JP2004212496A - 混合粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】流動性および分散性に優れた混合粒子を提供する。
【手段】平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径シリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子であって、気流分級によって上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下であることを特徴とし、好ましくは嵩密度が100〜300g/l、被覆率が1.0〜30%であり、プラスチックフィルムやシートのアンチブロッキング剤、あるいは電子写真用トナー外添剤、電子写真用トナー内添剤、また電子写真感光体の表面保護層や電荷輸送層の添加剤として好適な混合粒子。
【選択図】 なし
【手段】平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径シリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子であって、気流分級によって上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下であることを特徴とし、好ましくは嵩密度が100〜300g/l、被覆率が1.0〜30%であり、プラスチックフィルムやシートのアンチブロッキング剤、あるいは電子写真用トナー外添剤、電子写真用トナー内添剤、また電子写真感光体の表面保護層や電荷輸送層の添加剤として好適な混合粒子。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大粒径シリカ粒子に小粒径粒子を外添することによって、流動性、取扱い性を高めた混合粒子に関する。本発明の混合粒子はプラスチックフィルムやシートのアンチブロッキング剤、あるいは電子写真用トナー外添剤、電子写真用トナー内添剤、また電子写真感光体の表面保護層や電荷輸送層の添加剤として好適である。
【0002】
【従来の技術】
シリカ微粉末は、ハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解により製造されるフュームドシリカ、爆燃法(特開平5-224451号)によって製造されるほぼ球形のシリカ微粒子などがある。製造条件によってシリカの粒子径は調整され、粒子径が5〜1000nm、5〜400m2/gのシリカが製造可能である(特開平12-258947号、PCT/JP01/05252)。これらのシリカ微粉末を表面改質し、トナーの外添剤に用いることによってトナーの流動性向上、電荷調整安定化剤、耐久性の向上剤として利用することが従来から知られている。例えば、粒子径15nm未満のシリカ微粉末と粒子径15〜150nmのシリカ粉末を組み合わせてトナーに利用したり(特開平11-184145号)、粒子径5〜50nmのシリカ微粉末と粒子径80〜800nmのシリカ微粉末を組み合わせてトナーに利用することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シリカ微粉末は、その一次粒子径がサブミクロン程度(0.2μm[200nm]〜0.6μm[600nm])以上に大きくなると嵩密度が100〜500g/lになり、さらに外部から振動が加わると、嵩密度が200〜800g/lに上昇して流動性が悪くなり、取扱い性が大幅に低下する。また、このシリカ微粉末を混合しながら表面処理した場合、外部からの振動を連続的に長時間与えることとなり、この結果、嵩密度が上昇して流動性が極端に低下し、取扱い性の悪いものとなる。このような場合、流動性を良くするために、例えばジェットミル粉砕を行い、嵩密度を低くする方法があるが、多大なエネルギーが必要となり、コスト高になる。
【0004】
一方、トナー添加剤として、粒子径0.04μm(40nm)程度のフュームドシリカを用いることによってトナー中への埋め込みを防止することが知られているが、実際はトナーとの混合によって次第にシリカ粒子がトナー粒子に埋め込まれるのを避けることができない。従って、これより粒子径の大きいサブミクロン程度の粒子径を有するシリカ粒子を用いることが考えられるが、従来のサブミクロン粒径のシリカ粒子は流動性が極めて悪く、単独で用いるのは困難であった。
【0005】
本発明は従来の上記問題を解決したものであり、サブミクロン程度の粒子径を有するシリカ粒子(好ましくは疎水性シリカ粒子)に、小粒径の無機酸化物粒子(好ましくは疎水性粒子)を混合し、長時間気流分級しても上下の比面積比が小さくなるようにし、好ましくは小粒径粒子によるシリカ粒子の被覆率を特定の範囲に調整することによって、流動性および取扱い性を高めた混合粒子を提供するものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明は以下の構成からなる混合粒子とそのトナー組成物に関する。
(1)平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径シリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子であって、気流分級によって上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下であることを特徴とする混合粒子。
(2) 大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子とが疎水化処理されたものである上記(1)の混合粒子。
(3) 嵩密度が100〜300g/lである上記(1)または(2)に記載する混合粒子。
(4)TEM撮影により測定した粒径分布が2つ以上あり、大粒径のグループが90%以上〜99.9%以下であり、小粒径のグループが0.1%以上〜10%未満である上記(1)、(2)または(3)に記載する混合粒子。
(5)下記式[1]による被覆率が1.0〜30%である上記(1)〜(4)の何れかに記載する混合粒子。
被覆率(%)=(√3/2π)(dt・pt/da・pa)・C [1]
(式[1]において、dt:大粒子の粒子径、da:小粒子の粒子径、pt:大粒子の密度、pt:小粒子の密度、C:濃度[小粒子/大粒子]%)
(6)75μmの気流吸引式の篩通過率が90%以上である上記(1)〜(5)の何れかに記載する混合粒子。
(7)上記(1)〜(6)の何れかに記載する混合粒子を0.2〜2.0重量%含む静電荷像現像用トナー。
【0007】
【具体的な説明】
本発明の混合粒子は、平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径のシリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子である。シリカ粒子の平均一次粒子径が1000nmより大きいと流動性が著しく損なわれる。小粒径粒子の平均一次粒子径が3nmより小さいと取扱い難い。また、小粒径粒子の平均一次粒子径が30nmより大きく、あるいはシリカ粒子の平均一次粒子径が60nmより小さいと、これらを混合した場合に粒子径の差が明確ではなく、所期の効果が得られない。この点から混合粒子は大粒径シリカ粒子と小粒径粒子の平均一次粒子径の差が50nm以上であるものが好ましい。
【0008】
上記平均一次粒子径を有するシリカ粒子は通常の製法(特開2002-3213号等)によって製造されるものを用いることができる。また、小粒径粒子はフュームドシリカ、フュームドチタニア、フュームドアルミナ、もしくはこれらの複合酸化物が好適に用いられる。
【0009】
上記シリカ粒子は表面処理しても良く、または表面処理しなくてもよい。小粒径粒子は帯電性の環境安定性の点から、特に吸湿を防ぐために表面処理したものが適当である。大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子を混合してから表面改質してもよい。すなわち、大粒径のシリカ粒子をコアにして表面改質された小粒径粒子が均一にシリカ粒子表面を覆った状態の混合粉体にすれば、シリカ粒子単独の場合に比べて帯電性の環境制御を容易に行なうことができる。表面改質剤は一般に用いられるものであれば良く、限定されない。
【0010】
上記シリカ粒子と小粒径粒子を混合する方法は一般の高速ミキサー、ヘンシェルミキサー、ターブラーミキサ、シェイカー、ハンマーミル、ピンミル等を用いることができる。これらの方法によればエネルギーあるいはコストの点で有利である。
【0011】
本発明の混合粒子は、長時間、例えば10分間以上、気流分級しても、上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下、すなわち下側粒子の比表面積Lに対する上側粒子の比表面積Uの比(U/L)が1.2以下のものである。上下に分級される粒子の比表面積の比がこのように小さく、従って分離し難いことによって、大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子とが偏在せずに均一に混合された状態を維持することができる。
【0012】
また、大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子との混合比は、気流分級による比表面積の比の限定を満たす範囲であり、大粒径のシリカ粒子100重量部に対して、小粒径粒子は0.5〜10重量部が好ましい。
【0013】
本発明の混合粒子は、好ましくは嵩密度が100〜300g/lのものである。嵩密度がこの範囲を外れると流動性を高める効果が低い。さらに、本発明の混合粒子はTEM撮影により測定した粒径分布が2つ以上あり、大粒径のグループが90%以上〜99.9%以下であり、小粒径のグループが0.1%以上〜10%未満のものである。この量比を外れると上記気流分級による比表面積の比の限定を満たすのが難しく、所期の流動性が得られない。
【0014】
本発明の混合粒子は、さらに好ましくは、下記式[1]による被覆率が1.0〜30%のものである。被覆率がこの範囲を外れると大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子の分離が起こり、例えば、長時間分散による流動性や小粒径粒子の埋込み防止の効果が得られない。
被覆率(%)=(√3/2π)(dt・pt/da・pa)・C [1]
(式[1]において、dt:大粒子の粒子径、da:小粒子の粒子径、pt:大粒子の密度、pt:小粒子の密度、C:濃度[小粒子/大粒子]%)
【0015】
大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子が、以上述べた粒径条件や気流分級による比表面積の比、嵩密度、粒径分布、被覆率の条件を満たすことによって、75μmの気流吸引式の篩通過率が90%以上の混合粒子を得ることができる。なお、この篩通過率が90%未満のものは例えばトナー粒子に添加した場合、流動性に問題を生じ、ベタずりした場合の画像に白点などを発生する要因となる。
【0016】
上記混合粒子を流動化剤としてトナーに0.2〜2.0重量%添加したトナー組成物は、シリカ粒子と小粒径粒子を別々に添加した場合と比べて格段に流動性に優れ、長時間の分散によっても流動化剤がトナー粒子に埋没することがなく、良質な画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に示す。なお、各物性値の測定方法は次のとおりである。
〔嵩密度〕:メスシリンダー(容量250ml)にゆっくり所定量のシリカ微粉末を投入して重量を測定し、その値をXgとする。シリカを投入し終わった後、3分間メスシリンダーを静置した後にシリカ容積を読み取り、その値をYmlとする。式(X/Y×1000)に従って嵩密度(g/l)を求める。
〔篩通過率(75μmの気流吸引式の篩通過率)〕:ヘンシェルミキサーで5分攪拌したシリカをエアージェットシーブ(ホソカワミクロン社製:200LS-N)に装入し、シリカ重量2g、運転時間3分、吸引圧力1500paで振動させ、篩上に残存した重量の比から通過率を求めた。90%以上通過したものを良好とした。
【0018】
〔安息角〕:パウダテスタ(ホソカワミクロン社製:PT−N型)を用いて安息角を測定した。この値が40度以下であるものを流動性良好とした。
〔スクリーン通過率:45μmスクリーン〕:トナー組成物をパウダテスタ(ホソカワミクロン社製:PT−N型)にて、150μm、75μm、45μmの各スクリーンを振動させながら、順次篩い分けを行ない、各スクリーンを全て通過した割合を45μmスクリーン通過率とした。この値が80%以上を流動性良好とした。
〔帯電量差〕:電子写真用トナー組成物と鉄粉キャリアとを24時間LLおよび24時間HH条件下に放置し、ターブラーミキサで摩擦帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製:TB-200)で帯電量を測定した。
〔画像評価〕:市販のデジタル複写機を用い、ベタ塗り印刷を行い、白抜け、かぶり、画像濃度を初期の画像、50000枚印刷後の画像とで評価した。
〔耐久性評価〕:市販のデジタル複写機の感光体ドラムの表面を観察し、損傷がないか確認をおこなった。1μm以上の損傷が5個以上あるものを不良、1個以上〜5未満を難あり、損傷無いものを良好とした。
〔トナーの埋め込み性能評価〕:走査型電子顕微鏡(JUSCO社製)を用い、50000倍で撮影を行った。初期と50000倍で比較した。埋め込みが確認されなかったものを良好とし、少々埋め込みが確認されたものを難あり、埋め込みが完全におこっていたものを不良とした。
【0019】
[実施例1]
嵩密度200g/l、BET比表面積22m2/g、粒子径123nmの球状シリカ(アト゛マファインSO-C1:アト゛マテックス社製品)を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらシリカ100gに対してヘキサメチルジシラザン5gをスプレーし、250℃で120分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉体Aを調製した。この嵩密度は480g/lであり、安息角は69度であった。このシリカ微粉体Aに、市販のBET比表面積150m2/g、粒子径12nmのヘキサメチルジシラザンで表面処理したフュームドシリカ(日本アエロシ゛ル社製品:RX200、原料Aerosil200、BET:200m2/g)を2重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。比較例1と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0020】
[実施例2]
嵩密度320g/l、BET比表面積34m2/g、粒子径80nmの気相法合成により製造された乾式シリカを反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら粉100gに対して、シリコーンオイル(信越化学工業社製品: KF96-50cs)10gとデシルトリメトキシシラン2gの混合溶液をスプレーし、350℃で180分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉末Bを調製した。この嵩密度は610g/lであり、安息角は82度であった。このシリカ微粉末Bに、市販のBET比表面積150m2/g、粒子径13nmのオクチルトリメトキシランで表面処理されたフュームドシリカ(R805:デグサ社製品、原料Aerosil200、BET:200m2/g)を1重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例2と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0021】
[実施例3]
嵩密度330g/l、BET比表面積12m2/g、粒子径273nmの気相法合成により製造された乾式シリカを反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら粉100gに対して、デシルトリメトキシシラン5gとヘキサメチルジシラザン2gの混合溶液をスプレーし、250℃で180分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉末Cを調製した。この嵩密度は540g/lであり、安息角は72度であった。このシリカ微粉末Cに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理されたフュームドシリカ(R812S:デグサ社製品、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を0.5重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例3と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0022】
[実施例4]
嵩密度930g/l、BET比表面積4m2/g、粒子径700nmの気相法合成により製造された乾式シリカに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理されたフュームドシリカ(R812S:デグサ社、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を1重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例6と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0023】
[実施例5]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末B、に市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理されたフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)を10重量%添加し、ピンミルで600rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例5と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0024】
[比較例1]
実施例1で調製したシリカ微粉末Aに、市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)を15重量%添加して、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。この混合粉体の嵩密度は186g/lであり、小粒径粉末の被覆率は12.7%、75μmの気流吸引式の篩通過率は95%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例1と比べて白抜け、画像濃度に問題を生じた。
【0025】
[比較例2]
実施例2で調製したシリカ微粉末Bに、市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)を0.08重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。この混合粉体の嵩密度は600g/l、小粒径粉末の被覆率は0.1%、75μmの気流吸引式の篩通過率は65%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例2と比べて白抜け、かぶり、耐久性に問題を生じた。
【0026】
[比較例3]
市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)をターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ粉末の嵩密度は43g/l、75μmの気流吸引式の篩通過率は60%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。特に耐久性に問題を生じた。
【0027】
[比較例4]
実施例2で調製したシリカ微粉末Bをターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ粉末の嵩密度は600g/l、75μmの気流吸引式の篩通過率は60%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。特に白抜け、かぶりの問題を生じた。
【0028】
[比較例5]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末Bに、市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理したフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)を30重量%を添加し、ピンミルで600rpm、30秒間混合した。このシリカ混合物の嵩密度は125g/l、小粒径粉末の被覆率は38.0%、75μmの気流吸引式の篩通過率は79%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例5と比べて白抜け、かぶりの問題を生じた。
【0029】
[比較例6]
嵩密度930g/l、BET比表面積4m2/g、粒子径700nmの気相法合成により製造された乾式シリカに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理したフュームドシリカ(R812S:デグサ社製品、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を20重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ混合物の嵩密度は210g/l、小粒径粉末の被覆率は552%、75μmの気流吸引式の篩通過率は70%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例4と比べて白抜け、画像濃度に問題を生じた。
【0030】
[比較例7]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末Bと、市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理したフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)とを、負帯電性7μmトナーに前混合なく同時に添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。比較例4と比べて白抜け、かぶり、画像濃度、耐久性に問題を生じた。
【0031】
【発明の効果】
本発明の混合粒子は流動性および分散性に優れているので、電子写真方式による複写機、プリンター、ファクシミリ、製版システムなどのトナー添加剤として用いた場合、優れた画像を得ることができる。また、本発明の混合粒子は分散性に優れているので、プラスチックフィルムやシートにおいて、容易にフィルム表面に微細な凹凸を形成し、接触面積を減少させてブロッキングを防止することができる。さらに、本発明の混合粒子を電子写真用トナーに外添して用いれば、流動性改善、帯電性制御、耐熱および長期保存性改善、クリーニング特性制御、キャリアや感光体表面での付着性制御、現像材劣化挙動の制御を容易に行うことができる。また、電子写真用トナーに内添することによって耐久性を改善し、さらに、電気的あるいは機械的な負荷がかかる電子写真感光体の表面保護層の耐久性を改善することができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大粒径シリカ粒子に小粒径粒子を外添することによって、流動性、取扱い性を高めた混合粒子に関する。本発明の混合粒子はプラスチックフィルムやシートのアンチブロッキング剤、あるいは電子写真用トナー外添剤、電子写真用トナー内添剤、また電子写真感光体の表面保護層や電荷輸送層の添加剤として好適である。
【0002】
【従来の技術】
シリカ微粉末は、ハロゲン化ケイ素の燃焼加水分解により製造されるフュームドシリカ、爆燃法(特開平5-224451号)によって製造されるほぼ球形のシリカ微粒子などがある。製造条件によってシリカの粒子径は調整され、粒子径が5〜1000nm、5〜400m2/gのシリカが製造可能である(特開平12-258947号、PCT/JP01/05252)。これらのシリカ微粉末を表面改質し、トナーの外添剤に用いることによってトナーの流動性向上、電荷調整安定化剤、耐久性の向上剤として利用することが従来から知られている。例えば、粒子径15nm未満のシリカ微粉末と粒子径15〜150nmのシリカ粉末を組み合わせてトナーに利用したり(特開平11-184145号)、粒子径5〜50nmのシリカ微粉末と粒子径80〜800nmのシリカ微粉末を組み合わせてトナーに利用することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
シリカ微粉末は、その一次粒子径がサブミクロン程度(0.2μm[200nm]〜0.6μm[600nm])以上に大きくなると嵩密度が100〜500g/lになり、さらに外部から振動が加わると、嵩密度が200〜800g/lに上昇して流動性が悪くなり、取扱い性が大幅に低下する。また、このシリカ微粉末を混合しながら表面処理した場合、外部からの振動を連続的に長時間与えることとなり、この結果、嵩密度が上昇して流動性が極端に低下し、取扱い性の悪いものとなる。このような場合、流動性を良くするために、例えばジェットミル粉砕を行い、嵩密度を低くする方法があるが、多大なエネルギーが必要となり、コスト高になる。
【0004】
一方、トナー添加剤として、粒子径0.04μm(40nm)程度のフュームドシリカを用いることによってトナー中への埋め込みを防止することが知られているが、実際はトナーとの混合によって次第にシリカ粒子がトナー粒子に埋め込まれるのを避けることができない。従って、これより粒子径の大きいサブミクロン程度の粒子径を有するシリカ粒子を用いることが考えられるが、従来のサブミクロン粒径のシリカ粒子は流動性が極めて悪く、単独で用いるのは困難であった。
【0005】
本発明は従来の上記問題を解決したものであり、サブミクロン程度の粒子径を有するシリカ粒子(好ましくは疎水性シリカ粒子)に、小粒径の無機酸化物粒子(好ましくは疎水性粒子)を混合し、長時間気流分級しても上下の比面積比が小さくなるようにし、好ましくは小粒径粒子によるシリカ粒子の被覆率を特定の範囲に調整することによって、流動性および取扱い性を高めた混合粒子を提供するものである。
【0006】
【課題を解決する手段】
本発明は以下の構成からなる混合粒子とそのトナー組成物に関する。
(1)平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径シリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子であって、気流分級によって上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下であることを特徴とする混合粒子。
(2) 大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子とが疎水化処理されたものである上記(1)の混合粒子。
(3) 嵩密度が100〜300g/lである上記(1)または(2)に記載する混合粒子。
(4)TEM撮影により測定した粒径分布が2つ以上あり、大粒径のグループが90%以上〜99.9%以下であり、小粒径のグループが0.1%以上〜10%未満である上記(1)、(2)または(3)に記載する混合粒子。
(5)下記式[1]による被覆率が1.0〜30%である上記(1)〜(4)の何れかに記載する混合粒子。
被覆率(%)=(√3/2π)(dt・pt/da・pa)・C [1]
(式[1]において、dt:大粒子の粒子径、da:小粒子の粒子径、pt:大粒子の密度、pt:小粒子の密度、C:濃度[小粒子/大粒子]%)
(6)75μmの気流吸引式の篩通過率が90%以上である上記(1)〜(5)の何れかに記載する混合粒子。
(7)上記(1)〜(6)の何れかに記載する混合粒子を0.2〜2.0重量%含む静電荷像現像用トナー。
【0007】
【具体的な説明】
本発明の混合粒子は、平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径のシリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子である。シリカ粒子の平均一次粒子径が1000nmより大きいと流動性が著しく損なわれる。小粒径粒子の平均一次粒子径が3nmより小さいと取扱い難い。また、小粒径粒子の平均一次粒子径が30nmより大きく、あるいはシリカ粒子の平均一次粒子径が60nmより小さいと、これらを混合した場合に粒子径の差が明確ではなく、所期の効果が得られない。この点から混合粒子は大粒径シリカ粒子と小粒径粒子の平均一次粒子径の差が50nm以上であるものが好ましい。
【0008】
上記平均一次粒子径を有するシリカ粒子は通常の製法(特開2002-3213号等)によって製造されるものを用いることができる。また、小粒径粒子はフュームドシリカ、フュームドチタニア、フュームドアルミナ、もしくはこれらの複合酸化物が好適に用いられる。
【0009】
上記シリカ粒子は表面処理しても良く、または表面処理しなくてもよい。小粒径粒子は帯電性の環境安定性の点から、特に吸湿を防ぐために表面処理したものが適当である。大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子を混合してから表面改質してもよい。すなわち、大粒径のシリカ粒子をコアにして表面改質された小粒径粒子が均一にシリカ粒子表面を覆った状態の混合粉体にすれば、シリカ粒子単独の場合に比べて帯電性の環境制御を容易に行なうことができる。表面改質剤は一般に用いられるものであれば良く、限定されない。
【0010】
上記シリカ粒子と小粒径粒子を混合する方法は一般の高速ミキサー、ヘンシェルミキサー、ターブラーミキサ、シェイカー、ハンマーミル、ピンミル等を用いることができる。これらの方法によればエネルギーあるいはコストの点で有利である。
【0011】
本発明の混合粒子は、長時間、例えば10分間以上、気流分級しても、上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下、すなわち下側粒子の比表面積Lに対する上側粒子の比表面積Uの比(U/L)が1.2以下のものである。上下に分級される粒子の比表面積の比がこのように小さく、従って分離し難いことによって、大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子とが偏在せずに均一に混合された状態を維持することができる。
【0012】
また、大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子との混合比は、気流分級による比表面積の比の限定を満たす範囲であり、大粒径のシリカ粒子100重量部に対して、小粒径粒子は0.5〜10重量部が好ましい。
【0013】
本発明の混合粒子は、好ましくは嵩密度が100〜300g/lのものである。嵩密度がこの範囲を外れると流動性を高める効果が低い。さらに、本発明の混合粒子はTEM撮影により測定した粒径分布が2つ以上あり、大粒径のグループが90%以上〜99.9%以下であり、小粒径のグループが0.1%以上〜10%未満のものである。この量比を外れると上記気流分級による比表面積の比の限定を満たすのが難しく、所期の流動性が得られない。
【0014】
本発明の混合粒子は、さらに好ましくは、下記式[1]による被覆率が1.0〜30%のものである。被覆率がこの範囲を外れると大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子の分離が起こり、例えば、長時間分散による流動性や小粒径粒子の埋込み防止の効果が得られない。
被覆率(%)=(√3/2π)(dt・pt/da・pa)・C [1]
(式[1]において、dt:大粒子の粒子径、da:小粒子の粒子径、pt:大粒子の密度、pt:小粒子の密度、C:濃度[小粒子/大粒子]%)
【0015】
大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子が、以上述べた粒径条件や気流分級による比表面積の比、嵩密度、粒径分布、被覆率の条件を満たすことによって、75μmの気流吸引式の篩通過率が90%以上の混合粒子を得ることができる。なお、この篩通過率が90%未満のものは例えばトナー粒子に添加した場合、流動性に問題を生じ、ベタずりした場合の画像に白点などを発生する要因となる。
【0016】
上記混合粒子を流動化剤としてトナーに0.2〜2.0重量%添加したトナー組成物は、シリカ粒子と小粒径粒子を別々に添加した場合と比べて格段に流動性に優れ、長時間の分散によっても流動化剤がトナー粒子に埋没することがなく、良質な画像を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に示す。なお、各物性値の測定方法は次のとおりである。
〔嵩密度〕:メスシリンダー(容量250ml)にゆっくり所定量のシリカ微粉末を投入して重量を測定し、その値をXgとする。シリカを投入し終わった後、3分間メスシリンダーを静置した後にシリカ容積を読み取り、その値をYmlとする。式(X/Y×1000)に従って嵩密度(g/l)を求める。
〔篩通過率(75μmの気流吸引式の篩通過率)〕:ヘンシェルミキサーで5分攪拌したシリカをエアージェットシーブ(ホソカワミクロン社製:200LS-N)に装入し、シリカ重量2g、運転時間3分、吸引圧力1500paで振動させ、篩上に残存した重量の比から通過率を求めた。90%以上通過したものを良好とした。
【0018】
〔安息角〕:パウダテスタ(ホソカワミクロン社製:PT−N型)を用いて安息角を測定した。この値が40度以下であるものを流動性良好とした。
〔スクリーン通過率:45μmスクリーン〕:トナー組成物をパウダテスタ(ホソカワミクロン社製:PT−N型)にて、150μm、75μm、45μmの各スクリーンを振動させながら、順次篩い分けを行ない、各スクリーンを全て通過した割合を45μmスクリーン通過率とした。この値が80%以上を流動性良好とした。
〔帯電量差〕:電子写真用トナー組成物と鉄粉キャリアとを24時間LLおよび24時間HH条件下に放置し、ターブラーミキサで摩擦帯電させ、ブローオフ帯電量測定装置(東芝ケミカル社製:TB-200)で帯電量を測定した。
〔画像評価〕:市販のデジタル複写機を用い、ベタ塗り印刷を行い、白抜け、かぶり、画像濃度を初期の画像、50000枚印刷後の画像とで評価した。
〔耐久性評価〕:市販のデジタル複写機の感光体ドラムの表面を観察し、損傷がないか確認をおこなった。1μm以上の損傷が5個以上あるものを不良、1個以上〜5未満を難あり、損傷無いものを良好とした。
〔トナーの埋め込み性能評価〕:走査型電子顕微鏡(JUSCO社製)を用い、50000倍で撮影を行った。初期と50000倍で比較した。埋め込みが確認されなかったものを良好とし、少々埋め込みが確認されたものを難あり、埋め込みが完全におこっていたものを不良とした。
【0019】
[実施例1]
嵩密度200g/l、BET比表面積22m2/g、粒子径123nmの球状シリカ(アト゛マファインSO-C1:アト゛マテックス社製品)を反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながらシリカ100gに対してヘキサメチルジシラザン5gをスプレーし、250℃で120分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉体Aを調製した。この嵩密度は480g/lであり、安息角は69度であった。このシリカ微粉体Aに、市販のBET比表面積150m2/g、粒子径12nmのヘキサメチルジシラザンで表面処理したフュームドシリカ(日本アエロシ゛ル社製品:RX200、原料Aerosil200、BET:200m2/g)を2重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。比較例1と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0020】
[実施例2]
嵩密度320g/l、BET比表面積34m2/g、粒子径80nmの気相法合成により製造された乾式シリカを反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら粉100gに対して、シリコーンオイル(信越化学工業社製品: KF96-50cs)10gとデシルトリメトキシシラン2gの混合溶液をスプレーし、350℃で180分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉末Bを調製した。この嵩密度は610g/lであり、安息角は82度であった。このシリカ微粉末Bに、市販のBET比表面積150m2/g、粒子径13nmのオクチルトリメトキシランで表面処理されたフュームドシリカ(R805:デグサ社製品、原料Aerosil200、BET:200m2/g)を1重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例2と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0021】
[実施例3]
嵩密度330g/l、BET比表面積12m2/g、粒子径273nmの気相法合成により製造された乾式シリカを反応槽に入れ、窒素雰囲気下、撹拌しながら粉100gに対して、デシルトリメトキシシラン5gとヘキサメチルジシラザン2gの混合溶液をスプレーし、250℃で180分加熱撹拌した後に冷却し、表面改質シリカ微粉末Cを調製した。この嵩密度は540g/lであり、安息角は72度であった。このシリカ微粉末Cに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理されたフュームドシリカ(R812S:デグサ社製品、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を0.5重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例3と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0022】
[実施例4]
嵩密度930g/l、BET比表面積4m2/g、粒子径700nmの気相法合成により製造された乾式シリカに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理されたフュームドシリカ(R812S:デグサ社、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を1重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例6と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0023】
[実施例5]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末B、に市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理されたフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)を10重量%添加し、ピンミルで600rpm、30秒間混合し、気流分級による上下の比表面積の比、嵩密度、小粒径粉末の被覆率が表1に示す値になるように調整した。この混合粒子の75μm気流吸引式の篩通過率を表1に示した。次に、この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った。この結果を表2に示した。比較例5と比べて白抜け、かぶり、画像濃度とも問題なく、良好な画像を得た。
【0024】
[比較例1]
実施例1で調製したシリカ微粉末Aに、市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)を15重量%添加して、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。この混合粉体の嵩密度は186g/lであり、小粒径粉末の被覆率は12.7%、75μmの気流吸引式の篩通過率は95%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例1と比べて白抜け、画像濃度に問題を生じた。
【0025】
[比較例2]
実施例2で調製したシリカ微粉末Bに、市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)を0.08重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。この混合粉体の嵩密度は600g/l、小粒径粉末の被覆率は0.1%、75μmの気流吸引式の篩通過率は65%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例2と比べて白抜け、かぶり、耐久性に問題を生じた。
【0026】
[比較例3]
市販の表面処理フュームドシリカ(RX200)をターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ粉末の嵩密度は43g/l、75μmの気流吸引式の篩通過率は60%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。特に耐久性に問題を生じた。
【0027】
[比較例4]
実施例2で調製したシリカ微粉末Bをターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ粉末の嵩密度は600g/l、75μmの気流吸引式の篩通過率は60%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。特に白抜け、かぶりの問題を生じた。
【0028】
[比較例5]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末Bに、市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理したフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)を30重量%を添加し、ピンミルで600rpm、30秒間混合した。このシリカ混合物の嵩密度は125g/l、小粒径粉末の被覆率は38.0%、75μmの気流吸引式の篩通過率は79%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例5と比べて白抜け、かぶりの問題を生じた。
【0029】
[比較例6]
嵩密度930g/l、BET比表面積4m2/g、粒子径700nmの気相法合成により製造された乾式シリカに、市販のBET比表面積260m2/g、粒子径7nmのHMDSで表面処理したフュームドシリカ(R812S:デグサ社製品、原料Aerosil300、BET:300m2/g)を20重量%添加し、ターブラーミキサーで90rpm、30秒間混合した。このシリカ混合物の嵩密度は210g/l、小粒径粉末の被覆率は552%、75μmの気流吸引式の篩通過率は70%であった。この混合粒子を負帯電性7μmトナーに添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。実施例4と比べて白抜け、画像濃度に問題を生じた。
【0030】
[比較例7]
実施例2で用いた表面改質シリカ微粉末Bと、市販のBET比表面積70m2/g、粒子径14nmのアルキルトリメトキシランで表面処理したフュームドチタニア(NKT90:日本アエロジル社製品、原料TN90、BET:90m2/g)とを、負帯電性7μmトナーに前混合なく同時に添加し、画像評価等行った結果を表2に示した。比較例4と比べて白抜け、かぶり、画像濃度、耐久性に問題を生じた。
【0031】
【発明の効果】
本発明の混合粒子は流動性および分散性に優れているので、電子写真方式による複写機、プリンター、ファクシミリ、製版システムなどのトナー添加剤として用いた場合、優れた画像を得ることができる。また、本発明の混合粒子は分散性に優れているので、プラスチックフィルムやシートにおいて、容易にフィルム表面に微細な凹凸を形成し、接触面積を減少させてブロッキングを防止することができる。さらに、本発明の混合粒子を電子写真用トナーに外添して用いれば、流動性改善、帯電性制御、耐熱および長期保存性改善、クリーニング特性制御、キャリアや感光体表面での付着性制御、現像材劣化挙動の制御を容易に行うことができる。また、電子写真用トナーに内添することによって耐久性を改善し、さらに、電気的あるいは機械的な負荷がかかる電子写真感光体の表面保護層の耐久性を改善することができる。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
Claims (7)
- 平均一次粒子径60〜1000nmの大粒径シリカ粒子と、平均一次粒子径3〜30nmの小粒径粒子との混合粒子であって、気流分級によって上下に分級される粒子の比表面積の比が±20%以下であることを特徴とする混合粒子。
- 大粒径のシリカ粒子と小粒径粒子とが疎水化処理されたものである請求項1の混合粒子。
- 嵩密度が100〜300g/lである請求項1または2に記載する混合粒子。
- TEM撮影により測定した粒径分布が2つ以上あり、大粒径のグループが90%以上〜99.9%以下であり、小粒径のグループが0.1%以上〜10%未満である請求項1、2または3に記載する混合粒子。
- 下記式[1]による被覆率が1.0〜30%である請求項1〜4の何れかに記載する混合粒子。
被覆率(%)=(√3/2π)(dt・pt/da・pa)・C [1]
(式[1]において、dt:大粒子の粒子径、da:小粒子の粒子径、pt:大粒子の密度、pt:小粒子の密度、C:濃度[小粒子/大粒子]%) - 75μmの気流吸引式の篩通過率が90%以上である請求項1〜5の何れかに記載する混合粒子。
- 請求項1〜6の何れかに記載する混合粒子を0.2〜2.0重量%含む静電荷像現像用トナー。
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