JP2004205422A - 定電位電解型ガスセンサー - Google Patents

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Abstract

【課題】必要とされる複数のガス検知電極を互いに十分に液密な状態とすることができる新規な構成を有する、小型の定電位電解型ガスセンサーの提供。
【解決手段】一端にガス透過口を有し、当該ガス透過口がガス透過性疎水隔膜により封止されて電解液が収容される電解液室が形成されるケーシングを備え、このケーシング内において、作用電極がガス透過性疎水隔膜に対接されて配置されると共に対電極が作用電極に対して液密となる状態で配置されてなる定電位電解型ガスセンサーにおいて、作用電極および対電極は、いずれも、流体流通路が形成された板状の電極体を有するものよりなり、作用電極および対電極の両者が当該作用電極に係る電極体と対電極に係る電極体との間に電解液保持部材が介在されて挟み込まれた状態で積重されて一の電極構造体として構成されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、定電位電解型ガスセンサーに関し、詳しくは、ガス透過性疎水隔膜と作用電極とが分離されて構成された定電位電解型ガスセンサーに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば半導体製造工場などにおいて毒性ガスの検出を行うに際しては、目的とする検知対象ガスの選択性に優れ、高感度で、かつ、高い精度でガス濃度を検出することができるなどの理由から、電解反応を利用した定電位電解型ガスセンサーが広く利用されている。
【0003】
このような定電位電解型ガスセンサーにおいては、ガス検知動作に必要とされる複数の電極が互いに電解液を介して導通状態(液密な状態)とされていることが必要とされる。
而して、電解液は例えば温度や湿度などの環境条件によって蒸発してその量が減少し、各電極間の導通状態を維持して正常に動作させることが困難となる場合がある。
【0004】
このような問題に対して、例えば、特許文献1の特開平6−229980号公報には、一部分が電解液に浸漬される透水性を有する多孔質材を介して、その一面側に板状の作用電極が対接されて配置されると共に他面側に板状の対極および板状の参照電極が対接されて配置され、これにより、電解液が含浸される多孔質材を介して各電極間が液密な状態とされる構成の定電位電解型ガスセンサーが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平06−229980号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、定電位電解型ガスセンサーにおいては、必要とされる複数のガス検知電極が互いに液密な状態とされることが必要とされている。
そこで、本発明は、必要とされる複数のガス検知電極を互いに十分に液密な状態とすることができる新規な構成を有する、小型の定電位電解型ガスセンサーを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の定電位電解型ガスセンサーは、一端にガス透過口を有し、当該ガス透過口がガス透過性疎水隔膜により封止されて電解液が収容される電解液室が形成されるケーシングを備え、このケーシング内において、少なくとも作用電極および対極の2つのガス検知電極が、作用電極がガス透過性疎水隔膜に対接されると共に対極が作用電極に対して液密となる状態で、配置されてなる定電位電解型ガスセンサーにおいて、
作用電極および対極は、いずれも、流体流通路が形成された板状の電極体を有するものよりなり、作用電極および対極の両者が当該作用電極に係る電極体と対極に係る電極体との間に電解液保持部材が介在されて挟み込まれた状態で積重されて一の電極構造体として構成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明の定電位電解型ガスセンサーにおいては、電解液室に収容される電解液が作用電極および対極の各々に形成された流体流通路を介して電解液保持部材に含浸されるよう、ガス透過口が上方向以外の方向を向いた状態で用いられることが好ましい。
また、本発明の定電位電解型ガスセンサーにおいては、ケーシングの外周面には、ガス検知電極の各々に対応する外部リード部材の複数が、互いに周方向に離間して並んだ位置において、ガス検知電極の積重方向に伸びるよう配設された構成とされていることが好ましい。
さらに、本発明の定電位電解型ガスセンサーにおいては、流体流通路が形成された板状の電極体を有する参照電極を備えてなり、
電極構造体が、作用電極、対極および参照電極の三者が、作用電極に係る電極体および対極に係る電極体の間、並びに対極に係る電極体および参照電極に係る電極体の間のそれぞれに電解液保持部材が介在されて挟み込まれた状態で、積層されて構成されてなるものとすることができる。
【0009】
【作用】
上記構成の定電位電解型ガスセンサーによれば、少なくとも作用電極および対極の両者が電解液保持部材を介して積重されて一の電極構造体として構成されていることにより、必要とされる複数のガス検知電極がまとめられているので、ガスセンサー全体に占めるガス検知電極の占有空間の大きさが小さくなり、ガスセンサーそれ自体が大幅に小型化されたものとなる。
【0010】
また、ガス透過口が上方向以外の方向を向いた状態で使用されて、作用電極および対極の各々に形成された流体流通路を介して電解液を電解液保持部材に含浸させると共に作用電極とガス透過性疎水隔膜との間に電解液層を形成させる構成とされていることにより、電解液が減少して少量となった場合であっても、電解液を確実に供給することができるので、作用電極および対極の両電極間において十分な液密状態が確実に得られる。
さらに、必要とされる複数のガス検知電極の各々に対応する外部リード部材の複数が互いに近接して配設されているので、電流の供給構造を形成するに際して極めて有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の定電位電解型ガスセンサーの一例における構成の概略を示す縦断断面図、図2は、図1に示す定電位電解型ガスセンサーの側面図、図3は、図1に示す定電位電解型ガスセンサーの分解断面図、図4は、図1に示す定電位電解型ガスセンサーにおける電極構造体の拡大断面図である。ここに、本明細書においては、図1における上下方向を「軸方向」、左右方向を「径方向」というものとする。
【0012】
この定電位電解型ガスセンサーは、円筒状のケーシング本体10A、下面側ケーシング部材10Bおよび上面側ケーシング部材10Cにより構成されたケーシング10を備え、必要とされる複数のガス検知電極、この実施例においては、作用電極31、対極32および参照電極33が一のユニットとして構成された電極構造体30が作用電極31が外面に露出されるようケーシング本体10Aの一端側開口部に嵌合されて設けられ、更に、ガス透過口11が形成された下面側ケーシング部材10Bがその他端面に形成された電極構造体嵌合用凹所14に電極構造体30が嵌合されてケーシング本体10Aと対接されるよう設けられていると共に、上面側ケーシング部材10Cがケーシング本体10Aの他端側開口部に嵌合されて設けられて構成されている。
そして、下面側ケーシング部材10Bにおける電極構造体嵌合用凹所14には、例えばOリング18Aなどのシール部材が配置される段部14Aが形成されていると共に、その内面上に、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂よりなるガス透過性疎水隔膜20がガス透過口11を塞ぐよう配置されて一体的に溶着されており、これにより、電解液が収容される電解液室Sが液密に形成されている。
ガス透過性疎水隔膜20は作用電極31に対接された状態とされている。
【0013】
ケーシング10には、その外周面におけるケーシング本体10Aと下面側ケーシング部材10Bとの接合部分に、ガス検知電極の各々と対応する外部リード部材25、25、25の各々とが接続される入出力端子部形成用凹所12が形成されていると共に、この入出力端子部形成用凹所12より軸方向外方(図1において上方)に向かって伸びるよう、互いに周方向に離間して並んだ位置において外部リード部材配設用案内溝13の複数が形成されている。図1および図3において、19は、電解液を電解液室S内に注入するための電解液注入用貫通孔である。
【0014】
上面側ケーシング部材10Cは、電解液室Sの内部空間を外部大気の圧力と平衡した状態に維持するための電解液室内過大圧力調整機能を有する。
具体的には、電解液室Sの内部空間に露出する内面に、開口径の大きさが一定である第1空間部15Aと、この第1空間部15Aに連続する、軸方向外方(図において上方)に向かうに従って開口径の大きさが小さくなる第2空間部15Bとを有する凹所15が形成されていると共に当該凹所15における第2空間部15Bを形成するテーパー状の内壁面より上面側ケーシング部材10Cの外周面に開口するよう径方向外方に伸びる連通孔16が形成されており、上面側ケーシング部材10Cの内面上に例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)よりなるガス透過性圧力調整膜21が配置されて一体的に溶着され、これにより、液密な状態が確保された状態において電解液室Sの内部空間が外部大気に解放されている。
【0015】
作用電極31、対極32および参照電極33の各々は、いずれも、円板状の電極体31A、32A、33Aと、全体が電極体31A、32A、33Aの周縁部より径方向外方に突出して伸びるよう形成されてなる突出端子片31B、32B、33Bとにより構成されており、各電極に係る電極体31A、32A、33Aの各々には、流体流通路を構成する例えば開口径が0.5mm程度の微細な通孔34が密度80個/cm2 となる状態で一定の大きさのピッチで穿設されている(図5乃至図7参照)。
【0016】
作用電極31は、図5に示されているような、円板状の電極体31Aの周縁部より径方向外方に向かって例えば直線状に伸びる突出端子片部分41を有する、例えばステンレス鋼よりなる基板の表面に金が付着されてなる作用電極形成材料40により形成されている。
具体的には、作用電極形成材料40における突出端子片部分41がその一端に位置される破線Aで示される被折り曲げ個所において基端側部分41Aが紙面に対して垂直方向手前側(軸方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、破線Bで示される被折り曲げ個所において先端側部分41Bが同図における下方向(径方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、更に、破線Cで示される被折り曲げ個所において接点端子部分41Cが紙面に対して垂直方向奥側(軸方向内方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、これにより、図3に示すような矩形状の断面形状を有する突出端子片31Bを有する作用電極31が形成される。
【0017】
対極32は、図6に示されているような、電極体32Aが作用電極形成材料40に係る電極体31Aと同軸状に積重された状態において、基端側部分43Aが作用電極形成材料40に係る突出端子片部分41の突出方向と互いに異なる方向に突出して伸び、換言すれば、作用電極形成材料40に係る突出端子片部分41の突出方向に対して所定の位相角度差を持った周縁位置より径方向外方に突出して伸び、先端に接点端子部分43Cを有する先端側部分43Bが作用電極形成材料40に係る突出端子片部分41の突出方向と互いに平行に伸びる、全体が「く」の字状に屈曲した形態の突出端子片部分43を有する、例えばステンレス鋼よりなる基材の表面に銀が付着されてなる対極形成材料42により形成されている。
具体的には、対極形成材料42における突出端子片部分43がその一端に位置される破線Aで示される被折り曲げ個所において基端側部分43Aが紙面に対して垂直方向手前側(軸方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、破線Bで示される被折り曲げ個所において先端側部分43Bが同図における下方向(径方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、更に、破線Cで示される被折り曲げ個所において接点端子形成部分43Cが紙面に対して垂直方向奥側(軸方向内方)に向かって伸びるよう折り曲げられて、図3に示されるような作用電極31に係るものと同様の矩形状の断面形状を有する突出端子片32Bを有する対極32が形成される。
【0018】
参照電極33は、図7に示されているような、例えば、電極体33Aが作用電極形成材料40および対極形成材料42の各々に係る電極体31A、32Aと同軸状に積重された状態において、作用電極形成材料40に係る突出端子片部分41に対して対極形成材料42に係る突出端子片部分43と実質的に対称形とされた、全体が「く」の字状に屈曲した形態の突出端子片部分45を有する、例えばステンレス鋼よりなる基材の表面に銀が付着されてなる参照電極形成材料44により形成されている。
具体的には、参照電極形成材料44における突出端子片部分45の一端に位置される破線Aで示される被折り曲げ個所において基端側部分45Aが紙面に対して垂直方向手前側(軸方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、破線Bで示される被折り曲げ個所において先端側部分45Bが同図における下方向(径方向外方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、更に、破線Cで示される被折り曲げ個所において接点端子部分45Cが紙面に対して垂直方向奥側(軸方向内方)に向かって伸びるよう折り曲げられ、図3に示されているような矩形状の断面形状を有する突出端子片33Bを有する参照電極33が形成される。
【0019】
上述したように、本発明の定電位電解型ガスセンサーにおいては、作用電極31、対極32および参照電極33の三者が一の電極構造体30として構成されている。
この実施例においては、一端側に下面側ケーシング部材10Bにおける電極構造体嵌合用凹所14に嵌合される大径筒状部分36Aを有すると共に他端側に例えばリング状パッキング18Bなどのシール部材が介在された状態でケーシング本体10Aの一端側開口部に嵌合される小径筒状部分36Bを有してなり、軸方向に伸びる電極体配設用貫通孔37が形成されると共に小径筒状部分36Bの壁面に互いに周方向に離間した位置において軸方向に伸びる突出端子片配設用切欠部38が形成された電極ホルダー36により、作用電極31、対極32および参照電極33が保持され、これにより、一のユニットとして構成されている。
【0020】
具体的には、図4に示されているように、電極ホルダー36における電極体配設用貫通孔37内に、作用電極31、対極32および参照電極33の各ガス検知電極に係る電極体31A、32A、33Aが作用電極31に係る電極体31Aおよび対極32に係る電極体32Aの間、並びに対極32に係る電極体32Aおよび参照電極33に係る電極体33Aの間のそれぞれに例えば濾紙よりなるシート状の電解液保持部材35A、35Bが介在されて挟み込まれた状態で被検ガスの透過方向(図4において下方から上方)に対してこの順に積重された状態で配設されると共に、各ガス検知電極に係る突出端子片31B、32B、33Bが対応する突出端子片配設用切欠部38に沿って挿通されて大径筒状部分36Aにおける突出端子片配設用面39に係止されて配置され、更に、参照電極33に係る電極体33A上に電解液保持部材35Cが配置された状態において、保護板50が、その小径筒状部分51が電極体配設用貫通孔37に嵌合されると共に大径筒状部分52が電極ホルダー36における小径筒状部分36Bの電解液室Sの内部空間に露出する内面に形成された保護板嵌合用凹所36Cに嵌合されて最上層に位置される電解液保持部材35Cに圧接乃至密接した状態で、一体的に設けられている。
【0021】
そして、各ガス検知電極における突出端子片31B、32B、33Bの各々は、基端側部分41A、43A、45Aが互いに周方向に離間した位置において電極ホルダー36における電極体配設用貫通孔37の内壁面に沿って軸方向外方に伸び、更に、先端側部分41B、43B、45Bが電極ホルダー36における突出端子片配置面39に沿って径方向外方に伸び、ケーシング10の入出力端子部形成用凹所12において互いに周方向に離間して並ぶよう導出された接点端子部分41C、43C、45Cが入出力端子部形成用凹所12の壁面に沿って軸方向内方に伸びる状態とされている。
【0022】
電極構造体30を構成する保護板50には、導入される被検ガスが流過されると共に電解液が流入される流体流通路である例えば開口径が1mm程度の通孔53が例えば40個/cm2 の密度で軸方向に伸びるよう形成されている。
【0023】
外部リード部材25の各々は、入出力端子部形成用凹所12に位置される一端側部分25Aが断面形状が半円形状に形成されたピンリードよりなり、一端側部分25Aにおける平坦な面が外方(図1において右方)を向いた状態で、対応するガス検知電極に係る突出端子片31B、32B、33Bにおける先端部分にそれぞれ接続されている。
そして、ケーシング10における入出力端子部形成用凹所12が液密シール用の絶縁性樹脂層17により被覆され、これにより、液密シール構造が形成されている。
【0024】
以上において、本発明の定電位電解型ガスセンサーにおいて用いられる電解液としては、例えば、沃化カリウム(KI)0.25モル、沃素酸カリウム(KIO3 )0.05モル、及び水酸化カリウム0.5ミリモルの水溶液を基本組成とし、これに水素イオン濃度調整剤、具体的には例えば水酸化カリウムや炭酸カリウムが添加されて中性よりもアルカリ側となるように水素イオン濃度が調整されて構成されたものである。
【0025】
また、検知対象ガスの種類は特に限定されるものではなく、例えばフッ化水素ガス(HF)、塩化水素ガス(HCl)、塩素ガス(Cl2 )、フッ素ガス(F2 )、ヨウ素ガス(I2 )、臭素ガス(Br2 )、オゾンガス(O3 )、フッ化塩素ガス(ClF3 )等を例示することができる。
【0026】
以上において、本発明の定電位電解型ガスセンサーは、ガス透過口11が上方向以外の方向、例えば横方向を向いた状態で使用され、これにより、電解液室Sに収容された電解液が保護板50における通孔53に流入して保護板50と参照電極33との間に介在される電解液保持部材35Cに含浸され、更に、余剰な電解液が参照電極33に係る通孔34および対極32に係る通孔34に順次に浸入して各電極間に介在される電解液保持部材35B、35Aの各々に含浸される共に、作用電極31とガス透過性疎水隔膜20との間に電解液層が形成され、これにより、各電極間において液密な状態が得られる。
この状態において、例えば環境雰囲気の空気などの被検ガスがガス透過口11よりガス透過性疎水隔膜20を介して導入されると共に、作用電極31と対極32との間に一定の電位差が生じるよう、参照電極33の電位状態を基準として、作用電極31および対極32の各々に所定の電圧が外部リード部材25、25、25を介して印加され、作用電極31および対極32の両電極間に生ずる電流値が測定されることにより被検ガス中の特定成分(検知対象ガス)の濃度が検出される。
電解液室S内に導入された被検ガスは、ガス透過性圧力調整膜21を透過して、凹所15を介して連通孔16より外部大気に排出され、これにより、電解液室S内が外部大気の圧力と平衡した圧力状態に調整された状態において、ガス検知動作が行われる。
【0027】
而して、上記構成の定電位電解型ガスセンサーによれば、作用電極31、対極32および参照電極33の三者が電解液保持部材35A、35Bを介して積重されて一の電極構造体30として構成されていることにより、必要とされる複数のガス検知電極がまとめられているので、ガスセンサー全体に占めるガス検知電極の占有空間の大きさを小さくすることができ、従って、ガスセンサーそれ自体を大幅に小型化されたものとして構成することができる。
具体的な一寸法例を示すと、ケーシング10における軸方向長さを例えば30mm、外径の大きさを例えば20mmとすることができる。
【0028】
しかも、ガス透過口11が下方を向いた状態で使用されて、電解液を保護板50における通孔53および各電極に形成された通孔34を介して電解液保持部材35C、35B、35Aの各々に含浸させると共に作用電極31とガス透過性疎水隔膜20との間に電解液層を形成させる構成とされていることにより、電解液が減少して少量となった場合であっても、電解液を各々の電解液保持部材35C、35B、35Aおよび作用電極31とガス透過性疎水隔膜20との間隙に確実に供給することができるので、各電極間において十分な液密状態を確実に得ることができる。
従って、例えば人に携行されることによってガスセンサーそれ自体が傾いたりするなど姿勢差が生じた場合であっても、各電極間において十分に液密な状態を得ることができ、信頼性の高いガス検知を確実に行うことができる。
【0029】
また、作用電極31、対極32および参照電極33の各々に対応する外部リード部材25、25、25が互いに近接して配設されているので、電流の供給構造を形成するに際して極めて有利である。
【0030】
さらに、各電極に係る電極体31A、32A、33Aと電解液保持部材35A、35B、35Cとの積層体が、保護板50によって圧接乃至密接された状態において、電極ホルダー36によって保持されていることにより、電解液が含浸されて膨潤されることに伴って電解液保持部材35A、35B、35Cが変形することを確実に防止することができるので、各電極間において実質的に均一な液密状態を得ることができ、目的とするガス検知を確実に行うことができる。
【0031】
また、ケーシング構成部材、電極構造体30およびその他の構成部材が組み立てられて構成されている、すなわち、ケーシング本体10Aの一端側開口部に電極構造体30が作用電極31が外面に露出する状態で嵌合されて配置され、この状態において、内面上にガス透過性疎水隔膜20が一体的に設けられた下側ケーシング部材10Bが電極構造体30が嵌合された状態で設けられると共に、ケーシング本体10Aの他端側開口部に上面側ケーシング部材10Cが嵌合されて設けられ、そして、ケーシング10の外周面に外部リード部材25、25,25が配設されて対応するガス検知電極の突出端子片31B、32B、33Bにそれぞれ接続されて、構成されているので、所期の特性を有する定電位電解型ガスセンサーを極めて容易に製造することができる。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、本発明に係る定電位電解型ガスセンサーにおいては、参照電極が設けられることは必須の構成要件ではなく、少なくとも作用電極および対極によりガス検知電極が構成されていればよい。
また、各電極に係る流体流通路は、電解液が電解液保持部材の面方向に実質的に均一に含浸されるよう形成されていれば、例えば開口径の大きさ、形成密度、形成パターンおよびその他の構成は適宜変更することができ、また、例えば切り欠き状のものであってもよい。
さらに、電解液が電解液室に充填されている必要はなく、蒸発等による電解液の減少量を考慮した上で各電極間において十分な液密状態を得るために必要とされる量だけ電解液室内に収容されていればよい。
また、対極および参照電極は、流体流通路(液導通路)が確保されているのであれば、電極体の全面にわたって通孔が形成されている構成に限定されるものではなく、例えば板状のものであってもよい。
【0033】
【発明の効果】
本発明の定電位電解型ガスセンサーによれば、少なくとも作用電極および対極の両者が電解液保持部材を介して積重されて一の電極構造体として構成されていることにより、必要とされる複数のガス検知電極がまとめられているので、ガスセンサー全体に占めるガス検知電極の占有空間の大きさを小さくすることができ、ガスセンサーそれ自体を大幅に小型化されたものとして構成することができる。
【0034】
また、ガス透過口が上方向以外の方向を向いた状態で使用されて、対極に形成された流体流通路を介して電解液を電解液保持部材に含浸させる構成とされていることにより、電解液が減少して少量となった場合であっても、電解液を確実に供給することができるので、作用電極および対極の両電極間において十分に液密な状態を得ることができ、所期のガス検知を高い信頼性をもって確実に行うことができる。
【0035】
さらに、必要とされる複数のガス検知電極の各々に対応する外部リード部材の複数が互いに近接して配設されているので、電流の供給構造を形成するに際して極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の定電位電解型ガスセンサーの一例における構成の概略を示す縦断断面図である。
【図2】図1に示す定電位電解型ガスセンサーの側面図である。
【図3】図1に示す定電位電解型ガスセンサーの分解断面図である。
【図4】図1に示す定電位電解型ガスセンサーにおける電極構造体の構成を示す拡大断面図である。
【図5】作用電極形成材料の構成を示す平面図である。
【図6】対極形成材料の構成を示す平面図である。
【図7】参照電極形成材料の構成を示す平面図である。
【符号の説明】
10 ケーシング
10A ケーシング本体
10B 下面側ケーシング部材
10C 上面側ケーシング部材
11 ガス透過口
12 入出力端子部形成用凹所
13 外部リード部材配設用案内溝
14 電極構造体嵌合用凹所
14A 段部
15 凹所
15A 第1空間部
15B 第2空間部
16 連通孔
17 絶縁性樹脂層
18A Oリング
18B リング状パッキング
19 電解液注入用貫通孔
20 ガス透過性疎水隔膜
21 ガス透過性圧力調整膜
25 外部リード部材
25A 一端側部分
S 電解液室
30 電極構造体
31 作用電極
32 対極
33 参照電極
31A、32A、33A 電極体
31B、32B、33B 突出端子片
34 通孔
35A、35B、35C 電解液保持部材
36 電極ホルダー
36A 大径筒状部分
36B 小径筒状部分
36C 保護板嵌合用凹所
37 電極体配設用貫通孔
38 突出端子片配設用切欠部
39 突出端子片配設面
40 作用電極形成材料
42 対極形成材料
44 参照電極形成材料
41、43、45 突出端子片部分
41A、43A、45A 基端側部分
41B、43B、45B 先端側部分
41C、43C、45C 接点端子部分
50 保護板
51 小径筒状部分
52 大径筒状部分
53 通孔

Claims (4)

  1. 一端にガス透過口を有し、当該ガス透過口がガス透過性疎水隔膜により封止されて電解液が収容される電解液室が形成されるケーシングを備え、このケーシング内において、少なくとも作用電極および対極の2つのガス検知電極が、作用電極がガス透過性疎水隔膜に対接されると共に対極が作用電極に対して液密となる状態で、配置されてなる定電位電解型ガスセンサーにおいて、作用電極および対極は、いずれも、流体流通路が形成された板状の電極体を有するものよりなり、作用電極および対極の両者が当該作用電極に係る電極体と対極に係る電極体との間に電解液保持部材が介在されて挟み込まれた状態で積重されて一の電極構造体として構成されていることを特徴とする定電位電解型ガスセンサー。
  2. 電解液室に収容される電解液が作用電極および対極の各々に形成された流体流通路を介して電解液保持部材に含浸されるよう、ガス透過口が上方向以外の方向を向いた状態で用いられることを特徴とする請求項1に記載の定電位電解型ガスセンサー。
  3. ケーシングの外周面には、ガス検知電極の各々に対応する外部リード部材の複数が、互いに周方向に離間して並んだ位置において、ガス検知電極の積重方向に伸びるよう配設されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の定電位電解型ガスセンサー。
  4. 流体流通路が形成された板状の電極体を有する参照電極を備えてなり、
    電極構造体が、作用電極、対極および参照電極の三者が、作用電極に係る電極体および対極に係る電極体の間、並びに対極に係る電極体および参照電極に係る電極体の間のそれぞれに電解液保持部材が介在されて挟み込まれた状態で、積層されて構成されてなるものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の定電位電解型ガスセンサー。
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