JP2004221313A - 半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システム - Google Patents

半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システム Download PDF

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Abstract

【課題】加工精度を低下させることなく、反応生成物の生成および残留に伴う生産能力の低下を防止することができる半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムを提供する。
【解決手段】半導体製造ラインの管理システム10は、ホストコンピュータ12と処理装置14、16、18とがバスbを介して接続され、ネットワークを形成している。各処理装置14、16、18では、同一のエッチングチャンバ15a内で複数の工程が実施される。各処理装置14、16、18に設けられた個別管理装置20a、20b、20cがエッチングチャンバ15a内の反応生成物の残留量を把握し、この把握した残留量に基づいて、それぞれのエッチングチャンバ15a内で実施する複数の工程の実施順序を適切に決定する。これにより、エッチングチャンバ15a内に残留する反応生成物の量を低減し、ウエットクリーニングサイクルを延長する。
【選択図】図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造装置による半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムに関し、特に、プラズマを利用する複数の製造装置が配置された半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の半導体製造ラインでは、半導体製造装置相互間のクロスコンタミネーション防止またはメンテナンスサイクルの把握およびメンテナンス効率向上等のため、工程毎に専用の処理装置を割り当てる方法が取られている。エッチング装置で言えば、例えば、ゲート電極を形成するためのゲートエッチング工程と、窒化膜をエッチングするための窒化膜エッチング工程とをそれぞれ専用のエッチング装置で行うことにより、エッチングチャンバ内に付着する反応生成物の膜質または堆積スピードを固定し、一定の処理枚数に達したところで、各種溶媒を用いたウエットクリーニングまたは所定のパーツ交換を行う計画的なメンテナンスが行われている。
【0003】
このように工程毎に専用の装置を割り当てる方法は、メンテナンスを計画的に行えることから、効率的であると考えられている。しかし、ポリシリコン膜をエッチングするゲートエッチング装置では、ウエットクリーニングを行うことなく、ウエハを5000枚以上連続して処理できても、高流量のHBrを用いたシリコン基板のシャロートレンチエッチング装置では、エッチングチャンバ内への反応生成物の残留が顕著で、エッチングチャンバ内にパーティクルが発生するため、3000枚以下の処理でウエットクリーニングが必要になる等、装置間の稼働率のばらつきを平準化することができない。このため、非効率的な設備投資またはメンテナンスのための人的負荷増等により生産コストが増加してしまうという問題点があった。
【0004】
そこで、従来、半導体製造装置の処理槽内の反応生成物の残留量を低減し、生産効率を向上するための方法、および半導体装置等が種々提案されている(特許文献1および特許文献2等参照。)。
【0005】
特許文献1には、シリコン基板上に設けられたシリコン窒化膜のパターンをエッチングマスクとして、シリコン基板にトレンチを形成するドライエッチング方法が開示されている。この特許文献1に開示されたエッチング方法によれば、同一エッチングチャンバ内で、トレンチを形成するシリコン基板表面に生じた自然酸化膜をフッ素系エッチングガスを用いて除去し、続いて、塩素系ガスまたは臭素系ガスを含有するシリコンエッチングガスを用いて、ドライエッチングすることにより、シリコン基板にトレンチを形成することができる。特許文献1においては、フッ素系ガスによるプラズマ処理と、塩素系・臭素系ガスによるプラズマ処理とを同一処理室で連続的に行うことにより、エッチングチャンバ内壁に堆積する反応生成物の量を大きく低減させ、良好な再現性でドライエッチングでき、ドライクリーニング回数を減少させることができる。
【0006】
特許文献2には、基板をエッチングするとともに、チャンバを洗浄する方法(自動洗浄エッチングプロセス)が開示されている。この特許文献2に開示されたエッチング方法においては、基板をエッチングすることにより、チャンバ表面上にエッチング残留物を堆積させるエッチャントガスと、このエッチング残留物を洗浄する洗浄ガスとを含むエッチングガスにより、基板をエッチングするものである。洗浄ガスは、エッチング残留物がエッチングプロセス完了時に、このエッチング残留物がチャンバ表面から実質的に完全に除去されるような割合で混合されている。
【0007】
一方、処理装置の台数が不足している等、やむを得ない理由のため、同一のエッチングチャンバ内で複数の工程を行うことが必要になる場合もあった。この場合には、工程間にクリーニング処理を行ない、工程間相互の影響(クロスコンタミネーション)を防止することが必要であると考えられていた。
図5に、本発明者が、同一の装置のエッチングチャンバを3種の工程を実施するために利用した場合に採用したフォローチャートを示す。
図5に示すように、第1のエッチング工程を行うステップS100と、第2のエッチング工程を行うステップS110と、第3のエッチング工程を行うステップS120とを有するものを例に説明する。ステップS100、S110およびS120においては、例えば、24枚のウエハを1ロットとし、1ロット単位で処理する。
【0008】
ステップS100は、ゲートエッチングを行う工程である。このゲートエッチングとは、ゲート電極を形成するための多結晶シリコン膜、シリサイド膜等のエッチングのことである。
先ず、ダミーウエハを1枚、エッチングチャンバ内に置いて、例えばSFを含有するガスを用いてロット間クリーニングを行い、エッチングチャンバ内を洗浄する(ステップS101)。
次に、ゲート電極を形成する次工程における雰囲気作り、すなわち、ダミーランAを行う(ステップS102)。ダミーランAも、ダミーウエハを1枚エッチングチャンバ内に置いて行う。
次に、ゲート電極を形成するための膜およびマスクを形成した、1ロット分のシリコン基板を、1枚ずつエッチングチャンバ内に搬入して、所定のガスおよび放電条件で、プロセスA(ゲートエッチング)を行う(ステップS103)。
【0009】
次工程のステップS110は、ダミーランAおよびプロセスAを、それぞれダミーランB(ステップS112)およびプロセスB(ステップS113)に変更しただけであり、また、ステップS120は、ダミーランAおよびプロセスAを、それぞれダミーランC(ステップS122)およびプロセスC(ステップS123)に変更しただけである。それ以外の工程は、ステップS100と同様であるので、その詳細な説明は省略する。ここで、プロセスBは、素子分離領域形成のためのシリコン窒化膜のエッチングであり、プロセスCは、コンタクトホール底面のダメージ層を除去するコンタクトライトエッチングである。
このように、図5に示した方法では、3種類のエッチング工程S100、S110、S120のそれぞれにおいて、ロット内の、実際の製品となるウエハのエッチングを行うステップ(S103、S113、S123)に先だって、クリーニングステップ(S101、S111、S121)およびダミーエッチングステップ(S102、S112、S122)を行う。
【0010】
この、各工程毎に行われるクリーニングは、その前に行われた工程中にエッチングチャンバ内で生成され、残留した反応生成物を除去し、工程間のクロスコンタミネーションを防止することを目的として行われていた。図5にはA、B、Cの工程をそれぞれ1回、この順番で実施する例を示したが、実際には、このような固定された順番でそれぞれの工程を実施するのではなく、製造ラインを管理するホストコンピュータがその時々の生産状況に応じて決定した順序で実施する。従って、A、B、C3種の工程それぞれを実施する回数も、順序も、その時々の生産状況によって変化する。この、ホストコンピュータによる実施順序の決定において、同一のエッチングチャンバ内でその前に行った工程がどれであったかは考慮されない。このため、クリーニングステップの条件は、同一のエッチングチャンバ内で実施される複数の工程の実施回数または順番によらず、工程間のクロスコンタミネーション発生を防止することができるような条件に設定される。すなわち、反応生成物の残留量が最も多い工程を連続して実施した後であっても、十分に反応生成物を除去し、クロスコンタミネーションを防止できるように、十分に長い時間に設定される。
【0011】
なお、このように長い時間のロット間のクリーニングを行ったとしても、エッチングチャンバ内の反応生成物を100%除去することはできず、一部の反応生成物がエッチングチャンバ内に残留する。残留した反応生成物の量が所定の量以上となると、パーティクルとなってエッチングチャンバ内に落ちるため、歩留まりを低下させる。このため、各種の溶媒を用いたウェットクリーニングを行う必要がある。
【0012】
ウェットクリーニングを行う場合、エッチングチャンバ内を大気開放するため、大気から水分が吸着する。この吸着した水分が除去され、製品ウエハの処理が可能になるまでの時間(ダウンタイム)は、約10時間乃至12時間と極めて長い。従って、生産性を向上させるために、出来るだけそのウェットクリーニングを行う回数を少なくする必要がある。このようなウエットクリーニングとウエットクリーニングの間に処理することができる可能なウエハの枚数をMWBC(Mean Wafers Between Cleaning)として定義しており、MWBCが多い程、生産効率が高いことを示す。
【0013】
【特許文献1】
特開平11−214356号公報
【特許文献2】
特表2001−523044号公報
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および2に記載されたエッチング方法は、いずれも、あくまでも単一の工程内での反応生成物の残留量を低減することを目的としたものであり、複数の工程を同一エッチングチャンバ内で行うことを意図したものではない。例えば、特許文献1では自然酸化膜のエッチングとシリコンのエッチングとが同一エッチングチャンバ内で行われるが、これらのエッチング処理は、あくまでも、トレンチ形成という単一の工程内で行われる処理である。また、これらのエッチング方法において利用されるエッチング条件は、当然のことながら、加工精度、エッチング形状等のエッチング特性を最適化する目的で最適化される。このようにして最適化されたエッチング条件が、反応生成物の残留量を低減するために適したものとなるとは限らない。逆に、反応生成物の残留量の低減を優先して最適化した条件では、必要なエッチング特性が実現されるとは限らない。
【0015】
また、図5に示す半導体装置の製造工程においては、前述のように、ロット間クリーニングは、その除去能力をエッチングチャンバ内に残留する反応生成物の量が最大のときに反応生成物を所望のレベル以下に除去できるように設定している。このため、ロット間クリーニングの処理時間が長くなり、エッチングの処理効率が低下する。
【0016】
例えば、24枚のウエハを1ロットとすれば、1ロット当りの処理時間は、プロセス自体の処理時間は1時間〜2時間である。これに対して、ロット間クリーニングの処理時間は、1枚のシリコンウエハを用いて、5分〜10分間である。また、ダミーランの処理時間も、1枚のシリコンウエハを用いて、1分〜2分間である。すなわち、ロット間クリーニングおよびダミーランに要する処理時間は、6分〜12分間であり、1ロット当りの処理時間の約1割に相当する。従って、ロット間クリーニングの時間が長くなることは、大きな生産効率の低下につながる。また、ロット間クリーニングの時間を長くすることによって、エッチングチャンバ内の部品の消耗が激しくなり、かえってMWBCが減少する可能性もある。
【0017】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであり、加工精度を低下させることなく、反応生成物の生成および残留に伴う生産能力の低下を防止することができる半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本願第1の発明は、少なくとも2つの異なったプラズマ工程を同一の処理槽内で実施する半導体製造工程の管理方法であって、
前記同一の処理槽内で実施するプラズマ工程として、前記処理槽内で反応生成物を生成する第1のプラズマを利用する第1の工程と、前記第1の工程で生成された反応生成物を除去する作用を有する第2のプラズマを利用する第2の工程とを選択し、前記処理槽内に残留した反応生成物の量を把握し、前記把握した反応生成物の残留量に基づいて、前記第1の工程と、前記第2の工程との実施順序を決定することを特徴とする半導体製造工程の管理方法を提供するものである。
【0019】
本発明においては、前記第1の工程は、塩素および臭素の少なくとも一方を含むガスを用いたエッチング工程であり、前記第2の工程は、弗素を含むガスを用いたエッチング工程であることが好ましい。
また、本発明においては、前記第2の工程は、シリコン窒化膜のエッチング工程であることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明においては、前記把握した反応生成物の量に基づいて、前記第1の工程と、前記第2の工程との実施の優先順位を設定することが好ましい。
この場合、前記優先順位の設定において、前記第1の工程に対して前記第2の工程の実施を優先することを設定したにもかかわらず、前記第2の工程よりも前記第1の工程を先に実施する場合には、前記第1の工程の実施以前に前記処理槽内に残留した反応生成物を除去するクリーニングを追加することが好ましい。
【0021】
本願第2の発明は、少なくとも1つの製造装置がプラズマ装置を含む、複数の製造装置を利用して、第1および第2の工程を含む、複数の工程を実施して、半導体装置を製造する製造ラインを管理する管理システムであって、前記プラズマ装置は、処理槽を有し、前記処理槽内で反応生成物を生成する第1のプラズマを利用する前記第1の工程と、前記第1の工程で生成された反応生成物を除去する作用を有する第2のプラズマを利用する前記第2の工程とを実施し、または更に前記処理槽内に残留した反応生成物を除去するクリーニングを実施するものであり、前記プラズマ装置で実施する前記第1および第2の工程の実施順序を決定するホスト管理装置と、前記プラズマ装置を管理する個別管理装置を含み、前記個別管理装置は、前記プラズマ装置の前記処理槽内に残留した反応生成物の量を把握し、前記把握した反応生成物の残留量に基づいて、前記第1の工程と前記第2の工程との優先順位を設定し、前記設定した優先順位を前記ホスト管理装置に通知することを特徴とする半導体製造ラインの管理システムを提供するものである。
【0022】
本発明においては、前記個別管理装置は、前記優先順位の設定において、前記第1の工程に対して前記第2の工程を優先することを設定したにもかかわらず、前記第2の工程よりも前記第1の工程を先に実施する場合には、前記プラズマ装置に対して、前記第1の工程の実施以前に、前記クリーニングを追加することを指示することが好ましい。
【0023】
また、本発明においては、前記個別管理装置は、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングのそれぞれの実施記録に基づいて前記反応槽内に残留した前記反応生成物の量を把握することが好ましい。
【0024】
さらに、本発明においては、前記個別管理装置は、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングのそれぞれに対して設定された、前記反応生成物の生成および除去に対する効果を表すポイントを記憶しており、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングの実施記録および前記ポイントを利用して前記反応槽内に残留した前記反応生成物の量を把握することが好ましい。
【0025】
また、本発明においては、前記個別管理装置は、前記プラズマ装置から前記反応槽内の反応生成物の量の測定結果を受け取り、前記受け取った測定結果と前記把握した反応槽内に残留した前記反応生成物の量とを比較した結果に基づいて、前記ポイントの補正を行うことが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
本願発明者は、工程毎に専用のエッチング処理装置を割り当てるのではなく、すなわち、単一のエッチングチャンバ内で単一の工程を連続処理するよりも、単一のエッチングチャンバ(処理槽)内で複数の工程を適切な順序で組み合わせて混合処理することにより、残留する反応生成物の量が減少することを見出した。以下、複数の工程を組み合わせることにより、反応生成物の残留量が減少することについて、図1を参照して説明する。図1は、縦軸にエッチングチャンバ内の反応生成物の残留量をとり、横軸に時間をとって、単一のエッチングチャンバ内で複数の工程を混合処理した場合の反応生成物の付着状況(エッチングチャンバ内の反応生成物残留度合)を示すグラフである。ここでは、同一エッチングチャンバ(処理槽)内で、例えば、Cl−HBr−O系のエッチングガスを用いたゲートエッチング(図1中P)と、CF−O−Ar系のエッチングガスを用いたコンタクトホールの底面のダメージ層を除去するコンタクトライトエッチング(図1中P)と、SF−HBr−O系のエッチングガスを用いて窒化膜を除去するアクティブエッチング(図1中P)とを組み合わせて混合処理した場合における反応生成物の残留状況について説明する。
【0027】
ゲートエッチング(図1中矢印P)をした場合には、Si系の反応生成物がエッチングチャンバ内で生成され、図1に矢印Pで示すように、反応生成物の残留量が増加する。次に、酸素リッチの雰囲気のコンタクトライトエッチング(図1中P)時には、ゲートエッチングで残留したSi系の反応生成物が、酸化(Si→SiO)されるとともに、一部エッチング(SiO+CF→SiF+CO)される。この結果、図1に矢印Pで示すように、エッチングチャンバ内の反応生成物の量は若干減少する。さらに、フッ素リッチの雰囲気のアクティブエッチング(図1中P)時には、セルフクリーニング効果(Si+F→SiF、SiO+SF→SiF+SO+OF)により、図1に矢印Pで示すように、エッチングチャンバ内に残留した反応生成物の量は更に減少する。
【0028】
図1に示すように、各工程における反応生成物の量をベクトルP、P、Pで表現して、ゲートエッチング(P)、コンタクトライトエッチング(P)を合成して、ベクトルBを求め、さらに、このベクトルBと、アクティブエッチング(P)とから合成ベクトルDを求める。この合成ベクトルDの終点が示すように、同一のエッチングチャンバ内でゲートエッチングとコンタクトライトエッチングとアクティブエッチングとを連続して行った場合(D)の方が、ゲートエッチングのみを行った場合(P)に比較して、エッチングチャンバ内に残留する反応生成物の量がはるかに少なくなる。
このように、複数の工程を同一のエッチングチャンバ内で実施することにより、エッチングチャンバ内に残留する反応生成物の量を低下させ、エッチングチャンバのウエットクリーニングのサイクル(MWBC)を延長させることができる。
【0029】
しかし、ホストコンピュータがその時々の生産状況に応じて指示するロットを処理しているだけでは、このような複数の工程の組み合わせによる反応生成物の残留量の削減効果を生かすことができるとは限らない。例えば、反応生成物を生成するゲートエッチング工程ばかりを連続して実施したのでは、その時点で反応生成物の残留量が許容範囲を超えてしまい、ウエットクリーニングが必要になる。逆に、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量が少ない状態で反応生成物を除去する効果のあるコンタクトライトエッチングまたはアクティブエッチングを連続して実施しても、これらの工程の反応生成物の除去効果を生かすことができない。従って、このように複数の工程を同一エッチングチャンバ内で実施することによって反応生成物の残留量を減少させる効果を生かし、ウエットクリーニングサイクルを延長するためには、複数の工程を適切な順序で組み合わせることが必要である。
【0030】
例えば、最も単純には、ゲートエッチング工程を1ロット実施し、エッチングチャンバ内の反応性生成物の残留量が増加した後には、必ず、コンタクトライトエッチングおよびアクティブエッチングをそれぞれ1ロット実施して、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を減少させるように、工程の実施順序を固定する。これにより、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を、常に、少ないレベルに抑制することが可能になる。このためには、ゲートエッチング工程を1ロット実施した後には、コンタクトライトエッチングおよびアクティブエッチングのロットを供給するよう、ホストコンピュータに要求する。
【0031】
しかし、現実には、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を低減するためにはコンタクトライトエッチングまたはアクティブエッチングを実施することが好ましい時であっても、その時点で処理待ち状態にあるロットの中に所望のものがないこと、または他の理由によって、ゲートエッチング工程を実施することが必要になることも考えられる。このため、このような固定的な工程の順番決定ルールでは、実際の生産ラインにおいて適用することは困難である。従って、実施順序を固定するのではなく、実際の製造ラインの管理として適用可能な柔軟性を持ったルールを定める必要がある。本発明の半導体製造工程の管理方法の好ましい実施例においては、実施順序を固定するのではなく、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を把握して、この把握した残留量に基づいて工程の優先順位を設定する。従って、例えば、把握した反応生成物の残留量が少なく、許容できる上限値に対して余裕がある範囲内であれば、前に実施した工程がどれであるかにかかわらず、ゲートエッチングのような反応生成物を生成する工程であっても、実施することができる。上限値に対する余裕が小さくなって、アクティブエッチングのようなクリーニング効果を有する工程の優先順位を高くする設定が行われた時であっても、この優先順位のみで工程の実施順序が決定されるわけではない。他の要因によっては、ゲートエッチングのような反応生成物を生成する工程を先に実施する場合もある。
【0032】
なお、図1においては、図5のように各工程間にクリーニングを行わず、3種類の工程を連続して行った場合を想定している。すなわち、図5において、ロット間クリーニングS101、S111、S121を行わずに、ダミーランA S102、プロセスA S103、ダミーランB S112、プロセスB S113、ダミーランC S122、プロセスC S123を連続して行った場合に対応する。生産効率を向上させるためには、このように、工程間(ロット間)クリーニングを全く行わないことが理想である。しかし、連続して行う工程によっては、クロスコンタミネーションの防止のために工程間クリーニングを行うことが好ましい場合もある。本発明において、このような目的のために工程間クリーニングを行う場合でも、その時間を必要最小限、すなわち、クロスコンタミネーションの防止には有効であるが、図1の場合のゲートエッチングのように、反応生成物を生成する工程後に残留した反応生成物を完全に除去するには至らない範囲に抑えることが好ましい。このように、工程間クリーニングの時間を短縮することによって、図5に示した方法のように、反応生成物の残留量が最も多い工程を連続して実施した後であっても十分に反応生成物を除去することができるような、長い時間の工程間クリーニングを行う場合に比較して、生産効率を向上させることができる。
【0033】
また、例えば、ある処理装置で実施する、反応生成物を生成する工程の総数が、反応生成物を除去する効果を有する工程の総数に比較して多い場合、これらの工程の実施順序を制御しても、それだけでは、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を、パーティクル発生が起きない少ない範囲に抑制することは困難である。このような場合には、複数の工程を適切な順序で行うことに加えて、適切な時間の工程間クリーニングを行うことによって、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を許容範囲内に抑制することが可能になる。
【0034】
さらに、工程の実施順序を適切に決定することによってコンタクトライトエッチング工程またはアクティブエッチング工程等の反応生成物の除去効果を生かすだけでは、エッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を許容される範囲内に抑制することができなくなった場合の対策として、工程間クリーニングを利用することもできる。例えば、通常時には工程間クリーニングを行わず、アクティブエッチング等の工程が有するクリーニング効果を利用してエッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を許容範囲内に抑制する場合であれば、工程のクリーニング効果だけでは反応生成物の残留量を許容範囲内に抑制することができなくなった時に、ロット間クリーニングを追加して実施する。
また、通常時から比較的短時間のロット間クリーニングを行って、アクティブエッチング等の工程が有するクリーニング効果と併用することによってエッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を許容範囲内に抑制する場合であれば、通常の工程間クリーニングと工程のクリーニング効果だけでは反応生成物の残留量を許容範囲内に抑制することができなくなった時に、通常の工程間クリーニングに加えて、さらに、追加の工程間クリーニングを行う。通常の工程間クリーニングと追加の工程間クリーニングとをあわせて、通常の工程間クリーニングよりも長時間の工程間クリーニングに置き換えてもよい。
【0035】
本発明の半導体製造工程の管理方法の好ましい実施例においては、把握した反応生成物の残留量に基づいて工程の優先順位を設定し、この設定に基づいて、工程の実施順序を決定する。しかし、優先順位の設定のみによって工程の実施順序が決定されるのではなく、その時に処理待ち状態にあるロット、または他の要因によっては、設定された優先順位とは異なる順序で工程が実施される場合もある。そのような場合、反応生成物の残留量が許容範囲を上回ることを防止するために、追加の工程間クリーニングが行われる。
【0036】
このように、本発明においては、反応生成物の生成または除去に対する作用が異なる複数のプロセスを適切な順序で組み合わせて実施することにより、長時間の工程間クリーニングを行うことによる生産性の低下を生じさせることなく、ウエットリーニングのサイクルを延長し、半導体装置の生産効率を高めることができる。
【0037】
以下、本発明の第1の実施例について説明する。図2は、本発明の第1の実施例に係る半導体製造ラインの管理システムを示すブロック図である。
図2に示すように、半導体製造ラインの管理システム10は、ホストコンピュータ(ホスト管理装置)12と、処理装置14、16、18(第1乃至第3のプラズマ装置)と、ウエハWを各処理装置14、16、18に搬送するAGV(Automated Guided Vehicle)またはRGV(Rail Guided Vehicle )等の搬送手段(図示せず)とを有し、ホストコンピュータ12と、処理装置14、16、18とがバスbを介して接続され、ネットワークを形成している。
【0038】
ホストコンピュータ12は、従来の管理システムにおけるホストコンピュータと同様に、半導体製造ラインの管理システム10全体を管理するコンピュータである。このホストコンピュータ12は、処理装置14、16、18の稼動状況を常に監視し、製品納期またはラインの稼動状況等に基づいて、処理装置14、16、18が、次に行うべき処理工程を処理装置14、16、18に指示するとともに、搬送手段に対して、処理すべきロットのウエハWを処理装置14、16、18に搬送することを指示する。また、ホストコンピュータ12は、後述するように処理装置14、16、18に設けられた個別管理装置20a、20b、20cから送られてきた処理工程の優先順位と、ホストコンピュータ12が管理する製品納期等に基づく優先順位とを比較し、許容できる場合には、個別管理装置20a、20b、20cの優先順位に基づいて処理すべきロットを選択し、処理装置14、16、18および搬送手段に指示を出す。
【0039】
処理装置14、16、18は、搬送手段により搬送されたロットのウエハWにエッチング処理を行うものであり、それぞれウエハWをエッチングするエッチングチャンバ15a(処理槽)と、各エッチング処理の終了を判断する終点検出手段(図示せず)と、個別管理装置20a、20b、20cとを有する。なお、図2において、処理装置16、18もエッチングチャンバ15aを有するものの図示を省略している。
エッチングチャンバ15aには、観察窓17が設けられている。この観察窓17は、エッチングチャンバ15a内部を観察するためのものであり、例えば、石英ガラス等からなる。
各個別管理装置20a、20b、20cについて、図3に基づいて説明する。図3は、個別管理装置20a、20b、20cの構成を示すブロック図である。
図3に示すように、個別管理装置20a(20b、20c)は、把握部22と、比較部24と、設定部26とを有する。
【0040】
把握部22は、各処理装置14のエッチングチャンバ15a内における残留する反応生成物の量を把握するものである。
反応生成物の残留量の把握は、それぞれのエッチングチャンバ15aに取り付けられた測定装置から送られる測定結果に基づいて行ってもよい。また、把握部内に各処理装置20a、20b、20cでのエッチングおよびクリーニングの実施記録を記憶しておき、この記録に基づいて行ってもよい。
比較部24は、この把握部22により把握された反応生成物の残留量と、予め設定された基準値との比較を行う。
【0041】
設定部26は、この比較部24の比較結果により、エッチングチャンバ15a内の反応生成物の残留量が基準値以下となるように、少なくとも次に実施する工程の優先順位を設定し、この設定した優先順位をホストコンピュータ12に通知するものである。
また、各個別管理装置20a、20b、20cは、設定部26による優先順位の設定によっても、反応生成物の残留量が基準値を超えると予測される場合には、追加のロット間クリーニングを行う指示を各処理装置14、16、18に出すことが好ましい。
なお、処理装置14、16、18は、プラズマを利用して各種の膜のエッチングを行うものであり、例えば、マグネトロンRIE装置、ECRプラズマエッチング装置、ヘリコン波プラズマエッチング装置、および誘導結合プラズマエッチング装置が挙げられる。
【0042】
次に、反応生成物の残留量の測定方法の一例について説明する。図4は、縦軸に発光強度をとり、横軸にウエハ処理枚数をとって、処理枚数の増加による発光強度の低下の度合いを模式的に示すグラフである。図4に示す発光強度は、エッチングチャンバ15a内でウエハのエッチングを行っている時に、プラズマ中に放出されるエッチング生成物からの発光強度のことであり、観察窓17(図2参照)を通して測定される。また、1枚目の発光強度は、十分に長い時間のロット間クリーニングを行った直後の発光強度を示すものである。
【0043】
図4に示すように、発光強度は、ウエハの処理枚数の増加とともに、低下している。発光強度の低下は、反応生成物が観察窓に付着し、透過率が低下するために生じる。このため、発光強度の低下の度合と、処理装置内に残留している反応生成物の量との関係を予め求めておくことにより、発光強度から処理装置内に残留している反応生成物の量を求めることができる。なお、反応生成物の量の測定方法は、これに限定されるものではない。例えば、エッチングチャンバ15a内のプラズマの発光スペクトル解析から測定することもできる。外部光を入れて測定した観察窓17の透過率等から測定することもできる。
【0044】
なお、図2には、各個別管理装置20a、20b、20cを各処理装置14、16、18の位置に設けた場合を示した。これにより、例えば、オフラインで各処理装置14、16、18のメンテナンスを行う作業者が把握部22に記憶した実施記録を確認し、修正することが容易にできる。しかし、各個別管理装置20a、20b、20cを設ける位置は、特に限定されるものではない。例えば、個別管理装置20a、20b、20cをホストコンピュータ12に設けて、集中管理するようにしてもよい。ホストコンピュータ12によって管理される下位のコンピュータをネットワーク上に設け、このコンピュータに個別管理装置20a、20b、20cを設けてもよい。
【0045】
本実施例の半導体製造工程の管理システム10においては、処理装置14、16、18の各個別管理装置20a、20b、20cの設定部26で、反応生成物の残留量が基準値以下となるように、少なくとも次に実施する工程の優先順位を設定し、この設定した優先順位をホストコンピュータ12に通知する。そして、ホストコンピュータ12で管理している優先順位、および現時点で処理待ち状態にあるロットを考慮して、各処理装置14、16、18から通知された優先順位に沿ったロットの選択が可能である場合には、ホストコンピュータ12は、そのロットを選択し、各処理装置14、16、18に対して、選択したロットの処理を指示する。これにより、反応生成物の量を基準値以下にすることができる。
一方、各処理装置14、16、18から通知された優先順位に沿ったロットの選択が不可能であれば、ホストコンピュータ12が管理する優先順位に沿って、次に処理するロットを選択し、各処理装置14、16、18に指示する。これにより、反応生成物の残留量が基準値を超えると予想される場合、各個別管理装置20a、20b、20cの指示部26は、対応する処理装置14、16、18に対して、追加のロット間クリーニングを行うように、指示を行う。
【0046】
このように、本実施例の半導体製造工程の管理システム10においては、個別管理装置20a、20b、20cの把握部22がエッチングチャンバ15a内の反応生成物の残留量を把握し、設定部26が、この把握した反応生成物の残留量に基づいて処理すべき工程の優先順位を設定し、この設定した優先順位をホストコンピュータ12に通知し、ホストコンピュータ12が、通知された優先順位を考慮して処理するロットを選択することにより、処理装置14、16、18でのエッチング工程を適切な順番で行うことができる。これにより、エッチングチャンバ15a内に残留する反応生成物の量を基準値以下にすることができる。また、生産状況等により設定部26の優先順位に基づくロットの選択ができず、反応生成物の残留量が基準値を超えてしまう場合には、ロット間クリーニングを追加する。この場合でも、図5に示された場合と比較すると、ロット間クリーニングの時間が必要最小限に抑えられ、総合的な稼働率は高く保つことができる。
【0047】
次に、本発明の半導体製造工程の管理システムによる管理方法について説明する。本実施例の管理方法においては、予めエッチング処理により残留する反応生成物の量を測定して、クリーニング効果を評価する。評価したエッチング工程は、以下の5種である。
【0048】
(1)ゲートエッチング
シリコン基板表面のシリコン酸化膜上に順番に積層されたポリシリコン膜34、タングステンシリサイド(WSi)膜および反射防止被膜(以下、BARC(Bottom Anti−Reflective Coating)膜ともいう)を、レジストパターンをマスクとして、それぞれ異なるエッチングガスを用いてエッチングする。これらの異なるエッチングガスを用いたエッチングは、同一のシリコン基板上に形成された積層膜をパターニングするために連続して行われる。本発明では、この一連のエッチング処理を単一の工程とみなす。このとき、各エッチングごとに残留する反応生成物の量を測定し、クリーニング効果を評価した。また、積層膜エッチング終了時のクリーニング効果を総合的に評価した。
【0049】
(2)コンタクトライトエッチング
コンタクトホールを形成する際に生じたシリコン基板表面のダメージ層を除去するため、炭化水素系のガスでエッチングを行う。このとき、残留する反応生成物の量を測定し、クリーニング効果を評価した。
【0050】
(3)アクティブエッチング
シリコン基板表面に形成されたシリコン窒化膜をレジストマスクでエッチングする。その後、シリコン窒化膜が除去された部分にLOCOS(Local Oxidation of Silicon)法によって素子分離膜を形成し、シリコン窒化膜の残された部分をアクティブ領域とする。このシリコン窒化膜エッチングにおいて残留する反応生成物の量を測定し、クリーニング効果を評価した。
【0051】
(4)STIエッチング
STI(Shallow Trench Isolation)法を用いて素子分離膜を形成するため、レジストマスクを用いて、まずBARC層を、次に、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜積層膜を、それぞれ別のガス系でエッチングし、さらに、露出されたシリコン基板表面領域を別のガス系でエッチングして、トレンチを形成する。本発明においては、ゲートエッチング同様、これらの異なるガス系を用いた一連のエッチング処理を、1つの工程とみなす。このとき、残留する反応生成物の量を測定し、クリーニング効果を評価した。
【0052】
(5)SiNサイドウォールエッチング
LDD(Lightly Doped Drain )構造を形成するために、パターニングされたゲート電極の上面および側面に形成されたシリコン窒化膜を異方性エッチングして、サイドウォールを形成する。このときに残留する反応生成物の量を測定し、クリーニング効果を評価した。
【0053】
このようなエッチング処理によるクリーニング効果について評価した結果を、使用するガス系とともに、下記表1に示す。なお、下記表1に示すように、ロット間クリーニングについても、クリーニング効果を評価している。
【0054】
【表1】
Figure 2004221313
【0055】
上記表1に示すクリーニング効果の欄において、「A」は、クリーニング効果(反応生成物が除去されること)が高いことを示し、「B」は、弱いクリーニング効果が得られることを示し、「C」は、少量の反応生成物が残留することを示し、「D」は、大量の反応生成物が残留することを示す。
この評価結果は、例えば、それぞれの処理装置14、16、18の個別管理装置20a、20b、20cの把握部22に記憶し、後から説明するように、実施記録に基づく反応生成物の残留量の把握において利用する。また、設定部26における優先順位の設定においても利用することができる。
【0056】
以下、本実施例の管理方法として、個別管理装置20a、20b、20cおよびホストコンピュータ12における工程の優先順位の設定、およびそれに基づく工程の実施の順序の決定方法について説明する。
先ず、エッチングチャンバ15a内で反応生成物を生成し、残留させる第1の工程と、この第1の工程で生成された反応生成物を除去する作用を有する第2の工程とを選択する。
【0057】
次に、エッチングチャンバ15a内の反応生成物の残留量を把握し、この把握した残留量に基づいて、第1の工程および第2の工程の実施順序を決定する。
本実施例において、第1の工程は、例えば、塩素および臭素の少なくとも一方を含むガスを用いたエッチング工程であり、ゲートエッチングが例示される。
また、第2の工程は、例えば、コンタクトライトエッチング、アクティブエッチング、およびSiNサイドウォールエッチングが例示される。特に、SFガスを含むガス系を用いたエッチングが好ましい。工程としては、表1において高いクリーニング効果が示されているアクティブエッチング、SiNサイドウォールエッチングが特に好ましい。これらはいずれもシリコン窒化膜のエッチング工程である。
【0058】
これらの選択した工程の実施順序の決定のため、個別管理装置20a、20b、20cの比較部24が、把握した反応生成物の残留量と基準値とを比較する。そして、この比較結果に基づいて、個別管理装置20a、20b、20cの設定部26が、第1の工程と第2の工程との優先順位を設定する。例えば、把握した反応生成物の残留量がパーティクル発生を起こさない許容範囲の上限に近い場合には、反応生成物を生成する第1の工程に比較して、反応生成物を除去する作用を有する第2の工程を優先する優先順位の設定を行う。そして、設定した優先順位をホストコンピュータ12に通知する。
【0059】
一方、ホストコンピュータ12には、製品の納期等によって決定される優先順位が、個別管理装置20a、20b、20cから通知される優先順位とは別に、設定されている。ホストコンピュータ12は、各個別管理装置20a、20b、20cから通知された優先順位とともに、ホストコンピュータ12側の優先順位の設定を考慮し、可能である場合には、処理待ち状態にあるロットの中から、各設定部26から通知された優先順位に沿うものを選択し、各処理装置14、16、18に対して、選択したロットの処理を実行させる指示を出す。
【0060】
しかしながら、処理待ち状態にあるロットの中に、個別管理装置が設定した優先順位に合致するものがない場合もある。また、ホストコンピュータ12側の優先順位の方が、個別管理装置20a、20b、20c側の優先順位よりも優先度が高く、ホストコンピュータ12側の優先順位に従って処理対象のロットが選択される場合もある。このような場合には、個別管理装置20a、20b、20cが設定した優先順位とは異なる順位で工程を実施することになる。
このため、反応生成物の残留量が基準値を超えることが予測される場合には、各個別管理装置20a、20b、20cが各処理装置14、16、18に追加のロット間クリーニングを行う指示を出す。そして、ロット間クリーニングによってエッチングチャンバ15a内の反応生成物の量を減少させてから、ホストコンピュータ12から指示されたロットのエッチング処理を行う。
【0061】
例えば、ホストコンピュータ12側では、処理装置14、16、18で行う処理に到着して処理待ち状態になった順番(到着順)と、現段階から標準的な処理速度で進んだ場合に予想される仕上がり日と納期との差(納期余裕度)と、一部のロットに対して設定される優先ランク付け(優先ランク)との3種の基準に基づく優先順位が設定されていると仮定する。この場合、例えば、優先ランクおよび納期余裕度が0以下(余裕が無い)の範囲の納期余裕度については、処理装置14、16、18から通知された優先順位よりも上位とし、それ以外については処理装置14、16、18から通知された優先順位よりも下位とする。すなわち、処理装置14、16、18のそれぞれで処理すべき工程で処理待ち状態になっているロットに、(1)優先ランクのロットがある場合には、それを選択し、(2)納期余裕度が0以下のロットがある場合には、納期余裕度が最小のロットを選択し、(3)優先ロットも、納期余裕度が0以下のロットも無い場合には、処理装置14、16、18から通知された優先順位が上位の工程のロットから、到着順および納期余裕度に従って処理対象ロットを選択する。
【0062】
反応生成物の残留量の把握は、エッチングチャンバに測定装置を取り付け、その測定結果に基づいて直接的に行ってもよい。また、個別管理装置20a、20b、20cの把握部22に記憶されたエッチングおよびクリーニングの実施記録と、表1に示されたようなそれぞれの工程のクリーニング効果についての評価結果とを用いて、間接的に行ってもよい。いずれの場合でも、把握した反応生成物の残留量と基準値との比較、および比較結果に基づく優先順位の設定は、様々な方法で行うことができる。
【0063】
測定結果から直接的に残留量を把握する場合、最も単純には、比較部24には、それ以上増加するとパーティクル発生が起きる反応生成物の残留量を基準値として記録するとともに、反応生成物を生成する第1の工程(3種以上の工程を同一のエッチングチャンバで実施する場合には、最も反応生成物の生成、残留量が多い工程)を1ロット実施した場合の反応生成物の増加量(その工程の実施の前に、常時、ロット間クリーニングを組み合わせて実施する場合であれば、クリーニングによる減少分も考慮した増加量)を記録する。そして、基準値と把握した反応生成物の残留量との差が、第1の工程による反応生成物の増加量に比較して小さくなったときには、第1の工程に対して、クリーニング効果を有する第2の工程の優先順位を高く設定する。
【0064】
比較部24には、基準値から第1の工程による増加量を引いた値を記録しておき、この値と把握した反応生成物の残留量との比較を行って、第2の工程の優先度を高くする優先順位の設定を行うことも可能である。複数の値を比較部24に記録しておき、多段階の優先順位の設定を行うことも可能である。基準値に対する余裕が大きいときには、逆に、第1の工程の優先順位を高くする設定を行うことも可能である。また、個別管理装置20a、20b、20cの設定部26において優先順位の設定を行うのではなく、比較部24での比較結果をホストコンピュータ12に通知して、ホストコンピュータ12側で優先順位の設定を行うことも可能である。
【0065】
実施記録から間接的に反応生成物の残留量を把握する場合には、例えば、前回のウエットクリーニング以後の実施記録、または最近の一定数のロットの実施記録と、表1に示されたような各工程のクリーニング効果についての評価結果に基づいて、反応生成物の残留量を把握する。各工程のクリーニング効果についての評価結果が、表1のように定性的なものでしかない場合には、反応生成物の残留量も定性的にしか把握することはできないが、実際の生産の中で適切な基準を定めれば管理は可能である。すなわち、定量的な反応生成物の残留量を直接的に把握することができず、例えば、A、B、C、Dランクの工程をそれぞれ何回行ったか、または、どのような比率で行ったかという指標で間接的に把握することしかできないとしても、これらの指標についての基準を定めておき、比較部24での比較を行い、その結果に基づいて、設定部26が優先順位の設定を行えばよい。
【0066】
例えば、表1に示したコンタクトライトエッチング(Bランク)とアクティブエッチング(Aランク)とゲートエッチング(Cランク)とを同一のエッチングチャンバで処理することとし、これらの工程の実施比率について1:1:2の基準を設けて管理することができる。具体的には、例えば、反応生成物を生成するゲートエッチングの実施比率がこの基準に達したときには、ゲートエッチングに対して、クリーニング効果を有するコンタクトライトエッチングおよびアクティブエッチングの優先順位を高くする設定を行う。または、次に述べるように、それぞれの工程のランクをポイントに置き換えて管理することも可能である。
【0067】
一般に、自動化された半導体装置の製造ラインでは、各処理装置14、16、18から、ウエハ(ロット)の搬入要求をホストコンピュータ12に出し、ホストコンピュータ12は、各処理装置14、16、18で処理するロットを選択し、搬送手段に該当処理装置への選択したロットのウエハの搬送を指示するとともに、該当処理装置には処理内容(レシピ)を指示することにより半導体装置が製造されている。本発明は、このような半導体製造ラインに組み込むことにより有効に機能する。
【0068】
本実施例の効果を確認するために、ゲートエッチングとコンタクトライトエッチングとアクティブエッチングとの3種の工程を同一の処理装置のエッチングチャンバ内で実施した。
【0069】
本実施例の管理方法は、上記表1に示すA、B、C、Dのクリーニング効果の評価を、さらにポイント(数値)に置き換えて管理を行う。このポイントは、各個別管理装置20a、20b、20cの各把握部22に記憶されている。
【0070】
本実施例においては、上記表1のクリーニング効果の欄に示す「A」を−2/ロット、「B」を−1/ロット、「C」を+2/ロット、「D」を+4/ロットとし、SF系ガスを用いたロット間クリーニングは、時間により、そのポイントを変え、短時間(2分未満)では−1/ウエハとし、中時間(5分±3分)では−2/ウエハとし、長時間(8分を超える)では−3/ウエハとした。このようにして、下記表2に示すように各エッチング処理について、1ロット当りの処理についてポイントを割り当てた。なお、1ロットは、ウエハ24枚である。
【0071】
【表2】
Figure 2004221313
【0072】
本実施例において、通常は、ロット間クリーニングを中時間に設定しておき、過去10ロットの累積ポイントでエッチングチャンバ15a内の反応生成物の残留量を把握し、把握した残留量に基づいて工程の優先順位を設定し、次に、実施する工程を決定した。
すなわち、1つのロットの処理を完了した時点で、過去10ロットの累積ポイントを、その間に行ったロット間クリーニングを含めて算出し、0以上になった場合には、次に行う工程として、反応生成物の残留が発生するゲートエッチングおよびSTIエッチングよりも、クリーニング効果を有するコンタクトライトエッチングおよびSiNサイドウォールエッチングの優先順位を高くする設定を行って、ホストコンピュータ12に通知する。そして、この優先順位設定にもかかわらず、ホストコンピュータ12からSTIエッチングのロット処理を指示された場合には、そのロットの処理の前に、ロット間クリーニングを追加して行うこととした。但し、実際には、常時行う中時間のロット間クリーニングと追加のロット間クリーニングとをまとめて、長時間のロット間クリーニングを行うこととした。
【0073】
一方、ゲートエッチングの場合には、中時間のロット間クリーニングを行うことによって合計ポイントを0にできるので、優先順位の設定にもかかわらず処理が必要になった場合にも、ロット間クリーニングの追加は行わないこととした。なお、いずれの場合にも、各ロットの処理前には1枚のウエハのダミーランを行った。そして、ウエハ処理枚数が概略500枚を超える毎にパーティクルチェックを行い、0.2μm径以上のパーティクル増大数が50個以上になった場合には、連続運転を中止し、エッチングチャンバのウエットクリーニングを行うこととした。パーティクルチェックは、エッチングに使用するガスを流した状態で行なった。このような管理方法でエッチング装置の連続運転を行ったところ、表2に示すように、コンタクトエッチング19ロット、ゲートエッチング473ロット、STIエッチング32ロット、SiNサイドウォールエッチング4ロット、合計528ロット、12672枚、ロット間クリーニングに使用したウエハを含めれば13200枚のウエハの処理を行う間、パーティクル発生は観察されなかった。この間、STIエッチングのロット数が少なかったこともあり、長時間のロット間クリーニングは1度も行わなかった。
【0074】
これに対して、同一のエッチング装置でゲートエッチングのみを連続して行った場合には、ロット間クリーニングに使用するウエハを含めて7000枚程度しか連続運転を行うことができなかった。
これらの結果により、本発明の管理方法によって、過剰な工程間(ロット間)クリーニングの実施を避けながら連続処理可能枚数が大幅に増大し、生産能力を大幅に高めることができることが確認された。なお、本発明においては、複数のエッチング工程を適切に組み合わせることによって連続処理可能枚数の増大を実現しているのであり、各工程の条件を変更しているのではない。すなわち、反応生成物の残留が発生するゲートエッチングおよびSTIエッチングも、最良の加工精度が得られる条件で行っている。従って、加工精度を維持した状態で生産能力を高めることができる。
【0075】
本実施例では、累積ポイントが0を超えないように工程の順番を決定することによって、パーティクルの発生がなく、長時間連続して運転することが可能になった。この結果から、累積ポイントが0を超えなければ、エッチングチャンバ内に残留する反応生成物の量をパーティクルが発生する値よりも小さな範囲に抑制できることがわかる。しかし、ここで、工程の順番決定のための基準値として使用した累積ポイントの設定値は、余裕を見て設定したものであり、それを超えても直ちにパーティクル発生が起きるとは限らない。従って、実際の連続運転においてパーティクル発生が起きない範囲で累積ポイントの設定値を大きくすることにより、より柔軟性を持って工程管理を行うことができる。例えば、STIエッチング等の反応生成物の残留量の大きな工程の割合が増えた場合であっても、長時間のロット間クリーンリングを不要とし、処理能力を高く保つことができる。
【0076】
本実施例では、各ロットの処理前に中時間のロット間クリーニングを行った。しかし、累積ポイントがマイナスである場合には、中時間のロット間クリーニングを短時間のロット間クリーニングに置き換えることも可能である。さらに、累積ポイントおよび前後の工程の関係によっては、ロット間クリーニングを完全に省略して、より生産効率を高めることも可能である。
また、本実施例では、各ロットの処理前にダミーランを行ったが、工程によってはダミーランを省略してさらに生産効率を高めることも可能である。例えば、コンタクトライトエッチングのように、高い加工精度を要求されない工程ではダミーランの省略が可能である。
【0077】
また、本実施例においては、1ロットの処理ウエハ枚数を24枚に固定して、表2に示すように、1ロット当りのポイントを固定した。しかし、1ロット当りのポイントを処理枚数により、可変としてもよい。このように、1ロット当りのポイントを可変にすることにより、更に精度が高い工程管理が可能である。
【0078】
本実施例では、工程管理に利用する反応生成物の残留量の把握を、測定によって直接的に行っているのではなく、過去の実施記録に基づいて間接的に行っている。当然のことながら、反応生成物の残留量を直接的に把握した方がより精度の高い管理が行える可能性がある。しかし、管理対象の処理装置の構成によっては、生産を行っている状態での残留量の測定が不可能であったり、可能ではあっても、測定に時間が必要であるために生産能力の低下を招いたりする場合がある。このような場合には、残留量の間接的な把握に基づいて管理を行うようにすることが好ましい。
【0079】
但し、間接的な把握では現実との誤差が発生する可能性があるので、定期的に測定を行い、間接的に把握した値との比較を行って、間接的な把握のために利用しているパラメータ、本実施例においてはポイントを、補正することが好ましい。この補正は、例えば、予め定められたロット数を処理した時点で、個別管理装置20a、20b、20cが測定結果を受け取って、自動的に実施するようにすることが好ましい。
【0080】
また、本実施例では、現時点でのエッチングチャンバ内の反応生成物の残留量を把握し、この把握した残留量に基づいて次に実施する工程の優先順位を設定した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、各処理装置14、16、18でのロット処理が終わってから、次のロットをホストコンピュータ12に要求する製造ラインにおいては、現時点の反応生成物の残留量しか把握することができない。しかし、現在実施中の処理が終了する以前に、次に処理するロットを決定する場合には、次のロットの処理を終えた段階での反応生成物残留量を予想して把握し、この把握した将来の反応生成物の残留量を基に、優先順位の設定を行うことができる。
【0081】
反応生成物の残留量が基準値を超える寸前になって、次に実施する工程の優先順位を設定するのではなく、基準値に対する余裕が小さくなった時に、将来実施する複数の工程についての優先順位を設定することも可能である。半導体装置を製造する製造ラインにおいては、ラインを複数のベイに分け、それぞれベイに複数の処理装置と、それらの処理装置で処理すべきロット、およびそれらの処理装置での処理を終えたロットを一時的に保管するストッカを設けることが一般的である。この場合、次に実施する工程の優先順位を設定して、管理対象の処理装置が設置されたベイのストッカに処理待ち状態で保管されているロットの中から次に処理するロットを選択するために利用するだけではなく、将来の工程についての優先順位を設定し、ベイ間搬送を行うロットの選択のために利用することもできる。すなわち、高い優先順位に設定された工程のロットを優先的にベイ間搬送し、処理待ち状態にすることができる。
【0082】
以上、本発明の半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムについて詳細に説明した。本発明において、組み合わせる対象の処理工程、組み合わせる処理工程数、各処理工程の実施回数の比率、各処理に使用されるガスの種類等は特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明の半導体製造工程の管理方法および半導体製造ラインの管理システムによれば、同一の処理層内で複数の異なった処理工程を、順序を適切に決定して実施することにより、加工精度、その他の工程品質を低下させることなく、反応生成物の残留、および蓄積に伴う生産能力の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】縦軸にエッチングチャンバ内の反応生成物の残留量をとり、横軸に時間をとって、単一のエッチングチャンバ内で複数の工程を混合処理した場合の反応生成物の付着状況(エッチングチャンバ内の清浄度合)を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施例に係る半導体製造ラインの管理システムを示すブロック図である。
【図3】個別管理装置の構成を示すブロック図である。
【図4】縦軸に発光強度をとり、横軸にウエハ処理枚数をとって、処理枚数の増加による発光強度の低下の度合いを模式的に示すグラフである。
【図5】従来の半導体製造工程を工程順に示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 半導体製造工程の管理システム
12 ホストコンピュータ
14、16、18 処理装置
15a エッチングチャンバ
17 観察窓
20a、20b、20c 個別管理装置
22 把握部
24 比較部
26 設定部

Claims (10)

  1. 少なくとも2つの異なったプラズマ工程を同一の処理槽内で実施する半導体製造工程の管理方法であって、
    前記同一の処理槽内で実施するプラズマ工程として、前記処理槽内で反応生成物を生成する第1のプラズマを利用する第1の工程と、
    前記第1の工程で生成された反応生成物を除去する作用を有する第2のプラズマを利用する第2の工程とを選択し、
    前記処理槽内に残留した反応生成物の量を把握し、前記把握した反応生成物の残留量に基づいて、前記第1の工程と、前記第2の工程との実施順序を決定することを特徴とする半導体製造工程の管理方法。
  2. 前記第1の工程は、塩素および臭素の少なくとも一方を含むガスを用いたエッチング工程であり、
    前記第2の工程は、弗素を含むガスを用いたエッチング工程であることを特徴とする請求項1に記載の半導体製造工程の管理方法。
  3. 前記第2の工程は、シリコン窒化膜のエッチング工程であることを特徴とする請求項2に記載の半導体製造工程の管理方法。
  4. 前記把握した反応生成物の量に基づいて、前記第1の工程と、前記第2の工程との実施の優先順位を設定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体製造工程の管理方法。
  5. 前記優先順位の設定において、前記第1の工程に対して前記第2の工程の実施を優先することを設定したにもかかわらず、前記第2の工程よりも前記第1の工程を先に実施する場合には、前記第1の工程の実施以前に前記処理槽内に残留した反応生成物を除去するクリーニングを追加することを特徴とする請求項4に記載の半導体製造工程の管理方法。
  6. 少なくとも1つの製造装置がプラズマ装置を含む、複数の製造装置を利用して、第1および第2の工程を含む、複数の工程を実施して、半導体装置を製造する製造ラインを管理する管理システムであって、
    前記プラズマ装置は、処理槽を有し、前記処理槽内で反応生成物を生成する第1のプラズマを利用する前記第1の工程と、前記第1の工程で生成された反応生成物を除去する作用を有する第2のプラズマを利用する前記第2の工程とを実施し、または更に前記処理槽内に残留した反応生成物を除去するクリーニングを実施するものであり、
    前記プラズマ装置で実施する前記第1および第2の工程の実施順序を決定するホスト管理装置と、
    前記プラズマ装置を管理する個別管理装置を含み、
    前記個別管理装置は、前記プラズマ装置の前記処理槽内に残留した反応生成物の量を把握し、前記把握した反応生成物の残留量に基づいて、前記第1の工程と前記第2の工程との優先順位を設定し、前記設定した優先順位を前記ホスト管理装置に通知することを特徴とする半導体製造ラインの管理システム。
  7. 前記個別管理装置は、前記優先順位の設定において、前記第1の工程に対して前記第2の工程を優先することを設定したにもかかわらず、前記第2の工程よりも前記第1の工程を先に実施する場合には、前記プラズマ装置に対して、前記第1の工程の実施以前に、前記クリーニングを追加することを指示することを特徴とする請求項6に記載の半導体製造ラインの管理システム。
  8. 前記個別管理装置は、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングのそれぞれの実施記録に基づいて前記反応槽内に残留した前記反応生成物の量を把握することを特徴とする請求項6または7に記載の半導体製造ラインの管理システム。
  9. 前記個別管理装置は、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングのそれぞれに対して設定された、前記反応生成物の生成および除去に対する効果を表すポイントを記憶しており、前記第1および第2の工程ならびにクリーニングの実施記録および前記ポイントを利用して前記反応槽内に残留した前記反応生成物の量を把握することを特徴とする請求項8に記載の半導体製造ラインの管理システム。
  10. 前記個別管理装置は、前記プラズマ装置から前記反応槽内の反応生成物の量の測定結果を受け取り、前記受け取った測定結果と前記把握した前記反応槽内に残留した反応生成物の量とを比較した結果に基づいて、前記ポイントの補正を行うことを特徴とする請求項9に記載の半導体製造ラインの管理システム。
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