限定されることがなく、化粧料容器1として、購買者が好みに応じて外観を自由度高く選ぶことができ、これにより購買意欲を高め得るものとすることができる。
【0025】
また、交換用カバー7としては、従来の蓋体などと同様に、加飾部分を一体不可分に互いに分離不能に一体的に形成すればよく、従って加飾部分が交換用カバー7から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがなくて、製品としての化粧料容器1を、従来と遜色のない高級感溢れる高い品質で提供することができる。また、弾性片18に操作力を加えるための第2の溝25を、蓋体6の内面6b側から窪ませて形成したので、化粧料容器1の外観を凹凸のない良好なものとすることができる。
【0026】
また、弾性片18の係止突起19と第2の溝25との間に、交換用カバー7を蓋体6から離隔させる方向へ押圧するために、操作力の一部を押圧力に変換するくさび状隙間Gを形成したので、交換用カバー7を取り外す際には、このくさび状隙間Gを利用した弾性片18の押圧によって、交換用カバー7を蓋体6に対して跳ね出させることができ、これにより使用者は、交換用カバー7が蓋体6から離脱したことを知得できるとともに、交換用カバー7が蓋体6から浮き上がった状態となるので、これら両者が重ね合わされている場合よりも、容易に交換用カバー7を蓋体6から取り外すことができる。
【0027】
また、係合突部16と係合凹部22、並びに係止突起19と凸状リブ26、特に可撓変形される弾性片18の係止突起19とこれに係合する凸状リブ26とを、上下方向には離脱不能に角付けされた入隅部17,20と出隅部23,27とで係脱自在に係合したことにより、交換用カバー7を蓋体6にしっかりと取り付け固定することができ、落下などによって化粧料容器1に大きな衝撃が加わったとしても、これによって交換用カバー7が蓋体6から簡単に脱落することを確実に防止することができる。
【0028】
このように交換用カバー7を蓋体6に安定的保持できる一方で、蓋体6に対する交換用カバー7の押し付け操作や、弾性片18を可撓変形させる第2の溝25からの操作によって係止突起19と凸状リブ26とを容易に係脱させることができ、簡単に交換用カバー7の交換を行うことができる。
【0029】
また、係止突起19のテーパ面29は、凸状リブ26との係止を円滑化する機能も併せ持ち、交換用カバー7の装着操作を円滑化することができる。さらに、ヒンジブロック13を利用して、これに第1の溝24および第2の溝25を形成するようにしていて、交換用カバー7の交換操作のために化粧料容器1の外形寸法が大きくなってしまうことを防止することができる。
【0030】
上述した本実施形態にあっては、蓋体6に交換可能にこれを覆う交換用カバー7を着脱自在に設ける場合を例にとって説明したが、容器本体3に交換用カバー7を設けるようにしても良い。この場合、交換用カバー7については上記実施形態と同様に構成すれば良く、他方、第1の溝24は容器本体3の外面から、そして第2の溝25は収納凹部2側から形成するようにすればよい。
【0031】
本実施形態にあっては、ヒンジ4やフック5を備えた化粧料容器1を例示して説明したが、これに限らず、容器本体3に対してネジ構造や径嵌合構造によって蓋体6を着脱するタイプの各種容器に適用してもよいことはもちろんである。
【0032】
【発明の効果】
以上要するに、本発明にかかる化粧料容器にあっては、加飾部分が容器本体や蓋体から部分的にでも剥がれたり、また脱落したりすることがないという要請に応えることができ、かつまた購買者が好みに応じて外観を選ぶことができる自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる化粧料容器の好適な一実施形態を示す側断面図である。
【図2】図1の化粧料容器の一部分解斜視断面図である。
【図3】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す最初の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【図4】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す途中の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【図5】図1の化粧料容器において、交換用カバーを取り外す最後の段階を示すヒンジブロック周辺の部分拡大側断面図である。
【符号の説明】
1 化粧料容器 3 容器本体
6 蓋体 6a 蓋体の外面
6b 蓋体の内面 7 交換用カバー
18 弾性片 24 第1の溝
25 第2の溝 26 凸状リブ
Claims (1)
- 容器本体とこれを開閉する蓋体とを有する化粧料容器において、
上記蓋体および上記容器本体の少なくともいずれか一方の外面に、これらを覆って交換可能に設けられる交換用カバーと、上記蓋体もしくは上記容器本体の外面側から窪ませて形成された第1の溝と、該第1の溝内部に形成された係合部と、上記交換用カバーに形成され、上記第1の溝内に挿入されて上記係合部に係脱自在に係合される可撓変形自在な被係合部と、上記蓋体もしくは上記容器本体の内面側から窪ませて上記第1の溝に連通させて形成され、該第1の溝内部で上記係合部に係合している上記被係合部を可撓変形させて該係合部から離脱させるべく、該被係合部に操作力を加えるための第2の溝とを備えたことを特徴とする化粧料容器。
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