JP2004210823A - 粘着テープ - Google Patents

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Yuichi Sakai
裕一 酒井
Junichi Yamamoto
淳一 山元
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Asahi Kasei Chemicals Corp
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Abstract

【課題】紙等の浸透性基材を用いる場合もポリエチレンラミネートやアンダーコート剤の塗布が不要で剥離剤の基材への直接塗布により製造可能であり、シリコーン使用量が少ない場合でも剥離性に優れ、剥離強度の経時変化が少なく、剥離後の粘着テープの残留接着率が高く、且つ、剥離面への筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性を有する粘着テープ、及び、その製造方法を提供すること。
【解決手段】剥離剤層が不飽和カルボン酸モノマー5〜80重量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及びシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を用いてなる粘着テープ、及びその製造方法。
【選択図】 選択図無し

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はクラフト粘着テープ等の粘着テープ、及び、その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クラフト粘着テープ等の粘着テープではテープ基材の片面に設けられた粘着剤層を使用時前まで保護するためにその反対面に剥離剤層を設けている。こうした剥離剤層は主に溶剤型、無溶剤型もしくはエマルジョン型のシリコーン樹脂より成る剥離剤液を紙等の基材に直接塗布する方法により製造可能である。しかし、かかる方法では紙等の浸透性基材の場合には塗工液が基材に浸透するため、シリコーン樹脂の使用量が多くなる問題点を有していた。そこで、塗工液の浸透を抑えるために、基材上にポリエチレンをラミネートし、その上に溶剤型のシリコーン樹脂を塗布する方法が現在、主流となっている。しかし、近年、資源、環境問題より紙をリサイクルして再生紙とする必要が生じている。そのためには回収性の悪いポリエチレンラミネートを使用しない方法が望まれている。具体的にはポリエチレンに代えてSBラテックス、アクリルラテックス等のラテックス類(特開2001-2975等)、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂(特開平5-279995等)をアンダーコート剤として基材上に塗布した後、シリコーン樹脂を塗布する方法が提案されている。しかし、この方法では性能、生産性の面で十分満足するものが得られていない。また、水性エマルジョンとシリコーン化合物の混合物を直接塗布、硬化する方法(特表平3-500060)も提案されているが剥離性が不十分であり、剥離強度が経時的に増加し、またシリコーン化合物の使用量を多くしないと剥離性が発現されない等の欠点を有していた。
【0003】
また、剥離剤層面にマジックインキ、水性インキ、インクジェットプリンター、熱転写プリンター等により筆記、印刷可能なクラフトテープ等の粘着テープの提供が望まれている。剥離剤としてシリコーン樹脂を用いる方法では剥離性は良好であるが筆記、印字性が不十分であり、一方、剥離剤として長鎖アルキル基含有化合物等の非シリコーン化合物を用いた場合は筆記性、印字性は良好で有るが剥離性が不十分であり、剥離性と筆記性、印字性をともに満足するものは得られていない。さらに、粘着テープで段ボールなどを梱包して積み重ねたときに荷崩れを起こしにくいノンスリップ性、粘着テープが重ね張りできる重ね張り性を有する、剥離面が滑りにくい粘着テープが望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001-2975号公報
【特許文献2】
特開平5-279995号公報
【特許文献3】
特表平3-500060号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、紙等の浸透性基材を用いる場合もポリエチレンラミネートやアンダーコート剤の塗布が不要で基材への剥離剤の直接塗布により製造可能であり、シリコーン使用量が少ない場合でも剥離性に優れ、剥離強度の経時変化が少なく、剥離後の粘着テープの残留接着率が高く、且つ、剥離面の筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性を有する粘着テープ及び、その製造方法を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、前記課題を解決するため種々検討を行った結果、剥離剤層に特定のエマルジョン共重合体より得られる樹脂中和物、及びシリコーンエマルジョン、及び/又はシリコーン分散体を用いてなる以下の粘着テープを見出し、本発明をなすに至った。
【0007】
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)基材の片面に剥離剤層を設け、その反対面に粘着剤層を設けた粘着テープにおいて、該剥離剤層が(A)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を用いてなる事を特徴とする粘着テープ。
(2)粘着剤層が水溶性又は水分散性粘着剤、又は、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤を用いてなる事を特徴とする(1)に記載の粘着テープ。
(3)(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下である(1)〜(2)のいずれかに記載の粘着テープ。
(4)剥離剤層中に於ける(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1〜50質量%であり、且つ、XPS(X線光電子分光装置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素原子濃度が10〜30原子%である事を特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の粘着テープ。
【0008】
(5)中和反応により得られる樹脂中和物が水溶性である(1)〜(4)のいずれかに記載の粘着テープ。
(6)不飽和カルボン酸モノマーがアクリル酸及び/又はメタクリル酸である(1)〜(5)のいずれかに記載の粘着テープ。
(7)中和反応に用いられる塩基性物質がアンモニアである(1)〜(6)のいずれかに記載の粘着テープ。
(8)中和反応により得られる樹脂中和物のpHが3〜13である(1)〜(7)のいずれかに記載の粘着テープ。
(9)(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体が硬化性シリコーンである(1)〜(8)のいずれか一項に記載の粘着テープ。
(10)(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体がSi-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンから成り、白金族化合物を含む事を特徴とする(1)〜(9)のいずれかに記載の粘着テープ。
【0009】
(11)基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムのいずれかである(1)〜(10)のいずれかに記載の粘着テープ。
(12)基材が紙または布のいずれかである(11)に記載の粘着テープ。
(13)(A)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を含有する剥離剤を基材の片面に塗布、乾燥した後、粘着剤をその反対面に塗布、乾燥する事を特徴とする粘着テープの製造方法。
(14)粘着剤が水溶性又は水分散性粘着剤、又は、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤である事を特徴とする(13)に記載の粘着テープの製造方法。
(15)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下である(13)〜(14)のいずれかに記載の粘着テープの製造方法。
【0010】
(16)剥離剤の全固形分に対する(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1〜50質量%である(13)〜(15)のいずれかに記載の粘着テープの製造方法。
(17)中和反応により得られる樹脂中和物が水溶性である(13)〜(16)のいずれかに記載の粘着テープの製造方法。
(18)剥離剤が(C)(イ)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(ロ)ビニルシリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体及び白金族化合物、より成る剥離剤原液C、及び(D)Si-H基含有シリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体より成る剥離剤原液D、を混合して成る(13)〜(17)のいずれかに記載の粘着テープの製造方法。
(19)剥離剤の乾燥温度が100〜250℃で有ることを特徴とする(13)〜(18)に記載の剥離性材料の製造方法。
(20)基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムのいずれかである(13)〜(19)のいずれかに記載の粘着テープの製造方法。
(21)基材が紙または布のいずれかである(20)に記載の粘着テープの製造方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明について、以下に具体的に説明する。本発明においては基材の片面に剥離剤層を設け、その反対面に粘着剤層を設ける。該剥離剤層は基材上に直接設ける事もできるし、基材上に必要に応じてポリエチレンラミネート層、アンダーコート層等を設け、その上に本発明の剥離剤層を設けることもできる。但し、リサイクル性、生産性からは本発明の剥離剤層を基材上に直接設けるのが好ましい。
【0012】
本発明の粘着テープはXPS(X線光電子分光装置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素原子濃度が10〜30原子%であることが好ましく、より好ましくは10〜25原子%であり、更に好ましくは15〜24原子%である。表層ケイ素原子濃度が該範囲であるときは剥離性と筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性がともに良好である。本発明に於けるケイ素原子の原子%とはXPS(X線光電子分光装置)により測定される炭素原子以上の原子番号を持つ全ての原子数定量値の合計を基準としてケイ素原子の比率を表したものとする。測定に用いられるXPS(X線光電子分光装置)は試料にX線を照射し、表面から放出された光電子の運動エネルギーを分析する装置であり、試料表層(分析深さ数nm)に存在する元素の定性,定量,および化学状態分析ができるものであれば、特に限定されないが、サーモVG社製ESCALAB250などが例示される。
【0013】
本発明の粘着テープの製造に用いられる剥離剤は不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物を含有する必要がある。該剥離剤を用いて剥離剤層に特定の樹脂中和物由来の成分を含有させることにより優れた剥離性、経時変化抑制、残留接着率向上、剥離面への筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性を達成することが出来る。
【0014】
本発明に用いられるエマルジョン共重合体(エマルジョン状態にある共重合体)は重合に用いた全モノマーに対する不飽和カルボン酸モノマーの質量分率が5〜80質量%である必要があり、更に質量分率10〜60質量%が好ましく、15〜50質量%がより好ましい。不飽和カルボン酸モノマーが該範囲であるときはエマルジョンの安定性、及び、エマルジョンの中和反応により得られる樹脂成分の水溶解性、膨潤性が良好であるので好ましい。本発明に用いられるエマルジョン共重合体は該不飽和カルボン酸モノマーと、必要により、その他の重合性モノマーを含有する単量体組成物から通常の乳化重合の手法により製造することが出来る。
【0015】
本発明に用いられる不飽和カルボン酸モノマーはカルボン酸基と重合性の2重結合を有するモノマーであれば特に限定されないがアクリル酸、メタクリル酸等の不飽和モノカルボン酸モノマー、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等の不飽和ポリカルボン酸モノマーおよび、これらのカルボン酸基を1つ以上残したエステルが例示され、剥離性の発現、塗膜物性の点からアクリル酸、メタクリル酸が好ましく用いられる。これらの不飽和カルボン酸モノマーは2種以上併用することができる。
【0016】
本発明に用いられるその他の重合性モノマーとしては不飽和カルボン酸モノマーと共重合可能で有れば特に制限されないが、例示すると酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、エチレン、イソプレン、ブタジエン、塩化ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸(2-エチルヘキシル)などのアクリル酸エステル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸(2-エチルヘキシル)などのメタクリル酸エステル、アクリルアミドなどのアミド誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが上げられ、剥離性の発現、塗膜物性の点からアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく用いられる。これらの重合性モノマーは1種または1種以上使用することができる。
【0017】
本発明に用いられるエマルジョン共重合体のガラス転移点温度は特に限定されないが、塗膜強度、剥離性等の塗膜物性の点から-35〜140℃が好ましく、-25〜100℃がより好ましく用いられる。
本発明に用いられる剥離剤は該エマルジョン共重合体を塩基性物質により中和して得られる樹脂中和物(A)を含有する。該エマルジョン共重合体はpH3未満の酸性条件下では粒子状態で水中に乳化分散しているが塩基性物質を加えてpH上げることにより水に溶解、又は膨潤する。本発明に用いられる樹脂中和物は水溶性、又は水膨潤性の性質を有するものである。本発明に用いる塩基性物質は該エマルジョン共重合体の不飽和カルボン酸部分との中和反応により、該エマルジョン共重合体を水に溶解、又は膨潤できるものであれば特に限定されないが水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、シクロヘキシルアミン、アリルアミン、エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、エタノールアミン等の脂肪族アミン化合物、アニリン等の芳香族アミンが例示され、剥離性、残留接着性、塗膜物性の点からアンモニア、脂肪族アミン化合物が好ましく用いられ、アンモニアが特に好ましく用いられる。塩基性物質により該エマルジョン共重合体を水に溶解、又は膨潤することにより剥離性、残留接着性を向上させることができ、塩基性物質により該エマルジョン共重合体を水に溶解する場合、すなわち本発明の樹脂中和物が水溶性である方が剥離性、残留接着性の点からより好ましい。
【0018】
本発明において該エマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応後の樹脂中和物のpHは特に限定されないが3〜13であるのが好ましく、5〜12であるのがより好ましく、6〜10であるのが更に好ましい。pHが該範囲であるときは剥離性、残留接着性、エマルジョンの中和反応により得られる樹脂成分の水溶解性、膨潤性が良好であるので好ましい。本発明のおいて中和反応の方法は特に限定されないが、エマルジョン共重合体に塩基性物質の水溶液を所定のpHになるまで攪拌しつつ加える方法が例示される。加える塩基性物質の水溶液濃度は特に限定されないが適当な剥離剤濃度が得られ、局所的な中和反応による増粘、ゲル化を避けるためには1〜20質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましく用いられる。
【0019】
本発明に用いられる剥離剤におけるエマルジョン共重合体濃度は特に限定されないが適当な剥離剤粘度が得られることから1〜60質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましく用いられる。
【0020】
本発明の粘着テープの製造に用いられる剥離剤は(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を含有する必要があり、剥離剤が動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下の(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体(これらの一方のみを用いる場合は個々の数平均粒子径、これらの混合物にあっては該混合物の数平均粒子径を指す)を含有することが好ましい。該剥離剤を用いて剥離剤層にシリコーン化合物を含有させることにより剥離性を発現させることが出来る。本発明に用いられる剥離剤に用いるシリコーン化合物はエマルジョン又は分散体として用いる必要があり、かつ動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下であることが好ましい。更に、(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の数平均粒子径が1〜200nmがより好ましく用いられる。数平均粒子径が200nm以下では粒子径が大きい場合に比べ剥離強度が極めて小さくなるため好ましく、1nm以上では(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の調製が容易であるため好ましい。剥離性が更に向上することより数平均粒子が1〜100nmであることがとりわけ好ましい。数平均粒子径が200nm以下で剥離強度が小さくなる原因は明らかではないが、シリコーンエマルジョン又はシリコーン分散体の粒子径が200nm以下では剥離剤層形成時にシリコーン成分が表面に局在化し易くなるため、剥離性が向上するものと推測している。
【0021】
本発明に用いられるシリコーンエマルジョンはシリコーン化合物をノニオン系乳化剤等の界面活性剤を用いて溶剤中に乳化して得られるものであり、シリコーン分散体は界面活性剤を用いず親水基による変性等によりシリコーン化合物を溶剤中に分散させて得られるものである。
本発明のシリコーンエマルジョン、又はシリコーン分散体に用いられるシリコーン化合物としては特に限定されないが、例示すればSi-H基含有シリコーン、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アルコキシ基含有シリコーン、シラノール基含有シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシリコーンオイル、ビニルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フロロアルキル変性シリコーン等の変性シリコーン等である。これらのシリコーン化合物は単独でも、2種以上が共存することもできる。
【0022】
本発明のシリコーンエマルジョン、又はシリコーン分散体は硬化性シリコーンであることが好ましい。硬化性シリコーンを用いることにより剥離性が向上し、剥離強度の経時変化が抑制でき、残留接着率を高くすることが出来る。硬化性シリコーンとしては熱、紫外線、電子線等で硬化するものであれば特に限定されないが、例示すればSi-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンによる付加型硬化、Si-H基含有シリコーン及びシラノール基含有シリコーンによる縮合型硬化、光重合性官能基変性シリコーンによるUV硬化である。特に、Si-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンを用いる付加型硬化が硬化性の点から好ましい。Si-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンの付加硬化反応を促進するために公知の触媒を共存させるのが好ましく、硬化触媒として白金族化合物を用いることが硬化性能の面から特に好ましい。本発明に用いられるSi-H基含有シリコーンとしては特に限定されないがポリメチルハイドロジェンシロキサンが好ましく用いられる。本発明に用いられるビニルシリコーンとしては特に限定されないが多官能ビニル基を有するポリメチルシロキサンが好ましく用いられる。本発明に用いられる白金族触媒としては塩化白金酸、塩化白金酸-オレフィン錯体等が例示され、使用量はシリコーン合計量に対して通常5〜1000ppmである。Si-H基含有シリコーンとビニルシリコーンの比率は特に限定されないが通常(Si-Hモル数)/(ビニル基モル数)比で0.5〜10であり、硬化性より、1.0〜3.0が好ましく用いられ、このような(Si-Hモル数)/(ビニル基モル数)比のシリコーン化合物の例としては旭化成ワッカーシリコーン社のシリコーンエマルジョンSLJ1519A/B、DEHESIVE400E/V20、DEHESIVE39005VP/39006VP等が例示される。
【0023】
本発明において剥離剤の全固形分に対する(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合は特に限定されないが1〜50質量%であることが好ましく、2〜40質量%がより好ましく用いられ、5〜30質量%が特に好ましく用いられる。(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体固形分の含有率が1質量%以上では剥離性発現の点で好ましく、含有率が50質量%以下では筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性発現の点で好ましい。本発明は従来技術に比べてより少ないシリコーン含有率で剥離性能が優れ、且つ、印字性、筆記性、ノンスリップ性、重ね張り性に優れるという特徴を有している。また、本発明に用いられる(A)特定のエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物由来の固形分は10〜99質量%が好ましく用いられ、60〜98質量%がより好ましく用いられ、70〜95質量%が特に好ましく用いられる。該樹脂中和物由来の固形分が該範囲であるときは剥離性、印字性、筆記性、ノンスリップ性、重ね張り性が良好であるので好ましい。
【0024】
本発明に用いられる剥離剤の製造方法は特に限定されないが例示すれば、本発明の樹脂中和物に本発明のシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を混合攪拌すること等により製造することができる。シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体としてSi-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンを用い、付加型硬化反応を加熱、乾燥時に行わせる場合は剥離液の保存安定性の点から塗工直前にSi-H基含有シリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体、及びビニルシリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体、白金族化合物等の硬化触媒を混合した後、本発明の樹脂中和物に該混合液を加えて混合攪拌して製造することが好ましい。さらに、(C)ビニルシリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体、白金族化合物等の硬化触媒、及び本発明の樹脂中和物を混合撹拌して得られる剥離原液Cと(D)Si-H基含有シリコーンを含有するシリコーンエマルジョン、及び/又はシリコーン分散体より成る剥離原液Dを塗工直前に混合撹拌して本発明に用いられる剥離剤を製造することが作業性の点からより好ましい。本発明において混合撹拌の方法は特に限定されないがシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体が均一に分散されることが剥離性の発現の点で好ましく、混合方式、混合時間は均一分散を達成できる条件を選定するのが好ましい。
【0025】
本発明に用いられる剥離剤には成膜性向上などを目的として水以外の溶剤を併用することが可能であり、特に限定されないがエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、2,2,4-トリメチルー1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート、ベンジルアルコール等のアルコール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエステル類、ケトン類の水溶性溶剤が例示される。
【0026】
本発明に用いられる剥離剤には必要に応じて、SBラテックス、アクリルラテックス等の高分子エマルジョン、ポリビニルアルコール、シラノール変性ポリビニルアルコール、カルボキシル変性ポリビニルアルコール、カチオン変成ポリビニルアルコール、アセトアセチル変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド、デンプン、カゼイン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の水溶性樹脂、高分子樹脂、シリコーン樹脂又はエラストマー等の剥離コントロール剤、架橋剤、シリカ、クレー、炭酸カルシウム等の顔料、滑剤、シランカップリング剤、湿潤剤、消泡剤、増粘剤、顔料分散剤、添加剤等を含有することが出来る。
【0027】
本発明の粘着テープにおいて基材の片面に剥離剤層を設け、その反対面に粘着剤層を設ける。該粘着剤層に用いられる粘着剤としては特に限定されないが、天然ゴム系粘着剤、スチレンーイソプレンースチレンブロック共重合体、スチレンーエチレンーブタジエンースチレン共重合体、スチレンーブタジエンースチレンブロック共重合体等の合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等の水、アルカリ不溶型、及び紙のリサイクル工程に於いて溶解性、分散性に優れた水溶性又は水分散性粘着剤、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤が例示される。これらのうちリサイクル性に優れることより水溶性又は水分散性粘着剤、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤が好ましく用いられる。水溶性又は水分散性粘着剤としてはポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルメチルエーテル、エチルアクリレートーアクリル酸共重合体などのアクリル酸含有ポリマー、デキストリン、ポリビニルピロリドンが例示され、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤としては特開平6−184508に記載のカルボキシル基又はヒドロキシル基含有モノマー共重合体の金属キレート架橋物等が例示される。
【0028】
本発明に用いられる粘着剤には通常、粘着付与樹脂、軟化剤、老化防止剤、充填剤が併用される。粘着付与樹脂としてはロジン系、クマロンーインデン系、テルペン系、石油系、スチレン系、フェノール系、キシレン系が例示され、軟化剤としてはポリブテン、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、プロセスオイル、ナフテン系オイルなどが例示され、老化防止剤としてはフェノール系、アミン系が例示され、充填剤としては炭酸カルシウム、カーボンブラック等が例示される。
【0029】
本発明に用いられる基材としては粘着テープを製造可能なものであれば特に限定されないが上質紙、クラフト紙、グラシン紙、コート紙等の紙、織布、不織布等の布などの浸透性の基材、ポリエチレンラミネート紙等の樹脂ラミネート紙、上質紙等にポリビニルアルコール、でんぷん、SBラテックス等をコートした樹脂コート紙、ポリプロピレンやポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、金属箔等の非浸透性の基材が例示されいずれにも用いられが、粘着テープの品質の面から紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムが好ましく用いられ、上質紙、クラフト紙、グラシン紙、コート紙等の紙、織布、不織布等の布等の浸透性の基材に用いる場合はアンダーコート層を設けなくとも使用可能であり、従来の技術に比べより低いシリコーン使用量で剥離性能を発揮出来るのでより好ましい。とりわけ、本発明によりクラフト粘着テープが好適に製造される。
【0030】
本発明の粘着テープは本発明の剥離剤を基材の片面に塗布、乾燥した後、粘着剤をその反対面に塗布、乾燥することにより製造することが出来る。該剥離剤の塗布方法としては特に限定されないがサイズプレス、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシュコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビアコーター、スプレー等が例示される。該剥離剤の乾燥方法、乾燥温度としては特に限定されないが自然乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥等が例示され、乾燥温度は80〜250℃が好ましく用いられ、100〜250℃がより好ましく用いられ、120〜200℃が特に好ましく用いられる。乾燥温度が該範囲の場合は剥離性、乾燥工程の生産性が良好であるので好ましい。塗工量は特に限定されないがシリコーン塗布量として0.01〜10g/m2が好ましく、0.05〜5g/m2がより好ましく、0.1〜1g/m2が更に好ましくい。シリコーン塗布量が該範囲では剥離性が十分であり、且つ、シリコーン使用量も少ないため経済的にも好ましい。本発明の粘着剤の塗布方法は特に限定されないがブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、ブラシュコーター、バーコーター、グラビアコーター、リバースコーター、コンマコーター、キスコーター等が例示される。該粘着剤の塗工量は特に限定されないが接着性、テープからの粘着剤のはみ出しが起こらないことから20〜70g/m2が好ましく用いられる。
【0031】
【実施例】
次に本発明を実施例に基づいて説明する。
XPS(X線光電子分光装置)による剥離剤層の表層ケイ素原子濃度はサーモVG社製ESCALAB250(取り出し角90度)により測定した。
動的光散乱法による数平均粒子径はLeeds&Northrup社製マイクロトラックUPA粒度分布計により測定した。
【0032】
粘着テープの評価は粘着剤層面を剥離剤層面に張り付け、引っ張り試験機を用いて引っ張り方向180°、引っ張り速度0.3m/分にて初期剥離強度を測定した。剥離強度の経時変化は張り付け後の試験片を23℃、50%RHにて14日間保存後、同様に剥離強度を測定した。残留接着率は14日後の剥離強度測定後の粘着テープをアルミ板に貼り付け剥離強度を測定し、未使用の粘着テープをアルミ板に張り付けたものの剥離強度の値を基準として百分率で表した。筆記性の評価は剥離剤層面に油性マジックで筆記した後、ティッシュペーパーでふき取り筆記跡の状態を目視により判定した。印字性の評価は剥離剤層面に市販インクジェットプリンター(エプソン社製、PM−950C)にて印字した後、ティッシュペーパーでふき取り印字跡の状態を目視により判定した。重ね貼り性の評価は粘着テープの剥離層面に粘着テープの粘着層面を重ね貼りして判定した。評価基準は以下に示した。
【0033】
(1)剥離性:初期剥離強度により判定した。
○:0〜0.40N/5cm、△:0.41〜1.96N/5cm、×:1.96N/5cmより大
(2)剥離強度の経時変化:14日後の剥離強度により判定した。
○:0〜0.40N/5cm、△:0.41〜1.96N/5cm、×:1.96N/5cmより大
(3)残留接着率:14日後の残留接着率により判定した。
○:85〜100%、△:65〜84%、×:65%より小
(4)筆記性:ふき取り後の油性マジックの筆記跡により判定した。
○:ほぼ残る、△:一部残る、×:全く残らない
(5)印字性:ふき取り後のインクジェットインクの印字跡により判定した。
○:ほぼ残る、△:一部残る、×:全く残らない
(6)重ね貼り性:重ね貼り1日後に剥がれているか否かで判定した。
○:剥がれていない、×:剥がれている
【0034】
[実施例1〜4]
アクリルラテックス(アクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=60/5/35質量比、固形分30質量%)100質量部に水92質量部を加えたのち5質量%アンモニア水溶液を攪拌しつつ加え、PH6.5の樹脂中和物を得た。該樹脂中和物にシリコーンエマルジョンSLJ1519A/B混合物(旭化成ワッカーシリコーン製、数平均粒子径100nm、シリコーン成分50質量%、Si-H基含有シリコーン、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)を表1に示したシリコーン含有率となるよう加え、更に固形分濃度15%となるように水を加えた後、混合攪拌して剥離剤液を作成した。この剥離剤液をクラフト紙(82g/m2)にバーコーターでシリコーン塗布量として0.5g/mとなるように塗工後、熱風乾燥器にて140℃、5分間乾燥し、剥離紙を得た。得られた剥離紙の反対面に粘着剤としてアクリル系粘着剤(オリバインBPW4792、東洋インキ製造製)を固形分で30g/m2となるように塗工後、熱風乾燥器にて120℃、2分間乾燥させてクラフト粘着テープを得た。得られたクラフト粘着テープを23℃、50%RHにて一晩放置後、横5cm、縦10cmに切り出し評価用試験片を得た。試験片の評価結果を表1に示した。
【0035】
[実施例5]
シリコーンエマルジョンをシリコーンエマルジョンDEHESIVE400E/V20(旭化成ワッカーシリコーン製、数平均粒子径180nm、シリコーン成分48質量%、Si-H基含有シリコーン、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)に変更した以外は実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0036】
[実施例6]
アクリルラテックスの組成をアクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=60/15/25質量比に変更した以外は実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0037】
[実施例7]
アクリルラテックス(アクリル酸(2-エチルヘキシル)/メタクリル酸メチル/メタクリル酸=60/5/35質量比、固形分30質量%)100質量部に水92質量部を加えたのち5質量%アンモニア水溶液をかくはんしつつ加え、PH6.5の樹脂中和物を得た。該樹脂中和物にシリコーンエマルジョンSLJ1519B(旭化成ワッカーシリコーン製、数平均粒子径150nm、シリコーン成分50質量%、ビニルシリコーン、白金化合物混合物)を加え、撹拌混合し固形分中のシリコーン含有率5質量%の剥離剤原液を得た。該剥離剤原液を23℃にて30日保存後にシリコーンエマルジョンSLJ1519A(旭化成ワッカーシリコーン製、数平均粒子径150nm、シリコーン成分50質量%、Si-H基含有シリコーン)を表1に示したシリコーン含有率となるよう加え、更に固形分濃度15%となるように水を加えた後、混合攪拌して剥離剤液を作成した。該剥離剤液を用いて実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0038】
[実施例8]
剥離剤液をクラフト紙に塗布後の乾燥温度を140℃から100℃に変更した以外は実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0039】
[実施例9]
粘着剤としてアクリル系粘着剤を水溶性粘着剤(AT802、サイデン化学製、変性ポリアクリル酸系)に変更した以外は実施例1と同様の方法で試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0040】
[比較例1]
クラフト紙上に低密度ポリエチレン(旭化成製)を溶融押出によりラミネート(膜厚15ミクロン)したものを基材として用い、剥離剤液として付加反応型シリコーンSD7220及び硬化触媒SRX212CAT混合物(東レ・ダウコーニング・シリコーン製、トルエン溶液、シリコーン成分30質量%)を用いてラミネート層上に塗布、乾燥した以外は実施例1と同様の方法でシリコーン塗布量0.5g/mの試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0041】
[比較例2]
剥離剤液として長鎖アルキルペンダント型ポリマー・ピーロイル1010(一方社油脂工業製、トルエン溶液)を用いた以外は実施例1と同様の方法で塗布量0.5g/mの試験片を得た。この試験片の評価結果を表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 2004210823
【0043】
【発明の効果】
本発明の粘着テープは紙等の浸透性基材を用いる場合もポリエチレンラミネートやアンダーコート剤の塗布が不要で基材への剥離剤の直接塗布により製造可能であり、シリコーン使用量が少ない場合でも剥離性に優れ、剥離強度の経時変化が少なく、剥離後の粘着テープの残留接着率が高く、且つ、剥離面への筆記性、印字性、ノンスリップ性、重ね張り性を有するという優れた効果を有する。

Claims (21)

  1. 基材の片面に剥離剤層を設け、その反対面に粘着剤層を設けた粘着テープにおいて、該剥離剤層が(A)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を用いてなる事を特徴とする粘着テープ。
  2. 粘着剤層が水溶性又は水分散性粘着剤、又は、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤を用いてなる事を特徴とする請求項1に記載の粘着テープ。
  3. (B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下である請求項1〜2のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  4. 剥離剤層中に於ける(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1〜50質量%であり、且つ、XPS(X線光電子分光装置)により測定される該剥離剤層の表層ケイ素原子濃度が10〜30原子%である事を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  5. 中和反応により得られる樹脂中和物が水溶性である請求項1〜4のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  6. 不飽和カルボン酸モノマーがアクリル酸及び/又はメタクリル酸である請求項1〜5のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  7. 中和反応に用いられる塩基性物質がアンモニアである請求項1〜6のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  8. 中和反応により得られる樹脂中和物のpHが3〜13である請求項1〜7のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  9. (B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体が硬化性シリコーンである請求項1〜8のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  10. (B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体がSi-H基含有シリコーン及びビニルシリコーンから成り、白金族化合物を含む事を特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  11. 基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムのいずれかである請求項1〜10のいずれか一項に記載の粘着テープ。
  12. 基材が紙または布のいずれかである請求項11に記載の粘着テープ。
  13. (A)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体を含有する剥離剤を基材の片面に塗布、乾燥した後、粘着剤をその反対面に塗布、乾燥する事を特徴とする粘着テープの製造方法。
  14. 粘着剤が水溶性又は水分散性粘着剤、又は、アルカリ溶解性又はアルカリ分散性粘着剤である事を特徴とする請求項13に記載の粘着テープの製造方法。
  15. シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体の動的光散乱法により測定される数平均粒子径が200nm以下である請求項13〜14のいずれか一項に記載の粘着テープの製造方法。
  16. 剥離剤の全固形分に対する(B)シリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体由来の固形分の割合が1〜50質量%である請求項13〜15のいずれか一項に記載の粘着テープの製造方法。
  17. 中和反応により得られる樹脂中和物が水溶性である請求項13〜16のいずれか一項に記載の粘着テープの製造方法。
  18. 剥離剤が(C)(イ)不飽和カルボン酸モノマー5〜80質量%含有する単量体組成物を重合してなるエマルジョン共重合体と塩基性物質との中和反応により得られる樹脂中和物、及び、(ロ)ビニルシリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体及び白金族化合物、より成る剥離剤原液C、及び(D)Si-H基含有シリコーンを含有するシリコーンエマルジョン及び/又はシリコーン分散体より成る剥離剤原液D、を混合して成る請求項13〜17のいずれか一項に記載の粘着テープの製造方法。
  19. 剥離剤の乾燥温度が100〜250℃で有ることを特徴とする請求項13〜18に記載の剥離性材料の製造方法。
  20. 基材が紙、布、樹脂ラミネート紙、樹脂コーティング紙、樹脂フィルムのいずれかである請求項13〜19のいずれか一項に記載の粘着テープの製造方法。
  21. 基材が紙または布のいずれかである請求項20に記載の粘着テープの製造方法。
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