JP2004209711A - インクジェット記録ヘッド、その製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、その製造方法、およびインクジェット記録ヘッドの製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体 Download PDF

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Abstract

【課題】基板の表側の面から彫り込んだ溝と、基板の裏側の面から彫り込んだ溝とを接続して、高精度に再現性良く供給口を形成する。
【解決手段】基板1の表側の面に溝100を形成し、基板1の、この溝100に隣接する領域に、基板1の裏側から溝5を形成するためのウエットエッチングによって溶解される犠牲層を形成し、さらに、溝100と犠牲層とを覆って、保護膜95を形成する。基板1の裏面には、所定の領域に開口を有する裏面エッチングマスク層99を形成する。この裏面エッチングマスク層99をマスクとして基板1の裏面からウエットエッチングを行って溝5を形成する。このウエットエッチングを継続して溝5を広げ、溝5内に、溝100の表面に形成した保護膜95が露出させた後、保護膜95の露出された部分を除去して、溝5と溝100とを接続させる。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録ヘッド、その製造方法、およびその製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式(液体噴射記録方式)に適用されるインクジェット記録ヘッドは、一般に、液体(インク)を吐出する微細な吐出口(以下、「オリフィス」と称す。)、それに通じる液流路、およびその液流路の一部に設けられた、インクを吐出させるための圧力を発生する吐出圧力発生部を複数備えている。そして、このようなインクジェット記録ヘッドを用いて高品位の画像を得るためには、オリフィスから吐出されるインクの液滴の体積、吐出速度を各オリフィスについて常に同じにすることが望ましい。これを達成する記録方法として、特開平4−10940号〜特開平4−10942号公報には、吐出圧力発生部に備えられる吐出圧力発生素子として電気熱変換素子を用い、これに記録情報に対応して駆動信号を印加して、インクに核沸騰を越える急激な温度上昇を生じさせる熱エネルギーを発生させ、それによってインク内に気泡を発生させ、この気泡を外気と連通させてインク液滴を吐出させる方法が開示されている。
【0003】
この記録方法においては、その吐出されるインク液滴の体積が、吐出口の面積および吐出圧力発生素子とオリフィスとの距離(以下、「OH距離」と称す。)によってほぼ決まってくる。そこで、このような記録方法を実現するためのインクジェット記録ヘッドにおいては、より微小なインク液滴を吐出し、それによってより高精細な記録を可能にするため、OH距離を短くすることが求められている。また、吐出されるインク液滴の体積を精度よく所望の体積にするために、OH距離を正確に、また再現性良く設定できることが必要である。
【0004】
従来、インクジェット記録ヘッドの製造方法としては、種々の方法が知られている。例えば、特開昭57−208255号公報および特開昭57−208256号公報には、吐出圧力発生素子が形成された基板上にインク流路およびオリフィス部からなるノズルを、感光性樹脂材料を使用してパターン形成し、この上にガラス板などの蓋を接合する方法が記載されている。また、特開昭61−154947号公報には、強アルカリや有機溶剤などの液体によって溶解させることができる樹脂によってインク流路パターンを基板上に形成し、このパターンをエポキシ樹脂などで被覆してこの樹脂を硬化させ、基板を切り出した後、溶解可能な樹脂によって形成したパターンを溶出させて除去する方法が記載されている。
【0005】
これらの製造方法は、いずれも、気泡の成長方向とインクの吐出方向とが異なる(ほぼ垂直)、すなわち、オリフィスが、吐出圧力発生素子の、インクと接する面にほぼ平行な方向に向かって開口しているタイプのインクジェット記録ヘッドの製造方法である。このタイプのヘッドにおいては、オリフィスは基板の端部に配置され、したがって、基板の切断位置によって吐出圧力発生素子とオリフィスとの距離が設定されることになる。このため、これらの製造方法においては、吐出圧力発生素子とオリフィスとの距離を制御する上で、切断精度が非常に重要なファクターとなる。基板の切断は、ICウエハーを切断する方法として公知であるダイシングソーなど、機械的手段を用いて行うことが一般的である。このような加工方法では、吐出させる微小なインク液滴の大きさを精度よく所定の大きさにする上で求められる程度に高い精度で安定して再現性の良い加工を実現することは難しい。
【0006】
一方、気泡の成長方向と吐出方向とがほぼ同じ、すなわちオリフィスが吐出圧力発生素子の、インクと接する面に対向して配置されたタイプのインクジェット記録ヘッドの製造方法としては、例えば、特開昭58−8658号公報に記載された方法がある。この製造方法では、基体と、オリフィスが開口されるオリフィスプレートとなるドライフィルムとをパターニングされた別のドライフィルムを介して接合し、その後、フォトリソグラフィーによってオリフィスを形成している。また、特開昭62−264957号公報には、吐出圧力発生素子が形成された基板と電鋳加工によって製造されたオリフィスプレートとをパターニングされたドライフィルムを介して接合する方法が記載されている。これらの製造方法では、基板とオリフィスプレートとの間に配置されるドライフィルムの高さを所定の高さに設定することによって、OH距離を高精度に再現性良く設定することができる。
【0007】
しかし、これらの方法では、いずれもオリフィスプレートを、例えば20μm以下のように非常に薄くかつ均一に作成することは困難である。また、たとえ非常に薄いオリフィスプレートを作成できたとしても、吐出圧力発生素子が形成された基板との接合工程はオリフィスプレートの脆弱性のためにきわめて困難となる。また、溶解可能な樹脂によってインク流路パターンを形成し、その上に被覆樹脂層を形成する方法を用い、この被覆樹脂層によって、オリフィスが開口される部分を構成する方法を用いても、この被覆樹脂層を極端に薄くするのは困難である。
【0008】
このように、オリフィスプレート、あるいはオリフィスが開口される部分を構成する被覆樹脂層の厚さは極端に薄くするのは困難であるのに対して、吐出圧力発生素子はかなり薄くできる。したがって、通常、インク流路の高さLH(吐出圧力発生素子が形成され、インク流路の、オリフィスが開口される壁面に対向する壁面を構成する、基板の表面と、オリフィスが開口される壁の内面との間の距離)と、インク吐出口の吐出面(オリフィスが開口される壁の外面)と吐出圧力発生素子の上面との距離である前述のOH距離とは、OH≧LHの関係にある。
【0009】
したがって、従来の製造方法で得られるインクジェット記録ヘッドでは、OH距離を短くするためには、同時に、インク流路の高さLHを低くする必要がある。このようにインク流路の高さLHを低くすると、インクを吐出させた後、吐出圧力発生素子の部分にインクを再充填する、すなわちリフィルするのにかかる時間が長くなり、記録速度を速くするなどの目的で吐出周波数を高くするのが困難になるという問題が生じる。
【0010】
このような問題に対し、従来、インクのリフィル速度を速くするために、各インク流路へと通じるインク供給口をできるだけ吐出圧力発生素子に近づける、すなわち、高さの低いインク流路を短くするという対応が成されていた。しかし、インク供給口の形成精度に限界があることや、インクを吐出させる際に生じる圧力などが多数配列されたノズル間で伝播して、インクの吐出が不安定になる、いわゆるクロストークを防止するという、インク流路としての役割を充分に果たさせる必要があることなどから、インク流路の長さを短くするのには自ずと限界があり、この方法では、根本的な問題解決には至らなかった。
【0011】
これに対して、インク供給口の形成精度を高める方法が、特開平6−238904号公報に示されている。この方法では、基板の表側の、インク供給口の開口部となる部分に基板の表側から高精度に溝を加工し、これに基板裏面から形成した溝を接続して、インク供給口を、基板を貫通するスルーホールとして形成している。この方法によれば、吐出圧力発生素子が形成される、基板の表側から溝を形成しており、この溝の縁が最終的にインク供給口の縁となるため、インク供給口の縁を吐出圧力発生素子に対して精度良く所定の位置に形成することができる。このため、インク流路の長さを短く設定することが可能になる。また、このようにインク供給口の形成精度を高めることによって、各インク流路の長さを精度良く均一に所定の長さにして、各ノズルのインピーダンスが同じになるようにすることができる。その結果、各ノズルで達成可能な吐出周波数の上限がほぼ均一になるようにすることができ、ヘッドの吐出周波数を有効に高めることが可能になる。
【0012】
また、OH距離を短くしてもヘッドの吐出周波数を高めることができるようにする方法が、特開平10−34928号公報、および特開平10−95119号公報に開示されている。この方法では、インク流路内に設けられた吐出圧力発生素子が形成された部分に対して、基板表面の他の部分を彫り込んで低くし、結果として、OH≦LHとなるようにしている。したがって、この方法によれば、OH距離を短くしても、インク流路は、その断面積を十分に広くして、抵抗を小さくすることができ、結果として、ヘッドの吐出周波数を高くして高速記録を可能とすることができる。なお、この方法においても、OH距離は、基板上に樹脂などによって形成することができるノズル形成部材を精度良く形成することによって、高精度に再現性良く設定することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平6−238904号公報には、基板の表側の面から形成した溝と裏側の面から形成した溝を接続することによって、インク供給口を、基板を貫通するスルーホールとして形成する方法が開示されていものの、この溝の、すなわちインク供給口の表面を保護する方法は示されていない。すなわち、基板として、一般的に用いられているシリコン基板を使用した場合、不用意にインク供給口を形成したのでは、インク供給口の側壁を構成するシリコン表面に、アルカリ性のインクに対する耐性を持たせることができない。
【0014】
また、基板の表側の面と基板の裏側の面のそれぞれの溝を結晶異方性エッチングにより形成し、アルカリに対する耐性の高い<111>面を露出させたとしても、表側の面から形成した溝と裏側の面から形成した溝の接続部に形成される、2つの<111>面からなる凸部には、アルカリ性のインクに対する耐性を得ることが出来ない。また、2つの<111>面からなるこの凸部は、異方性エッチングにおけるエッチングレートが<111>面に比べて速く、このため、この凸部を所望のパターンを有するように形成するのは困難である。これは、異方性エッチングに限られた問題ではなく、ウエットエッチングを行った場合には、シリコンの表面が交わって形成される凸部でエッチングが進みやすいため、所望の形状を得ることが非常に難しい。
【0015】
また、特開平10−34928号公報および特開平10−95119号公報には、基板の、インク流路の底面を構成する部分を吐出圧力発生素子が形成された部分よりも低くするために、基板を彫り込むことが記載されているが、彫り込んだ部分の表面を保護する方法は示されていない。このため、同様に、彫り込んだ部分の表面には、インクに対する耐性を必ずしも得ることができない。また、これらの公報には、基板の表側の面から彫り込んだ部分に接続するように、基板の裏面側からスルーホールとしてインク供給口を形成することが記載されている。この場合、やはり、基板の表側の面の彫り込んだ部分と基板の裏側の面から形成した供給口の交わる部分に生ずる凸部、すなわち、インク供給口の、基板の表側の面での開口の縁では、エッチングレートが速くなる。このため、インク供給口をウエットエッチングによって開口する場合には、インク供給口の開口の縁の形状を所望の形状にすることは困難であり、再現性も低い。特に、例えば、基板表面に、インク流路となる部分に沿って彫り込みを形成した場合、インク流路とインク供給口が交差する部分で、インク供給口の縁が丸くなってしまうといったことになり、このため、設計自由度が低くなってしまう。
【0016】
さらに、基板表面に彫り込みを形成し、その後、ノズルを構成する部材の形成や、吐出圧力発生素子やその駆動回路などの半導体回路の形成などを行い、その後に、基板裏面からインク供給口を開口する場合、インク供給口を開口する工程では、ノズルを構成する部材や半導体回路にダメージを与えないようにする必要がある。このため、インク供給口を、KOH、TMAHのような強アルカリの薬液を使用する、高精度に加工することが可能な結晶異方性エッチングを用いて形成するのが困難になる。一方、サンドブラストやレーザー除去のような方法でインク供給口を開口する場合、これらの方法ではゴミが発生し、特に、近年求められているように微細なノズルを形成する場合には、このようにして発生したゴミがノズルつまりの原因となる危惧がある。
【0017】
そこで、本発明の目的は、基板の表側の面から彫り込んだ溝と、基板の裏側の面から彫り込んだ溝とを接続して供給口を形成する工程を有する、インクジェット記録ヘッドの製造方法において、供給口の縁の形状を高精度に再現性良く形成することができる製造方法、この製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体、およびこの製造方法によって製造されたインクジェット記録ヘッドを提供することにある。また、本発明の他の目的は、上記のようなインクジェット記録ヘッドであって、さらに、供給口の、基板の表側の面での開口の縁部における彫り込みにおいても、インクに対して高い耐性を有するインクジェット記録ヘッドを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明によるインクジェット記録ヘッド用基板は、外部から液体が供給される供給口と、液体を吐出する吐出口と、吐出口に連通し、供給口から供給された液体を吐出口へと導く液流路と、液流路の一部に設けられた、液体を吐出するための圧力を発生する吐出圧力発生部とを有し、供給口が、吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子が形成された基板にスルーホールとして形成されたインクジェット記録ヘッドの製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体であって、吐出圧力発生素子が形成され、吐出圧力発生素子が形成された部分の、供給口が形成される位置側に溝が形成された基板と、基板上に、溝に隣接して、溝より、形成される供給口の中央寄りの位置に形成された、供給口を形成するためのウエットエッチングによって溶解される犠牲層と、溝の表面に形成された、供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜と、犠牲層を被覆するように形成された、供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有するパッシベイション膜と、基板の、吐出圧力発生素子が形成された面、すなわち表側の面とは反対側の面、すなわち裏側の面に形成された、供給口を形成するためのウエットエッチング用のエッチングマスク層であって、ウエットエッチングによって、基板の裏側の面から形成され始めた溝が、基板の表側の面で、犠牲層が形成された領域内に開口するように、ウエットエッチングの開始領域を定める開口を有するエッチングマスク層とを有することを特徴とする。
【0019】
このインクジェット記録ヘッド用基板を用いたインクジェット記録ヘッドの製造では、このインクジェット記録ヘッド用基体に対して、エッチングマスク層をマスクとして、基板の裏側の面からウエットエッチングを行って溝を形成し、この溝の、表側の面の開口が、犠牲層が形成された領域を超えて広がるまでウエットエッチングを継続し、この溝内に露出した保護膜を除去することによって、この溝を、基板の、吐出圧力発生素子が形成された側の面に形成した溝に接続させ、これによって供給口を形成することができる。
【0020】
この際、基板の裏側の面からウエットエッチングによって形成された溝の、基板の表側の面での開口の縁は、広がっていく過程で、犠牲層とパッシベイション膜との境界を通る際、この境界に沿うように揃えられる。このため、エッチングマスク層のパターンと基板の結晶方位とのずれや、シリコン基板の厚さのばらつきなどのために、この溝の、基板の表側の面での開口の縁に多少の歪みが生じたとしても、この歪みを補正することができる。さらに、この溝の、基板の表側の面での開口の縁はさらに広がっていき、基板の表側から形成した溝に接続するが、これによって、基板の裏側から形成された溝の側面と基板の表側から形成された溝の底面との間に形成される凸部には、上面に保護膜が形成されているため、エッチングレートが速くなるようなことはなく、安定してエッチングを行うことができる。これらのことから、本発明のインクジェット記録ヘッド用基体を用いれば、供給口の側面にこのように形成される凸部を再現性良く高精度に所望の形状に形成することができる。また、したがって、この供給口およびその周辺の構成の設計自由度を高めることができる。
【0021】
さらに、本発明のインクジェット記録ヘッド用基体を用いて製造したインクジェット記録ヘッドにおいて、基板の表側の面での供給口の縁は、基板の表側の面から形成した溝の縁になる。したがって、この供給口の縁は、基板の表側に形成する他の構成、例えば吐出圧力発生素子などに対して、直接相対位置を定めることができ、精度良く所定の位置に形成することができる。
【0022】
これらのことから、本発明のインクジェト記録ヘッド用基板を用いて作製されるインクジェット記録ヘッドは、各ノズルについて、インクの供給径路のコンダクタンスを揃え、迅速で安定したリフィルが行われるものとすることができる。
【0023】
さらに、この供給口の縁部において、基板の表側の面から溝を形成することによって形成される彫り込みの部分には、保護膜が形成されているので、インクに対して高い耐性を有するようにすることができる。また、基板の裏側の面から形成する溝を、その側面に、アルカリに対する耐性の高い<111>面を表出させる結晶異方性エッチングによって形成すれば、この面についても、インクに対して高い耐性を有するようにすることができ、インクジェット記録ヘッド全体をインクに対した高い耐性を有するものとすることができる。
【0024】
本発明のインクジェット記録ヘッド用基体において、基板の表側に形成する溝は、複数並んで配置された吐出圧力発生部に対して、複数の吐出圧力発生部に亘って延びる構成としてもよいし、複数設けられた吐出圧力発生部のそれぞれに対して1つずつ設けてもよい。後者の場合、各液流路の間を仕切る流路壁を、各溝の間の領域にまで延ばすことができ、流路壁の長さを長くして、クロストークが生じるのを防止することができる。
【0025】
また、保護膜とパッシベイション膜とは、供給口が、基板の表側の面で開口する領域において隙間無く互いに接続されている構成とすることができる。このようにすることによって、基板の裏側の面からウエットエッチングを行う際、エッチング液が基板の表側にしみだすのを防ぐことができる。したがって、基板の表側の面に半導体回路やノズルを構成する層を形成した後にエッチングを行っても、これらがエッチング液によって悪影響を受けるのを防止することができる。また、このために、基板の裏側からの溝の形成に、サンドブラストやレーザー除去のような、ノズルつまりの原因となるゴミを発生する方法を用いずに、結晶異方性エッチングなどの非常に高精度な加工方法を用いることが可能になる。
【0026】
保護膜およびパッシベイション膜としては、無機膜、例えば、SiOX膜、SiNX膜、あるいはこの両方の膜を積層した膜を用いることができる。また、保護膜およびパッシベイション膜はポリエーテルアミドから構成してもよい。犠牲層は、多結晶シリコン膜またはアルミから形成することができる。エッチングマスク層としては、SiOX膜、SiNX膜を用いることができる。基板としては、結晶方位面が<100>または<110>のものを用いることが可能で、このような基板を用いることによって、基板の裏側の面からの溝の形成を結晶異方性エッチングによって行い、溝の側面に、アルカリに対して高い耐性を有する面を表出させることができる。
【0027】
本発明のインクジェット記録ヘッド用基板を用いて製造したインクジェット記録ヘッドには、供給口の縁部に彫り込みが設けられており、したがって、OH距離を短くしても、液流路の流抵抗を比較的小さくし、迅速なリフィルが行われるようにすることができる。したがって、本発明のインクジェット記録ヘッド用基板は、高精細な記録を可能とするためにOH距離を短くすることが求められ、また、高速記録を可能とするために迅速なリフィルを行えるようにすることが求められている、吐出圧力発生素子として電気熱変換素子を用いたインクジェット記録ヘッド用の基体として好適である。
【0028】
本発明によるインクジェット記録ヘッドは、上記のようなインクジェット記録ヘッド用基体を用いて作製されることを特徴とする。また、本発明の他の態様のインクジェット記録ヘッドは、基板の表側の面での、供給口の開口の縁部において、基板の表面に、吐出圧力発生素子が形成された側から供給口側に向かって深くなっている彫り込みが設けられており、掘り込みの表面に、供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜が形成されていることを特徴とする。
【0029】
本発明による、インクジェット記録ヘッドの製造方法は、上記のようなインクジェット記録ヘッド用基体を用いることを特徴とする。また、本発明の他の態様の、インクジェット記録ヘッドの製造方法は、基板に溝を形成する工程と、基板に、溝の横の位置に、吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子を形成する工程と、基板に、溝の、吐出圧力発生素子が形成された側とは反対側の位置に、供給口を形成するためのウエットエッチングによって溶解される犠牲層を形成する工程と、溝の表面に、供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜を形成する工程と、犠牲層を被覆するように、供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有するパッシベイション膜を形成する工程と、基板の、吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面にエッチングマスク層を形成し、エッチングマスク層をマスクとするウエットエッチングによって、基板の裏側の面から形成され始めた溝が、基板の表側の面で、犠牲層が形成された領域内に開口するように、ウエットエッチングの開始領域を定める開口をエッチングマスク層に形成する工程と、エチングマスク層をマスクとして、基板の裏側の面からウエットエッチングを行って溝を形成する工程と、基板の裏側の面から形成した溝の、表側の面での開口が、犠牲層が形成された領域を超えて広がるまでウエットエッチングを継続した後、溝内に露出した保護膜を除去することによって、溝を、基板の表側の面に形成された溝に接続させて供給口とする工程とを有することを特徴とする。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0031】
(第1の実施形態)
図1〜10を参照して、本発明の第1の実施形態の、インクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。図1〜9は、製造工程を時系列に示す模式図であり、各図の(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿って切断した断面図を示している。図10は、図9に示す完成した状態のインクジェット記録ヘッドを、ノズル形成層を取り除いた状態で示す平面図である。
【0032】
本実施形態において製造するインクジェット記録ヘッドは、図9,10に示すように、インク(液体)を吐出させる圧力を発生する吐出圧力発生素子として、インクを加熱し発泡させて圧力を発生するヒーター(電気熱変換素子)110が形成された基板1を有している。なお、基板1には、ヒーター110を駆動するためのトランジスタなどを含む半導体回路や、記録ヘッドを記録装置本体側と電気的に接続するのための電極パッドが形成されているが、図面を分かりやすくするため、各図においては図示を省略している。
【0033】
基板1には、スルーホールとしてインク供給口109が開口されており、ヒーター110は、このインク供給口109の両側に配置されている。図面では、分かりやすくするために、ヒーター110は3つのみを図示しているが、本実施形態の製造方法では、さらに多数のヒーター110を有するインクジェット記録ヘッドを製造できる。これらのヒーター110は、インク供給口109の両側にそれぞれ一列に並んで所定のピッチで配置され、両側の列におけるヒーター110の並びは半ピッチだけずれている。基板1上には、インク供給口109側から各ヒーター110上へと延びる流路107と、各ヒーター110の表面に対面する位置に開口したオリフィス、すなわち吐出口106とからなるノズルを形成するノズル形成層105が形成されている。
【0034】
以下、本実施形態の製造工程について順を追って説明する。
【0035】
本実施形態においては、基板1として結晶方位が<100>のシリコン基板を用いた。そして、まず、この基板1上に、図1に示す表面エッチングマスク層2および裏面エッチングマスク層99となるSiNX膜を100nm成膜した。次に、基板1の表側の窒化シリコン膜上にフォトリソグラフィプロセスにより所定のパターンのフォトレジストを形成した。そしてこのフォトレジストをマスクとして、窒化シリコン膜に対して、CF4ガスを用いて反応性イオンエッチングを行い、ついで、フォトレジストを剥離した。これによって、図1(a)に示すように、基板1の表側の面上に、後の工程でヒーター110の各列を形成する部分の、インク供給口109寄りの部分に、ヒーター110の各列に沿って延びる開口を有する表面エッチングマスク層2を形成した。
【0036】
次に、表面エッチングマスク層2をマスクとして結晶異方性エッチングを行い、基板1の表側の面に溝100を形成した。この結晶異方性エッチングでは、エッチング液としてTMAHを、83℃、濃度22%の条件で用いた。この際のエッチングのレートは0.68μm/minであった。
【0037】
次に、図2に示すように、両側の各溝100の外側に、各溝100の長手方向に沿ってヒーター110を形成した。また、インク供給口109を後述するようにエッチングによって開口する際に溶解される材料からなる犠牲層120を両溝100の間の、溝100の長さ方向にヒーター110の列の全長以上に亘って延びる矩形の領域に形成した。本実施形態では、犠牲層120としては、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)を用い、これをフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることによって、所定の領域内に形成した。犠牲層120の膜厚は3000Åとした。
【0038】
次に、基板1の表側の面にSiOXを成膜し、これをパターニングして、図3に示すように保護膜(パッシベイション膜)95を形成した。保護膜95は、各溝100の内面と、犠牲層120の上面および側面を覆っている。また、前の工程で基板1の裏面に形成したSiNX膜、すなわち裏面エッチングマスク層99を、犠牲層120の直下の領域を含む所定の領域を占める開口を形成するようにパターニングした。
【0039】
次に、ノズルを形成するための工程として、図4に示すように、後工程においてエッチングして除去することにより流路107(図9参照)となる流路形成層104を形成した。流路形成層104は、犠牲層120および各溝100上を覆う中央の領域と、この領域から各ヒーター110上へと延びる、それぞれ間に間隔を置いた領域とを有している。流路形成層104の、各ヒーター110上へと延びる領域間の間は、最終的に各流路107間を仕切る流路壁となる。なお、この流路形成層104として例えば樹脂を用いる場合、基板1の表側の面に形成した溝100の深さと面積を調節することによって流路形成層104の膜厚に対して、溝100が設けられていることによる影響を抑え、膜厚分布を向上させることが可能になる。
【0040】
次に、図5に示すように、流路形成層104上にさらにノズル形成層105を形成した。ノズル形成層105には、各ヒーター110の上方に吐出口106を開口した。吐出口106は、フォトリソグラフィー技術などによって形成することができる。
【0041】
次に、裏面エッチングマスク層99をマスクとして結晶異方性エッチングを行い、図6に示すように、基板1の裏側の面から溝5を形成した。この結晶異方性エッチングを行うに際しては、ノズル形成層105を保護することを目的として、環化ゴムなどよりなる樹脂によって基板1の表面および外周部を被覆することが望ましい。エッチング液としては、TMAHを、濃度22%、83℃の条件で用いた。このエッチングによって、犠牲層120は容易にエッチングされ、一方、SiOからなる保護膜95は、このエッチングに対して耐性を有しており、エチングされることなく残される。
【0042】
この際、本実施形態では、図6(b)に示すように、基板1の裏面からエッチングして溝5を形成する際、この溝5が、基板1の表側の面で、犠牲層120を形成した領域内で開口するようにしている。すなわち、こうなるように、基板1の裏面での、裏面エッチングマスク層99の開口を形成する領域と、基板1の表側の面での、犠牲層120を形成する領域を調整している。
【0043】
次に、さらに結晶異方性エッチングを続けることにより、溝5の幅を広げた。そして、図7に示すように、溝5を、基板1の表側の面側に形成した溝100に接続するまで広げた。すなわち、保護膜95の、溝100の内面に形成した部分を、溝5内に露出させた。
【0044】
次に、図8に示すように、SiOX膜からなる保護膜95の、溝5内に露出した部分を基板1の裏面側からバッファード沸酸によりエッチングして除去した。
【0045】
最後に、図9に示すように流路形成層104を溶解させて除去した。この際、前述のように、ノズル形成層105を保護するために環化ゴムなどよりなる樹脂を被覆していた場合には、流路形成層104を良好に効率的に除去するために、事前にこの樹脂を除去しておくのが望ましい。
【0046】
最終的に流路形成層104を除去することによって、基板1の表側から形成した溝100と、裏側から形成した溝5とが接続されてインク供給口109が形成され、また、このインク供給口109側から各吐出口106へと延びる流路107が形成される。インク供給口109の側壁の、流路107に沿った方向の断面形状は、異方性エッチングによって傾斜した側壁を有するように形成された2つの溝100,5が接続されることによって、「く」の字型に折れ曲がった形状を有している。そして、このように断面形状が「く」の字型になった凸部の上面は保護膜95によって覆われている。
【0047】
以上説明した本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、インク供給口109の、基板1の表側の面での縁の位置は、基板1の表側から形成した溝100の縁の位置によって設定できる。この溝100は、基板1の表側に形成したヒーター110などの配置パターンに対して、同じ表側の面から直接アライメントして形成しているので、相対的な形成位置を容易に正確に設定することができる。また、基板1の表側は、半導体回路を形成する面であり、結晶欠陥の非常に少ない面であるので、この面に形成した溝100は、寸法精度を高くするのが非常に容易である。これらのことから、溝100の縁の位置は、したがって、インク供給口109の、基板1の表側の面での開口の縁の位置は非常に正確に設定することが可能となり、このため、インク供給口109の開口のこの縁からヒーター110の中心までの距離L1(図9,10参照)を、非常に精度良く設定することができる。
【0048】
ところで、本実施形態におけるように、基板に対して、異方性エッチングによって裏面よりスルーホールを形成する場合には、スルーホールの、基板の表側の面での開口の大きさが、基板の結晶欠陥、基板の厚みやオリフラ角度のばらつき、エッチング液濃度のばらつき、および、半導体工程における高温熱処理の影響などのためにばらついてしまうことがある。このために、スルーホールとして形成したインク供給口の、基板の表側の面での開口の大きさに、ノズルの並び方向にばらつきが生じた場合、各吐出圧力発生素子とインク供給口との間の距離(以下CH距離と称する。)にばらつきが生じることになり、各吐出エネルギー発生素子へのインクのリフィル特性が不均一になってしまう。このようなインクのリフィル特性のばらつきは、インクジェット記録ヘッドの動作周波数特性に多大な影響を及ぼす。すなわち、CH距離が長いノズルではインクのリフィルが遅くなり、このノズルにおいては、インクが充填された状態で次のインク吐出が行われるようにできる、動作周波数の上限が低くなる。このため、インクジェット記録ヘッドの動作周波数は、このCH距離が長く、動作周波数の上限が低いノズルに合わせて比較的低くする必要が生じ、すなわち律速されてしまう。
【0049】
これに対して、本実施形態の製造方法では、図6を参照して前述したように、基板1の裏面からのエッチングにおいて、形成される溝5の、基板1の表側での開口の縁が、犠牲層120を形成した領域内に位置するようにしている。したがって、エッチングを進めていくにつれて広がっていく、溝5の、基板1の表側での開口の縁は、基板1の表側に、エッチングに対して容易に溶解する犠牲層120が形成された領域と、耐性のある保護膜95が形成された領域の境界部を通ることになる。この構成では、エッチングの過程で、上述のようにエッチング速度に多少のばらつきがあって、溝5の、基板1の表側での開口の大きさに多少の歪みが生じたとしても、この開口が広がっていく過程で、開口の縁が、一旦、犠牲層120と保護膜9の境界のところで揃えられるようにすることができる。すなわち、犠牲層120の働きによって、エッチングされている部分の端部が直線からずれた形状になる、また、製造を行う毎に、エッチング開始から同じ時間の間に形成される端部の位置がずれてしまうなどの、エッチング速度のばらつきによる影響を抑え、補正することができる。
【0050】
そして、溝5を広げていくことによって、最終的に溝5と溝100とを接続させている。この際、上述のように、犠牲層120の働きによってエッチング速度のばらつきの影響が抑えられるため、溝5は、溝100に、その長さ方向に亘ってほぼ同時に、同様に接続させることができた。また、溝5と溝100の接続部には凸部が形成されるが、この凸部は、その上面が保護膜95によって覆われている。このため、従来技術におけるように、この凸部において、他の部分に比べてエッチングレートが速くなり、形状が損なわれるという現象も起きない。これらのことから、本実施形態の製造方法によれば、溝5を溝100に接続させることによって形成される凸部を高精度に再現性良く形成することができる。また、したがって、この凸部からヒーター110の中心までの距離L2(図9,10参照)を高精度に調整することができ、各ノズル間でのばらつきも小さく抑えることができる。
【0051】
このように、本実施形態の製造方法によれば、各ノズルについて、インク供給口109から流路107へ至るインク供給経路を高精度に再現性良く所定の形状にすることができ、そのノズル間でのばらつきも小さく抑えることができる。このため、各ノズルに至るインクの供給経路のコンダクタンスを各ノズル間で揃えることができ、高い周波数でインクを吐出することができる、したがって高速記録を行うことができるインクジェット記録ヘッドを精度良く製造することができる。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドでは、全ノズルにおいて、25kHzの吐出周波数で良好にインクを吐出することができ、すなわち吐出周波数の上限が25kHz以上であることを確認できた。
【0052】
また、本実施形態によれば、基板1の裏側から形成した溝5と、基板1の表側から形成した溝100との接続部に形成される凸部には、その上面に保護膜95が形成されている。このため、この凸部では、従来技術におけるようにインクに対する耐性が低くなるのを抑えることができる。そして、溝5を結晶異方性エッチングによって形成し、したがって、その側面に、アルカリに対する耐性の高い<111>面を形成していることと合わせて、本実施形態のインクジェット記録ヘッドにおけるインク供給径路は、例えばアルカリインクなどを使用しても、インクに対して高い耐性を有しており、インクにシリコンが溶出することはほとんどない。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドに対して、インクを充填して保存試験を行い、試験後のインクを分析したが、問題となるレベルの、シリコンなどの溶出は認められなかった。
【0053】
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドでは、基板1の表側から形成した溝100の内面全体を保護膜95によって覆っている。このため、溝100を等方性ウエットエッチングや、異方性あるいは等方性のドライエッチングによって形成しても、インクに対して高い耐性を有するようにすることができる。また、この保護膜95には、基板1の表側の面に形成された半導体回路などを保護する機能を果たさせることもできる。
【0054】
さらに、本実施形態では、基板1の裏側から溝5をエッチングする際、基板1の表側に保護膜95が形成されているため、半導体回路等が形成された基板1の表側の面にエッチング液が接触することはない。したがって、半導体回路等に悪影響を与えることなく、異方性エッチングを行うことができる。そして、このような、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、サンドブラストやレーザー除去のような方法でインク供給口を形成する場合に比べて、ゴミの発生を抑えることができる。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドに対して、耐久試験を行った結果、109回までインク吐出を行っても、ゴミ詰まりなどの問題が生じることはなく、安定してインクを吐出させることができた。
【0055】
以上のように、本実施形態によれば、インクに対して高い耐性を有し、また、各ノズルにおけるインク供給特性を揃えることができ、したがって、インクを安定して精度良く供給できるインクジェット記録ヘッドを製造することができた。
【0056】
なお、本実施形態において、基板1としては、その表面の結晶方位面が<100>のものを用いる例を示したが、結晶方位面が<110>のものを用いてもよい。後者の場合にも、結晶異方性エッチングによって、基板1の裏面から、側面に結晶方位<111>の、インクに対する耐性の高い面を有する溝を形成することができる。また、基板1の裏側からの溝5の形成は、異方性のないウエットエッチングによって行ってもよく、この場合にも、基板1の表側から形成した溝100との間に形成される凸部の形状を再現性良く高精度に調整することができる。
【0057】
基板1の表側から形成する溝100は、結晶異方性エッチングによって形成する例を示したが、等方性のウエットエッチング,等方性のドライエッチング、異方性のドライエッチングを用いて形成してもよい。いずれの場合でも、前述のように、この溝100の内面には、保護膜95を形成するため、インクに対して高い耐性を持たせることができる。
【0058】
裏面エッチングマスク層99としては、SiNX膜を用いる例を示したが、SiOXを用いてもよい。犠牲層120としては、多結晶シリコン膜を用いる例を示したが、溝5を形成するためのウエットエッチングによって容易に溶解される他の膜を用いることができ、例えば、アルミによって形成してもよい。
【0059】
保護膜95としては、SiOX膜を形成する例を示したが、溝5を形成するためのウエットエッチングに対して、特に、結晶異方性エッチングに用いる、KOH,TMAHのような強アルカリの薬液に対して耐性のある他の膜を用いることができる。保護膜95としては、より具体的には、SiOX膜の他、SiNX膜を用いてもよく、また、SiOX膜とSiNX膜の2層から形成してもよい。また、ポリエーテルアミドによって形成した膜なども保護膜95として用いることができる。
【0060】
(第2の実施形態)
次に、図11〜20を参照して、本発明の第2の実施形態の、インクジェット記録ヘッドの製造方法について説明する。図11〜19は、製造工程を時系列に示す模式図であり、各図の(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線に沿って切断した断面図を示している。図20は、図19に示す完成した状態のインクジェット記録ヘッドを、ノズル形成層を取り除いた状態で示す平面図である。これらの図において、第1の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付している。また、各図においては、第1の実施形態におけるのと同様に、分かりやすくするために、ノズルは3つのみを示しており、基板1上に形成されたヒーター110を駆動するためのトランジスタなどを含む半導体回路や、記録ヘッドを記録装置本体側と電気的に接続するのための電極パッドなどは図示を省略している。
【0061】
本実施形態において製造するインクジェット記録ヘッドは、図19,20に示すように、第1の実施形態と同様、インク供給口109がスルーホールとして形成され、このインク供給口109の両側にヒーター110が形成された基板1を有している。そして、基板1上には、各ヒーターの上方に開口する吐出口106と、インク供給口109側から各吐出口106へと延びる流路160とからなるノズルを形成するノズル形成層105が形成されている。本実施形態におけるインクジェット記録ヘッドでは、この流路160は、インク供給口109側の端部の底面がインク供給口109側に向かって斜め下方に傾斜した形状を有しており、すなわち彫り込み部が形成されている。
【0062】
ところで、近年、インクジェット記録ヘッドについては、吐出するインクのドット径を小さくして高画質の画像を出力させる技術が開発されてきている。吐出するインクドット径を小さくする方法としては、吐出口の大きさを小さくすることと、OH距離を短くすることが1つの方法として上げられる。しかし、吐出口を小さくした場合、ゴミが吐出口に詰まりやすくなるとい問題が生じる。このため、ヘッド部材のクリーン化、ヘッドの製造現場のクリーン化などを、より高いレベルで実施する必要が生じ、それには大変なコストがかかる。このようにヘッドの製造の効率性の観点からは、吐出口面積はあまり小さくせず、むしろ大きなままとして、OH距離を短くすることによってインクドット径を小さくすることが望まれる。そのようにすることにより、ゴミつまりを生じにくくできるばかりでなく、ヒーターから吐出口へのインクの経路の抵抗が小さくなるため、インクを吐出させる圧力が小さくて済み、ヒーターを小さくすることが可能になる。それによって、ヘッドの昇温を抑えることができ、吐出前のインク中に含まれる水分がヘッドの外へと蒸発して、吐出口付近のインクの粘度が高くなり、次回のインク吐出時に、インクが吐出されにくくなるといった現象を抑えることが可能になる。
【0063】
しかしながら、本実施形態におけるように、ヒーター110に対向する位置に吐出口106が配置されているインクジェット記録ヘッドにおいて、単純にOH距離を短くした場合には、流路160の高さが低くなってしまう。このために、各ノズルにおけるリフィルが遅くなり、記録ヘッドの動作周波数の上限が確実に低くなってしまう。
【0064】
これに対して、本実施形態において製造するインクジェット記録ヘッドでは、流路160に、インク供給口109側の端部で底面がインク供給口109側に向かって低くなるように彫り込み部を設けており、これによって、流路160の流抵抗を小さくすることができる。このため、OH距離を短くしても、リフィルを速くすることができ、記録ヘッドの動作周波数の上限を高く維持することができる。また、この構成では、流路160の長さを短くすることなく、その抵抗を小さくすることができるので、インク吐出時にヒーター110によって発生する圧力が他のノズルのインクに振動を生じさせるなど、他のノズルからのインク吐出に悪影響を与える、いわゆるクロストークも起こりにくい。
【0065】
以下、本実施形態の製造工程について順を追って説明する。
【0066】
本実施形態においては、基板1として結晶方位面が<100>のシリコン基板を用いた。そして、まず、この基板1上に、図11に示す表面エッチングマスク層3および裏面エッチングマスク層99となるSiNX膜を100nm成膜した。そして、基板1の表側のSiNX膜上にフォトリソグラフィプロセスにより所定のパターンのフォトレジストを形成し、このフォトレジストをマスクとして、SiNX膜に対して、CF4ガスを用いて反応性イオンエッチングを行い、次いで、フォトレジストを剥離して、所定のパターンの表面エッチングマスク層3を形成した。本実施形態では、この表面エッチングマスク層3には、図11(a)に示すように、各流路160(図19参照)の底面となる位置にそれぞれ開口を形成した。
【0067】
次に、この表面エッチングマスク層3をマスクとして結晶異方性エッチングを行い、基板1の表側の面に溝101を形成した。したがって、溝101は、各流路160の底面となる位置に、各ノズル毎に形成されている。なお、この結晶異方性エッチングでは、エッチング液としてTMAHを、83℃、濃度22%の条件で用いた。この際のエッチングのレートは0.68μm/minであった。
【0068】
次に、図12に示すように、各溝101の、インク供給口109(図19参照)側となる側とは反対側の位置に、ヒーター110を形成した。また、犠牲層120を、両側に形成されるノズルに対応して、両側に1列ずつ並んで配置された溝101の両列の間の、両列の並び方向にヒーター110の列の全長以上に亘って延びる矩形の領域に形成した。本実施形態では、犠牲層120としては、ポリシリコン膜(多結晶シリコン膜)を用い、これをフォトリソグラフィー技術を用いてパターニングすることによって、所定の領域内に形成した。犠牲層120の膜厚は3000Åとした。
【0069】
次に、基板1の表側の面にSiOXを成膜し、これをパターニングして、図13に示すように保護膜(パッシベイション膜)95を形成した。保護膜95は、各溝101の内面と、犠牲層120の上面および側面を覆っている。また、前の工程で基板1の裏面に、堆積させて形成したSiNX膜、すなわち裏面エッチングマスク層99を、犠牲層120の直下の領域を含む所定の領域を占める開口を形成するようにパターニングした。
【0070】
次に、ノズルを形成するための工程として、図14に示すように、後の工程においてエッチングして除去することにより流路160(図19参照)となる流路形成層114を形成した。本実施形態においては、流路形成層114の、犠牲層120上の中央の領域から、各ヒーター110上へと延びる領域への分岐点は、各溝101よりも犠牲層120の中央寄りの位置に位置している。したがって、溝101は、最終的に各流路壁の間の領域に、すなわち流路107の底面に位置することになる。なお、本実施形態においては、各溝101の深さは、第1の実施形態における溝100と同じにしたが、溝101の面積は溝100の面積よりも小さい。このため、流路形成層104を樹脂を塗布して形成した際、その膜厚分布は、第1の実施形態におけるよりも容易に均一にすることができた。
【0071】
次に、図15に示すように、流路形成層104上にさらにノズル形成層105を形成した。ノズル形成層105には、各ヒーター110の上方に吐出口106を開口させた。
【0072】
次に、裏面エッチングマスク層99をマスクとして結晶異方性エッチングを行い、図16に示すように溝5を形成した。この結晶異方性エッチングを行うに際しては、ノズル形成層105を保護することを目的として、環化ゴムなどよりなる樹脂によって基板1表面と外周部を被覆することが望ましい。エッチング液としては、TMAHを、濃度22%、83℃の条件で用いた。このエッチングによって、犠牲層120は容易に溶解され、一方、SiOからなる保護膜95は、このエッチングに対して耐性を有しており、エッチングされることなく残される。
【0073】
この際、本実施形態では、図16(b)に示すように、基板1の裏面からエッチングして形成した溝5の、基板1の表側の面での開口が、犠牲層120を形成した領域内に位置するようにしている。
【0074】
次に、さらに結晶異方性エッチングを続けることにより、図17に示すように、溝5が基板1の表側の面に形成した溝101に接続するまで溝5の幅を広げた。すなわち、保護膜95の、溝101の内面に形成した部分を、溝5内に露出させた。
【0075】
次に、図18に示すように、SiOX膜からなる保護膜95の、溝5内に露出した部分を基板1の裏面側からバッファード沸酸によりエッチングして除去した。
【0076】
最後に、図19に示すように、流路形成層104を溶解させて除去した。この際、前述のように、ノズル形成層105を保護するために、環化ゴムなどよりなる樹脂を被覆していた場合には、流路形成層104を効率的に良好に除去するために、事前にこの樹脂を除去しておくのが望ましい。
【0077】
最終的に流路形成層104を除去することによって、基板1の表側から形成した溝100と、裏側から形成した溝5とが接続されてインク供給口109が形成され、また、このインク供給口109側から各吐出口106へと延びる流路160が形成される。この流路160の、インク供給口109側の縁の部分には、最初に基板1の表側に形成した溝101の一部が残されており、これによって、底面がインク供給口109側に向かって窪んだ部分が形成されている。この窪んだ部分の表面には保護膜95が形成されている。この流路160の、インク供給口109側に向かって窪んだ部分はインク供給口109に接続され、この接続部は流路107に沿った方向の断面形状が「く」の字型に折れ曲がった形状になっており、すなわち、流路160とインク供給口109のこの接続部には、凸部が形成されている。
【0078】
以上説明した本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、流路160における、インク供給口109側の端部の彫り込み部の、基板1の表側の面での縁の位置は、基板1の表側から形成した溝101の縁の位置によって設定できる。この溝101は、基板1の表側に形成したヒーターなどのパターンに対して、同じ表側の面から直接アライメントして形成しているので、相対的な形成位置を容易に正確に設定することができる。また、基板1の表側は、半導体回路を形成する面であり、結晶欠陥の非常に少ない面であるので、この面に形成した溝101は、寸法精度を高くするのが非常に容易である。これらのことから、溝101の縁の位置は、したがって、流路160における、インク供給口109側の端部の彫り込み部の、基板1の表側の面での開口の縁の位置は非常に正確に設定することが可能となり、このため、この彫り込み部のこの縁からヒーター110の中心までの距離L1’(図9,10参照)を非常に精度良く設定することができる。
【0079】
また、本実施形態の製造方法においても、基板1の裏面からのエッチングにおいて、形成される溝5の、基板1の表側での開口の縁が、犠牲層120を形成した領域内に位置するようにしている。したがって、第1の実施形態において説明したのと同様に、基板の結晶欠陥、基板の厚みやオリフラ角度のばらつき、エッチング液濃度のばらつき、および、半導体工程における高温熱処理の影響などのために、形成される溝5の、基板1の表側での開口の縁が直線からずれた形状になるといった影響を犠牲層120の働きによって抑え、補正することができる。このため、溝5を各溝101に同時に、同様に接続することができた。
【0080】
また、溝5と溝101の接続部に形成される凸部において、その上面に保護膜95が形成されているので、この部分でエッチングレートが速くなり、形状が損なわれるという現象も発生しない。このため、本実施形態によれば、インク供給口109と流路160の接続部を高精度に再現性良く形成することができる。したがって、インク供給口109と流路160との接続部からヒーター110の中心までの距離L2’(図19,20参照)を高精度に調整することができる。また、各流路160間の流路壁についても、そのインク供給口109側の端部の形状を再現性良く高精度に調整することができる。
【0081】
このように、本実施形態の製造方法によれば、各流路160の、インク供給口160側の端部に再現性良く高精度に彫り込み部を形成することができ、したがって、各流路160の形状を精度良く均一にして、そのコンダクタンスを揃えることができる。また、各流路160の、インク供給口160側の端部に彫り込み部を形成することによって、OH距離を短く設定したとしても、各流路160の抵抗を小さく抑えることができる。このため、高い周波数でインクを吐出することができる、したがって高速記録を行うことができるインクジェット記録ヘッドを精度良く製造することができる。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドでは、全ノズルにおいて、60kHzの吐出周波数で良好にインクを吐出させることができ、すなわち吐出周波数の上限が60kHz以上であることを確認できた。比較実験として、彫り込み部のない流路を有する以外は本実施形態のヘッドと同様の構成のヘッドにおいて吐出周波数を確認したところ、45kHzであり、彫り込み部を形成することによって、吐出周波数の上限を高めることができることを確認できた。
【0082】
また、本実施形態の製造方法によれば、上述のように、流路壁についても、そのインク供給口109側の端部の形状を再現性良く高精度に調整することができ、このため、クロストークが生じるのを防止することができる。実際、本実施形態にしたがって試作した、ノズルのピッチが600dpi(42.5μm間隔)のインクジェット記録ヘッドでは、インク吐出に際してクロストークが生じないことを確認できた。
【0083】
また、本実施形態においても、各流路160とインク供給口109との接続部に形成される凸部には、その上面に保護膜95が形成されており、また、インク供給口109の側面には、異方性エッチングによって<111>面が形成されているので、この凸部は、例えばアルカリインクを用いた場合でも、このインクに対して高い耐性を有している。また、各流路160の彫り込み部の表面には保護膜95が形成されているので、この部分もインクに対して高い耐性を有している。これらのことから、本実施形態によれば、インクに対して高い耐性を有するインクジェット記録ヘッドを製造できる。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドに対して、インクを充填して保存試験を行い、試験後のインクを分析したが、問題となるレベルの、シリコンなどの溶出は認められなかった。
【0084】
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドでは、基板1の表側から形成した溝101の内面全体を保護膜95によって覆っている。このため、溝101を等方性ウエットエッチングや、異方性あるいは等方性のドライエッチングによって形成しても、インクに対して高い耐性を有するようにすることができる。また、この保護膜95には、基板1の表側の面に形成された半導体回路などを保護する機能を果たさせることもできる。
【0085】
さらに、本実施形態では、基板1の裏側から溝5をエッチングする際、基板1の表側に保護膜95が形成されているため、半導体回路等が形成された基板1の表側の面にエッチング液が接触することはない。したがって、半導体回路などに悪影響を与えることなく、異方性エッチングを行うことができる。そして、このような、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、サンドブラストやレーザー除去のような方法でインク供給口を形成する場合に比べて、ゴミの発生を小さく抑えることができる。実際、本実施形態にしたがって試作したインクジェット記録ヘッドに対して、耐久試験を行った結果、109回までインク吐出を行っても、ゴミ詰まりなどの問題が生じることはなく、安定してインクを吐出させることができることが確認された。
【0086】
以上のように、本実施形態のインクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、インクに対して高い耐性を有し、また、各ノズルにおけるインク供給特性を揃えることができ、したがって、インクを安定して精度良く供給できるインクジェット記録ヘッドを製造することができた。
【0087】
なお、本実施形態においても、基板1としては、その表面の結晶方位面が<100>のものの他、結晶方位面が<110>のものを用いてもよい。また、基板1の裏側からの溝5の形成は、異方性のないウエットエッチングによって行ってもよい。基板1の表側から形成する溝101は、結晶異方性エッチングの他、等方性のウエットエッチング,等方性のドライエッチング、異方性のドライエッチングを用いて形成してもよい。裏面エッチングマスク層99としては、SiNX膜の他、SiOX膜を用いてもよい。犠牲層120としては、多結晶シリコン膜の他、アルミによって形成したものを用いてもよい。保護膜95としては、SiOX膜、SiNX膜、SiOX膜とSiNX膜の2層からなる膜、ポリエーテルアミドによって形成した膜などを用いることができる。
【0088】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、インク供給口が基板のスルーホールとして形成され、基板の表側の面でのインク供給口の開口の縁部において、基板の表面に彫り込みが設けられたインクジェット記録ヘッドを、この彫り込みの部分の形状を再現性良く高精度に所定の形状に形成して製造することができる。したがって、本発明によるインクジェット記録ヘッドは、高精細な記録を可能とするため、OH距離を短くしても、インクの供給径路の流抵抗を小さく抑えて、迅速なリフィルが行われるものとすることができる。また、彫り込みの形状を各ノズルに対して均一にすることができ、安定したリフィルが行われるようにすることができる。これらのことから、本発明によるインクジェット記録ヘッドは、高精彩な記録を行うことができ、かつ、安定して高速に記録を行うこともできる。
【0089】
また、本発明の、インクジェット記録ヘッドの製造方法によれば、彫り込みの部分の形状を再現性良く高精度に所定の形状にすることができるので、この部分やその周辺の構成の設計の自由度を高めることができる。また、本発明によるインクジェット記録ヘッドは、彫り込みの部分に保護膜が形成されており、したがって、インクに対する耐性の高いものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の、インクジェット記録ヘッドの製造方法における一工程を示す模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のA−A線に沿って切断した断面図である。
【図2】図1とは異なる他の工程を示す模式図である。
【図3】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図4】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図5】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図6】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図7】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図8】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図9】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図10】図1〜9に示す工程を経て作製されたインクジェット記録ヘッドの、ノズル形成層を取り除いた状態で示す平面図である。
【図11】本発明の第2の実施形態の、インクジェット記録ヘッドの製造方法における一工程を示す模式図であり、図11(a)は平面図、図11(b)は図11(a)のA−A線に沿って切断した断面図である。
【図12】図1とは異なる他の工程を示す模式図である。
【図13】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図14】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図15】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図16】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図17】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図18】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図19】図1とは異なるさらに他の工程を示す模式図である。
【図20】図11〜19に示す工程を経て作製されたインクジェット記録ヘッドの、ノズル形成層を取り除いた状態で示す平面図である。
【符号の説明】
1 基板
2,3 表面エッチングマスク層
5,100,101 溝
95 保護膜
99 裏面エッチングマスク層
104,114 流路形成層
105 ノズル形成層
106 吐出口
107,160 流路
109 インク供給口
110 ヒーター
120 犠牲層

Claims (29)

  1. 外部から液体が供給される供給口と、該液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通し、前記供給口から供給された前記液体を前記吐出口へと導く液流路と、該液流路の一部に設けられた、前記液体を吐出するための圧力を発生する吐出圧力発生部とを有し、前記供給口が、前記吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子が形成された基板にスルーホールとして形成されたインクジェット記録ヘッドの製造に用いるインクジェット記録ヘッド用基体であって、
    前記吐出圧力発生素子が形成され、該吐出圧力発生素子が形成された部分の、前記供給口が形成される位置側に溝が形成された前記基板と、
    該基板上に前記溝に隣接して、該溝より、形成される前記供給口の中央寄りの位置に形成された、前記供給口を形成するためのウエットエッチングによって溶解される犠牲層と、
    前記溝の表面に形成された、前記供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜と、
    前記犠牲層を被覆するように形成された、前記供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有するパッシベイション膜と、
    前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面に形成された、前記供給口を形成するためのウエットエッチング用のエッチングマスク層であって、ウエットエッチングによって、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面から形成され始めた溝が、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面で、前記犠牲層が形成された領域内に開口するように、ウエットエッチングの開始領域を定める開口を有するエッチングマスク層とを有するインクジェット記録ヘッド用基体。
  2. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面側に形成された前記溝は、複数並んで配置された前記吐出圧力発生部に対して、複数の該吐出圧力発生部に亘って延びている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  3. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面側に形成された前記溝は、複数設けられた前記吐出圧力発生部のそれぞれに対して1つずつ設けられている、請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  4. 前記保護膜と前記パッシベイション膜とは、前記供給口が、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面側で開口する領域において隙間無く互いに接続されている、請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  5. 前記保護膜および前記パッシベイション膜は無機膜である、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  6. 前記保護膜および前記パッシベイション膜は、SiOX膜からなる、請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  7. 前記保護膜および前記パッシベイション膜は、SiNX膜からなる、請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  8. 前記保護膜および前記パッシベイション膜は、SiOX膜とSiNX膜とからなる、請求項5に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  9. 前記保護膜および前記パッシベイション膜はポリエーテルアミドからなる、請求項1から4のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  10. 前記犠牲層は多結晶シリコン膜からなる、請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  11. 前記犠牲層はアルミからなる、請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  12. 前記エッチングマスク層はSiOXからなる、請求項1から11のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  13. 前記エッチングマスク層は、SiNX膜からなる、請求項1から11のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  14. 前記基板の結晶方位面が<100>である、請求項1から13のいずれか1項に載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  15. 前記基板の結晶方位面が<110>である、請求項1から13のいずれか1項に載のインクジェット記録ヘッド用基体。
  16. 前記圧力発生素子は電気熱変換素子である、請求項1から15のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘット用基体。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体を用いて作製されたインクジェット記録ヘッド。
  18. 前記インクジェット記録ヘッド用基体において、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面に形成された溝に、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面から形成された溝が接続されて前記供給口が形成されている、請求項17に記載のインクジェット記録ヘッド。
  19. 外部から液体が供給される供給口と、該液体を吐出する吐出口と、前記吐出口に連通し、前記供給口から供給された前記液体を前記吐出口へと導く液流路と、該液流路の一部に設けられた、前記液体を吐出するための圧力を発生する吐出圧力発生部とを有し、前記供給口が、前記吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子が形成された基板にスルーホールとして形成されたインクジェット記録ヘッドであって、
    前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面側での、前記供給口の開口の縁部において、前記基板の表面に、前記吐出圧力発生素子が形成された側から前記供給口側に向かって深くなっている彫り込みが設けられており、該掘り込みの表面に、前記供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜が形成されているインクジェット記録ヘッド。
  20. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面側での、前記供給口の開口の縁部における、前記吐出圧力発生素子が形成された側から前記供給口側に向かって深くなるように彫り込まれた部分が、複数の前記液流路間を仕切る流路壁によって囲まれた、前記液流路の領域にまで延びている、請求項17から19のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  21. 請求項1から16のいずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッド用基体を用いた、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  22. 前記インクジェット記録ヘッド用基体に対して、前記エッチングマスク層をマスクとして、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された側とは反対側の面からウエットエッチングを行って溝を形成し、該溝の、前記吐出圧力発生素子が形成された側の面の開口が、前記犠牲層が形成された領域を超えて広がるまでウエットエッチングを継続し、該溝内に露出した前記保護膜を除去することによって、該溝を、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された側の面に形成した前記溝に接続させる、請求項21に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  23. 外部から液体が供給される供給口と、該液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液流路と、該液流路の一部に設けられた、前記液体を吐出するための圧力を発生する吐出圧力発生部とを有し、前記供給口が、前記吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子が形成された基板にスルーホールとして形成されたインクジェット記録ヘッドの製造方法であって、
    前記基板に溝を形成する工程と、
    前記基板に、前記溝の横の位置に、前記吐出圧力発生部を構成する吐出圧力発生素子を形成する工程と、
    前記基板に、前記溝の、前記吐出圧力発生素子が形成された側とは反対側の位置に、前記供給口を形成するためのウエットエッチングによって溶解される犠牲層を形成する工程と、
    前記溝の表面に、前記供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有する保護膜を形成する工程と、
    前記犠牲層を被覆するように、前記供給口を形成するためのウエットエッチングに対して耐性を有するパッシベイション膜を形成する工程と、
    前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面にエッチングマスク層を形成し、該エッチングマスク層をマスクとするウエットエッチングによって、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面とは反対側の面から形成され始めた溝が、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された面で、前記犠牲層が形成された領域内に開口するように、ウエットエッチングの開始領域を定める開口を前記エッチングマスク層に形成する工程と、
    前記エチングマスク層をマスクとして、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された側とは反対側の面からウエットエッチングを行って溝を形成する工程と、
    前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された側とは反対側の面から形成した前記溝の、前記吐出圧力発生素子が形成された側の面の開口が、前記犠牲層が形成された領域を超えて広がるまでウエットエッチングを継続した後、該溝内に露出した前記保護膜を除去することによって、該溝を、前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成された側の面に形成された溝に接続させて前記供給口とする工程とを有する、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  24. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面側に形成する前記溝は、結晶異方性エッチングによって形成する、請求項21から23のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  25. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面側に形成する前記溝は、等方性のウエットエッチングによって形成する、請求項21から23のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  26. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面側に形成する前記溝は、異方性のドライエッチングによって形成する、請求項21から23のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  27. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面側に形成する前記溝は、等方性のドライエッチングによって形成する、請求項22から24のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  28. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面とは反対側の面から形成する前記溝は、TMAHを用いたウエットエッチングによって形成する、請求項21から27のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  29. 前記基板の、前記吐出圧力発生素子が形成される面とは反対側の面から形成する前記溝は、KOHを用いたウエットエッチングによって形成する、請求項21から27のいずれか1項に記載の、インクジェット記録ヘッドの製造方法。
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