JP2004221514A - 多数個取り配線基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミック母基板1の中央部に分割溝8で区切られた多数の配線基板領域5を縦横の並びに配列形成するとともに、外周部にダミー領域6を設けた多数個取り配線基板において、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝8aをセラミック母基板1の外周縁まで延長するとともに、他の分割溝8bを端部をダミー領域6に位置させて形成したものである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、広面積のセラミック母基板に各々が半導体素子や水晶振動子等の電子部品を搭載するための小型の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成して成る多数個取り配線基板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体素子や水晶振動子等の電子部品を収納するための電子部品収納用パッケージ等に用いられる小型の配線基板は、例えば酸化アルミニウム質焼結体等のセラミックス材料から成り、上面の中央部に電子部品を搭載するための搭載部を有する絶縁基体と、この絶縁基体の搭載部から側面や下面等にかけて導出されたメタライズ配線導体とにより構成される。そして、この配線基板の搭載部に電子部品を搭載するとともに電子部品の電極を配線導体に接続し、電子部品を蓋体や封止用樹脂等で封止することにより製品としての電子装置となる。
【0003】
ところで、このような配線基板は、近時の電子装置の小型化の要求に伴ってその大きさが数mm角程度の極めて小さなものとなっており、多数個の配線基板の取り扱いを容易なものとするために、また配線基板および電子装置の製作を効率よく行なうために、1枚の広面積のセラミック母基板から多数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。
【0004】
この多数個取り配線基板は、広面積のセラミック母基板の中央部に各々が上述の配線基板となる多数の配線基板領域を縦横の並びに一体的に配列形成されて成る。
【0005】
セラミック母基板の主面には各配線基板領域を区切る所定深さの分割溝が縦横に形成されており、例えば基板分割装置により分割溝に沿ってセラミック母基板を個々の配線基板領域に分割することによって、多数個の小型の配線基板を同時集約的に得ることができる。
【0006】
なお、通常、セラミック母基板の配線基板領域の外側に位置する外周部には、多数個取り配線基板の取り扱いを容易とするために、枠状のダミー領域が形成されている。
【0007】
ここで、基板分割装置とは、例えば複数の平行な分割溝を有するセラミック基板を無端ベルトにより移送しつつ、押し圧ローラーで無端ベルト側に押さえるような構造の装置である。そして、多数個取り配線基板に対して、押し圧ローラーで無端ベルト側に押さえるようにして圧力を加えることにより、セラミック母基板は、分割溝が形成されている機械的強度の弱い部分に沿って割れ、個々の配線基板に分割される。
【0008】
この場合、従来の多数個取り配線基板における分割溝は、基板分割装置により確実に割れるようにするために、全部の分割溝が配線基板領域の外周部のダミー領域を越えてセラミック母基板の外周縁にまで達するようにして形成されているか、または、多数個取り配線基板の搬送や加工等の取り扱いの途中で不用意に分割溝に沿って割れてしまうのを防止するために、全部の分割溝が配線基板領域の外周縁部分までのみの長さで形成されているような形状であった。
【0009】
この多数個取り配線基板は、いわゆるセラミックグリーンシート積層法によって製作されている。
【0010】
具体的には、まず、複数のセラミックグリーンシートを準備するとともに、これらのセラミックグリーンシートにメタライズ配線導体となるメタライズペーストを印刷塗付した後、これらのセラミックグリーンシートを上下に積層して、中央部に各配線基板領域となる領域が縦横の並びに配列形成され、その外周部にダミー領域となる領域が形成されたセラミック母基板となるセラミックグリーンシート積層体を得て、次にこのセラミックグリーンシート積層体の主面に例えばカッター刃や金型により各配線基板領域となる領域を区切る分割溝用の切り込みを形成し、最後にこのセラミックグリーンシート積層体を高温で焼成することによって製作される。
【0011】
【特許文献1】
特開平5−110213号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年、配線基板は、多機能化・高集積化等に応じて積層数が多くなり、その厚みが、例えば2mmを超えるような、厚いものが多用されるようになってきている。
【0013】
このように厚い配線基板を多数個取り配線基板の形態で製作した場合は、多数個取り配線基板を個々の配線基板に分割するための分割溝が、配線基板領域の外周縁部分までで止まっているような形状であると、多数個取り配線基板の形態で出荷する際等に、輸送時の取り扱いでの振動や機械的衝撃では基板が割れ難いという利点がある一方で、ダミー領域の機械的強度が非常に強くなり、分割溝に沿って正常に分割することできなくなり、特にダミー領域に隣接する部位の配線基板領域において、配線基板に欠けやバリ等の不具合を生じてしまうという問題点がある。
【0014】
また、全部の分割溝が、ダミー領域を越えてセラミック母基板の外周縁まで形成されていると、多数個取り配線基板の形態で出荷する際等の輸送時の取り扱いでの振動や機械的衝撃により、また、多数個取り配線基板を基板分割装置で個々の配線基板に分割する差異の圧力により、配線基板領域からダミー領域にかけて一体的に一気に割れてしまうため、配線基板に対して、特にダミー領域に隣接するような領域の配線基板に対して大きな機械的衝撃が加わり、この衝撃で配線基板に亀裂や割れ等の不具合を生じてしまうという問題点がある。
【0015】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み案出されたものであり、その目的は、セラミック母基板の厚みが、例えば2mmを超えるような厚いものであったとしても、配線基板領域に形成されている配線基板を、欠けやバリ・亀裂・割れ等の不具合を生じることなく、個々の配線基板に分割することが可能な、多数個取り配線基板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の多数個取り配線基板は、セラミック母基板の中央部に分割溝で区切られた多数の配線基板領域を縦横の並びに配列形成するとともに、外周部にダミー領域を設けた多数個取り配線基板において、前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝を前記セラミック母基板の外周縁まで延長するとともに、他の前記分割溝を端部を前記ダミー領域に位置させて形成したことを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記構成において、前記外周縁まで延長された前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝は、前記ダミー領域における深さが、前記配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る部位における深さよりも浅いことを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の多数個取り配線基板は、上記各構成において、前記外周縁まで延長された前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝は、前記ダミー領域における深さが前記外周縁に向かって漸次浅くなっていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の多数個取り配線基板によれば、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る分割溝をセラミック母基板の外周縁まで延長するとともに、他の分割溝を端部をダミー領域に位置させて形成したことから、このような多数個取り配線基板を基板分割装置で分割する場合には、まず、分割溝がダミー領域を越えてセラミック母基板の外周縁まで形成されている、最も機械的強度が弱い部位に沿ってセラミック母基板が割れて、機械的強度の強いダミー領域が多数の配線基板が配列形成された領域から分離され、これに続いて、多数の配線基板領域がそれぞれ他の分割溝に沿って分割されるようになる。
【0020】
このため、多数の配線基板領域が個々に分割されるときに、ダミー領域が障害になったり、配線基板領域に大きな機械的衝撃が加わったりすることはなくなるので、セラミック母基板の厚みが例えば2mmを超えるような厚いものであったとしても、欠けやバリ・亀裂・割れ等の不具合を生じることなく、多数の配線基板領域を個々の配線基板に分割することができる。
【0021】
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る、外周縁まで延長された分割溝の深さについて、ダミー領域における深さを、配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る部位における深さよりも浅く形成した場合には、搬送等の取り扱いの際に、誤って振動等により衝撃が加わりやすいダミー領域において、セラミック母基板の機械的強度が弱くなりすぎることを効果的に防止することができ、より一層取り扱いが容易で、多数の配線基板をより確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【0022】
また、本発明の多数個取り配線基板によれば、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る、外周縁まで延長されたダミー領域における分割溝の深さを、セラミック母基板の外周縁に向かって漸次浅くなるようにして形成した場合には、特に大きな衝撃が加わりやすいセラミック母基板の外周縁部で分割溝の深さを非常に浅いものとして、この外周縁部分でのセラミック母基板の機械的強度を有効に確保しつつ、配線基板領域の外周部分では分割溝の深さを十分に確保して、配線基板領域に大きな衝撃が加わることを防止することができ、カケやバリ・亀裂・割れ等の不具合が発生することをさらに効果的に防止することができるので、取扱いが極めて容易で、多数の配線基板をより一層確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の多数個取り配線基板を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【0024】
図1(a)は本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図であり、図1(b)はそのX−X’線における断面図である。
【0025】
これらの図において1はセラミック母基板、2は電子部品(図示せず)を搭載し収容するための凹部、3は配線層、4はセラミック絶縁層、5はそれぞれ凹部2および配線層3を有し、セラミック母基板1の中央部に縦横の並びに配列形成された配線基板領域、6はセラミック母基板1の外周部に多数の配線基板領域5を取り囲んで設けられたダミー領域である。
【0026】
セラミック母基板1は、図1(b)に断面図で示すように、例えば酸化アルミニウム質焼結体や窒化アルミニウム質焼結体・ムライト質焼結体・ガラスセラミックス焼結体等のセラミック材料から成る上側のセラミック絶縁層4bおよび下側のセラミック絶縁層4aが積層されて成り、上面の凹部2内に電子部品が搭載されて収容される。
【0027】
セラミック母基板1は、例えば、各セラミック絶縁層4a・4bが酸化アルミニウム質焼結体から成る場合であれば、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化カルシウム等の原料粉末を有機溶剤・バインダ等とともにシート状に成形して複数のグリーンシートを得て、このグリーンシートの所定位置に凹部となるような打ち抜き加工を施した後、打ち抜き加工を施したグリーンシートが上層となるようにして上下に積層し、焼成することにより形成される。
【0028】
なお、グリーンシートを焼成して得られる、セラミック母基板1を構成するセラミック絶縁層4(4a・4b)の厚みは、通常は100〜500μm程度とされる。
【0029】
セラミック母基板1の中央部には多数の配線基板領域5が縦横の並びに配列形成され、各々の配線基板領域5の上面には凹部2の内側から外側にかけて導出する配線層3が被着されており、この配線層3には電子部品の電極がボンディングワイヤや導電性接着剤を介して電気的に接続される。
【0030】
また、セラミック母基板1のセラミック絶縁層4には、この配線層3の外側に導出された端部と接続するようにして、配線基板領域5の境界線7を跨がるように位置させて貫通導体9が形成されている。この貫通導体9は、セラミック絶縁層4(4a・4b)を介して上下に位置する配線層3同士を接続する機能を有し、また、多数個導体配線基板の状態で隣接する配線基板領域5の配線層3間を接続する機能も有している。
【0031】
また、セラミック母基板1の下面には、貫通導体9の下端部分と接続するようにして外部接続用メタライズ導体層12が被着されている。この外部接続用メタライズ導体層12を外部電気回路基板(図示せず)の配線導体に導電性接着剤等を介して接続することにより、内部に収容する電子部品が配線層3・貫通導体9および外部接続用メタライズ導体層12を介して外部電気回路に電気的に接続される。
【0032】
これらの配線層3・貫通導体9および外部接続用メタライズ導体層12は、タングステンやモリブデン・銅・銀等の金属材料から成り、例えば、あらかじめグリーンシートの各配線基板領域5の境界線7に跨るようにして複数の貫通孔を形成しておき、タングステン等の金属ペーストをグリーンシートの表面および貫通孔内にスクリーン印刷法等で印刷塗布あるいは充填することにより形成される。
【0033】
なお、このような配線層3・貫通導体9および外部接続用メタライズ導体層12は、その露出表面にニッケル・金等のめっき層を被着させておくことが好ましく、それによれば、これらの配線層3・貫通導体9および外部接続用メタライズ導体層12の酸化・腐食を効果的に防止することができる。
【0034】
セラミック母基板1の主面(図1に示した例では上面および下面)には、各配線基板領域5の境界線7に沿って、貫通導体9を横切るようにして分割溝8が形成されており、この分割溝8に沿ってセラミック母基板1を分割することにより、各配線基板領域5が個片に分割されてそれぞれが配線基板となる。この分割溝8は、上下面に形成する場合には、通常、平面視で、セラミック母基板1の上下面で同じ位置となるようにして形成されている。
【0035】
このような分割溝8は、セラミック母基板1となるグリーンシートの積層体の主面の所定位置に、カッター刃を押し付けて切りこみを形成しておくこと等により形成される。
【0036】
本発明の多数個取り配線基板においては、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝8aを、ダミー領域6を越えてセラミック母基板1の外周縁まで延長して形成するとともに、他の分割溝8bをその端部がダミー領域6の途中に位置するような長さとして形成しておくことが重要である。
【0037】
このように多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝8aをセラミック母基板1の外周縁まで延長するとともに、他の分割溝8bを端部をダミー領域6に位置させて形成することにより、このような多数個取り配線基板を基板分割装置で分割する場合には、まず、分割溝8aがダミー領域6を越えてセラミック母基板1の外周縁まで形成されている、最も機械的強度が弱い部位に沿ってセラミック母基板1が割れて、機械的強度の強いダミー領域6が多数の配線基板領域5が配列形成された領域から分離され、これに続いて配線基板領域5が分割溝8a以外の他の分割溝8b(以下、単に他の分割溝8bという)に沿って分割されるようになるため、多数の配線基板領域5が個々に分割されるときに、ダミー領域6が障害になって配線基板領域5を個々に正常に分割することができなくなったり、ダミー領域6から配線基板領域5にかけてセラミック母基板1が同時に割れて配線基板領域5に大きな機械的衝撃が加わったりすることはなくなるので、欠けやバリ・亀裂・割れ等の不具合を生じることなく、多数の配線基板領域5を個々の配線基板に分割することができる。
【0038】
この場合、他の分割溝8bが、その端部がダミー領域6に位置するようにダミー領域6の途中までの長さで形成されており、このように分割溝8bが入り込むことにより他の分割溝8bに隣接したダミー領域6の機械的強度を低下させていることから、分割溝8aに沿ってダミー領域6をセラミック母基板1から分割することを容易とすることができるとともに、この分割溝8aに隣接した配線基板領域5に大きな機械的衝撃が加わることを効果的に防止することができる。
【0039】
ここで、本発明の多数個取り配線基板は、基板厚みが2mmを超えるような形状の多数個取り配線基板において、セラミック母基板1から外周部のダミー領域6を分割して分離する際に特に有効であり、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切るように分割溝8aが形成され、かつ分割溝8aはセラミック母基板1の対向する外周縁間を直線でつなぐように縦横方向に連続して形成されていることから、セラミック母基板1からダミー領域6を分割するための応力が分割溝8aに均一に加わり、セラミック母基板1の中央部に配列形成された配線基板領域5を間違って分割することを防止できる。
【0040】
通常、セラミック母基板1の大きさはその一辺が60〜120mm程度の平板状となっており、このセラミック母基板1の外周部に形成されるダミー領域6の幅は4〜8mm程度である。この場合、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝8a以外の他の分割溝8bは、その端部がダミー領域6内に、少なくとも2mm以上入り込むように位置させて形成することが好ましい。この入り込む長さが2mm未満になると、特に厚さが2mm以上と厚いセラミック母基板1において、ダミー領域6の機械的強度を効果的に低くすることが難しくなり、セラミック母基板1からダミー領域6を分割溝8aに沿って分割する作業が難しくなったり、バリ等の不具合が発生しやすくなったりする傾向がある。
【0041】
また、この他の分割溝8bは、その端部がセラミック母基板1の外周縁から3mm以内の距離にまで近づくように形成されると、ダミー領域6の機械的強度を過度に低くしすぎる傾向があり、特に厚さが2mm以下程度のセラミック母基板1において、搬送等の取り扱い中に誤ってダミー領域6の一部が割れてしまい、多数個取り配線基板としての取り扱いや加工が難しくなるおそれがある。したがって、他の分割溝8bは、その端部がセラミック母基板1の外周縁から3mm以上離れるように位置させて形成することが、より一層好ましい。
【0042】
このような分割溝8(8a・8b)は、セラミック母基板1のセラミック絶縁層4(4a・4b)となるグリーンシート積層体の上下面に、カッター刃を押し当てて切り込みを入れる等の方法で形成される。また、分割溝8(8a・8b)の深さは、分割時のクラックやバリ・欠けの発生を防止するために、セラミック母基板1のセラミック絶縁層4(4a・4b)の厚みに対して、その深さが20〜70%程度になるように設定される。
【0043】
なお、分割溝8(8a・8b)を深さの精度良くセラミック母基板1となるグリーンシート積層体の上下面に形成する方法としては、例えばカッター刃をグリーンシート積層体に押さえつける構造の金型による形成方法がある。このような金型は、例えば、数十本のカッター刃が金型本体から下方に突出するようにして縦横に配列・収納形成した構造である。このような金型においては、縦方向および横方向の分割溝8(8a・8b)を別々に形成するようにするものが、位置決め等の作業性において有利である。また、カッター刃の長さは、分割溝8aが、確実に多数の配線基板領域5の外周からダミー領域6を越えてセラミック母基板1の外周縁まで形成されるように、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る位置において、セラミック母基板1(グリーンシートの積層体)の縦方向および横方向よりも長くしておくことが好ましい。また、このようなカッター刃は、金型をグリーンシートの積層体の表面に加圧することでこれらカッター刃が金型より所定長さ(形成しようとする分割溝の深さ)に突出するような構造としておくことが好ましい。
【0044】
また、分割溝8(8a・8b)を形成する順序としては、まず他の分割溝8bを形成した後、セラミック母基板1のダミー領域6を越えて外周縁まで達するように延長された分割溝8aを形成することが望ましい。このように分割溝8(8a・8b)を形成することにより、セラミック母基板1に分割溝8(8a・8b)を形成する途中でセラミック母基板1の積層体としての強度が低下することを防止することができ、安定して分割溝8a・8bをセラミック母基板1に形成することができる。
【0045】
また、本発明の多数個取り配線基板においては、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝8aについて、ダミー領域6における深さを、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位における深さよりも浅いものとしておくことが好ましい。
【0046】
分割溝8aの深さについて、ダミー領域6における深さを、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位における深さよりも浅く形成した場合には、搬送等の取り扱いの際に、誤って振動等により衝撃が加わりやすいダミー領域6において、セラミック母基板1の機械的強度が弱くなりすぎることを効果的に防止することができ、より一層取り扱いが容易で、多数の配線基板をより確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【0047】
このように、分割溝8aについて、ダミー領域6における深さを配線基板領域5の外周とダミー領域6と区切る部位における深さよりも浅いものとする場合には、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位に均一な深さの分割溝8aを形成でき、かつダミー領域6において配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位における深さよりも浅く分割溝8aを形成できるように、例えば積層体のダミー領域6において外周縁に向かって漸次上側に反っていくような形状のカッター刃13を押さえつけて分割溝8aとなる溝を切り込ませればよい。
【0048】
このとき、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位に形成された分割溝8aの深さを100%とした場合に、ダミー領域6における分割溝8aの深さを50〜80%とすることが望ましい。このような深さとすることで、搬送等の取り扱い時の振動等の衝撃により不用意に多数個取り配線基板を割ってしまうことを防止することができ、また、分割溝8aを形成する際にダミー領域6に形成したメッキ導通用導体11を誤って切断してしまうことを防止することができ、しかも、この分割溝8aに沿って配線基板領域5の外周とダミー領域6とを確実に分割することができる。
【0049】
また、本発明の多数個取り配線基板において、分割溝8aについて、ダミー領域6における深さを、セラミック母基板1の外周縁に向かって漸次浅くなるようなものとしておくことが、より一層好ましい。これは、ダミー領域6における深さを、多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位における深さよりも浅いものとするような場合についても同様である。
【0050】
ダミー領域6における分割溝8aの深さを、セラミック母基板1の外周縁に向かって漸次浅くなるようなものとした場合には、特に大きな衝撃が加わりやすいセラミック母基板1の外周縁の部分で分割溝8aの深さを非常に浅いものとして、この外周縁の部分でのセラミック母基板1の機械的強度を高めて有効な強度を確保しつつ、配線基板領域5の外周部分では分割溝8aの深さを十分に確保することができ、配線基板領域5に大きな衝撃が加わることを防止してカケやバリ・亀裂・割れ等の不具合が発生することをさらに効果的に防止することができるので、取扱いが極めて容易で、多数の配線基板をより一層確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【0051】
このように、ダミー領域6における分割溝8aの深さを、セラミック母基板1の外周縁に向かって漸次浅くなるようなものとする場合の一例を、図2に、図1(a)のA−A’線における断面図として示す。なお、図2において、図1(a)および(b)と同じ部位には同じ符号を付している。
【0052】
このセラミック絶縁層(グリーンシート)4の積層体に、この積層体のダミー領域6において外周縁に向かって漸次上側に反っていくような形状のカッター刃13を押さえつけて分割溝8aとなる溝を切り込ませることにより、焼成後に、ダミー領域6における深さが、セラミック母基板1の外周縁に向かって漸次浅くなるような分割溝8aを形成することができる。
【0053】
この場合、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位に形成された分割溝8aの深さを100%とした場合に、ダミー領域6に形成する分割溝8aの深さを50〜80%となるようにして、漸次浅くなるように形成すると、搬送等の取り扱い時の振動等の衝撃により不用意に多数個取り配線基板を割ってしまうことを防止することができ、また、分割溝8aを形成する際にダミー領域6に形成したメッキ導通用導体11を誤って切断してしまうことを防止することができるので、好ましいものとなる。
【0054】
なお、この図2では、分割溝8aとなる溝について、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位からグリーンシートの積層体の外周縁に向かって漸次浅くなるような形状の例を示したが、例えば、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位において刃の高さが段状に低くなるとともに外周縁に向かって漸次上側に反っていくような形状のカッター刃を用いることにより、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位における深さよりもダミー領域6における深さが浅く、かつグリーンシートの積層体(セラミック母基板1)の外周縁に向かって漸次浅くなるような形状の溝(分割溝8a)を形成することができる。
【0055】
この場合、配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る部位に形成された分割溝8aの深さを100%とした場合に、ダミー領域6に形成する分割溝8aの深さを50〜80%となる程度に浅くするとともに、配線基板領域5の外周から外周縁に向かって漸次浅くなるように分割溝8aを形成すると、搬送等の取り扱い時の振動等の衝撃により不用意に多数個取り配線基板を割ってしまうことを防止することができ、また、分割溝8aを形成する際にダミー領域6に形成したメッキ導通用導体11を誤って切断してしまうことを防止することができるので、好ましいものとなる。
【0056】
このような本発明の多数個取り配線基板によれば、その配線基板領域5の各凹部2内に電子部品を収容するとともに、電子部品の電極を導電性接着剤等を介して配線層3に接続した後、あらかじめ凹部2を取り囲むようにしてセラミック母基板1の上面に形成しておいた封止用メタライズ層10に金属蓋体(図示せず)をシーム溶接等によって接合することにより、電子部品が気密封止され、個々の配線基板を用いた電子装置となる。
【0057】
そして、このセラミック母基板1を、まず分割溝8aに沿って分割して外周部のダミー領域6を中央部の多数の配線基板領域5と分離し、その後、多数の配線基板領域5に形成された分割溝8bに沿って個々の配線基板領域5に分割することにより、個々の電子装置に分離される。
【0058】
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、以上の実施の形態の例では複数のセラミック絶縁層を形成するのに2枚のグリーンシートを積層しているが、3枚以上のグリーンシートを積層して形成してもよい。
【0059】
また、分割溝8aの深さを、ダミー領域6において、セラミック母基板1の外周縁に向かって漸次浅くする場合に、図2に示したように、分割溝8aの底が外周縁に向かって湾曲した形状で浅くなるようにではなく、直線状に浅くなるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
本発明の多数個取り配線基板によれば、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る分割溝をセラミック母基板の外周縁まで延長するとともに、他の分割溝を端部をダミー領域に位置させて形成したことから、このような多数個取り配線基板を基板分割装置で分割する場合には、まず、分割溝がダミー領域を越えてセラミック母基板の外周縁まで形成されている、最も機械的強度が弱い部位に沿ってセラミック母基板が割れて、機械的強度の強いダミー領域が多数の配線基板が配列形成された領域から分離され、これに続いて、多数の配線基板領域がそれぞれ他の分割溝に沿って分割されるようになる。
【0061】
このため、多数の配線基板領域が個々に分割されるときに、ダミー領域が障害になったり、配線基板領域に大きな機械的衝撃が加わったりすることはなくなるので、セラミック母基板の厚みが例えば2mmを超えるような厚いものであったとしても、欠けやバリ・亀裂・割れ等の不具合を生じることなく、多数の配線基板領域を個々の配線基板に分割することができる。
【0062】
また、本発明の多数個取り配線基板において、外周縁まで延長された、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る分割溝の深さについて、ダミー領域における深さを、配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る部位における深さよりも浅いものとした場合には、搬送等の取り扱いの際に、誤って振動等により衝撃が加わりやすいダミー領域において、セラミック母基板の機械的強度が弱くなりすぎることを効果的に防止することができ、より一層取り扱いが容易で、多数の配線基板をより確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【0063】
また、本発明の多数個取り配線基板において、外周縁まで延長された、多数の配線基板領域の外周とダミー領域とを区切る分割溝の深さについて、ダミー領域における深さを、セラミック母基板の外周縁に向かって漸次浅くなっているものとした場合には、特に大きな衝撃が加わりやすいセラミック母基板の外周縁の部分で分割溝の深さを非常に浅いものとして、この外周縁の部分でのセラミック母基板の機械的強度を高めて有効な強度を確保しつつ、配線基板領域の外周部分では分割溝の深さを十分に確保することができ、配線基板領域に大きな衝撃が加わることを防止してカケやバリ・亀裂・割れ等の不具合が発生することをさらに効果的に防止することができるので、取扱いが極めて容易で、多数の配線基板をより一層確実に得ることが可能な多数個取り配線基板とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)および(b)は、それぞれ本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の一例を示す上面図および断面図である。
【図2】本発明の多数個取り配線基板の実施の形態の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・セラミック母基板
2・・・凹部
3・・・配線層
4(4a・4b)・・・セラミック絶縁層
5・・・配線基板領域
6・・・ダミー領域
8・・・分割溝
8a・・・多数の配線基板領域5の外周とダミー領域6とを区切る分割溝
8b・・・他の分割溝
Claims (3)
- セラミック母基板の中央部に分割溝で区切られた多数の配線基板領域を縦横の並びに配列形成するとともに、外周部にダミー領域を設けた多数個取り配線基板において、前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝を前記セラミック母基板の外周縁まで延長するとともに、他の前記分割溝を端部を前記ダミー領域に位置させて形成したことを特徴とする多数個取り配線基板。
- 前記外周縁まで延長された前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝は、前記ダミー領域における深さが、前記配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る部位における深さよりも浅いことを特徴とする請求項1記載の多数個取り配線基板。
- 前記外周縁まで延長された前記多数の配線基板領域の外周と前記ダミー領域とを区切る前記分割溝は、前記ダミー領域における深さが、前記外周縁に向かって漸次浅くなっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の多数個取り配線基板。
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2003
- 2003-03-26 JP JP2003086193A patent/JP2004221514A/ja active Pending
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