JP2004218781A - 密封構造体 - Google Patents

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Abstract

【課題】高圧に対しても優れたシール性を発揮できる低締付力で復元量の大きい金属シールを提供する。
【解決手段】相互に平行な第1平坦面部1と第2平坦面部2、及び、この第1・第2平坦面部1,2の相互間に介装される金属シールSを具備する。しかも、第1平坦面部1側には突起部7を形成して、この突起部7を金属シール5の中間基部13に当接させて、流体圧力を受けた状態で、てこの支点Qとして支持させる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属シールを用いた密封構造体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からシール材としてゴム製Oリングが広く使用されているが、高温、低温、ゴム腐食ガス環境等では使用できない場合がある。そこで、従来から以下の▲1▼〜▲4▼のような金属製のシールが用いられている。即ち、▲1▼メタルOリング、▲2▼メタルCリング、▲3▼バネ入りCリング、▲4▼レジェントシール等が使用されている。
【0003】
しかしながら、各々の金属シールには以下のような問題がある。
▲1▼メタルOリング
最も一般的で実績のある金属シールであり、安定したシール性能が得られるが、締付力が大きく、かつ、復元量が0.05mm程度と小さい等の欠点がある。
▲2▼メタルCリング
メタルOリングに比べて締付力は小さく、かつ復元量も比較的大きく、0.05mm〜0.15mm程度である。しかしながら、用途(使用条件)によっては、依然、締付力の値が大きく、復元量も不足する。
▲3▼バネ入りCリング
復元量は0.1 〜0.15mmと大きい。しかしながら、用途(使用条件)によっては復元量が不足する。さらに、コイルバネを包み込むようにCリング本体内に入れるので、製作が面倒で構造が複雑化すると共に、締付力が大きく、コストも高くなる欠点がある。
▲4▼レジェントシール
他のメタルシールに比べて締付力が小さく、かつ復元量も0.1 〜0.2 mmと大きい。しかし、切削加工であるため、製作が面倒で、非常に高価である。
【0004】
要するに、従来の金属シールでは製作が容易で、締付力が小さく、かつ、弾性的復元量が大きくて、安価であるという全ての条件(要望)を満足させ得るものが、なかった。
【0005】
そこで、本発明等は図6に示すような、緩やかに弯曲した断面S字状の金属シール41を特願2002−199363にて提案した。即ち、図6に示すように、相互に平行な第1平坦面46と第2平坦面47の間に、全体が環状の金属シール41が介装される。第1平坦面46と第2平坦面47が矢印F ,F のように金属シール41を押圧すると金属シール41は中間基部42を中心に矢印M の如く捩れ弾性変形を生じて、第1接触凸部43と第2接触凸部44が弾発的に接触して密封(シール)作用をなす構造である。
【0006】
このように、締付力(矢印F ,F 参照)が小さく、復元性に優れた金属シール41を提案したのであったが、しかし、流体圧力P…が高い使用条件───例えば10MPa以上の圧力───では、図6に2点鎖線で示すように、第2接触凸部44が第2平坦面47から浮き上がり、矢印E方向に流体洩れ(ブローバイ)を発生するという問題があることが、判明した。
即ち、図6中に矢印にて示すように金属シール41に高圧の流体圧力P…が作用し、比較的小さな締付力F ,F にて捩れ弾性変形している金属シール41は、簡単に2点鎖線のように浮き上る現象を生ずる。
このような問題を解決する方法としては、金属シールの背面全体を押圧する部材を付加する発明が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−324021
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、金属シールの背面全体を押圧することは、内燃機関のエンジンのシリンダヘッド用として、極めて高い圧力に耐えうる点で優れているといえども、上述した小さい締付力F ,F で使用できるという最大のメリットが消失してしまうこととなる。言い換えると、上記特許文献1のような金属シールでは、締付力を増大させるために締付構造やフランジ部等が大型化するといった問題、さらには、金属シールが圧接するフランジの接触面がクリープ現象等で損傷を受けるという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、締付力が小さく、復元性も大きく、従って、締付構造が簡易となり、フランジ部等が肉薄であっても良く、金属シールとの接触面が損傷を受けない密封構造体を提供すると同時に、高い流体圧力が作用した際には、その流体圧力を巧妙に活用して、優れた密封性(シール性)を発揮する密封構造体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、相互に平行な第1接触平坦面部と第2接触平坦面部、及び、該第1・第2平坦面部の間に介装される全体が環状の金属シールとを、備えた密封構造に於て、上記金属シールは、中間基部と、上記第1接触平坦面部に接触する第1接触凸部と、上記第2接触平坦面部に接触する第2接触凸部と、を有し、上記第1接触凸部と上記第2接触凸部を内径寄りと外径寄りに異なって配設して、装着圧縮状態にて、上記金属シールは上記中間基部を中心に回転する捩れ弾性変形を生じ、しかも、流体圧力が作用した受圧状態では上記金属シールは流体圧力によって上記捩れ弾性変形とは逆の回転方向にモーメントが生ずるように、上記中間基部に接触する突起部を上記第1接触平坦面部側又は第2接触平坦面部側に形成したものである。
【0011】
また、装着圧縮状態における受圧状態及び非受圧状態で、上記金属シールは、上記第1接触凸部と上記第2接触凸部、及び、上記突起部に接触する中間基部の3点で押圧保持され、該3点以外では押圧されないように装着されている。
また、全体が環状の上記金属シールは、該環状の内側から流体圧力が作用する内圧用であって、上記第2接触凸部よりも外径側の外周端縁は、装着圧縮状態における受圧状態及び非受圧状態で、上記第1・第2接触平坦面部側に接触しないフリー状態である。
そして、好ましくは、上記第1接触凸部及び第2接触凸部は、丸味のある山型とする。また、金属シールは、緩やかに弯曲した横断面S字状とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図示の実施の形態に基づき、本発明を詳説する。
図1は自由状態(未装着状態)の金属シール5の全体の断面正面図であり、図2は密封構造体の要部拡大断面図であって、図2(A)は装着未圧縮状態、図2(B)は装着圧縮状態(使用状態)を示す。
【0013】
この金属シール(メタルシール)5は、ステンレス鋼やばね用鋼やその他の金属から成り、薄板材からプレス加工(塑性加工)により形成するのが、製作の容易性とコスト面から好ましいが、なお、切削や研削等の機械加工にて作製することも可能である。また、金属シール5の表面に、(図示省略するが、)銀、金、銅、すず等のメッキ被覆や、PTFE,FEP等の各種樹脂被覆や、各種ゴム材料の被覆を、被覆することも、好ましい場合がある。
【0014】
この金属シール5は、全体が円形,略矩形,多角形,長円形,楕円形等の環状であって、相互に平行な第1接触平坦面部1と第2接触平坦面部2との間に、介装されるものである。本発明に係る密封構造体は、金属シール5と、これが介装される第1・第2接触平坦面部1,2とを、備えている。
さらに、この金属シール5は、中間基部13と、第1接触平坦面部1に接触する第1接触凸部11と、第2接触平坦面部2に接触する第2接触凸部12と、を有し、第1接触凸部11は内径寄りに、かつ、第2接触凸部12は外径寄りに、相互に内外径側に異なった位置に配設される。
【0015】
具体的に説明すると、第1接触凸部11を有する内周縁14と、拡径テーパ壁状の中間基部13と、第2接触凸部12を有する外周縁15は、同一肉厚寸法で緩やかに弯曲した断面S字状である。なお、肉厚寸法が同一でなく、大小変化するも自由である(図示省略)。そして、本発明で、S字状とは、反転S字状───Z字状───をも含むものと定義する。
言い換えると、図1と図2に示した金属シール5は緩やかに弯曲壁にて構成された略円錐台形状であって、第1接触凸部11の存在する内周縁14にて、孔部3が形成されている。
【0016】
そして、図2(A)に示す装着未圧縮状態から図2(B)に示す装着圧縮状態に変化してゆくに従って、金属シール5は中間基部13を中心に、矢印M のように捩れる捩れ弾性変形を生じる。しかも、第1接触平坦面部1側には、中間基部13の背面(外周面側)に接触する突起部7が形成されている。
即ち、段差部8を介して、第1接触平坦面部1と平行であって、第2接触平坦面部2に接近する方向へ突出状に、第3平坦面部9が形成され、この段差部8と第3平坦面部9の角部をもって突起部7を構成し、図2(B)に示した装着圧縮状態では、中間基部13の背面(外周面側)に突起部(角部)7が当接する。なお、突起部(角部)7としては全体を閉じた環状とする場合の外に、環状に3箇所以上に、部分的に配設して、中間基部13の背面を3箇所以上の部分にて押圧するように構成するも自由である。
【0017】
図3は、前述の図2(B)の装着圧縮状態に於て、内圧として流体圧力Pが作用した受圧状態を示す説明図である。この図3から明らかなように、突起部7が金属シール5に当接する点Q───てこの支点───を、S字状の横断面形状の中央よりも外周縁寄りに配設すれば、金属シール5は流体圧力Pによって、上記捩れ弾性変形の回転方向───矢印M ───とは逆の回転方向に、モーメントM が生じ、この逆モーメントM によって、第2接触凸部12は第2接触平坦面部2に、圧接されて、この部位からの流体洩れを防止できる。つまり、図6にて説明した2点鎖線の状態への変形が、図3の突起部7(支点Q)による接触にて防止され、図6の矢印Eのような流体洩れ(ブローバイ)を確実に防止できる。
【0018】
図3に於て、さらに詳しく説明すると、小さな多数の矢印にて示すように、(内圧として、)流体圧力P…が、金属シール5に作用する。例えば、各矢印Pの延長線上に、支点Qから垂線を下ろしたとすると、その垂線の長さLと流体圧力Pとの積───P×L───が各矢印(圧力)Pによる各モーメントであり、支点Qを中心として時計廻りをプラスとし、反時計廻りをマイナスとして、前後各モーメント(P×L)の総和が、前記逆回転モーメントM である。
【0019】
内圧が作用する場合(金属シール5の内周側に流体圧力Pが作用する場合)、孔部3の内周端面、第1接触凸部11の僅かな一部分、及び、内周縁14の図3の下面と中間基部13の下面と第2接触凸部12の一部分に、流体圧力Pが作用する。図3中に点線で包囲した包囲線16, 17の領域では、支点Qを中心として反時計廻りのモーメント(P×L)を発生するといえども、残りの領域の支点Qを中心としての時計廻りのモーメント(P×L)が十分に大となるように、突起部7(支点Q)の位置を、選定する。
【0020】
また、全体が環状の内圧用の金属シール5の場合、図3に示す装着圧縮状態における受圧状態(図3)、及び、図2(B)に示す装着圧縮状態における非受圧(未受圧)状態で、第2接触凸部12よりも外径側の外周端縁15aは、第1・第2接触平坦面部1,2側に接触しない───特に第1接触平坦面部1側の第3平坦面部9に接触しない───フリー状態である。
【0021】
言い換えれば、装着圧縮状態における受圧状態(図3)、及び、装着圧縮状態における非受圧(未受圧)状態(図2B)で、金属シール5は、第1接触凸部11と第2接触凸部12、及び、突起部7に接触する中間基部13の3点で、押圧保持され、この3点以外では押圧されないように、装着されている。即ち、ギャップGが形成されている。
【0022】
このような構成によって、第1接触平坦面部1と第2接触平坦面部2が相互に接近する方向の力───締付力───は、常時小さな値に維持できることとなる。即ち、金属シール5を中間基部13廻りに捩り弾性変形を矢印M の如く与えるだけの低締付力に維持でき、過大な面圧が接触部に作用しない。
【0023】
なお、上述の図1〜図3に示した実施の形態のように、第1・第2接触凸部11,12を、丸味のある(アール状の)山型とするのが、第1・第2接触平坦面部1,2への馴染みやすい点で、及び、流体圧力Pが作用したときに安定状態への移動がし易い点で、さらに、図2の(A)と(B)の間での接触部位の移動がスムースである点で、望ましい。
【0024】
次に、図4は他の実施の形態を示し、金属シール5の外周側から流体圧力P…が作用する、いわゆる外圧用の場合を示す。既述の実施の形態と同一符号は同様の構成であって、詳細説明は省略するが、相違する点は、この図4の場合、金属シール5の中間基部13に接触する突起部7を、第2接触平坦面部2側に形成している点を挙げることができる。即ち、図4は、前述の図3に対応し、装着圧縮状態における受圧状態である。段差部8aを介して、第2接触平坦面部2と平行であって第1接触平坦面部1に接近する方向へ突出状に、第3平坦面部9aが形成され、この段差部8aと第3平坦面部9aの角部をもって突起部7を、第2接触平坦面部2側に、形成する。
【0025】
外圧が作用した受圧状態を示す図4に示す如く、突起部7が金属シール5に当接する点Q───てこの支点───を、S字状の横断面形状の中央よりも内周縁寄りに配設すれば、金属シール5は流体圧力Pによって、捩れ弾性変形の回転方向(反時計廻り)とは逆に、時計廻りの逆回転方向のモーメントM が生じ、この逆モーメントM によって、第1接触凸部11は第1接触平坦面部1に圧接されて、この部位からの流体洩れを防止できる。つまり、外圧が作用した際、(突起部7が無いと仮定すれば、)流体圧力を受けて金属シール5は反時計廻りに回転するモーメントを受け、第1接触凸部11は第1接触平坦面部1から分離し、流体洩れ───外周側から内周側へのブローバイ───を生ずる。このような流体洩れ(ブローバイ)を、突起部7を中間基部13の背面(下面)に当接して、防止している。
【0026】
図4に於ても、(図3と同様に)各流体圧力Pを示す矢印の延長線上に、支点Qから垂線を下したとすると、その垂線の長さLと流体圧力Pとの積───P×L───を、(時計廻りをプラス、反時計廻りをマイナスとして)総和を求めると、前記逆回転モーメントM となる。
図4中に点線で包囲した包囲線16, 17の領域では、支点Qを中心として反時計廻りのモーメント(P×L)を発生するが、残りの領域では時計廻りのモーメント(P×L)が十分に大となるように、突起部7(支点Q)の位置を、設定しておけばよいのである。
【0027】
また、図4に示すように常にギャップGが内周端縁19と第3平坦面部9aの間に形成されている。さらに説明すると、内周端縁19は、第1・第2接触平坦面部1,2側───特に第2接触平坦面部2側の第3平坦面部9a───には、接触せず、フリー状態を(装着圧縮状態下で)保つ。このように、受圧状態及び非受圧状態のいずれにあっても、装着圧縮状態に於ては、この金属シール5は、第1・第2接触凸部11, 12、及び、突起部7に接触する中央基部13の3点で、押圧保持され、この3点以外では押圧されないように、寸法と形状等が設定されて、第1・第2接触平坦面部1,2が相互に接近する方向の力───締付力───は常時小さな値に維持される。このようにして、第1・第2接触平坦面部1,2のシール部(接触点)には、大きな面圧が作用せず、損傷とクリープ傷等を防止でき、締付構造の簡素化が図られている。
【0028】
次に、図5は別の実施の形態を示す。図5(A)は装着未圧縮状態を示し、図5(B)は装着圧縮状態かつ受圧状態を示す横断面図である。
図5に示すように、金属シール5の横断面形状は、中間基部13が横断面略矩形であって、第1接触凸部11・第2接触凸部12が、横断面略半円形(又は略半楕円形)である。第1接触凸部11は内径寄りに配設され、第2接触凸部12は外径寄りに配設され、相互に内外径方向に異なる位置である。
【0029】
そして、図5(A)の装着未圧縮状態から、第1・第2接触平坦面部1,2を相互に接近させてゆけば、装着圧縮状態となって、中間基部13を中心に回転する反時計廻りの捩れ弾性変形を生じ、かつ、突起部7が中間基部13の背面(非受圧面)に当接して押圧する。
【0030】
図5では、この突起部7は略半円形又は略半楕円形として、中間基部13の内外径方向の中央位置よりも外径寄りに当接する。図5(B)は装着圧縮状態に於て、内圧として流体圧力Pが作用した受圧状態を示し、突起部7が金属シール5の中間基部13に当接する点Q───てこの支点───を中心として、上記各流体圧力Pと、各流体圧力Pに支点Qから下ろした垂線の長さLとの積───P×L───の総和が、時計廻りのモーメントM として金属シール5に作用する。
【0031】
このモーメントM は、第1・第2接触凸部11, 12が第1・第2接触平坦面部1,2に接触して与えられる捩れ弾性変形の回転モーメントとは逆方向である。流体圧力PによるモーメントM によって、第2接触凸部12は第2接触平坦面部2に常に圧接され、この部位からの流体洩れは防止できる。
なお、突起部7の形状は、図1〜図5に示した実施の形態に限らず設計変更自由であって、例えば、略三角形状等であっても良く、また、金属シール5の断面形状は、第1・第2接触凸部11, 12が略三角形状やその他の多角形状であっても良いと共に、図5に示した中間基部13が非圧縮状態(自由状態)で平行四辺形やラグビーボール形等であっても良い。
【0032】
本発明は上述のような構成であり、内圧としての流体圧力Pが高くなると外周寄りの第2接触凸部12が第2接触平坦面部2から浮いてしまう浮上り現象を、突起部7によって、有効に防止して、高圧でも密封性(シール性)を維持することができる。また、外圧としての流体圧力が高くなると、内周寄りの第1接触凸部11が第1接触平坦面部1から浮いてしまう浮上り現象を、突起部7によって、有効に防止し、高圧下での密封性(シール性)を確保する。しかも、無理矢理に第1・第2接触平坦面部1,2が相互に接近する方向に強く締付けることなく、低締付力のままにて、高圧の流体圧力Pに対して、密封性(シール性)を巧妙に維持できる。言い換えれば、本発明は、流体圧力Pが増大すれば増大する程、モーメントM (図3、図4、図5(B)参照)が増加して、密封性(シール性)が高まる密封構造体である。
【0033】
突起部7が金属シール5に接触する点Qを支点として、いわば、てこの原理で、金属シール5を上記モーメントM の方向に回転させて、密封接触部を強く接触させて、シールさせる密封構造体である。
【0034】
また、ギャップGが常に残され(図3、図4、図5(B)参照)、金属シール5の端部が拘束されないで、フリー状態であることによって、第1・第2接触平坦面部1,2が多少接近しすぎたとしても(潰し代が大きくなったとしても)、締付力が極端に大きくなってしまうことがない。溝加工寸法や、各構成部材の寸法公差にばらつきが存在したとしても、ギャップGを残している上記フリー状態であることにより、接触部の過大面圧を防止し、面圧潰やクリープ変形を防止できる。これによって長期間にわたってシール性(密封性)を維持できることとなる。
【0035】
そして、流体圧力が高い環境下に於て、(低締付力のままで、)流体圧力自体を利用して、シール性を高めることを可能とした構成である。このように本願発明は、高圧時のシール性を向上させるために、特別に複雑な構造や部品を必要としない密封構造体である。
【0036】
また、内圧用の外周端縁15a、又は、外圧用の内周端縁19が、ギャップGを常に残して、フリーであるため、流体圧力Pが作用したときにシール性を最も発揮できる位置・姿勢に変形して、余分な締付荷重を必要としない利点がある。このように、常に低荷重締付であることで、フランジ面───図例の第1・第2接触平坦面部1,2に相当する面───への損傷を防ぎ得る。さらに、流体圧力P自体を利用して、高圧時のシール性を確保する構成であるので、金属シール5自体の肉厚を薄くすることも容易である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は、上述の構成により次のような著大な効果を奏する。
(請求項1によれば、)低締付力で使用でき、取付部材(フランジ等)の肉厚が薄く強度が低いものにも適用できる。しかも、流体圧力が高い使用条件下では、この低締付力のままで、流体圧力Pを利用して金属シール5自体が突起部7との接触点Qを支点として逆の回転方向に回転するモーメントM を受けて、シール性を維持する。
また、装着圧縮状態にて全体が捩れ弾性変形を生ずることにより、弾性的復元量(弾性変形領域)が大きく、広いセット高さ───第1・第2接触平坦面部1,2相互間隔寸法───に対応でき、低圧から高圧の広い範囲で、取付部材の寸法公差が大きくとも、常に安定して高いシール性(密封性)を発揮する。
【0038】
(請求項2又は3によれば、)装着圧縮状態における受圧状態及び非受圧状態のいずれにあっても、低締付力をそのまま維持できる。即ち、フランジ等の取付部材に余分な締付荷重を必要とせず、構造の簡素化を図り、かつ、金属シール5との大きな接触面圧部位が無いので、第1・第2接触平坦面部1,2の接触面に損傷を生じさせず、長期間にわたって優れたシール性(密封性)を発揮する。
(請求項4によれば、)第1・第2接触平坦面部1,2に対して馴染みやすく、安定したシール性能を発揮できる。かつ、流体圧力の増減変化に対して、第1・第2接触凸部11, 12がスムースに微小寸法の移動を行って、一層安定したシール性能を発揮する。
(請求項5によれば、)弾性的復元量(弾性変形領域)が大きく、低圧から高圧の広い流体圧力の範囲で、安定したシール性(密封性)を発揮し、かつ、容易に作製できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す断面正面図である。
【図2】作用説明を兼ねた要部拡大断面図であって、(A)は装着未圧縮状態を示し、(B)は装着圧縮状態を示す。
【図3】作用説明を兼ねた要部拡大断面図であって、装着圧縮状態に於ける受圧状態を示す。
【図4】他の実施の形態を示す要部拡大断面図である。
【図5】別の実施の形態を示す、作用説明を兼ねた要部拡大断面図であって、(A)は装着未圧縮状態を示し、(B)は装着圧縮状態に於ける受圧状態を示す。
【図6】従来例を示す要部拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第1接触平坦面部
2 第2接触平坦面部
5 金属シール
7 突起部
11 第1接触凸部
12 第2接触凸部
13 中間基部
15a 外周端縁
G ギャップ
モーメント
P 流体圧力
Q 点(支点)

Claims (5)

  1. 相互に平行な第1接触平坦面部(1)と第2接触平坦面部(2)、及び、該第1・第2平坦面部(1)(2)の間に介装される全体が環状の金属シール(5)とを、備えた密封構造に於て、上記金属シール(5)は、中間基部(13)と、上記第1接触平坦面部(1)に接触する第1接触凸部(11)と、上記第2接触平坦面部(2)に接触する第2接触凸部(12)と、を有し、上記第1接触凸部(11)と上記第2接触凸部(12)を内径寄りと外径寄りに異なって配設して、装着圧縮状態にて、上記金属シール(5)は上記中間基部(13)を中心に回転する捩れ弾性変形を生じ、しかも、流体圧力(P)が作用した受圧状態では上記金属シール(5)は流体圧力(P)によって上記捩れ弾性変形とは逆の回転方向にモーメント(M )が生ずるように、上記中間基部(13)に接触する突起部(7)を上記第1接触平坦面部(1)側又は第2接触平坦面部(2)側に形成したことを特徴とする密封構造体。
  2. 装着圧縮状態における受圧状態及び非受圧状態で、上記金属シール(5)は、上記第1接触凸部(11)と上記第2接触凸部(12)、及び、上記突起部(7)に接触する中間基部(13)の3点で押圧保持され、該3点以外では押圧されないように装着されている請求項1記載の密封構造体。
  3. 全体が環状の上記金属シール(5)は、該環状の内側から流体圧力(P)が作用する内圧用であって、上記第2接触凸部(12)よりも外径側の外周端縁(15a)は、装着圧縮状態における受圧状態及び非受圧状態で、上記第1・第2接触平坦面部(1)(2)側に接触しないフリー状態である請求項1記載の密封構造体。
  4. 上記第1接触凸部(11)及び第2接触凸部(12)は、丸味のある山型である請求項1,2又は3記載の密封構造体。
  5. 金属シール(5)は、緩やかに弯曲した横断面S字状である請求項1,2,3又は4記載の密封構造体。
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