JP2004217495A - 多孔質セラミックスとその製造方法、多孔質体を生かした多孔質接着体とその製造方法、並びにその使用方法 - Google Patents

多孔質セラミックスとその製造方法、多孔質体を生かした多孔質接着体とその製造方法、並びにその使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した複数の孔を構成した多孔質構造を特徴とする高保水性の優れた多孔質セラミックスとその製造方法、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体とその製造方法、並びにその使用方法の提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は数μ〜数mm以下に粉砕もしくは成形した耐火性のある骨材、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有す低温焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練し、1000℃〜1250℃で焼成することによって複数の孔を構成した多孔質セラミックスであり、多孔質セラミックスと骨材と接着物によって孔を保ちながら構成された多孔質接着体、そしてこの多孔質セラミックス及び多孔質接着体による舗装方法、斜面緑化方法、土中水分の蒸発抑制方法と底面潅水方法、垂直や水平や斜面への設置方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、保水性に優れた高強度の多孔質構造を形成したセラミックスの製造方法、その多孔質セラミックスの多孔質構造を保ちながら接着する多孔質接着体及びその利用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窯業技術において従来の技術は、吸水性が少なく、寸法精度のよい焼結体を求められてきた。吸水性が少ないものは耐凍害性が良く、厳しい環境の中でも使用でき、また建設土木資材として高い寸法精度を要求され、規定された寸法規格内の製品を販売されている。しかし、焼成時に収縮するセラミックスにおいて寸法精度を上げるには、寸法規格に当てはまらない製品を破棄する必要があり、コストアップにつながっている。近年、廃棄物を原料したセラミックスも開発されているが、廃棄物種類よって成分が違うほかに、同種類の廃棄物であっても産出時期や場所によって成分が変化する。このような廃棄物をセラミックス原料とする場合、焼成時の一定の収縮率を保つことが極めて困難であり、寸法規格外の製品が多く発生するためロス率が高く、コストアップにつながっている。そして、この寸法精度を保つため、AlやCaを多く含有する産業廃棄物は重量比30%以上配合できない。
【0003】
また、多孔質セラミックスの技術において、現在市販化されている大谷石や廃棄物を原料とした保水透水性セラミックスや一般廃棄物を原料とする保水透水性セラミックスなどは、寸法精度を維持するため低温焼成であり、構造がもろく強度が弱い、重金属が含まれる場合は重金属の溶出の危険性もある。
また、保水性舗装の技術において、近年ヒートアイランド現象が深刻化する中、その対策方法として保水性舗装が着目され、保水性アスファルト舗装、保水性セラミックブロックや保水性インターロッキングブロック、保水性コンクリート、土系舗装など開発販売されている。これらの製品は保水量(体積比)約10〜20%であり、ヒートアイランド現象の抑制効果が最も求められる真夏時の条件下では、一度の水分供給で1日程度しか温度上昇の抑制効果が維持できない。そして、これらの製品のほとんどが車道使用するためには強度不足や不陸の発生などから歩道使用に限定されている。
【0004】
また、多孔質セラミックスの多孔質構造を消滅させることなく接着する方法は、内部の多孔質構造に接着物が進入して孔を潰してしまうために接着方法がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、1000℃以上の耐火性のある骨材、Si、Al、Caなどを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下の低焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練して焼成し、数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔を構成し、保水性に優れた高保水性の多孔質セラミックスとその製造方法、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体とその製造方法、並びにその使用方法の提供することを目的とする。
【0006】
【発明を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は1000℃以上の耐火性のある骨材、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下の低焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練して焼成し、数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した高強度の多孔質セラミックスであり、数μ〜数mm以下に粉砕もしくは成形した1000℃以上の耐火性のある骨材、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する焼成温度1000℃以下の低温焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練し、水を混和した後に成形し、乾燥させて減水し、1000℃〜1250℃で焼成し、粉体が焼結及び発砲によって複数の孔を構成した焼結体を特徴とする。ここで言う1000℃以上の耐火性のある骨材とは、窯業で使用される鞘や磁器質、せっき質、陶器質セラミックスを粉砕したシャモット、砥石屑、高炉スラッグ、溶融スラッグ、珪石、火成岩などであり、1000℃〜1250℃の焼成時に収縮の少ない骨材である。Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する焼成温度1000℃以下の低温焼成粉体もしくは未焼成粉体とは、粘土鉱物を含む土、窯業廃土、キラ、河川や湖底、ダム、浄水場に体積する汚泥、焼却灰、火山灰などであり、Si、Al、Caを含む化合物を含有することで極端な収縮や発砲を起こすことなく、残り50%以下に含まれる低溶融物が収縮して骨材の間に多孔質構造を形成する気孔形成体である。バインダーとは、セラミック工業における可塑性の高い粘土や珪酸ソーダなどであり、可塑性を上げて成形時の形状維持を助け、1000℃〜1250℃の焼成時に骨材と骨材を溶着し、多孔質構造の壁面を形成するバインダーである。これらを均等に近い含水率に整えて、1000℃以上の耐火性のある骨材を体積比20〜50%、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下の低焼成粉体もしくは未焼成粉体を体積比20〜80%、バインダーを体積比1〜30%配合して混練し、さらに水を混和した後に成形する。成形方法は押し出し成形とプレス成形、造粒のいずれも可能であり、いずれの成形方法を取るかによって作業可能水分量を混和させる。成形した後、含まれている水分を乾燥により減水させ、1000℃〜1250℃で焼成する。このような方法で製造した多孔質セラミックスは内部に形成された数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔を内部に構成し、孔の壁が焼結しているために硬い構造でありながら、その孔の形状は水を保水するのに適した構造であり、毛細管現象を起こす。そして、本発明の多孔質セラミックスが互いに接触するだけで水を伝導することができ、保水性に優れた高強度の多孔質セラミックスを提供できる。
【0007】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体であり、ウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物と骨材を混練して多孔質セラミックスを混合し、成形、硬化させた接着体を特徴とする。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低吸収性とは混練する接着剤を骨材内部に吸収しないためであり、吸水率5%以下が好ましい。ウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物は骨材と良く混連して骨材の表面にコーティングしている状態とし、これに多孔質セラミックスを混合して成形する。成形する時に加圧すると接着物が多孔質セラミックスに食い込み、アンカー効果から接着が安定して剥離しにくくなる。また、骨材と多孔質セラミックスの大きさを均等にすると、保水性のほかに透水性も持つことができ、大きさを不均等にして細密充填をすると高い保水性を保持できる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体を提供できる。
【0008】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体であり、常温において気化する消滅液を吸収させた多孔質セラミックスと骨材、セメントや石灰などの無機バインダー、水、エマルジョンを混合して、成形、硬化させた接着体を特徴とする。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低吸水性とは水の吸収によるアルカリ水和反応不足の防止や作業性を維持するためのであり、骨材の吸水率は5%以下が好ましい。そして、常温において気化する消滅液を飽和状態に近くまで吸収させた多孔質セラミックス、セメントや石灰などの無機バインダー、骨材、水、エマルジョンを混合して、成形する。多孔質セラミックスに常温で気化する消滅液を飽和状態に近くまで吸収させるのには、セメントのアルカリ水和反応に必要な水の吸収を防止し、作業性を維持するためのである。作業性が悪い場合は減水剤などを加え作業性を上げることもできる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にして細密充填すると高い保水性を保持できる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体を提供できる。
【0009】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体であり、多孔質セラミックスと骨材、アスファルトを混合し、成形後に加熱して融着、形成し、硬化させた接着体を特徴とする。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、アスファルト舗装材の破砕物、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低水性とは、溶解時のアスファルトを吸収することを防止することを目的とし、吸水率は5%以下が好ましい。そして、多孔質セラミックスと骨材、アスファルトを混合し、成形後に表面から100〜300℃加熱してアスファルトを溶解し、上部から加圧形成させる。溶解したアスファルトは多孔質セラミックスの表面に食い込み、アンカー効果で剥離しにくくなる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性のほかに透水性も持つことができ、大きさを不均等して細密充填にすると高い保水性を保持できる。また、骨材と溶解したアスファルトを混合した後に多孔質セラミックスを混合すると、さらに透水性が保持することができる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体を提供できる。
【0010】
次に、舗装方法は多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体による舗装を特徴とし、従来の路盤の上にブロック形状の多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を敷き詰め、転圧により平坦に整えた舗装である。通常、路盤はクラッシャーランと砂で構成されている。多孔質セラミックスが下地の水分を毛細管現象で吸い上げることによって、保水した水の気化熱で表面温度を下げる効果を長期間持続させ、また保水量を高めることで潅水を行わずに長時間の温度上昇抑制ができる舗装を提供できる。
【0011】
次に、多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる斜面緑化方法は、斜面に多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を固着及び固定し、その上に土壌と種子の混合物を吹き付けて定着させる。種子が発芽した後、発芽した種子の根が多孔質セラミックスの保水する水分を吸収するため多孔質セラミックスに絡みつき固着し、風圧や水圧に耐える斜面緑化を提供できる。
【0012】
次に、多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる保水排水を特徴とする土中水分の蒸発抑制方法と底面潅水方法は、植栽土壌の表面に植物の幹を囲みながら多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を覆設することによる土中水分の蒸発抑制方法と、水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層する底面潅水方法である。この土中水分の蒸発抑制は、園芸や造園における露出土壌の過剰な水分蒸発と土の飛散を防止し、水を透過させて土中に浸透させることを目的とする。また、この底面潅水は、水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層し、その上部に土壌を載せて植物を植え、そして貯留層に貯まる水を積層した多孔質セラミックスの毛細管現象で吸い上げて土壌に浸透及び吸水させる。土壌が乾燥すると毛細管現象で水が貯留層から土壌まで異動するため水が動き、またセラミックスの遠赤外線効果により腐敗しにくくなる。さらに、多孔質セラミックスの空気で植物の根腐れを防止しながら底面潅水をできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態は、数μ〜数mm以下に粉砕もしくは成形した1000℃以上の耐火性のある骨材、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下低焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練して水を混和した後に成形し、乾燥させて減水し、1000℃〜1250℃で焼成し、粉体が焼結及び発砲により数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した複数の孔を構成する高強度の多孔質セラミックスである。1000℃以上の耐火性のある骨材は、1000℃〜1250℃の焼成時に収縮の少なく、窯業で使用される鞘や磁器質、せっき質、陶器質セラミックスを粉砕したシャモット、砥石屑、高炉スラッグ、溶融スラッグ、珪石、火成岩などである。Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下低温焼成粉体もしくは未焼成粉体は、粘土鉱物を含む土、窯業廃土、キラ、河川や湖底、ダム、浄水場に体積する汚泥、焼却灰、火山灰などであり、Si、Al、Caを含む化合物が極端な収縮や発砲を起こすことなく、残り50%以下に含まれる低溶融物が収縮して骨材の間に多孔質構造を形成する気孔形成体である。バインダーとは、セラミック工業における可塑性の高い粘土や珪酸ソーダなどであり、可塑性を上げて成形における形状維持を助け、1000℃〜1250℃の焼成時に骨材と骨材を溶着し、多孔質構造の壁面を形成するバインダーである。これらは含水率をほぼ均等に整えて、1000℃以上の耐火性のある骨材を体積比20〜50%、Si、Al、Caを含む化合物を50%以上含有する1000℃以下低温焼成粉体もしくは未焼成粉体を体積比20〜80%、バインダーを体積比1〜30%配合して混練し、さらに水を混和した後に成形する。押し出し成形とプレス成形、造粒のいずれも可能であり、いずれの成形方法を取るかによって作業可能水分量を混和させる。押し出し成形は含水率20〜40%、プレス成形は含水率3〜10%、造粒は含水率10〜50%が好ましい。成形した後、含まれている水分を乾燥により減水させ、1000℃〜1250℃で焼成する。焼成時間は成形物の形状や大きさ、焼成温度によって変わるが5〜40時間焼成する。この方法で製造した多孔質セラミックスは、内部に形成された数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔が水を保水するのに適した構造であり、毛細管現象を起こして本発明の多孔質セラミックスが互いに接触するだけで水を伝導することができ、保水率(体積比)20〜70%の保水性に優れた多孔質セラミックスとなる。
【0014】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながらウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物と骨材を混練して多孔質セラミックスを混合し、成形、硬化させた多孔質接着体である。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低吸収性とは混練する接着剤を骨材内部に吸収しないためであり、吸水率5%以下が好ましい。ウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物は骨材と良く混練して骨材の表面にコーティングする状態にして、これに多孔質セラミックスを混合して成形する。成形する時に圧力を加えると表面の接着物が多孔質セラミックスに食い込み、接着物の硬化後はアンカー効果から接着が安定して剥離しにくくなる。ウレタン系、ゴム系、シリコン系、弾性エポキシなどの接着物を使用すると、弾性を持った多孔質接着体を形成できる。弾性を持たせると、衝撃による破壊が緩和され、歩行感も良くなる。エポキシ系、アクリル系など硬度の高い接着物は、高強度の多孔質接着体を形成できる。また、骨材と多孔質セラミックスの大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にして細密充填すると高い保水性を保持できる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体となる。
【0015】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながら常温において気化する消滅液を吸収させた多孔質セラミックスと骨材、セメントや石灰などの無機バインダー、水、エマルジョンを混練して、成形、硬化させた多孔質接着体である。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低吸収性とは水の吸収によるアルカリ水和反応不足の防止や作業性を維持するためのであり、吸水率は5%以下が好ましい。そして、常温において気化する消滅液を飽和状態に近くまで吸収させた多孔質セラミックス、セメントや石灰などの無機バインダー、骨材、水、エマルジョンを混合して、成形する。多孔質セラミックスに常温で気化する消滅液を飽和状態に近くまで吸収させるのには、セメントのアルカリ水和反応に必要な水の吸収を防止し、作業性を維持するためである。作業性が悪い場合は作業性を上げる減水剤などを加えこともできる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にすると細密充填となり高い保水性を保持できる。また、骨材にセメントや石灰などの無機バインダーを表面コーティングしたものと、常温において気化する消滅液を飽和状態に近くまで吸収させた多孔質セラミックスを混合して成形すると透水性を保ちながら多孔質接着体を形成できる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ。
【0016】
次に、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体であり、多孔質セラミックスと骨材、アスファルトを混合し、成形後に加熱して融着形成し、硬化させた接着体を特徴とする。ここでいう骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグや溶融スラグ、砂利、石、火成岩、アスファルト舗装材の破砕物、磁器やせっきセラミックスの破砕物などであり、高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強する。低吸収性とは、溶解時のアスファルトを吸着することを防止することを目的とし、吸水率は5%以下が好ましい。そして、多孔質セラミックスと骨材、アスファルトを混合し、成形後に表面から100〜300℃加熱してアスファルトを溶解し、上部から加圧形成させる。溶解したアスファルトは多孔質セラミックスの表面に食い込み、硬化後にはアンカー効果で剥離しにくくなる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にすると細密充填となり高い保水性を保持できる。また、骨材に溶解したアスファルトを混合した後に多孔質セラミックスを混合すると、さらに透水性が保持することができる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ。
【0017】
次に、舗装方法は多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体による舗装を特徴とし、従来の路盤の上にブロック形状の多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を敷き詰め、転圧により平坦に整えた舗装である。通常、路盤はクラッシャーランと砂で構成されている。多孔質セラミックスが保水された水の気化熱で表面温度を下げる効果を長期間持続させるには、毛細管現象で下地の水分を吸い上げる機能によって行うことができる。
【0018】
次に、多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる斜面緑化方法は、斜面に多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を貼り付け、その上に土壌と種子の混合物を吹き付けて定着させるものである。種子が発芽して成長すると、多孔質セラミックスの保水する水分を吸収するために植物の根が多孔質セラミックスに絡みつき固着し、風圧や水圧に耐える斜面緑化となる。
【0019】
次に、多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる保水排水を特徴とする土中水分の蒸発抑制方法と底面潅水方法は、植栽土壌の表面に植物の幹を囲みながら多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を覆設する土中水分の蒸発抑制と、水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層する底面潅水である。この土中水分の蒸発抑制は、園芸や造園における露出土壌の過剰な水分蒸発と土の飛散を防止し、水を透過させて土中に浸透させる。この底面潅水は、水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層し、その上部に土壌を載せ、植物を植栽する。そして、貯留層に貯まる水を積層した多孔質セラミックスが毛細管現象で吸い上げて土壌に浸透及び吸収させる。土壌が乾燥すると毛細管現象で水が貯留層から土壌まで吸い上げられ、植物の成長とともに根が多孔質セラミックス層の中に進入して水を吸収するため水が動き、またセラミックスの遠赤外線効果により腐敗しにくくなる。さらに、多孔質セラミックスの積層内の空気層で植物の根腐れを防止しながら底面潅水をできる。
【0020】
また、多孔質セラミックス及び多孔質接着体の垂直、水平、斜面への設置方法は、建物や構築物、法面などの垂直、水平、斜面表面にブロック形状の多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を固着もしくはアンカー固定するものである。多孔質セラミックスに保水した水が蒸散する気化熱で表面温度を持続的に低下させ、植物の植生基盤材となる。
【0021】
次に実施例を説明する。この実施例は一つの例であってこれに限定するものではない。
【0022】
【実施例1】
実施例1では数μ〜数mm以下に粉砕もしくは成形した1000℃以上の耐火性のある骨材としてシャモット、Si、Al、Ca化合物を50%以上含有する1000℃以下低焼成粉体もしくは未焼成粉体として浄水場汚泥、バインダーとして粘土を使用する。シャモット、浄水汚泥、粘土に含まれる水分が均一になるように加水して含水水分量10%前後を調節する。含水水分量を調節した重量比30%のシャモット、重量比50%の浄水汚泥、重量比20%の粘土を混練し、さらに20〜30%水を加えて混和する。10〜15ミリ角に押し出し成形し、乾燥させる。乾燥時間は天候によって左右するが常温で3〜10日程度必要であり、100〜200℃の乾燥炉で1〜5日程度必要とする。この乾燥物の含水率は1%以下が好ましい。成形物が十分乾燥した後、1000℃〜1250℃で焼成し、30〜36時間焼成する。このように出来上がった焼成物は内部構造が焼結した粘土とシャモットが柱のように壁面を作り、その壁面と壁面との間に浄水場汚泥の焼結及び発砲により数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した複数の孔を構成する高強度で気孔率約50%の多孔質セラミックスとなる。この実施例で使用するシャモットは窯業で使用される鞘や磁器質、せっき質、陶器質セラミックスを粉砕したもの、浄水上汚泥物はSi、Al、Caを含む化合物を50%以上含有した100〜数μの粒子からなる粉体、粘土は可塑性の高い窯業用粘土である。内部に形成された数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔は水を保水するのに適した構造であり、毛細管現象を起こして本発明の多孔質セラミックスが互いに接触するだけで水を伝導することができ、保水率(体積比)約50%の保水性に優れた多孔質セラミックスが得られた。
【0023】
そして、これで得られた多孔質セラミックスを多孔質セラミックス内部の孔を保ちながらウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物と骨材を混練して多孔質セラミックスを混合し、成形、硬化させた多孔質接着体を構成する。重量比1〜10%の接着物と重量比90〜99%の骨材を良く混連して骨材の表面にコーティングしている状態とし、この骨材と接着剤の混合物(重量比)10〜50%に多孔質セラミックス(重量比)50〜90%を混合して成形する。骨材は高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強するため、骨材と接着物の混合物の配合率が低くなると強度が下がり、配合率が高くなると強度が高くなる。一方、配合率の高いものは多孔質接着体全体の保水率が低くしてしまう。強度及び保水率を考えると、骨材と接着剤の混合物(重量比)約30%に多孔質セラミックス(重量比)約70%が好ましい。この実施例で使用する骨材は高強度と低吸水性の高炉スラグの破砕物、低吸水性とは混練する接着剤を骨材内部に吸収しないためであり、吸水率5%以下が好ましい。また、この実施例で使用する接着物はウレタン系接着剤を使用し、粘度の低く、比較的硬いものである。ウレタン系接着剤は硬化後も高い弾性を持つために弾性を持った多孔質接着体を形成でき、衝撃による破壊が緩和され、路面に使用した場合にはクッション性によって歩行感も良くなる。この実施例ではウレタン系接着剤を使用したがゴム系、シリコン系、弾性エポキシなどを使用しても同様の弾性が得られる。一方、接着体にエポキシ系、アクリル系など硬化後の高い硬度をもつ接着物は、高強度の多孔質接着体を形成できる。さらに、多孔質接着体の形を形成する時は圧力を加えると骨材の表面に付着している接着物が多孔質セラミックスの表面に食い込み、接着物の硬化後にアンカー効果から接着物が剥離しにくくなり、安定した多孔質接着体を得られる。また、骨材と多孔質セラミックスの大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にして細密充填すると高い保水性を保持できる。この実施例では多孔質セラミックスの形状が10〜15mm角であるため、骨材も10〜15mm程度に揃えると、骨材と多孔質セラミックスの接点に隙間ができ、これが水の透水性を確保する。また、多孔質セラミックスの焼成時に紛も発生するため、粉も含めた15mm以下の不均等な形状とすると、10〜15mm程度に揃えた骨材と同じ大きさの多孔質セラミックスの接点にできる隙間に粉の多孔質セラミックスが混在する状態となり、これに圧力を加えると多孔質接着体内部の空気層が少なくなり細密充填に近い状態となる。多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、骨材と多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体が得られる。
【実施例2】
【0024】
実施例2では、実施例1で得た多孔質セラミックスに水(常温において気化する消滅液)を飽和状態まで吸収させたもの、セメントや石灰などの無機バインダー、高強度と低吸水性の骨材として高炉スラグ、そして水もしくはエマルジョンを加えて混合し、成形した多孔質接着体を構成する。多孔質セラミックスに(常温で気化する消滅液)水を飽和状態に近くまで吸収させるのには、セメントのアルカリ水和反応に必要な水の吸収を防止し、作業性を維持するためである。骨材は高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強し、低吸収性とは水の吸収によるアルカリ水和反応不足の防止や作業性を維持するためのものであり、吸水率は5%以下が好ましい。骨材には高炉スラグ以外に、溶融スラグ、砂利、石、火成岩、磁器やせっきセラミックスの破砕物なども使用できる。、(常温で気化する消滅液)水を飽和状態に近くまで吸収させた多孔質セラミックス(重量比)30〜90%に骨材(重量比)5〜30%と無機バインダー(重量比)5〜30%を混合し、水もしくはエマルジョンを加えて混合して成形する。作業性が悪い場合は減水剤などを加えると作業性を上げることができる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にすると細密充填となり高い保水性を保持できる。そして、透水性を維持する接着方法として、セメントや石灰などの無機バインダーに水もしくはエマルジョンを加えて、骨材の表面にコーティングするように絡め付けたものと、(常温において気化する消滅液)水を飽和状態に近くまで吸収させた多孔質セラミックスを混合して成形することで、透水性を保ちながら多孔質接着体を形成することができる。これによって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体を構成できる。
【実施例3】
【0025】
実施例3では、実施例1で得た多孔質セラミックス、高強度と低吸水性を持つの骨材として高炉スラグ、低温で融解するアスファルトを混合し、成形後に加熱して融着、形成、硬化した多孔質接着体を構成させる。この骨材は高強度が接着体の構造を支えて多孔質構造特有の強度の弱さを補強し、低吸収性が溶解時のアスファルトを吸着することを防止することを目的とし、吸水率は5%以下が好ましく、また高炉スラグのほかには溶融スラグ、砂利、石、火成岩、アスファルト舗装材の破砕物、磁器やせっきセラミックスの破砕物など使用できる。低温において融解するアスファルト(重量比)1〜70%と骨材(重量比)30〜99%を混合した物と多孔質セラミックスをさらに混合し、成形後に表面から100〜300℃加熱してアスファルトを溶解し、上部から加圧形成させる。上部から加圧によって、溶解したアスファルトが多孔質セラミックスの表面に食い込み、硬化後にはアンカー効果で剥離しにくくなる。骨材と多孔質セラミックスの形状は大きさを均等にすると、保水性の他に透水性も持つことができ、大きさを不均等にすると細密充填となり高い保水性を保持できる。そして、骨材に溶解したアスファルトを混合した後に多孔質セラミックスを混合すると、さらに透水性が保持することができる。また、低温において融解するアスファルト(重量比)1〜70%と骨材(重量比)30〜99%、多孔質セラミックスを同時に混合し、成形後に表面から100〜300℃加熱してアスファルトを溶解し、上部から加圧形成させることもできる。この方法によって、多孔質セラミックスの優れた保水性を維持しながら、多孔質セラミックスが互いに接着した隙間から透水するため適度な透水性をもつ多孔質接着体を得られる。
【実施例4】
【0026】
実施例4では、実施例1で得られた多孔質セラミックス及び実施例1、実施例2、実施例3で得られた多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体による舗装方法である。通常、路盤はクラッシャーランと砂で構成されている。この従来の路盤の上にブロック形状の多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を敷き詰め、転圧により平坦に整えた舗装である。実施例1で得られた多孔質セラミックスは成形する時点でプレス成形もしくは押し出し成形でブロック状にでき、ブロック状の多孔質セラミックスをクラッシャーランと砂で構成された通常の路盤の上に敷き詰め、転圧により平坦に整えた舗装ができる。また、実施例1で得られたウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系、アクリル系などの接着物と骨材を混練して多孔質セラミックスを混合し、成形、硬化させた多孔質接着体及び実施例2で得られたセメントや石灰などの無機バインダー、高強度と低吸水性の骨材、そして水もしくはエマルジョンを加えて混合し、成形した多孔質接着体は、通常の路盤の上に敷き詰め、平坦に整えて硬化養生させて舗装ができる。また、実施例3で得られた高強度と低吸水性を持つの骨材、低温で融解するアスファルトを混合し、成形後に加熱して融着、形成、硬化した多孔質接着体は、通常の路盤の上に敷き詰め、100〜300℃加熱して転圧により平坦に整えた舗装ができる。これによって得られた舗装は、多孔質セラミックスは内部に数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した複数の孔が毛細管現象を起こし、その毛細管現象が下地の水分を吸い上げ、水を保水し、保水した水の気化熱で表面温度を下げる機能を長期間持続させることができる。
【実施例5】
【0027】
実施例5では斜面に実施例1で得られた多孔質セラミックス及び実施例1、実施例2、実施例3で得られた多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を貼り付け、その上に土壌と種子の混合物を吹き付けて定着させる斜面緑化方法である。既にコンクリートで覆われた法面に、実施例1、実施例2、実施例3で得られた多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を固着もしくはアンカー固定し、土と種子が種子の混合物を吹き付けて定着させる。植物が発芽して成長すると、多孔質セラミックスの保水する水分を吸収するために植物の根が多孔質セラミックスに絡みつき固着し、風圧や水圧に耐える斜面緑化ができる。
【実施例6】
【0028】
そして、実施例6は多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる保水排水を特徴とする土中水分の蒸発抑制方法と底面潅水方法であり、植物の幹を囲むように実施例1で得た多孔質セラミックス及び実施例1、実施例2、実施例3で得た多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を植栽土壌の表面に覆設すると土中水分の蒸発抑制し、また水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層する底面潅水である。この土中水分の蒸発抑制は、園芸や造園における露出土壌の過剰な水分蒸発と土の飛散を防止し、水を透過させて土中に浸透させることもできる。底面潅水は水の貯留層よりも最上部が高くなるように多孔質セラミックス及び多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体を積層し、その上部に土壌を載せて植物を植栽する。そして、貯留層に貯まる水を積層した多孔質セラミックスが毛細管現象で吸い上げて土壌に浸透及び吸収させ、土壌が乾燥すると毛細管現象で水を貯留層から土壌まで吸い上げ、また植物の成長にともなって根が多孔質セラミックス層の中に進入して水を吸収するため、水が動き、またセラミックスの遠赤外線効果により腐敗することなく貯水及び潅水できる。さらに、多孔質セラミックスの積層内の空気層で植物の根腐れを防止しながら底面潅水をできる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の効果は、水を保水するのに適した数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔を持つ多孔質セラミックスが、水を保水してその水の蒸発による気化熱で表面温度を下げる打ち水現象を起こし、真夏の直射日光で温度上昇する都市温暖化現象の抑制効果を奏するものである。多孔質セラミックスは水を保水するのに適した数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した体積比30〜70%孔を構成し、この高い気孔率と保水に適した数μ〜1ミリ程度気孔形状が高保水性の機能をもつ要因となる。保水できる水量が多ければ多いほど温度上昇の抑制を長時間持続でき、これは少ない潅水量で温度上昇の抑制と植物の植生を可能とする。また、数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した孔は毛細管現象を起こす形状であり、毛細管現象による水の異動も行え、底面潅水における底面から最上面への水の移動も可能とする。さらに、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体は、粒状にした多孔質セラミックスを接着することで窯業製品特有の不安定な収縮率を吸収でき、寸法規格以外の多孔質セラミックスも製品として扱えてコストダウンをはかれる。多孔質接着体は自由な形状を施工現場で作れ、現場の状況に合わせた自由な施工を行えるようになる。このような特性を利用して舗道、縁石、公園、遊歩道、車道、地下舗道、建物のテラスやベランダ、ルーフバルコニー、屋上、斜面、室内壁、外壁、床など、のり面、構築物の垂直面や斜面、プールサイド、トンネルの舗道や壁、天井など、高速道路の車道や壁面、架橋など、地下舗道やその壁、天井など、街路樹や造園植物のグランドカバーや底面灌水、のり面緑化の緑化基盤材、建物の屋上緑化やベランダ緑化、壁面緑化の緑化基盤材や底面灌水、グランドカバーなど、プランター植物の底面灌水やグランドカバーに利用できる。そして、本発明は窯業で使用される鞘や磁器質、せっき質、陶器質セラミックスなどの窯業廃棄物、砥石屑、高炉スラッグ、ゴミや汚泥の溶融スラッグ、火山岩、窯業廃土、キラ、河川や湖底、ダム、浄水場に体積する汚泥、焼却灰、火山灰などの廃棄物を原料として再利用でき、廃棄資源の有効利用及び活用により埋め立て廃棄物量の削減に効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】多孔質セラミックスの電子顕微鏡拡大写真

Claims (8)

  1. 1000℃以上の耐火性のある骨材、Si、Al、Caの化合物を50%以上含有する1000℃以下の低焼成粉体もしくは未焼成粉体、バインダーを混練して焼成し、粉体が焼結及び発砲により 数μ〜1ミリ程度の不規則な連続した複数の孔を構成した多孔質構造を特徴とする多孔質セラミックス。
  2. ウレタン系、ゴム系、シリコン系、エポキシ系などの接着物と骨材を混練して多孔質セラミックスを混合し、硬化させ、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体とその製造方法。
  3. 常温において気化する消滅液を吸収させた多孔質セラミックスと骨材、セメントや石灰などの無機バインダー、水、エマルジョンを混合、硬化し、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体とその製造方法。
  4. 多孔質セラミックスと骨材、アスファルトを混合し、成形後に加熱して融着形成し、多孔質セラミックスの孔を保ちながら接着した多孔質接着体とその製造方法。
  5. 多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる舗装方法。
  6. 多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる斜面緑化方法。
  7. 多孔質セラミックス及び多孔質接着体からなる保水排水を特徴とする土中水分の蒸発抑制方法と底面潅水方法。
  8. 多孔質セラミックス及び多孔質接着体の垂直、水平、斜面への設置方法。
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