JP2004208765A - ティッシュペーパー用紙箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】箱の上面部に取り出し口を形成するとともに、内部に複数組の折り畳まれたティッシュペーパーを収納してなるティッシュペーパー用紙箱において、 前記取り出し口を、箱の長手方向に沿って3mm乃至8mmの幅で直線状に設けられた帯状の開口部と、該帯状開口部の両端部に傘状に連結されて設けられたほぼ半円状の開口部とで構成するとともに、前記半円状の開口部の直径を、前記帯状開口部の幅よりも大きくする。
【選択図】図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ティッシュペーパー用紙箱の改良に関し、特に、従来、取り出し口に設けられていた樹脂フィルム等の貼りつけの必要性を無くし、製造コストの削減とゴミの分別処理を不要としたティッシュペーパー用紙箱に関する。
【0002】
【従来の技術】
図12に示すように、従来のティッシュペーパー用紙箱1は、収容されている多数組の折り畳まれたティッシュペーパー2を、上面部の取り出し口3から順次引き出し使用する場合において、次のティッシュペーパーが箱の内部に落ち込まないようにするために、取り出し口3の裏面に、中央部にティッシュペーパーの折り畳み線方向に向けたスリット4を形成したポリエチレン等の透明な樹脂フィルム5が貼りつけられたものが多く使用されている。かかるティッシュペーパー用紙箱は未使用状態においては、取り出し口3はミシン目の付された蓋片で覆われており、使用開始時にこれを切り取って除去し、前記透明な樹脂フィルム等で構成されるスリット4を露出させ、その間からティッシュペーパー2を引き出すようになっている。
【0003】
しかしながら、上記した従来タイプの紙箱は、樹脂フィルムを貼る工程が増えるため製造コストが高くなるばかりでなく、ゴミ処理の関係上、使用済み後には樹脂フィルムを引きはがして分別処理しなければならず、使用する者にとっては煩わしかった。
また、かかる樹脂フィルムを用いることの問題点に鑑み、樹脂フィルムを使用しないタイプのティッシュペーパー用紙箱が、いくつか提案されている。
【0004】
これには、大きく分けて二つのタイプがある。第一のタイプは、紙箱上面部の長手方向に切り込み(スリット)を設け、使用開始時にそれを切り開いてティッシュペーパーを取り出すものである(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照。)。第二のタイプは、紙箱上面部の長手方向に沿って、ある程度の幅を持った帯状の切り欠き蓋を設け、使用開始時にそれを切り離して、帯状の開口部を設けるようにしたものである(例えば、特許文献5参照。)。
【0005】
【特許文献1】
実開昭57−110081号公報
【0006】
【特許文献2】
実開平4−54294号公報
【0007】
【特許文献3】
実開平4−80878号公報
【0008】
【特許文献4】
特開平9−323770号公報
【0009】
【特許文献5】
実開昭48−87227号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる樹脂フィルムを使用しないタイプのティッシュペーパー用紙箱にも次のような問題点がある。
【0011】
すなわち、第一のタイプにおいては、スリット部分を手で広げて開口部を形成することになるが、使用の当初にあっては、折り畳まれた多数組のティッシュペーパーが、開口部近くの高さにまで積み重なっているために、紙どうしの圧力により取り出すのに力がかかる。そのため、開口部がある程度開いていないと取り出しにくいので、ユーザは、勢い、力を入れて広げてしまうことになる。しかし、広げすぎてしまうと開口部の幅が大きくなり過ぎ、紙の量が少なくなったときには次のティッシュペーパーが箱内に落下しやすくという問題がある。
【0012】
また、逆に、広げ方が少ないと、開口部の紙の弾性変形により元に戻ってしまい、開口部を塞ぐか、あるいは極端に狭くなってしまう。そうすると、ティッシュペーパーを取り出すときに、開口部とティッシュペーパーとの間の摩擦によりティッシュペーパーに負担がかかって破れたり、あるいは摩擦によって紙粉が発生し、空中に飛散することになり、アレルギー等、環境衛生上にも問題がある。
【0013】
このように、スリット状の開口部をユーザが手で広げるタイプのものは、ユーザによってそれぞれ広げる程度が異なり、期待した効果が得られない場合もある。
【0014】
次に、第二のタイプにおいては、開口部の帯の幅が広いと、収容されているティッシュペーパーの量が少なくなったとき、収容されているティッシュペーパーの上端と、開口部との間に次第に空間ができるために、次のティッシュペーパーが箱内に落下しやすくなる。逆に、開口部の幅を小さくすると、ティッシュペーパーの両端部が開口部から出にくくなり、その部分で破れてしまうことがある。
【0015】
また、特許文献5の図1に示されたように、開口部の長さが、ティッシュペーパーの幅よりも長いと、ティッシュペーパーは完全に広げられた形(平面状)で出てくるため、次のティッシュペーパーは手前か後ろ側に倒れてしまい、ティッシュペーパーの端をつまみにくくなるという問題もある。
【0016】
本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み為されたものであり、本発明の目的は、樹脂フィルム等を使用することなく、ティッシュペーパーをスムーズに取り出すことができ、かつ、待機している次のティッシュペーパーが倒れにくくなるような取り出し口の形状を有するティッシュペーパー用紙箱を提供することにより、製造コストの削減を図り、併せて、リサイクル性の向上を図ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ティッシュペーパー用紙箱に関し、本発明の上記目的は、箱の上面部に取り出し口を形成するとともに、内部に複数組の折り畳まれたティッシュペーパーを収納してなるティッシュペーパー用紙箱において、前記取り出し口は、箱の長手方向に沿って3mm乃至8mmの幅で直線状に設けられた帯状の開口部と、該帯状開口部の両端部に傘状に連結されて設けられた半円状の開口部とで構成されるとともに、前記半円状の開口部の直径が、前記帯状開口部の幅よりも大きいことを特徴とするティッシュペーパー用紙箱によって達成される。
【0018】
また、本発明の上記目的は、前記ティッシュペーパー用紙箱の上面部に、前記取り出し口の輪郭に沿ったミシン目を設け、該ミシン目にそって切り欠くことにより前記開口部を形成することにより、さらに効果的に達成される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱について、図面を参照して説明する。なお、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱と、従来のティッシュペーパー用紙箱とでは、上面部の取り出し口の形状が異なるのみであるので、以下、取り出し口の形状についてのみ説明し、それ以外の構造等についての説明は省略する。
【0020】
図1は本発明に係るティッシュペーパー用紙箱(以下、「箱」という。)の上面部の取り出し口の形状の第一実施例を示す図である。図で斜線を施した箇所が取り出し口の開口部10である。
【0021】
図1において、前記開口部10は、箱の長手方向に沿って直線状に設けられた帯状開口部11と、該帯状開口部11の両端部に傘状に連結されて設けられた半円状開口部12とで構成されている。
【0022】
また、箱が未開封状態においては、取り出し口はふさがっており、開口部10の輪郭に沿って設けられたミシン目にそって、ユーザが切り欠くことにより前記開口部を形成するようになっている(図10参照)。
【0023】
ここで、前記帯状開口部11の幅tは、実験の結果、3mm〜8mmが好ましいことが分かった。幅tが3mm未満だと開口部が狭すぎて最初の1枚が取り出しにくくなり、また、使用開始時に開口部を切り欠く際に、帯状部分が細いため千切れ易くなるという問題がある。一方、幅tが8mmを超えると、広すぎて、待機しているティッシュペーパー(以下、単に「紙」という。)が箱の中に落ち込み易くなるという問題がある。
【0024】
次に、帯状開口部11の両端部に連結して半円状開口部12を設けた理由を説明する。
【0025】
開口部の長さは、通常、紙の幅よりも短くなっているため、開口部の端部が矩形状に作られていると、紙の取り出し時に、紙の両端部が開口部の両端部に接触し、その際に、30〜70CN(センチニュートン)の抵抗力を受け、矩形状開口部の角に引っ掛かったりすると、紙が破れたりすることがある。
【0026】
そこで、このような不具合点を解消するため、両端部をほぼ半円状にし、紙が取り出される際に、紙の端部が前記半円状開口部12において回り込むように丸まるようにした(図11参照)。このことにより、紙が引っ掛かることがなくなり、スムーズに取り出すことができ、また、紙の両端が丸まることにより、紙が倒れにくくなるという効果もある。
【0027】
前記半円状開口部12の奥行きの大きさdは、実験の結果、15mm〜30mmが好ましいことが分かった。15mm未満だと抵抗が大きくて紙が破れ易く、特に最初の1枚が取り出しにくい。逆に、30mmを超えると、開口部が大きすぎて、紙が落ち込み易くなるからである。より好ましくは、20mm〜25mmである。
【0028】
また、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱に収納されるティッシュペーパーは、1枚当りのJIS P 8118に規定する厚さが0.030〜0.100mmとするのが好ましく、0.030〜0.100mmにすると、引張強度、吸水度、ティッシュペーパーの取り出し易さ等の品質を維持することができるが、0.030mmより薄くなると、吸水度、ティッシューペーパーの柔らかさ(手触り感等)、引張強度等の点で好ましくない。0.100mmより厚くなると、ティッシューペーパーが硬くなり、取り出しにくくなる。
【0029】
さらに、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱に収納されるティッシュペーパーは、2枚重ね1組当りのJIS S 3104で規定する引張強さは、乾燥時、横の条件で0.6〜2.0N/25mmであり、下限値0.6N/25mmはティッシュペーパーの一般的使用時に要求される強度の下限であり、上限値2.0N/25mmは一般的使用においてはこれ以上必要ないと予想される数値である。
加えて、JIS S 3104に規定される吸水度は8秒以下である。この数値も一般的ティッシュペーパーに要求される品質である。
【0030】
また、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱に収納されるティッシュペーパーは、1枚当りのJIS S 3104で規定する米坪が、10.0〜20.0g/m2であることが好ましく、この範囲にすることにより、引張強度、吸水度、ティッシュペーパーの取り出し易さ等の品質を維持することができる。
【0031】
なお、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱に収納されるティッシュペーパーのJIS P 8118に規定する密度は、0.29〜0.37g/cm3 であることが好ましく、0.29g/cm3 以上にすることにより、引張強度、吸水度等の品質を維持することができる。また、0.37g/cm3を越えて高くなると、特に吸水度、ティッシュペーパーの柔らかさ(手触り感等)等の点で好ましくない。
【0032】
本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の開口部は、箱上面の長辺長さに対する比で表した場合、66〜96%であることが好ましい。この比率が66%以下では、最初のティッシュペーパーを取り出す時にティッシュペーパーの破れが発生し易くなり、96%を越えるとティッシュペーパー残量が少量となった時、開口部から上方に出ているティッシュペーパーが箱の中に落ち、不具合が発生し易くなる。
【0033】
図2は箱の上面部の取り出し口の形状の第二実施例を示す図であり、図1の形状と異なる部分は、最初の1枚を取り出しやすいように、開口部の中央に取り出し用の穴13を追加した点である。こうすることにより、最初の1枚が取り出しやすくなるとともに、万一、紙が落ち込んだ場合にも、つまみ上げやすくなる。
【0034】
図3は箱の上面部の取り出し口の形状の第三実施例を示す図である。図1と異なる点は、前記帯状開口部11の長辺部分を直線から波線に変更した点である。
【0035】
こうすることにより、紙と帯状開口部14の長辺部分との接触面積が少なくなり、紙を引き上げるときに発する帯状開口部と紙との摩擦による音が小さくなるという効果がある。
【0036】
図4、図5及び図6は、それぞれ、箱の上面部の取り出し口の形状の第四実施例、第五実施例及び第六実施例を示す図である。
【0037】
第四実施例、第五実施例及び第六実施例は、それぞれ、前記第一実施例、第二実施例及び第三実施例における、半円状開口部12と帯状開口部11との境界部18の角の部分を円弧状の緩やかな曲線形状にしたものである。
【0038】
こうすることにより、紙を取り出す際に、紙が前記角18に引っ掛かることがなくなり、さらにスムーズに紙を取り出すことが可能となる。
【0039】
なお、これらの他に、帯状開口部とほぼ円形の開口部とを亜鈴状に接続してもよい。
【0040】
図7、図8及び図9は、それぞれ、箱の上面部の取り出し口の形状の第七実施例、第八実施例及び第九実施例を示す図である。
【0041】
第七実施例、第八実施例及び第九実施例は、それぞれ、前記第一実施例、第二実施例及び第三実施例における、帯状開口部の形状を緩やかな曲線形状に変えたものである。こうすることにより、待機中の紙がさらに倒れにくくなるという効果がある。
【0042】
なお、図示してはいないが、第七実施例、第八実施例及び第九実施例における、半円状開口部12と帯状開口部16、17との境界部の角の部分を円弧状の緩やかな曲線形状にしてもよいし、第四実施例、第五実施例及び第六実施例における、帯状開口部11、14の形状を緩やかな曲線形状にしてもよい。
【0043】
【発明の効果】
以上より、本発明に係るティッシュペーパー用紙箱によれば、樹脂フィルム等を使用することなく、ティッシュペーパーをスムーズに取り出すことができ、かつ、待機している次のティッシュペーパーが倒れにくくなるという効果があり、併せて、製造コストの削減を図り、リサイクル性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第一実施例を示す図である。
【図2】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第二実施例を示す図である。
【図3】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第三実施例を示す図である。
【図4】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第四実施例を示す図である。
【図5】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第五実施例を示す図である。
【図6】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第六実施例を示す図である。
【図7】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第七実施例を示す図である。
【図8】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第八実施例を示す図である。
【図9】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口の形状の第九実施例を示す図である。
【図10】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口がミシン目加工されている状態を示す図である。
【図11】本発明に係るティッシュペーパー用紙箱の上面部の取り出し口からティッシュペーパーを取り出した状態(待機中)を示す図である。
【図12】従来のティッシュペーパー用紙箱の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 ティッシュペーパー用紙箱
2 ティッシュペーパー
3 取り出し口
4 スリット
5 樹脂フィルム
10 開口部
11、14、16、17 帯状開口部
12 半円状開口部
13 取り出し用穴
15 曲線部
Claims (2)
- 箱の上面部に取り出し口を形成するとともに、内部に複数組の折り畳まれたティッシュペーパーを収納してなるティッシュペーパー用紙箱において、
前記取り出し口は、箱の長手方向に沿って3mm乃至8mmの幅で直線状に設けられた帯状の開口部と、該帯状開口部の両端部に傘状に連結されて設けられたほぼ半円状の開口部とで構成されるとともに、
前記半円状の開口部の直径が、前記帯状開口部の幅よりも大きいことを特徴とするティッシュペーパー用紙箱。 - 前記ティッシュペーパー用紙箱の上面部に、前記取り出し口の輪郭に沿ったミシン目が設けられ、該ミシン目にそって切り欠くことにより前記開口部を形成するようになっている請求項1に記載のティッシュペーパー用紙箱。
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