JP2004206658A - 表示制御方法、情報表示処理システム、クライアント端末、管理サーバ、プログラム - Google Patents

表示制御方法、情報表示処理システム、クライアント端末、管理サーバ、プログラム Download PDF

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Takeshi Nagamine
猛志 永峯
Katsunori Yoshiji
克典 芳地
Kei Tanaka
圭 田中
Noriyuki Kurabayashi
則之 倉林
Akio Yamashita
明男 山下
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Abstract

【課題】アノテーションを利用した情報表示処理システムにおいて、アノテーションを追記したユーザを特定し易いようにする。
【解決手段】付加情報表示制御部302は、確認対象ユーザのアノテーションを表示する際、アノテーションDB216から取得したその対象ユーザが付加したアノテーションごとに、その表示態様を通常の表示態様とは異なるものに切り替えて表示させる。たとえば、色、濃度(コントラスト/ブライト)、フォント(種類やサイズ)のプロパティ(設定値)を変化させて表示させる。
【選択図】 図13

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、文書を表示デバイス上に表示する機能を備えた情報表示処理システムおよび表示制御方法に関する。また、本発明は情報表示処理システムを構成するクライアント端末や管理サーバに関する。たとえば、複数の端末装置を通信網で接続し、遠隔の利用者が画面上に表示された共通の資料を参照しながら会議や打合せなどの共同作業を行なうようにした電子会議システムへの応用に適した情報表示制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
人が文書を読む場合、ペンなどのポインティングデバイスを利用してアノテーション(注釈)を付与しながら読解を行なうことは自然なことである。アノテーションが付与された位置は読み手にとって、何らかの興味がある位置であると思われる。
【0003】
同様のことは、電子文書を取り扱う場合にも起こる。たとえば、メモ、メッセージ、アノテーションなど、電子文書の本文に付加される可視化情報を、電子文書の本文に影響を与えることのないよう、その電子文書の本体の付加データとして添付する技術が広く用いられている。たとえば、日本語ワードプロセッサなどの文書作成装置では、作成文書に注釈を付ける注釈機能や、作成文書に添削を施す添削機能といった文書作成を支援するための機能を備えたものがある。電子文書の本文に付加された付加情報は、文書本体とは別に管理可能になっている。
【0004】
ところが、添削機能であれば、複数の添削者が同じ文書に対して添削を行なうと、表示の際に様々な添削情報が入り交じり、1人による一貫した文書添削の指示が分かり難くなる。注釈機能についても同様で、複数の注釈者が同じ文書に注釈を施すと、表示の際に様々な人の注釈情報が入り交じり、どの注釈を選べば良いのか分からなくなる。
【0005】
このため、特許文献1に記載の発明では、複数の編集者(注釈者あるいは添削者)によって編集(注釈あるいは添削)が施された文書を表示する際に、1人による一貫した編集情報のみを任意選択的に表示することのできる手法が提案されている。この特許文献1に記載の発明によれば、アノテーションを付与した人物と付与された日時を管理し、ある特定の人物と日時を指定することにより、その人物が付与したアノテーションを再現したり、特定の日時に付与されたアノテーションを再現したりすることができる。このため、たとえば、ある特定の人物の興味を知りたい場合や、特定の日時に付与されたアノテーションを再現したい場合に有効である。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−62676号公報
【0007】
一方、複数の端末装置を通信ネットワークで接続することにより、複数のユーザが端末画面を介して会議に参加できるようにした電子会議システムにおいて、参加者間で文書を共有可能にする技術が種々提案されている(たとえば特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献2】
特開平7−84905号公報
【0009】
ここで、注釈などを端末画面に表示された文書に付加することは、電子会議システムでもなされる。たとえば、端末画面に表示された文書(電子化された資料)に、ペン型の指示デバイスを用いての入力や指先で直接タッチパネルに触れて記入する手書き入力などによって、メモやアノテーションなどの付加情報を表示画面上で書き込むことがある。
【0010】
この機能によれば、会議の参加者は、それぞれの端末から独自に加筆修正することができ、思考を妨げず簡単に付加情報を入力することができる。また、この手書き情報を他の参加者の端末画面上にも表示することができる。これにより、各端末装置から意見やアイデアを入力したりそのハードコピーを取ったりすることができる。すなわち、会議における付加情報の共有化が可能となる。また、他人や自分が以前に付与したアノテーションなどを再現することにより、他人や自分が付与した興味のある位置を知ることもできる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、特許文献1に記載の手法では、文書に付加された情報(たとえばアノテーション)を検索する際、情報を付加した人物(編集者名)と付加した日時(登録日時)とを管理テーブルにて管理し、ユーザによって指定された編集者名あるいは登録日時を条件情報として編集情報を検索し、文書上に表示するようにしているので、人物をアノテーション表示の条件に指定することで、ある特定の人物が付与したアノテーションのみを表示させることは可能である。
【0012】
しかしながら、複数の人物を指定すると、この複数の人物が付与した全てのアノテーションを同時に表示することになる。アノテーションの共有化を図っていているので、当然の結果である。
【0013】
このため、表示されたアノテーションを付与した人物を個々に特定することはできない。この結果、たとえば、会議の場で、表示されたアノテーションだけに基づいて意見収集をする際、誰が付与したアノテーションであるのかを判断することができないため、適切な意見収集を行なうことは難しくなる。たとえば、部下の意見よりも上司の意見の方を優先して集約するということは不可能である。
【0014】
また、会議の場で、表示されたアノテーションだけに基づいて質疑応答をする際にも同様に、誰が付与したアノテーションであるのかを判断することができないため、アノテーションをもとに質問箇所を素早く探して質問する、あるいは応答するということも難しい。
【0015】
また、会議の場で表示されたアノテーションだけに基づいて合意事項の確認をする場合にも同様に、誰が付与したアノテーションであるのかを判断することができないため、賛成者と反対者を特定することができない。
【0016】
誰が付与したアノテーションであるのかを判断することができないこと、換言すれば、閲覧要求者にとって必要なアノテーションとそうでない(不要な)アノテーションとを峻別することが難しいことに起因した上述のような問題は、会議の場に限らず、一般的な文書を表示して共用化する場合でも同様に起こる。
【0017】
たとえば、複数の添削者が同じ文書に対して添削を行なうと、表示の際に様々な添削情報が入り交じり、1人による一貫した文書添削の指示が分かり難くなる。また、複数の注釈者が同じ文書に注釈を施すと、表示の際に様々な人の注釈情報が入り交じり、どの注釈を選べば良いのか分からなくなる。
【0018】
つまり、複数の人物を指定することは特許文献1に記載の手法の変形で可能となるが、複数の人物を指定した段階で、特許文献1に記載の手法は、特定の人物が付与したアノテーションを峻別するという機能をなさなくなる。
【0019】
また、閲覧要求者にとって必要なアノテーションと不要なアノテーションとを峻別することが難しいことに起因した上述のような問題は、文書を表示して共用化する場合に限らず、既にアノテーションが付与されている文書を1人の閲覧者が閲覧する場合にも起こり得る。
【0020】
たとえば、文書は生成された直後に頻繁に使用されるが、ある一定時間を過ぎると数ヶ月や何年かの間隔をおいて使用される傾向がある。その間に世の中や使用者の状況は変化する。たとえば、数ヶ月や何年も前にある者(本人でもよいし他人でもよい)により予めアノテーションが付与されている文書を閲覧したり、その文書を作業対象としてアノテーション付与作業を開始したりする場合が起こり得る。ところが、一旦文書に付与されたアノテーションは、古いものも新しいものも区別なく付与時点の状態で同等に提示されるので、そのままでは新旧の度合いが分からない。
【0021】
このため前述の場合には、それ以前に付与されている旧アノテーションが目障りになるケースや、旧アノテーションのうち参照したいものも存在し得るケースなどが起こり得るが、従来のアノテーション表示の手法では、前述のように新旧を区別無く表示するので、その時点の作業者や閲覧者にとって必要な(たとえば新しい)アノテーションとそうでない(不要な;たとえば古い)アノテーションとを区別して表示することができない。換言すれば、その時点における付与済みのアノテーションの重要度が分からないこととなる。
【0022】
なお、リンクで連結された単位情報からなる論理構造を表示する情報表示装置やMS−DOSのファイルなどの単位情報をディレクトリで管理している情報表示装置において、単位情報の生成後の経過時間や内容が変化する情報処理実行後の経過時間に従って単位情報の表示形態を変更する仕組みが提案されている(たとえば特許文献3参照)。そこで、この特許文献3に記載の手法を用いることで、旧アノテーションと新アノテーションとを峻別表示することが考えられる。
【0023】
【特許文献3】
特開平5−11952号公報
【0024】
ところが、特許文献3に記載の仕組みは、各単位情報がリンク構造もしくはディレクトリ構造となっていることが要件とされており、特許文献3が表示態様変更の対象とする単位情報は、前述の例でいえば、文書ファイルに対応するものである。このため、その単位情報に相当する閲覧文書上に付与された付加情報(たとえばアノテーション)に対しては、そのままでは前記特許文献3に記載の手法を適用することができない。
【0025】
さらに、経過時間のみに応じて表示態様を変更するので、特定のアノテーションの表示態様を制御することができない。たとえば、決定事項として書き込まれた特定の色のアノテーションと単なる落書き程度のアノテーションも同等に表示態様が変更される。また、専門家が付与したアノテーションと一般の人が付与したアノテーションも同等に表示態様が変更される。このような重要なアノテーションについては経過時間によらず風化を防ぎたい場合があるが、特定の色のアノテーションや特定の人が付与したアノテーションの表示態様を他のアノテーションの表示態様と区別することは前記特許文献3に記載の手法では対応できない。
【0026】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、同じ文書に対して複数の付加情報が付与されている場合において、その複数の付加情報を表示デバイス上に表示する際に、閲覧者にとって重要なものとそうでないもの(不要なもの)とを簡単に峻別することができる表示制御方法、およびこの表示制御方法を応用した情報表示処理システムを提供することを目的とする。また、本発明は、情報検索表示処理システムを構成するクライアント端末や管理サーバを提供することを目的とする。また、本発明は、コンピュータを利用して前記方法やシステムを実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0027】
たとえば、閲覧者にとって重要なものであることの条件として付加情報の付与者が指定された場合において、付加情報の付与者を簡単に峻別することができる仕組みを提供することを、その具体的な第1の目的とする。
【0028】
また、閲覧者にとって重要なものであることの条件として付加情報の新旧の度合いが指定された場合において、文書に付与された付加情報の新旧を簡単に峻別することができる仕組みを提供することを、その具体的な第2の目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る表示制御方法は、所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムの表示制御方法であって、所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理し、この重要度合いに応じて表示を要求された付加情報についての表示態様を変更するようにした。
【0030】
本発明に係る表示制御方法においては、閲覧者にとって重要なものであることの条件として、様々なものを指定することができる。この様々な条件の指定を受けて指定条件に従って重要度合いを取得し、その取得結果に応じて付加情報についての表示態様を変更する。
【0031】
第1例としては、個々の付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理しておく。そして、閲覧者にとって重要なものであることの条件として確認したい付加情報の付与者が指定された場合には、付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者についての付加情報の表示の際に、この確認対象追記者が追記した付加情報の特徴を表した属性(たとえば色、形状、線種、およびフォント種)のうちの何れかについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして表示する。
【0032】
ここで、「通常の設定値」とは、ユーザが文書に普通に付与した付加情報の値(色、形状、線種、およびフォント種)を意味する。たとえば、最初に付与したアノテーションの色やフォントサイズなどである。第1例においては、この通常の設定値とは異なる値にすることで、付加情報の表示態様を切り替え、確認対象者が追記した付加情報であるのか否かを判断する。
【0033】
また第2例としては、文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を付加情報が付与された文書に対応付けて管理しておく。このアクセス履歴としては、付加情報の新規付与に限らず、属性や付与位置の変更あるいは削除も含むものとしておくのがよい。そして、閲覧者にとって重要なものであることの条件として付加情報の新旧の度合いが指定された場合には、アクセス履歴に基づいて表示を要求された付加情報についての付加情報に対する生成後の経過時間を取得し、その経過時間に応じて表示を要求された付加情報についての表示態様を変更する。
【0034】
本発明に係る情報表示処理システムは、本発明に係る表示制御方法を実施するシステムであって、所定の条件により定められる付加情報の重要度合いを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理する付加情報重要度管理部と、付加情報重要度管理部により管理されている重要度合いに基づいて表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得し、この取得した重要度合いに応じて表示を要求された付加情報の色、形状、線種、フォント種などの属性を変更することで、その表示態様を変更する付加情報表示制御部とを備えるものとした。
【0035】
閲覧者にとって重要なものであることの条件としては、様々なものを指定することができる。そこで、本発明に係る情報表示処理システムにおいては、付加情報の重要度合いを決定する条件を指定する(たとえばユーザからの指示を受け付ける)重要度条件指定部を備えているものとすることが望ましい。
【0036】
そしてたとえば、前記第1例の表示制御方法を実施するシステムとする場合であれば、個々の付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理する付加情報管理部と、付加情報管理部の登録情報を参照することで付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を取得し、この確認対象追記者が追記した付加情報の特徴を表した属性のうちの何れかについて、その属性の設定値を確認対象追記者についての付加情報の通常の設定値とは異なるものにして、確認対象追記者についての付加情報を表示させる付加情報表示制御部を備えるものとする。
【0037】
また前記第2例の表示制御方法を実施するシステムとする場合であれば、文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理するアクセス履歴管理部と、アクセス履歴管理部により管理されているアクセス履歴に基づいて表示を要求された付加情報に対する生成後の経過時間を求め、この経過時間に応じて、たとえば人間の視覚特性上の感度が低下する方向に退化させるなどして、表示を要求された付加情報の表示態様を変更する付加情報表示制御部とを備えるものとする。
【0038】
感度が低下する方向は、必ずしもアノテーションの濃度をゼロにしたり無彩色にしたりすることのみを意味するものでない。アノテーションが付与されている文書の下地成分(下地濃度や地色)との関わりで、アノテーションが目立たない方向とすればよい。
【0039】
本発明に係るクライアント端末や管理サーバは、本発明に係る情報表示処理システムを構成するのに好適なものである。また、従属項に記載された発明は、本発明に係る情報表示処理システムあるいはクライアント端末や管理サーバのさらなる有利な具体例を規定する。
【0040】
なお、クライアント端末と管理サーバとにより情報表示処理システムを構築する場合、上記システムにて述べた各機能部分を何れの側に配するかについては、コンピュータシステムをネットワークを利用して構築する場合と同様に、様々な形態を取ることができる。
【0041】
たとえば、管理サーバは付加情報の重要度合いを取得するための付加情報に関係する種々の情報を登録し、クライアント端末からの照会を受けたときに登録情報を提示する機能(単純なサーバ機能)までを備えたものであってもよいし、また登録情報に基づいて重要度合いを求める機能部分までや、さらには重要度合い応じた付加情報の表示態様を示す画像情報を生成しクライアント端末側に送信する機能部分までを備えたもの(アプリケーションサーバ機能を備えたもの)であってもよい。重要度合い応じた付加情報の表示態様を示す画像情報を生成する機能部分を備えた管理サーバとする場合、クライアント端末は、管理サーバから送信された画像情報に基づいて即時に表示デバイスに付加情報を表示させることが可能となる。
【0042】
一方、前述の管理サーバが具備する付加情報に関係する種々の情報を登録する機能部分(単純なサーバ機能部分)を除く各機能部分は、クライアント端末側に設けることも可能である。この場合、クライアント端末側にて重要度合いを求める際には、管理サーバに登録情報を照会する機能部分を備えていればよい。
【0043】
さらに、本発明に係るプログラムは、本発明に係る表示制御方法や情報表示処理システムを、電子計算機(コンピュータ)を用いてソフトウェアで実現するために好適なものである。なお、プログラムは、コンピュータ読取り可能な記憶媒体に格納されて提供されてもよいし、有線あるいは無線による通信手段を介して配信されてもよい。
【0044】
【作用】
上記構成においては、たとえば、確認したい付加情報の付与者や付加情報の新旧など文書閲覧者にとっての表示要求の度合いと関わりのある付加情報の重要度合いを管理し得る仕組みとして、所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを付加情報が付与された文書に対応付けて個々に登録するデータベースや管理サーバを用意する。そして、ある付加情報についての表示要求があったときには、管理サーバの登録情報を参照してその付加情報の重要度合いを取得し、その重要度合いに応じて表示態様を変更する。
【0045】
たとえば、付加情報表示制御部は、ある者が付与した付加情報を確認する際、この確認対象者が追記した付加情報の特徴を表した、たとえば色、形状、線種、あるいはフォント種のうちの何れかについて、その属性の設定値(いわゆるプロパティの値)を、その付加情報の通常の設定値とは異なる値に設定して表示させる。つまり、付加情報の表示態様を切り替えることで、確認対象者が追記した付加情報であるのか否かを判断する。表示が切り替われば、その付加情報はその確認対象者が追記した付加情報であると判断することができる。
【0046】
また、データベースや管理サーバとしてのアクセス履歴管理部を用意してお区ことで、付加情報表示制御部は、管理されているアクセス履歴に基づいて表示を要求された付加情報に対する生成後の経過時間を求め、この経過時間に応じて、人間の視覚特性上の感度が低下する方向に退化させるなどして、新旧の度合いに応じた表示態様にする。新しいものは重要で古いものは不要なものであるケースでは、新旧によって表示態様を切り替えることで、重要な付加情報と不要な付加情報とを表示態様によって切り分けることができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0048】
図1は、本発明に係る表示制御方法および情報表示処理システムを適用した電子会議システムの構成例を示す図である。
【0049】
なお、この例での電子会議の場面設定としては、たとえば、開発開始提案や国際技術標準化会議など、電子的なドキュメントベースの会議の場面を想定する。
【0050】
電子的なドキュメントとしては、たとえば、開発開始提案の場面では、前任機(現行機種など開発対象機種に対するそれ以前の機種)に関する仕様書、市場トラブルレポート、サポート部門の技術標準書類、など類似文書が多数ある。
【0051】
また、技術標準化会議の場面では、似たような技術標準書や同じ技術に関するメーリングリストなど関連する文書が周囲に存在している。
【0052】
電子会議システムへの参加者としては、たとえば、決定に影響を与えたり決定事項から影響を受けたりする組織の代表である参加者、議長、記録係などが想定される。
【0053】
電子会議システムでは、たとえば、代表者の誰かが提案書を纏め事前に資料を配布している。そして、会議の前に参加者ならびに議長が資料を読み、手書きのアノテーションを表示画面上に加えることができる。また、会議の進行中に組織の代表者は、バックオフィスにいる関係者とアノテーションを用いてコンテキストを共有し、また互いに連絡をとりながらリアルタイムに部門意見の調整を行なうこともできる。
【0054】
ここで、電子会議システムにおける会議の流れの中で、手書きアノテーションの共有が関わる場面としては、たとえば、次のようなものが考えられる。
*配布された資料を会議前に読み、アノテーションを書き込む。
*説明内容を聞きながらアノテーションを入れる。
*質疑応答セッションで、アノテーションをもとに質問箇所を素早く探して質問する、あるいは応答する。
*過去の関連文書を検索する。
*会議中で同僚に質問する。
*議論のセッション。
*合意事項の確認のセッション。
*議事録作成。
*会議の模様をグループのメンバーに報告する。
*会議を通して専門家を発見したり、多様な視点に気付かされたりする。
【0055】
<システム構成>
次に、図1に示した電子会議システムの構成を説明する。電子会議システム1は、電子会議の参加者が使用するクライアントシステム100と、電子会議システム1にて使用される電子データ(文書データに限らず、会議に必要な他の電子的な情報の全てを含む)を処理するサーバシステム200とを備えている。クライアントシステム100およびサーバシステム200を構成する各機能要素は、有線や無線などのネットワーク(通信網)9によって接続されている。
【0056】
クライアントシステム100は、会議への参加者ごとに設けられている。図示した例では、2セット分を例示しているが、その数は2つに限らない。なお、1つのセットを複数人が共用してもかまわない。
【0057】
クライアントシステム100は、電子文書を表示するための文書ビューア102(図では102a,102b)、文書ビューア102に表示されている電子文書に付加情報の一例であるアノテーションを付与するためのアノテーションデバイス170(図では170a,170b)、および画面操作の履歴を保存したり文書ビューア102を制御したりするマネジャ部180(図では180a,180b)を有する。文書ビューア102とアノテーションデバイス170とで、付加情報付与部106(図では106a,106b)が構成される。
【0058】
文書ビューア102は、図示しない本体(クレードル/ドッキングステーション)に装着自在となっている。文書ビューア102としては、たとえば、パソコンなどに使用されるCRTや液晶(LCD)などのディスプレイや、紙を模倣したようなデバイス(たとえばタブレットPC)などを使用するとよい。なお、文書ビューア102は、ホワイトボード程度の大きさにした大型タブレットとして構成してもよい。
【0059】
アノテーションデバイス170としては、手書き入力ができる機能を備えたものであるのがよく、たとえばペンの形状を持つデバイスなどの入力デバイスを使用するとよい。ペン形状のデバイスの場合、表示面上をデバイスで直接指示できるように、たとえば電磁誘導方式の検知機構とする場合には文書ビューア102およびアノテーションデバイス170ともに指示入力を検知する仕組みを持つものとする。また、タッチパネル方式を採用してもかまわない。また、アノテーションデバイス170は、ペン型のものに限らず、マウスやキーボードなどの入力・指示デバイスを用いるものであってもよい。
【0060】
マネジャ部180は、文書の閲覧履歴やアノテーションの履歴(ログファイル)を保存する記憶部182(図では182a,182b)を有する。また、このマネジャ部180は、読み手により指定された表示手法(本例では強調表示機能)を実現する機能部が設けられる(後述する図3参照)。
【0061】
サーバシステム200は、付加情報管理部の一例であってログファイルやアノテーションを管理するアノテーション管理部210、電子文書を管理する文書管理部220、個人のプロファイルを管理するプロファイル管理部230、文章の解析や重要語の抽出を行なうなどして会議を支援する情報検索部240、および会議参加者を管理する会議参加資格管理部250を有する。
【0062】
アノテーション管理部210は、文書に付与されたアノテーションの保存と検索を行なうサーバであるアノテーションサーバ212と、各クライアント端末のログファイルの内容を保存するデータベース(Data Base )であるアクションログDB214と、付加情報格納部の一例であってアノテーションおよびそれに付随する属性情報を保存するためのデータベースであるアノテーションDB216とを有する。
【0063】
文書管理部220は、文書の保存と検索を行なうサーバである文書サーバ222と、文書およびそれに付随した属性情報を保存するためのデータベースである文書DB224とを有する。
【0064】
文書本体を管理する文書管理部220と、電子文書に付与されるアノテーションなどの付加情報を管理するアノテーション管理部210とを設けることで、配布資料に対する加筆修正がそれぞれ独自に行なわれるケースでも、会議終了時に原本と合わせたときにその内容に矛盾が生じることを回避することができる。
【0065】
たとえば、だれかが原本のある部分に補足説明を加え、一方、だれかが同じ部分を削除するような修正を加えたときでも、それらの編集部分を文書DB224に登録されている文書本体とは別に、文書本体と対応付けてアノテーションDB216に登録しておくことで、会議資料本体やこれに対する加筆修正などの内容に矛盾が生じることなく情報の管理を行なうことができる。また、アノテーションDB216を参照することで、その場で出された意見や討論の内容を後で書き出すことも容易である。
【0066】
プロファイル管理部230は、個人のプロファイルの保存と検索を行なうサーバであるプロファイルサーバ232と、個人のプロファイルを保存するデータベースであるプロファイルDB234とを有する。
【0067】
情報検索部240は、文章の解析や重要語の抽出を行なうサーバである自然言語処理サーバ242と、自然言語処理サーバ242が参照する解析辞書や類義語辞書などを保存したデータベースである自然言語処理DB244とを有する。
【0068】
自然言語処理DB244には、情報検索手法に適したデータ構造で所定のデータが格納される。たとえば、語義ベースで単語の意味ベクトルを格納する単語ベクトル辞書(辞書はデータベースの一例)、係り受け単語間の共起関係を格納する共起データベース、あるいは類義語展開や関連展開を行なうために使用される拡張辞書(類義語辞書を含む)などを格納する。
【0069】
情報検索部240は、自然言語処理DB244に、これら種々のデータベース(辞書を含む)を有することで、さまざまな検索エンジンを選択して使うことができるようになる。
【0070】
会議参加資格管理部250は、ある会議にあるユーザが参加できるかどうかを判断する会議参加資格管理サーバ252と、会議IDとこの会議に参加可能なユーザIDの組み合わせを保存したデータベースである会議参加資格管理DB254とを有する。
【0071】
なお、図示したサーバシステム200の各管理部210,220,230,240,250は、それぞれ別体のものであってもよいし、任意の組合せにて同一筐体内に収容されたものであってもよい。たとえば、各サーバは共通のコンピュータで構成されていてもよいし、各データベースとして共通のハードディスク装置を利用するものであってもよい。なお、アノテーション管理部210、文書管理部220、および情報検索部240を纏めて、文書情報管理部ともいう。これら管理部210,220,230,240,250としては、たとえばワークステーションが使用されるとよい。
【0072】
<文書ビューアの外観>
図2は、情報表示処理装置の一実施形態である文書ビューア102の表示面側に着目した外観図である。図示するように、この文書ビューア102は、表示デバイスの一例である液晶表示パネル103と種々のハードウェアキーで構成された操作ボタン110とが筐体109に収容されて構成されており、ある程度の厚みを持った1枚の板状に形成されている。
【0073】
液晶表示パネル103は、バックライト付きパネルとして構成されており、文書を表示するための文書表示エリア104として使用される。文書表示エリア104上は、アノテーションデバイス170にて手書き入力(デジタルインク)が可能である。マネジャ部180には、このデジタルインクに対応したメモ書きユーティリティ(ハードウェアおよびアプリケーションソフト)が組み込まれる。
【0074】
デジタルインクに対応したコントローラとしては、手書きで入力したデータを“デジタルインク(手書き文字)”として認識し処理するためのものであればよく、必ずしも、手書きで入力したものをテキスト変換する機能(手書き文字認識機能)を備えたものである必要はない。この場合でも、テキストの最上位フォーマットとして取り扱うことができ、手書き文字のまま検索したり、文字を加工(カラー変更など)したりすることができる。なお、デジタルインクデータフォーマットを画像データ(たとえばビットマップデータ)として取り扱ってもよい。
【0075】
このように、文書ビューア102は、紙の文書を読む際に文書に好きな形で下線や丸を付けたりメモを書き込んだりするのと同様に、アノテーションデバイス170を用いて書込み入力が可能となっている。また、厚みを持った1枚の板状に形成されているので、たとえば、書込み時に、膝の上に置いたり傾けたりして読みやすい位置や角度に据えることも容易である。
【0076】
書込み入力された情報(文書本体の付加情報)は、文書ビューア102内の図示しない記憶部に保持され、所定のときにサーバシステム200のアノテーション管理部210に送られ、アノテーションDB216に文書本体と対応付けられて格納される。後にその文書を読み出すときには、文書本体とともに、過去に記入したアノテーションも読み出され、文書表示エリア104に表示される。
【0077】
これにより、紙のように自由に好きな形で下線や丸あるいはメモなどの書込みを入れることで、情報の記載場所に関する読み手の記憶を視覚的に助ける効果を発揮させることが可能となる。
【0078】
たとえば、電子会議システム1を利用した会議であれば、配布された資料を会議前に読みアノテーションを書き込んだり、あるいは説明内容を聞きながらアノテーションを入れたりするなどに利用することができる。
【0079】
操作ボタン110としては、複数のハードウェアキーが用意されている。たとえば図示するように、文書DB224に格納された文書を読み込むための文書読込みボタン114と、文書表示エリア104に描画されたアノテーションを保存するための保存ボタン116と、アノテーションDB216に保存されるアノテーションを検索し文書表示エリア104に表示させるための検索ボタン118と、表示を更新させるための更新ボタン120とを備えている。
【0080】
また、操作ボタン110としては、ページを前後に捲るための前ページ送りボタン122aおよび次ページ送りボタン122bからなるページ捲りボタン122と、重要語を表示するための強調表示ボタン124と、文書ビューア102が開いている文書にアノテーションを付けているユーザの一覧を表示するユーザ表示ボタン126とを備えている。
【0081】
なお、操作ボタン110のハードウェアキーに代えて、文書表示エリア104にキーボタンを表示するソフトウェアキーとしてもよい。
【0082】
この文書ビューア102は、内部に備えられている記憶媒体から読み出したデータ、あるいは図示しないネットワーク接続機能部を介してサーバシステム200(Webサーバでもよい)などから取得したデータに基づいて画像を液晶表示パネル103に表示するように構成されている。
【0083】
また、文書ビューア102は、本を読むようにパラパラと捲りながらページ単位で表示を切り替えていく機能(捲り表示機能)が搭載されており、この捲り表示機能を利用することで、たとえば、取り込んだ多数の情報の中から所望の情報を素早く検索できるように構成されている。
【0084】
すなわち、この文書ビューア102における情報検索時には、前ページ送りボタン122aや次ページ送りボタン122bといった2つのページ送りボタン(ページ捲りボタン122)を操作することで、ページ捲り操作を行ないながら所望のページ情報を液晶表示パネル103に表示させることができる。また、前ページ送りボタン122aや次ページ送りボタン122bの何れか一方を連続的に押し続けると高速でページ送りを行なうことができ、これにより、次々と表示される情報を確認しながら所望とする情報を探すという操作が可能となっている。
【0085】
また、捲り表示の際は、ページ送り操作に合わせて、液晶表示パネル103の液晶素子を駆動する画素振幅である画像コントラストや画像全体の明るさである表示明度(ブライトネス/背景輝度)を通常表示時と異なるものとし、表示デバイス上の表示画像の明暗状態を所定時間に亘って通常状態の明暗の調子と異なるものにすることで、全体の画像の特徴抽出が容易となるように構成されている。
【0086】
<文書ビューア/マネジャ部>
図3は、文書ビューア102とマネジャ部180の機能ブロック図である。文書ビューア102は、ページ単位で画像を表示する表示デバイスの一例である液晶表示パネル103と、文書ビューア102におけるの表示処理全体を制御するコントローラ130と、所定条件の元に新しいページ画像を生成するページ画像生成部140とを備える。コントローラ130は、液晶表示パネル103上のページ画像の切替指示を操作ボタン110を介して受け付けるページ送り指示受付部132を有する。ページ画像生成部140は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けたことを条件として新しいページ画像を生成する。
【0087】
また、文書ビューア102は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けたことを条件として、液晶表示パネル103上の画像を切り替えるとともに表示画像の明暗状態を所定順序に従って切り替える表示輝度制御部150を備える。
【0088】
ページ画像生成部140は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けると、指示された方向(前方/後方の何れか)の新しいページ画像を生成し、生成し終えると、その旨を示す生成完了信号S1を表示輝度制御部150に通知する。
【0089】
表示輝度制御部150は、液晶表示パネル103上におけるページ画像の表示コントラストを制御する機能部であるコントラスト制御部150aと、液晶表示パネル103のバックライト輝度を制御することでブライトネスを制御する機能部であるブライトネス制御部150bとを有する。
【0090】
表示輝度制御部150は、液晶表示パネル103上のページ画像のコントラストをコントラスト制御部150aにより調整したり、あるいはページ画像のブライトネスをブライトネス制御部150bにより調整することで、液晶表示パネル103上における表示輝度を制御する。なお、コントラストおよびブライトネスの両方に限らず、この両者の少なくとも一方を調整するものであればよい。
【0091】
この表示輝度制御部150は、ページ送り指示受付部132がページ画像の切替指示を受け付けると、液晶表示パネル103の画像をページ画像生成部140が生成した新しいページ画像に切り替えるとともに、液晶表示パネル103上の表示画像の輝度を所定時間に亘って、表示画像の切替指示を受け付ける直前の明暗状態である通常状態の輝度(その時点にユーザが設定しているコントラストやブライトネスの状態)と異なるものに設定し、その後、通常状態の輝度とほぼ等しい輝度に設定する。たとえば、捲り表示中には表示輝度を高めに設定し、捲り表示完了後には、概ね元の表示輝度(ページ捲り操作直前のコントラストやブライトネスの状態)と等しい状態に戻す。
【0092】
そして、ページ画像生成部140が新しいページ画像を生成し終えると、表示輝度制御部150は、ページ画像生成部140から生成完了信号S1の通知を受けて液晶表示パネル103上の画像をその新しいページ画像に切り替えさせる。ページ画像生成部140は、表示輝度制御部150からの画像切替指示S2を受けると、生成した新しいページ画像を液晶表示パネル103に設定する。
【0093】
また、表示輝度制御部150は、表示画像の輝度を通常輝度よりも比較的高い輝度に設定する。これにより、ページ画像生成部140にて生成された新しいページ画像が、通常輝度よりも高めに表示される。そして、表示輝度制御部150は、この高めの表示輝度を、生成完了信号S1が入力されてからの経過時間に応じて漸次通常輝度に戻していく。
【0094】
このように、ページ切替時に、表示輝度を所定時間だけ通常表示と少し変えることで、本を読むようにパラパラと捲りながら表示を行なっていく場合でも、判別能を高めることができる。
【0095】
一方、マネジャ部180は、ログファイル格納部182の他に、読み手が読もうとする対象文書を文書DB224から取り込み強調表示すべき文字やセンテンスを特定する強調語/センテンス特定部184と、強調表示すべき文字やセンテンスの選択手法を強調語/センテンス特定部184に指示する強調語/センテンス選択手法指示部186と、強調表示機能の有効/無効(オン/オフ)を制御する強調指示制御部188とを備える。
【0096】
マネジャ部180は、先ず、強調語/センテンス選択手法指示部186にて読み手(本例では会議参加者)により指定された手法を実現する強調語/センテンス特定手法を選択し強調語/センテンス特定部184に指示する。読み手が読もうとする対象文書は、強調語/センテンス特定部184に入力される。強調表示機能がオンとなっている場合は、強調語/センテンス特定部184にて強調表示すべき語句(単語、センテンス、あるいは文章)をどのように表示するかが決定された後に文書ビューア102のコントローラ130を通じページ画像生成部140へ画像情報が送られる。
【0097】
なお、強調表示手法としては、濃度(コントラスト/ブライト)を変化させて表示させる、フォント(種類やサイズ)を変化させて表示させる、文字色を変化させて表示させる、文字の背景色を変化させて表示させる、下線やべた塗りを付す、などという方法がある。
【0098】
濃度を変化させて表示させる場合、前述のように、表示輝度制御部150の機能を利用する。この場合、確信度の値に応じて濃度を多段階に切り替えるようにしてもよい。
【0099】
フォントを変化させて表示させる場合、文字色を変化させて表示させる場合、文字の背景色を変化させて表示させる場合、あるいは下線やベタ塗りを付す場合には、強調語/センテンス特定部184は、文書DB224から取得した文書情報を、それらに応じた画像データに変換してページ画像生成部140に渡す。これらの場合、確信度の値に応じて、フォントを切り替えたり、文字色・背景色・下線やべた塗りの色を多段階に切り替えるようにしてもよい。
【0100】
確信度の値に応じて、濃度、フォント、あるいは文字色・背景色・下線やべた塗りの色を多段階に切り替えるようにすれば、検索結果後の強調表示の違いによって、検索結果の重要度を判断することができる。
【0101】
たとえば、強調語/センテンス特定部184は、自然言語処理サーバ242が付ける専門用語あるいは固有名詞分類の確信度が高いものを強調表示するよう制御する。どの分類に入れられた語を強調表示するかは読み手の指示に従う。
【0102】
こうすることで、一般的な語の重要度ではなく現在の読み手の関心に合致していると思われる語句のみを強調表示させることができる。これによりたとえば、システムが企業による事件に関する資料を集めている場合に間違って場所情報が強調表示されるといったことを防ぐことができる。
【0103】
また、強調語/センテンス特定部184は、要約や前書きなど文書の概略を纏めた部分の記載中に出現する名詞語句(固有名詞や専門用語を含んでもよい)やその類義語を強調表示するよう制御してもよい。要約部分に含まれる単語を重要語とすることで、精度よくかつ手間をかけずに、重要語または重要文を強調表示することができる。たとえば、文意をよく表現している単語を濃く表示することができる。本文の全ての文に対して類似度解析を行ない各文の類似度を計算するよりも処理が速い。
【0104】
また、要約や前書きなどは、人間が纏めたものであるため機械要約(自動要約)を利用する場合よりも強調表示すべき語句の選択の信頼性が高くなる。また、要約などの中に出現する語句だけでなく、類義語まで強調表示するようにすれば、他の文書との比較としての重要語でなく、筆者がその文書を通じて伝えたい内容を表現しているであろう語句を的確に識別して読むことができる。この結果、内容を素早く理解することが可能となる。
【0105】
また、強調語/センテンス特定部184は、要約との意味的な距離を利用して強調表示すべき語句を特定してもよい。要約との意味的な距離の計算は、たとえば、ベクトル空間法を利用することでセンテンスの類似度を測る手法(たとえば特開平11−110395号や特開2000−331027号など参照)、格助詞を利用した格構造の比較による類似度の測定、係り受け解析あるいは意味解析の結果をグラフあるいはツリー構造で表現し、それらの比較によって類似度を測る、などの手法を利用するとよい。
【0106】
これにより、本文中で注目すべき点を明らかにすることができ、内容を素早く理解することが可能となる。また、機械要約と異なり、本文自体も参照可能なため、間違った解釈をすることがない。
【0107】
また、「流し読み機能」を持たせる場合にも効果が高まる。たとえば、紙の文書を流し読みするとき、読み手は、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句を拾い読みしながら、大事な内容が掲載されていそうなページや文書の大凡の印象を得るといったことを行なっている。この文書ビューア102でも、「流し読みモード」を設けることで、文意をよく表現していると思われる重要語句を濃く表示することができる。濃く表示されているキーワードを追っていくことによって、短時間で文書の内容を理解することができる。また、読み手は、濃く表示されている語句の周辺が重要な箇所であると推測することもできる。より深く内容を理解したければ、そこを読み進めればよい。
【0108】
また、アノテーション機能を利用した文献リストの自動生成とリンクさせた文書を表示することもできる。たとえば、ある文書に読み手が書き込んだ下線や丸などの印がついた語句をキーワードにして、サーバシステム200に保持している文書に検索をかける。そしてキーワードが頻出する文書を参考文献としてリストアップする。読み手は、文書のタイトル、キーワードが頻出している個所の文章(クリップ)とページ番号を参照することができる。
【0109】
指定された参照文献を表示する際には、クリップ(検索条件に該当した語句を示す状態)中のキーワードに、たとえば、フォント種やサイズを変える、下線を引く、色塗りする、あるいは濃い文字で表示するなどの強調表示をする。こうすることで、参照文献の内容を素早く理解することが可能となる。
【0110】
なお、強調語/センテンス特定部184、強調語/センテンス選択手法指示部186、および強調指示制御部188の各処理、特に確信度を求める処理の詳細は、本願出願人に係る特願2002−314876号を参照するとよい。
【0111】
<文書サーバ/文書データベース>
図4は、文書サーバ222および文書DB224の構成例を示す図である。文書サーバ222は、「登録」と「文書読込み」を外部からの指示により受け付ける。たとえば、文書ビューア102の文書読込みボタン114が操作されたことをクライアントシステム100にて検知すると、クライアントシステム100は、その旨をサーバシステム200を構成する文書管理部220の文書サーバ222に通知する。これにより、文書サーバ222は、文書DB224から指示された文書を読み込む。
【0112】
なお、「登録」は、たとえば“http://datacenter.company.co.jp/access.cgi?DocumentID=8gjk3cl3”などのように、文書DB224への文書の格納先を示すアドレスを示した登録したい文書へのURL(Uniform Resource Locators )などのパスやディレクトリへのパスで与えることとする。
【0113】
文書サーバ222は、与えられたパスが示す文書(群)に対し、順次、文書IDを付与し、文書名と文書本文を文書DB224に登録する。このとき、文書DB224内のデータ構造は、たとえば図4(B)のようになる。文書名または文書本文はURLなどの文書へのパスでもかまわない。
【0114】
文書サーバ222は、文書ビューア102から「文書読込み」の指示を受け付ける。文書サーバ222は、「文書読込み」の指示を受け付けると、文書DB224内の文書名の一覧を作成し、文書ビューア102へ返す。また、文書サーバ222は、文書ビューア102より文書名を受け取り、対応する文書本文を文書ビューア102へ送り返す。
【0115】
<アノテーションサーバ/アノテーションデータベース>
図5は、アノテーションサーバ212およびアノテーションDB216の構成例を示す図である。
【0116】
アノテーションサーバ212は、「保存」と「検索」を外部からの指示により受け付ける。たとえば、文書ビューア102の保存ボタン116が操作されたことをクライアントシステム100にて検知すると、クライアントシステム100は、その旨をサーバシステム200を構成するアノテーション管理部210のアノテーションサーバ212に通知する。なお、アノテーションの保存の指示がなく文書ビューア102を終了すると、先ず、アノテーションを自動的に保存を指示するようにする。これにより、アノテーションサーバ212は、保存を指示されたアノテーション情報(付加情報の特徴を表した情報の一例)をそのアノテーションが付与されていた文書に対応付けて、記憶部の一例であるアノテーションDB216に登録(格納)する。
【0117】
たとえば、アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から「保存」の指示を受け付ける。このとき、保存したいアノテーション内容とアノテーションの矩形情報と色や形状、またアノテーションが付与された文書IDおよび「保存」指示を発した文書ビューア102の端末IDが与えられる。またこのとき、同様に、「保存」を指示した会議参加者(クライアント)のユーザ名(あるいはユーザID)や、その参加者が参加している会議の名称(あるいは会議ID)、保存を指示したアノテーションに関する公開属性、そのアノテーションの状況(新規、既存、消去)を示すステータス、およびアノテーションが付与された時刻も与えられる。
【0118】
アノテーションサーバ212は、アノテーションID、端末ID、文書ID、矩形情報、アノテーション内容、色、形状、ユーザID(あるいはユーザ名)、会議ID(あるいは会議名)、公開属性、ステータス、生成時刻を、テーブルデータとしてアノテーションDB216に保存する。このときアノテーションDB216内のデータ構造は、たとえば図5(B)のようになる。
【0119】
アノテーションIDは、個々のアノテーションを管理するもので、1ストロークのアノテーションごとにユニークなID番号が割り振られる。アノテーションIDは、クライアントシステム100側で発行する方式や、アノテーションサーバ212側で発行する方式がある。少なくともアノテーションID、ユーザID、文書IDの3つ組みで唯一でなければならない。与えられたアノテーションIDもしくは前記の3つ組みが新規でない場合は、そのアノテーションIDもしくは前記の3つ組みで示される行を上書きするものとする。
【0120】
端末IDは、クライアントを唯一に識別するID番号である。ユーザが使用しているクライアント端末のハードウェアを直接指す場合もあれば、IP(Internet Protocol )アドレスやホスト名に対応するものであってもよい。文書IDは、文書DB224に格納された文書ごとにユニークなIDが割り振られる。文書ファイル名が同じでも複数回文書DB224に投稿されていれば、異なる文書IDで登録される。
【0121】
アノテーションの矩形情報は、1ストロークのアノテーションが指す矩形領域の矩形番号である。水平方向に伸びた直線の場合は連続した整数値になる場合もあるが、四角形や円などを複数行に亘って描いた場合は、不連続な整数値となる。なお、このアノテーションの矩形情報については、後述する“アノテーション付与処理”にて説明する。
【0122】
アノテーション内容は、1ストロークのアノテーションの軌跡情報であり、描画されたアノテーションを再現するために利用されるデータである。たとえば、ビットマップやベクトルデータなどのデータとなる。色形状は、アノテーションに使用されたインクの色や、円や四角などの形状情報である。線種は、アノテーションの太さや実線あるいは点線などの線種を示す。
【0123】
ユーザID(あるいはユーザ名)は、文書ビューア102を操作しているユーザを一意に識別する情報である。たとえば、ログインユーザ名などに対応する。会議IDは、会議など活動単位のユーザをまとめるための情報である。会議中に生成された全員のアノテーションを集計する場合などに使われる。たとえば、ログイン時に、会議名(会議ID)とユーザ名(ユーザID)を指定して認証をする。
【0124】
公開属性は、たとえば、公開可能(制限なし)とする(=Pub)、特定の他のユーザやグループ内(たとえば会議参加メンバー)だけに公開する(=Frd)、アノテーションを非公開(個人用)とする(=Priv)、認証が得られた場合にのみ公開を許可する(=Protect)、のうち何れかをとるものとする。特定公開(=Frd)および認証公開(=Protect)については、ユーザやグループあるいは認証コード(ユーザ名とパスワード)などのサブ属性が設定可能である。また、特定公開(=Frd)および認証公開(=Protect)の場合、表示のみの公開(読取専用)に限らず、他人による編集も許可するフルアクセス設定のサブ属性が設定可能である。文書やアノテーションの共用閲覧は、通常、読取専用として公開するのはいうまでもない。誰でもが自由に編集できるようにしておくことによる不都合を防止するためである。ただし、会議の場などにおいては、自由に編集可能な方が都合のよい場合もある。このような場合、フルアクセス設定をしておけばよい。
【0125】
ユーザは、付与するアノテーションのそれぞれに対して、これらの公開属性を設定することができる。この公開属性は、アノテーションを付与する都度、あるいはアノテーションの保存指令を発する都度、設定可能である。また、何れかを予めデフォルトに設定しておき、特段の変更指示がない場合はそのデフォルトの属性が設定されたものとしてもよい。また、アノテーションの保存時に公開属性の変更指示がない場合は、その時点に設定されている(デフォルトも含めて)属性を受け付けることとする。
【0126】
たとえば、ある会議の参加メンバーだけに公開する(Frd)場合には、公開対象の会議の情報(たとえば会議ID)もアノテーションDB216に登録する。また、認証が得られた場合にのみ公開を許可する(=Protect)場合には、プロファイル管理部230に問い合わせて、パスワード認証が得られたときのみ公開を許可する。
【0127】
アノテーションを表示する際には、非公開対象のアノテーションも含め全てのアノテーションをアノテーションサーバ212よりクライアントシステム100に送付して、クライアントシステム100側で、アノテーションに設定されている公開属性をチェックして表示(公開)/非表示(非公開)を切り替えたり、アノテーションサーバ212側で、公開対象のアノテーションだけを送付したりする。
【0128】
ステータスは、アノテーションが新規に作られたのか(=New)、既に存在していたものか(=Exist)、削除されたものか(=Deleted)の状態を示す。一旦付与したアノテーションをユーザが消しゴム(電子的な)などで消した場合には、ここは“Deleted”となる。この場合、この削除指令によりアノテーションDB216からその消去されたアノテーションのデータがなくなるわけではなく、あくまでステータスが変わるだけである。
【0129】
つまり、アノテーションの新規付与時間、属性や位置の変更などがあった場合には変更前のアノテーションの生成時間と変更後のアノテーションの生成時間、そして消去されたアノテーションの消去時間(図では記載を省略)が、アノテーションのアクセス履歴として、アノテーションごとにアノテーションDB216に登録・管理される。
【0130】
アノテーションを表示する際には、“Deleted”のアノテーションを含め全てのアノテーションをアノテーションサーバ212よりクライアントシステム100に送付して、クライアントシステム100側でアノテーションに設定されているステータスをチェックして表示/非表示を切り替えたり、あるいはアノテーション管理部210側で“Exist”のものだけをクライアントシステム100に送付したりする。
【0131】
生成時刻は、文書ビューア102において1ストロークのアノテーションが付与された(ビューア画面上に描かれた)時刻であり、日付と時間からなる。これは、1ストロークのアノテーションごとに、文書ビューア102上で保存ボタン116を押して保存した時刻(アクションログDB214にて管理されている)とは別に管理されるようになっている。
【0132】
なお、既に付与されていたアノテーションについて、場所移動(つまり矩形情報の変化)がある場合や、アノテーションの属性(色・形状・線種)や公開属性に変化がある場合、元のアノテーションは事実上削除されたものとして、そのステータスを“deleted”とし、最新の状態のアノテーションについて新たなアノテーションIDを発行することとする。こうすることで、一旦付与されたアノテーションについては、たとえ削除もしくは変更された場合であっても、“Deleted”のアノテーションを含め全てのアノテーションをアノテーションサーバ212よりクライアントシステム100に送付して、クライアントシステム100側でステータスをチェックして、ステータスが“deleted”であるものについても表示/非表示を切り替えることで、必要に応じて元の状態で再現することができる。
【0133】
また、クライアントシステム100は、文書ビューア102の検索ボタン118が操作されたことを検知すると、その旨をサーバシステム200を構成するアノテーション管理部210のアノテーションサーバ212に通知する。これにより、アノテーションサーバ212は、検索を指示されたアノテーション情報をアノテーションDB216から読み出す。
【0134】
たとえば、アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から「検索」の指示を受け付ける。このとき、アノテーションサーバ212は、文書IDと矩形情報とアノテーション付与範囲に関する情報をクライアントシステム100(文書ビューア102)から受け取る。アノテーションサーバ212は、これらの情報(検索条件)に基づきアノテーションDB216内を検索し、適切なアノテーション内容を文書ビューア102へ返す。
【0135】
たとえば、アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から「検索」の指示を受け付ける。このとき、アノテーションサーバ212は、文書IDと矩形情報とアノテーション付与範囲に関する情報をクライアントシステム100(文書ビューア102)から受け取る。アノテーションサーバ212は、これらの情報(検索条件)に基づきアノテーションDB216内を検索し、適切なアノテーション内容を文書ビューア102へ返す。
【0136】
<アノテーション付与に関する処理>
次に、アノテーション付与に関する処理について、具体例を用いて説明する。先ず、文書の登録、読込み、アノテーション付与、保存までを説明する。
【0137】
<文書の登録処理>
図6は、以下に述べる具体例における文書DB224の構成例を示す図である。本例におけるそれぞれの文書は、コピー機の操作に関するマニュアルである。
【0138】
先にも述べたように、文書の登録は、登録したい文書へのURLやディレクトリへのパスで与えることとする。文書サーバ222は、受け取ったパスで示される文書の文書ID、文書名、文書本文を、文書DB224への文書の登録内容として、図6のように登録する。
【0139】
<文書の読込み処理>
文書の読み込みを希望する参加者は、文書ビューア102の文書読込みボタン114を押下する。この指示を受け付けた文書ビューア102は、文書読込み要求を文書サーバ222へ発信する。
【0140】
この通知を受けた文書サーバ222は、文書DB224内の文書名の一覧を作成し、文書ビューア102へ返す。ここでは“manual1.txt, manual2.txt, manual3.txt, manual4.txt”となる。文書ビューア102は、文書名の一覧をリストボックスなどで表示しユーザA(ユーザIDはuser1)へ選択を促す。
【0141】
ユーザAは、“manual2.txt”を選択したものとする。文書ビューア102は、“manual2.txt”が選択されたことを文書サーバ222へ通知する。文書サーバ222は、“manual2.txt”に付与される文書IDと文書本文を文書DB224より検索し、文書ビューア102へ返す。文書ビューア102は、受け取った文書本文を文書表示エリア104へ表示する。なお、文書サーバ222に全文検索機能などを設けると、読込みの対象として検索結果を提示することも可能である。
【0142】
<アノテーション付与処理>
図7は、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書にアノテーションを付与した状態の表示例を示す図である。読み手(ユーザA)は、文書表示エリア104に表示された文書に対して、興味や関心に応じて下線や丸などの印(アノテーション)を付与しながら文書を読む。ここではアノテーションデバイス170としてペン型のデバイスを利用する。この場合、紙に書き込むようにアノテーションを付与することができる。
【0143】
このとき、文書表示エリア104は、図7(A)に示されるように、実際には目に見えないが文字を含む矩形に区切られているものとする。文字の無い空白名部分や図表などの部分も適当な大きさの矩形に区切る。たとえば、前後の文字のフォントサイズを参考に適当な大きさの矩形に区切るとよい。それぞれの矩形には、各矩形を特定するための情報が付与される。たとえば、連続した矩形番号が左上から横方向に順に付与される。
【0144】
たとえば、コピー機のマニュアルの校正を行なう会議で、ユーザAはマニュアルのあるページの説明文の「原稿の中心を…」に着目して、図7(A)に示されるアノテーションa1を付与したとする。また、綴じ代を行なう操作にも注目してアノテーションb1を付与したとする。この後、2ページ目、3ページ目と読み進み、実際に操作を行ないながら注意すべき点などを、図7(B)のように3ページに亘ってアノテーションを付与したとする。
【0145】
<保存処理>
図8は、本事例において文書ビューア102がアノテーションサーバ212へ送る情報の一例を示した図である。また、図9は、本事例におけるアノテーションDB216の構成例を示す図である。また、図10は、本事例におけるアクションログDB214の構成例を示す図である。図9に示すデータの構成例は図5に示したものと同様である。
【0146】
ユーザA(ユーザIDはuser1)は、本システムの利用の際、事前に付与されているユーザIDと会議IDを入力して会議参加資格管理サーバ252に問い合わせることで個人認証をする。照合に合致すれば、本システムが利用可能となる。この後、ユーザAは、文書ビューア102の保存ボタン116を押下することによってアノテーションの保存を指示することができる。
【0147】
文書ビューア102は、この保存指示を受け付けると、アノテーションが付与された文書に対応するアノテーションID、端末ID、文書ID、アノテーションが付与された矩形の矩形情報、アノテーション内容、色形状、線種、ユーザID、会議ID、公開属性、ステータス、および時刻をアノテーションサーバ212へ送る。アノテーションサーバ212へ送る情報は、図8のようになる。ここで文書ビューア102の端末IDは“1”であるとする。
【0148】
図8のステータスの項目に着目すると、アノテーションID2,3は既に付与されていたものを読み込んで文書ビューア102上に表示したものであることが分かる。またアノテーションID2については、このユーザによりそれを消しゴムで消した状態であることが分かる。また、アノテーションID28,29は、このユーザにより新規に付与されたアノテーションであることが分かる。
【0149】
アノテーションサーバ212は、図8に示した情報を受け取り、アノテーションDB216へ格納する。ただし、最低でも、アノテーションID、ユーザID、文書IDの3つの組みで捉えたときに、唯一である必要がある。基本的には、既に同一のアノテーションIDもしくはアノテーションIDと文書IDとユーザIDの3つ組みがある場合は、受け取った情報をそこに上書きをする。単に閲覧だけされたアノテーションについては、事実上なんの変化も生じない。
【0150】
アノテーションサーバ212は、ステータスが“deleted”のものについて、アノテーションDB216に登録されているアノテーションIDとユーザIDと文書IDとの3組みで一致するレコードのステータスを“deleted”に変える(データを更新する)。また、アノテーションサーバ212は、ステータスが“New”のものについは、クライアントシステム100から受け取ったアノテーションデータのうちのステータスを“Exist”とし、残りの項目は受け取ったままで、アノテーションDB216にデータを追加する。
【0151】
図5(B)に示した状態のデータに対して、図8示した情報に基づいてアノテーションDB216の情報を更新した状態を図9に示す。アノテーションDB216には既に、文書ID2,3,4,5に対して所定の端末で付与されたアノテーションが所定数保存されている。図8に示した情報から、追加・変更の対象となるアノテーションIDは、ステータスが“deleted”であって消去されたことを示すID2,ステータスが“New”であって追加されたことを示すID28,29である。よって、この例では、アノテーションID28,29のアノテーション情報はアノテーションIDと文書IDとユーザIDの組合せで既存の登録がないので、図9に示すように新たな行として付け加えられる。また、アノテーションID2は既存のステータス情報が変更されているので、その部分が変更される。
【0152】
また、文書ビューア102は、ユーザA(ユーザIDはuser1)による保存指示を受け付けると、ログファイル格納部182に格納しているログファイルの内容もアノテーションサーバ212に送る。アノテーションサーバ212は、文書ビューア102から受け取ったログファイルを、図10に示すように、アクションログDB214に保存する。なお、アクションログDB214には、閲覧している文書のページが変更された時間(PAGE_OPEN )と文書を開いた時間(DOC_OPEN)も記録する。また、アノテーションが保存された時間(ANT_SAVE )も記録する。
【0153】
以上で、アノテーションや文書およびページに関する操作履歴の所定のデータベースへの保存が終了する。
【0154】
図11は、本事例におけるアノテーションDB216の他の構成例を示す図である。この構成例の場合、アノテーションは予めある纏まりによって1つのアノテーションに纏められる。たとえば、ある時間以内において書き込まれたアノテーションは1つのベクトルデータに纏められるとする。ここで「ベクトルデータ」とは、ある色や太さを持つ複数の座標点が書き込まれた時間順に纏められているデータである。
【0155】
<<付加情報の属性を利用した処理>>
次に、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書の斜め読みを支援する、あるいは文書の内容を素早く理解することを支援するための手法について、具体的に説明する。
【0156】
図12は、アノテーション処理に着目した電子会議システム1の構成例を示す図である。基本的な枠組みは、図1に示した全体構成図と相違ない。
【0157】
文書閲覧者(本例では会議への参加者)は、文書ビューア102の文書表示エリア104に表示された文書を読みながら、アノテーションデバイス170を用いて、興味を引く語句や文書を特徴づけている語句に下線や丸などの印(アノテーション)を書き込む。あるいは、メモ書きを付してもよい。
【0158】
これらの手書き入力(デジタルインク)された文書本体に対する付加情報に関する情報は、保存ボタンが押されることで、ネットワーク9を介してサーバシステム200に送信される(図8参照)。文書本体は、文書管理部220にて管理されている(図6参照)。この文書本体に対応するアノテーションなどの付加情報は、アノテーション管理部210のアノテーションDB216に、その文書本体に対応付けられて管理(保存)される(図9や図11参照)。そして、必要に応じて読み手から検索が指示されると、読み手が指定した付加情報の属性に適合する付加情報(たとえばアノテーション)をアノテーション管理部210を利用してサーチ(検索)する。
【0159】
図13は、図1に示した電子会議システム1について、文書に付加された付加情報の属性を検索キーとして、読み手から指示された付加情報を検索し文書ビューア102に表示させる機能に着目したブロック図である。なお、以下の説明では、図11に示すようなアノテーションがアノテーションDB216に保存されているものとする。
【0160】
情報表示処理システム3は、図示するように、検索条件決定部の一例であって、読み手から検索指示を受け付けるための検索要求指定部300と、検索を要求された付加情報がアノテーションDB216に登録済みか否かを検索し、該当品がある場合にはその検索結果を表示側へ送る検索処理部213と、検索処理部213から送られた検索結果を表示する表示処理部101とからなる。
【0161】
表示処理部101は、文書ビューア102とマネジャ部180とにおける表示処理に関わる部分で構成される。表示処理部101は、検索処理部213から送られた検索結果を表示する際に、ユーザが付加した付加情報(たとえばアノテーション)ごとに、その付加情報の表示態様を所定の条件に従って定まる重要度合いに応じて変更する付加情報表示制御部302と、この表示に対応するため検索処理部213から送られた検索結果を一時的に保持しておく一時格納部303とを備えている点に特徴を有する。
【0162】
ここで、閲覧者にとって重要なアノテーションであるのか否かの判定条件には様々なものを考えることができる。情報表示処理システム3を構築する場合、様々な閲覧者の多様な判定条件に適応するものとするのがよい。このため、本実施形態の付加情報表示制御部302は、付加情報の重要度合いを決定する条件を指定する(ユーザの指示を受け付ける)重要度条件指定部304を備えている。重要度条件指定部304は、閲覧者にとって重要なものであることの条件として、たとえば、確認したい付加情報の付与者(確認対象追記者)の条件や付加情報の新旧の条件などを、文書閲覧者から受け付ける。
【0163】
また、付加情報表示制御部302は、この重要度条件指定部304を介して指定された個々の付加情報の重要度合いを文書に対応付けて個々に管理している管理サーバ(本例ではアノテーション管理部210)に照会することで、表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得する重要度取得部306と、重要度取得部306が取得した重要度合いに応じて表示を要求された付加情報の表示態様を変更する表示態様制御部308とを、さらに有している。
【0164】
<付加情報の一時的な表示態様切替え>
次に、この表示処理部101の表示制御機能を利用した付加情報の表示態様の第1実施形態について説明する。第1実施形態の表示態様は、閲覧者にとって重要なものであることの条件として確認対象追記者が指定された場合におけるものである点に特徴を有する。この場合、付加情報表示制御部302は、付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者についての付加情報の表示の際に、この確認対象追記者が追記した付加情報の特徴を表した色、形状、線種、およびフォント種などの属性の設定値を、その付加情報の通常の設定値とは異なるものにして表示する。
【0165】
このため、図13に示した重要度取得部306は、個々の付加情報とこの付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理しているアノテーション管理部210の登録情報を参照して付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を取得する確認対象追記者取得部として機能する。表示態様制御部308は、確認対象追記者取得部として機能する重要度取得部306により取得された確認対象追記者により付与された付加情報の属性設定値を通常の設定値とは異なるものにすることで、確認対象追記者についての付加情報を表示させる。
【0166】
対象ユーザの付加情報の表示態様を一時的に切り替える際には、他のユーザの付加情報(たとえばアノテーション)については、設定値を通常の状態に維持して表示させる。つまり、他のユーザの付加情報の表示に影響を与えないようにする。
【0167】
ここで、付加情報の表示態様を一時的に通常の表示態様とは異なるものに切り替えて表示させる手法としては、濃度(コントラスト/ブライト)を変化させて表示させる、フォント(種類やサイズ)を変化させて表示させる、文字色を変化させて表示させる、文字の背景色を変化させて表示させる、下線やべた塗りを付す、など強調語/センテンス選択手法指示部186における強調表示手法と同様の手法を利用することができる。
【0168】
何れにしても、付加情報の何れかの属性(色、形状、線種、フォント種など)に応じたプロパティ(Properties;設定項目の値)を変化させればよい。たとえば、文字やマークを付すテキストアノテーションであれば、強調語/センテンス選択手法指示部186における強調表示手法と全く同様の手法を利用できるし、線を付すアノテーションであれば、文字に関係したもの(フォント種;フォント名やサイズ)以外の手法を同様に利用できる。
【0169】
一時的に変化させたときの認識能の観点では、色を切り替える手法が好ましいと考えられる。たとえば、アノテーションとして付与された線の色を一時的に他の色に切り替えるなどである。また、色を変化させる場合、色の3成分(色相、彩度、明度)の少なくとも1つを変化させればよいが、認識能の観点では、色相を切り替えるのが好ましい。視覚上、色相変化に対する感度が高いからである。
【0170】
また、付加情報表示制御部302は、付加情報の何れかの属性(色、形状、線種、フォント種など)の1つのプロパティのみを切り替えるものとしてもよいが、色、形状、線種、およびフォント種のうちの何れか複数を任意に組み合わせて、それぞれのプロパティを切り替えるようにしてもよい。
【0171】
また、付加情報表示制御部302は、表示中の文書に追記されている付加情報(たとえばアノテーション)のうちの、確認対象追記者以外の追記者である一般追記者についての付加情報の通常の設定値とも異なるものにして、確認対象追記者についての付加情報を表示させるようにするものであるとよい。
【0172】
また、文書を複数ページに亘って捲りながら確認するケースもある。この場合、付加情報表示制御部302は、開いている文書の全てのページに亘って付加情報のそれぞれの通常の設定値と異なるものにして、確認対象追記者についての付加情報を表示させるとよい。
【0173】
また、複数の文書を同時に開いて確認するケースもある。この場合、付加情報表示制御部302は、開いている複数の文書についての付加情報のそれぞれの通常の設定値と異なるものにして、確認対象追記者についての付加情報を表示させるとよい。
【0174】
検索要求指定部300が読み手から検索指示を受け付ける際には、文書ビューア102に指示入力ための検索指示ウィンドウを表示させる。この機能は、文書ビューア102の検索ボタン118が読み手により押下されることで起動する。読み手は、表示された検索指示ウィンドウ画面にて、付加情報の属性、たとえばアノテーションであれば、色、形状、あるいは線種(線の太さや線の種類)などを指定し、またテキストメモであれば、フォント種(フォントの種類やサイズ)や色あるいはテキストブロックの形状や色(外枠と塗り潰しの有無)などを指定する。
【0175】
図14は、文書ビューア102で、ユーザ表示ボタン126が押下されたときに文書表示エリア104に表示されるユーザ一覧ウィンドウの一例を示した図である。図15は、図7の文書の画像が表示されている状態で、後述する処理を施した後の画面の一例を示す図である。
【0176】
以下、図14および図15を参照して、付加情報表示制御部302の第1の処理手法を説明する。たとえば、クライアントシステム100は、文書ビューア102のユーザ表示ボタン126が読み手により押下されるとユーザ色指定モードに移行し、ユーザ一覧ウィンドウ311を文書表示エリア104に表示する。ユーザ一覧ウィンドウ311の右上表示されている閉じるボタン319を押すと、このユーザ一覧ウィンドウ311が閉じられる。
【0177】
ユーザ一覧ウィンドウ311の左下には、文書ビューア102で開いている文書に対してアノテーションを付けているユーザ名をリスト表示するためのユーザ名欄322、およびユーザ名欄322のリスト表示を捲るための捲りボタン326からなるユーザ名一覧部320が表示される。捲りボタン326を構成する左右の方向を向いた各サブボタンは、次候補がある場合に強調表示(たとえば所定の色で塗り潰し)され、そのボタンの使用が有効となる。図示した例では、何れの方向も強調表示されておらず、現時点では、ユーザ名欄322にリスト表示されているユーザAからユーザDまでの4人(ユーザIDはそれぞれuser1〜user4)がアノテーションを付けていることを示している。
【0178】
表示チェックボックス328に、チェック(×点)が付いているユーザのアノテーションデータがアノテーションDB216より取り出され文書ビューア102で表示される。本例の場合、ユーザA(IDコードはuser1)のアノテーションデータのみが表示される(図7参照)。
【0179】
複数の表示チェックボックス328にチェック(×点)を付すことで、表示対象のユーザを複数指定することができる。ただしこの場合、各人が使用するアノテーションの属性を自由に選択可能としておくと、同じ属性のアノテーションを複数人が使用するケースも生じるので、表示されたアノテーションが誰により付与されたものであるのかを直ちに判断することはできない。
【0180】
そこで、本実施形態の電子会議システム1では、アノテーション属性のうちの色を、ユーザごと(人物属性)に割り当てる(対応付ける)ことで、この問題を解消する。以下、その手法を具体的に説明する。
【0181】
色の塗り直しや現在の色の状態を表示する対象ユーザであるカレントユーザは、ユーザ名一覧部320における破線の枠で囲まれたユーザである。ユーザ名一覧部320にリスト表示された所望のユーザ名をクリックすることで、カレントユーザを切り替えることができる。
【0182】
また、ユーザ一覧ウィンドウ311の右下には、ユーザに割り当てる色を設定するための画面が表示される。たとえば、図示するように、黒枠内が所定の色に塗られた(プリセットされた)複数の色ボタン(カラータイル)372およびこれらの色ボタン372以外の色を指定するための色指定ボタン374からなる色指定部370と、塗直しを指示するための塗直しチェックボックス376と、表示を更新するための更新ボタン378とが表示される。
【0183】
色指定ボタン374をクリックすると、プリセットされた複数の色ボタン372よりも多くの色ボタンからなるパレットウィンドウが表示されて何れかを選択可能となる。色ボタン372のプリセット色(カラータイルの色)をユーザの所望する色に変更することもできる。このとき、たとえば、R(赤),G(緑),B(青)の各データ値(8ビットの場合0〜255)を数値入力する、あるいはスライドバーを調整するなどして、任意の色を指定することも可能である。
【0184】
ユーザ一覧ウィンドウ311の更新ボタン378(図2の更新ボタン120でもよい)が押されると、文書ビューア102は、アノテーションサーバ212を介してアノテーションDB216から最新のアノテーションデータを取得し表示する。このとき、表示チェックボックス328がチェックされているユーザのアノテーションデータのみを取得してもよいし、全員分を取得後、表示チェックボックス328がチェックされているユーザのアノテーションのみを表示するようにしてもよい。
【0185】
オペレータ(このユーザ一覧ウィンドウ311を操作しているユーザ)は、ボタン372,374にてカレントユーザに割り当てる色のプロパティを指定することで、表示モードを確認モードに移行させる。
【0186】
たとえば、先ず、塗直しチェックボックス376をチェックし、カレントユーザの色のボタンの枠線を太く表示させる。このとき、その時点にてカレントユーザに割り当てられている色がプリセットされた色ボタン372以外のものであるときは、色ボタン372の右側の空欄に、カレントユーザに割り当てられている色ボタンが表示される。
【0187】
色指定ボタン372(若しくはその右側の空欄に表示されたボタン)を押すとカレントユーザのアノテーションの色がボタンの色に統一される。塗直しチェックボックス376をオフにするとアノテーションDB216に保存された色に戻る。
【0188】
なお、黒枠で選択されたボタン372の色を他の色にしたい場合には、オペレータは、プリセットされた他の色ボタン372を押したり、その他の色ボタン374を押してパレットウィンドウを表示させることで、所望の色を選択することができる。
【0189】
たとえば、図7の文書の表示状態では、赤色のアノテーションが2箇所(a1,a2)に付されている。この時点では、このアノテーションa1,a2が誰によって付与されたものであるのかを判定することはできない。ここで、ユーザ一覧ボタン126を押すと、図14(A)のようなユーザ一覧ウィンドウ311が表示される。塗直しチェックボックス376をチェックすると図14(B)に示すように赤色のボタンの枠線が太く表示される。
【0190】
さらに、ユーザA以外のユーザのアノテーションを表示させている場合、図7の文書に付されているアノテーションa1,a2の赤色と同じであるので、ユーザAが付与したアノテーションであるかもしれないが、他のユーザB〜Dが赤色で付与したものであるかもしれない。つまり、この時点でも、やはりアノテーションa1,a2が誰によって付与されたものであるのかを特定することはできない。
【0191】
次に、図14(C)に示すように、現時点の色と異なる緑色のボタンを押すと、表示モードが確認モードに移行し、アノテーションの色が図15に示すように緑色に変更される。これによって、図7の文書に付されていたアノテーションa1,a2は、ユーザAが付与したアノテーションと特定することができる。
【0192】
上記説明では、アノテーションa1,a2の何れもが緑色に変化したものとして説明したが、何れか一方であってもよい。緑色に変化した方が、ユーザAが付与したアノテーションであるのはいうまでもない。また、色変化がなければ、アノテーションa1,a2の何れも、ユーザAの付与したものでないことになる。
【0193】
以上のように、確認対象ユーザについて、一時的に、アノテーションの色を統一して他の色で表示することで、カレントユーザが付与したアノテーションを容易に判定することができる。
【0194】
確認後は、図14(C)において、色塗り直しのチェックボックスのチェックを外すことで通常モードに移行させる。これにより、文書ビューア102のアノテーションの色は元に戻り(図7)、アノテーション一覧表示ウィンドウ311の表示も図14(A)に戻る。
【0195】
図16は、付加情報表示制御部302の第1の処理手法の問題点と第2の処理手法を説明する図である。第1の処理手法の説明では、1画面内に表示されているアノテーションの色が1色であるものとして説明した。
【0196】
しかしながら、1画面内の文書にて使用されるアノテーションは、同一人のものに限らないし、使用される色も1色とは限らず、複数色であるケースもある。たとえば、図16(A)に示すように、同一ユーザが複数色を使用する第1のケース、図16(B)に示すように、複数のユーザが同一ページに異なる色でアノテーションを付していてかつ同一ユーザが1色を使用する第2のケース、図16(C),(D)に示すように、複数のユーザが同一ページにアノテーションを付していてかつ同一ユーザが複数色を使用する第3,第4のケース(第1/第2の組合せ)があり得る。
【0197】
第1〜第4の何れも、下側の2箇所は赤色のアノテーション、上側の3箇所は緑色のアノテーションとなっている。このような状態のアノテーション色の形態では、個々のアノテーションが誰により付与されたものであるのかを色だけで判断することはできない。
【0198】
これらのケースにて第1の処理手法を適用すると、塗直しチェックボックス376をチェックし、カレントユーザの色のボタンの枠線を太く表示させるときの色は、その時点にてカレントユーザに割り当てられている色であるが、複数の色が使用されているので、何れのボタンに黒枠を付けて表示するかが問題となる。また、複数の全てに表示する若しくは複数のうちの何れか1色(たとえば使用比率の多い方)を自動選択するということも考えられるが、何れの場合でも、切り替え後の色との関係で問題を有する。
【0199】
たとえば、第1のケースにて、ユーザAの赤色を緑色に変化させる。そうすると、下部の赤色のアノテーションの色が緑色に変化し、ユーザAによるものであることが分かる。ところが、上部のアノテーションは元々緑色であるので変化しない。この場合、第1の態様なのか第2の態様なのかを区別できない。
【0200】
説明は割愛するが、第3や第4のケースでも同じで、何れにしても、指定した色への変化があることを根拠にアノテーションを付与したユーザを特定するものであるので、切り替えた後の色が同一画面内にあると、その部分は色変化がなく、そのアノテーションを付与したユーザを特定することはできない。
【0201】
また、その画面にてユーザAが使用している全ての色を提示し、これとは異なる色をユーザAに選択させたとしても、問題は解決しない。なぜなら、図16(D)の右側に示すように、ユーザCが橙色のアノテーションを使用しているケースで、その画面にてユーザAが使用している全ての色(赤、緑)とは異なる橙色に変化させると、切り替わった部分はユーザAによるものと判定できる。しかしながら、この場合、全てが橙色になるため、ユーザCによる橙色のアノテーションもユーザAによるものと判断されかねない。
【0202】
そこで、第2の処理手法では、切り替え後の色の指定に制限を加えることで、上述の問題を解決する。具体的には、「ユーザを問わず、同一画面内で、アノテーションに使用されている全ての色」と競合しない色のみを指定可能にする。確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション色は変更しない。
【0203】
「競合しない色」は、同一色を除くことは当然として、近似(類似)する色も除外することが好ましい(後述する第3の処理手法でも同様である)。
【0204】
このとき、プリセットされた色ボタン372の何れかを先ず優先して自動的に選択するとよい。プリセットされた色ボタン372から自動選択できないときは、それ以外の色を自動的に生成すればよい。
【0205】
他のユーザとの関係でも「競合しない色」としたのは、先にも述べたように、カレントユーザのアノテーションの色を指定した色に統一させて表示させたにも拘わらず、その色が他のユーザの使用中の色と同じか若しくは近似していると、カレントユーザが付与したアノテーションと他のユーザが付与したアノテーションとの峻別ができないからである。その程度は、人によっても異なるので、どの程度の非類似であればよいかは、一概に言えない。何れにしても、設定値を変化させたとき、表示差が分かる程度であればよい。
【0206】
以上のように、第2の処理手法によれば、1画面内でアノテーション色が複雑に組み合わされて使用されている場合でも、一時的に、アノテーション色を統一して表示するとともに、その色を、全ユーザが使用中の全ての色と競合しない色とすることで、カレントユーザが付与したアノテーションと他のユーザが付与したアノテーションとを切り分けることができる。また、カレントユーザに割り当てられている色を明示しておけば、何れのアノテーションがカレントユーザによって付与されたものであるのかを容易に判定することができる。
【0207】
加えて、確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション表示はそのまま維持しておくので、確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション表示に影響を与えることがない。また、確認対象ユーザが付与したアノテーション色や位置あるいは形状と確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション色や位置あるいは形状とを比較することも容易であり、各ユーザの意識の違いなどを判定する上でも都合がよい。
【0208】
図17は、付加情報表示制御部302の第3の処理手法を説明する図である。第1および第2の処理手法は1画面内のアノテーションの峻別について説明したものであるが、この第3の処理手法は、複数のページに亘って確認する場合に好適な手法である。
【0209】
図示するように、3ページに亘る文書において、1ページ目にはユーザAによる赤(a11,a12,a13)とユーザCによる青(c11)のアノテーションが付与され、2ページ目にはユーザAによる緑(a21)とユーザBによる赤(b21)・緑(b22)とユーザCによる赤(c21)のアノテーションが付与され、3ページ目にはユーザAによる赤(a31)・緑(a32)とユーザCによる橙(c31)のアノテーションが付与されている。
【0210】
ここで、1ページ目にて第2の処理手法を適用した場合においてカレントユーザをユーザAとして確認する場合、「ユーザを問わず、この1ページ内で、アノテーションに使用されている全ての色(ここでは赤・青)と競合しない色」である緑色へ塗り直しすれば、ユーザAが付与したアノテーションの赤色が緑色に変わる。よって、ユーザAによる3箇所a11,a12,a13全てのアノテーションがユーザAによるものであると判定することができる。
【0211】
ところが、この状態で、2ページ目に捲ると、ユーザAが付与したアノテーションa21は緑色を維持するので、ユーザBによる赤(b21)およびユーザCによる赤(c21)との峻別は可能であるが、ユーザBによる緑(b22)との峻別は不可能である。
【0212】
このとき、たとえば1ページ目の色情報も勘案して「ユーザを問わず、これまでの全ページ内(ここでは1,2ページ)で、アノテーションに使用されている全ての色(ここでは赤・青・緑)と競合しない色」である橙色へ塗り直しすれば、ユーザAが付与した2ページ目のアノテーションの緑色が橙色に変わる。よって、ユーザBによる緑(b22)との峻別も可能となり、ユーザAによるa21のアノテーションがユーザAによるものであると判定することができる。1ページ目に戻っても、ユーザAによる全てのアノテーションa11,a12,a13は橙色に維持されるので、他のユーザ(ここではユーザC)による青(c11)との峻別は可能である。
【0213】
しかしながら、この状態で、3ページ目に捲ると、1ページ目から2ページ目に捲ったときと同様の問題が生じる。すなわち、3ページ目には変更後の色(ここでは橙色)が他のユーザ(ここではユーザC)により既に使用されているので、この他のユーザにより付与されたアノテーション(ここではc31)との峻別が不可能となる。2ページ目における対処と同様に、確認のための表示色をさらに他の色に変更すればよいが、その都度変更指示を発しなければならず、面倒である。
【0214】
そこで、第3の処理手法では、第2の処理手法と同様に、切り替え後の色指定に制限を加える手法を採用するとともに、その際の参照範囲を「ロード中の文書ファイルの全ページ」とする。すなわち、「ユーザを問わず、ロード中の文書ファイルの全ページ内で、アノテーションに使用されている全ての色」と競合しない色のみを指定可能にする。第2の処理手法と同様に、確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション色は変更しない。
【0215】
こうすることで、何れかのページで色変更を指示すれば、どのページに捲っても、確認対象ユーザのアノテーション色を、確実に他のユーザが使用中の色と異なるものとすることができる。
【0216】
以上のように、第3の処理手法によれば、複数ページに亘ってアノテーション色が複雑に組み合わされて使用されている場合でも、一時的に、アノテーションの色を統一して表示するとともに、その色を、複数ページについて全ユーザが使用中の全ての色と競合しない色とすることで、カレントユーザが付与したアノテーションと他のユーザが付与したアノテーションとを確実に切り分けることができる。よって、ページ捲りをしながら確認する場合であっても、カレントユーザによって付与されたアノテーションと他のユーザによるアノテーションとを容易に峻別することができる。
【0217】
加えて、第2の処理手法と同様に、確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション表示はそのまま維持しておくので、確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション表示に影響を与えることがない。また、ページ捲りをしながら、確認対象ユーザが付与したアノテーション色や位置あるいは形状と確認対象ユーザ以外のユーザが付与したアノテーション色や位置あるいは形状とを比較することも容易である。
【0218】
たとえば、複数の添削者が同じ文書に対して添削を行なう場合であって、かつ複数ページに亘って様々な添削情報が入り交じるケースでも、確認対象添削者についてのアノテーション色を第3の処理手法のようにして指定すれば、確認対象添削者による添削部分の色と他の添削者による添削部分の色とを確実に異なるものとすることができ、1人による一貫した文書添削の指示が分かり易くなる。
【0219】
また、複数の注釈者が同じ文書に注釈を施す場合であって、かつ表示の際に様々な人の注釈情報が入り交じるケースでも、確認対象注釈者による注釈部分の色と他の注釈者による注釈部分の色とを確実に異なるものとすることができ、希望する注釈者による注釈部分を確実かつ容易に選択することができる。
【0220】
なお、この第3の処理手法は、複数のファイルを同時にロードして表示(たとえば並べて表示)する場合にも適用可能である。この場合、「ユーザを問わず、ロード中の全ての文書ファイルの全ページ内で、アノテーションに使用されている全ての色」と競合しない色のみを指定可能にすればよい。
【0221】
図18は、付加情報表示制御部302の第4の処理手法を説明する図である。図18に示すように、アノテーションDB216内に「ユーザと色属性の対応テーブル」を備えるものとする。この対応テーブルは、特権ユーザ(たとえば議長)のみにより変更可能に構成してもよい。
【0222】
この第4の処理手法では、各ユーザのアノテーションデータの色情報は、「ユーザと色属性の対応テーブル」のものに置換されて文書ビューア102に送信される。つまり、アノテーションDB216から読み出したアノテーションを文書ビューア102に送付する際、全ユーザについて、予め、ユーザごとに異なる色でアノテーションが表示されるようなアノテーション情報に置換する。この結果、参加者ごとのアノテーションの色を固定して表示することができ、最初から、ユーザを色で識別できるようになる。
【0223】
この第4の処理手法は、たとえば、会議の場に利用すると好適である。すなわち、会議支援などで、議長が人物属性に色を割り当てることにより、その人物が付与したアノテーションを割り当てた色で再現することができる。これにより、各ユーザが付与したプロパティを他人が付与した付加情報と峻別するのが容易となるとともに、多数ある個々のプロパティがそれぞれ誰により付与されたかも一目で判別することができるようになる。たとえば、意見集約をする際にも、誰の意見であるのかを容易に判定することができる。
【0224】
なお、第4の処理手法では、アノテーションの色をユーザごとに固定することとしていたが、色に限らず、その他の属性(たとえば形状や線種)をユーザごとに固定するものであってもよい。また、アノテーションの複数の属性を任意に組み合せて、それぞれの属性をユーザごとに固定してもよい。
【0225】
上記第1〜第4の処理手法の説明では、文書本体に対する付加情報の一例としてアノテーションを一例に説明したが、付加情報はアノテーションに限らない。たとえば、テキストメモやスタンプマークなどでも、同様に適用可能である。たとえば、テキストの色を一時的に切り替えることで、テキストメモ(テキストアノテーション)が誰により付与されたものであるのかを容易に判別することができる。
【0226】
<付加情報の風化表示>
次に、表示処理部101の表示制御機能を利用した付加情報の表示態様の第2実施形態について説明する。この第2実施形態の表示態様は、閲覧者にとって重要なものであることの条件として付加情報の新旧の度合いが指定された場合におけるものである点に特徴を有する。この場合、付加情報表示制御部302は、文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴に基づいて得られる表示要求された付加情報についての生成後の経過時間に応じて、その表示要求された付加情報の表示態様を変更する。
【0227】
表示処理部101の構成は、図13に示したものと同様のものでよい。ただし、付加情報表示制御部302は、付加情報の表示を退化させる風化表示機能を備えるものとする。このため、図13に示した重要度取得部306は、文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を文書に対応付けて個々に管理している管理サーバ(アノテーション管理部210)に照会することで、表示要求された付加情報に対する生成後の経過時間を求める経過時間取得部として機能する。表示態様制御部308は、経過時間取得部として機能する重要度取得部306により取得された経過時間に応じて、表示要求された付加情報の表示態様を変更する。
【0228】
たとえば、文書は生成された直後に頻繁に使用されるが、ある一定時間を過ぎると数ヶ月や何年かの間隔をおいて使用される傾向がある。その間に世の中や使用者の状況は変化する。また、数ヶ月や何年も前にある者(本人でもよいし他人でもよい)により予めアノテーションが付与されている文書を閲覧したり、その文書を作業対象としてアノテーション付与作業を開始したりする場合が起こり得る。このとき、新しいものは重要で古いものは不要なものであるケースにおいて、文書に付与されたアノテーションを古いものも新しいものも区別なく付与時点の状態で同等に提示したのでは、重要なものと不要なものとを表示態様によって切り分けることができない。
【0229】
これに対して、第2実施形態の情報表示処理システム3では、アノテーションの新規付与時間、属性や位置の変更などがあった場合には変更前のアノテーションの生成時間と変更後のアノテーションの生成時間、そして消去されたアノテーションの消去時間などをアノテーションのアクセス履歴として、アノテーションごとにアノテーションDB216に登録・管理している。
【0230】
これにより、付加情報表示制御部302は、管理されているアクセス履歴に基づいて表示要求されたアノテーションに対する生成後の経過時間を求め、この経過時間に応じて、人間の視覚特性上の感度が低下する方向に退化させるなどして、新旧の度合いに応じた表示態様にすることができる。たとえば、付加情報(具体的にはアノテーション)を付けた時間から経過するごとに、その付加情報(アノテーション)の表示が退化していき、ユーザにその付加情報の古さを知らせることができる。つまり、新旧によって表示態様を切り替えることで、重要なアノテーションと不要なアノテーションとを表示態様によって切り分けることができる。
【0231】
文書に付与されたアノテーションを、時間の経過とともに風化表示させる手法としては、人間の視覚特性上、時間経過に連れてアノテーションに対する感度が漸次(連続的に限らず段階的でもよい、以下同様)低下していくようなものとすればよい。視覚強度が漸次低下するようにアノテーション表示を変化させる表示(以下、風化表示ともいう)手法は、強調語/センテンス選択手法指示部186における強調表示手法と同様の手法を利用することができる。
【0232】
たとえば、濃度(コントラスト/ブライト)を漸次(連続的に限らず段階的でもよい、以下同様)低下させて表示させる、フォントサイズを漸次小さくさせて表示させる、表示色を視覚感度の低下するものに漸次低下させて表示させる、背景色との兼ね合いで漸次アノテーションが目立たないように変化させて表示させる、文字などに下線やべた塗りしたアノテーションであればその下線やべた塗りの視覚強度が漸次低下するように変化させる、などの手法を用いるとよい。
【0233】
表示色を風化表示させる際には、明度(輝度)の情報を一定に維持しつつ色相を維持して色に対する視覚強度が漸次低下するように変化させるなど、明度(輝度)の情報を一定に維持しつつ色相も視覚強度が漸次低下するように変化させる、前記2つの手法において明度も視覚強度が漸次低下するように変化させる、などの手法を採ることができる。
【0234】
何れにしても、付加情報の何れかの属性(色、形状、線種、フォント種など)に応じたプロパティ(Properties;設定項目の値)を、アノテーションに対する視覚強度が漸次低下する方向に変化させればよい。付加情報の何れかの属性(色、形状、線種、フォント種など)の1つのプロパティのみを切り替えることで風化表示させてもよいが、これに限らず、たとえば、前述した種々の変化態様を任意に組み合わせるなど、色、形状、線種、およびフォント種のうちの何れか複数を任意に組み合わせて、それぞれのプロパティを切り替えることで風化表示を実現してもよい。たとえば、文字やマークを付すテキストアノテーションであれば、強調語/センテンス選択手法指示部186における強調表示手法と全く同様の手法を利用できるし、線を付すアノテーションであれば、文字に関係したもの(フォント種;フォント名やサイズ)以外の手法を同様に利用できる。
【0235】
なお、風化表示させる際には、変化させたときの認識能の観点では、色を漸次風化させる(褪色させる)手法が好ましいと考えられる。また、色を褪色させる場合、前述のように、色の3成分(色相、彩度、明度)の少なくとも1つを変化させればよいが、認識能の観点では、色相を維持しつつ、彩度を(好ましくは明度も)漸次低下させることが好ましい。視覚上、色相変化に対する感度が比較的高いので、色相を維持して無彩色方向へ漸次退化させる手法が好ましいと考えられる。
【0236】
このような付加情報に対する風化表示の機能は、次のような場合に役立つと考えられる。たとえば、
1)アノテーションの経過時間を感覚的にユーザに知らせる。
2)現在の議論によるアノテーションと過去のアノテーションを区別する。
3)アノテーションの表示状態から文書に対する活動状況を把握する。
【0237】
文書は生成された直後に頻繁に使用されるが、ある一定時間を過ぎると数ヶ月や何年の間隔をおいて使用される傾向がある。その間に世の中や使用者の状況は変化する。アノテーションが経時変化をしなければ、古いもの新しいものは同等に提示される。経時変化を伴って表示されれば、それぞれが別々の時期に記述されたものであるかを判別することができる。
【0238】
以下、第2実施形態の表示態様の特徴である風化表示の具体例について、時間経過とともにアノテーションを褪色させる例で説明する。この場合、アノテーションを付けた時間から経過するごとにアノテーションが色褪せていき、ユーザにそのアノテーションの古さを知らせることができる。
【0239】
図5(B)に示したように、アノテーションDB216には、アノテーションが生成(格納)された時刻が記録されている。この時刻と現在時刻の差を取って経過時間を求め、色褪せた色を計算する。この処理はアノテーションDB216が存在するサーバ側で行なっても、クライアント側の文書ビューア102側で行なっても構わない。
【0240】
色褪せた色を計算するに際しては、明度情報と色情報とを独立に制御可能な色空間上の画像データを処理対象データとして取り扱うとよい。たとえば、典型例としては、デバイス非依存の色空間であるLab(正しくはL、L;明度;a,b;色度)色空間が好ましい。一般的には、表示デバイス(出力デバイス)が取り扱う画像データは、デバイス依存のRGB色空間で表された画像データRGB(R;赤、G;緑、B;青)である。この場合、画像データRGBを画像データLabに色変換(色空間の変換)すればよい。
【0241】
図19は、時間経過とともにアノテーションを漸次褪色させる手法を説明する図である。処理対象の画像データとして、前述のように、Lab色空間のデータを使用する。先ず、白地原稿上に濃度の濃い文字や絵柄が表されている文書を取り扱い、図示したLab色空間の原点Oは、その白地原稿の地色である“白”を意味するものとして説明する。この場合、表示色を退化させる(褪色させる)方向は、表示色を白地原稿と同色にする方向である。
【0242】
白地原稿上に表されている文字や絵柄を示すLab色空間上の座標点は明度データLと色度データa,bとで示される。色相は色度データa,bのなす角、彩度は色度データa,bの大きさ(2乗和)で表すことができる。
【0243】
よって、明度および色相を一定に維持しつつ表示色を退化させる(褪色させる)には、図19(A)に示すように、Lab色空間上の付与時のLab値(P1点)を始点として、時間の経過に応じて明度データLを一定に維持しつつL軸方向(無彩色方向)に移動させる。そして、このときのab平面上における色度データa,bのなす角を一定に維持するように、色度データa,bの比(b/a)を一定に維持しつつ両者を小さくすることで、P2点から原点O方向へ漸次変化させるとよい。
【0244】
また、色相のみを一定に維持しつつ明度も漸次退化させるときには、図19(B)に示すように、明度についても、P1を始点として原点O方向へ漸次変化させるとよい。
【0245】
上述の説明では白地原稿を対象として説明したが、他の色の原稿であっても同様に考えることができる。たとえば、黒地原稿を対象とする場合、図19に示したLab色空間と原点Oにおいて、Lab値の取り方(濃度に対する値の方向)を逆にして考えるだけでよい。また、他の地色の原稿であれば、原点Oに代えてその地色を示す色点を原点として考え、付与時のLab値(P1点)を始点として、時間の経過に応じてその地色を示す色点方向に漸次変化させるとよい。
【0246】
図20は、時間経過とともにアノテーションを漸次褪色させる処理手順の一例を説明する図である。ここで、図20(A)は処理手順の一例を示したフローチャートである。また、図20(B)は、この処理にて使用する色と関数の対応表の一例を示す図表である。なお、ここでは、クライアント側で色褪せた色を計算する例を示している。
【0247】
先ず、アノテーションデータの要求により、文書IDやユーザの指定が文書ビューア102側である(S100)。文書ビューア102は、この情報をサーバシステム200側に送り、アノテーションデータを取得する(S102)。表示処理部101の付加情報表示制御部302は、サーバシステム200(アノテーション管理部210)から取得したアノテーションを文書ビューア102の表示面に表示させるときには、先ず、文書ビューア102の「色褪せ表示機能」がオンか否かを判定する(S104)。
【0248】
「色褪せ表示機能」がオンに設定されているときには(S104−YES)、付加情報表示制御部302は、ステータスが「Exist」の表示対象アノテーションについて、アノテーションDB216を参照して、アノテーション付与されてからの経過時間(=現在時刻−アノテーション生成時刻)を求める(S106)。そして、予め決めておいた時間で示される褪色関数f(経過時間)に求めた=に経過時間を代入して、表示アノテーション色を決定する(S108)。そして、このようにして求めた表示アノテーション色にて、表示対象アノテーションを文書ビューア102の文書表示エリア104に表示させる(S110)。
【0249】
なお、人によって減衰曲線を変えたり、色などの属性によって減衰曲線を変えたりすることが可能である。このとき、褪色関数fは複数用意しておき、各アノテーションの属性ごとに関数を適用してもよい。たとえば、図20(B)のように、色と関数の対応表を予め用意することによりアノテーションの色によって適応する関数を変えてもよい。また、色に限らず、アノテーションが持つその他の属性、たとえばユーザIDや公開属性などと関数の対応表を用意し適用することもできる。
【0250】
このように、経過時間とそのアノテーションの属性に応じて表示様態も変更することが可能である。褪色関数は時間の関数であることに変更はないが、関数を複数個用意して、アノテーションの属性である色やユーザによって関数を変更することで、たとえば、専門家のアノテーションの風化を一般の人のそれより遅めたり、決定事項等の半永久的な書き込みが特定の色でなされている場合はその色の風化を遅めたりする、といった効果が得られる。
【0251】
なお、予め決めておく褪色関数f(経過時間)としては、様々なものを定義することができる。たとえば、ユーザが設定可能な項目としては、以下のようなものが考えられる。
1)最低の表示色になるまでの期間を示す、時間に対する色褪せ度
2)色褪せ方(変化の割合)の設定である色褪せの明度や彩度
たとえば、単に薄くなるか、またはグレーやセピア色などに変化していくのかを設定する。
3)色褪せ機能のオン/オフ
色褪せるようにするか否かの設定はユーザが任意に設定できる。
【0252】
図21は、時間経過とともにアノテーションなどの付加情報を風化表示させる際に使用される関数の一例を説明する図である。図は一般化して示したもので、アノテーションが付与されてからの経過時間と視覚感度との関係を示す線分により関数の状態が示されている。
【0253】
表示態様の変化度合いを示す退化関数は、1次関数や2次関数などにより、様々なパラメータによって示すことができ、また実際に表示態様が変化し出す始点や終局点を指定することもできる。終局点の指定は、感度側のパラメータで指定してもよいし、経過時間側のパラメータ(時間)で指定してもよい。また、連続的に漸次変化するものに限らず、階段状に変化するものであってもよい。付加情報表示制御部302には、これらの特性を決定するパラメータ(変化割合など)の指定を閲覧者から受け付ける機構を設けておくことで、その特性を閲覧者が可変自在に構成するのがよい。
【0254】
たとえば、図21(A)において、線分F1は、最も典型的なもので、アノテーション付与直後(始点0)から1次関数的に時間経過とともに感度ゼロ(図では原稿地色と同じ状態)の方向へ変化する特性を示している。また同図の線分F2は、アノテーション付与直後(始点0)から時間t1を経過するまでは初期状態C0を維持し、時間t1を始点として1次関数的に時間経過とともに感度ゼロの方向へ変化する特性を示している。また同図の線分F3は、アノテーション付与直後(始点0)から3次関数的に時間経過とともに感度ゼロの方向へ変化する特性を示している。何れも、感度ゼロの時点が終点t2となる。そして、大幅に過去に付与されたアノテーションは視認不可の状態にするようになっている。
【0255】
また、図21(B)において、線分F4は、アノテーション付与直後(始点0)から1次関数的に時間経過とともに感度ゼロ(図では原稿地色と同じ状態)の方向へ変化するが、予め設定されている終局点の条件に合致したときを終点t2とする特性を示している。この場合、終点t2以降の表示態様として、終点t2における状態C1を維持するのか感度ゼロの状態C2とするのかの2つを選択することができる。
【0256】
状態C2にする方式では、大幅に過去に付与されたアノテーションは視認不可の状態にするようになっており、旧アノテーションが目障りでかつ所定期間以上古いものは全て表示オフにする場合に有効である。これに対して、状態C1にする方式では、大幅に過去に付与されたアノテーションであっても、視認性能を低下させた状態で表示させることができ、旧アノテーションは目障りではあるが、参照したいものも存在し得るケースに有効である。
【0257】
なお、上記第2実施形態の表示態様においては、文書閲覧時点でステータスが「Exist」のアノテーションを表示対象のものとして取り扱っていたが、必ずしも、このような形態に限らない。アノテーションDB216のデータ構造について説明したように、アノテーションDB216には、新規付与時間、変更前の生成時間と変更後の生成時間、および消去時間が登録されている。
【0258】
したがって、このステータスを参照することで、ステータスが“deleted”のものに関しても表示させることができる。このとき、消去時刻に関わらず表示させることで、必要に応じて元の状態で再現することができる。また、消去済みアノテーションQ1が存在していた過去のある時点を指定し、その時点以降に新規に付与されたアノテーションは表示させない一方で、その消去済みアノテーションQ1を表示させることにより、過去のある時点の状態を振り返ることもできる。
【0259】
また、消去済みアノテーションQ1を前述の風化表示と組み合わせて表示させる場合には、図21(C)に示すように、消去されてからの経過時間に応じて、消去済みアノテーションQ1の消去時刻に相当する退化関数F1で示される時点の感度の状態で表示させることもできる。このとき、消去済みのものと現在もステータスが“Exist”のものとを区別可能に表示することが好ましい。たとえば消去済みのものにはマークを付けるなどすればよい。
【0260】
なお、上述したアノテーションなどの付加情報を表示するに際して、一時的に異なる表示態様とすることで誰により付与された付加情報であるのかを判定可能とした表示制御や、付加情報に対する生成後の経過時間に応じて新旧の度合いに応じた表示態様にする表示制御など、所定の条件に基づいて定まる付加情報の重要度合いに応じて表示態様を変更する一連の表示処理は、ハードウェアにより実行させることもできるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ(組込みマイコンなど)、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータなどに、記録媒体からインストールされる。
【0261】
この記録媒体は、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読取装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気などのエネルギの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読取装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。たとえば、コンピュータとは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory )、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini Disc )を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディア(可搬型の記憶媒体)により構成されるだけでなく、コンピュータに予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROMやハードディスクなどで構成されてもよい。あるいは、ソフトウェアを構成するプログラムが、有線あるいは無線などの通信網を介して提供されてもよい。
【0262】
図22は、上述した情報表示処理システム3を、コンピュータにより構成する場合のシステム構成の概略を示した図である。このようなコンピュータシステムの基本構成は、ハードウェア層910、OS(Operating Systems )層920、文書情報管理層930、ユーザインタフェース層940という4つの層から成り立っている。各層は独立性が保たれており、層ごとに機能を拡張したり別のものに交換することが容易になっている。
【0263】
ハードウェア層910は、図1で示したシステム構成に相当するもので、たとえば、文書ビューア102に対応するタブレット911、アノテーションデバイス170に対応するペン入力装置912、操作ボタン110に対応するボタン913、およびネットワーク9に対応する通信ネットワーク914からなる。なお、たとえば音声入出力インタフェース915など、その他の仕組みを設けてもよい。
【0264】
文書情報管理層930は、文書管理部220に対応し文書本体の管理を担当する文書層932、アノテーション管理部210に対応しアノテーションなどの文書本体に付加される付加情報の管理を担当するワークスペース934、および情報検索部240に対応しアノテーションなどを利用して情報検索を行なう情報検索層936からなる。
【0265】
ユーザインタフェース層940は、文書ビューア102やアノテーションデバイス170に対応しユーザからの入力を管理するユーザ入力管理層942、文書表示エリア104における情報表示に関わる画面層944、およびマネジャ部180に対応し文書表示エリア104の表示動作を管理する画面マネジャ946からなる。
【0266】
ユーザ入力管理層942の“手書きによる注記”の機能部分は、アノテーションデバイス170による手書き入力を受け付ける機能部分であり、受け付けた結果は、文書情報管理層930のワークスペース934における“注釈のデータベース”(アノテーションDB216に対応)に送られる。画面層944のワークスペース944aは、図14(A)〜図14(C)に示した指定画面などの作業画面に対応する。画面マネジャ946には、表示モードを切り替える機能部分(946a〜946c)の他に、図3に示したマネジャ部180内の機能部分である強調語/センテンス選択手法指示部186などに対応する強調表示管理層946dを有する。
【0267】
このようなシステム構成においては、たとえば前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムに供給し、そのシステムのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって、上記実施形態で述べた効果が達成される。この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステムOSなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0268】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行ない、その処理によって前述の実施形態の機能が実現される場合であってもよい。
【0269】
なお、上記実施形態で述べた処理を実現するプログラムコードを記述したファイルとしプログラムが提供されるが、この場合、一括のプログラムファイルとして提供されることに限らず、システムのハードウェア構成に応じて、個別のプログラムモジュールとして提供されてもよい。
【0270】
たとえば、図1に示したシステム構成では、クライアントシステム100とサーバシステム200とがネットワーク9で接続された形態であるので、表示に関する処理プログラム(たとえばページ捲り時や検索結果を反映した強調表示機能用の処理プログラム)は、クライアントシステム100側の装置に向けて、クライアントシステム用モジュールとして提供される。
【0271】
一方、アノテーションの管理や検索、あるいは文書管理や語句検索に関する処理プログラムは、サーバシステム200側の装置に向けて、サーバシステム用モジュールとして提供される。また、サーバシステム用モジュールは、さらに、サーバシステム200を構成する各管理部の構成に応じて、一括ファイル若しくはサブモジュールファイルとして提供される。
【0272】
なお、クライアントシステム100とサーバシステム200とは、ネットワーク9にて接続されているが、これらは近接した場所に配置されてもよい。この場合、クライアントシステム100のマネジャ部180をサーバシステム200(その全体あるいはその一部)と一体化させてもよい。
【0273】
また、上述の説明では、文書ビューア102がマネジャ部180を収容した本体(クレードル/ドッキングステーション)と別体であるものとして説明したが、上記実施形態で説明したマネジャ部180内の機能部分を文書ビューア102と一体化させてもかまわない。
【0274】
また、上述の実施形態では、管理装置の一例であるサーバシステム200側では、付加情報の重要度合いを取得するための付加情報に関係する種々の情報を登録する機能部分までを備えた単純なサーバ機能を持つもので、クライアント端末からの照会を受けたときに登録情報を提示するものとして説明したが、必ずしもこのようなものに限定されない。クライアント端末と管理サーバとにより情報表示処理システムを構築する場合、上記実施形態にて述べた各機能部分を何れの側に配するかについては、コンピュータシステムをネットワークを利用して構築する場合と同様に、様々なシステム構成を取ることができる。
【0275】
たとえば、上記実施形態で示したアノテーション管理部210側に、アノテーションDB216の登録情報に基づいて重要度合いを求める機能部分までや、さらには重要度合い応じた付加情報の表示態様を示す画像情報を生成しクライアントシステム100側に送信する機能部分までを備えたものとし、アノテーション管理部210をアプリケーションサーバ機能を備えたものとして構築することもできる。以下、このような形態のシステム構成について説明する。
【0276】
図23は、サーバシステム200側にて重要度に対応する付加情報の表示態様を反映した提示画像の生成処理を行なうシステム構成とする場合のブロック図である。ここで、図23(A)は、全体構成の概要を示し、図23(B)は、表示態様変更機能に特化した機能要素の詳細を示す。
【0277】
図23(A)に示すように、この形態の情報表示処理システム3は、検索を要求された文書やその他の関連した情報がアノテーション管理部210のアノテーションDB216や文書管理部220の文書DB224に登録済みか否かを検索し、該当品がある場合にはその検索結果を表示側へ送るアノテーション処理装置218を備えている。
【0278】
このアノテーション処理装置218は、効率的な検索処理やアノテーション情報の提供処理を実行する仕組みを司る専用の装置として設けられたものである。なお、アノテーション処理装置218の機能を、アノテーションサーバ212や文書サーバ222にて担当してもよい。この場合、アノテーションサーバ212と文書サーバ222とが直接に(あるいはネットワーク9を介して)アノテーション処理に関わるアノテーション情報のやり取りをするようにする。
【0279】
アノテーション処理装置218の一構成例は図23(B)に示される。このブロック図により、クライアントシステム100側から要求された検索処理や検索結果の提示処理などの機能を果たすための処理を効率的に行なうことを可能にする機構が具体的に示されることとなる。
【0280】
図示するように、アノテーション処理装置218は、クライアントシステム100側からアノテーションの検索や表示の要求を受けて所定の検索条件に合致するアノテーション情報を検索する検索部546を備える。検索条件の決定は、文書ビューア102上に条件設定のための入力画面を提示し、ユーザからの指示入力を受け付けることで実現する。この構成では、サーバシステム200側のデータベースのデータ構造に合わせた検索画面を提示できるという利点がある。
【0281】
また、アノテーション処理装置218は、検索部546により検索された検索条件に合致するアノテーション情報をユーザに提示するアノテーション提示制御部550と、上記実施形態で説明した付加情報表示制御部302とを備える。付加情報表示制御部302をアノテーション処理装置218側に設けたので、クライアントシステム100側は、この付加情報表示制御部302の機能部分や一時格納部303を取り外した構成とする。
【0282】
検索部546は、アノテーション管理部210(アノテーションDB216)や文書管理部220(文書サーバ222)から検索条件に合致する文書やアノテーションを抽出し、検索結果として、アノテーション提示制御部550を介してクライアントシステム100のマネージャ部180に返す。
【0283】
付加情報表示制御部302内の各機能部分は、図13に示した付加情報表示制御部302と同様のものであるので、詳細な説明を割愛する。アノテーション提示制御部550は、付加情報表示制御部302の表示態様制御部308から得られる表示態様の変更指示の元で、検索部546により検索された検索条件に合致するアノテーションに対して、重要度合い応じた付加情報の表示態様を示す画像情報を生成しクライアントシステム100側に送信する。
【0284】
この図23に示した構成では、重要度合い応じた付加情報の表示態様を示す画像情報を生成する機能部分をサーバシステム200側に備えたものとなっており、クライアントシステム100は、アノテーション処理装置218のアノテーション提示制御部550から送信された画像情報に基づいて即時に文書ビューア102に付加情報を表示させることができる。
【0285】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0286】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0287】
たとえば、上記第1実施形態では、アノテーション色を一時的に通常の色とは異なる色に切り替えて表示させることで、確認対象ユーザが付与したアノテーションと他のユーザが付与したアノテーションとを峻別する手法について説明したが、色に限らず、線幅、濃度、フォント種やフォントサイズ、あるいはスタンプ形状など、付加情報の何れかの属性のプロパティを変化させて表示させる手法を採用することができる。
【0288】
何れの属性についてプロパティを変化させるのが好ましいかは、アノテーションのタイプによっても異なる。たとえば、テキストメモであれば、フォント種やフォントサイズを切り替える手法を適用できるが、下線のアノテーションの場合、フォント種やフォントサイズを切り替える手法の採用余地はない。これに対して、色のプロパティを切り替える手法は、ほぼ全てのアノテーションに適用可能である。
【0289】
また、付加情報の属性である色、形状、線種、およびフォント種の何れか1つのプロパティを切り替えるものとしてもよいが、それらの何れか複数を任意に組み合わせて、それぞれのプロパティを切り替えるようにすれば、より違いを際立たせることができ、他人が付与した付加情報との峻別がよりし易くなる。
【0290】
また、閲覧者にとって重要な付加情報であることの条件の一例として、確認したい付加情報の付与者(確認対象追記者)が指定された場合を第1実施形態に、また付加情報の新旧の度合いが指定された場合を第2実施形態に、それぞれ例示したが、閲覧者にとって重要な付加情報であることの条件は、重要度条件指定部304を介することで、これら以外にも様々なものが指定可能である。
【0291】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、文書本体に付与された付加情報を表示するに際して、所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いに応じて表示要求された付加情報についての表示態様を変更するようにした。
【0292】
これにより、その時点における付与済みの付加情報の重要度が容易に分かるようになった。たとえば、閲覧者にとって重要なものと不要なものとが、その重要度に対応した明度や色彩などで区別されて表示されることとなり、両者を簡単に峻別することができるようになった。
【0293】
たとえば、文書本体に付与する付加情報を表示するに際して、一時的に異なる表示態様に切替可能に構成すれば、誰により付与された付加情報であるのかを容易に判定することができるようになった。よって、付加情報の付与者を簡単に峻別することができるようになった。
【0294】
また、付与後の経過時間に応じて表示要求された付加情報の表示態様を変更する構成とすれば、付与後の経過時間に応じた明度や色彩で表示されることとなり、付加情報の新旧の度合いから付加情報の重要度合いを簡単に峻別することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示制御方法および情報表示処理システムを適用した電子会議システムの構成例を示す図である。
【図2】情報表示処理装置の一実施形態である文書ビューアの表示面側に着目した外観図である。
【図3】文書ビューアとマネジャ部の機能ブロック図である。
【図4】文書サーバおよび文書データベースの構成例を示す図である。
【図5】アノテーションサーバおよびアノテーションデータベースの構成例を示す図である。
【図6】文書データベースの具体的な構成例を示す図である。
【図7】文書にアノテーションを付与した状態の表示例を示す図である。
【図8】文書ビューアがアノテーションサーバへ送る情報の一例を示した図である。
【図9】アノテーションデータベースの構成例を示す図である。
【図10】アクションログデータベースの構成例を示す図である。
【図11】アノテーションデータベースの他の構成例を示す図である。
【図12】アノテーション処理に着目した電子会議システムの構成例を示す図である。
【図13】付加情報の属性を検索キーとした検索および表示の機能に着目したブロック図である。
【図14】ユーザ一覧ウィンドウの一例を示した図である。
【図15】図7の文書の画像が表示されている状態で、後述する処理を施した後の画面の一例を示す図である。
【図16】付加情報表示制御部の第1の処理手法の問題点と第2の処理手法を説明する図である。
【図17】付加情報表示制御部の第3の処理手法を説明する図である。
【図18】付加情報表示制御部の第4の処理手法を説明する図である。
【図19】時間経過とともにアノテーションを漸次褪色させる手法を説明する図である。
【図20】時間経過とともにアノテーションを漸次褪色させる処理手順の一例を説明する図である。
【図21】風化表示に使用される関数の一例を説明する図である。
【図22】情報表示処理システムを、コンピュータにより構成する場合のシステム構成の概略を示した図である。
【図23】サーバシステム側にて重要度に対応する付加情報の表示態様を反映した提示画像の生成処理を行なうシステム構成とする場合のブロック図である。
【符号の説明】
1…電子会議システム、3…情報表示処理システム、9…ネットワーク、100…クライアントシステム、101…表示処理部、102…文書ビューア、103…液晶表示パネル、104…文書表示エリア、109…筐体、110…操作ボタン、114…読込みボタン、116…保存ボタン、118…検索ボタン、120…更新ボタン、122…ページ捲りボン、122a…前ページ送りボタン、122b…次ページ送りボタン、124…強調表示ボタン、126…ユーザ表示ボタン、130…コントローラ、132…ページ送り指示受付部、140…ページ画像生成部、150…表示輝度制御部、150a…コントラスト制御部、150b…ブライトネス制御部、170…アノテーションデバイス、180…マネジャ部、182…ログファイル格納部、184…強調語/センテンス特定部、186…強調語/センテンス選択手法指示部、188…強調指示制御部、200…サーバシステム、210…アノテーション管理部、212…アノテーションサーバ、213…検索処理部、214…アクションログDB、216…アノテーションDB、218…アノテーション処理装置、220…文書管理部、222…文書サーバ、224…文書DB、230…プロファイル管理部、232…プロファイルサーバ、234…プロファイルDB、240…情報検索部、242…自然言語処理サーバ、244…自然言語処理DB、250…会議参加資格管理部、252…会議参加資格管理サーバ、254…会議参加資格管理DB、300…検索要求指定部、302…付加情報表示制御部、303…一時格納部、304…重要度条件指定部、306…重要度取得部、308…表示態様制御部、311…ユーザ一覧ウィンドウ、320…ユーザ名一覧部、370…色指定部、546…検索部、550…アノテーション提示制御部

Claims (32)

  1. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムの表示制御方法であって、
    所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理し、この重要度合いに応じて、表示を要求された付加情報についての表示態様を変更する
    ことを特徴とする表示制御方法。
  2. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムの表示制御方法であって、
    個々の前記付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理し、
    前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者についての前記付加情報の表示の際には、当該確認対象追記者が追記した前記付加情報の特徴を表した属性のうちの何れかについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして表示する
    ことを特徴とする表示制御方法。
  3. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムの表示制御方法であって、
    前記文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理し、当該アクセス履歴に基づいて得られる表示を要求された付加情報についての生成後の経過時間に応じて、前記表示を要求された付加情報についての表示態様を変更する
    ことを特徴とする表示制御方法。
  4. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムであって、所定の条件により定められる前記付加情報の重要度合いを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理する付加情報重要度管理部と、
    前記付加情報重要度管理部により管理されている重要度合いに基づいて表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得し、この取得した重要度合いに応じて前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する付加情報表示制御部と
    を備えていることを特徴とする情報表示処理システム。
  5. 前記付加情報の重要度合いを決定する条件を指定する重要度条件指定部を備えている
    ことを特徴とする情報表示処理システム。
  6. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムであって、個々の前記付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理する付加情報管理部と、
    前記付加情報管理部の登録情報を参照することで前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を取得し、当該確認対象追記者が追記した前記付加情報の特徴を表した属性のうちの何れかについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報を表示させる付加情報表示制御部を備えている
    ことを特徴とする情報表示処理システム。
  7. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報の特徴を表した属性である色、形状、線種、およびフォント種のうちの少なくとも1つについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして表示させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の情報表示処理システム。
  8. 前記付加情報表示制御部は、前記確認対象追記者についての前記付加情報を、前記色の設定値を通常の設定値とは異なるものにして表示させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の情報表示処理システム。
  9. 前記付加情報表示制御部は、前記色を表す色相、彩度、および明度の3成分のうちの色相を通常の設定値とは異なるものにして表示させることを特徴とする請求項8に記載の情報表示処理システム。
  10. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報の特徴を表した属性である色、形状、線種、およびフォント種のうちの何れか複数を任意に組み合わせて、それぞれの設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして表示させる
    ことを特徴とする請求項7に記載の情報表示処理システム。
  11. 前記付加情報表示制御部は、確認モードと通常モードとを切替可能に構成されており、前記確認対象追記者についての前記付加情報を、前記確認モードのときには前記通常の設定値とは異なるものにして表示させ、通用モードのときには前記通常の設定値にして表示させる
    ことを特徴とする請求項6から10のうちの何れか1項に記載の情報表示処理システム。
  12. 前記付加情報表示制御部は、表示中の前記文書に追記されている前記付加情報のうちの、前記確認対象追記者以外の追記者である一般追記者についての前記付加情報の通常の設定値とも異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報を表示させる
    ことを特徴とする請求項6から11のうちの何れか1項に記載の情報表示処理システム。
  13. 前記付加情報表示制御部は、開いている前記文書の全てのページに亘って前記付加情報のそれぞれの通常の設定値と異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報を表示させる
    ことを特徴とする請求項6から12のうちの何れか1項に記載の情報表示処理システム。
  14. 前記付加情報表示制御部は、開いている複数の前記文書についての前記付加情報のそれぞれの通常の設定値と異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報を表示させる
    ことを特徴とする請求項6から13のうちの何れか1項に記載の情報表示処理システム。
  15. 前記付加情報表示制御部は、前記確認対象追記者以外の追記者である一般追記者についての前記付加情報を、当該一般追記者が付与した付加情報の通常の設定値を維持して表示させる
    ことを特徴とする請求項6から14のうちの何れか1項に記載の情報表示処理システム。
  16. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムであって、
    前記文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理するアクセス履歴管理部と、
    前記アクセス履歴管理部により管理されているアクセス履歴に基づいて表示を要求された付加情報に対する生成後の経過時間を求め、この経過時間に応じて、前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する付加情報表示制御部と
    を備えていることを特徴とする情報表示処理システム。
  17. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報を、前記アクセス後の経過時間に応じて人間の視覚特性上の感度が低下する方向に退化させて前記表示デバイス上に表示させる
    ことを特徴とする請求項16に記載の情報表示処理システム。
  18. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報の特徴を表した属性である色、形状、線種、サイズ、およびフォント種のうちの少なくとも1つについて、前記付加情報の表示についての前記感度が低下する方向に退化するように、その属性の設定値を変化させるものである
    ことを特徴とする請求項17に記載の情報表示処理システム。
  19. 前記付加情報表示制御部は、前記色を表す色相、彩度、および明度の3成分のうちの色相を一定に維持しつつ、前記彩度および前記明度のうちの少なくとも一方を前記感度が低下する方向に変化させるものである
    ことを特徴とする請求項18に記載の情報表示処理システム。
  20. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備えた情報表示処理システムに使用されるクライアント端末であって、
    所定の表示デバイス上に表示された文書に前記付加情報を付与する付加情報付与部と、
    前記文書中における前記付加情報付与部により前記付加情報が付与された付加情報付与部分の情報を取得する付加情報付与部分検知部と、
    所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを前記文書に対応付けて個々に管理している管理サーバの登録情報から得られる、表示を要求された付加情報についての重要度合いを参照して、当該重要度合いに応じて前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する付加情報表示制御部と
    を備えたことを特徴とするクライアント端末。
  21. 所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを前記文書に対応付けて個々に管理している管理サーバに照会することで、表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得する重要度取得部を備えた
    ことを特徴とする請求項20に記載のクライアント端末。
  22. 前記付加情報の重要度合いを決定する条件のクライアントからの指示を受け付け、この受け付けた条件を前記管理サーバに通知する重要度条件指定部を備えた
    ことを特徴とする請求項20または21に記載のクライアント端末。
  23. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者が前記重要度合いとして指定され、当該確認対象追記者が追記した前記付加情報の特徴を表した属性のうちの何れかについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報の表示態様を変更する表示態様制御部を有している
    ことを特徴とする請求項20から22のうちの何れか1項に記載のクライアント端末。
  24. 個々の前記付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理している管理サーバの登録情報を参照して前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を取得する確認対象追記者取得部を備えた
    ことを特徴とする請求項23に記載のクライアント端末。
  25. 前記付加情報表示制御部は、前記付加情報に対するアクセスの新旧の度合いが前記重要度合いとして指定され、前記付加情報に対する生成後の経過時間に応じて、前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する表示態様制御部を有している
    ことを特徴とする請求項20または21に記載のクライアント端末。
  26. 前記文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を前記文書に対応付けて個々に管理している管理サーバに照会することで、表示を要求された付加情報に対する生成後の経過時間を求める経過時間取得部を備えた
    ことを特徴とする請求項25に記載のクライアント端末。
  27. 所定の表示デバイス上に表示された文書に当該文書とは別に管理可能な付加情報を付与する機能を備えた情報表示処理システムに使用される管理サーバであって、
    所定の条件により定められる前記付加情報の重要度合いを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理する付加情報重要度管理部と、
    前記付加情報重要度管理部により管理されている重要度合いに基づいて表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得し、この重要度合いを前記表示デバイスを具備したクライアント端末に提示する重要度取得部と
    を備えたことを特徴とする管理サーバ。
  28. 前記付加情報重要度管理部は、前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を前記重要度合いとして得るための、個々の前記付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理している
    ことを特徴とする請求項27に記載の管理サーバ。
  29. 前記付加情報重要度管理部は、前記付加情報に対するアクセスの新旧の度合いを前記重要度合いとして得るための、前記文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を前記文書に対応付けて個々に管理している
    ことを特徴とする請求項27に記載の管理サーバ。
  30. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムにおける表示制御を行なうためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    所定の条件により定められる個々の付加情報の重要度合いを前記文書に対応付けて個々に管理している管理サーバに照会することで、表示を要求された付加情報についての重要度合いを取得する重要度取得部と、
    前記重要度取得部が取得した重要度合いに応じて前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する付加情報表示制御部と
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  31. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムにおける表示制御を行なうためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    個々の前記付加情報と当該付加情報を追記した追記者とを当該付加情報が付与された文書に対応付けて個々に管理している管理サーバの登録情報を参照して前記付加情報を追記した追記者の1人である確認対象追記者を取得する確認対象追記者取得部と、
    前記確認対象追記者取得部により取得された前記確認対象追記者が追記した前記付加情報の特徴を表した属性のうちの何れかについて、その属性の設定値を当該付加情報の通常の設定値とは異なるものにして、前記確認対象追記者についての前記付加情報を表示させる表示態様制御部と
    として機能させることを特徴とするプログラム。
  32. 所定の表示デバイス上に表示された文書に、当該文書とは別に管理可能な付加情報を追記する機能を備えた情報表示処理システムにおける表示制御を行なうためのプログラムであって、
    コンピュータを、
    前記文書に付与される個々の付加情報のアクセス履歴を前記文書に対応付けて個々に管理している管理サーバに照会することで、表示を要求された付加情報に対する生成後の経過時間を取得する経過時間取得部と、
    前記経過時間取得部が取得した経過時間に応じて、前記表示を要求された付加情報の表示態様を変更する表示態様制御部と
    として機能させることを特徴とするプログラム。
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