JP2004221332A - 電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気二重層キャパシタの単位重量及び単位体積当たりの静電容量を高める電極用活性炭組成物及びその製造方法を提供する。
【解決手段】クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上をアルデヒド類と付加縮合反応して得られた熱硬化性樹脂の硬化物を活性炭の原料とし、水蒸気、二酸化炭素等のガス賦活処理や金属化合物類、無機塩類等を用いる薬品賦活処理あるいはその併用による賦活処理を行う。
【解決手段】クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上をアルデヒド類と付加縮合反応して得られた熱硬化性樹脂の硬化物を活性炭の原料とし、水蒸気、二酸化炭素等のガス賦活処理や金属化合物類、無機塩類等を用いる薬品賦活処理あるいはその併用による賦活処理を行う。
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上をアルデヒド類と付加縮合反応して得られた熱硬化性樹脂を活性炭の原料として使用することにより単位重量、及び単位体積当たりの静電容量を高めることができる電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境負荷への対応、地球資源に対する省資源化などの理由から電気エネルギーの利用が急速に進んでいる。例えば自動車においては従来の内燃機関に加え、ハイブリッド電気自動車のように減速時の回生エネルギーを利用し、加速時にエンジンの出力を補助するという回生エネルギーを電気エネルギーへの変換に利用する技術がすでに実用化している。一般住宅においても夜間電力の貯蔵等、太陽光発電が利用されるようになったことなども挙げられる。
【0003】
電気エネルギーの利用が活発になるにつれ重要となるのが電気エネルギーの貯蔵・取り出し方法である。この方法には電気の充放電を繰り返し行う二次電池があるが、充放電に化学反応による電荷の移動を利用するため急速充放電が出来ないことや、環境温度により効率が変わること、充放電を繰り返すことで徐々に容量が低下してくることが問題とされている。前出のハイブリッド電気自動車には動力・回生電流の充電用として二次電池が搭載されているが、充電に時間がかかることや、重量増の問題、さらには短い走行距離などがハイブリッド電気自動車そのものの普及を妨げることになっている。
【0004】
この二次電池に代わり最近注目されているのが電気二重層キャパシタである。この電気二重層キャパシタは不活性な電子導電性の電極が電解液に接触すると、その界面に電荷層が生じる現象を利用した蓄電体であり、電気二重層コンデンサとも呼ばれる。電気二重層キャパシタは充放電に従来の二次電池のように化学反応を利用するものではないため、充放電の繰り返し特性や、急速充放電に優れ、かつ大電流の放電が可能である。しかも維持管理が容易で環境にも悪影響を及ぼさないことから注目されている。
【0005】
しかしながら、電気二重層キャパシタをハイブリッド電気自動車や燃料電池自動車用として利用する場合、二次電池と比較してエネルギー密度が低いことが欠点として挙げられる。鉛蓄電池のエネルギー密度は約70Wh/L、リチウムイオン電池は約200Wh/Lであるのに対して電気二重層キャパシタのエネルギー密度は現状で約4Wh/Lほどに過ぎない。このため、その向上を目的として種々の検討開発が行われてきた。
【0006】
現在、電気二重層キャパシタには大別するとプロピレンカーボネート等の有機系極性溶媒にテトラエチルアンモニウムテトラフルオロ硼酸等の4級アンモニウム塩、あるいは過塩素酸リチウム等の電解質を溶解させた有機系電解液を使用するものと、硫酸水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液のような水溶液系電解液を使用するもの等が存在する。
【0007】
水溶液系電解液は電気抵抗が低く、キャパシタに使用した場合に有機溶媒系電解液と比較してキャパシタの静電容量を約1.3倍から2倍に上げることができ、さらに内部抵抗を1/5から1/10に下げることができる。この理由は、水溶液系電解液の電気抵抗が低いことに起因している。但し、水溶液系の電解液を使用する場合には電圧を1V余りまでにしか上げることができないため、単位体積あたりの蓄電エネルギー量(蓄電エネルギー量=1/2CV2、但し、C:キャパシタ静電容量、V:電圧)が小さいという短所を有している。
【0008】
一方、有機系溶媒の電解液を使用した場合には、電気二重層キャパシタの電圧を3V程度まで上げられることができる。したがってキャパシタの、単位体積あたりの蓄電エネルギー量の向上という観点からキャパシタの静電容量が小さいという欠点を差し引いても有機溶媒系電解液を使用する方が有利とされている。
【0009】
ところで電気二重層キャパシタの電極材料に関してであるが、これまでにヤシ殻炭、石炭、フェノール樹脂炭素材等の難黒鉛化性炭素材を、水蒸気を用いたガス賦活して得られる高比表面積の活性炭が用いられ、各方面でその最適化の研究が盛んである。
【0010】
例えば、特許文献1では直径が2nm以上の細孔の専有容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を用いた電極について開示されており、また特許文献2には連通している細孔率が50%以上の活性炭を用いた電極について開示されているように活性炭を電気二重層キャパシタの電極に使用した場合、キャパシタの静電容量は活性炭の微細構造や細孔の分布状態が大きく係わっていると考えられる。特にキャパシタの静電容量は活性炭の比表面積の増加に伴って増加する傾向が見られることから電気二重層キャパシタの電極用活性炭の開発は、大きな比表面積を有する活性炭を効率良く作製することに主眼が置かれてきた。
【0011】
このことから、最近では難黒鉛化性炭素材料に代わり、さらに大きな比表面積の活性炭を製造できる炭素材料として、石油系または石炭系ピッチなどの易黒鉛化性炭素が注目されてきており、このような易黒鉛化性炭素材を用いたアルカリ賦活による二次電池電極用またはキャパシタ電極用活性炭の製造方法が種々に提案されている。例えば、特許文献3には特定の温度で処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維を原料としてアルカリ賦活によって得られる活性炭素繊維が内部抵抗の小さな大電流充放電に適した電気二重層キャパシタ用の電極材に適することが開示されている。また、特許文献4には高分子の分子鎖がフィルム表面や繊維表面に平行または垂直に配列した構造を有する原料を使用し、易黒鉛化性炭素と同様な構造になるグラファイト結晶が配向している活性炭を使用することが開示されている。
【0012】
しかしながら、前述のあらゆる手段を用いても十分なキャパシタの静電容量を実現できている活性炭材料は未だ開発されていないのが実状である。
【0013】
【特許文献1】
特開昭61−102023号公報
【特許文献2】
特開昭62−203086号公報
【特許文献3】
特開平11−222732号公報
【特許文献4】
特開2000−58398号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
大きな比表面積を有する活性炭を効率良く作製することに主眼が置かれてきたこれまでの研究では未だ十分な静電容量を実現できていない実状に対し、原料を変性することによって得られる活性炭の細孔構造、細孔分布状態等を調整することが電気二重層キャパシタとした時の静電容量を効率良く向上できることが考えられる。すなわち、本発明の課題は、前述の考えを基に単位重量及び単位体積当たりの静電容量を高めることができる電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、以下の新たなる方法を用いることで解決できることを見出したものである。すなわち、静電容量を向上させるためには、従来より盛んに研究されてきた比表面積の増加を求めるよりも、細孔径や細孔構造を適正に制御することが極めて有効であることを見出した。
【0016】
この手法に基づいて、本発明者らはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の原料のなかでフェノール原料に替わり、フェノール骨格にメチル基を導入したクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を使用した活性炭を、電気二重層キャパシタの電極用活性炭とすることで高静電容量の電気二重層キャパシタを提供し得ることを見出した。
【0017】
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を活性炭の原料とした場合、一般的に難黒鉛化性炭素となり、このような炭素を賦活することによって細孔直径が1nm以下のミクロ孔が多量に存在する活性炭が得られる。これに対して電解液イオンの直径はおおよそ0.5nmであり、上述した活性炭の細孔直径が1nm以下の孔では電解液イオンが入りづらく、静電容量に寄与しない孔となってしまう。
【0018】
一方、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂のフェノール原料にメチル基を導入したクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を使用した場合にはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の活性炭と比較して易黒鉛化性炭素に近づくことが知られている。
【0019】
このことからクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とした活性炭の比表面積の増加には炭素六角網面間のエッジ部分が賦活されることによって、細孔直径が1〜2nm程度の比較的大きいミクロ孔が増加することによるためと考えられる。そのため電解液イオンの吸脱着がしやすくなり、静電容量に効率良く寄与する孔になっていると考えられる。
【0020】
すなわち、本発明による活性炭はクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上を原料としたことによる活性炭構造の変化によって静電容量に効率良く寄与する孔を持ち、フェノール系樹脂を水蒸気、二酸化炭素等によるガス賦活、または金属化合物、無機塩類等による薬品賦活処理もしくはその併用による賦活処理を施してBET比表面積が300m2/g以上3000m2/g以下とすることで前述の目的を達することができる。
【0021】
ここでBET比表面積に関しては、300m2/g未満では充分な静電容量を得ることが出来ず、BET比表面積が3000m2/gを超えると活性炭そのものの密度が低下し、相対的に電極材の密度低下からキャパシタの単位体積当たりの静電容量が低下する問題があるため好ましくない。
【0022】
これらの活性炭を電極として使用できる電気二重層キャパシタの電解液には、有機系電解液、および水溶液系電解液ともに使用できる。また、最近の研究成果から特別な方法として挙げられる常温でも液体の有機塩を使用する常温溶融塩系電解液も使用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるモノマーは、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,6−キシレノール、2,4−キシレノール、2,3−キシレノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールであり、これらを単独、あるいは2種類以上併用しても良い。中でも3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、及び2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。
【0024】
本発明で使用されるアルデヒド類としては以下に例示したアルデヒド類に限定されるものではないが、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルヘミホルマール、エチルへミホルマール、プロピルへミホルマール、ブチルヘミホルマール、フェニルへミホルマール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o―メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド或いはこれらの混合物等が挙げられる。このうち、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドが好ましく、特にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが最も好ましい。さらに本発明において、使用される酸性触媒は、例えば塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、硼酸、または塩化亜鉛や酢酸亜鉛のような金属との塩、あるいはこれらの混合物が挙げられ、塩基性触媒は例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンのようなアミン類あるいはこれらの混合物が挙げられる。これら触媒は、一般的にフェノール樹脂製造時に使用される触媒と同様なものが使用可能である。
【0025】
得られた熱硬化性樹脂の硬化方法としては、酸性触媒を使用した樹脂はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂等の硬化剤を加えて熱硬化させる方法、塩酸等酸性触媒とホルムアルデヒド類との混合水溶液に含浸し、沸点近くで数時間保持することによって硬化する液相中の方法や塩酸等酸性触媒とホルムアルデヒド類混合物の気相下での硬化、さらには前述の混合水溶液中での硬化反応後に窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下100℃から300℃の温度で加熱することによる硬化など、公知の方法を用いることができる。塩基性触媒を使用した樹脂はp−トルエンスフォン酸等の酸を加えることによる酸硬化やエステル類を使用しそのガス雰囲気下でのエステル硬化、乾熱式あるいはエチレングリコール等の高沸点溶液中で行う湿熱式による熱硬化による方法などの一般的な方法を用いることができる。
【0026】
活性炭調製の賦活方法において、ガス賦活方法で用いる賦活ガスは、例えば水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、塩化水素またはこれらの混合ガス等が挙げられる。薬品賦活方法で用いる化学薬品類は金属化合物として塩化物、水酸化物、硫化物、炭酸化物が挙げられ、例えば塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸化ナトリウム、硫化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはこれらの混合物が挙げられる。無機塩類として硼酸、リン酸、硫酸、塩酸、チオシアン酸などの塩類、例えば硼酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、チオシアン酸カリウムまたはこれらの混合物等が挙げられる。また、ガス賦活方法と薬品賦活方法の併用による調製も挙げられる。賦活温度は400℃から1200℃の範囲で上述した賦活処理方法を行う一般的な温度で良い。
【0027】
電気二重層キャパシタの電解液については有機系電解液に用いられる有機系極性溶媒には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトニル等が挙げられ、電解質にはテトラエチルアンモニウムテトラフルオロ硼酸等の4級アンモニウム塩、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロ硼酸等の4級ホスホニウム塩、あるいは過塩素酸リチウム等が挙げられる。水溶液系電解液には硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。常温溶融塩系電解液には1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩誘導体が挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
[測定及びサンプル作製]
尚、本例では活性炭の比表面積の測定は液体窒素温度条件下の窒素吸着によるBET法による。
【0030】
電気二重層キャパシタの静電容量は、対極に活性炭素繊維、参照極にリチウム金属、及び作用極には調製された活性炭からなる三極式セルを用い、定電流40mA/gを加えることによる電圧変化から求めた。作用電極は、実施例、比較例で得られた活性炭と導電材としてアセチレンブラック、粘結材としてポリテトラフルオロエチレンをそれぞれ重量比87:10:3になるように混合し、圧縮成型後、作用電極とした。
【0031】
使用した電解液はプロピレンカーボネート溶液中にテトラエチレンアンモニウムテトラフルオロ硼酸を0.5モル/リットルの濃度になるように溶解して調整した。
【0032】
[実施例1]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコに3,5−キシレノール400g、50%ホルマリン157g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0033】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを150分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0034】
得られた活性炭は収率14%、BET比表面積1006m2/gであった。
【0035】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコにフェノール400g、50%ホルマリン204g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0037】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを30分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0038】
得られた活性炭は収率48%、BET比表面積934m2/gであった。
【0039】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0040】
[実施例2]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコに2,3,5−トリメチルフェノール400g、50%ホルマリン141g、触媒として蓚酸4gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0041】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを270分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0042】
得られた活性炭は収率7%、BET比表面積557m2/gであった。
【0043】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0044】
[比較例2]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコにフェノール400g、50%ホルマリン204g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0045】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを10分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0046】
得られた活性炭は収率52%、BET比表面積654m2/gであった。
【0047】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
従来より検討されてきたフェノール樹脂活性炭を電気二重層キャパシタの電極材として使用した際の静電容量は比較例に示されるような値であったが、本発明の実施例が示すように、クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とした活性炭では、単位重量、及び単位体積当たりの静電容量が高容量な値を得ることができる。
【0050】
よって、本発明によるクレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とし、反応して得られた熱硬化性樹脂を炭素化、賦活処理することによって得られる活性炭を電気二重層キャパシタの電極材として用いることで、従来に比べ高静電容量の電気二重層キャパシタを製造することができる。
【発明が属する技術分野】
本発明は、クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上をアルデヒド類と付加縮合反応して得られた熱硬化性樹脂を活性炭の原料として使用することにより単位重量、及び単位体積当たりの静電容量を高めることができる電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、環境負荷への対応、地球資源に対する省資源化などの理由から電気エネルギーの利用が急速に進んでいる。例えば自動車においては従来の内燃機関に加え、ハイブリッド電気自動車のように減速時の回生エネルギーを利用し、加速時にエンジンの出力を補助するという回生エネルギーを電気エネルギーへの変換に利用する技術がすでに実用化している。一般住宅においても夜間電力の貯蔵等、太陽光発電が利用されるようになったことなども挙げられる。
【0003】
電気エネルギーの利用が活発になるにつれ重要となるのが電気エネルギーの貯蔵・取り出し方法である。この方法には電気の充放電を繰り返し行う二次電池があるが、充放電に化学反応による電荷の移動を利用するため急速充放電が出来ないことや、環境温度により効率が変わること、充放電を繰り返すことで徐々に容量が低下してくることが問題とされている。前出のハイブリッド電気自動車には動力・回生電流の充電用として二次電池が搭載されているが、充電に時間がかかることや、重量増の問題、さらには短い走行距離などがハイブリッド電気自動車そのものの普及を妨げることになっている。
【0004】
この二次電池に代わり最近注目されているのが電気二重層キャパシタである。この電気二重層キャパシタは不活性な電子導電性の電極が電解液に接触すると、その界面に電荷層が生じる現象を利用した蓄電体であり、電気二重層コンデンサとも呼ばれる。電気二重層キャパシタは充放電に従来の二次電池のように化学反応を利用するものではないため、充放電の繰り返し特性や、急速充放電に優れ、かつ大電流の放電が可能である。しかも維持管理が容易で環境にも悪影響を及ぼさないことから注目されている。
【0005】
しかしながら、電気二重層キャパシタをハイブリッド電気自動車や燃料電池自動車用として利用する場合、二次電池と比較してエネルギー密度が低いことが欠点として挙げられる。鉛蓄電池のエネルギー密度は約70Wh/L、リチウムイオン電池は約200Wh/Lであるのに対して電気二重層キャパシタのエネルギー密度は現状で約4Wh/Lほどに過ぎない。このため、その向上を目的として種々の検討開発が行われてきた。
【0006】
現在、電気二重層キャパシタには大別するとプロピレンカーボネート等の有機系極性溶媒にテトラエチルアンモニウムテトラフルオロ硼酸等の4級アンモニウム塩、あるいは過塩素酸リチウム等の電解質を溶解させた有機系電解液を使用するものと、硫酸水溶液あるいは水酸化カリウム水溶液のような水溶液系電解液を使用するもの等が存在する。
【0007】
水溶液系電解液は電気抵抗が低く、キャパシタに使用した場合に有機溶媒系電解液と比較してキャパシタの静電容量を約1.3倍から2倍に上げることができ、さらに内部抵抗を1/5から1/10に下げることができる。この理由は、水溶液系電解液の電気抵抗が低いことに起因している。但し、水溶液系の電解液を使用する場合には電圧を1V余りまでにしか上げることができないため、単位体積あたりの蓄電エネルギー量(蓄電エネルギー量=1/2CV2、但し、C:キャパシタ静電容量、V:電圧)が小さいという短所を有している。
【0008】
一方、有機系溶媒の電解液を使用した場合には、電気二重層キャパシタの電圧を3V程度まで上げられることができる。したがってキャパシタの、単位体積あたりの蓄電エネルギー量の向上という観点からキャパシタの静電容量が小さいという欠点を差し引いても有機溶媒系電解液を使用する方が有利とされている。
【0009】
ところで電気二重層キャパシタの電極材料に関してであるが、これまでにヤシ殻炭、石炭、フェノール樹脂炭素材等の難黒鉛化性炭素材を、水蒸気を用いたガス賦活して得られる高比表面積の活性炭が用いられ、各方面でその最適化の研究が盛んである。
【0010】
例えば、特許文献1では直径が2nm以上の細孔の専有容積が全細孔容積の40%以上である活性炭を用いた電極について開示されており、また特許文献2には連通している細孔率が50%以上の活性炭を用いた電極について開示されているように活性炭を電気二重層キャパシタの電極に使用した場合、キャパシタの静電容量は活性炭の微細構造や細孔の分布状態が大きく係わっていると考えられる。特にキャパシタの静電容量は活性炭の比表面積の増加に伴って増加する傾向が見られることから電気二重層キャパシタの電極用活性炭の開発は、大きな比表面積を有する活性炭を効率良く作製することに主眼が置かれてきた。
【0011】
このことから、最近では難黒鉛化性炭素材料に代わり、さらに大きな比表面積の活性炭を製造できる炭素材料として、石油系または石炭系ピッチなどの易黒鉛化性炭素が注目されてきており、このような易黒鉛化性炭素材を用いたアルカリ賦活による二次電池電極用またはキャパシタ電極用活性炭の製造方法が種々に提案されている。例えば、特許文献3には特定の温度で処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維を原料としてアルカリ賦活によって得られる活性炭素繊維が内部抵抗の小さな大電流充放電に適した電気二重層キャパシタ用の電極材に適することが開示されている。また、特許文献4には高分子の分子鎖がフィルム表面や繊維表面に平行または垂直に配列した構造を有する原料を使用し、易黒鉛化性炭素と同様な構造になるグラファイト結晶が配向している活性炭を使用することが開示されている。
【0012】
しかしながら、前述のあらゆる手段を用いても十分なキャパシタの静電容量を実現できている活性炭材料は未だ開発されていないのが実状である。
【0013】
【特許文献1】
特開昭61−102023号公報
【特許文献2】
特開昭62−203086号公報
【特許文献3】
特開平11−222732号公報
【特許文献4】
特開2000−58398号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
大きな比表面積を有する活性炭を効率良く作製することに主眼が置かれてきたこれまでの研究では未だ十分な静電容量を実現できていない実状に対し、原料を変性することによって得られる活性炭の細孔構造、細孔分布状態等を調整することが電気二重層キャパシタとした時の静電容量を効率良く向上できることが考えられる。すなわち、本発明の課題は、前述の考えを基に単位重量及び単位体積当たりの静電容量を高めることができる電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を鋭意検討した結果、以下の新たなる方法を用いることで解決できることを見出したものである。すなわち、静電容量を向上させるためには、従来より盛んに研究されてきた比表面積の増加を求めるよりも、細孔径や細孔構造を適正に制御することが極めて有効であることを見出した。
【0016】
この手法に基づいて、本発明者らはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の原料のなかでフェノール原料に替わり、フェノール骨格にメチル基を導入したクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を使用した活性炭を、電気二重層キャパシタの電極用活性炭とすることで高静電容量の電気二重層キャパシタを提供し得ることを見出した。
【0017】
フェノール−ホルムアルデヒド樹脂を活性炭の原料とした場合、一般的に難黒鉛化性炭素となり、このような炭素を賦活することによって細孔直径が1nm以下のミクロ孔が多量に存在する活性炭が得られる。これに対して電解液イオンの直径はおおよそ0.5nmであり、上述した活性炭の細孔直径が1nm以下の孔では電解液イオンが入りづらく、静電容量に寄与しない孔となってしまう。
【0018】
一方、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂のフェノール原料にメチル基を導入したクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を使用した場合にはフェノール−ホルムアルデヒド樹脂の活性炭と比較して易黒鉛化性炭素に近づくことが知られている。
【0019】
このことからクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とした活性炭の比表面積の増加には炭素六角網面間のエッジ部分が賦活されることによって、細孔直径が1〜2nm程度の比較的大きいミクロ孔が増加することによるためと考えられる。そのため電解液イオンの吸脱着がしやすくなり、静電容量に効率良く寄与する孔になっていると考えられる。
【0020】
すなわち、本発明による活性炭はクレゾール類、キシレノール類、およびトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上を原料としたことによる活性炭構造の変化によって静電容量に効率良く寄与する孔を持ち、フェノール系樹脂を水蒸気、二酸化炭素等によるガス賦活、または金属化合物、無機塩類等による薬品賦活処理もしくはその併用による賦活処理を施してBET比表面積が300m2/g以上3000m2/g以下とすることで前述の目的を達することができる。
【0021】
ここでBET比表面積に関しては、300m2/g未満では充分な静電容量を得ることが出来ず、BET比表面積が3000m2/gを超えると活性炭そのものの密度が低下し、相対的に電極材の密度低下からキャパシタの単位体積当たりの静電容量が低下する問題があるため好ましくない。
【0022】
これらの活性炭を電極として使用できる電気二重層キャパシタの電解液には、有機系電解液、および水溶液系電解液ともに使用できる。また、最近の研究成果から特別な方法として挙げられる常温でも液体の有機塩を使用する常温溶融塩系電解液も使用できる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるモノマーは、例えば、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、3,4−キシレノール、2,6−キシレノール、2,4−キシレノール、2,3−キシレノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、2,3,6−トリメチルフェノールであり、これらを単独、あるいは2種類以上併用しても良い。中でも3,5−キシレノール、2,5−キシレノール、2,3−キシレノール、及び2,3,5−トリメチルフェノールが好ましい。
【0024】
本発明で使用されるアルデヒド類としては以下に例示したアルデヒド類に限定されるものではないが、例えばホルムアルデヒド、トリオキサン、フルフラール、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド、メチルヘミホルマール、エチルへミホルマール、プロピルへミホルマール、ブチルヘミホルマール、フェニルへミホルマール、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、α−フェニルプロピルアルデヒド、β−フェニルプロピルアルデヒド、o−ヒドロキシベンズアルデヒド、m−ヒドロキシベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、o−クロロベンズアルデヒド、o−ニトロベンズアルデヒド、m−ニトロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、o―メチルベンズアルデヒド、m−メチルベンズアルデヒド、p−メチルベンズアルデヒド、p−エチルベンズアルデヒド、p−n−ブチルベンズアルデヒド或いはこれらの混合物等が挙げられる。このうち、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、サリチルアルデヒドが好ましく、特にホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが最も好ましい。さらに本発明において、使用される酸性触媒は、例えば塩酸、硫酸、リン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸、酪酸、乳酸、ベンゼンスルフォン酸、p−トルエンスルフォン酸、硼酸、または塩化亜鉛や酢酸亜鉛のような金属との塩、あるいはこれらの混合物が挙げられ、塩基性触媒は例えば水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化リチウムのようなアルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物や水酸化アンモニウム、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミンのようなアミン類あるいはこれらの混合物が挙げられる。これら触媒は、一般的にフェノール樹脂製造時に使用される触媒と同様なものが使用可能である。
【0025】
得られた熱硬化性樹脂の硬化方法としては、酸性触媒を使用した樹脂はホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ヘキサメチレンテトラミン、エポキシ樹脂等の硬化剤を加えて熱硬化させる方法、塩酸等酸性触媒とホルムアルデヒド類との混合水溶液に含浸し、沸点近くで数時間保持することによって硬化する液相中の方法や塩酸等酸性触媒とホルムアルデヒド類混合物の気相下での硬化、さらには前述の混合水溶液中での硬化反応後に窒素、ヘリウム、炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下100℃から300℃の温度で加熱することによる硬化など、公知の方法を用いることができる。塩基性触媒を使用した樹脂はp−トルエンスフォン酸等の酸を加えることによる酸硬化やエステル類を使用しそのガス雰囲気下でのエステル硬化、乾熱式あるいはエチレングリコール等の高沸点溶液中で行う湿熱式による熱硬化による方法などの一般的な方法を用いることができる。
【0026】
活性炭調製の賦活方法において、ガス賦活方法で用いる賦活ガスは、例えば水蒸気、一酸化炭素、二酸化炭素、酸素、塩化水素またはこれらの混合ガス等が挙げられる。薬品賦活方法で用いる化学薬品類は金属化合物として塩化物、水酸化物、硫化物、炭酸化物が挙げられ、例えば塩化亜鉛、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、硫酸化ナトリウム、硫化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたはこれらの混合物が挙げられる。無機塩類として硼酸、リン酸、硫酸、塩酸、チオシアン酸などの塩類、例えば硼酸ナトリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、チオシアン酸カリウムまたはこれらの混合物等が挙げられる。また、ガス賦活方法と薬品賦活方法の併用による調製も挙げられる。賦活温度は400℃から1200℃の範囲で上述した賦活処理方法を行う一般的な温度で良い。
【0027】
電気二重層キャパシタの電解液については有機系電解液に用いられる有機系極性溶媒には、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトニル等が挙げられ、電解質にはテトラエチルアンモニウムテトラフルオロ硼酸等の4級アンモニウム塩、テトラエチルホスホニウムテトラフルオロ硼酸等の4級ホスホニウム塩、あるいは過塩素酸リチウム等が挙げられる。水溶液系電解液には硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶液等が挙げられる。常温溶融塩系電解液には1,3−ジメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−トリメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム等のイミダゾリウム塩誘導体が挙げられる。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0029】
[測定及びサンプル作製]
尚、本例では活性炭の比表面積の測定は液体窒素温度条件下の窒素吸着によるBET法による。
【0030】
電気二重層キャパシタの静電容量は、対極に活性炭素繊維、参照極にリチウム金属、及び作用極には調製された活性炭からなる三極式セルを用い、定電流40mA/gを加えることによる電圧変化から求めた。作用電極は、実施例、比較例で得られた活性炭と導電材としてアセチレンブラック、粘結材としてポリテトラフルオロエチレンをそれぞれ重量比87:10:3になるように混合し、圧縮成型後、作用電極とした。
【0031】
使用した電解液はプロピレンカーボネート溶液中にテトラエチレンアンモニウムテトラフルオロ硼酸を0.5モル/リットルの濃度になるように溶解して調整した。
【0032】
[実施例1]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコに3,5−キシレノール400g、50%ホルマリン157g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0033】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを150分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0034】
得られた活性炭は収率14%、BET比表面積1006m2/gであった。
【0035】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0036】
[比較例1]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコにフェノール400g、50%ホルマリン204g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0037】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを30分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0038】
得られた活性炭は収率48%、BET比表面積934m2/gであった。
【0039】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0040】
[実施例2]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコに2,3,5−トリメチルフェノール400g、50%ホルマリン141g、触媒として蓚酸4gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0041】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを270分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0042】
得られた活性炭は収率7%、BET比表面積557m2/gであった。
【0043】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0044】
[比較例2]
攪拌機及び冷却器つき反応フラスコにフェノール400g、50%ホルマリン204g、触媒として蓚酸2gを加えて約30分で100℃まで昇温後、還流反応5時間を行った。反応終了後、60mmHgの減圧下で200℃まで3時間かけて脱水濃縮反応を行い、固形状の樹脂を得た。得られた樹脂を15重量%の塩酸と12重量%のホルムアルデヒドとの25℃混合水溶液に10分間含浸し、25℃から95℃までを4時間で昇温し、さらに95℃で24時間保持することで硬化樹脂を得た。
【0045】
得られた硬化樹脂を平均粒径が10μmになるようにポットミルで粉砕後、窒素ガス雰囲気下5℃/分の昇温速度で1000℃30分保持し、あらかじめ80℃に調製されている温水中に窒素ガスを導入し、窒素・水蒸気の混合ガスを10分導入し、賦活処理を行うことによって活性炭を得た。
【0046】
得られた活性炭は収率52%、BET比表面積654m2/gであった。
【0047】
また、電気二重層容量は得られた活性炭を使用し、前述の[測定及びサンプル作製]通りに測定用電極を作製し、静電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】
従来より検討されてきたフェノール樹脂活性炭を電気二重層キャパシタの電極材として使用した際の静電容量は比較例に示されるような値であったが、本発明の実施例が示すように、クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とした活性炭では、単位重量、及び単位体積当たりの静電容量が高容量な値を得ることができる。
【0050】
よって、本発明によるクレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる少なくとも1種以上を原料とし、反応して得られた熱硬化性樹脂を炭素化、賦活処理することによって得られる活性炭を電気二重層キャパシタの電極材として用いることで、従来に比べ高静電容量の電気二重層キャパシタを製造することができる。
Claims (3)
- クレゾール類、キシレノール類、及びトリメチルフェノール類からなる群より少なくとも1種以上をアルデヒド類と付加縮合反応して得られた熱硬化性樹脂の硬化物を活性炭の原料として使用することを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物。
- 請求項1に記載した熱硬化性樹脂を得る際に酸性触媒を使用した場合には、ヘキサメチレンテトラミン・エポキシ樹脂等の硬化剤を加えて熱硬化させる方法、酸性触媒とアルデヒド類を用いて液相中または気相中で硬化させる方法を用いること、もしくは熱硬化性樹脂を得る際に塩基性触媒を使用した場合には、乾熱式または湿熱式により熱硬化させる方法、またはp−トルエンスフォン酸等の酸を加えることによる酸硬化させる方法やエステル類を使用してエステル硬化させる方法を用いることを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物の製造方法。
- 請求項1に記載した活性炭の調製に際し、水蒸気、及び二酸化炭素を始めとする少なくても1種以上のガス類による賦活処理、または金属の塩化物・水酸化物・硫化物・炭酸化物や硼酸塩類・リン酸塩類・硫酸塩類・塩酸塩類・チオシアン酸塩類などの無機塩類を始めとする少なくとも1種以上の化学薬品類による賦活処理、もしくはその併用による賦活処理を施すことによって、BET比表面積が300m2/g以上3000m2/g以下の範囲に賦活することを特徴とする電気二重層キャパシタの電極用活性炭組成物の製造方法。
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