JP2004206980A - メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置 - Google Patents

メタルハライドランプおよび自動車用前照灯装置 Download PDF

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幸三 上村
Nobuhiko Ando
伸彦 安藤
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弘道 川島
Makoto Deguchi
誠 出口
Hiroyuki Kato
啓幸 加藤
Yoshiyuki Watanuki
良行 綿貫
Sakae Katayama
栄 片山
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Abstract

【課題】水銀を本質的に用いないで環境に配慮するとともに、アークが細くなることによる明るさのちらつき発生を抑制した自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプおよびこれを用いた自動車用前照灯装置を提供する。
【解決手段】メタルハライドランプHPDLは、内容積0.1cc以下の気密容器1aおよび電極間距離が5mm以下の一対の電極1bを備えた放電容器ITと、ナトリウムNa、スカンジウムSc、インジウムInおよび亜鉛Znのグループのハロゲン化物から選択された少なくとも2種を含み気密容器1aの内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器1a内に封入されて水銀を本質的に含まない放電媒体と、外管OTとを具備し、安定点灯時における管壁負荷が60W/cm以上であり、かつ、水平点灯時における気密容器1aの下部中央表面温度が530±30℃である。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はメタルハライドランプおよびこれを用いた自動車用前照灯装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
相対向する一対の電極を備えた発光管内に希ガス、発光金属のハロゲン化物および水銀を封入したメタルハライドランプは、比較的高効率で、高演色性であるため広く使用されている。自動車の前照灯用においても、メタルハライドランプの使用が普及してきている。自動車の前照灯用を含めて、現在実用されているメタルハライドランプは、水銀を必須としている。なお、自動車の前照灯用のメタルハライドランプの仕様においては、約2〜15mgの水銀の封入が不可欠とされている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、環境問題が深刻化してきている現在、照明分野においても、環境負荷が大きい水銀をランプから減少させ、さらに廃絶することは非常に重要なことと考えられている。
【0004】
この課題に対して、メタルハライドランプにおいても、水銀を用いないための提案が既にいくつかなされている(例えば特許文献2、3参照。)。特許文献2においては、水銀に代えてZnIなどの蒸気圧の高い物質を発光物質のハロゲン化物、例えばScI−NaIに加えて封入することにより、水銀入りランプと同等の電気特性と発光特性が得られている。
【0005】
また、特許文献3においては、発光管内容積、内径および放電媒体封入量などが開示されているが、外管を具備していない。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−7347号公報
【特許文献2】
特開平11−238488号公報
【特許文献3】
特開2000−164171号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、水銀を含まないメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀フリーランプ」という。)の場合、アークの立ち消えや明るさのちらつきにつながるアークの不安定化が、水銀を含むメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀入りランプ」という。)の場合に比較して、極端に生じやすくなる。
【0007】
明るさのちらつき発生の原因の一つにアークの径の問題がある。すなわち、水銀入りランプは、水銀原子が放射光を自己吸収することによりアークが太くなるが、水銀フリーランプでは、この作用が生じないため、アークが細くなる。そして、アークが細くなると、明るさのちらつきが発生する。明るさのちらつきが発生すると、照射光がちらついて見え方が悪くなる。また、点灯回路によるランプ電力の制御が困難になる。さらには、アークの立ち消えに至る、といった不具合がある。
【0008】
しかし、特許文献2、3においては、明るさのちらつきに対する対策が行われていない。
【0009】
本発明者は、この問題について種々検討の結果、金属ハロゲン化物の封入量と気密容器の温度とを所定範囲にすることで上記の問題が緩和することを見出した。
【0010】
本発明は、水銀を本質的に用いないで環境に配慮するとともに、アークが細くなることによる明るさのちらつき発生を抑制した自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプおよびこれを用いた自動車用前照灯装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明のメタルハライドランプは、内部に内容積0.1cc以下の放電空間が形成された耐火性で透光性の気密容器および気密容器内の放電空間の両端に離間対向して封装されて電極間距離が5mm以下の一対の電極を備えた放電容器と;ナトリウムNaおよびスカンジウムScを主体とする発光金属および亜鉛Znを主体とするランプ電圧形成用金属のハロゲン化物を含み気密容器の内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器内に封入されて水銀を本質的に含まない放電媒体と;放電容器の少なくとも主要部を内部に収納する外管と;を具備し、安定点灯時における管壁負荷が60W/cm以上であり、かつ、水平点灯時における気密容器の下部中央表面温度が530±30℃であることを特徴としている。
【0012】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0013】
<放電容器について> 放電容器は、気密容器および一対の電極を備えて構成されている。
【0014】
(気密容器について) 気密容器は、耐火性で透光性である。「耐火性」とは、放電ランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどのセラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。なお、必要に応じて、気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0015】
また、気密容器は、その内部に適当な形状をなした放電空間、例えば細長い放電空間が形成されている。なお、細長い放電空間としては、例えば放電空間を円柱状にすることができる。これにより、アークが水平点灯においては上方へ湾曲しようとするために、放電容器の上側の内面に接近するので、放電容器の上部の温度上昇が早くなる。
【0016】
さらに、放電空間を包囲する部分の肉厚を比較的大きくすることができる。すなわち、電極間距離のほぼ中央部の肉厚をその両側の肉厚より大きくすることができる。これにより、放電容器の伝熱が良好になって放電容器の放電空間の下部およぶ側部内面に付着している放電媒体の温度上昇が早まるために、光束立ち上がりが早くなる。
【0017】
(一対の電極について) 一対の電極は、気密容器の両端内部に離間対向して封装され、その電極間距離が5mm以下に設定されているものとする。
【0018】
なお、電極は、交流および直流のいずれで作動するように構成してもよい。交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。また、自動車前照灯用のメタルハライドランプの場合、電極の先端部近傍を軸部より径大にすると好都合である。すなわち、ランプの点滅回数が非常に多くなるとともに、また始動時には定常時より大きな電流を流すので、これに対応して電極全体を径大にすると、電極軸に接触している気密容器の構成材料が点滅のたびに熱応力を受けてクラックを生じやすい。そこで、電極の先端部近傍に径大部を形成することで、電極を点滅に対応させることができるが、軸部は径大になっていないから、クラックを生じにくい。直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、先端部近傍に径大部を形成すれば、放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。これに対して、陰極は必ずしも径大部を形成する必要がない。
【0019】
<放電媒体について> 本発明において、放電媒体は、前述したように金属のハロゲン化物および希ガスを含み、水銀を本質的に含まない。
【0020】
(ハロゲン化物について) ハロゲン化物は、ナトリウムNaおよびスカンジウムScを主体とする発光金属および亜鉛Znを主体とするランプ電圧形成用金属のハロゲン化物を含み気密容器の内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの金属ハロゲン化物である。上記ナトリウムNaおよびスカンジウムScは、高効率な発光物質である。なお、要すれば、インジウムInや希土類金属のハロゲン化物を添加封入することが許容される。インジウムInは、発光物質およびランプ電圧形成のいずれにも寄与する。
【0021】
亜鉛Znは、蒸気圧が高いので、ランプ電圧形成用金属として好適であるとともに、色度調整用としても寄与させることができる。ランプ電圧形成用金属としては、亜鉛ZnまたはおよびインジウムInに加えて、所望によりMg、Co、Cr、Mn、Sb、Re、Ga、Sn、Fe、Al、Ti、ZrおよびHfのグループから選択された一種または複数種のハロゲン化物を添加することができる。これらの金属ハロゲン化物を選択的に適量封入することにより、ランプ電圧を所要範囲に高めることができる。それにより、比較的少ないランプ電流で所要のランプ電力を投入することが可能になる。
【0022】
金属ハロゲン化物の封入量は、本発明において上記のように所定範囲内であることが必要である。金属ハロゲン化物の封入量が2.0mg/cm未満になると、アークの太さは問題ないが、発光量が低下しすぎて全光束が不足しすぎる。また、36.0mg/cmを超えると、アークが細くなりすぎて、明るさのちらつきが顕著に発生するとともに、液相で気密容器の内面に付着する金属ハロゲン化物が増加しすぎて全光束が不足する。よって、アークを所要の太さに維持して明るさのちらつきを低減するためには、金属ハロゲン化物の封入量を気密容器の内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの範囲にする必要がある。
【0023】
次に、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、反応性については、ハロゲンの中でヨウ素が最も適当であり、少なくとも上記主発光金属は、主としてヨウ化物として封入される。しかし、要すれば、ヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することもできる。
【0024】
(希ガスについて) 希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用する。希ガスは、キセノン、アルゴンまたはクリプトンなどを用いることができる。なお、希ガスとしてキセノンを3気圧以上封入すると、上記に加えて始動直後に主発光を担当するように作用させることができる。キセノンの封入圧力は3気圧以上、好適には5〜15気圧であり、これによりメタルハライドランプのランプ電圧が高くなり、同一ランプ電流に対してランプ入力を大きくして、光束立ち上がり特性を向上させることができる。光束立ち上がり特性が良好であることは、どのような使用目的であっても好都合であるが、特に自動車用前照灯装置および液晶プロジェクタなどにおいて極めて重要である。
【0025】
(水銀について) 本発明において、「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプの電気特性を維持する場合には、短アーク形においては気密容器の内容積1cc当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、本発明は水銀量が実質的に頗る少ないといえる。
【0026】
<外管について> 外管は、石英ガラスまたはハイシリケートガラスなどからなり、その内部に放電容器の少なくとも主要部をその収納する手段である。そして、外管、発光管から外部へ放射される紫外線を遮断し、機械的に保護し、かつ、発光管の気密容器を手で触れることで人の指紋や脂肪が付いて失透の原因とならないようにしたり、あるいは気密容器を保温したりたりする。また、外管の内部は、その目的に応じて外気に対して気密に封止してもよいし、外気と同程度または減圧された空気または不活性ガスが封入されていてもよい。さらに、要すれば、外気に連通していてもよい。さらに、外管の外面または内面に遮光膜を配設することもできる。
【0027】
また、外管を形成する際に、外管の両端を気密容器の両端から管軸方向に延在する封止部にガラス溶着することができる。
【0028】
<管壁負荷について> 本発明において、管壁負荷は、メタルハライドランプの安定点灯時に60W/cm以上でなければならない。なお、本発明において、「管壁負荷」とは、気密容器の単位内表面積(1cm)当たりのランプ電力をいう。放電媒体の蒸気圧を高くして、全光束を大きくするために、管壁負荷は、上記の条件を満足しなければならない。
【0029】
<気密容器の下部中央表面温度について> 気密容器の下部中央表面温度は、530±30℃の範囲内に維持する必要がある。なお、「下部中央表面温度」とは、気密容器外面の管軸方向における電極間中央部の表面温度をいう。また、メタルハライドランプを水平点灯した状態における上記温度を規定しているものである。気密容器の下部中央表面温度が530±30℃未満であると、放電媒体の蒸気圧が低くなりすぎて発光効率が低下し、全光束が小さくなる。反対に下部中央表面温度が530±30℃を超えると、蒸気圧が高くなりすぎてアークが細くなり、明るさのちらつきが生じる。よって、気密容器の下部中央表面温度は、530±30℃の範囲内でなければならない。
【0030】
また、気密容器の下部中央表面温度を上記の範囲に維持するには、外管を配設して、少なくとも気密容器の主要部である放電空間を形成している部位をその内部に収納する必要がある。
【0031】
<本発明のその他の構成について> 以下に示す構成を選択的に付加することにより、高圧放電ランプの性能が向上したり、機能が増加したりする。
【0032】
1.口金について 口金は、高圧放電ランプを点灯回路に接続したり、加えて機械的に支持したりするのに機能する。
【0033】
2.イグナイタについて イグナイタは、パルス状の高電圧を発生し、これを高圧放電ランプに印加して、その始動を促進する手段であり、口金の内部に収納するなどにより、高圧放電ランプと一体化することができる。
【0034】
3.始動補助導体について 始動補助導体は、電極近傍における電界強度を高くして、高圧放電ランプの始動を支援する手段であり、その一端を他方の電極と同電位個所に接続し、他端を一方の電極近傍における気密容器の外面に配設する。
【0035】
<本発明の作用について> 本発明においては、以上の説明から明らかなように、水銀を本質的に含まないことからアークが細くになって明るさのちらつきが生じ、アークの立ち消えに至ることがあるなどの不具合があるところ、金属ハロゲン化物の封入量、管壁負荷および気密容器の下部中央表面温度を上記の範囲にすることにより、アークが太くなって明るさのちらつきが効果的に抑制されて、上記不具合がなくなるとともに、所要値の全光束を確保することができる。
【0036】
請求項2の発明の自動車用前照灯装置は、自動車用前照灯装置本体と;放電容器の軸が自動車用前照灯装置本体の光軸に沿って自動車用前照灯装置本体内に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍とした点灯回路と;を具備していることを特徴としている。
【0037】
本発明の自動車用前照灯装置は、請求項1のメタルハライドランプを光源として備えているので、光束立ち上がりが早くて安全であるとともに、メタルハライドランプが環境負荷の大きな水銀を封入していないので、環境対策上すこぶる好ましい。なお、「自動車用前照灯装置本体」とは、自動車用前照灯装置からメタルハライドランプおよび点灯回路を除いた残余の全ての部分を意味する。
【0038】
点灯回路は、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍、好適には2.5〜4倍とすることにより、光束立ち上がりを自動車前照灯用として必要な範囲内に入るように早くすることができる。なお、希ガスとしてのキセノンの封入圧を3〜15気圧の範囲でX(気圧)とし、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力をAA(W)としたとき、AAが下式を満足するように構成することにより、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用前照灯に必要な前照灯前面の代表点での光度8000cdを得ることができる。
【0039】
AA>−2.5X+102.5
上記のようにキセノン封入圧と最高入力電力とが直線的な関係になるのは、蒸気圧の低い放電媒体のみであるから、始動後4秒後の時点ではキセノンの発光が圧倒的になっているからである。キセノンの発光量は、キセノンの封入圧とその時の電力とで決まるので、キセノン圧が低ければ、入力電力を多くすればよい。反対に、キセノン圧が高ければ、入力電力を少なくすればよい。なお、本発明において、メタルハライドランプの点灯は、交流点灯および直流点灯のいずれであってもよい。
また、点灯回路は、所要により無負荷出力電圧を200V以下に構成することができる。本発明に用いるメタルハライドランプは、一般に水銀封入のメタルハライドランプに比較して、ランプ電圧が低いので、点灯回路の無負荷出力電圧を200V以下にすることができる。これにより、点灯回路の小形化が可能になる。なおて、水銀を封入したメタルハライドランプにおいては、400V程度の無負荷出力電圧を必要としている。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0041】
図1および図2は、本発明のメタルハライドランプにおける第1の実施の形態としての自動車前照灯用メタルハライドランプを示し、図1はランプ全体の正面図、図2は放電容器の拡大要部正面図である。各図において、ITは放電容器すなわち発光管、2は封着金属箔、3A、3Bは一対の外部リード線、OTは外管、Tは絶縁チューブ、Bは口金である。
【0042】
放電容器ITは、気密容器1aおよび一対の電極1b、1bからなる。気密容器1aは、中空の紡錘形状に成形されてなり、その両端に一対の細長い封止部1a1を一体に備えているとともに、内部に細長いほぼ円柱状の放電空間1cが形成されている。電極1bは、その基端が封止部1a1に埋設されることによって所定の位置に支持されている。また、電極1bの基部は、封止部1a1内において、封着金属箔2の一端に溶接されている。なお、図1において、下方の封止部1a1を形成した後、封止管1a2が切断されないで封止部1a1の下部から一体に延長していて、口金B内へ延在している。
【0043】
封着金属箔2は、気密容器1aの封止部1a1内に気密に埋設されている。
【0044】
一対の外部リード線3A、3Bは、その先端が気密容器1aの両端の封止部1a1内において封着金属箔2の他端に溶接され、基端側が外部へ導出されている。図1において放電容器ITから上方へ導出された外部リード線3Aは、中間部が後述する外管OTに沿って折り返されて後述する口金B内に導入されて図示しない口金端子の一方に接続している。図1において放電容器ITから下方へ導出された外部リード線3Bは、管軸に沿って延在して口金B内に導入されて口金端子の他方に接続している。
【0045】
気密容器1a内には、放電媒体として金属ハロゲン化物および希ガスが封入されている。金属ハロゲン化物は、ナトリウムNaおよびスカンジウムScを主体とする発光金属、ならびに亜鉛Znを主体とするランプ電圧形成用金属のハロゲン化物を含んでいる。希ガスは適当な圧力で封入されている。
【0046】
外管OTは、紫外線カット性能を備えており、内部に放電容器ITを収納していて、両端の縮径部4が放電容器ITの封止部1a1にガラス溶着している。しかし、内部は気密ではなく、外気に連通している。
【0047】
絶縁チューブTは、外部リード線3Aを被覆している。
【0048】
口金Bは、自動車前照灯用として規格化されているもので、放電容器ITおよび外管OTを中心軸に沿って植立して支持していて、自動車前照灯の背面に着脱可能に装着されるように構成されている。
【実施例】
Figure 2004206980
次に、本発明によらない場合の実施例を以下に示す。なお、本発明の実施例と同一部分は省略してある。
【0049】
放電媒体
金属ハロゲン化物:ScI−NaI−ZnI=1.0mg
アーク太さの相対値:0.98
図3は、図1および図2に示す構成のメタルハライドランプにおいて、金属ハロゲン化物の封入量を種々変化させ、かつ、ランプを水平点灯して気密容器の下部中央表面温度が530±30℃の範囲内にある場合のアークの幅および全光束の変化を示すグラフである。図において、横軸は金属ハロゲン化物の封入量(mg/cc)を、縦軸は左側がアークの幅の相対値、右側が全光束の相対値を、それぞれ示す。また、曲線Aはアークの幅、曲線Bは全光束、をそれぞれ示す。
【0050】
図から理解できるように、金属ハロゲン化物の封入量が本発明の範囲である2〜36mg/ccの内であれば、アークの幅が1を超え、全光束がランプ効率の低下が顕著でない範囲であるところの90%以上を確保することができる。なお、アークの幅が1以下であると、明るさのちらつきが生じる。また、アークの幅は、放電容器を側方から観察により測定した。
【0051】
図4および図5は、本発明の自動車用前照灯装置における一実施の形態を示し、図4は装置全体の背面斜視図、図5は点灯回路の回路図である。各図において、自動車用前照灯装置HLは、自動車用前照灯装置本体21、メタルハライドランプHPDLおよび2つの点灯回路OLにより構成されている。
【0052】
自動車用前照灯装置本体21は、前面透過パネル21a、リフレクタ21b、21c、ランプソケット21dおよび取付部21eなどから構成されている。前面レンズ21aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ21b、21cは、各メタルハライドランプHPDLごとに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット21dは、点灯回路OCの出力端に接続し、メタルハライドランプHPDLの口金21dに装着される。取付部21eは、自動車用前照灯装置本体21を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
【0053】
メタルハライドランプHPDLは、図1に示す構造を備えている。ランプソケット21dは、口金に装着されて接続する。そうして、2灯のメタルハライドランプKPDLが自動車用前照灯装置本体21に装着されて、4灯式の自動車用前照灯装置が構成される。各メタルハライドランプHPDLの発光部は、自動車用前照灯装置本体21のリフレクタ21b、21cの焦点にほぼ位置する。
【0054】
2つの点灯回路OLは、それぞれ後述する回路構成を備えていて、金属製容器22内に収納されているとともに、メタルハライドランプHPDLを付勢して点灯させる。
【0055】
点灯回路OLは、図5に示すように、直流電源11、チョッパ12、制御手段13、ランプ電流検出手段14、ランプ電圧検出手段15、イグナイタ16、メタルハライドランプHPDL、フルブリッジインバータ17により構成されていて、メタルハライドランプHPDLを交流点灯する。
【0056】
直流電源11は、後述するチョッパ12に対して直流電源を供給する手段であって、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ11aを並列接続して平滑化を行う。
【0057】
チョッパ12は、直流電圧を所要値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路であって、後述するフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLを所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0058】
制御手段13は、チョッパ12を制御する。たとえば、点灯直後にはメタルハライドランプHPDLに定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をチョッパ22からフルブリッジインバータ17を経由して流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段13は、ランプ電流とランプ電圧と相当するそれぞれの検出信号が後述するように帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段13は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプHPDLに流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ12を制御するように構成されている。
【0059】
ランプ電流検出手段14は、フルブリッジインバータ17を介してランプと直列に挿入されていて、ランプ電流に相当する電流を検出して制御手段13に制御入力する。
【0060】
ランプ電圧検出手段15は、同様にフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLと並列的に接続されていて、ランプ電圧に相当する電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
【0061】
イグナイタ16は、フルブリッジインバータ17とメタルハライドランプHPDLとの間に介在していて、始動時に約20kV程度の始動パルス電圧をメタルハライドランプHPDLに供給できるように構成されている。
【0062】
フルブリッジインバータ17は、4つのMOSFETQ1、Q2、Q3およびQ4からなるブリッジ回路、ブリッジ回路17aのMOSFETQ1およびQ3と、Q2およびQ4とを交互にスイッチングさせるゲートドライブ回路28bおよび極性反転回路INVから構成されていて、チョッパ12からの直流電圧を上記スイッチングにより矩形波の低周波交流電圧に変換して、メタルハライドランプHPDLに印加して、メタルハライドランプHPDLを低周波交流点灯させる。
【0063】
そうして、点灯回路OCを用いてメタルハライドランプHPDLを矩形波の低周波交流で点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1によれば、内容積0.1cc以下の気密容器および電極間距離が5mm以下の一対の電極を備えた放電容器と、ナトリウムNa、スカンジウムSc、インジウムInおよび亜鉛Znのグループのハロゲン化物から選択された少なくとも2種を含み気密容器の内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器内に封入されて水銀を本質的に含まない放電媒体と、外管とを具備し、安定点灯時における管壁負荷が60W/cm以上であり、かつ、水平点灯時における気密容器の下部中央表面温度が530±30℃であることにより、水銀を本質的に用いないで環境に配慮するとともに、アークが細くなることによる明るさのちらつき発生を抑制した自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプを提供することができる。
【0065】
請求項2の発明によれば、自動車用前照灯装置本体と、自動車用前照灯装置本体に配設された請求項1または2記載のメタルハライドランプと、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍とした点灯回路とを具備していることにより、請求項1の効果を有する自動車用前照灯装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプにおける第1の実施の形態としての自動車前照灯用メタルハライドランプのランプ全体を示す正面図
【図2】同じく放電容器の拡大要部正面図
【図3】図1および図2に示す構成のメタルハライドランプにおいて、金属ハロゲン化物の封入量を種々変化させ、かつ、ランプを水平点灯して気密容器の下部中央表面温度が530±30℃の範囲内にある場合のアークの幅および全光束の変化を示すグラフ
【図4】本発明の自動車用前照灯装置における一実施の形態を示す斜視図
【図5】同じく点灯回路の回路図
【符号の説明】
1a…気密容器、1a1…封止部、1a2…封止管、1b…電極、1c…放電空間、2…封着金属箔、3A…外部リード線、3B…外部リード線、4…縮径部、B…口金、HPDL…メタルハライドランプ、IT…放電容器、OT…外管、T…絶縁チューブ

Claims (2)

  1. 内部に内容積0.1cc以下の放電空間が形成された耐火性で透光性の気密容器および気密容器内の放電空間の両端に離間対向して封装されて電極間距離が5mm以下の一対の電極を備えた放電容器と;
    ナトリウムNaおよびスカンジウムScを主体とする発光金属および亜鉛Znを主体とするランプ電圧形成用金属のハロゲン化物を含み気密容器の内容積に対して2.0〜36.0mg/cmの金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含み、気密容器内に封入されて水銀を本質的に含まない放電媒体と;
    放電容器の少なくとも主要部を内部に収納する外管と;
    を具備し、安定点灯時における管壁負荷が60W/cm以上であり、かつ、水平点灯時における気密容器の下部中央表面温度が530±30℃であることを特徴とするメタルハライドランプ。
  2. 自動車用前照灯装置本体と;
    放電容器の軸が自動車用前照灯装置本体の光軸に沿って自動車用前照灯装置本体内に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;
    メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍とした点灯回路と;
    を具備していることを特徴とする自動車用前照灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017016966A (ja) * 2015-07-06 2017-01-19 岩崎電気株式会社 マイクロ波無電極ランプ及びこれを使用した光照射装置

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