JP2004209975A - 積層表皮材およびそれを用いた内装材用積層体 - Google Patents

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Abstract

【課題】安価で、かつ軽量性、リサイクル性に優れ、充分な意匠性を保持しながら、室内の静寂性を確保し得る適度な吸音特性を有する内装材用積層表皮材、および、該積層表皮材を用いた内装材用積層体を提供する。
【解決手段】(1)通気性表皮材と(2)通気性材料の間に、(3)実質的に非通気性であるフィルムを介在させ、一体化する。このようにして得られた積層表皮材を内装材用基材に積層する。
【選択図】なし

Description

本発明は積層表皮材および内装材用積層体に関する。さらに詳しくは、吸音特性、とくに高周波側の吸音特性に優れ、内装材として吸音性能を必要とする部位に配置するのに好適な積層表皮材および内装材用積層体に関する。
自動車などの車両用途などに用いられる内装材分野においては、車内の快適性を追求して吸音特性の付与が望まれている。一方、内装材の意匠面には安価な不織布表皮材が多用されているが、この不織布表皮材に吸音特性を付与することは技術的なハードルが高い。
そこで、高価ではあるが、スラブウレタンなどの多孔質材料と通気性表皮材の積層体が用いられている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、このような異種材料の積層体は高価なだけでなく、リサイクルが困難であるという問題を内在する。
さらに、近年、繊維構造に関して吸音材の開発が進められており、繊維径を細くすることで吸音性能を付与することが行なわれている(例えば、特許文献2参照)。しかし、繊維径を細くすることで加工性が低下したり、カラー化できなくなるという問題や、加熱成形による繊維のへたりが起こり、吸音性能が低下するといった問題を抱えている。
また、表皮材と基材の間に安価な不織布をバネ層として介在させる内装部品および車両用吸音材が開示されているが(例えば、特許文献3および4参照)、さらに高い吸音性能を付与することが望まれている。
特開昭55−11947号公報(1〜4頁) 特開平6−122349号公報(1〜4頁) 特開2002−127836号公報 特開2002−215169号公報
本発明は、安価で加工性もよく、軽量性、リサイクル性に優れ、とくに高周波側(たとえば4000Hz以上)の吸音特性が改善された積層表皮材、および該積層表皮材を用いた内装材用積層体を提供することを目的とする。
一般に通気性材料の、とくに繊維体の吸音特性改善は、通気抵抗を制御することにある。
しかし、本発明者らは、通気性表皮材と通気性材料の間に実質的に非通気性であるフィルムを介在させて積層し、一つの構造体とすることにより、表皮材としての要求特性を満足させつつ、吸音特性も付与し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の積層表皮材は、(1)通気性表皮材と(2)通気性材料の間に、(3)実質的に非通気性であるフィルムを介在させ、一体化してなる積層表皮材に関する。
本発明の第2の積層表皮材は、第1の積層表皮材において、通気性表皮材(1)および通気性材料(2)が繊維体である積層表皮材に関する。
本発明の第3の積層表皮材は、第1〜2の積層表皮材において、通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)が不織布である積層表皮材に関する。
本発明の第4の積層表皮材は、第1〜3の積層表皮材において、通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)がポリエステル系繊維からなる積層表皮材に関する。
本発明の第5の積層表皮材は、第1〜4の積層表皮材において、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)の目付が50〜400g/m2である積層表皮材に関する。
本発明の第6の積層表皮材は、第1〜5の積層表皮材において、実質的に非通気性であるフィルム(3)の厚さが5〜200μmである積層表皮材に関する。
本発明の第7の積層表皮材は、第1〜6の積層表皮材において、実質的に非通気性であるフィルム(3)の厚さが10〜50μmである積層表皮材に関する。
本発明の第8の積層表皮材は、第1〜7の積層表皮材において、実質的に非通気性であるフィルム(3)を、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)との間に介在させ、熱融着により一体化してなる積層表皮材に関する。
本発明の第9の積層表皮材は、第1〜8の積層表皮材において、実質的に非通気性であるフィルム(3)が、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)との間に、接着材層を介して一体化されてなる積層表皮材に関する。
本発明の内装材用積層体は、第1〜9の積層表皮材を内装材用基材に積層してなる内装材用積層体に関する。
本発明の積層表皮材は、内装材用積層体に用いる表皮材として安価であり、加工性も良く、かつ軽量性に優れ、充分な意匠性をも保持し、さらに、室内の静寂性を確保するための適度な吸音特性(とくに4000Hz以上の高周波側)を有している。また、ガラスなどを含まない熱可塑性材料を用いた場合や異種材料の組み合わせを用いない場合には、リサイクル性に優れた積層表皮材が得られる。
本発明の積層表皮材は、通気性を有さない内装材用基材に積層した場合であっても、高い吸音性能を有する内装材用積層体を得ることができる。
本発明に係る積層表皮材について説明する。
本発明における通気性表皮材(1)および通気性材料(2)の素材としては、通気性を有するとして当業者に知られているいずれの材料も用いることができる。たとえば、フェルト、不織布、木綿、岩綿、織物、ガラスウール、軟質の連続気泡体などである。これらのなかでも、単層または多層の繊維体を用いることが好ましい。とくに単層の繊維体を用いることが、コスト、実用性、軽量性、リサイクル性の観点から好ましい。
通気性表皮材(1)と通気性材料(2)とは、同じもの、類似のものを用いても良いが、通気性表皮材(1)は、表皮材として、室内側ないしは表面側に露出して使用されることになるので、通気性材料(2)よりも装飾性、意匠性に優れたものを用いることはもちろんのこと、耐磨耗性等の、内装材としての一般的な実用特性を加味する必要がある。
通気性表皮材(1)として繊維体を用いる場合は、従来内装材用表皮材として用いられているものが好ましい。たとえば、合成繊維、半合成繊維、天然繊維あるいは再生繊維からなる繊維体があげられる。さらに詳しくは、ポリエステル系、ポリプロピレン系、ポリアミド(ナイロン)系、ポリウレタン系、ポリアクリル系、ポリアクリロニトリル、モダアクリルなどの合成繊維、羊毛、綿、麻、セルロースなどの天然繊維、レーヨンなどの再生繊維からなる織布、ニットあるいは不織布が好適に用いられる。これらのなかでも、コスト、耐候性、成形性の点からポリエチレンテレフタレート繊維からなる不織布がとくに好ましい。
不織布は、一般の不織布を製造する方法と同様の方法で製造される。不織布の種類としては、その製造加工法により、接合バインダー接着布、ニードルパンチ布、スパンボンド布、スプレファイバー布、ステッチボンド布などがあげられる。通気性表皮材として不織布をニードルパンチング加工によって製造する場合には、パンチング回数・ニードルストロークを調整することで、繊維同士の交絡を高めて繊維体の剛性を上げ、意匠性や耐磨耗性を付与することができる。
通気性表皮材(1)は、意匠面であるため耐磨耗性に優れるものが好ましく、適宜、装飾性を付与して用いることもできる。また、成形加工する部位に設置する場合には、成形性に優れるものが好ましく、これらは前記材料を組み合わせたものでもよい。
通気性表皮材(1)として、前記材料に、接着剤(バインダー樹脂)および/または、熱融着性繊維(低融点繊維)を混合し、化学的あるいは機械的方法により絡合させて得られるものを用いてもよい。
バインダー樹脂としては、水溶性、溶剤可溶性、ビスコース液、エマルジョン、合成樹脂粉末などのタイプがあげられるが、耐水性、柔軟性、作業性の観点から、エマルジョンタイプのものが好ましい。エマルジョンタイプとしては、アクリロ・ニトリル・ブタジエンラテックス、スチレン・ブタジエンラテックス、アクリレート・ラテックス、酢酸ビニル系ラテックスなどが用いられ、これらは1種または2種以上の混合物としても用いることができる。
熱融着性繊維(低融点繊維)としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点または低ガラス転移点(たとえば、60〜180℃が好ましく、110℃〜160℃がより好ましい)ポリエステル、ポリアミドなどの繊維や、低融点または低ガラス転移点ポリオレフィンやポリエステル系繊維を鞘成分に、高融点ポリエステル系繊維を芯成分とする芯鞘型繊維が好ましい。合成繊維としてポリエチレンテレフタレートを使用した際は、リサイクル性の点からは、低融点または低ガラス転移点(たとえば、60〜180℃が好ましく、110℃〜160℃がより好ましい)ポリエステル繊維(芯鞘型繊維も含む)がとくに好ましい。
これらの表皮材は、意匠性および耐磨耗性を考慮して融着樹脂などで表面処理される場合もある。
通気性表皮材(1)の目付は、50〜500g/m2であることが好ましく、50〜400g/m2であることがより好ましく、50〜300g/m2であることがさらに好ましく、コスト、実用性、軽量性の観点からは、50〜150g/m2であることがとくに好ましい。
また、通気性表皮材(1)の密度は、0.01〜0.50g/cm3であることが好ましく、0.05〜0.25g/cm3であることがより好ましい。通気性表皮材(1)の密度が0.01g/cm3未満では、意匠性や耐磨耗性が劣る傾向があり、0.50g/cm3をこえると軽量性、加工性、成形性等が劣る傾向がある。但し、ここでいう意匠性や耐磨耗性は、一般的な内装材において実用特性上問題がないことを意味する。
つぎに、通気性材料(2)として繊維体を用いる場合について説明をする。
通気性材料(2)は、意匠性を考慮する必要がとくにないほかは、通気性表皮材(1)と基本的に同様である。原料繊維の種類もとくに限定されず、通気性表皮材(1)の原料繊維と同様のものをあげることができる。これらの中でも、原料繊維としてコストおよび加工性を鑑みた場合は、ポリエステル繊維が好ましく、加熱成形時の形状維持性がよい点で、耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート繊維がとくに好ましい。
積層表皮材が熱成形されるような場合(過酷な加熱成形プレス(たとえば表皮一体加熱成形)にさらされる場合)には、レーヨンなどの再生繊維または天然繊維を混合することで、加熱成形時の形状維持性が改善される。とくにコストおよび加工性を鑑みた場合は、レーヨンなどの再生繊維または天然繊維を20〜80重量%混合することが好ましく、40〜70重量%混合することがより好ましい。また、繊維を捲縮させたような形状の繊維を用いてもよい。
また、通気性表皮材(1)で記したのと同様の接着剤(バインダー樹脂)および/または熱融着性繊維(低融点繊維)を混合し、化学的あるいは機械的方法により絡合させて用いてもよい。熱融着性繊維としては、通気性表皮材(1)に関して記述したものと同様のものをあげることができる。
繊維体全体における熱融着性繊維の混合量としては、5〜30重量%が好ましい。30重量%より多く入れると、コスト高になるほか、繊維同士の結束力の増大や繊維塊の発生により、成形性や積層表皮材全体としての意匠性が劣ることになったり、繊維体の厚さにばらつきを生じる場合がある。また、熱成形するような場合は、繊維全体のへたりを起こす場合もある。5重量%未満では熱融着性繊維を混合する効果が認められない場合や、繊維のバラけを生じて非通気性フィルムとの界面や内装材用積層基材との界面接着性に劣る傾向がある。
前記繊維の繊度としては、1〜10デニール(1.1〜11.1デシテックス)が好ましい。1デニール未満の場合、繊維配向の形状維持性がわるくなったり、繊維体全体のへたりが大きくなりやすい。また、10デニールより大きい場合は、繊維間のバラけや皺などを招き、積層表皮材全体の意匠性を害す(特に成形部位に用いる場合)場合がある。前記繊維の繊度は、2〜7デニール(2.2〜7.8デシテックス)がさらに好ましい。
前記通気性材料(2)の目付としては、50〜400g/m2であることが好ましく、50〜300g/m2であることがより好ましく、コスト、実用性、軽量性および高吸音性能の点から100〜200g/m2がとくに好ましい。
通気性材料(2)は、介在される実質的に非通気なフィルムが振動する自由度が高い方が高吸音性能を発揮できるという観点から、低密度の方が好ましい。具体的には、0.1g/cm3以下であることが好ましく、0.01〜0.10g/cm3であることがより好ましく、0.03〜0.10g/cm3であることがさらに好ましい。通気性材料(2)の密度が、0.01g/cm3未満では、介在フィルムおよび/または内装用積層基材との接着性等の実用特性が低下する場合があり、0.1g/cm3をこえると、フィルムの振動が阻害され易く高吸音性能付与に劣る傾向がある。
前記素材を用い、通気性材料(2)として不織布を製造するには、一般の不織布を製造する際と同様の方法、あるいは、その前工程であるウェブの製造と同様の方法を採用することができる。このとき、融着繊維の量やニードルパンチの回数を調整することにより、その嵩高さや柔軟性を制御することができる。
通気性材料(2)は、前述のような繊維体のほかにも、通気性があり構造的に空間として働くものであればいかなる構成の材料であってもよい。たとえば、フェルト、表皮材の一部として使用できる多孔質材料があげられる。多孔質材料としては軟質ウレタン発泡体などの連通気泡体があげられる。
通気性表皮材(1)と通気性材料(2)の間に介在させ、一体化させる実質的に非通気性であるフィルム(3)(以下、単に非通気性フィルム(3)と称することがある)としては、音波の透過を実質的に阻止できるのであれば、当業者に知られており、一般に市販されているいずれのフィルムをも用いることができる。ただし、本発明において、実質的に非通気性であるフィルム(3)とは、通気性を有さない場合が吸音性能にとって最も好ましいが、通気抵抗があり、音圧によってフィルムを含んだ積層表皮材の構造的な振動が発現するレベル、たとえば、6300Hz程度において吸音率が50%以上であるようなレベルであれば、小さな貫通孔などが少し程度存在するような場合をも含む。
音波に対して振動を発現するために、非通気性フィルム(3)は薄膜である必要があり、薄膜とは、厚さ200μm以下であることを意味する。非通気性フィルム(3)の厚さは、軽量性、成形性、加工性、接着安定性等の観点から、5〜200μmであることが好ましく、高吸音性能などの観点から、10〜50μmがより好ましい。5μm未満の場合、加工性、成形性、剛性の点で問題が起こり、熱融着して通気性表皮材(1)と通気性材料(2)との間に非通気性フィルム(3)を介在させて一体化する場合には、その接着性が低下し、良好な積層表皮材を得ることができない傾向がある。また、200μmをこえる場合、その剛性から、積層表皮材の充分な振動が発現せず、目的の吸音性能を付与することができにくくなる。
非通気性フィルム(3)は、前記吸音性能が発現するレベルにあれば、実用特性上接着に問題がないかぎり、通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)と全面で接着している必要はなく、むしろ部分的に非接着部が点在するほうが好ましい。具体的には、介在フィルムの総面積の5〜90%の非接着部を設けることが好ましく、更に30〜80%の非接着部を設けることが好ましい。5%以下の場合、高吸音性能は見込めず、また90%以上の場合、接着強度や意匠性という観点から実用特性を有さない傾向にある。
非通気性フィルム(3)として使用可能なフィルムを構成する樹脂としては、たとえば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂およびそれらの共重合体または変性体などのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、または、ポリ塩化ビニル系樹脂やその共重合体、あるいは、熱可塑性エラストマーを混合させたものなどがあげられる。これらは、単層であっても複数組み合わせた多層であってもよい。これらの中でも低コスト、成形性の面から、単層のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂およびそれらの共重合体または変性樹脂からなるフィルムが好ましい。
非通気性フィルム(3)を通気性表皮材(1)と通気性材料(2)の間に介在させる方法としては、フィルムを熱融着させ、通気性表皮材および/または通気性材料を非通気性フィルムまたはシート中に沈みこませ、相互に絡まり融着するアンカー効果によって一体化させる方法や、接着剤を点在させフィルムまたはシートが音波に対して振動を発現できる程度に接着剤を塗布して一体化させる方法や、これらの方法を複合した方法などがあげられる。
非通気性フィルム(3)を、通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)間に熱融着させ、通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)を構成する繊維体を非通気性フィルム(3)中に沈み込ませ、相互に絡まり融着するアンカー効果によって一体化させる場合は、接着の良好性・安定性の観点から、非通気性フィルム(3)としてポリオレフィン系フィルムを用いることが好ましい。
前記ポリオレフィン系フィルムとしては、たとえば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレンなどの単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテンなどのオレフィンと共重合可能な単量体との共重合体、またこれらの混合物などからなるポリエチレン系樹脂、プロピレンの単独重合体、プロピレン酢酸ビニル共重合体、プロピレンとメタアクリレート、アクリレート、ブテンなどのオレフィンと共重合可能な単量体との共重合体、またはこれらの混合物などからなるポリプロピレン系樹脂からなるフィルムが好ましい。これらのなかでは、汎用性からポリエチレンが好ましく、直鎖状低密度ポリエチレン(L−LDPE)やポリエチレン系ホットメルトなどのフィルムがさらに好ましい。
また、接着剤層を介して非通気性フィルム(3)を、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)の間に介在させて、一体化する場合には、前記種類の非通気性フィルム(3)のほかに、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルムなどのフィルムも、コストや実用性や高吸音特性付与の点から好ましく用いられる。
その場合に用いられる接着剤層としては、充分な接着性と成形加工性を発揮できるものであればよく、当業者に知られ、一般に市販されているいずれの接着剤も使用できる。たとえば、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤やウレタン系接着剤、ポリスチレンやポリブタジエンやアクリル系樹脂を含むラテックス系接着剤である。
本発明の内装材用積層体は、前記のごとくして得られる通気性材料(1)と通気性材料(2)との間に、実質的に非通気性であるフィルム(3)を介在させ一体化してなる積層表皮材を、内装材用基材に積層することにより得られる。
内装材用基材としては、発泡積層シート、ガラス繊維シートなどが好適に用いられる。たとえば、ウレタンのような連続気泡系発泡コア層の両面にガラス繊維系マットを積層した連続気泡系発泡積層シートや、ガラス繊維を熱融着樹脂(たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、低融点ポリエステル、ポリアミド樹脂など)によって一体化したシート、ポリスチレン系、ポリプロピレン系、ポリフェニレンエーテル系樹脂などからなる独立気泡系発泡層の両面に、イ)ポリスチレン系樹脂、ロ)ポリプロピレン系樹脂、ハ)ポリフェニレンエーテル系樹脂のうち、いずれか1種以上の非発泡層を積層した独立気泡系発泡積層基材などがある。
積層表皮材の内装材用基材への積層方法としては、要求される接着強度、積層後の成形の有無や、家屋、車内などのそれぞれの用途に適した方法が採用される。たとえば車両の内装材として用いられる場合は、車両用内装材において一般的な積層方法が採用できる。たとえば、車両用基材との間にホットメルトフィルムを介して熱融着させる方法や、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ウレタン系接着剤を介して接着する方法、アクリロニトリル・ブタジエン系ラテックス、スチレン−ブタジエン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリレート系ラテックスなどを介して接着する方法などが採用される。
得られた内装材用積層体は、自動車などの車両用の天井材内装材などとして使用する場合には、積層表皮材を内面にして熱成形などにより成形して用いられる。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。なお、各実施例における垂直入射吸音率は、ASTM−E−1050に規定された垂直入射吸音率測定装置を用いて測定した。
実施例1
目付130g/m2の不織布表皮材((株)オーツカ製)の2枚の間に、非通気性フィルムとして厚さ30μmのポリエチレン系ホットメルトフィルム(大石産業(株)製OSフィルム:ポリエチレン系樹脂98/タック剤=98/2、面目付30g/m2)をサンドイッチした。ついで上ロールが100℃に昇温された圧着ロールにて一体化し、積層表皮材を得た。
その積層表皮材の垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで48%、5000Hzで61%、6300Hzで62%の吸音率を得た。
実施例2
繊度2デニール(2.2デシテックス)、カット長51mmのポリエチレンテレフタレ−ト繊維(東洋紡積(株)製、タイプ707)80重量%と繊度4デニール(4.4デシテックス)、カット長51mmの低融点ポリエチレンテレフタレ−ト繊維(東洋紡積(株)製、タイプEE7)20重量%からなる繊維を、流れ方向と直角方向の2方向から等量ずつカード方式により供給しマット状に散布した。そののち、パンチ回数とストロークを調整してニードルパンチング加工を施し、目付100g/m2、密度0.025g/cm3に調整し、温度200℃の熱風を5分間吹き付け、常温に戻すことにより、通気性材料としての繊維体(A)を得た。この繊維体(A)と実施例1で用いたのと同様の不織布表皮材(a)との間に、実施例1で用いたのと同様の厚さ30μmのポリエチレン系ホットメルトフィルムをサンドイッチし、ついで上ロールが100℃に昇温された圧着ロールにて一体化し、積層表皮材を得た。
その積層表皮材の不織布表皮材側を入射音波側に向け、垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで51%、5000Hzで72%、6300Hzで80%の吸音率を得た。
実施例3
繊度2デニール、カット長51mmのポリエチレンテレフタレ−ト繊維(東洋紡積(株)製、タイプ707)80重量%と繊度4デニール、カット長51mmの低融点ポリエチレンテレフタレ−ト繊維(東洋紡積(株)製、タイプEE7)20重量%からなる繊維を、流れ方向と直角方向の2方向から等量ずつカード方式により供給しマット状に散布した。そののち、パンチ回数とストロークを調整してニードルパンチング加工を施し、目付200g/m2、密度0.07g/cm3に調整し、温度200℃の熱風を5分間吹き付け、常温に戻すことにより通気性材料としての繊維体(B)を得た。この繊維体(B)と、ポリエチレンテレフタレ−ト繊維80重量%と低融点ポリエチレンテレフタレ−ト繊維20重量%からなる繊維からなる目付100g/m2、密度0.129g/cm3の不織布表皮材(b)との間に、実施例1で用いたのと同様の厚さ30μmのポリエチレン系ホットメルトフィルムをサンドイッチした。ついで上ロールが100℃に昇温された圧着ロールにて一体化し、積層表皮材を得た。
その積層表皮材の不織布表皮材側を入射音波側に向け、垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで57%、5000Hzで79%、6300Hzで90%の吸音率を得た。
比較例1
実施例1で用いたのと同様の不織布表皮材(a)2枚を重ね合わせて積層表皮材を得た。
その積層表皮材の垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで20%、5000Hzで27%、6300Hzで31%の吸音率を得た。
比較例2
実施例2で用いたのと同様の繊維体(A)と目付130g/m2の不織布表皮材(a)とを、非通気性フィルムとしてのホットメルトフィルムを介在させずに、ニードリングのパンチ回数を調整して積層一体化することにより、積層表皮材を得た。
その積層表皮材の不織布表皮材を入射音波側に向け、垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで20%、5000Hzで27%、6300Hzで31%の吸音率を得た。
比較例3
実施例3で用いたのと同様の繊維体(B)と目付100g/m2の不織布表皮材(b)とを、非通気性ホットメルトフィルムを介在させずに、ニードリングのパンチ回数を調整し積層一体化することにより、積層表皮材を得た。
その積層表皮材の不織布表皮材を入射音波側に向け、垂直入射吸音率を背後空気層0mmで測定した結果、4000Hzで23%、5000Hzで29%、6300Hzで33%の吸音率を得た。

Claims (10)

  1. (1)通気性表皮材と(2)通気性材料の間に、(3)実質的に非通気性であるフィルムを介在させ、一体化してなる積層表皮材。
  2. 通気性表皮材(1)および通気性材料(2)が繊維体である請求項1記載の積層表皮材。
  3. 通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)が不織布である請求項1または2記載の積層表皮材。
  4. 通気性表皮材(1)および/または通気性材料(2)がポリエステル系繊維からなる請求項1、2または3記載の積層表皮材。
  5. 通気性表皮材(1)と通気性材料(2)の目付が50〜400g/m2である請求項1、2、3または4記載の積層表皮材。
  6. 実質的に非通気性であるフィルム(3)の厚さが5〜200μmである請求項1、2、3、4または5記載の積層表皮材。
  7. 実質的に非通気性であるフィルム(3)の厚さが10〜50μmである請求項1、2、3、4、5または6記載の積層表皮材。
  8. 実質的に非通気性であるフィルム(3)を、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)との間に介在させ、熱融着により一体化してなる請求項1、2、3、4、5、6または7記載の積層表皮材。
  9. 実質的に非通気性であるフィルム(3)が、通気性表皮材(1)と通気性材料(2)との間に、接着材層を介して一体化されてなる請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の積層表皮材。
  10. 請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の積層表皮材を内装材用基材に積層してなる内装材用積層体。
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