JP2004219435A - ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料、ホログラム作製方法及びホログラム作製システム - Google Patents

ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料、ホログラム作製方法及びホログラム作製システム Download PDF

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Noriyuki Kokeguchi
典之 苔口
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Konica Minolta Inc
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Abstract

【課題】本発明の目的は、ホログラム作製時の簡便性と環境適性に優れ、ホログラム記録画像保存性が良好なホログラム記録用ハロゲン化銀写真感光材料と、コンシューマーが撮影と画像鑑賞を気軽に簡便に楽しめるホログラム作製方法及びホログラム作製システムを提供することである。
【解決手段】支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が5nm以上、50nm以下であって、かつ難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有することを特徴とするホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホログラム画像保存性、ホログラム作製時の簡便性と環境適性に優れた、かつコンシューマーが気軽に楽しめるホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料、ホログラム作製方法及びホログラム作製システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
立体的に画像を鑑賞できる表示方式として、従来よりホログラム方式、レンチキュア方式、ステレオ方式等の種々の方式が知られているが、その中でもホログラム方式は再生画像の画質と情報量が圧倒的に高く、また、観察者が視覚的に違和感のない自然な立体像が観察できるポテンシャルの高い方式とされている。
【0003】
ホログラム方式とは、物体からくる光の波を、参照波との干渉縞の形で記録材料上に記録し、このホログラムからの回折光として物体光の波面を再生する方法である。特に、リップマンホログラム、レインボーホログラム、ホログラフィックステレオグラムは、白色光再生ホログラムとして観賞用記録材料に適した方式である。
【0004】
ホログラム記録材料として、ハロゲン化銀写真感光材料、重クロム酸ゼラチン、フォトポリマー等が知られている。重クロム酸ゼラチンは、感度が低く高出力レーザーが必要、重クロム酸アンモニウム等の環境に好ましくない液処理を伴い、更に記録した後の画像が湿度に弱い等の欠点がある。また、フォトポリマーは高解像度ではあるが、感度が低く長露光時間が必要であるという欠点を有している。一方、ハロゲン化銀写真感光材料(以下、単に感光材料ともいう)は、桁違いに高感度で露光適性に優れ、材料のハンドリングも手軽に行えるが、環境に好ましくない処理液を扱う必要があり、ハンドリング面で更なる技術改良が望まれている。
【0005】
上述のハロゲン化銀写真感光材料として、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料が開示されている(例えば、特許文献1及び2参照。)が、いずれも感光材料を処理液浴槽に浸漬する処理を必要とする方法であって、環境適性に劣るという欠点を有している。
【0006】
また、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料の処理の利便性を向上技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)が、開示されている方法は確かに簡便で環境適性に優れるが、振幅型ホログラムを形成する方法であって、回折効率が低く、また感光材料の構成に由来すると推定される生保存性及び記録画像の画像保存性が十分でないという欠点を有している。
【0007】
一方、水の存在下で処理部材と感光材料とを重ね合わせて熱現像を行う処理方式が開示されている(例えば、特許文献4及び5参照。)が、この方法においては、ホログラム記録ハロゲン化銀写真感光材料に関する記載は一切見られない。
【0008】
また、静止画像に画像処理を選択的に施して画像列を作成し、この画像列を用いて視点変換画像処理、画像処理蓄積出力手段、ホログラフィックステレオグラム印刷手段を行う方法が開示されている(例えば、特許文献6参照。)が、この方法においては、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を用いるシステムに関する記載は一切見られない。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−123643号公報
【0010】
【特許文献2】
特開平10−149084号公報
【0011】
【特許文献3】
特開2001−305938号公報
【0012】
【特許文献4】
特開平9−325463号公報
【0013】
【特許文献5】
特開平9−146246号公報
【0014】
【特許文献6】
特開2002−123159号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ホログラム作製時の簡便性と環境適性に優れ、ホログラム記録画像保存性が良好なホログラム記録用ハロゲン化銀写真感光材料と、コンシューマーが撮影と画像鑑賞を気軽に簡便に楽しめるホログラム作製方法及びホログラム作製システムを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、以下により達成される。
【0017】
1.支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が5nm以上、50nm以下であって、かつ難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有することを特徴とするホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料。
【0018】
2.支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が、5nm以上、50nm以下であって、かつ前記一般式(1)〜(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料。
【0019】
3.ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、銀漂白剤及びハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0020】
4.ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、銀漂白剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0021】
5.ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、ハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0022】
6.難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、物理現像核、錯形成化合物及びハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせて加熱してホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0023】
7.ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、アクチベータ処理することによりホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0024】
8.前記1または2項に記載のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を用いてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
【0025】
9.デジタルスチルカメラで撮影された複数画像に対して画像演算処理を施してホログラフィックステレオグラム用の画像情報を作成し、該画像情報に基づいてホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料に、ホログラフィックステレオグラムを記録することを特徴とするホログラム作製システム。
【0026】
10.デジタルスチルカメラで撮影された複数画像を基に、ホログラム干渉縞パターンを演算し、少なくとも該干渉縞パターンの光学的表示画像を縮小露光してホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料に記録することを特徴とするホログラム作製システム。
【0027】
以下、本発明のホログラム記録用ハロゲン化銀写真感光材料、ホログラム作製方法及びホログラム作製システムの詳細について説明する。
【0028】
請求項1に係るホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料は、支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が5nm以上、50nm以下であって、かつ難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有することを特徴とする。
【0029】
本発明に係るホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料は、透過型であり、感光材料の解像力は、高ければ高いほど好ましい再生画像が得られる。
【0030】
一般に、感光材料の解像力は、ハロゲン化銀粒子サイズに大きく左右されるが、本発明に係る感光材料に使用されるハロゲン化銀粒子の平均粒径は、5〜50nmであり、特に好ましい平均粒径は10〜40nmである。平均粒径が小さい程、現像処理時間も短縮でき、高い解像力が得られ、かつ失透性のない画像が得られることから好ましい。しかし、過度に小さい粒径のハロゲン化銀粒子の使用は、感度の低下、画像や処理液の汚染、あるいは感光材料の保存安定性の劣化等の欠点を招くおそれがあり、好ましくない。
【0031】
本発明でいう平均粒径とは、写真科学の当該分野では常用されており、容易に理解される用語であり、粒径とは粒子が球状または球に近似できる粒子の場合には粒子直径を意味する。また、粒子が立方体である場合には球に換算し、その球の直径を粒径とする。平均粒径を求める方法の詳細についてはC.E.K.Mees&T.H.James著:The theory of the photographic process,第3版,36〜43頁(1966年.マクミラン社刊)を参照することができる。
【0032】
本発明に係るハロゲン化銀粒子は、平均粒径が0.05μm以下のいわゆるリップマン乳剤を使用することができる。リップマン乳剤としては、英国特許第1,139,062号、米国特許第3,573,057号、特公昭49−8333号などに記載のハロゲン化銀乳剤を用いることができる。特に好ましいハロゲン化銀乳剤としては、例えば、特開昭58−160948号、特開昭60−12540号に記載のハロゲン化銀乳剤を使用するのが好ましい。
【0033】
本発明に係るホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料で用いられるハロゲン化銀乳剤のハロゲン化銀組成としては、塩化銀、沃化銀、臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀などの何れでもよく、好ましくは沃化銀含有率が5.0モル%以下の沃臭化銀乳剤である。
【0034】
本発明で規定する平均粒径を有する超微粒子のハロゲン化銀粒子の製造方法としては、特に制限はないが、硝酸銀水溶液と水溶性ハロゲン化物水溶液をシングルジェット法、ダブルジェット法、またはコントロールダブルジェット法等を用いて混合し製造する方法が好ましい。
【0035】
本発明においては、調製したハロゲン化銀粒子(核粒子)を成長させてもよいし、核発生から連続して成長させてハロゲン化銀粒子を形成してもよい。また、粒径の微粒子化を更に進める方法としては、上記の混合作業をアザインデン類、メルカプト化合物類、ベンゾトリアゾール類、ベンズイミダゾール類、インダゾール類、フタラジン類等のハロゲン化銀難溶化剤の存在下で行う方法、硝酸銀水溶液と水溶性ハロゲン化物水溶液とをインラインミキシングし、次いで連続して難溶化剤や水混和性有機溶媒液をインラインミキシングする方法、水混和性有機溶媒中に前記の両水溶液を添加する方法等が好ましい例として挙げられる。
【0036】
本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形状は、特に制限はなく、平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その他何れの形状でもよい。好ましくは立方体状の粒子が好ましい。
【0037】
また、粒子を生成する過程及び/または成長させる過程で、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを添加し、粒子内部及び/または粒子表面にこれらの金属元素を含有させることができる。
【0038】
上記金属イオンの中でも、高照度不軌特性の改良効果を考慮すると、イリジウムの金属塩が最も好ましい結果を示す。また、金属塩はd軌道を満たす様に配位した錯体構造が好ましく、配位子としては、ハロゲン、シアノ、ニトロシルの各基、HOが好ましい。特に、ハロゲンイオン、HO、ニトロシル基、チオニトロシル基、シアンイオンから選択される配位子を有する遷位金属錯体であることが好ましい。
【0039】
本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、あるいは含有させたままでもよい。該塩類を除去する場合には、リサーチ・ディスクロージャー(以降、RDと称す)17643のII項に記載の方法に基づいて行うことができる。また、ヌーデル水洗や限外濾過により、塩類を除去することもできる。
【0040】
本発明において、ハロゲン化銀粒子は化学増感を施されることが好ましい。化学増感法としては金増感、周期表VIII族、例えば、Pd、Ptなどによる貴金族増感、硫黄増感、還元増感、カルコゲン化合物による増感或いはこれらを組み合わせた増感法が好ましく用いられる。この中でも金増感と硫黄増感、金増感とカルコゲン化合物、例えば、セレン化合物との組み合わせが好ましい。
【0041】
上記セレン化合物の添加量は任意に設定できるが、好ましくは化学増感の際にセレン化合物とチオ硫酸ナトリウムを併用することであり、更に好ましくは両者のモル比が2:1〜1:1の割合で使用することである。
【0042】
セレン化合物としては、従来公知の広範な化合物が挙げられ、有用なセレン化合物としては、例えば、コロイドセレン金属、イソセレノシアネート類(例えば、アリルイソセレノシアネート等)、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿素、トリエチルN,N,N′−セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセレノ尿素等)、セレノケトン類(例えば、セレノアセトン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例えば、セレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズアミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類(例えば、2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えば、トリ−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類(例えば、トリフェニルフォスフィンセレナイド、ジエチルセレナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられる。特に好ましいセレン増感剤は、セレナイド類、セレノ尿素類、セレノアミド類及びセレンケトン類である。
【0043】
セレン増感剤の使用量は、使用するセレン化合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変化し一様ではないが、一般にはハロゲン化銀1モル当たり1×10−8〜1×10−4モル程度を用いる。添加方法は、使用するセレン化合物の性質に応じて、水またはメタノール、エタノールなどの有機溶媒の単独または混合溶媒に溶解して添加する方法でもよい。また、ゼラチン水溶液と予め混合して添加する方法、あるいは特開平4−140739号に開示されている方法で有機溶媒可溶性のポリマーとの混合溶液の乳化分散物の形態で添加する方法でもよい。
【0044】
セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は、40〜90℃の範囲が好ましく、より好ましくは45〜80℃である。またハロゲン化銀乳剤のpHは4〜9、pAgは6〜9.5の範囲が好ましい。
【0045】
また、化学増感をハロゲン化銀粒子に吸着性を有する化合物の存在下に行うことも好ましい。化合物としては、アゾール類、例えば、ジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、インダゾール、イミダゾール、チアゾール類など、更にはピリミジン、アザインデン類などが挙げられ、特にこれらの核にメルカプト基或いはアリール基を置換した化合物が好ましい。
【0046】
本発明のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料においては、難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有することが1つの特徴である。
【0047】
本発明でいう難溶性とは、20℃の水に対する溶解度(水100g中に溶解する溶質のグラム数)が0.5以下のことであり、金属酸化物または金属水酸化物の例として、下記一般式〔I〕で表される金属化合物を用いることが好ましい。
【0048】
一般式〔I〕

ここで、Zはアルカリ金属以外の金属を表し、Xは酸化物イオン、水酸化物イオン、炭酸イオン、燐酸イオン、硼酸イオンまたはアルミン酸イオンを表す。m及びnは各々、ZとXの原子価が均衡を保てるような整数を表す。
【0049】
一般式〔I〕で表される金属化合物は結晶水を有してもよく、又、複塩を形成してもよい。Zの好ましい例としては、Zn2+、Co2+、Ni2+、Fe2+、Mn2+、Cu2+、Hg2+、Zr2+等の遷移金属イオン及びBa2+、Sr2+、Ca2+等のアルカリ土類金属イオンが挙げられるが、特に好ましくは、Zn2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Mn2+が挙げられる。Xの好ましい例としては、酸化物イオン、水酸化物イオンが挙げられる。
【0050】
一般式〔I〕で表される水に難溶な金属化合物の具体例を以下に挙げる。
例えば、Zn(OH)、ZnO、Co(OH)、CoO、Ni(OH)、Cu(OH)、Fe(OH)、Mn(OH)、BaCO、SrCO、CaCO、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸コバルト、塩基性炭酸ニッケル、塩基性炭酸ビスマスなどを挙げることができる。これらの化合物の中でも、特に水を含む分散媒で分散した時に、分散液に着色のないものが好ましく、最も好ましいのはZnO、Zn(OH)である。
【0051】
本発明に係る上記難溶性金属化合物の好ましい添加量は、感光材料の1平米あたり1.0mmol〜100mmolであり、感光材料中の好ましい添加層は感光性ハロゲン化銀が存在しない層への添加することが好ましい。
【0052】
請求項2に係る発明においては、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料が、支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有し、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が5nm以上、50nm以下であって、かつ前記一般式(1)〜一般式(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の現像主薬を含有することが特徴である。
【0053】
以下、本発明に係る前記一般式(1)〜一般式(6)で表される現像主薬の詳細について説明する。
【0054】
前記一般式(1)で表される化合物は、スルホニルヒドラジンと総称される化合物である。また、前記一般式(3)で表される化合物は、カルバモイルヒドラジンと総称される化合物である。式中、Zは芳香環を形成する原子群を表す。Zによって形成される芳香環は、本発明に係る化合物に銀現像活性を付与するため、十分に電子吸引的であることが必要である。このため、含窒素芳香環を形成するか、あるいはベンゼン環に電子吸引性基を導入したような芳香環が好ましく使用される。このような芳香環としては、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、キノリン環、キノキサリン環等が好ましい。ベンゼン環の場合、その置換基としては、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等)、ハロゲン原子(例えば、クロル基、ブロム基等)、アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイル基等)、アリールカルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基等)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル基等)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基等)、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、アルキルカルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基等)、またはアリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等)等が挙げられるが、上記置換基のハメット定数σ値の合計は1以上である。
【0055】
前記一般式(2)で表される化合物は、スルホニルヒドラゾンと総称される化合物である。また、前記一般式(4)で表される化合物は、カルバモイルヒドラゾンと総称される化合物である。Rは置換または無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基等)を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表すが、アルキル置換の3級窒素原子が好ましい。R、Rは各々水素原子または置換基を表し、R、Rが互いに結合して2重結合または環を形成してもよい。
【0056】
前記一般式(5)で表される化合物はスルホンアミドフェノールまたはスルホンアミドアニリンと総称される化合物である。R〜Rは各々水素原子、ハロゲン原子(例えば、クロル基、ブロム基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等)、アルキルカルボアミド基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基等)、アリールカルボアミド基(例えば、ベンゾイルアミノ基等)、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基等)、アリールスルホンアミド基(例えば、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等)、アルキルカルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジルカルバモイル基、モルホリルカルバモイル基等)、アリールカルバモイル基(例えば、フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基等)、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジルスルファモイル基、モルホリルスルファモイル基等)、アリールスルファモイル基(例えば、フェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基等)、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基等)、アリールスルホニル基(例えば、フェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、アルキルカルボニル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基等)、アリールカルボニル基(例えば、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等)、またはアシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基等)を表す。R〜Rの中で、R及びRは好ましくは水素原子である。また、R〜Rのハメット定数σp値の合計は0以上となることが好ましい。
【0057】
はアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、ラウリル基、セチル基、ステアリル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、4−メトキシフェニル基、ドデシルフェニル基、クロロフェニル基、トリクロロフェニル基、ニトロクロロフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、4−ドデシルオキシフェニル基、3,5−ジ−(メトキシカルボニル)基等)、または複素環基(例えば、ピリジル基等)を表す。Yはヒドロキシル基または置換もしくは無置換のアミノ基を表す。
【0058】
前記一般式(1)〜(5)で表される化合物の具体例は、例えば、特開2001−281824号公報の段落番号〔0042〕〜〔0061〕に記載されている化合物が挙げられる。
【0059】
次に、前記一般式(6)で表される化合物について説明する。
一般式(6)において、R21〜R25は、それぞれ水素原子または置換基を表し、R21〜R25で表される具体的な置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、クロル基、ブロム基等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基等)、カルボンアミド基(例えば、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ブチロイルアミノ基、ベンゾイルアミノ基等)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホニルアミノ基、エタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、トルエンスルホニルアミノ基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、ブチルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、トリルチオ基等)、カルバモイル基(例えば、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、ジブチルカルバモイル基、ピペリジノカルバモイル基、モルホリノカルバモイル基、フェニルカルバモイル基、メチルフェニルカルバモイル基、エチルフェニルカルバモイル基、ベンジルフェニルカルバモイル基等)、スルファモイル基(例えば、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ピペリジノスルファモイル基、モルホリノスルファモイル基、フェニルスルファモイル基、メチルフェニルスルファモイル基、エチルフェニルスルファモイル基、ベンジルフェニルスルファモイル基等)、シアノ基、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、フェニルスルホニル基、4−クロロフェニルスルホニル基、p−トルエンスルホニル基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基、ベンゾイル基、アルキルベンゾイル基等)、ウレイド基(例えば、メチルアミノカルボンアミド基、ジエチルアミノカルボンアミド基等)、ウレタン基(例えば、メトキシカルボンアミド基、ブトキシカルボンアミド基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチロイルオキシ基等)、またはヒドロキシル基等を挙げることができ、これらの基はさらに置換基を有していても良い。
【0060】
は、水酸基または置換アミノ基を表す。Aにおける置換アミノ基の置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、複素環基等が挙げられ、また置換基は互いに環を形成しても良く、さらに置換基を有していても良い。R24とR23、R21とR22は、互いに結合して環を形成していてもよい。Aの置換アミノ基とR21またはR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。
【0061】
前記一般式(6)で表される化合物の具体例としては、特開2002−55418号公報の段落番号〔0125〕〜〔0128〕に記載の各化合物を挙げることができる。
【0062】
請求項3〜5に係る各ホログラム作製方法は、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を加熱現像した後、該感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、銀漂白剤及び/またはハロゲン化銀定着剤を含む処理部材とを重ね合わせることによりホログラムを作製することが特徴である。
【0063】
本発明でいう感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量とは、以下の様に定義する。感光材料を40℃、相対湿度60%の雰囲気下で48時間以上放置して測定した感光材料の単位面積あたりの質量を質量Aとする。次に、感光材料のバック層を除く全構成層に蒸留水を与えて、十分に塗膜を膨潤させた後、感光材料の表面の余分な蒸留水を濾紙等で拭き取った後の感光材料の単位平米あたりの質量を質量Bとする。最大膨潤させるに要する量とは、質量B−質量A(g/m)と定義する。
【0064】
感光材料への付与量が最大膨潤に必要な量の1/10以下の水性媒付与量では、反応液量が不足し、十分な反応が進行しないことにより処理ムラが起こりやすくなり、また100倍以上の水性媒付与量では逆に反応液量が多すぎて、装置等に汚染を生じやすくなるという不具合が生ずる場合がある。
【0065】
本発明における処理部材とは、感光材料と重ね合わせて現像、漂白、定着等の各処理を行うのに用いるシート状の部材のことをいい、支持体を有してもよく、有していなくてもよく、現像処理、漂白処理、定着処理の各機能を有する化合物を感光材料に供給する機能や、反応場として反応溶媒を保持する機能を有する。
【0066】
本発明において、処理部材を用いる場合は、感光材料を薬液に浸漬する代わりに、感光材料に処理部材を重ね合わせて処理を行うことが特徴であり、これにより、薬液を用いる必要がなく、または大幅に薬液を減少させることができる。また、これに付随して、薬液を入れておく容器が不要となり、また処理槽等のスペース等を省くことができる。更に、現像に要する時間を短縮したり、薬品による装置汚染を防止することも可能となる。本発明に係る処理部材は、市販のフィルムのように多層構造であってもよい。このときの個々の層を単に「層」あるいは「構成層」ともいう。これらの構成層には親水性バインダーを用いることができ、また、その層に発現させる機能によって、バインダー組成を適宜選択することができる。
【0067】
本発明において、感光材料と処理部材とを重ね合わせるとは、感光材料のハロゲン化銀乳剤層を有する側と処理部材の構成層側とを密着させることをいう。本発明において、支持体を有する処理部材は、現像中に空気を遮断したり、感光材料からの素材の拡散を防止したり、現像後に不要になる感光材料中の素材や現像中に生成される不要な成分を除去したりする機能を併せ持つことが好ましい。
【0068】
本発明において使用できる支持体としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリカーボネート類、セルロースアセテート類、ポリエチレンテレフタレート類、ポリエチレンナフタレート類、ポリ塩化ビニル等の合成プラスチックフィルムも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912号、同1−178505号に記載された方法により重合することにより得ることができる。更に、本発明の感光材料に利用できる支持体としては、写真用原紙、印刷用紙、バライタ紙及びレジンコート紙等の紙支持体ならびに上記プラスチックフィルムに反射層を設けた支持体、特開昭62−253195号(29〜31頁)に支持体として記載されたものが挙げられる。
【0069】
前述のRDNo.17643の28頁、同No.18716の647頁右欄〜648頁左欄、及び同No.307105の879頁に記載されたものも好ましく使用できる。また、シンジオタクチック構造ポリスチレン類も好ましい。これらは、例えば、特開昭62−117708号、特開平1−46912号、同1−178505号に記載された方法により重合することにより得ることができる。これらの支持体には、米国特許第4,141,735号に記載のように、Tg以下の熱処理を施すことで、巻き癖をつきにくくしたものを用いることができる。また、これらの支持体表面を、支持体と乳剤下塗り層との接着性を向上する目的で、表面処理を行っても良い。表面処理としては、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理を表面処理として用いることができる。更に、公知技術第5号(1991年3月22日アズテック有限会社発行)の44〜149頁に記載の支持体を用いることもできる。ポリエチレンジナフタレンジカルボキシラートなどの透明支持体やその上に透明磁性体を塗布したような支持体を用いることができる。
【0070】
更に、本発明に係る感光材料に用いることのできる支持体としては、例えば、RDNo.17643の28頁及びRDNo.308119の1009頁やプロダクト・ライセシング・インデックス、第92巻のP108の「Supports」の項に記載されているものが挙げられる。
【0071】
本発明の感光材料を熱現像処理に用いる場合には、支持体としては処理温度に耐えることのできるものが用いる必要がある。
【0072】
本発明でいう水性媒とは、水または水に可溶な有機溶媒のことをいう。このような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロバノール等が挙げられる。本発明に係る水性媒には、水または水に可溶な有機溶媒に溶解する化合物を含有させてもよく、例えば、無機のアルカリ金属塩や有機の塩基、低沸点溶媒、界面活性剤、かぶり防止剤、難溶性金属塩との錯形成化合物、防黴剤、防菌剤等を挙げることができる。水としては、一般に用いられる水であれば何を用いても良く、具体的には蒸留水、水道水、井戸水、ミネラルウォーター等を用いることができる。また、本発明の感光材料及び処理部材を用いる熱現像装置においては、水を使い切りで使用しても良いし、循環し繰り返し使用してもよい。後者の場合、材料から溶出した成分を含む水を使用することになる。また、特開昭63−144354号、同63−144355号、同62−38460号、特開平3−210555号等に記載の装置や水を用いても良い。水は感光材料、処理部材またはその両者に付与する方法を用いることができる。水の使用量は、感光材料のバック層を除く全塗布膜を最大膨潤させるに要する量の1/10〜100倍に相当する量である。この水を付与する方法としては、例えば、特開昭62−253159号公報の5頁、特開昭63−85544号等に記載の方法が好ましく用いられる。また、溶媒をマイクロカプセルに閉じ込めたり、水和物の形で予め感光材料もしくは処理部材またはその両者に内蔵させて用いることもできる。
【0073】
本発明でいう漂白及び定着とは、「写真光学の基礎」(日本写真学会編 コロナ社 1979年初版発行)の4.2.3項及び4.3.3項に記載されるものをいう。
【0074】
本発明に係る銀漂白剤としては、例えば、アミノポリカルボン酸第2鉄錯体・含水塩が挙げられ、異なった2種以上のアミノポリカルボン酸第2鉄錯体・含水塩を混合して使用しても良い。アミノポリカルボン酸第2鉄錯体としては、下記一般式〔II〕で示されるアミノポリカルボン酸の遊離酸の鉄錯体の形として用いられることが好ましく、前記第2鉄錯体とアミノポリカルボン酸の遊離酸とを併用することが更に好ましい。特に好ましいのは、前記第2鉄錯体と、それを構成しているのと同種のアミノポリカルボン酸の遊離酸とを併用することである。又、アミノポリカルボン酸第2鉄錯体含水塩はカリウム塩、ナトリウム塩、アンモニウム塩等として用いることができ、アミノポリカルボン酸の遊離酸は、遊離の酸、カリウム塩、ナトリウム塩等として用いることができる。
【0075】
【化4】
Figure 2004219435
【0076】
式中、Tは水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、ホスホノ基、ホスホン基、スルファモイル基、それぞれ置換されていてもよいアルキル基、アルコキシ基、アルキルスルホンアミド基、アルキルチオ基、アシルアミノ基、ヒドロキサム酸基、ヒドロキシアルキル基又は
【0077】
【化5】
Figure 2004219435
【0078】
を表し、Wはそれぞれ置換されていてもよいアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、アラルキレン基又は−(L−X′)m5−(Lm6−を表し、X′は−O−、−S−、2価の複素環又は
【0079】
【化6】
Figure 2004219435
【0080】
を表す。
11〜R15は、水素原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホ基、カルバモイル基、ホスホノ基、ホスホン基、スルファモイル基、スルホンアシド基、アシルアミノ基又はヒドロキサム基を表し、R11〜R15のうち少なくとも1つはカルボキシ基である。
【0081】
〜Lは置換、無置換のアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基又はアラルキレン基を表す。m〜mは、0〜6の整数を表す。ただし、m〜mが同時に0になることはない。
【0082】
アミノポリカルボン酸第2鉄錯体・含水塩を構成する前記一般式〔II〕で示されるアミノポリカルボン酸の具体例は、特開平9−90579号公報の段落番号〔0085〕〜〔0091〕に記載の各化合物が挙げられる。
【0083】
本発明に係る処理においては、現像により感光材料中に生成した現像銀を除去するため、処理材料中に漂白剤として作用する銀の酸化剤を含有させておき、処理時にこれらの反応物を生じさせることができる。また、画像形成の現像終了後に、銀の酸化剤を含有させた第二の材料を感光材料と貼り合わせて現像銀の除去を行うこともできる。
【0084】
本発明で使用できるその他の漂白剤としては、常用されている銀漂白剤を任意に使用できる。このような漂白剤としては、例えば、米国特許第1,315,464号および同第1,946,640号、およびPhotographic Chemistry ol2,chapter30,Foundation Press London Englandに記載されている。これらの漂白剤は、写真銀像を効果的に酸化して可溶化する。有用な銀漂白剤の例には、アルカリ金属重クロム酸塩、アルカリ金属フェリシアン化物がある。好ましい漂白剤は水に可溶な物であり、これらの化合物としては、例えば、ニンヒドリン、インダンジオン、ヘキサケトシキロヘキサン、2,4−ジニトロ安息香酸、ベンゾキノン、ベンゼンスルホン酸、2,5−ジニトロ安息香酸等を包含する。また、金属有機錯体としては、例えば、シキロヘキシルジアルキルアミノ4酢酸の第2鉄塩およびエチレンジアミン4酢酸の第2鉄塩、クエン酸の第2鉄塩がある。
【0085】
漂白剤の付与量は、張り合わせられる感光材料の含有銀量に応じて変えられるべきであるが、感光材料の単位面積当たりの塗布銀量1モルに対し0.01モル〜10モルの範囲で使用される。好ましくは0.1〜3モル/塗布銀モルであり、さらに好ましくは0.1〜2モル/塗布銀モルである。
【0086】
本発明に用いられるハロゲン化銀定着剤としては、例えば、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル系化合物、メルカプト化合物、チオウラシル類、及び特開平4−365037号の11頁〜21頁や同5−66540号の1088頁〜1092頁に記載のスルフィド基を有する含窒素ヘテロ環系化合物、メソイオン系化合物、更に、テトラアザインデン類、ウラシル類、ベンゾトリアゾール類などの含窒素複素環化合物、ヒダントイン類などを挙げることができる。また、チオ硫酸塩、亜硫酸塩、チオシアン酸塩、特公昭47−11386号に記載の1,8−ジ−3,6−ジチアオクタン、2,2′−チオジエタノール、6,9−ジオキサ−3,12−ジチアテトラデカン−1,14−ジオールのようなチオエーテル化合物、特開平8−179458号に記載のウラシル、ヒダントインの如き5ないし6員環のイミド環を有する化合物、メルカプト化合物、チオウラシル類、特開平4−365037号の11頁〜21頁や同5−66540号の1088頁〜1092頁に記載のスルフィド基を有する含窒素ヘテロ環系化合物、特開昭53−144319号記載の一般式(I)の化合物を用いることができる。アナリティカ・ケミカ・アクタ(Analytica ChemicaActa)248巻の604〜614頁(1991年)に記載のトリメチルトリアゾリウムチオレートにメソイオンチオレート化合物も好ましい。特開平8−69097号に記載のハロゲン化銀を定着して安定化しうる化合物もハロゲン化銀溶剤として使用しうる。また、米国特許第2002/9678号に記載されている現像時とは異なる温度で溶解する定着剤も使用することができる。また、上記各ハロゲン化銀溶剤を併用して用いてもよい。
【0087】
上記化合物の中でも、亜硫酸塩、ウラシルやヒダントインのような5員乃至6員のイミド環を有する化合物が、特に好ましい。特に、ウラシルやヒダントインはカリウム塩として添加すると、処理材料の保存時の光沢低下が改善できる点で好ましい。
【0088】
処理層中の全ハロゲン化銀溶剤の含有量は、0.01〜100ミリモル/mであることが好ましく、より好ましくは0.1〜50ミリモル/mであり、特に好ましくは、1〜30ミリモル/mである。感光材料の塗布銀量に対してモル比としては、1/20〜20倍が好ましく、より好ましくは1/10〜10倍、特に好ましくは、1/3〜3倍である。
【0089】
以上の銀漂白剤及びハロゲン化銀定着剤は、水、メタノール、エタノール、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルプロピルグリコール等の溶媒、あるいはアルカリまたは酸性水溶液に溶解して添加してもよいし、固体微粒子分散させて処理層に添加してもよい。
【0090】
請求項6に係るホログラム作製方法は、難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料用いて、該感光材料の最大膨潤に必要な量の1/10以上、100倍以下の水性媒存在下で、物理現像核、錯形成化合物及びハロゲン化銀定着剤を含む処理部材とを重ね合わせて加熱することを特徴とする。
【0091】
本発明のホログラム作製方法においては、画像形成後に不要となるハロゲン化銀を除去するために、処理材料中に定着機能を持つ化合物を含有させておくことができる。このような方式の具体的な例のひとつは、処理材料に物理現像核およびハロゲン化銀溶剤を含ませておき、加熱中に感光材料のハロゲン化銀を可溶化し、処理層に固定する方式が挙げられる。物理現像核は、感光材料より拡散してきた可溶性銀塩を還元して物理現像銀に変換し、処理層に固定させるものである。物理現像核としては、例えば、亜鉛、水銀、鉛、カドミウム、鉄、クロム、ニッケル、錫、コバルト、銅、ルテニウムなどの重金属、あるいはパラジウム、白金、銀、金等の貴金属、あるいはこれらの硫黄、セレン、テルル等のカルコゲン化合物のコロイド粒子等の物理現像核として公知のものはすべて使用できる。これらの物理現像核物質は、対応する金属イオンをアスコルビン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ハイドロキノン等の還元剤で還元して、金属コロイド分散物をつくるか、あるいは、可溶性硫化物、セレン化物またはテルル化物溶液を混合して、水不溶性の金属硫化物、金属セレン化物または金属テルル化物のコロイド分散物をつくることによって得られる。これら分散物は、ゼラチンのような親水性バインダー中で形成させるのが好ましい。コロイド銀粒子の調製法は、例えば、米国特許第2,688,601号等に記載されている。必要に応じて、ハロゲン化銀乳剤調製法で知られている過剰の塩を除去する、脱塩処理を行ってもよい。これらの物理現像核の大きさは、2〜200nmの粒径のものが好ましく用いられる。これらの物理現像核は、処理層に、通常、1×10−3〜100mg/m、好ましくは、1×10−2〜10mg/m含有させる。物理現像核は、別途調製して塗布液中に添加することもできるが、親水性バインダーを含有する塗布液中で、例えば、硝酸銀と硫化ナトリウム、または塩化金と還元剤等を反応させて調製してもよい。物理現像核としては、銀、硫化銀、硫化パラジウム等が好ましく用いられる。
【0092】
このような方式でハロゲン化銀の定着を行う場合には、物理現像核を含有する層に、物理現像を生じさせ得る還元剤が存在する必要がある。非拡散性の還元剤を用いる場合には該層に添加する必要があるが、拡散性の還元剤を使用する場合には、感光材料、処理材料のいずれの層に還元剤が添加されていても構わない。
【0093】
このような機能を有する還元剤としては、補助現像剤が好ましく用いられる。補助現像剤とは、ハロゲン化銀現像の現像過程において、現像主薬からハロゲン化銀への電子の移動を促進する作用を有する物質である。補助現像剤は付与する水性媒に添加してもよいが、予め感光材料に内蔵させておくこともできる。補助現像剤を含むアルカリ水溶液で現像する方法は、RDNo.17643の28〜29頁、同No.18716の651左欄〜右欄、および同No.307105の880〜881頁に記載されている。本発明における補助現像剤としては、好ましくは特開2002−23296号公報の段落番号〔0118〕〜〔0123〕に記載の一般式(ETA−I)または一般式(ETA−II)で表されるケンダール−ペルツ則に従う電子放出性の化合物である。この中で、一般式(ETA−I)で表されるものが特に好ましい。また、補助現像剤を感光材料に内蔵させる場合、感光材料の保存安定性を高めるために、補助現像剤を前駆体の形で内蔵させることもできる。ここで用いることができる補助現像剤前駆体としては、特開2000−89425号に記載の化合物(ETP−1)〜(ETP−97)等を挙げることができる。これらの化合物は、水、アルコール類やアセトン、ジメチルホルムアミド、グリコール類等の適当な溶媒に溶解させる、または、微粒子固体分散状、または、トリクレジルフォスフェート等の高沸点有機溶媒に溶解した後、親水性バインダー中で微粒子分散を行うなどして添加し、塗布することができる。これら補助現像剤前駆体は2種以上併用して用いてもよいし、補助現像剤と併用して用いてもよい。
【0094】
本発明においては、水に難溶性の金属酸化物または金属水酸化物の金属イオンと錯形成可能な錯形成化合物を処理部材に含有させることができる。錯形成化合物としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸等のアミノカルボン酸またはその塩、アミノホスホン酸またはその塩、2−ピコリン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、5−エチル−2−ピコリン酸等のピリジルカルボン酸またはその塩、ベンジルイミノジ酢酸、α−ピコリルイミノジ酢酸等のイミノジ酢酸またはその塩等を用いることができる。錯形成化合物は、グアニジン等の有機塩基またはカリウム等のアルカリ金属で中和した塩の使用が好ましい。処理部材中での錯形成化合物の好ましい添加量は0.1〜20g/mであり、より好ましくは0.5〜10g/mである。本発明において錯形成化合物が錯形成可能な好ましい金属イオンは亜鉛イオンである。
【0095】
本発明に係るハロゲン化銀乳剤は、平均分子量が5000〜70000の低分子量ゼラチン及び/またはメチオニン含有量が30μmol/g未満のゼラチン存在下でその核形成を行うこととができる。核形成時のゼラチンのメチオニン含有量は、より好ましくは20μmol/g未満であり、さらに好ましくは0.1〜10μmol/gである。低分子量ゼラチンの平均分子量は6000〜50000がより好ましく、7000〜30000がさらに好ましい。
【0096】
ゼラチン中のメチオニン含有量を30μmol/g未満に低減するためには、アルカリ処理ゼラチンの酸化剤による酸化処理が有効である。ゼラチンの酸化処理に用いることのできる酸化剤としては、例えば、過酸化水素、オゾン、ペルオキシ酸、ハロゲン、チオスルホン酸化合物、キノン類、有機過酸を挙げることができるが、本発明では過酸化水素が好ましい。本発明のハロゲン化銀写真乳剤は、ハロゲン化銀粒子の成長の終了時に不要な可溶性塩類を除去してもよいし、或いは含有させたままでもよい。該塩類を除去する場合には、RDNo.17643号II項に記載の方法に基づいて行うことができる。また、本発明においては各々別個に形成した2種以上のハロゲン化銀乳剤を任意に混合して用いることができる。本発明においては、特開2002−55410号公報の段落番号〔0054〕〜〔0065〕に記載されている方法、特開平6−118593号公報の段落番号〔0060〕〜〔0078〕に記載されている方法に従って調製したハロゲン化銀を用いることができる。
【0097】
本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に緑感性、赤感性等の感色性を持たせるためには、感光性ハロゲン化銀乳剤をメチン色素類等によって分光増感を施すことにより達成できる。また、必要に応じて青感性乳剤に、青色領域の分光増感を施してもよい。本発明で用いることのできる色素としては、シアニン色素、メロシアニン色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素及びヘミオキソノール色素が包含される。具体的には、米国特許第4,617,257号、特開昭59−180550号、同64−13546号、特開平5−45828号、同5−45834号等に記載の各増感色素が挙げられる。これらの増感色素は単独に用いてもよいが、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合わせは強色増感や分光増感の波長調節の目的でしばしば用いられる。増感色素と共に、それ自身分光増感作用をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んでもよく、例えば、米国特許第3,615,641号、特開昭63−23145号等に記載の化合物を挙げることができる。これらの増感色素を乳剤中に添加する時期は、化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許第4,183,756号、同4,225,666号に従ってハロゲン化銀粒子の核形成前後でもよい。また、これらの増感色素や強色増感剤は、メタノールなどの有機溶媒に溶解した溶液、ゼラチンなどによる分散物あるいは界面活性剤に溶解した溶液として添加することができる。添加量は、一般にハロゲン化銀1モル当り1×10−8〜1×10−2モル程度である。
【0098】
本発明のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料には、必要に応じて当業界公知の各種技術、添加剤を用いることができる。例えば、感光性ハロゲン化銀乳剤層に加えて、例えば、保護層、フィルター層、ハレーション防止層、クロスオーバー光カット層、バッキング層等の補助層を適宜設けることができ、これらの層中には、各種の化学増感剤、貴金属増感剤、感光色素、強色増感剤、カプラー、高沸点溶剤、カブリ防止剤、安定剤、現像抑制剤、漂白促進剤、定着促進剤、混色防止剤、ホルマリンスカベンジャー、色調剤、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、可塑剤、スベリ剤、紫外線吸収剤、イラジエーション防止染料、フィルター光吸収染料、防ばい剤、ポリマーラテックス、重金属、帯電防止剤、マット剤等を各種の方法で含有させることができる。
【0099】
添加剤の詳細は、例えば、リサーチディスクロージャー第176巻Item/17643(1978年12月)、同184巻Item/18431(1979年8月)、同187巻Item/18716(1979年11月)及び同308巻Item/308119(1989年12月)に記載されている。
【0100】
これら三つのリサーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類と記載箇所を表1に記載する。
【0101】
【表1】
Figure 2004219435
【0102】
本発明においては、ロイコ染料等の消色性染料を好ましく用いることができる。具体的には、特開平1−150132号に記載の有機酸金属塩の顕色剤によりあらかじめ発色させておいたロイコ色素を挙げることができる。ロイコ色素と顕色剤錯体は熱あるいはアルカリ剤と反応して消色するため、本発明において熱現像を行う場合には、このロイコ色素と顕色剤の組み合わせが好ましい。ロイコ色素は、公知のものが利用でき、森賀、吉田「染料と薬品」9、84頁(化成品工業協会)、「新版染料便覧」242頁(丸善、1970)、R.Garner「Reports on the Progress of Appl.Chem」56、199頁(1971)、「染料と薬品」19、230頁(化成品工業協会、1974)、「色材」62、288頁(1989)、「染料工業」32、208等に記載がある。顕色剤としては、酸性白土系顕色剤、フェノールホルムアルデヒドレジンの他、有機酸の金属塩が好ましく用いられる。
【0103】
本発明の感光材料には、必要に応じて感度の上昇や現像性の向上を目的として、公知の有機銀塩を用いることができる。本発明において用いることのできる有機銀塩は、例えば、特開昭53−4921号、同49−52626号、同52−141222号、同53−36224号、同53−37626号、同53−36224号、同53−37610号等の各公報並びに米国特許第3,330,633号、同第3,794,496号、同第4,105,451号等の各明細書に記載されている長鎖脂肪族カルボン酸の銀塩やヘテロ環を有するカルボン酸の銀塩(例えば、ベヘン酸銀、α−(1−フェニルテトラゾールチオ)酢酸銀等)、あるいは特公昭44−26582号、同45−12700号、同45−18416号、同45−22815号、特開昭52−137321号、同58−118638号、同58−118639号等の各公報、米国特許第4,123,274号等の明細書に記載されているイミノ基を有する化合物の銀塩がある。更に、特開昭61−249,044号記載のアセチレン銀等も用いることができる。また、WO第01/96949号、同第01/96950号等のパンフレットに記載されているメルカプト基を有する化合物と銀との錯体である銀塩も用いることができる。中でもベンゾトリアゾール及びその誘導体の銀塩(例えば、ベンゾトリアゾール銀、5−メチルベンゾトリアゾール銀等)、ベヘン酸銀や1−フェニル−5−メルカプト−テトラゾールの銀錯体が好ましい。上記有機銀塩は、単独でも2種以上併用して用いることもでき、これらの調製はゼラチンのごとき親水性コロイド水溶液中で調製し、可溶性塩類を除去してそのままの形で使用することも、また、有機銀塩を単離して機械的に固体微粒子に粉砕・分散して使用することもできる。有機銀塩は、2種以上を併用してもよい。上記の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1モルあたり0.01〜10モル、好ましくは0.05〜3モルを併用することができる。感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の塗布銀量の合計としては、銀換算で0.05〜30g/m、好ましくは0.1〜15g/mである。
【0104】
本発明において用いることのできるカブリ防止剤としては、例えば、米国特許第3,645,739号明細書に記載されている高級脂肪酸、特公昭47−11113号公報に記載の第2水銀塩、特開昭51−47419号公報に記載のN−ハロゲン化物、米国特許第3,700,457号、特開昭51−50725号、特開平2−297548号、同2−282241号に記載のメルカプト化合物放出性の化合物、特開昭49−125016号記載のアリールスルフォン酸、同51−47419号記載のカルボン酸リチウム塩、英国特許第1,455,271号および特開昭50−101019号記載の酸化剤、特開照53−19825号記載のスルフィン酸類及びチオスホン酸類、特開昭51−3223号記載のチオウラシル類、同51−26019号記載の硫黄、同51−42529、同51−81124号及び同55−93149号に記載のジスルフィド類及びポリスルフィド類、特開昭51−57435号に記載のロジンあるいはジテルペン類、特開昭51−104338号に記載のカルボキシル基またはスルホン酸基を有するポリマー酸、米国特許第4,138,265号に記載のチアゾリチオン、特開昭54−51821号、同55−142331号、米国特許第4,137,079号に記載のトリアゾール類、特開昭55−140883号に記載のチオスルフィン酸エステル類、特開昭59−46641、同59−57233号、同59−57234号に記載のジ−またはトリ−ハロゲン化物、特開昭59−111636号記載のチオール化合物、特開昭60−198540号及び同60−227255号に記載のハイドロキノン誘導体等が挙げられる。更に別の好ましいカブリ防止剤としては、特開昭62−78554号に記載の親水性基を有するカブリ防止剤、特開昭62−121452号に記載のポリマーかぶり防止剤、特開昭62−123456号に記載のバラスト基を有するカブリ防止剤が挙げられる。また、特開平1−161239号に記載の無呈色カプラーも好ましく用いられる。その他のカブリ防止剤として、前記有機銀塩、特開平4−171443号、同4−73649号に記載の化合物も好ましく用いられる。
【0105】
本発明においては、種々のカブリ防止剤、写真安定剤及びそれらのプレカーサーを使用することができる。その具体例としては、前記リサーチ・ディスクロージャー(RD)、米国特許第5,089,378号、同第4,500,627号、同第4,614,702号、特開昭64−13564号の(7)〜(9)頁、(57)〜(71)頁および(81)〜(97)頁、米国特許第4,775,610号、同第4,626,500号、同第4,983,494号、特開昭62−174747号、同62−239148号、特開平1−150135号、同2−110557号、同2−178650号、RDNo.17643号(1978年)の(24)〜(25)頁、欧州特許第1,164,419号、同第1,164,421号、特開2002−23326号、同2002−31878号等に記載の化合物が挙げられる。
【0106】
これらの化合物は、銀1モルあたり5×10−6〜10モルが好ましく、更に1×10−5〜5モルが好ましく用いられる。
【0107】
本発明において、感光材料及び/または処理材料の構成層のバインダーには、親水性のものが好ましく用いられる。その例としては、前記のリサーチ・ディスクロージャーおよび特開昭64−13546号の(71)〜(75)頁に記載されたものが挙げられる。また、本発明に好適なバインダーは透明または半透明で、一般に無色であり、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、その他フィルムを形成する媒体、例えば、ゼラチン、アラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼイン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラール))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキシド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセテート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類等を挙げることができる。
【0108】
本発明においては、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性透明バインダーを使用することもできる。これらのバインダーとしては、例えば、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタンなどが挙げられる。疎水性バインダーの中でも、ポリビニルブチラール、セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステルは特に好ましく用いられる。
【0109】
これらバインダーは2種以上を併用して用いてもよく、バインダーの使用量は1mあたり100g以下が好ましく、特に20g以下にするのが適当である。
【0110】
本発明の感光材料及び/または処理材料は、硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。バインダーとしてゼラチン等の親水性バインダーを用いる場合、好ましい硬膜剤の例としては、米国特許第4,678,739号の第41欄、同4,791,042号、特開昭59−116655号、同62−245261号、同61−18942号、同61−249054号、同61−245153号、特開平4−218044号等に記載の硬膜剤が挙げられる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(例えば、ホルムアルデヒド等)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜剤、ビニルスルホン系硬膜剤(例えば、N,N′−エチレン−ビス(ビニルスルホニルアセタミド)エタン等)、N−メチロール系硬膜剤(例えば、ジメチロール尿素等)、ほう酸、メタほう酸あるいは高分子硬膜剤(例えば、特開昭62−234157号などに記載の化合物等)が挙げられる。これらの硬膜剤の中で、ビニルスルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独または併用して使用することが好ましい。これらの硬膜剤は、親水性バインダー1gあたり0.001〜1g、好ましくは0.005〜0.5gが用いられる。
【0111】
請求項7に係る発明においては、ホログラム記録用写真感光材料をアクチベータ処理することを特徴とする。本発明でいうアクチベーター処理とは、現像主薬または現像主薬前駆体を感光材料または処理材料の中に内蔵させておき、現像主薬を含まない処理液で現像処理を行う処理方法をいう。この場合、処理液は通常の現像処理液成分に含まれている現像主薬を含まないことが特徴であり、その他の成分、例えば、アルカリ、補助現像主薬などを含んでいても良い。アクチベーター処理については、欧州特許第545,491A1号、同565,165A1号などの公知文献に例示されている。本発明に用いるアクチベーター処理液のpHは9以上であることが好ましく、10以上であることが更に好ましい。
【0112】
本発明の感光材料の好ましい処理形態は、熱現像(加熱現像とも言う)処理である。熱現像においては、感光材料をそのまま加熱して現像を行ったり、感光材料とは別の処理材料と重ね合わせて加熱現像を行うことができる。処理材料としては、支持体上に塩基および/または塩基プレカーサーを含有した処理層を有するシートを挙げることができる。処理層は、親水性バインダーにより構成されていることが好ましい。感光材料を像様に露光した後、感光材料と処理材料とを、感光材料の感光性層面と処理材料の処理層面で貼り合わせて加熱することにより画像形成が行われる。本発明においては、感光材料および処理材料を構成する全塗布膜の最大膨潤に要する水の1/10〜100倍に相当する水を、感光材料または処理材料に供給した後、貼り合わせて加熱することにより発色現像を行う方法が好ましく用いられる。また、前記補助現像剤を必要に応じて感光材料または処理材料に内蔵する、あるいは水とともに塗布する方法も用いることができる。
【0113】
感光材料の加熱処理は、当該技術分野では公知であり、熱現像感光材料とそのプロセスについては、例えば、写真工学の基礎(1970年、コロナ社発行)の553頁〜555頁、1978年4月発行映像情報40頁、Nabletts Handbook ofPhotography and Reprography 7th Ed.(Vna Nostrand and ReinholdCompany)の32〜33頁、米国特許第3,152,904号、同第3,301,678号、同第3,392,020号、同第3,457,075号、英国特許第1,131,108号、同第1,167,777号およびリサーチ・ディスクロージャー誌1978年6月号9〜15頁(RD−17029)に記載されている。熱現像工程の加熱温度は、50℃〜250℃であるが、特に60℃〜150℃が有用である。
【0114】
本発明の感光材料には、熱現像を促進する目的で熱溶剤を添加しても良い。熱溶剤は加熱時に液状化し、画像形成を促進する作用を有する化合物である。常温では白色、固体状態であることが好ましく、加熱時の揮散性が小さいことが望まれる。好ましい融点は70〜170℃である。その例としては、米国特許第3,347,675号および同第3,667,959号に記載されているような極性基を有する有機化合物が挙げられ、具体的には、アミド誘導体(ベンズアミド等)、尿素誘導体(メチル尿素、エチレン尿素等)、スルホンアミド誘導体(特公平1−40974号および特公平4−13701号に記載されている化合物等)、ポリオール化合物、ソルビトール類、およびポリエチレングリコール類が挙げられる。このほか、本発明で用いることのできる熱溶剤として、例えば、米国特許第3,347,675号、同第3,438,776号、同第3,666,477号、同第3,667,959号、RDNo.17643号、特開昭51−19525号、同53−24829号、同53−60223号、同58−118640号、同58−198038号、同59−68730号、同59−84236号、同59−229556号、同60−14241号、同60−191251号、同60−232547号、同61−52643号、同62−42153号、同62−44737号、同62−78554号、同62−136645号、同62−139545号、同63−53548号、同63−161446号、特開平1−224751号、同1−227150号、同2−863号、同2−120739号、同2−123354号等に記載された化合物を挙げることができる。更に本発明に用いられる好ましい熱溶剤の具体的な例として、特開平2−297548号公報の8頁左上〜9頁左上に記載のTS−1〜TS−21が挙げられる。上記熱溶剤は、2種以上併用して使用することもできる。
【0115】
本発明の感光材料を熱現像する際には、公知の加熱手段を適用することができ、例えば、加熱されたヒートブロックや面ヒータに接触させる方式、熱ローラや熱ドラムに接触させる方式、赤外および遠赤外ランプヒーターなどに接触させる方式、高温に維持された雰囲気中を通過させる方式、高周波加熱方式を用いる方式などを用いることができる。このほか、感光材料または処理材料の裏面にカーボンブラック層の様な発熱導電性物質を設け、通電することにより生ずるジュール熱を利用する方式を適用することもできる。この発熱の発熱要素には、特開昭61−145544号等に記載のものを利用できる。感光材料と処理材料を感光層と処理層が向かい合う形で重ね合わせる方法は、特開昭62−253159号、特開昭61−147244号の(27)頁記載の方法が適用できる。
【0116】
本発明の写真要素の処理には、種々の熱現像装置のいずれもが使用できる。例えば、特開昭59−75247号、同59−177547号、同59−181353号、同60−18951号、実開昭62−25944号、特開平6−130509号、同6−95338号、特許2863674号、特開平8−29955号、同8−29954号等に記載されている装置などが好ましく用いられる。また市販の装置としては、富士写真フイルム(株)製ピクトロスタット100、同ピクトロスタット200、同ピクトロスタット300、同ピクトロスタット330、同ピクトロスタット50、同ピクトログラフィー3000、同ピクトログラフィー2000などが使用できる。
【0117】
本発明の感光材料および処理材料には、塗布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができる。界面活性剤の具体例は、公知技術第5号(1991年3月22日、アズテック有限会社発行)の136〜138頁、特開昭62−173463号、同62−183457号等に記載されている。感光材料には、スベリ性防止、帯電防止、剥離性改良等の目的で、有機フルオロ化合物を含ませてもよい。有機フロオロ化合物の代表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、特開昭61−20944号、同62−135826号等に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ素化合物が挙げられる。
【0118】
感光材料および処理材料には、滑り性があることが好ましい。滑り剤は、感光層面、バック面ともに用いることが好ましい。好ましい滑り性は、動摩擦係数で0.25以下、0.01以上である。動摩擦係数の測定は、25℃、60%RHの環境下で、直径5mmのステンレス球に対し、60cm/分で搬送した時の値を表す。この評価において、被検部材としては感光層面に置き換えてもほぼ同レベルの値となる部材であることが好ましい。本発明で使用可能な滑り剤としては、ポリオルガノシロキサン、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、高級脂肪酸と高級アルコールのエステル等であり、ポリオルガノシロキサンとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリスチリルメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等を用いることができる。添加層としては、乳剤層の最外層やバック層が好ましい。特に、ポリジメチルシロキサンや長鎖アルキル基を有するエステルが好ましい。
【0119】
また、本発明の感光材料および処理材料においては、帯電防止剤が好ましく用いられる。それらの帯電防止剤としては、カルボン酸及びカルボン酸塩、スルホン酸塩を含む高分子、カチオン性高分子、イオン性界面活性剤化合物を挙げることができる。帯電防止剤として最も好ましいものは、ZnO、TiO、SnO、Al、In、SiO、MgO、BaO、MoO、Vの中から選ばれた少くとも1種の体積抵抗率が1×10Ω・cm以下、より好ましくは1×10Ω・cm以下である粒子サイズ0.001〜1.0μmの結晶性金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物(Sb、P、B、In、S、Si、Cなど)の微粒子、更にはゾル状や金属酸化物あるいはこれらの複合酸化物の微粒子である。ハロゲン化銀写真感光材料への含有量としては5〜500mg/mが好ましく、特に好ましくは10〜350mg/mである。導電性の結晶性酸化物またはその複合酸化物とバインダーの量の比は、1:300〜100:1が好ましく、より好ましくは1:100〜100:5である。
【0120】
感光材料および処理材料の構成(バック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良の目的で種々のポリマーラテックスを含有させることができる。具体的には、特開昭62−245258号、同62−136648号、同62−110066号等に記載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックスを媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することができ、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0121】
本発明の感光材料および処理材料には、マット剤を用いることが好ましい。マット剤としては、乳剤面、バック面のいずれでもよいが、乳剤側の最外層に添加するのが特に好ましい。マット剤は、処理液可溶性でも処理液不溶性でもよく、好ましくは両者を併用することである。例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1または5/5(モル比))、ポリスチレン粒子などが好ましい。粒径としては0.8〜10μmが好ましく、その粒径分布も狭い方が好ましく、平均粒径の0.9〜1.1倍の間に全粒子数の90%以上が含有していることが好ましい。また、マット性を高めるために0.8μm以下の微粒子を同時に添加することも好ましく、例えば、ポリメチルメタクリレート(0.2μm)、ポリ(メチルメタクリレート/メタクリル酸=9/1(モル比)0.3μm)、ポリスチレン粒子(0.25μm)、コロイダルシリカ(0.03μm)等が挙げられる。具体的には、特開昭61−88256号の(29)頁に記載されている。その他、ベンゾグアナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、AS樹脂ビーズなどの特開昭63−274944号、同63−274952号記載の化合物がある。その他前記リサーチ・ディスクロージャー記載の化合物が使用できる。
【0122】
本発明のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料の加熱現像とは、感光材料のみを加熱する熱現像であっても、感光材料に処理部材を重ね合わせて熱現像を行っても、感光材料を現像液処理槽中で加熱を行ってもよいが、処理槽を用いない方式がより好ましい。
【0123】
以下、本発明のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料の処理の工程の例を示すが、本発明はこれに限定されない。
【0124】
現像(処理槽)−漂白(処理槽)
現像(処理槽)−定着(処理槽)
現像(処理槽)−漂白(処理槽)−定着(処理槽)
現像(処理槽)−漂白定着(処理槽)
現像(熱現像)−漂白(処理槽)
現像(熱現像)−定着(処理槽)
現像(熱現像)−漂白(処理槽)−定着(処理槽)
現像(熱現像)−漂白定着(処理槽)
現像(熱現像)−漂白(処理部材処理)
現像(熱現像)−定着(処理部材処理)
現像(熱現像)−漂白(処理部材処理)−定着(処理部材処理)
現像(熱現像)−漂白定着(処理部材処理)
現像と定着を同時(処理部材処理)
上記処理の各組み合わせにより、位相型または振幅型のホログラム記録材料の作製が可能であるが、回折効率の観点からは、少なくとも現像銀を残さない位相型の作製が可能な処理方法を選択することが好ましい。また、現像は前記アクチベータ処理であってもよいし、あるいは、最終工程で水洗処理または安定化浴処理を行ってもよい。
【0125】
本発明のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料の露光光源としては、一般に位相の揃った可視域波長のレーザー光を用いて画像露光することが好ましい。また、画像再生も画像形成したレーザー光の波長の光が最も主要な役割を演じる。この観点から、処理後の感光材料の未露光部には、画像形成したレーザー光の波長を吸収しない好ましい再生画像が得られる。可視域波長のレーザー光としては、例えば、Nd:YAGレーザー、Krレーザー、Arレーザー、HeNeレーザー、半導体レーザー等が用いられる。また、特開平8−160479号に記載の固体レーザーやSHGレーザー共振器を用いることができる。
【0126】
請求項9に係るホログラム作製システムは、デジタルスチルカメラで撮影された複数画像に対して画像演算処理を施してホログラフィックステレオグラム用画像情報を作成し、該画像情報に基づいてホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料にホログラフィックステレオグラムを記録することを特徴とする。
【0127】
本発明に係るホログラフィックステレオグラムとは、異なった複数位置からの平面画像を原画として、この複数画像をホログラム記録材料に要素ホログラム(島状や短冊状)として順次記録していく方式である。例えば、横方向の異なる複数画像を撮影し、縦方向の短冊として横方向に要素ホログラムを記録してゆくと、観察者の両目に左右が異なる画像を視認できるホログラムが得られる。ホログラムの原画にレーザー光を使用しない点で、ホログラフィックステレオグラムは有利な方式である。
【0128】
本発明に係るホログラフィックステレオグラム用画像演算処理とは、例えば、各撮影画像に対する観察点変換処理があり、再生画像がホログラフィックステレオグラムのホログラム面の近傍に位置するように観察点変換処理を行ってもよい。その他の画像演算処理としては、画像の連続性を円滑に行うためのモーフィング処理、画像にテキスト等の別の画像を合成する処理等が挙げられる。該演算処理後の画像を用いて、ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料にホログラフィックステレオグラムを記録するには、画像情報を光学的に表示できる装置を原画像に用いればよく、例えば、液晶表示器が挙げられる。ホログラフィックステレオグラムを作製した後、これを原画として白色光再生可能なイメージホログラムの作製が可能となる。
【0129】
請求項10に係るホログラム作製システムは、デジタルスチルカメラで撮影された複数画像を基に、ホログラム干渉縞パターンを演算し、該干渉縞パターンの光学的表示画像を縮小露光してホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料に記録することを特徴とする。干渉縞パターンの演算は、干渉計測等で広く用いられている計算機ホログラムの手法と同義で、フーリエ変換型ホログラムを用いれば計算負荷の観点から有利である。干渉縞パターンの光学的表示は100本/mm以下の解像度を有するものが好ましく、インクジェットのような記録紙に出力してもよいし、液晶表示装置に出力してもよい。この干渉縞パターンの光学的表示を、ホログラムに必要な2000本〜10000本/mmの解像度を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料上に縮小露光すればホログラム像が得られる。
【0130】
本発明において、デジタルスチルカメラで撮影された複数画像を用いて被写体の輝度情報、色情報、位置情報を演算を経て各種ホログラム用データに画像演算を行うことが好ましい。
【0131】
本発明において、請求項1または請求項2に係るホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法でホログラムを作製することが好ましい。また、請求項3〜7のいずれか1項に記載のホログラム作製方法を用いて、請求項9または請求項10に記載の方法を組み合わせてホログラムを作製することが好ましい。
【0132】
【実施例】
以下、本発明を実施例にて説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
【0133】
実施例1
《ハロゲン化銀乳剤の調製》
下記に記載の方法に従って、2種類のハロゲン化銀乳剤を調製した。
【0134】
〔ハロゲン化銀乳剤Em−1の調製〕
(A液)
純水 833ml
ゼラチン 80g
KBr 0.5g
(B液)
硝酸銀 60g
純水 417ml
(C液)
KBr 42g
KI 2.9g
純水 403ml
アンモニア水 14.3ml
混合釜に上記A液を添加し、B液とC液を65秒かけ、50℃で同時混合した。添加が終了して10秒後に40%クエン酸を6ml添加し、pHを調整した。
【0135】
得られたハロゲン化銀乳剤を冷却セットした後、ヌードル水洗法で脱塩を行った。この乳剤をハロゲン化銀乳剤Em−1とした。得られたハロゲン化銀乳剤Em−1の平均粒径は0.035μm、単分散度(標準偏差σ/平均粒径r)=0.07であった。
【0136】
次いで、得られたハロゲン化銀乳剤Em−1にチオ硫酸ナトリウムを、銀1モル当たり15mg添加して、60℃で90分の化学熟成を施した。
【0137】
〔ハロゲン化銀乳剤Em−2の調製〕
上記ハロゲン化銀乳剤Em−1の調製において、B液とC液の添加終了後に60℃に昇温し、10分間熟成した後、温度を50℃に戻し、40%クエン酸を6ml添加してpHを調整した以外は同様にして、ハロゲン化銀乳剤Em−2を得た。得られたハロゲン化銀乳剤Em−2の平均粒径は0.11μm、σ/r=0.08であった。
【0138】
次いで、得られたハロゲン化銀乳剤Em−2にチオ硫酸ナトリウムを、銀1モル当たり15mg添加して、60℃で90分の化学熟成を施した。
【0139】
《感光材料の作製》
〔感光材料1の作製〕
上記で得られたハロゲン化銀乳剤Em−2を用い下記に示す乳剤層塗布液を調製し、更に下記に示す保護層、バッキング層、バッキング保護層の各塗布液を調製した。
【0140】
上記各塗布液を、スライドホッパー方式の多層重層コーターを用いて、175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートの支持体の一方の面に、下層として乳剤層を銀量が2g/m、ゼラチンが1.6g/m、上層として保護層をゼラチン量が0.4g/mになるように、同時重層塗布した。
【0141】
また、上記支持体の乳剤層を塗設した面とは反対側の面に、同様の塗布方法で、下層としてバッキング層をゼラチン量が1.6g/m、上層としてバッキング保護層をゼラチン量が0.8g/mになるように同時重層塗布し、次いで乾燥を行って、感光材料1を作製した。
【0142】
下記に示す乳剤層の各添加剤の添加量は、銀1モル当たりの量で示し、その他の層は、1m当たりの付量で示した。
【0143】
(乳剤層塗布液)
Dye−1 0.011モル
化合物A 0.2g
化合物B 3.4g
化合物(4) 0.2g
化合物(5) 0.3g
ゼラチン 1.6g/mになる量
4%ホルマリン液 ゼラチン1g当り0.14ml
(保護層塗布液)
ゼラチン 0.4g
ソジウム−i−アミル−n−デシル−スルホサクシネート 20mg
化合物(1) 18mg
化合物(2) 5mg
化合物(3) 44mg
殺菌剤Z 0.6mg
4%ホルマリン溶液 0.8ml
(バッキング層塗布液)
ゼラチン 1.6g
染料1 45mg
染料2 40mg
ソジウム−i−アミル−n−デシル−スルホサクシネート 4mg
硝酸カリウム 50mg
4%ホルマリン溶液 1.0ml
(バッキング保護層塗布液)
ゼラチン 0.8g
染料1 18mg
染料2 16mg
ソジウム−i−アミル−n−デシル−スルホサクシネート 30mg
ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3.5μmのマット剤)30mg
化合物(3) 0.1g
4%ホルマリン溶液 0.4ml
〔感光材料2の作製〕
上記感光材料1の作製において、ハロゲン化銀乳剤Em−2に代えて、ハロゲン化銀乳剤Em−1用いた以外は同様にして、感光材料2を作製した。
【0144】
〔感光材料3の作製〕
上記感光材料2の作製において、保護層に酸化亜鉛(50nm粒径)を0.5g/m加えた以外は同様にして、感光材料3を作製した。
【0145】
〔感光材料4〜9の作製〕
上記感光材料2の作製において、化合物(4)に代えて、等モルの化合物(6)〜化合物(11)を用いた以外は同様にして、感光材料4〜9を作製した。
【0146】
【化7】
Figure 2004219435
【0147】
【化8】
Figure 2004219435
【0148】
【化9】
Figure 2004219435
【0149】
《ホログラムの作製及び評価》
[処理]
上記作製した各感光材料について、表2に記載の組み合わせにて、下記の処理を行った。
【0150】
〔処理1〕
(処理条件)
〈処理工程〉 〈処理時間〉 〈処理温度〉
現像 30℃ 60秒
水洗 常温 30秒
漂白 38℃ 45秒
水洗 常温 30秒
安定化 常温 30秒
乾燥 50℃ 15秒
(現像液組成)
L−アスコルビン酸 15g
炭酸ナトリウム 20g
水酸化ナトリウム 6g
臭化ナトリウム 0.8g
フェニドン 0.3g
水で1リットルに仕上げた。
【0151】
(漂白液組成)
HOOCHC−N(CHCONH 0.3モル
エチレンジアミン四酢酸 0.03モル
KBr 1.3モル
氷酢酸 50ml
アンモニア水または酢酸によりpHを4.5に調整し、水で1リットルに仕上げた。
【0152】
(安定化液組成)
沃化カリウム2.5gを水で溶解し1リットルに仕上げて安定化液とした。
【0153】
〔処理2〕
上記処理1に記載の現像液組成において、L−アスコルビン酸、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、フェニドンを除き、代わりにピコリン酸8gを加えてpHを7.0に調整した以外は同様にして処理2を行った。
【0154】
〔処理3〕
上記処理1の現像工程を、120℃で15秒の加熱現像処理とした以外は同様にして、処理3を行った。
【0155】
[ホログラムの作製]
X線トモグラフによる人の頭部下半分の断層画像情報の画像(等間隔ピッチで連続した画像情報)を予めデジタル信号としてコンピューターのハードディスクに記録しておき、この画像情報を、それぞれ断層写真枚数が4枚、10枚、25枚、50枚及び100枚からなる断層写真を作製した。これらの断層写真を各々の画像間が等間隔ピッチになるように選択し、1断面ごとに順次ホログラムに焼き付ける。このような方法で断層多重記録ホログラムの手法に基づくマスターホログラム露光を、上記作製した各感光材料に施した。その際、用いた光源は、単一Arレーザー光源から発信させた波長488nmの光速である。なお、これらの方法は、映像情報(M)3/1983に従った。得られた露光済みの感光材料と表2に記載の処理との組み合わせで処理を行い、各ホログラム試料を作製した。
【0156】
[ホログラムの評価]
得られた各ホログラム試料に、参照光照射方向から一定光量のヨウ素クウォツランプ光を照射し、処理を行った直後のホログラム試料の結像した立体画像を評価した。
【0157】
評価は、ホログラム試料から3000mm離れた位置に、Photo Research社製のPR−650分光輝度を配置し、ホログラム試料からの分光放射輝度(cd/m)を測定し、輝度値1を求めた。さらに、該ホログラム試料を55℃、相対湿度60%の恒温恒湿槽に10日間投入し強制劣化処理させた後、上記と同様の方法で輝度値2の測定を行った。各試料について、強制劣化処理前の輝度値1を100%とした時の強制劣化後の輝度比(輝度値2/輝度値1×100%)を求め、得られた輝度比を表2に示す。
【0158】
なお、輝度比は、100%に近いほど強制劣化処理前後で輝度の変化が少なく、画像保存性が優れていることを表す。
【0159】
【表2】
Figure 2004219435
【0160】
表2より明らかなように、本発明のホログラム作製方法に従って作製したホログラム試料は、比較例に対し、高温高湿下で保存した後でも、良好な輝度を有し、画像安定性に優れたホログラム画像であることが分かる。
【0161】
実施例2
《感光材料10の作製》
実施例1に記載の感光材料6の作製において、保護層に酸化亜鉛を2.0g/m添加した以外は同様にして、試料10を作製した。
【0162】
《感光材料の処理》
実施例1で作製した感光材料2、6と上記作製した感光材料10を用いて、下記の各処理と表3に記載の組み合わせで、処理を行った。
【0163】
〔処理4〕
各感光材料を、120℃で15秒間の加熱現像を行った後、10g/mの水を付与した下記処理部材1と感光材料とを43℃で40秒間重ね合わせた後、感光材料を引き剥がした。
【0164】
(処理部材1)
175μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体の一方の面に、下記の組成からなる添加層塗布液(下層)及び保護層塗布液(上層)を重層塗布した。また、支持体の反対の面側には、バッキング層として、ゼラチン量が1.6g/mになるように塗布し、その上にバッキング保護層をゼラチン量が0.8g/mになるように同時重層塗布し、4%ホルマリン溶液で硬膜して、処理部材1を作製した。
【0165】
(添加剤層塗布液)
ゼラチン 15.0g/m
4%ホルマリン溶液 ゼラチン1g当り0.14ml
1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム 6.5g/m
チオ硫酸ナトリウム 8.3g/m
(保護層塗布液)
ゼラチン 1.0g/m
4%ホルマリン溶液 ゼラチン1g当り0.14ml
〔処理5〕
上記処理4において、処理部材1の添加剤層からチオ硫酸ナトリウムを除いた以外は同様にして作製した処理部材2を用いた以外は同様にして、処理5を行った。
【0166】
〔処理6〕
上記処理4において、処理部材1の添加剤層から1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウムを除いた以外は同様にして作製した処理部材3を用いた以外は同様にして、処理6を行った。
【0167】
〔処理7〕
各感光材料を、酸化亜鉛3g/mを分散させた水10g/mを付与した下記処理部材4と重ね合わせて85℃で30秒間の加熱現像を行った後、感光材料を引き剥がした。
【0168】
(処理部材4)
前記処理部材1において、添加剤層から1,3−ジアミノプロパン四酢酸第2鉄アンモニウム、チオ硫酸ナトリウムを除き、代わりにヒダントイン0.5g/m、ピコリン酸ナトリウム5.0g/mを添加し、保護層にPdSを3mg/m添加した以外は同様にして、処理部材4を作製した。
【0169】
〔処理8〕
前記処理1の現像液からL−アスコルビン酸、フェニドンを除いて、pHを11.0に調整した以外は同様にして、処理8を行った。
【0170】
〔処理9〕
感光材料10を、水10g/mを付与した前記処理部材4と重ね合わせて、85℃で30秒間の加熱現像を行った後、感光材料を引き剥がした。
【0171】
《ホログラムの評価》
実施例1に記載の方法と同様にして、ホログラムを作製し、同様の方法で画像保存性(輝度比%)の測定を行い、得られた結果を表3に示す。
【0172】
【表3】
Figure 2004219435
【0173】
表3より明らかなように、本発明のホログラム作製方法に従って作製したホログラム試料は、比較例に対し、高温高湿下で保存した後でも、良好な輝度を有し、画像安定性に優れたホログラム画像であることが分かる。
【0174】
実施例3
デジタルスチルカメラにより被写体を2方向より撮影し、ステレオ視による画像データを得た。この画像データを画素毎に色情報と輝度情報とに分離した後、3角測量の原理を利用し被写体の位置情報を算出した。この被写体の色情報、輝度情報、位置情報を基に、図1、2に示す処理フローに従って、ホログラフィックステレオグラム用画像及びホログラム光回折パターンを演算し、ホログラムハロゲン化銀写真感光材料への露光データを作製した。該露光データを基に、実施例1に示すホログラム露光系を用いて、実施例1で作製した感光材料1に処理1を施してホログラム画像を作製した結果、良好なホログラム画像を得ることができることを確認できた。
【0175】
【発明の効果】
本発明により、ホログラム作製時の簡便性と環境適性に優れ、ホログラム記録画像保存性が良好なホログラム記録用ハロゲン化銀写真感光材料と、コンシューマーが撮影と画像鑑賞を気軽に簡便に楽しめるホログラム作製方法及びホログラム作製システムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラム作製システムの処理フローの一例を示すフロー図である。
【図2】本発明のホログラム作製システムの処理フローの他の一例を示すフロー図である。

Claims (10)

  1. 支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が5nm以上、50nm以下であって、かつ難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有することを特徴とするホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料。
  2. 支持体に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層を含む親水性コロイド層を有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料において、該ハロゲン化銀乳剤層中のハロゲン化銀粒子の平均粒径が、5nm以上、50nm以下であって、かつ下記一般式(1)〜(6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とするホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料。
    Figure 2004219435
    〔一般式(1)〜(4)中、Rは置換または無置換のアルキル基、アリール基または複素環基を表す。Zは芳香環(複素芳香環も含む)を形成する原子群を表し、Zがベンゼン環である場合、そのハメット定数σpの合計値は1以上である。Rは置換または無置換のアルキル基を表す。Xは酸素原子、硫黄原子、セレン原子またはアルキル置換もしくはアリール置換の3級窒素原子を表す。R〜R10は各々水素原子または置換基を表し、R〜R10が互いに結合して2重結合または環を形成してもよい。〕
    Figure 2004219435
    〔式中、Yはヒドロキシル基、または置換もしくは無置換のアミノ基を表し、R〜Rは各々水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アルキルカルボンアミド基、アリールカルボンアミド基、アルキルスルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、カルバモイル基、アルキルスルファモイル基、アリールスルファモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルキルスルフォニル基、アリールスルフォニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基またはアシルオキシ基を表し、Rは上記一般式(1)〜(4)のRと同義である。〕
    Figure 2004219435
    〔式中、R21〜R25は、それぞれ水素原子または置換基を表す。Aは水酸基または置換アミノ基を表す。R21とR22、R23とR24は互いに結合して環を形成していてもよい。Aの置換アミノ基とR21またはR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。〕
  3. ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、銀漂白剤及びハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  4. ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、銀漂白剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  5. ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、加熱現像後に該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、ハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  6. 難溶性金属酸化物または難溶性金属水酸化物を含有するホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、該ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料のバック層を除く全塗膜を最大膨潤させるに要する量の1/10以上、100倍以下の水性媒の存在下で、物理現像核、錯形成化合物及びハロゲン化銀定着剤を含む処理部材と重ね合わせて加熱してホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  7. ホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を、アクチベータ処理することによりホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  8. 請求項1または2に記載のホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料を用いてホログラムを作製することを特徴とするホログラム作製方法。
  9. デジタルスチルカメラで撮影された複数画像に対して画像演算処理を施してホログラフィックステレオグラム用の画像情報を作成し、該画像情報に基づいてホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料に、ホログラフィックステレオグラムを記録することを特徴とするホログラム作製システム。
  10. デジタルスチルカメラで撮影された複数画像を基に、ホログラム干渉縞パターンを演算し、少なくとも該干渉縞パターンの光学的表示画像を縮小露光してホログラム用ハロゲン化銀写真感光材料に記録することを特徴とするホログラム作製システム。
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