JP2004221635A - 色変換装置、色変換方法、色変換プログラムおよび印刷制御装置 - Google Patents

色変換装置、色変換方法、色変換プログラムおよび印刷制御装置 Download PDF

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佳文 荒井
Takashi Ito
隆志 伊藤
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Abstract

【課題】画像機器の出力媒体が複数ある場合や出力に使用するインクの種類が異なる場合に、総ての出力媒体やインクの種類で高画質の出力結果を得ることが困難であった。また、異なる出力媒体やインクの種類で出力した場合に色の見え方を統一することが困難であった。
【解決手段】第1画像機器で使用する色を機器非依存色空間の各色成分値で表現した第1画像データについて色域マッピングを行って第2画像機器で使用する色を当該機器非依存色空間の各色成分値で表現した第2画像データに変換するにあたり、所定の中明度域の色について上記第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず略一定になるように色変換する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は色変換装置、色変換方法、色変換プログラムおよび印刷制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディスプレイやプリンタ等の画像機器は、通常各画素の色を特定の色成分で階調表現したカラー画像データを使用している。例えば、R(レッド),G(グリーン),B(ブルー)の3色を使用したRGB色空間やC(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)系統の色を使用したCMY系色空間(lc:ライトシアン,lm:ライトマゼンタ,DY:ダークイエロー,K:ブラックを含む)等種々の色空間で色を規定して画像データとしている。これらの色は一般に画像機器固有の機器依存色であるので、種々の画像機器間で同じ画像を同じ色で出力可能にするために各機器での色の対応関係を規定した色変換テーブル(LUT)が用いられている。
【0003】
色変換テーブルによればある画像機器で使用する画像データを他の画像機器で使用する画像データに変換することができるが、通常、両画像機器の色域が異なるため、一方の画像機器で表現可能な色であって他方の画像機器の色域外に相当する色については当該他方の画像機器の色域内に変換する色域マッピングを行っている。(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
【非特許文献1】
サン・ジュ・パーク(Sun Ju Park),マーク・D・フェアチャイルド(Mark D. Fairchild)著、「黒点適応を利用した色再現(Color Reproduction Using “Black−Point Adaptation”)」、IS&T/SID The 9th Color Imaging Conference Proceeding、2001年発行、p.245−250
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の色域マッピングにおいては画像機器の出力媒体が複数ある場合や出力に使用するインクの種類が異なる場合に、総ての出力媒体やインクの種類で高画質の出力結果を得ることが困難であった。また、異なる出力媒体やインクの種類で出力した場合に色の見え方を統一することが困難であった。例えば、出力画像機器の色域の方が入力画像機器の色域より狭い場合に入力画像機器の色域を高明度から低明度まで明度を均等に圧縮しつつ作成したLUTを利用すると、狭い明度のダイナミックレンジ内で明度変化が感じられにくくなり、コントラストの少ない画像になって低画質に感じられる。また、いわゆるS字カーブによって高明度および低明度の圧縮率を高くするにしても、何ら指針なくS字カーブを調整し、総ての出力媒体やインクの種類について中明度域の明度変化を所望のものに制御することは現実的には不可能であり、出力媒体やインクの種類毎に中明度域での明度の圧縮状況が異なってくる。このため、出力媒体やインクの種類毎に中明度域の色の見え方が異なってしまう。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたもので、複数の出力媒体に対して出力したり異なるインクを使用して出力するなど、印刷時の条件が異なる場合であっても高画質に出力可能であり、また、色の見え方の差異を低減することが可能な色変換装置、色変換方法、色変換プログラムおよび印刷制御装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するため、本発明では機器非依存色空間内で第1画像機器の色域と第2画像機器の色域とを対応づける色域マッピングを行う際に、中明度域の色については第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず明度成分値の対応関係が略一定になるように色変換を行う。例えば、中明度域のある色について第1画像データの明度成分値がL1であり、この明度成分値の色を出力媒体Aにて出力した場合に第2画像データの明度成分値がL2となるとき、同じ色を出力媒体Bにて出力した場合に第2画像データの明度成分値が略L2になる。従って、この中明度域においては出力媒体やインクの種類等、印刷時の条件が異なっていても明度値が変化せず、各出力媒体で色の見え方に差異が生じることを防止することができる。
【0007】
第2画像機器の出力媒体やインクの種類等、印刷時の条件が異なれば色域が異なり表現可能な明度値域も異なるので、本発明のように中明度域で印刷時の条件によらず第1画像データと第2画像データの対応関係を略一定とした場合、中明度域外の低明度域および高明度域では出力媒体毎に両画像データの対応関係が異なる。しかし、写真画像等多くの画像では低明度および高明度域より中明度域の色が多く、色の見え方にも大きく影響を及ぼす。従って、中明度域で第1画像データと第2画像データの対応関係を略一定にすることにより、重要な中明度域の特定の色をどのような条件下であっても正確に特定の色に変換することができる。この結果、総ての印刷条件において一定の所望のコントラストを与えることができ、この所望のコントラストとして、どのような印刷条件であっても画質が良好に見えるコントラストを採用して総ての印刷条件について高画質での出力が可能である。
【0008】
ここで、第1画像機器は特に限定されず、画像データを使用して所定の画像を扱う機器であれば良く、例えばディスプレイ,スキャナ,デジタルカメラ等種々の画像機器を採用可能である。第2画像機器は画像データで表現された画像を所定の出力媒体に出力する機器であればよく、例えば、プリンタ,ディスプレイ等種々の画像機器を採用可能である。むろん、機器が別体でなくてもよく、例えば、fax機は第1の画像機器としてのスキャナと第2画像機器としてのプリンタとが一体になっていると言え、かかるfax機に本発明を適用することも可能である。
【0009】
第1画像データと第2画像データとはLabやLuv等の機器非依存色空間(Lab,Luvには通常*を付するが、本明細書では簡単のため省略する。)の各色成分値で色を表現したデータであればよい。各データはそれぞれ第1画像機器と第2画像機器で使用する色を表現したものであるが、各画像機器で使用する画像データによって表現される色は通常機器依存色である。そこで、画像機器依存色から所定の変換式や測色機によって上記第1画像データと第2画像データとを取得することができる。例えば、ディスプレイ等で使用されるsRGB画像データを所定の変換式にてLab画像データに変換したり、プリンタで使用されるCMYK画像データによって印刷したパッチを測色してLab画像データに変換する構成等を採用可能である。
【0010】
上記中明度域としては、全明度域の略中央の色であり特に限定されないが、多くの画像に含まれる明度であって多くの画像において明度変化率が画像のコントラストに大きく影響を与える明度域であればよい。出力媒体やインクの種類等、印刷条件が異なれば明度値域が異なるので、総ての出力媒体においてある明度からある明度までと言うように明度域を特定することはできないが、いずれにしても本発明においては、中程度の明度域において各印刷条件に依存せず、第1画像データと上記第2画像データの明度成分値の対応関係が略一定である明度域が存在すればよい。
【0011】
また、ここで対応関係が略一定とは、印刷条件によらず第1画像データの特定の明度成分値が第2画像データの特定の明度成分値に変換されるということである。具体的には、第1画像データを横軸、第2画像データを縦軸にしてグラフにプロットした場合、印刷条件によらず共通のグラフになる部位が中明度域に存在する。このグラフとしては、直線であっても曲線であってもよい。例として、傾き1で切片0の直線を採用すると、第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値とが等しくなる。
【0012】
第1画像データおよび上記第2画像データの明度成分値は機器非依存色空間内で表現されるデータの明度成分値であるので、各画像機器での色の絶対明度に相当する。従って、色域マッピングによって各明度成分値に変動が生じるとしても傾き1で切片0の直線を採用すれば、中明度域では双方の画像機器での色の絶対明度を印刷条件毎に変動させることなくマッピングすることができる。むろん、傾き1で切片0の直線に厳密に合致するようにすることが困難な場合、所定のずれを許容しつつなるべくこの直線に合致させるような構成としてもよい。
【0013】
むろん、上記対応関係を規定する例としては傾き1で切片0の直線に限られない。例えば、切片を有限の数値として変換後の第2画像データで表現される画像全体の明るさを明るくしたり暗くするなどの制御を行うこともできる。色域マッピングにおいては、通常低明度域と高明度域にて色域の圧縮が行われるが、この構成によれば圧縮される明度域が低明度域あるいは高明度域に偏ることを防止することができる。
【0014】
以上のように、第1画像データと上記第2画像データの明度成分値の対応関係が略一定となるように構成するためには種々の構成を採用可能であるが、両者の対応関係を単にS字特性にするのみでは、各印刷条件毎に別々の調整を行いつつも、中明度域では上記対応関係を略一定にするために印刷条件依存性がなくなるように調整する必要がある。しかし、現実的にはこのような調整を何らの指針もなく実施するのは困難である。そこで、この対応関係を実現するために好適な構成例として、特定の関数を利用する構成が挙げられる。
【0015】
例えば、入力値に対する出力値が所定の出力値域内で単調増加であるとともに入力値に対する出力値の立ち上がり部位の傾きを決定する傾斜パラメータと立ち上がり部位の変曲点位置を決定するオフセットパラメータとを備える関数を利用する。すなわち、第1画像データの明度成分値の増加に対して第2画像データの明度成分値も増加するべきであるので、単調増加関数を採用し、この関数に第1画像データの明度成分値を入力して上記第2画像データの明度成分値を出力することによって色変換する。また、画像は色域を有しており明度に値域が存在するので、出力値域内で単調増加となる関数であればよい。
【0016】
さらに、単調増加関数であることによって入力値に対して出力値が立ち上がる立ち上がり部位が存在するが、この立ち上がり部位の傾きを傾斜パラメータによって調整可能な関数を採用する。従って、印刷条件毎にこの傾斜パラメータを調整することにより、異なる印刷条件の総てにおいて立ち上がり部位の傾きを特定の値に近づけることができる。この結果、総ての印刷条件について明度の変化度合を略一致させることができる。
【0017】
この単調増加関数においては、さらに、立ち上がり部位に変曲点を有する関数を採用している。立ち上がり部位に変曲点を有することにより、低明度域および高明度域では入力値の増加に対する出力値の増加率が小さく(増加率1より小さい)、中明度域において入力値の増加に対する出力値の増加率が大きい(ほぼ増加率1)状況を表現することができる。従って、色域マッピングの際に中明度域では圧縮率が小さく、低明度域と高明度域にて相対的に高圧縮率となる状況をこの関数によって表現することができる。
【0018】
また、変曲点の位置を調整可能であることにより、どのような印刷条件であっても容易に第1画像データと上記第2画像データの明度成分値の対応関係が略一定になるようにすることができる。すなわち、当該対応関係が一定であっても各出力媒体やインクの種類等、印刷条件が異なればその明度値域が異なり、変曲点とすべき位置が異なる。例えば、ある色域の出力媒体とそれより色域の高明度域が狭い出力媒体とを比較すると、後者の方の変曲点がより小さな入力値に該当していなければ、両出力媒体で対応関係を一定にすることは困難である。従って、出力媒体毎に変曲点のオフセット量を調整することによって、容易に各出力媒体について上記対応関係を略一定にすることができる。むろん、上述の傾斜パラメータとオフセットパラメータとの双方を調整することによって、より容易に各出力媒体について上記対応関係を略一定にすることができる。
【0019】
この関数としては、上述のように単調増加であって傾斜パラメータとオフセットパラメータとを備えていればよく、種々の関数を採用可能であるが、その構成例としてシグモイド関数を採用することができる。シグモイド関数は、全入力値に対して微分可能であって連続であるため、明度の変換関数として非常に好ましい。また、不連続点が存在しないことから、シグモイド関数によって明度を変換した場合に、変換後の出力明度値に不連続点が存在せず、トーンジャンプの発生を防止しながら変換を行うことができる。
【0020】
上記傾斜パラメータやオフセットパラメータを決定する具体的手法は種々の手法を採用可能であるが、再帰演算によって各パラメータを所望の値に収束させる手法を採用することが好ましい。再帰演算の手法としてはガウスニュートン法や勾配探索法等種々の手法を採用可能である。すなわち、再帰演算によって各印刷条件について共通のパラメータ値に収束するように傾斜パラメータを最適化し、各印刷条件について共通の所定の直線上に上記関数の変曲点が一致するようにオフセットパラメータを最適化する。
【0021】
これにより、各印刷条件毎に異なるパラメータ値に収束させることによって各印刷条件において上記対応関係を略一定にする場合に、人間の主観等人為的要素を排除して自動で最も最適なパラメータを容易に決定することができる。尚、上記所定の直線は、第1画像データと第2画像データとにおいて一方の明度成分値の増加に対する他方の明度成分値の増加率が一定である状態を指しており、この場合第1画像データと第2画像データとの明度成分値を軸とするグラフ上で直線を形成する。
【0022】
さらに、上記関数において上記傾斜パラメータとオフセットパラメータを決定するに当たり、第1画像データの最大の明度成分値を入力したときに第2画像データの最大の明度成分値を出力し、第1画像データの最小の明度成分値を入力したときに第2画像データの最小の明度成分値を出力するように条件を課すると好ましい。すなわち、当該関数は入力値に対する出力値が所定の出力値域内で単調増加であるが、関数の出力値の最大値を第2画像データの最大の明度成分値とし、関数の出力値の最小値を第2画像データの最小の明度成分値とすると、傾斜パラメータとオフセットパラメータとを任意に設定できなくなってしまうことがある。
【0023】
例えば、上記関数をシグモイド関数とした場合、当該シグモイド関数が有界であるからといってシグモイド関数の値域と第2画像機器の明度成分値域とを合致させてしまうと、その変曲点(最大値と最小値との中点)が決まってしまう。このように変曲点を固定して傾斜パラメータを変更しても上記第1画像データと上記第2画像データの明度成分値の対応関係が略一定にすることはできない。しかし、ある入力値に対する出力値を固定する条件を課するのみであれば、関数は当該入出力関係を満たすのみでよいので、関数の最大値や最小値は明度値域に依存せず任意となる。従って、傾斜パラメータとオフセットパラメータとを任意に変動させつつ調整することができる。
【0024】
ところで、上述した色変換装置は、単独で実施される場合もあるし、ある機器に組み込まれた状態で他の方法とともに実施されることもあるなど、発明の思想としては各種の態様を含むものであって、適宜、変更可能である。また、上述した第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器の明度値域によらず略一定になるように色変換する手法は、所定の手順に従って処理を進めていくうえで、その根底にはその手順に発明が存在するということは当然である。したがって、本発明は方法としても適用可能であり、請求項7にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。また、本発明を実施しようとする際に、色変換装置にて所定のプログラムを実行させる場合もある。本発明はこのプログラムとしても適用可能であり、請求項8にかかる発明においても、基本的には同様の作用となる。
【0025】
むろん、請求項2〜請求項6に記載された構成を上記方法やプログラムに対応させることも可能であることは言うまでもない。また、いかなる記憶媒体もプログラムを提供するために使用可能である。例えば、磁気記録媒体や光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。また、一部がソフトウェアであって、一部がハードウェアで実現される場合においても本発明の思想において全く異なるものではなく、一部を記録媒体上に記録しておいて必要に応じて適宜読み込む形態のものも含まれる。さらに、一次複製品、二次複製品などの複製段階については全く問う余地なく同等である。
【0026】
さらに、本発明における色変換によって色域マッピングがなされると、当該マッピングに従って表示装置としての第1画像機器で表示する画像を示す表示画像データと第2画像機器としての印刷装置での出力を示す印刷データとを対応づけることにより、表示画像データの色と印刷データの色とを可換にする色変換テーブルを作成することができる。従って、この色変換テーブルを作成する際に本発明を利用していると言える。さらに、この色変換テーブルを参照して印刷を実行する印刷装置や印刷制御装置においても本発明を適用することができ、請求項9のような発明も成立する。むろん、請求項2〜請求項6に記載された構成を印刷制御装置に適用することもできる。
【0027】
【発明の実施の形態】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)色変換テーブル作成の概要:
(2)色変換テーブル作成のための装置および処理:
(3)パラメータ決定のための装置:
(4)シグモイド関数形状の制御:
(5)パラメータ決定処理:
(6)本発明による色変換を行って作成したLUTを利用した印刷:
(7)他の実施形態:
【0028】
(1)色変換テーブル作成の概要:
図1,図2は、色変換テーブル作成方法の工程を概略的に説明する説明図である。本発明は色変換テーブルを作成する際に行われるLab空間中での色域マッピングに適用されている。この工程は多くの演算処理を必要とするのでコンピュータを利用するのが好ましい。また、実際に印刷を行うので、作成後の色変換テーブルを利用して印刷を行うプリンタにて印刷を行うのが好ましく、後述するハーフトーン処理(HT)としても当該プリンタで採用しているハーフトーン処理と同じアルゴリズムであることが必要とされる。
【0029】
本実施形態における色変換テーブルは、17個の参照点についてRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を定義したテーブルであり、これらの参照点を参照して補間処理を実施することによって任意の色についてRGBデータとCMYKlclmデータとを対応づけることができる。尚、本実施形態においてRGBデータは、コンピュータ用ディスプレイにて使用されるsRGB規格準拠のデータであり各色256階調で階調表現したRGB各色の組み合わせによって色を表現している。CMYKlclmデータは、本実施形態にかかるプリンタにて吐出インク量を特定するためのデータであって各色256階調であり、各色の組み合わせによって色を表現している。
【0030】
プリンタによって印刷を行うために、色変換テーブルでは上記RGBデータとCMYKlclmデータとを対応づける必要があるが、CMYKlclmデータはプリンタの機器依存色であることから、色変換テーブルを作成する際には一般にプリンタでの実際の印刷結果を測色する。そして、機器非依存色空間で上記RGBデータとCMYKlclmデータとによる色を対応づけることによって色変換テーブルを作成する。以上のように色変換テーブルを作成するための構成としては、図2に示すように、ディスプレイ11が接続されたコンピュータ10とプリンタ12と測色機20によって構成可能である。
【0031】
本実施形態では、当該機器非依存色空間としてLab色空間を採用しており、色変換テーブルの作成工程では、まず、RGBデータとCMYKlclmデータとのそれぞれについてLab色空間の座標値を特定する。RGBデータについては上述のようにsRGB規格に準拠しており、sRGBデータは所定の変換式によってLab色空間内の座標値に変換することができる。図1,図2においては、変換後の座標をLと表記しており、この段階で複数のRGBデータについてLab色空間内の座標値に変換する。尚、本実施形態では、座標Lが上記請求項に言う第1画像データに該当する。
【0032】
色変換テーブルにおいては、RGBデータとCMYKlclmデータとで表現される任意の色について色変換を実施可能にするが、ディスプレイとプリンタの色域は一般的には異なるので、ここでディスプレイでの色を示す上記座標Lをプリンタで表現可能な色に変換する色域マッピングを行う。尚、画像出力を行う際には肌色や空の青色など、実際の色をそのまま出力するより、人間の記憶色に近い色に変換した方が高画質に見えることが多いので、この類の色について実際の色を記憶色に近くなるように補正を行ってもよい。
【0033】
本実施形態ではこの色域マッピングに際して本発明が適用されている。すなわち、プリンタの色域はプリンタで使用する印刷媒体によって異なるので、当該印刷媒体毎に座標Lを座標Lに変換し、中明度域では両座標の対応関係が印刷媒体によらず略一定になるようにしている。本実施形態では、座標Lが上記請求項に言う第2画像データに該当する。
【0034】
図2は、この色域マッピングの概要を示している。同図の中央にはディスプレイ11の色域(実線)とプリンタ12の色域(破線)とをLグラフ上に示している(Cは彩度)。このように、一般的には、プリンタ12で表現可能な色の方が明度域が狭いので、ディスプレイ11で表現される色をプリンタ12の色域内に圧縮する。ここで、本発明においては、明度についてシグモイド関数に相当する関数g(x)を利用して変換している。すなわち、関数g(x)の変数xに明度Lを代入し、得られるg(L)を座標Lとしている。
【0035】
この関数g(x)の形状は、LUTの作成対象となる印刷媒体毎に異なる形状である。しかし、中明度域においてはいずれの印刷媒体に関しても図2のグラフ中で破線で示すg(x)=xのグラフと略一致する形状となっている。従って、この中明度域の色については、いずれの印刷媒体に印刷された場合でもその明度変化は同等であり、印刷媒体によって色の見え方に差異が生じることを防止することができる。
【0036】
以上のマッピングによって、上記複数のRGBデータはLと対応づけられる。一方、CMYKlclmデータはインク量を特定するインク値データであって機器依存色である。そこで、実際に印刷を行ったパッチを測色機によって測色することによってLab色空間内の座標値を取得する。但し、CMYKlclmデータは6色のインクの各インク量を適宜組み合わせることによって任意の色を表現するデータであり、多数の組み合わせによって非常に似た色を表現することが可能である。
【0037】
そこで、CMY色空間内で仮想的に設定された組み合わせを6色インク量の組み合わせに変換する分版処理が行われており、本実施形態においてもCMY色空間内で測色対象を特定した後に分版処理を行い、分版処理後のCMYKlclmデータに基づいてパッチを印刷する。この分版処理では、各色256階調で階調表現したCMYKlclmデータを生成しており、CMYKlclmデータが特定すると、各色256階調のインク量空間で測色対象となる10組の座標値が得られる。
【0038】
インクジェットプリンタにおいては各ドットについて2〜4の階調数、すなわちインク滴を記録する状態と記録しない状態の2階調やインク滴の非記録状態と大中小ドットのそれぞれを記録した状態の4階調等によって階調表現を行う。そこで、印刷に際しては、上記256階調の各色インク量についてハーフトーン処理を行ってプリンタにおける各ドットの階調を表すデータに変換する。そして、このハーフトーン後のデータに基づいて10個のパッチを印刷し、これらを測色機によって測色すれば10個のパッチについてLab色空間内の座標値を特定することができる。図1においては、この座標値をLとして示している。
【0039】
以上の工程によって上記256階調のCMYKlclmデータに対応する座標値Lとプリンタの色域内にマッピングされた座標値Lとを特定することができ、座標値Lは上記RGBデータとの対応関係も分かっているので、これらからRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を決定する。すなわち、RGBデータとCMYKlclmデータとを相互に変換可能なLUTを作成する。
【0040】
ここで、座標値Lと座標値Lとが同じ色を示しているわけではないが、色空間において10個の座標値が存在するので、座標値Lから補間演算によって任意のCMYKlclmデータを算出可能であり、座標値Lから補間演算によって任意のRGBデータを算出することができる。従って、補間演算によってRGBデータとCMYKlclmデータとで同じ色に該当するもの同士を対応づける(色あわせ)ことができ、この結果、上述のLUTを決定することができる。
【0041】
(2)色変換テーブル作成のための装置および処理:
以上のように、LUTを作成するために本実施形態ではコンピュータ10を利用しており、コンピュータプログラムによって種々の機能を実現し、各種データ処理を行うことによってコンピュータ10を本発明にかかる色変換装置として機能させ、また、色変換テーブル作成装置として機能させる。コンピュータ10は、図示しないインタフェースを介してプリンタ12と接続されており、コンピュータ10から印刷データを出力して印刷を実行することができる。さらに、コンピュータ10では測色機20によって測色して得られた測色データを取り込むことができる。この測色データは所定の入力機器にて入力したり、記録媒体を介して入力したり、所定のインタフェースを介して接続してデータ転送することによって入力したりするなど、種々の態様を採用可能である。
【0042】
図3は色変換テーブル作成プログラムの機能ブロック図であり、図4はこの色変換作成プログラムにおける処理のフローチャートである。図3において、xx部と示したブロックは色変換テーブル作成プログラムにて実現されるモジュールであり、一定化色変換部は本発明にかかる色変換プログラムである。シグモイド関数式データ40とパラメータデータ41とは予め所定の記憶媒体に記憶されるデータである。シグモイド関数式データ40は上記関数g(x)を示すデータであり、パラメータデータ41は当該関数g(x)内のパラメータ値を示すデータである。パラメータデータ41は関数g(x)の変曲点のオフセット量を特定するオフセットパラメータαと入力値に対する出力値の立ち上がり部位の傾きを決定する傾斜パラメータβとによって構成され、各媒体毎にパラメータが登録されている。これらのパラメータを決定する様子は後に詳述する。
【0043】
分版処理部30はステップS100にて10個の測色用仮想CMY値を取得する。本実施形態においてこの測色用仮想CMY値は仮想CMY空間中に均等に配置された格子点の値に相当する。すなわち、測色用仮想CMY値は各色階調値域を略9等分して得られる階調値を任意に組み合わせて得られた値である。ここでは、色域の全体を網羅するパッチを印刷するための測色用仮想CMY値を得られればよいので、むろん、具体的な値の取り方としては他の手法を採用してもよい。
【0044】
分版処理部30はさらに、ステップS110にて上記測色用仮想CMY値に対して分版処理を実施する。分版処理は所定の分版関数に上記測色用仮想CMY値を代入することによって実施される。この分版関数は図示しないハードディスクドライブに保存された分版関数データによって定義されている。むろん、関数への代入ではなくLUTを利用した補間処理によって分版処理を行っても良い。分版処理部30は分版によって測色用仮想CMY値をCMYKlclmデータに変換する。分版処理部30が分版によってCMYKlclmデータを生成すると、ハーフトーン処理部31はステップS120にて当該CMYKlclmデータが示す各色インク量に基づいてプリンタ12での各画素の吐出インク滴を特定するハーフトーン処理を行う。
【0045】
印刷部32は、ステップS130で当該ハーフトーン処理後のデータをプリンタ12の各ノズルでのインク滴吐出順に並べる等の処理を行ってCMYKlclmデータに対応するパッチを印刷するための印刷データを生成し、プリンタ12に対して出力する。この結果、プリンタ12においては、10個の測色パッチを印刷する。測色パッチを印刷した後には、測色機20にて当該測色パッチを測色する。測色機20は測色対象のLab座標値を測色データとして取得する機器であり、取得した測色データはステップS140で測色値取得部33によってコンピュータ10に取り込まれる。ここで取り込まれた測色データが、上記座標Lとなる。
【0046】
一方、ステップS150,S160では、RGBデータに対応するLab色空間内の座標値を取得するための処理とマッピングを行う。尚、このステップS150,S160は上記ステップS100以前に実行しても良い。ステップS160では、RGBデータ変換部34が予め用意されたsRGB値を取得し、所定の変換式によってLab色空間内の座標値に変換する。ここで、変換された座標値が上記座標Lとなる。尚、当該RGBデータ変換部34による変換対象は10個程度であり、RGB各色の値域を9等分して得られる座標を任意に組み合わせるなどして予め変換対象を特定しておけばよい。
【0047】
一定化色変換部35は、ディスプレイ11の色域をプリンタ12の色域に合致するように圧縮する色域マッピングを行う。この色域マッピングにおいて明度方向の圧縮について本発明を適用しており、本実施形態においては上記座標Lをシグモイド関数に入力し得られる値を座標Lとする。シグモイド関数式は上記シグモイド関数式データ40に示されているので、このデータを利用して関数式を把握するが、本発明ではプリンタ12の各印刷媒体毎に異なる関数形状で明度値の変換を行っており、印刷媒体毎に異なる関数形状は上記パラメータデータ41によって特定される。
【0048】
すなわち、印刷媒体毎に異なるパラメータα,βをシグモイド関数式に適用する。パラメータα,βは印刷媒体毎に異なる値であるが、各関数形状は中明度域の色が、印刷媒体によらず同等の値に変換されるように選んであるので、この明度変換を行っても印刷媒体毎に中明度域の明度変化が略一定になる。従って、総ての印刷媒体で色の見え方に差異が生じにくくなる。色域マッピングとしては、明度以外にも彩度方向の圧縮や伸張を行うことが可能であり、所定の関数や規則に従って、上記座標値aを変換してaとする。
【0049】
この色域マッピングにおいて、座標Lと座標Lとは相互に変換され、両者の対応関係が分かっている。ここで、前者はディスプレイ11の色に相当し、後者はプリンタ12の色に相当する。従って、座標Lと座標Lとの対応関係によってRGBデータとCMYKlclmデータとの対応関係を把握することができる。
【0050】
一方、上記座標Lはプリンタ12での印刷パッチを測色したデータであるので、上記座標Lと同様にプリンタ12の色域内の色を示している。しかし、前者は測色値であって後者はsRGB値の変換結果をマッピングしたものである。従って、両者は必ずしも一致しない。そこで、補間演算部36は補間演算を行うことによってマッピング後のLab値からCMYKlclmデータを算出することによって元のRGBデータとCMYKlclmデータとを対応づけている(ステップS170)。そして、ステップS180では、LUT作成部37が得られた対応関係をテーブルデータとして記述したLUT50を作成し、所定の記憶媒体に記録する。以上の処理を印刷媒体毎に行うことにより、各印刷媒体に対応したLUT50を作成することができる。
【0051】
(3)パラメータ決定のための装置:
以上のように、本実施形態においては、シグモイド関数式に代入される印刷媒体毎のパラメータが予め決められていることにより、印刷媒体が異なっても色の見え方が略一定になるようにLUT50を作成することができる。そこで、以下ではパラメータの決定について詳述する。まず、パラメータ決定を行うための装置を説明する。パラメータ決定に際しては、多くの演算を行うのでコンピュータによってパラメータ決定を行うことが好ましい。むろん、上記色変換テーブル作成プログラムの機能の一部として提供し、印刷媒体毎に逐次パラメータデータを生成してから上記一定化色変換部35の処理を行ってもよい。上記色変換テーブル作成プログラムにおいては、測色機20によってパッチを測色するので、このとき、パッチを印刷しない状態(最高明度)と最低明度を与えるパッチ(黒単色)について測色して後述する最高明度値と最低明度値とを決定してもよい。
【0052】
図5は汎用的なコンピュータによって実現されるパラメータ決定プログラムの機能ブロック図を示している。最適化部60は、再帰演算によって印刷媒体毎にオフセットパラメータαと傾斜パラメータβの値を最適値に収束させる処理を行うモジュールであり、評価関数決定部61と収束判定部62とを備えている。ここで、各パラメータの最適値は、各印刷媒体毎に上記関数g(x)の形状が共通の条件を満たすように決められた値である。
【0053】
すなわち、関数g(x)によって明度を変換したときに、所定の中明度域では印刷媒体によらず明度変化が略一定になるようにするため、関数g(x)の形状を特定する条件としては印刷媒体によらず共通の条件を採用している。しかし、この共通の条件を満たすように関数g(x)の形状が決定されるとしても印刷媒体毎にその明度値域が異なるので、その明度値域内で上記LをLに変換する関数g(x)のパラメータ値は印刷媒体毎に異なり、印刷媒体毎に各パラメータの最適値が算出される。
【0054】
そこで、本実施形態においては、印刷媒体毎の明度値域を特定する明度データ71と上記共通の条件を示す共通パラメータデータ72とを予め所定の記憶媒体に記録しておく。明度データ71は印刷媒体を特定するためのデータとその印刷媒体における最大明度値(Amax)と最小明度値(Amin)とを備えている。共通パラメータデータは、関数g(x)の傾きを示す値としてβ’を備えるとともに、入力値と出力値とが等しいことを示す条件g(α)=αを備えている。この条件g(α)=αは、x=α近辺では関数g(x)の値が直線y=xに近いという条件を課していることになる。上記明度値域が印刷媒体毎に異なるとしても、変動するのは高明度域と低明度域の広がりであり、関数g(x)にこの条件を課すことにより、中明度域ではy=xに近づくように条件を課することになる。
【0055】
評価関数決定部61は、上記明度データ71と共通パラメータデータ72とを参照し、明度データ71が示す明度値域内で関数g(x)が共通パラメータデータ72の条件に近くなっているか否かを示す評価関数を決定する。この評価関数はパラメータα,βの関数であり、上記共通パラメータデータ72が示す条件から遠くなるほど値の大きくなる関数である。従って、ガウスニュートン法によってこの評価関数の値が小さくなるように再帰演算をすることによりパラメータα,βを最適化することができる。本実施形態においてパラメータα,βはシグモイド関数のパラメータであり、上記明度データ71を使ってこれらのパラメータα,βを調整することにより非常に容易に関数g(x)を上記共通パラメータデータが示す条件に近づけることができ、色域マッピングをするために非常に好ましい関数を得ることができる。
【0056】
(4)シグモイド関数形状の制御:
図6,7はパラメータα,βによって関数g(x)の形状を調整する様子を説明する説明図である。図6は0〜1を値域とするシグモイド関数f(x)の一般形状を示すグラフである。同図に示すように、シグモイド関数f(x)は下記式(1)によって表される。
【数1】
Figure 2004221635
このグラフに示すように、シグモイド関数f(x)においては変数xが正の無限になるとf(x)=1となり、変数xが負の無限になるとf(x)=0となる。
【0057】
また、(x−α)の項により、変数xがαのとき、f(x)=1/2になる。シグモイド関数f(x)は図6に示すように単調増加であり、x=αは変曲点である。従って、αの値によって変曲点の位置を調整することができ、αはオフセットパラメータである。さらに、βの値を変化させるとβが大きくなるに従って立ち上がりが急峻になり、βが小さくなるに従って立ち上がりがなだらかになる。従って、βは傾斜パラメータである。この関数f(x)において、パラメータα,βの値を調整すれば、変曲点の位置および立ち上がり部位の傾きを調整することができる。尚、傾斜パラメータβに乗じられた係数”4”は、f(x)のαにおける微分値がf’(α)=βであることを保障する係数であって、”4”であることにより、x=αにおけるf(x)の傾きをβにすることができる。ただし、この係数は必ずしも”4”である必要はない。
【0058】
このように、シグモイド関数f(x)はオフセットパラメータαと傾斜パラメータβとの調整によってその関数の形状を制御することができる。但し、上記式(1)に示すシグモイド関数f(x)は、0〜1の値域で有界であり、シグモイド関数f(x)を色域マッピングの変換関数に使用するに際して適切な境界条件を設定しなければ、関数g(x)をうまく上記共通パラメータデータ72が示す条件に合致させることができない。例えば、上記プリンタ12で表現可能な明度値域も有界であることから、シグモイド関数f(x)を上記関数g(x)に対応させるために、シグモイド関数f(x)に上下方向のオフセットを与えるとともに、各印刷媒体の明度値域とシグモイド関数f(x)の値域とを一致させることも想定し得る。しかし、この状況では、パラメータデータα,βの調整の自由度が低く、上記共通パラメータデータが示す条件に関数g(x)を近づけることができない。
【0059】
そこで、本実施形態では、変数xが1のときに関数g(x)が印刷媒体の最大明度値となり、変数xが0のときに関数g(x)が印刷媒体の最小明度値になるように束縛条件を課している。本実施形態は、この束縛条件下で上述のパラメータデータα,βを可変にしており、これによって非常に高い自由度で上記共通パラメータデータ72が示す条件に合致させることができる。すなわち、色域マッピングに際して単にS字カーブを利用すると決めるのみであったり、特定の関数を利用すると決めるのみで、具体的に関数やそのパラメータの最適化条件等を規定しない状況では、実際に中明度域で印刷媒体によらず明度変化が略一定になるようにすることが困難である。しかし、本実施形態のようにシグモイド関数においてパラメータを任意に設定できる自由度の高い束縛条件を採用することにより、非常に容易に印刷媒体によらず明度変化が略一定になるようにすることができる。尚、本実施形態においては、変数x、関数g(x)の値域0〜1をディスプレイ11の明度Lの値域に規格化する。従って、上記束縛条件は明度Lが最大のときに印刷媒体の最大明度値となり、明度Lが最小のときに印刷媒体の最小明度値となる条件である。
【0060】
ここでは、図7に則してこの様子を説明する。図7は、g(x)=xの線形直線を示すとともに、異なる3つの明度値域について明度値域内の直線を実線で示している。図7に示すグラフのいずれにおいてもディスプレイ11の明度値域がプリンタ12の各印刷媒体の明度値域より広い状況を示している。同図上段では高明度域がより狭く、同図下段では低明度域がより狭く、同図中断では高明度と中明度との双方が狭い状態を示している。
【0061】
上述のようにf(α)は1/2なので、シグモイド関数f(x)に上下方向のオフセットを与えるとともに、各印刷媒体の明度値域とシグモイド関数f(x)の値域とを一致させると、AmaxとAminとの間の中点がg(α)となる。シグモイド関数f(x)はαに対して点対称であるため、この場合、変数xが1のとき関数g(x)がAmaxに略一致し、変数xが0のとき関数g(x)がAminに略一致するようにできたとしても他方は通らない。
【0062】
また、g(α)=αであるとするとこの点は1点に決まり、その点で関数g(x)の傾きをβ’(図の場合g(x)=xと同じ)にした場合、図7の左側の各段に実線の曲線で示すように関数g(x)が上記2点に略一致するとは限らない。図7の左側の各段に実線の直線で示す例では、上段から下段になるに連れて印刷媒体の明度値域がシフトするので、いずれかの印刷媒体に関して関数g(x)が上記2点に略一致するとしても、他の印刷媒体では必ずその2点を通らない。従って、各印刷媒体毎の明度値域に対応した色域マッピング用の関数を決定することはできない。尚、オフセットパラメータαでの値をg(α)からずらしたとしても関数g(x)の傾きがβ’からずれてしまうだけである。
【0063】
以上のように、シグモイド関数f(x)を採用するとしても、境界条件の設定如何によってはうまくパラメータα,βを調整できない。シグモイド関数に限らず、S字カーブによるフィッティングを行うにしても、関数のパラメータやその条件を決めなければ、印刷媒体によらず明度変化が略一定になるようにすることは実質上不可能である。そこで、本実施形態においては上述のような変数xが1のときに関数g(x)が印刷媒体の最大明度値となり、変数xが0のときに関数g(x)が印刷媒体の最小明度値になるように束縛条件を課したのであり、これにより、印刷媒体毎に各パラメータα,βを容易に最適値に収束させることが可能になる。
【0064】
すなわち、AmaxとAminとの間の中点がαとなる必要もなく、オフセットパラメータαと傾斜パラメータβを自由に調整することができ、図7の右側の各段に示すように関数g(x)が形成する曲線の任意の位置を利用して各印刷媒体の明度値域内で上記共通パラメータデータ72が示す条件に合致させることができる。同図右側に示すように、各印刷媒体において関数g(x)がg(x)=xの直線と略一致している値域はそれぞれ異なるものの、それぞれにおいて中央付近の所定の中明度域でg(x)=xに略一致しており、また、シグモイド関数f(x)は傾きがなだらかに変化する。従って、各印刷媒体毎に関数g(x)で色域マッピングを行ってLUTを作成すれば、これらのLUTに基づいて色変換して得られた各印刷結果において色の見え方に差異が生じにくくなる。
【0065】
評価関数決定部61は、以上の考え方に基づいて規定された評価関数を計算し、収束判定部62は当該評価関数が充分に小さくなっているかを判別する。そして、収束判定部62にて評価関数が充分に小さくなっていると判別されるまで、ガウスニュートン法によってこの評価関数の値を更新し、収束判定を繰り返す。この結果、得られるオフセットパラメータαと傾斜パラメータβとが、各印刷媒体毎に最適化されたパラメータデータ41である。
【0066】
(5)パラメータ決定処理:
次に、ガウスニュートン法によってパラメータデータ41を決定する処理を詳細に説明する。本実施形態では上記(1)に示すシグモイド関数f(x)を利用して上記関数g(x)を下記式(2)のように表現することにより、変数xが1のときに関数g(x)が印刷媒体の最大明度値となり、変数xが0のときに関数g(x)が印刷媒体の最小明度値になるように束縛条件を課している。
【数2】
Figure 2004221635
【0067】
この束縛条件下において、上記共通パラメータデータ72が示す条件に合致させるためには、関数g(x)の傾きをβ’とし、g(α)=αという条件が必要である。前者の条件を定式化するため、本実施形態では変数x=αのときに関数g(x)の傾きがβ’としており、この条件は関数g(x)をxで微分するとともに変数にαを代入することによって下記式(3)のように算出することができる。
【数3】
Figure 2004221635
【0068】
また、この式(3)を変形すると下記式(4)が得られる。
【数4】
Figure 2004221635
【0069】
一方、上記g(α)=αという条件は、下記式(5)のように算出することができ、式(5)を変形すると下記式(6)が得られる。
【数5】
Figure 2004221635
【数6】
Figure 2004221635
【0070】
上記式(4)(6)を利用して、ガウスニュートン法により上記オフセットパラメータαと傾斜パラメータβとを最適化するために、式(4)の左辺をh(α,β)とおき、式(6)の左辺をh(α,β)とおく。そして、それぞれの式をαおよびβで偏微分すると以下の式(7)〜(10)となる。
【数7】
Figure 2004221635
ここで、a11,a12はh(α,β)をα,βで偏微分したものであり、a21,a22をα,βで偏微分したものである。
【0071】
ガウスニュートン法では、一般的な他の非線形連立方程式の解法と同じく、α,βを逐次更新しながら最適解を探索する。α,βの更新回数をnとし、n回目の更新時の値をα,βと表し、α,βを要素とするn回目の列ベクトルPを下記式(11)で表すと、
【数8】
Figure 2004221635
n+1回目の列ベクトルPn+1は下記式(12)で表現できる。
【数9】
Figure 2004221635
【0072】
ここで、tは転置であり、ベクトルeはエラーベクトルであって下記式(13)で表現される。
【数10】
Figure 2004221635
尚、式(13)において行列Aはヤコビ行列であり、下記式(14)で表現され、ベクトルsは、各パラメータが充分最適になったか否かを示す評価ベクトルであり、下記式(15)で表現される。
【数11】
Figure 2004221635
【0073】
本実施形態において最適化部60は、評価関数決定部61にて上記式(15)のベクトルsを算出し、収束判定部62によってベクトルsの絶対値が充分に0に近づくまで上記更新を繰り返しており、具体的には、図8に示すフローに従って処理を行っている。評価関数決定部61は、まずステップS200にて関数g(x)を決定する対象となる印刷媒体について明度データ71(Amax,Amin)を取得し、ステップS205にて共通パラメータデータ72(g(α)=α,β’)を取得する。
【0074】
ステップS210では更新回数を計数するためのカウンタnを初期化し、ステップS215,S220ではオフセットパラメータαに初期値α(本実施形態では0.5)を代入し、傾斜パラメータβに初期値βを代入する。ここで、初期値α,βとしては、上記ベクトルsの発散を防止し、パラメータα,βを確実に最適値に収束させる値を選定するのが好ましい。
【0075】
そのために、本実施形態では初期値αとして”0.5”を採用している。オフセットパラメータαは、変曲点のオフセット量を規定する値であるが、図7の右側の各段に示すように、変曲点は変数xの値域の中央近辺になるはずである。そこで、初期値としてxの値域の中央である”0.5”を採用している。傾斜パラメータβついては、上記h(α,β)の関数形に基づいて不適合な解にβが収束しないように初期値を決めている。
【0076】
図9は、βの変化に対するh(0.5,β)の変化を示すグラフである。同図に示すように、h(0.5,β)=0の解は、3箇所存在し、それぞれ負の値,0,正の値である。傾斜パラメータβは上述のようにx=αの点における関数g(x)の傾きを示している。従って、βが負の値および0の場合は明らかに不適合な解である。また、ガウスニュートン法を含む逐次最適化法によって正の解を求める場合、h(0.5,β)が形成する勾配を下って(または上って)最適解に近づく。
【0077】
従って、βの初期値βが小さく、図9におけるβ(極小点)に対して、β<βである場合、正の解に収束しないことが予想される。以上の事情を鑑み、本実施形態においてはβの初期値βとしては、h(0.5,β)>0かつ正の値としている。以上のようにしてオフセットパラメータαと傾斜パラメータβとに初期値を代入したら、ステップS225にてこれらの初期値と上記取得した明度データ71とから上記(15)に示すベクトルsを算出する。
【0078】
ステップS230以降では逐次演算処理を開始する。すなわち、ステップS230では、n回目のパラメータα,βおよび上記取得した明度データ71を上記式(7)〜(10)に代入し、得られた結果から上記式(14)に示す行列Aを算出する。ステップS235では、当該行列Aおよび既に算出されているn回目のベクトルsから上記式(13)に基づいてエラーベクトルeを算出する。さらにステップS240では、このエラーベクトルeを上記式(12)に代入してn+1回目のパラメータαn+1,βn+1を算出する。
【0079】
そして、ステップS245では、n+1回目のパラメータαn+1,βn+1および上記取得した明度データ71からn+1回目のベクトルsn+1を算出する。ステップS250では、収束判定部62がベクトルsn+1の絶対値(ベクトルの大きさ)が充分に”0”に近いか否かを判定する。充分に”0”に近いか否かは所定の閾値以下になっているか否かを判定する構成等を採用可能である。
【0080】
ステップS250にて充分に”0”に近いと判定されないときにはステップS255にてカウンタnをインクリメントしてステップS230以降の処理を繰り返す。すなわち、評価関数決定部61がベクトルsを更新し、収束判定部62は再度収束判定を行う。ステップS250にて充分に”0”に近いと判定されたときにはその時点でのパラメータα,βを最適値とし、ステップS260にて図示しない記憶媒体等に記録する。以上の結果算出されたパラメータα,βによればベクトルsの大きさが充分に小さく、従って、上記共通パラメータデータ72が示すg(α)=αおよびg’(α)=β’という条件および上記境界条件を同時に満たす最適なパラメータ値になっている。
【0081】
(6)本発明による色変換を行って作成したLUTを利用した印刷:
以上のようにして印刷媒体毎に最適化したパラメータデータ41を利用して明度について色変換し、図4に示す処理によって作成されたLUT50は、プリンタ12にて印刷を実行する際に色変換処理を行うために参照される。図10は、印刷時にLUT50を使用するコンピュータ構成例を示すブロック図である。コンピュータ110は汎用的なパーソナルコンピュータであり、プリンタドライバ(PRTDRV)210と入力機器ドライバ(DRV)220とディスプレイドライバ(DRV)230とがOS200に組み込まれている。ディスプレイDRV230はディスプレイ11における画像データ等の表示を制御するドライバであり、入力機器DRV220はシリアル通信用I/O190aを介して入力される上記キーボード310やマウス320からのコード信号を受信して所定の入力操作を受け付けるドライバである。
【0082】
APL250は、カラー画像のレタッチ等を実行可能なアプリケーションプログラムであり、利用者は当該APL250の実行下において上記操作用入力機器を操作して当該カラー画像をプリンタ12にて印刷させることができる。このようなカラー画像の印刷時に本発明によって作成されたLUT50が参照される。APL250にて作成されるカラー画像の画像データ150aはRGBの各色成分を階調表現したドットマトリクス状のデータであり、sRGB規格に準拠したデータであるとともに、HDD120に保存される。
【0083】
上記PRTDRV210は印刷を実行するために、画像データ取得モジュール210aと色変換モジュール210bとハーフトーン処理モジュール210cと印刷データ生成モジュール210dとを備えている。また、本発明によって作成されたLUT50はHDD120に保存されている。APL250実行時に利用者が印刷実行指示を行うと、印刷にかかる画像データ150aが画像データ取得モジュール210aに取得され、画像データ取得モジュール210aは上記色変換モジュール210bを起動する。色変換モジュール210bは、RGBデータをCMYKlclmデータに変換するモジュールであり、印刷実行指示の際に指定された印刷媒体に対応したLUT50を参照し、任意のRGBデータをCMYKlclmデータに変換する。
【0084】
LUT50は各印刷媒体に対応しており、明度に関して上述の関数g(x)によってディスプレイ11の色域がプリンタ12の各印刷媒体の色域内にマッピングされている。このマッピングによれば、中明度域の色は印刷媒体によらず略一定、すなわちあるRGBデータによって特定される色の明度は特定の明度の色に変換され、さらに明度変化の様子も印刷媒体によらず略一定である。従って、各印刷媒体毎のLUT50を参照して印刷すると、いずれの印刷媒体で印刷したとしてもこの中明度域の色における明度変化具合が略一定になる。
【0085】
(7)他の実施形態:
以上説明した実施形態は一例であり、所定の中明度域の色について第1画像データの明度成分値と第2画像データの明度成分値との対応関係を上記第2画像機器の明度値域によらず略一定にする限りにおいて種々の構成を採用可能である。例えば、上記実施形態では印刷媒体によらず中明度域でg(x)=xの直線に近づくようにg(α)=αかつg’(α)=β’(=1)というように条件を設定していたが、むろん、条件としてはこの直線に限られない。例えば、g(α)=α+C(Cは任意の定数)かつβ=β’(=1)という条件を設定し、直線を図7の上下方向にオフセットし、全体の明るさを明るく、または暗くするよう制御してもよい。
【0086】
印刷媒体によっては明度値域が上記図7の縦軸方向の0.3〜0.95等のように低明度域が狭いなど偏りを有することが多いが、上記定数CについてC>0として略一定の対応関係を示す直線を上方にシフトさせると、関数g(x)において低明度域と高明度域とのそれぞれにおいて同程度の曲率になるようにパラメータα,βを設定することができ、双方の明度域で明度の変化率が偏ることを防止することができる。
【0087】
むろん、直線に近づくようにする構成の他、g(α)=α(cは任意の定数)などの条件によって曲線に近づくようにパラメータを最適化してもよい。プリンタ12にて吐出するインクの特性としては、インク記録率の線形変化に対して明度が線形に変化しないことが多い。例えば、インク記録率の線形変化に対する明度変化は通常高明度域が大きく、低明度域では小さくなる。そこで、明度変化の小さな低明度域では上記関数g(x)の曲率が小さくなるようにパラメータを最適化してもよい。以上のように、パラメータを決定する際に課する条件として種々の条件を採用することができる。
【0088】
さらに、第1画像データの明度成分値と第2画像データの明度成分値との対応関係が第2画像機器の明度値域によらず略一定になるようにするために、上述のように印刷媒体毎に関数g(x)のパラメータを最適化する構成に加え、インクの種類を加味してもよい。すなわち、本発明では第2画像機器の色域が異なる場合に各色域に対応した色域マッピングを行いつつも、総ての色域について中明度域で上記略一定の対応関係になるようにパラメータを調整するが、印刷媒体が共通であってもインクの種類(例えば、染料インクと顔料インク)が異なれば色域も異なるので、インクの種類毎に別々のパラメータになるよう最適化してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】色変換テーブル作成方法の工程を概略的に説明する説明図である。
【図2】色変換テーブル作成方法の工程を概略的に説明する説明図である。
【図3】色変換テーブル作成プログラムの機能ブロック図である。
【図4】色変換テーブル作成処理を示すフローチャートである。
【図5】パラメータ決定プログラムの機能ブロック図である。
【図6】関数g(x)の形状を調整する様子を説明する説明図である。
【図7】関数g(x)の形状を調整する様子を説明する説明図である。
【図8】パラメータ決定処理を示すフローチャートである。
【図9】βの変化に対するhの変化を示す図である。
【図10】LUTを使用するコンピュータ構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…コンピュータ、11…ディスプレイ、12…プリンタ、20…測色機、30…分版処理部、31…ハーフトーン処理部、32…印刷部、33…測色値取得部、34…データ変換部、35…一定化色変換部、36…補間演算部、37…LUT作成部、40…シグモイド関数式データ、41…パラメータデータ、50…LUT、60…最適化部、61…評価関数決定部、62…収束判定部、71…明度データ、72…共通パラメータデータ

Claims (9)

  1. 第1画像機器で使用する色を機器非依存色空間の各色成分値で表現した第1画像データについて色域マッピングを行って第2画像機器で使用する色を当該機器非依存色空間の各色成分値で表現した第2画像データに変換する色変換装置であって、
    上記色域マッピングに当たり、所定の中明度域の色について上記第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず略一定になるように色変換する一定化色変換手段を備えることを特徴とする色変換装置。
  2. 上記対応関係は、第1画像データの明度成分値と第2画像データの明度成分値とが略等しい関係であることを特徴とする上記請求項1に記載の色変換装置。
  3. 上記一定化色変換手段は、入力値に対する出力値が所定の出力値域内で単調増加であるとともに入力値に対する出力値の立ち上がり部位の傾きを決定する傾斜パラメータと立ち上がり部位の変曲点位置を決定するオフセットパラメータとを備える関数に対して上記第1画像データの明度成分値を入力して上記第2画像データの明度成分値を出力することにより色変換を行う関数変換部を備え、上記関数においては第2画像機器の異なる明度値域毎に上記傾斜パラメータとオフセットパラメータとが調整されていることを特徴とする上記請求項1または請求項2に記載の色変換装置。
  4. 上記傾斜パラメータは、第2画像機器の各明度値域について共通のパラメータ値に収束するように最適化することによって決定されることを特徴とする上記請求項3に記載の色変換装置。
  5. 上記オフセットパラメータは、第2画像機器の各明度値域について共通の所定の直線上に上記関数の変曲点が一致するように最適化することによって決定されることを特徴とする上記請求項3または請求項4のいずれかに記載の色変換装置。
  6. 関数に対して第1画像データの最大の明度成分値を入力したときに第2画像データの最大の明度成分値を出力し、第1画像データの最小の明度成分値を入力したときに第2画像データの最小の明度成分値を出力するように条件を課した状態で上記傾斜パラメータとオフセットパラメータとを最適化することによってこれらのパラメータが決定されることを特徴とする上記請求項3〜請求項5のいずれかに記載の色変換装置。
  7. 第1画像機器で使用する色を機器非依存色空間の各色成分値で表現した第1画像データについて色域マッピングを行って第2画像機器で使用する色を当該機器非依存色空間の各色成分値で表現した第2画像データに変換する色変換方法であって、
    上記色域マッピングに当たり、所定の中明度域の色について上記第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず略一定になるように色変換することを特徴とする色変換方法。
  8. 第1画像機器で使用する色を機器非依存色空間の各色成分値で表現した第1画像データについて色域マッピングを行って第2画像機器で使用する色を当該機器非依存色空間の各色成分値で表現した第2画像データに変換する色変換プログラムであって、
    上記第1画像データを入力して上記第2画像データを出力して色域マッピングを行う関数式を示す関数式データと、所定の中明度域の色について上記第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず略一定になるように決められた上記関数式のパラメータを示すパラメータデータを所定の記憶媒体に記憶しておき、上記関数式データが示す関数式のパラメータを上記パラメータデータが示す値にしつつ当該関数式によって各明度値域毎に色変換を行う色変換機能をコンピュータに実現させることを特徴とする色変換プログラム。
  9. 印刷装置で使用する各色のインク量を特定するインク値と第1画像機器で使用する各色の色成分値との対応関係を規定した色変換テーブルを参照して当該第1画像機器での表示画像を示す表示画像データから印刷装置での出力画像を示す印刷データを生成して印刷を実行させる印刷制御装置であって、
    上記表示画像データを取得する表示画像データ取得手段と、
    上記表示画像データが示す色を機器非依存色空間の各色成分値で表現した第1画像データを取得し、上記各色のインク量を示すインク値データによって印刷を行ったときの色を当該機器非依存色空間の各色成分値で表現した第2画像データに取得し、所定の中明度域の色について上記第1画像データの明度成分値と上記第2画像データの明度成分値との対応関係が上記第2画像機器で表現可能な明度の値域によらず略一定になるようにマッピングして上記表示画像データとインク値データとの対応関係をつけた色変換テーブルを参照し、上記表示画像データを対応するインク値データに色変換する色変換手段と、
    当該色変換されたインク値データが示すインク量を、印刷媒体に対するインク滴の記録密度で階調を表現した中間調データに変換するハーフトーン処理手段と、
    各画素について上記中間調データで特定される記録密度に従ってインク滴を吐出するように印刷装置を駆動する印刷データを生成する印刷データ生成手段と、同印刷データを印刷装置に対して出力する印刷データ出力手段とを具備することを特徴とする印刷制御装置。
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