JP2004203166A - 発電プラント船 - Google Patents
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Abstract
【課題】海上を自由に移動して発電し、必要な時期に電気エネルギを適宜供給できるだけではなく、発電の永続性、安定性、環境汚染の問題を回避でき、効率よく半永久的に電気エネルギを供給できるようにする。
【解決手段】本発明の発電プラント船1は、推進機構7を備えている船体2に、太陽光を光電変換して電気エネルギを得る太陽光発電システム3と、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を電気分解し、水素と酸素を得る電気分解手段4と、この電気分解手段4によって得られた水素を貯蔵する水素貯蔵手段5とを備える。上記の船体2に、水素貯蔵手段5に貯蔵されている水素を用いて発電する水素発電システム6を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の発電プラント船1は、推進機構7を備えている船体2に、太陽光を光電変換して電気エネルギを得る太陽光発電システム3と、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を電気分解し、水素と酸素を得る電気分解手段4と、この電気分解手段4によって得られた水素を貯蔵する水素貯蔵手段5とを備える。上記の船体2に、水素貯蔵手段5に貯蔵されている水素を用いて発電する水素発電システム6を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラント船に関し、更に詳しくは季節や気象条件等に合わせて太陽光を最も効率よく受光できる場所に自由に移動し、太陽光を利用して発電を行う発電プラント船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の技術としては、例えば太陽電池パネル、波力発電機、風力発電機を備え、エネルギー変換貯蔵部で海水を電気分解し、酸素ガス、水素ガスを貯蔵容器に貯蔵するように構成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。又従来、本出願人は、推進機構を備えた船体に、太陽光発電システムや火力発電システム等の発電システムを備え、船上で得た電気エネルギで水を電気分解して水素を発生させ、これを貯蔵するだけではなく、推進機構の駆動エネルギとして利用し、海上を自由に移動しながら各種の発電システムを協働させて効率よく発電する発電プラント船を提案済みである(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−59472号公報
【特許文献2】
特開2001−213388号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで電化製品の普及に伴い、近年、電気エネルギの使用量は年々増加する傾向にあるが、環境汚染や安全上の問題などから、火力発電所、水力発電所、或いは原子力発電所等を大幅に増設することは困難であるのが実情である。そのため増加する電気エネルギの供給対策が、社会基盤の整備上、重要なテーマであるが、一方、電力需要は年中一定ではなく、例えば夏や冬は、春、秋に比べて電気エネルギの需要が多くなる等、季節や日時等によって変動するのが通例である。このような電力需要の特殊性を考慮し本出願人は、環境汚染や安全上の問題を回避でき、且つ必要とされる時期に電気エネルギを適宜供給することが可能な発電プラント船を、上記のように既に提案済みである。
ただこの種の船舶において火力発電する場合は、石油や天然ガス等の燃料が有限であること、産油国等の燃料供給政策に左右されること等の理由から、発電に永続性や安定性が欠ける、という問題があった。又石油や天然ガス等の化石燃料を燃やして発電する場合は、大気汚染の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物、或いは地球温暖化の要因でもある二酸化炭素が発生するのを避けられない。従って石油等を燃料として火力発電することは、たとえ公海上であっても、地球環境の国際的な保護の見地から好ましくない。又火力発電は、燃料から電気エネルギを得るための変換率が、通常、約4割と低く、そのため効率が悪い、という問題点がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の技術的課題は、海上を自由に移動して発電し、必要な時期に電気エネルギを適宜供給できるだけではなく、発電の永続性、安定性、環境汚染の問題を回避でき、効率よく半永久的に電気エネルギを供給できるよう形成した発電プラント船を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
即ち、本発明の発電プラント船1は、図1に示されているように、推進機構7を備えている船体2に、太陽光を光電変換して電気エネルギを得る太陽光発電システム3と、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を電気分解し、水素と酸素を得る電気分解手段4と、この電気分解手段4によって得られた水素を貯蔵する水素貯蔵手段5とを備え、上記の船体2に、水素貯蔵手段5に貯蔵されている水素を用いて発電する水素発電システム6が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、発電プラント船1は、海上を移動できるので、季節や気象条件によって、太陽光を最も効率よく受光できる場所に適宜移動し、太陽光発電システム3により電気エネルギを得る。そしてこの電気エネルギを使用して、海水を電気分解手段4により電気分解して水素と酸素を得る。得られた水素は、気体や液体等の状態で貯蔵される。このようにして、発電プラント船1は、一定期間、例えば春や秋に太陽光エネルギを利用して水素を水素貯蔵手段5に貯蔵する。そして、例えば夏や冬等の電気エネルギの需要が増加する時期に、必要とされる陸上基地のある周辺の海上に移動し、その場所で、貯蔵されている水素を使用して水素発電システム6により電気エネルギを発生し、この電気エネルギを陸上基地へ例えば海底ケーブルを介して送電する。
【0008】
而して本発明は、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を淡水化する淡水化装置8を備え、水素発電システム6が、水素で水を加熱し高温高圧の蒸気を発生するボイラー6aと、このボイラー6aから供給される水蒸気の運動エネルギを回転運動に変える水蒸気タービン6bと、この水蒸気タービン6bの回転動力を電気エネルギに変換する発電機6cとで構成され、上記の淡水化装置8とボイラー6aとが通水管9で接続され、淡水化装置8で生成される水がボイラー6aに供給可能に形成されているのが好ましい(請求項2)。
【0009】
なぜならこの場合は、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギで海水を淡水化し、この水と、電気分解手段4で得た水素とを利用して発電するため、船上で発電のための燃料と原料をまかなって効率よく発電できるからである。
【0010】
又この場合本発明は、図3に示されるように、電気分解手段4で得られた水素を燃料にして発電する核融合発電装置12を備えてなるのが好ましい(請求項3)。
【0011】
なぜならこれによると、水素を一層効率よく発電に利用できるからである。又核融合は、原子力発電とは異なり、放射能や環境に有害な物質を発生させないから、これによれば安全でクリーンな電気エネルギーを得ることができるからである。しかも本発明は、洋上の適宜位置に移動して発電するため、これによると、万が一事故が発生しても、最小限の損害で抑えることができるからである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を、図1〜図3に従って説明する。
【0013】
この実施形態に係る本発明の発電プラント船1は、プラットフォーム形の船体2に、太陽光発電システム3と、海水の電気分解手段4と、水素貯蔵手段5と、水素発電システム6と、推進機構7とを備えている。
【0014】
太陽光発電システム3は、具体的には太陽電池3aで構成され、この太陽電池3aは船体2の上面に広範囲にわたって敷き詰められ、太陽光を受光して電気エネルギに変換する。
【0015】
海水の電気分解手段4は、船体2の略中央位置に設置されている水素発電システム6に隣接して船体2上に設けられており、太陽光発電システム3によって得られた電気エネルギを使用して、海水を水素と酸素に分解する。なおこの本発明の場合は、太陽光発電システム3によって得られた電気エネルギを使用して海水を淡水化する淡水化装置8を備え、淡水を電気分解するように構成されている。
【0016】
而して電気分解手段4によって得られた水素は、電気分解手段4に隣接して船体2上に設けられている水素貯蔵手段5に貯蔵される。水素貯蔵手段5としては、例えば水素ガスを液化して液体水素の状態で貯蔵する装置や、水素吸蔵合金がある。
【0017】
又上記の水素発電システム6は、ボイラー6aと、水蒸気タービン6bと、発電機6cとで構成されている。上記の淡水化装置8とボイラー6aとは、通水管9で接続され、本発明では淡水化装置8で生成した水をボイラー6aに供給可能に形成されている。又ボイラー6aと上記の水素貯蔵手段5とは、水素供給管10で接続され、水素貯蔵手段5から水素をボイラー6aに供給可能に形成されている。
従ってボイラー6aは、通水管9を介して供給される水を、水素供給管10を介して水素貯蔵手段5から供給される水素を燃料にして加熱し、高温高圧の蒸気を発生させるものである。又水蒸気タービン6bは、このボイラー6aから供給される水蒸気の運動エネルギを回転運動に変えるものであり、この水蒸気タービン6bの回転動力が発電機6cで電気エネルギに変換されるものである。
【0018】
推進機構7は、スクリュウ7a付きの推進機7bで構成されている。この推進機7bは、船体2の下面の両側に複数取り付けられ、太陽光発電システム3の発電によって得られた電気エネルギによってスクリュウ7aを回転させて船体2を推進させるよう構成されている。又この実施形態の場合、船体2は推進機7bの向きの変更により、推進方向が制御されるよう構成されている。又船体2は、図2に示されるように、乗務員の移動や緊急時等に使用するヘリポート11を備えてなる。
【0019】
本発明の発電プラント船1は、上記のように構成されているため、気象条件や季節によって太陽光を最も効率良く受光できる場所に移動し、先ず太陽光発電システム3で発電し、次にこの電気エネルギで海水を淡水化すると共に、電気分解手段4で水素と酸素を得る。
そして本発明は、水素を水素貯蔵手段5で貯蔵し、この水素を燃料にして水素発電システム6で電気エネルギを得る。具体的には、淡水化装置8から通水管9を介してボイラー6aに水を供給し、この水をボイラー6aで水素貯蔵手段5から供給される水素を燃料にして加熱し、高温高圧の水蒸気にする。そしてこの水蒸気の運動エネルギを水蒸気タービン6bで回転動力に変換し、この回転動力から発電機6cで電気エネルギを得る。
【0020】
以上の処において、本発明は、電気分解手段4で得られた水素を燃料にして発電する核融合発電装置12(図3参照)を備えてなるのでも良い。この場合は、核融合発電装置12と水素貯蔵手段5とを水素供給パイプ13で接続し、水素貯蔵手段5から供給する水素を燃料に核融合を起こさせ、電気エネルギを得る。
又この本発明の場合は、海水から重水素を取り出し、この重水素を核融合させて電気エネルギを生じさせるのでも良い。本発明の発電プラント船1は、本来、海上で発電するものである。従ってこれによれば、核融合の安全性に対する不安を解消でき、又重水素を海水から取り出す場合も、例えば汲み上げ配管等の設備の簡素化を図ることが可能になる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発電プラント船は、推進機構を備え、太陽光発電システムにより得られた電気エネルギを用いて水素を発生させ、この水素を貯蔵すると共に、水素を用いて発電するように構成しているものである。
従ってこれによれば、電力需要の多い時期に電気エネルギを適宜供給することが可能となり、又陸上での発電所の立地の問題を解決でき、環境汚染の問題も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】本発明の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の要部構成図である。
【符号の説明】
1 発電プラント船
2 船体
3 太陽光発電システム
3a 太陽電池
4 電気分解手段
5 水素貯蔵手段
6 水素発電システム
6a ボイラー
6b 水蒸気タービン
6c 発電機
7 推進機構
7a スクリュウ
7b 推進機
8 淡水化装置
9 通水管
10 水素供給管
11 ヘリポート
12 核融合発電装置
13 水素供給パイプ
【発明の属する技術分野】
本発明は、発電プラント船に関し、更に詳しくは季節や気象条件等に合わせて太陽光を最も効率よく受光できる場所に自由に移動し、太陽光を利用して発電を行う発電プラント船に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の技術としては、例えば太陽電池パネル、波力発電機、風力発電機を備え、エネルギー変換貯蔵部で海水を電気分解し、酸素ガス、水素ガスを貯蔵容器に貯蔵するように構成したものが知られている(例えば特許文献1参照)。又従来、本出願人は、推進機構を備えた船体に、太陽光発電システムや火力発電システム等の発電システムを備え、船上で得た電気エネルギで水を電気分解して水素を発生させ、これを貯蔵するだけではなく、推進機構の駆動エネルギとして利用し、海上を自由に移動しながら各種の発電システムを協働させて効率よく発電する発電プラント船を提案済みである(特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−59472号公報
【特許文献2】
特開2001−213388号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで電化製品の普及に伴い、近年、電気エネルギの使用量は年々増加する傾向にあるが、環境汚染や安全上の問題などから、火力発電所、水力発電所、或いは原子力発電所等を大幅に増設することは困難であるのが実情である。そのため増加する電気エネルギの供給対策が、社会基盤の整備上、重要なテーマであるが、一方、電力需要は年中一定ではなく、例えば夏や冬は、春、秋に比べて電気エネルギの需要が多くなる等、季節や日時等によって変動するのが通例である。このような電力需要の特殊性を考慮し本出願人は、環境汚染や安全上の問題を回避でき、且つ必要とされる時期に電気エネルギを適宜供給することが可能な発電プラント船を、上記のように既に提案済みである。
ただこの種の船舶において火力発電する場合は、石油や天然ガス等の燃料が有限であること、産油国等の燃料供給政策に左右されること等の理由から、発電に永続性や安定性が欠ける、という問題があった。又石油や天然ガス等の化石燃料を燃やして発電する場合は、大気汚染の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物、或いは地球温暖化の要因でもある二酸化炭素が発生するのを避けられない。従って石油等を燃料として火力発電することは、たとえ公海上であっても、地球環境の国際的な保護の見地から好ましくない。又火力発電は、燃料から電気エネルギを得るための変換率が、通常、約4割と低く、そのため効率が悪い、という問題点がある。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の技術的課題は、海上を自由に移動して発電し、必要な時期に電気エネルギを適宜供給できるだけではなく、発電の永続性、安定性、環境汚染の問題を回避でき、効率よく半永久的に電気エネルギを供給できるよう形成した発電プラント船を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の課題を解決するために、次のような技術的手段を採る。
即ち、本発明の発電プラント船1は、図1に示されているように、推進機構7を備えている船体2に、太陽光を光電変換して電気エネルギを得る太陽光発電システム3と、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を電気分解し、水素と酸素を得る電気分解手段4と、この電気分解手段4によって得られた水素を貯蔵する水素貯蔵手段5とを備え、上記の船体2に、水素貯蔵手段5に貯蔵されている水素を用いて発電する水素発電システム6が設けられていることを特徴とする(請求項1)。
【0007】
本発明の場合、発電プラント船1は、海上を移動できるので、季節や気象条件によって、太陽光を最も効率よく受光できる場所に適宜移動し、太陽光発電システム3により電気エネルギを得る。そしてこの電気エネルギを使用して、海水を電気分解手段4により電気分解して水素と酸素を得る。得られた水素は、気体や液体等の状態で貯蔵される。このようにして、発電プラント船1は、一定期間、例えば春や秋に太陽光エネルギを利用して水素を水素貯蔵手段5に貯蔵する。そして、例えば夏や冬等の電気エネルギの需要が増加する時期に、必要とされる陸上基地のある周辺の海上に移動し、その場所で、貯蔵されている水素を使用して水素発電システム6により電気エネルギを発生し、この電気エネルギを陸上基地へ例えば海底ケーブルを介して送電する。
【0008】
而して本発明は、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギを用いて海水を淡水化する淡水化装置8を備え、水素発電システム6が、水素で水を加熱し高温高圧の蒸気を発生するボイラー6aと、このボイラー6aから供給される水蒸気の運動エネルギを回転運動に変える水蒸気タービン6bと、この水蒸気タービン6bの回転動力を電気エネルギに変換する発電機6cとで構成され、上記の淡水化装置8とボイラー6aとが通水管9で接続され、淡水化装置8で生成される水がボイラー6aに供給可能に形成されているのが好ましい(請求項2)。
【0009】
なぜならこの場合は、太陽光発電システム3により得られた電気エネルギで海水を淡水化し、この水と、電気分解手段4で得た水素とを利用して発電するため、船上で発電のための燃料と原料をまかなって効率よく発電できるからである。
【0010】
又この場合本発明は、図3に示されるように、電気分解手段4で得られた水素を燃料にして発電する核融合発電装置12を備えてなるのが好ましい(請求項3)。
【0011】
なぜならこれによると、水素を一層効率よく発電に利用できるからである。又核融合は、原子力発電とは異なり、放射能や環境に有害な物質を発生させないから、これによれば安全でクリーンな電気エネルギーを得ることができるからである。しかも本発明は、洋上の適宜位置に移動して発電するため、これによると、万が一事故が発生しても、最小限の損害で抑えることができるからである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態を、図1〜図3に従って説明する。
【0013】
この実施形態に係る本発明の発電プラント船1は、プラットフォーム形の船体2に、太陽光発電システム3と、海水の電気分解手段4と、水素貯蔵手段5と、水素発電システム6と、推進機構7とを備えている。
【0014】
太陽光発電システム3は、具体的には太陽電池3aで構成され、この太陽電池3aは船体2の上面に広範囲にわたって敷き詰められ、太陽光を受光して電気エネルギに変換する。
【0015】
海水の電気分解手段4は、船体2の略中央位置に設置されている水素発電システム6に隣接して船体2上に設けられており、太陽光発電システム3によって得られた電気エネルギを使用して、海水を水素と酸素に分解する。なおこの本発明の場合は、太陽光発電システム3によって得られた電気エネルギを使用して海水を淡水化する淡水化装置8を備え、淡水を電気分解するように構成されている。
【0016】
而して電気分解手段4によって得られた水素は、電気分解手段4に隣接して船体2上に設けられている水素貯蔵手段5に貯蔵される。水素貯蔵手段5としては、例えば水素ガスを液化して液体水素の状態で貯蔵する装置や、水素吸蔵合金がある。
【0017】
又上記の水素発電システム6は、ボイラー6aと、水蒸気タービン6bと、発電機6cとで構成されている。上記の淡水化装置8とボイラー6aとは、通水管9で接続され、本発明では淡水化装置8で生成した水をボイラー6aに供給可能に形成されている。又ボイラー6aと上記の水素貯蔵手段5とは、水素供給管10で接続され、水素貯蔵手段5から水素をボイラー6aに供給可能に形成されている。
従ってボイラー6aは、通水管9を介して供給される水を、水素供給管10を介して水素貯蔵手段5から供給される水素を燃料にして加熱し、高温高圧の蒸気を発生させるものである。又水蒸気タービン6bは、このボイラー6aから供給される水蒸気の運動エネルギを回転運動に変えるものであり、この水蒸気タービン6bの回転動力が発電機6cで電気エネルギに変換されるものである。
【0018】
推進機構7は、スクリュウ7a付きの推進機7bで構成されている。この推進機7bは、船体2の下面の両側に複数取り付けられ、太陽光発電システム3の発電によって得られた電気エネルギによってスクリュウ7aを回転させて船体2を推進させるよう構成されている。又この実施形態の場合、船体2は推進機7bの向きの変更により、推進方向が制御されるよう構成されている。又船体2は、図2に示されるように、乗務員の移動や緊急時等に使用するヘリポート11を備えてなる。
【0019】
本発明の発電プラント船1は、上記のように構成されているため、気象条件や季節によって太陽光を最も効率良く受光できる場所に移動し、先ず太陽光発電システム3で発電し、次にこの電気エネルギで海水を淡水化すると共に、電気分解手段4で水素と酸素を得る。
そして本発明は、水素を水素貯蔵手段5で貯蔵し、この水素を燃料にして水素発電システム6で電気エネルギを得る。具体的には、淡水化装置8から通水管9を介してボイラー6aに水を供給し、この水をボイラー6aで水素貯蔵手段5から供給される水素を燃料にして加熱し、高温高圧の水蒸気にする。そしてこの水蒸気の運動エネルギを水蒸気タービン6bで回転動力に変換し、この回転動力から発電機6cで電気エネルギを得る。
【0020】
以上の処において、本発明は、電気分解手段4で得られた水素を燃料にして発電する核融合発電装置12(図3参照)を備えてなるのでも良い。この場合は、核融合発電装置12と水素貯蔵手段5とを水素供給パイプ13で接続し、水素貯蔵手段5から供給する水素を燃料に核融合を起こさせ、電気エネルギを得る。
又この本発明の場合は、海水から重水素を取り出し、この重水素を核融合させて電気エネルギを生じさせるのでも良い。本発明の発電プラント船1は、本来、海上で発電するものである。従ってこれによれば、核融合の安全性に対する不安を解消でき、又重水素を海水から取り出す場合も、例えば汲み上げ配管等の設備の簡素化を図ることが可能になる。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の発電プラント船は、推進機構を備え、太陽光発電システムにより得られた電気エネルギを用いて水素を発生させ、この水素を貯蔵すると共に、水素を用いて発電するように構成しているものである。
従ってこれによれば、電力需要の多い時期に電気エネルギを適宜供給することが可能となり、又陸上での発電所の立地の問題を解決でき、環境汚染の問題も回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施形態を示す概略正面図である。
【図2】本発明の概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の要部構成図である。
【符号の説明】
1 発電プラント船
2 船体
3 太陽光発電システム
3a 太陽電池
4 電気分解手段
5 水素貯蔵手段
6 水素発電システム
6a ボイラー
6b 水蒸気タービン
6c 発電機
7 推進機構
7a スクリュウ
7b 推進機
8 淡水化装置
9 通水管
10 水素供給管
11 ヘリポート
12 核融合発電装置
13 水素供給パイプ
Claims (3)
- 推進機構を備えている船体に、太陽光を光電変換して電気エネルギを得る太陽光発電システムと、太陽光発電システムにより得られた電気エネルギを用いて海水を電気分解し、水素と酸素を得る電気分解手段と、この電気分解手段によって得られた水素を貯蔵する水素貯蔵手段とを備え、上記の船体に、水素貯蔵手段に貯蔵されている水素を用いて発電する水素発電システムが設けられていることを特徴とする発電プラント船。
- 請求項1記載の発電プラント船であって、太陽光発電システムにより得られた電気エネルギを用いて海水を淡水化する淡水化装置を備え、水素発電システムが、水素で水を加熱し高温高圧の蒸気を発生するボイラーと、このボイラーから供給される水蒸気の運動エネルギを回転運動に変える水蒸気タービンと、この水蒸気タービンの回転動力を電気エネルギに変換する発電機とで構成され、上記の淡水化装置とボイラーとが通水管で接続され、淡水化装置で生成される水がボイラーに供給可能に形成されていることを特徴とする発電プラント船。
- 請求項1又は2記載の発電プラント船であって、電気分解手段で得られた水素を燃料にして発電する核融合発電装置を備えてなることを特徴とする発電プラント船。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002373548A JP2004203166A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 発電プラント船 |
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JP2002373548A JP2004203166A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 発電プラント船 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004203166A true JP2004203166A (ja) | 2004-07-22 |
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ID=32811797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002373548A Pending JP2004203166A (ja) | 2002-12-25 | 2002-12-25 | 発電プラント船 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2004203166A (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100680627B1 (ko) | 2005-05-02 | 2007-02-08 | 박재욱 | 해상 화력 발전소 |
KR100766185B1 (ko) | 2005-05-18 | 2007-10-10 | 박재욱 | 해상 복합화력 발전소 |
WO2010137827A3 (ko) * | 2009-05-26 | 2011-03-24 | 대우조선해양 주식회사 | 바지선 장착식 해수담수화 플랜트 및 그 설치방법 |
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