JP2004212842A - レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズユニットまたは撮像素子ユニットを複数の保持部材で保持してレンズの光軸方向または撮像素子の受光面の法線方向へ移動可能な、レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置を提供する。
【解決手段】アクチュエータ18により、レンズユニット12に対してX方向の力が作用されと、保持部材14AからはW1方向レンズユニット12に対してW1方向の力が作用され、保持部材14BからはW2方向の力が作用される。したがって、レンズユニット12に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。保持部材14Aと保持部材14Bとのなす角度が180°よりも小さく、W3方向と保持部材14A、14Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしているので、レンズユニット12を、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【選択図】 図2
【解決手段】アクチュエータ18により、レンズユニット12に対してX方向の力が作用されと、保持部材14AからはW1方向レンズユニット12に対してW1方向の力が作用され、保持部材14BからはW2方向の力が作用される。したがって、レンズユニット12に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。保持部材14Aと保持部材14Bとのなす角度が180°よりも小さく、W3方向と保持部材14A、14Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしているので、レンズユニット12を、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置に係り、特に、光軸方向へレンズを移動可能なレンズ駆動装置、及び撮像素子の受光面の法線方向へ撮像素子を移動可能な撮像素子駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光軸方向へ移動可能なレンズを保持するために、例えば特許文献1では、図7に示すように、レンズ210の光軸L1方向に離間した一対のばね部材212が設けられている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のバネ部材212は、光軸L1からみて1箇所に設けられているだけである。このバネ部材212を複数箇所に設ければ、レンズユニットが重い場合であっても確実にレンズ210を保持することができる。しかしながら、図8に示すように、レンズの光軸方向からみて、2つのばね部材220とばね部材222とが任意の1点Oを通る直線上に並んでしまうと、レンズユニット50をレンズの光軸方向へ移動させることはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−210861号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、レンズユニットまたは撮像素子ユニットを複数の保持部材で保持してレンズの光軸方向または撮像素子の受光面の法線方向へ移動可能な、レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のレンズ駆動装置は、光を所定位置に結像可能な1又は複数のレンズを備えたレンズユニットと、前記レンズユニットの外側に配置された外側部材と、一端が前記外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記レンズユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記レンズユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記レンズユニットを保持する複数の保持部材と、前記レンズユニットに対して前記レンズの光軸方向の力を作用させるアクチュエータと、を備え、前記光軸方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置されたものである。
【0007】
本発明のレンズ駆動装置では、アクチュエータからレンズユニットに対してレンズの光軸方向の力が作用されると、レンズユニットは光軸方向の成分をもって移動する。そして、レンズユニットを保持する保持部材は固定位置を中心に回動する。
【0008】
ところで、図9に示すように、レンズユニット50を保持する保持部材52が、固定位置Kを中心に回動すると、レンズを保持する保持位置Iが移動する。このときの光軸方向から見た保持位置Iの可動範囲は、図10に示すように、固定位置Kを中心、保持部材52の長さを半径とする円Sの内側に制限されている。したがって、レンズの光軸方向からみて、仮想的に設定した、一の保持部材の保持位置Kとレンズユニットの任意の定点Oとを通る直線Mの一方側(斜線で示す部分、直線Mを含まない)にすべての保持位置が配置されていなければ、光軸方向にレンズユニットを移動させることはできない。
【0009】
そこで、本発明のレンズ駆動装置では、前記直線よりも一方側に他のすべての保持位置を配置する。これにより、レンズユニットを、光軸方向に移動させることができる。
【0010】
本発明のレンズ駆動装置は、請求項2に記載のように、前記光軸方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置させて構成することもできる。
【0011】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は、一定範囲に制限されており、光軸方向への可動量は、光軸方向から見て、各々の保持部材の保持位置と固定位置を通る直線相互のなす角度に依存する。すなわち、光軸方向から見た各々の保持部材の前記直線相互のなす角度が大きいほど、レンズユニットの光軸方向への可動量は小さくなる。
【0012】
そこで、上記のように前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置する。これにより、90°の範囲外に保持位置を配置する場合と比較して、保持位置の光軸方向への可動量を大きくすることができる。
【0013】
また、本発明のレンズ駆動装置は、請求項3に記載のように、前記保持部材が、前記法線方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とすることもできる。
【0014】
この構成によれば、複数の部材が光軸方向に離間して互いに平行に配置されているので、保持部材が平行リンクとして機能する。したがって、レンズユニットが光軸方向へ移動する際の、前記固定位置を中心とする回転が抑制され、光軸の傾きを抑制することができる。
【0015】
本発明の撮像素子駆動装置は、請求項4に記載のように、光を受光する受光面を有する撮像素子を備えた撮像素子ユニットと、前記撮像素子ユニットの外側に配置された外側部材と、一端が外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記撮像素子ユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記撮像素子ユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記撮像素子ユニットを保持する複数の保持部材と、前記撮像素子ユニットに対して前記法線方向の力を作用させるアクチュエータと、を備え、前記法線方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置されたものである。
【0016】
本発明の撮像素子駆動装置では、アクチュエータから撮像素子ユニットに対して受光面の法線方向の力が作用されると、撮像素子ユニットは前記法線方向の成分をもって移動する。そして、撮像素子ユニットを保持する保持部材は固定位置を中心に回動する。
【0017】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は一定範囲に制限されている。したがって、受光面の法線方向からみて、仮想的に設定した、一の保持部材の保持位置と撮像素子ユニットの任意の定点とを通る直線の一方側にすべての保持位置が配置されていなければ、前記法線方向に撮像素子ユニットを移動させることはできない。
【0018】
そこで、本発明の撮像素子駆動装置では、前記直線よりも一方側に他のすべての保持位置を配置する。これにより、撮像素子ユニットを、前記法線方向に移動させることができる。
【0019】
本発明の撮像素子駆動装置は、請求項5に記載のように、前記法線方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置させて構成することもできる。
【0020】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は、一定範囲に制限されており、前記法線方向への可動量は、法線方向から見て、各々の保持部材の保持位置と固定位置を通る方向相互のなす角度に依存する。すなわち、法線方向から見た保持部材相互のなす角度が大きいほど、撮像素子ユニットの前記法線方向への可動量は小さくなる。
【0021】
そこで、上記のように前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置する。これにより、90°の範囲外に保持位置を配置する場合と比較して、保持位置の前記法線方向への可動量を大きくすることができる。
【0022】
また、本発明の撮像素子駆動装置は、請求項6に記載のように、前記保持部材が、前記法線方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とすることもできる。
【0023】
この構成によれば、複数の部材が前記法線方向に離間して互いに平行に配置されているので、保持部材が平行リンクとして機能する。したがって、撮像素子ユニットの移動の際の固定位置を中心とした回転が抑制され、前記法線の傾きを抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明に係るレンズ駆動装置の実施形態について説明する。本発明のレンズ駆動装置は、例えば、カメラの焦点調節、ズーミングのためにレンズを移動させる場合に適用可能である。
【0025】
本実施形態におけるレンズ駆動装置10は、図1に示すように、レンズユニット12、保持部材14A、14B、外側部材16A、16B、及びアクチュエータ18を備える。
【0026】
レンズユニット12は、1又は複数のレンズ12B、及び、レンズ12Bをカバーする円筒形状の鏡胴12Aから構成されている。鏡胴12Aは、鏡胴12Aの側面の光の入射側に保持凸部13Aを備え、レンズ12Bの光軸L上の定点Oを中心に保持凸部13Aを90°回転させた位置に保持凸部13Bを備える。
【0027】
外側部材16Aは、例えば、レンズユニット12が設けられる筐体や筐体に固定された部材で構成されており、レンズユニット12の側面の外側に所定距離離間して配置されている。
【0028】
保持部材14Aは、一対の長方形板状の弾性部材15A、15Bで構成されている。弾性部材15A、15Bは、光軸L方向に離間して、互いに平行に配置されている。図2(A)に示すように、弾性部材15A、15Bの各々の一端は外側部材16Aの固定位置P1に固定され、他端は、光軸L方向からみて、固定位置P1から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持凸部13Aの保持位置H1に取り付けられている。弾性部材15A、15Bは、固定位置P1を中心として回動可能とされている。したがって、弾性部材15A、15Bは、平行リンクとして機能する。なお、ここでの定点Oは、レンズ12Bの光軸L上に設けてあるが、定点Oは、レンズユニット12上の任意の位置とすることができる。
【0029】
保持部材14Bは、光軸L方向からみて、保持部材14Aを前記の定点Oを中心として90°回転させた位置に配置されている。保持部材14Bも保持部材14Aと同様に、一対の長方形板状の弾性部材15C、15Dで構成されており、弾性部材15C、15Dは、光軸L方向に離間して、互いに平行に配置されている。弾性部材15C、15Dの各々の一端は外側部材16Bの固定位置P2に固定され、他端は固定位置P2から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持凸部13Bの保持位置H2に取り付けられている。弾性部材15C、15Dは、固定位置P2を中心として回動可能とされている。したがって、弾性部材15C、15Dは、平行リンクとして機能する。
【0030】
図2(B)に示すように、アクチュエータ18は、レンズ12Bの光軸Lと同方向に積層された圧電素子(積層型圧電素子)で構成されており、光軸Lの方向(光の入射側に向かう方向をX方向、その逆方向をY方向という)に、変位可能とされている。アクチュエータ18の先端部は保持凸部13Aの光が入射される側と逆側に配置され、他端部は図示しない固定部に固定されている。アクチュエータ18は、レンズユニット12に対して光軸L方向の力を作用可能とされている。
【0031】
なお、本実施形態では、アクチュエータ18が保持凸部13Aを介してレンズユニット12に対して光軸L方向の力を作用させる例について説明するが、アクチュエータ18は、保持部材14A、14Bを介してレンズユニット12に光軸L方向の力を作用させることもでき、また、鏡筒12Aに直接力を作用させることもできる。
【0032】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0033】
図示しない回路からアクチュエータ18に電圧が印加されると、アクチュエータ18がX方向へ変位しようとする力により、レンズユニット12に対してX方向の力が作用される。このとき、図2(A)に示すように、保持部材14Aの保持位置H1は固定位置P1へ向かう方向W1へ移動しようとするため、レンズユニット12に対してW1方向の力が作用される。また、保持部材14Bの保持位置H2は固定位置P2へ向かう方向W2へ移動しようとするため、レンズユニット12に対してW2方向の力が作用される。したがって、レンズユニット12に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。W3方向と保持部材14A、14Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしている。これは、保持部材14Aと保持部材14Bとのなす角度が180°よりも小さいためである。ここで、保持位置H1、H2の可動範囲は、固定位置P1、P2を中心とし、保持部材14A、14Bの長さを半径とする円の内側に制限されているので、θ1、θ2が90°よりも大きいと、レンズユニット12を光軸L方向へ移動させることはできない。しかしながら、上記ではθ1、θ2が90°よりも小さい。したがって、レンズユニット12を、図2(A)(B)に示すように、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、保持部材14A、14Bを一対の弾性部材により各々構成したが、保持部材14A、14Bは、1枚の弾性部材で構成することもできる。特に2枚の弾性部材で構成することにより、保持部材14A、14Bが平行リンクとして機能してレンズユニット12の移動の際の回転が抑制され、光軸Lの傾きを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、アクチュエータ18に積層型圧電素子を用いた例について説明したが、アクチュエータ18としては、図3(A)に示すように、弾性部材の片側に圧電素子を接着させたバイモルフ(符号22で示す)を用いることもできる。この場合には、アクチュエータ22の一端を外側部材16Aに固定し、他端を保持凸部13Aの下側に配置し、アクチュエータ22を光軸L方向に変位させることによりレンズユニット12を移動させることができる。
【0036】
さらに、アクチュエータとして、図3(B)に示すように、コイルバネに帯状の圧電素子が巻き回されて構成された螺旋形状圧電素子(符号24で示す)を用いることもできる。この場合には、アクチュエータ24の一端部を保持凸部13Aの光が入射される側と逆側に配置し、他端部を図示しない固定部に固定する。そして、アクチュエータ24を光軸L方向に変位させることによりレンズユニット12を移動させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、レンズユニット12をX方向へ移動させる例について説明したが、アクチュエータ18により、レンズユニット12をY方向へ移動させることもできる。この場合には、光軸L方向から見て、保持位置H1、H2には、W1、W2と各々逆方向の力が作用し、レンズユニット12はW3と逆方向へ移動する。
【0038】
また、保持部材14Aと14Bとがなす角度αは、90°に限定されるものではなく、0°≦α<180°であればよい。特に、α≦90°とすることによって、レンズユニット12の光軸L方向への可変量を大きくすることができる。
【0039】
また、上記実施形態では、保持部材を2つ配置した例について説明したが、保持部材は3個以上でもよい。図4(A)に、保持部材が3個の場合(保持部材を符号14、外側部材を符号16で示す)、図4(B)に保持部材が4個の場合(保持部材を符号14、外側部材を符号16で示す)の例を示す。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る撮像素子駆動装置の実施形態について説明する。本発明の撮像素子駆動装置は、例えば、カメラの焦点調節のために撮像素子を移動させる場合に適用可能である。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
本実施形態の撮像素子駆動装置30は、図5に示すように、撮像素子ユニット32、保持部材34A、34B、外側部材16A、16B、及びアクチュエータ18を備える。
【0041】
撮像素子ユニット32は、板状の撮像素子台32A、及びこの撮像素子台32A上に載置され光が入射される側に受光面Rを備える撮像素子32Bにより構成されている。撮像素子32Bは、撮像素子台32Aの中央部に載置されている。撮像素子台32Aの側面の光の入射側には保持棒33Aが備えられ、撮像素子32Bの受光面Rの中心である定点Oを中心に保持棒33Aを90°回転させた位置に保持棒33Bを備える。
【0042】
外側部材16Aは、撮像素子ユニット32の側面の外側に所定距離離間して配置されている。
【0043】
保持部材34は、一対の長方形板状の弾性部材35A、35Bで構成されている。弾性部材35A、35Bは、撮像素子32Bの受光面Rの法線J方向に離間して、互いに平行に配置されている。図6(A)に示すように、弾性部材35A、35Bの各々の一端は外側部材16Aの固定位置P1に固定され、撮像素子32Bの受光面の法線J方向からみて、他端は固定位置P1から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持棒33Aの保持位置H1に取り付けられている。したがって、弾性部材35A、35Bは、平行リンクとして機能する。なお、ここでの定点Oは、受光面Rの中心に設けてあるが、定点Oは、撮像素子ユニット32上の任意の位置とすることができる。
【0044】
保持部材34Bは、保持部材34Aを前記定点Oを円中心として90°回転させた位置に配置されている。保持部材34Bも保持部材34Aと同様に、一対の互いに平行に配置された板状の弾性部材35C、35Dで構成されている。弾性部材35C、35Dの各々の一端は外側部材16Bの固定位置P2に固定され、他端は固定位置P2から定点Oに向かう直線上に位置する保持棒33Bの保持位置H2に取り付けられている。したがって、弾性部材35C、35Dは、平行リンクとして機能する。
【0045】
図6(B)に示すように、アクチュエータ18は、法線Jと同方向に積層された圧電素子(積層型圧電素子)で構成されており、法線Jの方向(光の入射側に向かう方向をX方向、その逆側をY方向という)に、変位可能とされている。アクチュエータ18の先端部は、撮像素子台32Aの保持棒33Aの配置された位置の光が入射される側と逆側に配置され、他端部は図示しない固定部に固定されている。アクチュエータ18は、撮像素子ユニット32に対して法線J方向の力を作用可能とされている。
【0046】
なお、本実施形態では、アクチュエータ18が保持棒33Aを介して撮像素子ユニット32に対して法線L方向の力を作用させる例について説明するが、アクチュエータ18は、保持部材34A、34Bを介して撮像素子ユニット32に光軸L方向の力を作用させることもでき、また、撮像素子台32Aに直接力を作用させることもできる。
【0047】
撮像素子ユニット32の光が入射される側には、図示していないが、レンズユニットが配置されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0049】
図示しない回路からアクチュエータ18に電圧が印加されると、アクチュエータ18がX方向へ変位しようとする力により、撮像素子ユニット32に対してX方向の力が作用される。このとき、図6(A)に示すように、保持部材34Aの保持位置H1は固定位置P1へ向かう方向W1へ移動しようとするため、撮像素子ユニット32に対してW1方向の力が作用される。また、保持部材34Bの保持位置H2は固定位置P2へ向かう方向W2へ移動しようとするため、撮像素子ユニット32に対してW2方向の力が作用される。したがって、撮像素子ユニット32に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。W3方向と保持部材34A、34Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしている。これは、保持部材34Aと保持部材34Bとのなす角度が180°よりも小さいためである。ここで、保持位置H1、H2の可動範囲は、固定位置P1、P2を中心とし、保持部材34A、34Bの長さを半径とする円の内側に制限されているので、θ1、θ2が90°よりも大きいと、撮像素子ユニット32を法線J方向へ移動させることはできない。しかしながら、上記ではθ1、θ2が90°よりも小さい。したがって、撮像素子ユニット32を、図6(A)(B)に示すように、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、保持部材34A、34Bを一対の弾性部材により各々構成したが、保持部材34A、34Bは、1枚の弾性部材で構成することもできる。特に2枚の弾性部材で構成することにより、保持部材34A、34Bが平行リンクとして機能して撮像素子ユニット32の移動の際の回転が抑制され、法線Jの傾きを抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、アクチュエータ18にを用いた例について説明したが、アクチュエータ18としては、第1実施形態で説明したように、積層型圧電素子に代えて、バイモルフや螺旋形状圧電素子をを用いることもできる(図3参照)。
【0052】
また、保持部材34Aと34Bとがなす角度αは、90°に限定されるものではなく、0°≦α<180°であればよい。特に、α≦90°とすることによって、撮像素子ユニット32の法線J方向への可変量を大きくすることができる。
【0053】
また、上記実施形態では、保持部材を2個配置した例について説明したが、保持部材は3個以上でもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ駆動装置によれば、レンズの光軸方向からみて、一の保持部材の保持位置とレンズユニットの中心とを通る直線よりも一方側のレンズユニットに、他のすべての保持位置が配置されているので、保持部材を複数配置して、レンズユニットを、光軸方向に移動させることができる。
【0055】
また、本発明の撮像素子駆動装置によれば、撮像素子受光面の法線方向からみて、一の保持部材の保持位置と撮像素子の中心とを通る直線よりも一方側の撮像素子ユニットに、他のすべての保持位置が配置されているので、保持部材を複数配置して、撮像素子ユニットを、前記法線方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のレンズ駆動装置の斜視図である。
【図2】(A)は、第1実施形態のレンズ駆動装置を光の入射方向からみた図であり、(B)は、レンズ駆動装置を光の入射方向と直交する方向からみた図である。
【図3】第1実施形態のアクチュエータの変形例である。
【図4】第1実施形態の保持部材の取付位置の変形例である。
【図5】第2実施形態の撮像素子駆動装置の斜視図である。
【図6】(A)は、第2実施形態の撮像素子駆動装置を撮像素子の受光面の法線方向からみた図であり、(B)は、レンズ駆動装置を前記法線方向と直交する方向からみた図である。
【図7】従来例の図である。
【図8】保持部材をレンズの中心を通る直線上に配置した例である。
【図9】レンズユニットを光軸方向へ移動させた場合の、レンズユニットと保持部材をレンズの光軸と直交する方向からみた図である。
【図10】レンズユニットを光軸方向へ移動させた場合の、レンズユニットと保持部材をレンズの光軸方向からみた図である。
【符号の説明】
10 レンズ駆動装置
12 レンズユニット
12B レンズ
14A、14B 保持部材
15A 、15B、15C、15D 弾性部材(部材)
16A、16B 外側部材
18、22、24 アクチュエータ
30 撮像素子駆動装置
32 撮像素子ユニット
32B 撮像素子
34A、34B 保持部材
35A、35B、35C、35D 弾性部材(保持部材)
H1、H2 保持位置
P1、P2 固定位置
【発明の属する技術分野】
本発明は、レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置に係り、特に、光軸方向へレンズを移動可能なレンズ駆動装置、及び撮像素子の受光面の法線方向へ撮像素子を移動可能な撮像素子駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光軸方向へ移動可能なレンズを保持するために、例えば特許文献1では、図7に示すように、レンズ210の光軸L1方向に離間した一対のばね部材212が設けられている。
【0003】
ところで、特許文献1に記載のバネ部材212は、光軸L1からみて1箇所に設けられているだけである。このバネ部材212を複数箇所に設ければ、レンズユニットが重い場合であっても確実にレンズ210を保持することができる。しかしながら、図8に示すように、レンズの光軸方向からみて、2つのばね部材220とばね部材222とが任意の1点Oを通る直線上に並んでしまうと、レンズユニット50をレンズの光軸方向へ移動させることはできない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−210861号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事実を考慮して成されたものであり、レンズユニットまたは撮像素子ユニットを複数の保持部材で保持してレンズの光軸方向または撮像素子の受光面の法線方向へ移動可能な、レンズ駆動装置、及び撮像素子駆動装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のレンズ駆動装置は、光を所定位置に結像可能な1又は複数のレンズを備えたレンズユニットと、前記レンズユニットの外側に配置された外側部材と、一端が前記外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記レンズユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記レンズユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記レンズユニットを保持する複数の保持部材と、前記レンズユニットに対して前記レンズの光軸方向の力を作用させるアクチュエータと、を備え、前記光軸方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置されたものである。
【0007】
本発明のレンズ駆動装置では、アクチュエータからレンズユニットに対してレンズの光軸方向の力が作用されると、レンズユニットは光軸方向の成分をもって移動する。そして、レンズユニットを保持する保持部材は固定位置を中心に回動する。
【0008】
ところで、図9に示すように、レンズユニット50を保持する保持部材52が、固定位置Kを中心に回動すると、レンズを保持する保持位置Iが移動する。このときの光軸方向から見た保持位置Iの可動範囲は、図10に示すように、固定位置Kを中心、保持部材52の長さを半径とする円Sの内側に制限されている。したがって、レンズの光軸方向からみて、仮想的に設定した、一の保持部材の保持位置Kとレンズユニットの任意の定点Oとを通る直線Mの一方側(斜線で示す部分、直線Mを含まない)にすべての保持位置が配置されていなければ、光軸方向にレンズユニットを移動させることはできない。
【0009】
そこで、本発明のレンズ駆動装置では、前記直線よりも一方側に他のすべての保持位置を配置する。これにより、レンズユニットを、光軸方向に移動させることができる。
【0010】
本発明のレンズ駆動装置は、請求項2に記載のように、前記光軸方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置させて構成することもできる。
【0011】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は、一定範囲に制限されており、光軸方向への可動量は、光軸方向から見て、各々の保持部材の保持位置と固定位置を通る直線相互のなす角度に依存する。すなわち、光軸方向から見た各々の保持部材の前記直線相互のなす角度が大きいほど、レンズユニットの光軸方向への可動量は小さくなる。
【0012】
そこで、上記のように前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置する。これにより、90°の範囲外に保持位置を配置する場合と比較して、保持位置の光軸方向への可動量を大きくすることができる。
【0013】
また、本発明のレンズ駆動装置は、請求項3に記載のように、前記保持部材が、前記法線方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とすることもできる。
【0014】
この構成によれば、複数の部材が光軸方向に離間して互いに平行に配置されているので、保持部材が平行リンクとして機能する。したがって、レンズユニットが光軸方向へ移動する際の、前記固定位置を中心とする回転が抑制され、光軸の傾きを抑制することができる。
【0015】
本発明の撮像素子駆動装置は、請求項4に記載のように、光を受光する受光面を有する撮像素子を備えた撮像素子ユニットと、前記撮像素子ユニットの外側に配置された外側部材と、一端が外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記撮像素子ユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記撮像素子ユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記撮像素子ユニットを保持する複数の保持部材と、前記撮像素子ユニットに対して前記法線方向の力を作用させるアクチュエータと、を備え、前記法線方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置されたものである。
【0016】
本発明の撮像素子駆動装置では、アクチュエータから撮像素子ユニットに対して受光面の法線方向の力が作用されると、撮像素子ユニットは前記法線方向の成分をもって移動する。そして、撮像素子ユニットを保持する保持部材は固定位置を中心に回動する。
【0017】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は一定範囲に制限されている。したがって、受光面の法線方向からみて、仮想的に設定した、一の保持部材の保持位置と撮像素子ユニットの任意の定点とを通る直線の一方側にすべての保持位置が配置されていなければ、前記法線方向に撮像素子ユニットを移動させることはできない。
【0018】
そこで、本発明の撮像素子駆動装置では、前記直線よりも一方側に他のすべての保持位置を配置する。これにより、撮像素子ユニットを、前記法線方向に移動させることができる。
【0019】
本発明の撮像素子駆動装置は、請求項5に記載のように、前記法線方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置させて構成することもできる。
【0020】
前述のように、各々の保持部材の保持位置の可動範囲は、一定範囲に制限されており、前記法線方向への可動量は、法線方向から見て、各々の保持部材の保持位置と固定位置を通る方向相互のなす角度に依存する。すなわち、法線方向から見た保持部材相互のなす角度が大きいほど、撮像素子ユニットの前記法線方向への可動量は小さくなる。
【0021】
そこで、上記のように前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置を配置する。これにより、90°の範囲外に保持位置を配置する場合と比較して、保持位置の前記法線方向への可動量を大きくすることができる。
【0022】
また、本発明の撮像素子駆動装置は、請求項6に記載のように、前記保持部材が、前記法線方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とすることもできる。
【0023】
この構成によれば、複数の部材が前記法線方向に離間して互いに平行に配置されているので、保持部材が平行リンクとして機能する。したがって、撮像素子ユニットの移動の際の固定位置を中心とした回転が抑制され、前記法線の傾きを抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図面を参照して本発明に係るレンズ駆動装置の実施形態について説明する。本発明のレンズ駆動装置は、例えば、カメラの焦点調節、ズーミングのためにレンズを移動させる場合に適用可能である。
【0025】
本実施形態におけるレンズ駆動装置10は、図1に示すように、レンズユニット12、保持部材14A、14B、外側部材16A、16B、及びアクチュエータ18を備える。
【0026】
レンズユニット12は、1又は複数のレンズ12B、及び、レンズ12Bをカバーする円筒形状の鏡胴12Aから構成されている。鏡胴12Aは、鏡胴12Aの側面の光の入射側に保持凸部13Aを備え、レンズ12Bの光軸L上の定点Oを中心に保持凸部13Aを90°回転させた位置に保持凸部13Bを備える。
【0027】
外側部材16Aは、例えば、レンズユニット12が設けられる筐体や筐体に固定された部材で構成されており、レンズユニット12の側面の外側に所定距離離間して配置されている。
【0028】
保持部材14Aは、一対の長方形板状の弾性部材15A、15Bで構成されている。弾性部材15A、15Bは、光軸L方向に離間して、互いに平行に配置されている。図2(A)に示すように、弾性部材15A、15Bの各々の一端は外側部材16Aの固定位置P1に固定され、他端は、光軸L方向からみて、固定位置P1から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持凸部13Aの保持位置H1に取り付けられている。弾性部材15A、15Bは、固定位置P1を中心として回動可能とされている。したがって、弾性部材15A、15Bは、平行リンクとして機能する。なお、ここでの定点Oは、レンズ12Bの光軸L上に設けてあるが、定点Oは、レンズユニット12上の任意の位置とすることができる。
【0029】
保持部材14Bは、光軸L方向からみて、保持部材14Aを前記の定点Oを中心として90°回転させた位置に配置されている。保持部材14Bも保持部材14Aと同様に、一対の長方形板状の弾性部材15C、15Dで構成されており、弾性部材15C、15Dは、光軸L方向に離間して、互いに平行に配置されている。弾性部材15C、15Dの各々の一端は外側部材16Bの固定位置P2に固定され、他端は固定位置P2から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持凸部13Bの保持位置H2に取り付けられている。弾性部材15C、15Dは、固定位置P2を中心として回動可能とされている。したがって、弾性部材15C、15Dは、平行リンクとして機能する。
【0030】
図2(B)に示すように、アクチュエータ18は、レンズ12Bの光軸Lと同方向に積層された圧電素子(積層型圧電素子)で構成されており、光軸Lの方向(光の入射側に向かう方向をX方向、その逆方向をY方向という)に、変位可能とされている。アクチュエータ18の先端部は保持凸部13Aの光が入射される側と逆側に配置され、他端部は図示しない固定部に固定されている。アクチュエータ18は、レンズユニット12に対して光軸L方向の力を作用可能とされている。
【0031】
なお、本実施形態では、アクチュエータ18が保持凸部13Aを介してレンズユニット12に対して光軸L方向の力を作用させる例について説明するが、アクチュエータ18は、保持部材14A、14Bを介してレンズユニット12に光軸L方向の力を作用させることもでき、また、鏡筒12Aに直接力を作用させることもできる。
【0032】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0033】
図示しない回路からアクチュエータ18に電圧が印加されると、アクチュエータ18がX方向へ変位しようとする力により、レンズユニット12に対してX方向の力が作用される。このとき、図2(A)に示すように、保持部材14Aの保持位置H1は固定位置P1へ向かう方向W1へ移動しようとするため、レンズユニット12に対してW1方向の力が作用される。また、保持部材14Bの保持位置H2は固定位置P2へ向かう方向W2へ移動しようとするため、レンズユニット12に対してW2方向の力が作用される。したがって、レンズユニット12に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。W3方向と保持部材14A、14Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしている。これは、保持部材14Aと保持部材14Bとのなす角度が180°よりも小さいためである。ここで、保持位置H1、H2の可動範囲は、固定位置P1、P2を中心とし、保持部材14A、14Bの長さを半径とする円の内側に制限されているので、θ1、θ2が90°よりも大きいと、レンズユニット12を光軸L方向へ移動させることはできない。しかしながら、上記ではθ1、θ2が90°よりも小さい。したがって、レンズユニット12を、図2(A)(B)に示すように、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【0034】
なお、本実施形態では、保持部材14A、14Bを一対の弾性部材により各々構成したが、保持部材14A、14Bは、1枚の弾性部材で構成することもできる。特に2枚の弾性部材で構成することにより、保持部材14A、14Bが平行リンクとして機能してレンズユニット12の移動の際の回転が抑制され、光軸Lの傾きを抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態では、アクチュエータ18に積層型圧電素子を用いた例について説明したが、アクチュエータ18としては、図3(A)に示すように、弾性部材の片側に圧電素子を接着させたバイモルフ(符号22で示す)を用いることもできる。この場合には、アクチュエータ22の一端を外側部材16Aに固定し、他端を保持凸部13Aの下側に配置し、アクチュエータ22を光軸L方向に変位させることによりレンズユニット12を移動させることができる。
【0036】
さらに、アクチュエータとして、図3(B)に示すように、コイルバネに帯状の圧電素子が巻き回されて構成された螺旋形状圧電素子(符号24で示す)を用いることもできる。この場合には、アクチュエータ24の一端部を保持凸部13Aの光が入射される側と逆側に配置し、他端部を図示しない固定部に固定する。そして、アクチュエータ24を光軸L方向に変位させることによりレンズユニット12を移動させることができる。
【0037】
また、本実施形態では、レンズユニット12をX方向へ移動させる例について説明したが、アクチュエータ18により、レンズユニット12をY方向へ移動させることもできる。この場合には、光軸L方向から見て、保持位置H1、H2には、W1、W2と各々逆方向の力が作用し、レンズユニット12はW3と逆方向へ移動する。
【0038】
また、保持部材14Aと14Bとがなす角度αは、90°に限定されるものではなく、0°≦α<180°であればよい。特に、α≦90°とすることによって、レンズユニット12の光軸L方向への可変量を大きくすることができる。
【0039】
また、上記実施形態では、保持部材を2つ配置した例について説明したが、保持部材は3個以上でもよい。図4(A)に、保持部材が3個の場合(保持部材を符号14、外側部材を符号16で示す)、図4(B)に保持部材が4個の場合(保持部材を符号14、外側部材を符号16で示す)の例を示す。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る撮像素子駆動装置の実施形態について説明する。本発明の撮像素子駆動装置は、例えば、カメラの焦点調節のために撮像素子を移動させる場合に適用可能である。本実施形態では、第1実施形態と同様の部分については同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【0040】
本実施形態の撮像素子駆動装置30は、図5に示すように、撮像素子ユニット32、保持部材34A、34B、外側部材16A、16B、及びアクチュエータ18を備える。
【0041】
撮像素子ユニット32は、板状の撮像素子台32A、及びこの撮像素子台32A上に載置され光が入射される側に受光面Rを備える撮像素子32Bにより構成されている。撮像素子32Bは、撮像素子台32Aの中央部に載置されている。撮像素子台32Aの側面の光の入射側には保持棒33Aが備えられ、撮像素子32Bの受光面Rの中心である定点Oを中心に保持棒33Aを90°回転させた位置に保持棒33Bを備える。
【0042】
外側部材16Aは、撮像素子ユニット32の側面の外側に所定距離離間して配置されている。
【0043】
保持部材34は、一対の長方形板状の弾性部材35A、35Bで構成されている。弾性部材35A、35Bは、撮像素子32Bの受光面Rの法線J方向に離間して、互いに平行に配置されている。図6(A)に示すように、弾性部材35A、35Bの各々の一端は外側部材16Aの固定位置P1に固定され、撮像素子32Bの受光面の法線J方向からみて、他端は固定位置P1から前記定点Oに向かう直線上に位置する保持棒33Aの保持位置H1に取り付けられている。したがって、弾性部材35A、35Bは、平行リンクとして機能する。なお、ここでの定点Oは、受光面Rの中心に設けてあるが、定点Oは、撮像素子ユニット32上の任意の位置とすることができる。
【0044】
保持部材34Bは、保持部材34Aを前記定点Oを円中心として90°回転させた位置に配置されている。保持部材34Bも保持部材34Aと同様に、一対の互いに平行に配置された板状の弾性部材35C、35Dで構成されている。弾性部材35C、35Dの各々の一端は外側部材16Bの固定位置P2に固定され、他端は固定位置P2から定点Oに向かう直線上に位置する保持棒33Bの保持位置H2に取り付けられている。したがって、弾性部材35C、35Dは、平行リンクとして機能する。
【0045】
図6(B)に示すように、アクチュエータ18は、法線Jと同方向に積層された圧電素子(積層型圧電素子)で構成されており、法線Jの方向(光の入射側に向かう方向をX方向、その逆側をY方向という)に、変位可能とされている。アクチュエータ18の先端部は、撮像素子台32Aの保持棒33Aの配置された位置の光が入射される側と逆側に配置され、他端部は図示しない固定部に固定されている。アクチュエータ18は、撮像素子ユニット32に対して法線J方向の力を作用可能とされている。
【0046】
なお、本実施形態では、アクチュエータ18が保持棒33Aを介して撮像素子ユニット32に対して法線L方向の力を作用させる例について説明するが、アクチュエータ18は、保持部材34A、34Bを介して撮像素子ユニット32に光軸L方向の力を作用させることもでき、また、撮像素子台32Aに直接力を作用させることもできる。
【0047】
撮像素子ユニット32の光が入射される側には、図示していないが、レンズユニットが配置されている。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0049】
図示しない回路からアクチュエータ18に電圧が印加されると、アクチュエータ18がX方向へ変位しようとする力により、撮像素子ユニット32に対してX方向の力が作用される。このとき、図6(A)に示すように、保持部材34Aの保持位置H1は固定位置P1へ向かう方向W1へ移動しようとするため、撮像素子ユニット32に対してW1方向の力が作用される。また、保持部材34Bの保持位置H2は固定位置P2へ向かう方向W2へ移動しようとするため、撮像素子ユニット32に対してW2方向の力が作用される。したがって、撮像素子ユニット32に対しては、前記2つの力の合成されたW3方向の力が作用される。W3方向と保持部材34A、34Bとは、90°よりも小さい角度θ1、θ2を各々なしている。これは、保持部材34Aと保持部材34Bとのなす角度が180°よりも小さいためである。ここで、保持位置H1、H2の可動範囲は、固定位置P1、P2を中心とし、保持部材34A、34Bの長さを半径とする円の内側に制限されているので、θ1、θ2が90°よりも大きいと、撮像素子ユニット32を法線J方向へ移動させることはできない。しかしながら、上記ではθ1、θ2が90°よりも小さい。したがって、撮像素子ユニット32を、図6(A)(B)に示すように、X方向(Z位置)へ移動させることができる。
【0050】
なお、本実施形態では、保持部材34A、34Bを一対の弾性部材により各々構成したが、保持部材34A、34Bは、1枚の弾性部材で構成することもできる。特に2枚の弾性部材で構成することにより、保持部材34A、34Bが平行リンクとして機能して撮像素子ユニット32の移動の際の回転が抑制され、法線Jの傾きを抑制することができる。
【0051】
また、本実施形態では、アクチュエータ18にを用いた例について説明したが、アクチュエータ18としては、第1実施形態で説明したように、積層型圧電素子に代えて、バイモルフや螺旋形状圧電素子をを用いることもできる(図3参照)。
【0052】
また、保持部材34Aと34Bとがなす角度αは、90°に限定されるものではなく、0°≦α<180°であればよい。特に、α≦90°とすることによって、撮像素子ユニット32の法線J方向への可変量を大きくすることができる。
【0053】
また、上記実施形態では、保持部材を2個配置した例について説明したが、保持部材は3個以上でもよい。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のレンズ駆動装置によれば、レンズの光軸方向からみて、一の保持部材の保持位置とレンズユニットの中心とを通る直線よりも一方側のレンズユニットに、他のすべての保持位置が配置されているので、保持部材を複数配置して、レンズユニットを、光軸方向に移動させることができる。
【0055】
また、本発明の撮像素子駆動装置によれば、撮像素子受光面の法線方向からみて、一の保持部材の保持位置と撮像素子の中心とを通る直線よりも一方側の撮像素子ユニットに、他のすべての保持位置が配置されているので、保持部材を複数配置して、撮像素子ユニットを、前記法線方向に移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のレンズ駆動装置の斜視図である。
【図2】(A)は、第1実施形態のレンズ駆動装置を光の入射方向からみた図であり、(B)は、レンズ駆動装置を光の入射方向と直交する方向からみた図である。
【図3】第1実施形態のアクチュエータの変形例である。
【図4】第1実施形態の保持部材の取付位置の変形例である。
【図5】第2実施形態の撮像素子駆動装置の斜視図である。
【図6】(A)は、第2実施形態の撮像素子駆動装置を撮像素子の受光面の法線方向からみた図であり、(B)は、レンズ駆動装置を前記法線方向と直交する方向からみた図である。
【図7】従来例の図である。
【図8】保持部材をレンズの中心を通る直線上に配置した例である。
【図9】レンズユニットを光軸方向へ移動させた場合の、レンズユニットと保持部材をレンズの光軸と直交する方向からみた図である。
【図10】レンズユニットを光軸方向へ移動させた場合の、レンズユニットと保持部材をレンズの光軸方向からみた図である。
【符号の説明】
10 レンズ駆動装置
12 レンズユニット
12B レンズ
14A、14B 保持部材
15A 、15B、15C、15D 弾性部材(部材)
16A、16B 外側部材
18、22、24 アクチュエータ
30 撮像素子駆動装置
32 撮像素子ユニット
32B 撮像素子
34A、34B 保持部材
35A、35B、35C、35D 弾性部材(保持部材)
H1、H2 保持位置
P1、P2 固定位置
Claims (6)
- 光を所定位置に結像可能な1又は複数のレンズを備えたレンズユニットと、
前記レンズユニットの外側に配置された外側部材と、
一端が前記外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記レンズユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記レンズユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記レンズユニットを保持する複数の保持部材と、
前記レンズユニットに対して前記レンズの光軸方向の力を作用させるアクチュエータと、
を備え、
前記光軸方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置された、レンズ駆動装置。 - 前記光軸方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内にすべての保持位置が配置された、請求項1に記載のレンズ駆動装置。
- 前記保持部材は、前記光軸方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のレンズ駆動装置。
- 光を受光する受光面を有する撮像素子を備えた撮像素子ユニットと、
前記撮像素子ユニットの外側に配置された外側部材と、
一端が外側部材の固定位置に固定されると共に他端が前記固定位置から前記撮像素子ユニットの任意の定点に向かう直線上に位置する前記撮像素子ユニットの保持位置に取り付けられ、前記固定位置を中心に回動可能とされ、前記撮像素子ユニットを保持する複数の保持部材と、
前記撮像素子ユニットに対して前記法線方向の力を作用させるアクチュエータと、
を備え、
前記法線方向からみて、一の前記保持部材の保持位置と前記定点とを通る直線よりも一方側に、他のすべての保持位置が配置された、撮像素子駆動装置。 - 前記法線方向からみて、前記定点を中心とした90°の範囲内に他のすべての保持位置が配置された、請求項4に記載の撮像素子駆動装置。
- 前記保持部材は、前記法線方向に離間して互いに平行に配置された複数の部材により構成されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の撮像素子駆動装置。
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