JP2004204196A - 硬質表面洗浄剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】組成物の液性を中性とするだけでなく、配合する成分について使用する人への安全性をより高く求め、排水後の環境中での生分解性を高め、かつ浴室内や洗面台等で使用しても不快な原料臭を与えず、優れた殺菌力と各種汚れ、特に皮脂汚れや金属石けん汚れに対して従来以上に高い洗浄力を発揮できる硬質表面洗浄剤組成物を提供する。
【解決手段】安全性の面から化粧品原料を使用し、かつ、臭気が比較的少ないものを選択した。また、キレート力より生分解性を重視したアミノ酸骨格のキレート剤を用いた。そして、十分な殺菌効果及び従来以上に高い洗浄力を発揮できる性能も併せ持たせるため、ベタイン型両性界面活性剤4〜6重量%、L−グルタミン酸二酢酸塩3〜5重量%、ポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテル3〜5重量%の組み合わせとした。
【選択図】なし
【解決手段】安全性の面から化粧品原料を使用し、かつ、臭気が比較的少ないものを選択した。また、キレート力より生分解性を重視したアミノ酸骨格のキレート剤を用いた。そして、十分な殺菌効果及び従来以上に高い洗浄力を発揮できる性能も併せ持たせるため、ベタイン型両性界面活性剤4〜6重量%、L−グルタミン酸二酢酸塩3〜5重量%、ポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテル3〜5重量%の組み合わせとした。
【選択図】なし
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は硬質表面洗浄剤組成物,特に浴室や洗面台等の硬質表面の金属石けん汚れや皮脂汚れに対して良好な洗浄性能を有し、且つ人体に対して安全であるとともに比較的換気の悪い浴室内においても不快な原料臭を与えず、さらに生分解性が良く、殺菌性も有する硬質表面洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
一般に、硬質表面洗浄剤はその使用目的によって、洗浄性能はもちろんその他、起泡性やすすぎ性や防汚性などの付加的な機能を求めたり、洗浄対象物に対する侵食性が少ないなど対象材質への影響等についても考慮されている。例えば、アミドアミノモノカルボン酸またはその塩とアミドアミノジカルボン酸またはその塩を組み合わせることによる洗浄性、起泡性、すすぎ性のいずれにも優れている浴室用洗浄剤組成物の提案(特開2001−303094号)や、グリセリルエーテルと陽イオン界面活性剤及びビルダーを組み合わせることにより高い洗浄力を有するとともにスチレン系樹脂に対する損傷性がないという液体洗浄剤組成物の提案(特許第3240284号)などがなされている。しかしながら、これらは洗浄剤としての性能や対象物への配慮が主な目的としたものであり、使用する人や排水後の環境への影響に関しては記載されていない。
【0003】
一方、金属石けんなど通常の中性洗剤では洗浄できない場合、酸性洗剤が有効であるが、対象物質を損傷させるだけでなく、手袋をせずに使用すれば手が荒れたり、塩素系漂白剤との併用使用により、塩素ガスが発生するなど人体への悪影響が予測され、これに対する提案として、特開平8−176595号には、界面活性剤の混在下、酸性を示すキレート剤をモルホリンまたはその誘導体化合物で中和した水性洗浄剤組成物が浴室の汚れに対し優れた洗浄力を発揮すると同時に、中性領域にあるため金属類や大理石などの浴室の素材をほとんど侵さず、また手荒れの心配も少ないことを見出したと述べている。確かに、中性域にすれば、アルカリ性や酸性の場合に比べて、人体への悪影響は抑えられる。しかし、液性以外の、具体的に使用する成分の安全性について、その成分選択方法を強く訴えているわけではない。
【0004】
また、従来の市販品として、例えば、浴室内で使用する硬質表面洗浄剤は、その組成内に含まれる溶剤臭をマスキングするためと思われるが、非常に香りが強いものが殆どである。浴室など、比較的換気性の悪い所での使用を考慮すれば、あまり原料臭や香料臭が高いものは適さないものと言える。
【0005】
さらに、従来の市販品として、例えば、浴室内で使用する硬質表面洗浄剤の殆どは、除菌効果が謳われている。特許第3236704では、ベタイン型両性界面活性剤、脂肪酸、有機アミン、無機アルカリ等の特定成分を特定量含有する浴室用液体洗浄剤組成物が洗浄力、起泡力等に優れることが述べられているが、抗菌性については触れていない。一方、上述した特許第3240284号において提案されている液体洗浄剤組成物には殺菌性も有することが述べられている。しかし、除菌という定義が曖昧であることも理由と思われるが、市販品組成物自体に直接菌を、使用方法に従った作用時間接触させても、殆ど殺菌力を示さない市販品が存在することは事実である。
【0006】
そこで本発明は、組成物の液性を中性とするだけでなく、配合する成分について使用する人への安全性をより高く求め、排水後の環境中での生分解性を高め、かつ浴室内や洗面台等で使用しても不快な原料臭を与えず、優れた殺菌力と各種汚れ、特に皮脂汚れや金属石けん汚れに対して従来以上に高い洗浄力を発揮できる硬質表面洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、安全性の観点から人体に対しても使用される原料、すなわち化粧品原料から選択することとし、かつ、換気の良くない浴室内等での使用を考慮して、臭気が比較的少ないものを選択した。また、従来より汎用されている金属石けんに対するキレート力の高いキレート剤、例えば、エデト酸(EDTA)又はその塩などは自然環境中で難生分解性とされることは周知の事実である。この点を改善するため、安全性が高く生分解性に優れたアミノ酸骨格のキレート剤を用いた。本キレート剤は、OECDガイドラインの本質的生分解性試験修正SCAS法と同等試験で90%以上の分解率を示す易生分解性キレート剤である。以下の実施例で詳細を述べるが、このキレート剤は単独ではエデト酸塩に比べてキレート力が弱いが、キレート力の高いエデト酸塩を配合した場合と同等以上の金属石けん除去能を持たせるために、さらに、十分な殺菌効果及び従来以上に高い洗浄力を発揮できる性能も併せ持たせるため、鋭意検討を重ねた結果、特定の成分(A),(B)及び(C)をバランス良く組み合わせることで可能にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明品は、下記成分(A),(B),(C)を含有し、組成物のpHが中性である硬質表面洗浄剤組成物である。
(A)両性界面活性剤0.1〜10重量%,
(C)ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル0.1〜10重量%,
(B)以下の構造を有するキレート剤0.1〜10重量%
【0010】
【化1】
〔Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン、アンモニウムまたはこれらの混合物〕
【0011】
詳細には、成分(A)がベタイン型両性界面活性剤、成分(B)がL−グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、成分(C)がポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテルであることを特徴とする硬質表面洗浄剤組成物である。
【0012】
さらに詳細には、成分(A)として用いる成分は、低刺激性のベタイン型両性界面活性剤とし、皮脂汚れや金属石けん汚れ等に対する洗浄力を高めるため、好ましくは、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインであり、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。特に好ましくは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、新日本理化(株)のリカビオンA−100(有効濃度30%)が利用できる)、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインである(例えば、新日本理化(株)のリカビオンA−200(有効濃度30%)が利用できる)。
【0013】
成分(B)として用いる成分は、L−グルタミン酸二酢酸塩であり、好ましくはL−グルタミン酸二酢酸・4Naである。例えば、キレスト(株)のキレストCMG−40(有効濃度40%)が好的に利用できる。
【0014】
成分(C)として用いる成分は、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルであり、好ましくは、ポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテルであり、洗浄力や金属石けん溶解力について優れた添加効果を示し、かつ、それ自体の溶剤臭が極めて少ないことが特徴である。金属石けんの溶解性と溶剤臭の両方を考えると、例えば、アデカカーポールMH−4(旭電化工業(株))が好的に利用できる。
【0015】
成分(A)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは4〜6重量%である。
【0016】
成分(B)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%である。
【0017】
成分(C)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%である。
【0018】
本発明は、上記の基本成分以外に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)以外の界面活性剤や香料、色素、可溶化剤、その他洗浄剤に一般的に良く配合される成分も適宜配合することができる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0020】
表1に示す実施例1〜4、比較例1〜5の組成物(重量%)を調製した。得られた組成物について、下記の洗浄力試験及び臭気試験を実施した。得られた結果も併せて表1に示した。
【0021】
〔洗浄力試験〕
表2の人工汚垢を加熱条件下でステンレスピース(3×5cm)に一定量を均一に塗布する。放冷後、90−95℃の水中に30秒間浸漬し、乾燥後、90−95℃の10%塩化カルシウム水溶液に15秒間浸漬し、乾燥させたものを洗浄力試験用のモデル汚れテストピースとした。このテストピースを垂直に吊るし、泡スプレーを用いて表1の各組成物を汚れ面に3回噴射させた。このとき、スプレーとテストピースの距離は約15cm離して行なった。噴射から2分後、一定流速(約1.3L/s)の20℃の水道水で10秒間すすいだ。この時、水流以外に物理的に擦るような力は全く加えなかった。自然乾燥後、汚れの除去程度を目視により表3の基準で判定した。
【0022】
〔臭気試験〕
表1の各組成物を泡スプレー容器に充填し、実際の浴室内で硬質表面洗浄剤として5名の試験者に使用してもらい、その時の原料臭気について、表4の基準で判定の回答を得た。
【0023】
実施例1〜3と比較例1〜3より、特定の成分(A),(B)及び(C)をバランス良く組み合わせることで、洗浄性能に関し、キレストCMG−40がエチレンジアミン四酢酸・4Na・4H2Oより優れた配合効果を有することがわかる。
【0024】
実施例1〜4と比較例1〜5より、本発明品は、優れた洗浄性能だけでなく、実使用上、香料でマスキングしなくても原料臭気が殆ど気にならないことがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
実施例1〜4と従来の市販品について、下記の抗菌力試験及び上記の洗浄力試験を実施した。得られた結果を表5に示した。
【0030】
〔抗菌力試験〕
液体ブイヨン培地で37℃、24時間培養した大腸菌を蒸留水で100倍に希釈したものを供試菌液とした。各組成物の10mlを入れた試験管に供試菌液の0.2mlを接種、撹拌後、20℃で30秒又は3分間作用させた時の生残菌数を測定した。生残菌数は、作用後の試験管内液1ml中の菌数(CFU/ml)として求め、対照として蒸留水10mlと作用させた場合の菌数も求めた。
【0031】
【表5】
【0032】
表5の市販品は、除菌効果を謳っている製品であるが、大腸菌に対する抗菌力は蒸留水のそれと変わらない結果であった。おそらく、洗浄作用による除菌効果を謳っているのかもしれないが、実施例1〜4と比較してその洗浄性もあまり期待できるものではない。本発明品は、洗浄作用だけでなく菌に対する直接的な殺菌作用の両面から、優れた除菌性能を有することがわかる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の硬質表面洗浄剤組成物は、優れた殺菌力と、皮脂汚れや金属石けん汚れに対して従来以上に高い洗浄力を与え、また、組成物のpHを中性とすることで、手荒れや塩素系漂白剤との誤使用による塩素ガス発生を避けることができ、使用対象物への腐食性の心配もない。成分の選定については、使用対象物だけでなく使用する人にも配慮し、人体に使用される原料、すなわち化粧品原料を用い、且つ、例えば浴室内などの換気性の悪い場所で使用しても不快と感じないまでに臭気を抑えることができた。さらには、排水後の環境に及ぼす影響を改善するため、キレート力は非常に強いが難生分解性として知られるキレート剤(例えば、エデト酸塩)を、キレート力はそれほど強くないが易生分解性のアミノ酸系キレート剤に置き換え、且つ硬質表面洗浄剤組成物としての洗浄性能は他成分との特定の組み合わせ効果によって相乗的に向上させることを実現した。
【産業上の利用分野】
本発明は硬質表面洗浄剤組成物,特に浴室や洗面台等の硬質表面の金属石けん汚れや皮脂汚れに対して良好な洗浄性能を有し、且つ人体に対して安全であるとともに比較的換気の悪い浴室内においても不快な原料臭を与えず、さらに生分解性が良く、殺菌性も有する硬質表面洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術と解決すべき課題】
一般に、硬質表面洗浄剤はその使用目的によって、洗浄性能はもちろんその他、起泡性やすすぎ性や防汚性などの付加的な機能を求めたり、洗浄対象物に対する侵食性が少ないなど対象材質への影響等についても考慮されている。例えば、アミドアミノモノカルボン酸またはその塩とアミドアミノジカルボン酸またはその塩を組み合わせることによる洗浄性、起泡性、すすぎ性のいずれにも優れている浴室用洗浄剤組成物の提案(特開2001−303094号)や、グリセリルエーテルと陽イオン界面活性剤及びビルダーを組み合わせることにより高い洗浄力を有するとともにスチレン系樹脂に対する損傷性がないという液体洗浄剤組成物の提案(特許第3240284号)などがなされている。しかしながら、これらは洗浄剤としての性能や対象物への配慮が主な目的としたものであり、使用する人や排水後の環境への影響に関しては記載されていない。
【0003】
一方、金属石けんなど通常の中性洗剤では洗浄できない場合、酸性洗剤が有効であるが、対象物質を損傷させるだけでなく、手袋をせずに使用すれば手が荒れたり、塩素系漂白剤との併用使用により、塩素ガスが発生するなど人体への悪影響が予測され、これに対する提案として、特開平8−176595号には、界面活性剤の混在下、酸性を示すキレート剤をモルホリンまたはその誘導体化合物で中和した水性洗浄剤組成物が浴室の汚れに対し優れた洗浄力を発揮すると同時に、中性領域にあるため金属類や大理石などの浴室の素材をほとんど侵さず、また手荒れの心配も少ないことを見出したと述べている。確かに、中性域にすれば、アルカリ性や酸性の場合に比べて、人体への悪影響は抑えられる。しかし、液性以外の、具体的に使用する成分の安全性について、その成分選択方法を強く訴えているわけではない。
【0004】
また、従来の市販品として、例えば、浴室内で使用する硬質表面洗浄剤は、その組成内に含まれる溶剤臭をマスキングするためと思われるが、非常に香りが強いものが殆どである。浴室など、比較的換気性の悪い所での使用を考慮すれば、あまり原料臭や香料臭が高いものは適さないものと言える。
【0005】
さらに、従来の市販品として、例えば、浴室内で使用する硬質表面洗浄剤の殆どは、除菌効果が謳われている。特許第3236704では、ベタイン型両性界面活性剤、脂肪酸、有機アミン、無機アルカリ等の特定成分を特定量含有する浴室用液体洗浄剤組成物が洗浄力、起泡力等に優れることが述べられているが、抗菌性については触れていない。一方、上述した特許第3240284号において提案されている液体洗浄剤組成物には殺菌性も有することが述べられている。しかし、除菌という定義が曖昧であることも理由と思われるが、市販品組成物自体に直接菌を、使用方法に従った作用時間接触させても、殆ど殺菌力を示さない市販品が存在することは事実である。
【0006】
そこで本発明は、組成物の液性を中性とするだけでなく、配合する成分について使用する人への安全性をより高く求め、排水後の環境中での生分解性を高め、かつ浴室内や洗面台等で使用しても不快な原料臭を与えず、優れた殺菌力と各種汚れ、特に皮脂汚れや金属石けん汚れに対して従来以上に高い洗浄力を発揮できる硬質表面洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、安全性の観点から人体に対しても使用される原料、すなわち化粧品原料から選択することとし、かつ、換気の良くない浴室内等での使用を考慮して、臭気が比較的少ないものを選択した。また、従来より汎用されている金属石けんに対するキレート力の高いキレート剤、例えば、エデト酸(EDTA)又はその塩などは自然環境中で難生分解性とされることは周知の事実である。この点を改善するため、安全性が高く生分解性に優れたアミノ酸骨格のキレート剤を用いた。本キレート剤は、OECDガイドラインの本質的生分解性試験修正SCAS法と同等試験で90%以上の分解率を示す易生分解性キレート剤である。以下の実施例で詳細を述べるが、このキレート剤は単独ではエデト酸塩に比べてキレート力が弱いが、キレート力の高いエデト酸塩を配合した場合と同等以上の金属石けん除去能を持たせるために、さらに、十分な殺菌効果及び従来以上に高い洗浄力を発揮できる性能も併せ持たせるため、鋭意検討を重ねた結果、特定の成分(A),(B)及び(C)をバランス良く組み合わせることで可能にできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明品は、下記成分(A),(B),(C)を含有し、組成物のpHが中性である硬質表面洗浄剤組成物である。
(A)両性界面活性剤0.1〜10重量%,
(C)ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテル0.1〜10重量%,
(B)以下の構造を有するキレート剤0.1〜10重量%
【0010】
【化1】
〔Mは水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アルカノールアミン、アンモニウムまたはこれらの混合物〕
【0011】
詳細には、成分(A)がベタイン型両性界面活性剤、成分(B)がL−グルタミン酸二酢酸のアルカリ金属塩、成分(C)がポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテルであることを特徴とする硬質表面洗浄剤組成物である。
【0012】
さらに詳細には、成分(A)として用いる成分は、低刺激性のベタイン型両性界面活性剤とし、皮脂汚れや金属石けん汚れ等に対する洗浄力を高めるため、好ましくは、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインであり、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタイン、オレイルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどが挙げられる。特に好ましくは、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(例えば、新日本理化(株)のリカビオンA−100(有効濃度30%)が利用できる)、ミリスチルジメチルアミノ酢酸ベタインである(例えば、新日本理化(株)のリカビオンA−200(有効濃度30%)が利用できる)。
【0013】
成分(B)として用いる成分は、L−グルタミン酸二酢酸塩であり、好ましくはL−グルタミン酸二酢酸・4Naである。例えば、キレスト(株)のキレストCMG−40(有効濃度40%)が好的に利用できる。
【0014】
成分(C)として用いる成分は、ポリアルキレングリコールモノアルキルエーテルであり、好ましくは、ポリオキシエチレン(n=1〜45)ポリオキシプロピレン(n=2〜38)ブチルエーテルであり、洗浄力や金属石けん溶解力について優れた添加効果を示し、かつ、それ自体の溶剤臭が極めて少ないことが特徴である。金属石けんの溶解性と溶剤臭の両方を考えると、例えば、アデカカーポールMH−4(旭電化工業(株))が好的に利用できる。
【0015】
成分(A)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは4〜6重量%である。
【0016】
成分(B)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%である。
【0017】
成分(C)の含有量は、十分な洗浄力を付与し、経済性を考慮すると、硬質表面洗浄剤組成物中において、0.1〜10重量%であり、好ましくは2〜8重量%であり、特に好ましくは3〜5重量%である。
【0018】
本発明は、上記の基本成分以外に、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)以外の界面活性剤や香料、色素、可溶化剤、その他洗浄剤に一般的に良く配合される成分も適宜配合することができる。
【0019】
【実施例】
以下に実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0020】
表1に示す実施例1〜4、比較例1〜5の組成物(重量%)を調製した。得られた組成物について、下記の洗浄力試験及び臭気試験を実施した。得られた結果も併せて表1に示した。
【0021】
〔洗浄力試験〕
表2の人工汚垢を加熱条件下でステンレスピース(3×5cm)に一定量を均一に塗布する。放冷後、90−95℃の水中に30秒間浸漬し、乾燥後、90−95℃の10%塩化カルシウム水溶液に15秒間浸漬し、乾燥させたものを洗浄力試験用のモデル汚れテストピースとした。このテストピースを垂直に吊るし、泡スプレーを用いて表1の各組成物を汚れ面に3回噴射させた。このとき、スプレーとテストピースの距離は約15cm離して行なった。噴射から2分後、一定流速(約1.3L/s)の20℃の水道水で10秒間すすいだ。この時、水流以外に物理的に擦るような力は全く加えなかった。自然乾燥後、汚れの除去程度を目視により表3の基準で判定した。
【0022】
〔臭気試験〕
表1の各組成物を泡スプレー容器に充填し、実際の浴室内で硬質表面洗浄剤として5名の試験者に使用してもらい、その時の原料臭気について、表4の基準で判定の回答を得た。
【0023】
実施例1〜3と比較例1〜3より、特定の成分(A),(B)及び(C)をバランス良く組み合わせることで、洗浄性能に関し、キレストCMG−40がエチレンジアミン四酢酸・4Na・4H2Oより優れた配合効果を有することがわかる。
【0024】
実施例1〜4と比較例1〜5より、本発明品は、優れた洗浄性能だけでなく、実使用上、香料でマスキングしなくても原料臭気が殆ど気にならないことがわかる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】
実施例1〜4と従来の市販品について、下記の抗菌力試験及び上記の洗浄力試験を実施した。得られた結果を表5に示した。
【0030】
〔抗菌力試験〕
液体ブイヨン培地で37℃、24時間培養した大腸菌を蒸留水で100倍に希釈したものを供試菌液とした。各組成物の10mlを入れた試験管に供試菌液の0.2mlを接種、撹拌後、20℃で30秒又は3分間作用させた時の生残菌数を測定した。生残菌数は、作用後の試験管内液1ml中の菌数(CFU/ml)として求め、対照として蒸留水10mlと作用させた場合の菌数も求めた。
【0031】
【表5】
【0032】
表5の市販品は、除菌効果を謳っている製品であるが、大腸菌に対する抗菌力は蒸留水のそれと変わらない結果であった。おそらく、洗浄作用による除菌効果を謳っているのかもしれないが、実施例1〜4と比較してその洗浄性もあまり期待できるものではない。本発明品は、洗浄作用だけでなく菌に対する直接的な殺菌作用の両面から、優れた除菌性能を有することがわかる。
【0033】
【発明の効果】
本発明の硬質表面洗浄剤組成物は、優れた殺菌力と、皮脂汚れや金属石けん汚れに対して従来以上に高い洗浄力を与え、また、組成物のpHを中性とすることで、手荒れや塩素系漂白剤との誤使用による塩素ガス発生を避けることができ、使用対象物への腐食性の心配もない。成分の選定については、使用対象物だけでなく使用する人にも配慮し、人体に使用される原料、すなわち化粧品原料を用い、且つ、例えば浴室内などの換気性の悪い場所で使用しても不快と感じないまでに臭気を抑えることができた。さらには、排水後の環境に及ぼす影響を改善するため、キレート力は非常に強いが難生分解性として知られるキレート剤(例えば、エデト酸塩)を、キレート力はそれほど強くないが易生分解性のアミノ酸系キレート剤に置き換え、且つ硬質表面洗浄剤組成物としての洗浄性能は他成分との特定の組み合わせ効果によって相乗的に向上させることを実現した。
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JP2002383521A JP2004204196A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 硬質表面洗浄剤組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002383521A JP2004204196A (ja) | 2002-12-20 | 2002-12-20 | 硬質表面洗浄剤組成物 |
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JP2004204196A true JP2004204196A (ja) | 2004-07-22 |
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---|---|
JP (1) | JP2004204196A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015113455A (ja) * | 2013-12-16 | 2015-06-22 | 花王株式会社 | 硬質表面用殺菌洗浄剤組成物 |
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CN111979057A (zh) * | 2019-05-23 | 2020-11-24 | 合肥科源应用化工研究所 | 一种动车组中性清洗剂及其制备方法 |
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2002
- 2002-12-20 JP JP2002383521A patent/JP2004204196A/ja active Pending
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