JP2004196206A - アウターミラー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】自動車の車体Aの側面からその側方に向かって張り出すミラーベース10と、車体Aとの間に間隙Sを形成してミラーベース10に吊設されたミラーハウジング20とを備える。ミラーベースは、車体のサイドウインドウSWの前端部に取付可能な取付板を含むか、フロントウインドウWの脇に設けられたピラーP又は車体のサイドウインドウSWを仕切る縦枠、また、車体のサイドウインドウの前端部の三角コーナー部Cを囲う枠部の開口部上方に取り付けられる。
【選択図】 図1
Description
【産業上の利用分野】
本発明は、自動車のサイドドアー付近に付設されるアウターミラーに関する。特に、斬新な構造でかつ機能性を備えたアウターミラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアウターミラーとしては、一般的に、サイドドアーのサイドウインドウの前端部の三角コーナー部から車体側方へ張り出したミラーベースと、後方視認用のミラーを備え、前記ミラーベースに支持されたミラーハウジングとを有するものが知られている。このアウターミラーは、ミラーハウジングが、ミラーベースにより下側から支持された構造となっている。これに対し、図14に示すように、ミラーハウジングがミラーハウジングの上部側で支持された構造のアウターミラーも提案されている。このものは、ミラーベース1の上部に突設された揺動支持部1bにミラーハウジング2が揺動自在に支持されており、車体への取り付けは、図15に示すように、サイドドアー3のサイドウインドウ4の前端部にある三角コーナー部5にミラーベース1が取り付けられることにより行われる(特許文献1参照)。
【0003】
また、この他のアウターミラーの従来技術としては、図16に示すように、図示しない車体に接合されるミラーベース6の上部と側部とで、後方視認用のミラー7が設けられたミラーハウジング8を支持したものがある(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平10−315928号公報([0015]−[0041],図1−図15)
【特許文献2】
実開平6−65095号公報([0006]−[0009],図1−図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のアウターミラーには以下のような問題があった。
(1)特許文献1に開示されたアウターミラーは、ミラーハウジング2の、車体側に向いている側部2aの全体がミラーベース1の内側に摺接して塞がれており、ミラーベース1からミラーハウジング2にわたって一体的な重量感のあるデザインとなっているため、取付け車種が限定されてしまうということがあった。また、特許文献2に開示されたアウターミラーは、特許文献1のものに比べてミラーベース6の下部6aが切り欠かれているものの、ミラーハウジング8の側部8aがミラーベース6に接して塞がれたものとなっており、さらにミラーベース6の上部6bも分厚くなっているので、このものもデザイン的に重量感があり、特許文献1のものと同様に取付け車種が限定されやすかった。
(2)特許文献1,2のものはいずれも、上述したように、ミラーハウジング2,8の、車体側に向いている側部2a,8aがミラーベース1,6で塞がれて隠れてしまっているので、この部分を活用することができなかった。
(3)自動車走行時、走行風はアウターミラーで乱れやすくなり、その乱れた走行風の流れがサイドウインドウに当たると、このサイドウインドウの表面で圧力変動が生じて、風切り音を発生し、これが車内への騒音となって聞こえる。上述した特許文献1に開示されたアウターミラーは、ミラーハウジング2の車体側側部2aの全体が、ミラーベース1の内側に摺接して塞がれた構造となっており、ミラーベース1からミラーハウジング2にわたって、走行風の抜け道が設けられていないため、走行風がアウターミラーで乱されやすくなり、風切り音による騒音が大きくなりやすかった。一方、特許文献2に開示されたアウターミラーは、ミラーベース6の下部6aが切り欠かれていてその部分を走行風が流れるが、その切欠きは、ミラーハウジング8の上下方向の大きさに比べて小さく浅いため、スムーズな走行風の通過が期待できず、このものも風切り音による騒音が生じやすい。
(4)特許文献1に開示されたアウターミラーには、上述したように、走行風の抜け道が設けられていなかったので、アウターミラー後方にエアーポケットが形成されやすくなり、雨天走行時には、アウターミラー側方のサイドウインドウに、走行風で吹き飛ばされない雨水が残留しやすかった。一般的に、アウターミラー付近の走行風は、車体前方の下方から車体後方の上方へ向けて斜めに流れるため、サイドウインドウにおける上述した雨水の残留しやすいエリアは、アウターミラーの側方のやや上方位置となり、運転席からアウターミラーを視認したときの視線に重なりやすくなる。このため、雨天時にはアウターミラーの視認性が低下しやすかった。また、特許文献2に開示されたアウターミラーでは、切欠き部分を通って走行風が流れるが、その切欠きは小さく浅いため、雨天時にサイドウインドウに付着した雨水が走行風で十分に吹き飛ばされるに至らなかった。したがって、このものも雨天時にはアウターミラーの視認性が低下しやすかった。
(5)近年、衝突時の安全性を確保するために、フロントウインドウの脇に設けられているピラーは、補強されて太く形成される傾向にあり、このピラーの存在による車体側方の死角も大きくなる傾向にある。特許文献1に開示されたアウターミラーは、上述のようにミラーベース1からミラーハウジング2にわたって、切り欠きなどもない一体的な構造となっているため、サイドウインドウ4の前端部の三角コーナー部5に取り付けられると、三角コーナー部5からアウターミラー全体にわたる部分が側方視認の障害となってしまい、そこに死角が形成されてしまう。
すなわち、このアウターミラーでは、車体側方に、上述したピラーと三角コーナー部5とアウターミラー自身とによる連続した大きな死角が形成されてしまうこととなり、車両側方の視認性が悪くなりやすかった。
仮に、このアウターミラーが、三角コーナー部5を避けて、その上方や下方にずらした位置に取り付けられるようになっていれば、三角コーナー部5が塞がれなくなり、その分、死角が減じられることとなるが、そのようにすると、次のような別の問題を生じる。
すなわち、三角コーナー部5を避けてアウターミラーを上方にずらして固定したとすると、ミラーの位置もこれに伴って上方に移動するため、運転者は、アウターミラーにより後方を確認する際に、従来から慣れている通常の位置よりも高く視線を移動しなければならなくなり、違和感を生じやすくなる。また、逆に、三角コーナー部5を避けてアウターミラーを下方にずらして固定したとすると、これに伴ってミラーの位置が低くなってしまうため、ミラーを元の位置に保持するために支持部等を高く形成しなければならず、アウターミラーが大型化してしまう。したがって、これらのようなアウターミラーの取付け態様は、現実的ではなかった。
また、特許文献2に開示されたアウターミラーは、ミラーベース6の下部6aが切り欠かれているので特許文献1のものよりも車体側方の空間に占める割合は幾分小さくなるが、このものも上述した三角コーナー部に取り付けられると、車体側方に、ピラーと三角コーナー部とアウターミラーとによる連続した大きな死角が形成されやすくなり、車両側方の視認性が悪くなりやすかった。
【0006】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、種々の車体に適合可能な軽量感を備えているとともに、ミラーハウジングの車体側に向いている側部を活用することができ、また、風切り音による騒音を低減させることができるとともに、雨天時の視認性を高めることができ、さらに、アウターミラーを取り付けることによって隠れて見えなくなる車体側方の死角を減少させることができるアウターミラーを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1に記載のアウターミラーは、自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースと、後方視認用のミラーが設けられ、前記車体との間に間隙を形成して前記ミラーベースに吊設されたミラーハウジングとを具備したことを特徴とする。
【0008】
このようなアウターミラーによれば、アウターミラーは、自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースにミラーハウジングが吊設された構造(以下、上吊り式という。)となっており、しかも、ミラーハウジングは車体との間に間隙を形成してミラーベースに吊設され、車体とミラーハウジングとの間が空いた構造となっているので、デザイン的に軽やかであり、取付け車種が限定されにくくなる。
また、ミラーハウジングはミラーベースに吊設されており、しかも、車体とミラーハウジングとの間が間隙により空いているので、ミラーハウジングの車体側に向いている側部が従来のようにミラーベースで隠れてしまうということがなくなり、車体側に向けて露出した状態となる。したがって、このミラーハウジングの側部を有効に活用することができるようになる。
さらに、間隙は、車体とミラーハウジングとの間に形成されているので、ミラーハウジングの車体側の側方はこの間隙によって広く空いた状態となる。したがって、自動車走行時にアウターミラーへ流れてくる走行風の一部をこの間隙を通じて車体後方へ向けてスムーズに通過させることができる。これにより、アウターミラーによる走行風の乱れが低減され、風切り音の発生による騒音が低減されることとなる。
しかも、雨天走行時には、この間隙を通じて流れる走行風により、サイドウインドウに付着した雨水を吹き飛ばすことができるようになり、ミラーの視認性を高めることができる。この場合、アウターミラーは上吊り式であるので、ミラーハウジング側方のサイドウインドウに流れる走行風がベース部で遮られるということがないという利点が得られる。アウターミラー付近では車体前方の下方から車体後方の上方へ向けて斜めに走行風が流れるため、仮に、アウターミラーが従来のような下支持タイプのものであるとすると、車体後方上方へ向けて斜めに流れる走行風をベース部が塞いでしまい、運転席からアウターミラーを視認したときの視線に重なるエリアに雨水が残留しやすくなる。このため、雨天走行時にはアウターミラーの視認性が低下しやすくなる。これに対して、請求項1記載のアウターミラーは、上吊り式となっているので、車体の下方から上方へ向けて斜めに流れる走行風がベース部で遮られることがなくなり、サイドウインドウに向けて良好に流れる。したがって、サイドウインドウの雨水が吹き飛ばされやすくなり、運転席からアウターミラーをクリアーに見ることができる。したがって、上吊り式で、かつ、間隙が形成されていることによる相乗効果により、ミラーの視認性をより一層高めることが可能となる。
【0009】
また、請求項2に記載のアウターミラーは、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、ミラーベースは、サイドウインドウの前端部に取付可能な取付板を含むので、この取付板を用いることによりサイドウインドウの前端部にアウターミラーを取り付けることができるようになる。したがって、車体への組み付けが行いやすくなるとともに、ミラーベースが取付板を含む構成となるので、組付け剛性を高めることができるようになる。
【0010】
また、請求項3に記載のアウターミラーは、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、ミラーベースは、車体のフロントウインドウの脇に設けられたピラー又は車体のサイドウインドウに設けられた縦枠に取り付けられていることを特徴とする。
【0011】
このようなアウターミラーによれば、ミラーベースが、車体のフロントウインドウの脇に設けられたピラー又は車体のサイドウインドウに設けられた縦枠に取り付けられるので、アウターミラーの取り付けに際して、サイドウインドウの前端部を利用しなくて済むようになる。これにより、サイドウインドウの前端部の三角コーナー部を車体側方視認用の窓として利用することができるようになる。したがって、車体側方の死角が減少され、車両側方の視認性を高めることができる。
さらに、アウターミラーは上吊り式であるとともに、車体とミラーハウジングとの間には間隙が形成されているので、アウターミラーをピラーに取り付けた際に、三角コーナー部を通じて見える視界に、ピラーから車体側方に張り出したミラーベースやミラーハウジングが重なりにくくなり、視界が減じられにくくなる。これにより、三角コーナー部の近傍の、従来と略同じ位置にミラーハウジングを配置することができるようになり、運転者は、従来と変わらない通常の慣れた視線でミラーを見ることが可能となる。また、三角コーナー部を通じて車体側方の下視も可能となる。
【0012】
さらに、請求項4記載のアウターミラーは、請求項1に記載のアウターミラーにおいて、車体のサイドウインドウの前端部には、この前端部を囲う状態に枠部が設けられており、ミラーベースは、この枠部により形成される開口部の上方において、枠部に取り付けられていることを特徴とする。
【0013】
このようなアウターミラーによれば、サイドウインドウの前端部(三角コーナー部)を囲う状態に設けられた枠部を用いてミラーベースをサイドウインドウの前端部に取り付けることができ、枠部の開口部を車体側方視認用の窓として利用することができる。しかも、ミラーベースは、枠部の開口部の上方において枠部に取り付けられるようになっているので、ミラーベースが開口部に重なりにくくなり、この開口部を通じて車体側方を確実に目視することができる。したがって、ミラーベースがサイドウインドウの前端部に取り付けられる構造であるにもかかわらず、車体側方の死角が減少されるという利点が得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、説明において、同一の要素には同一の符号を用い、重複する説明は省略する。また、以下の説明において、「前後」,「左右」,「上下」は、アウターミラーを車体に取り付けた状態を基準とする。
【0015】
(第一の実施形態)
図1は第一の実施形態に係るアウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図、図2は図1におけるアウターミラーの拡大斜視図、図3は図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。図1,2に示すように、アウターミラーは、取付板10aと張出部10bとを備えたミラーベース10と、ミラー23bが設けられたミラーハウジング20とを備え、ミラーハウジング20を車体Aとの間で間隙Sを形成してミラーベース10の張出部10bに吊設した上吊り式アウターミラーとして構成される。本実施形態では、ミラーベース10の取付板10aが三角形に形成されており、サイドウインドウSWの前端部の三角コーナー部Cに取り付けられるようになっている。ミラーハウジング20は、後述する駆動ユニットによりミラーベース10に対して略垂直軸回りに回動して、格納と使用位置への復帰とを行うようになっている。
また、ミラーハウジング20の車体側の側方は間隙Sによって広く空いた状態となっており、これが自動車走行時の走行風の流路となっている。なお、アウターミラーは、車体Aの左右のサイドウインドウSW,SWの三角コーナー部C,Cに一対取り付けられる。
【0016】
このように、本実施形態のアウターミラーは、車体Aの側方に向かって張り出すミラーベース10の張出部10bにミラーハウジング20が吊設された上吊り式となっており、しかも、ミラーハウジング20は車体Aとの間に間隙Sを形成して張出部10bに吊設され、車体Aとミラーハウジング20との間が空いた構造となっているので、デザイン的に軽やかであり、取付け車種が限定されにくい。したがって、種々の車種に取り付けが可能である。
また、ミラーハウジング20の車体A側の側方は間隙Sによって広く空いた状態となっており、自動車走行時の走行風の流路となっているので、自動車走行時にアウターミラーへ流れてくる走行風の一部を、この間隙Sを通じて車体A後方へスムーズに通過させることができる。これにより、アウターミラーによる走行風の乱れが低減され、風切り音の発生による騒音が低減されることとなる。
しかも、雨天走行時には、この間隙Sを通じて車体後方へ流れる走行風により、サイドウインドウSWに付着した雨水を吹き飛ばすことができるようになり、ミラー23bの視認性を高めることができる。
【0017】
以下、各部について説明する。図3に示すように、ミラーベース10は全体が合成樹脂材により形成されており、取付板10aと、この取付板10aに一体的に形成された張出部10bとを備えている。取付板10aは、サイドウインドウSWの三角コーナー部Cに取り付け可能な三角形に形成されている。本実施形態では、図2に示すように、取付板10aの後部10a1が前方へ向けて下り傾斜状に形成されている。取付板10aの車体Aに対向する部位には、図3に示すように、三角枠形の取付ボス部10a2が設けられており、その中心部の図示しない孔を通じて後述するワイヤーハーネス24c等が車体A側に引き出されるようになっている。張出部10bは、取付板10aから車体Aの側方へ向けて張り出すベース本体11とカバー12とからなっており、その外形が略流線形に形成されている。ベース本体11にカバー12が被せられた状態で、その内部には、GPS(Global Positioning System)等に使用されるアンテナ13やワイヤーハーネス24c等が収納される広い空間が形成されるようになっている。カバー12は、図示しないパッキン等を介してベース本体11に被せられ、2本のねじ12a,12aによりベース本体11に固定される。これにより、張出部10bは水や塵埃等が内部に侵入しにくい構造となっている。
サイドウインドウSWの三角コーナー部Cには、図3において破線で示すように、前記ミラーベース10の取付板10aを取付固定するための三角形の取付座Zが設けられている。
【0018】
ミラーハウジング20は、一体的に構成されたサブアッセンブリ25と、下ハウジング26とから構成されている。サブアッセンブリ25は、フレーム21と、このフレーム21に対して取り付けられる、上ハウジング22、ミラーアッセンブリ23、および駆動ユニット24により構成される。ミラーハウジング20は、このような一体的なサブアッセンブリ25に、図3において下方向から下ハウジング26が被せられ、これが上ハウジング22に固定されることによって組み立てられる。なお、フレーム21、上ハウジング22、下ハウジング26はいずれも、剛性の高い合成樹脂材で形成される。
【0019】
上ハウジング22の上面には、孔22aが開口形成されており、この孔22aに、ミラーハウジング20の回動支軸となるシャフト24aに連結されたフランジ部24bが臨ませてある。
ミラーアッセンブリ23は、フレーム21に固定された鏡面調整用のアクチュエータ23aにミラー23b(図3においては背面側を図示。)が設けられており、アクチュエータ23aの駆動によりミラー23bが上下方向および左右方向に傾動自在に調整される。
駆動ユニット24は、図示しない駆動モータ、変速機構等をその内部に備え、その駆動がシャフト24aに伝達されるようになっている。この駆動ユニット24および上記アクチュエータ23aからのワイヤーハーネス24cは、シャフト24aを通してフランジ部24bの中央部に引き出されている。
下ハウジング26は、上述のようにサブアッセンブリ25に下方向から被せられ、3本のねじ22c,22c,22cにより上ハウジング22に固定される。下ハウジング26は、ミラー23bに対向する部分が開口形成されており、上ハウジング22に固定された状態で、この開口部26aにミラー23bの鏡面が傾動可能に臨むようになっている。
【0020】
このような構成よりなるミラーハウジング20は、張出部10bのベース本体11に設けられた孔11eに、ワイヤーハーネス24cを通してフランジ部24bをベース本体11の底面に当接させ、ねじ11g,11gをねじ孔11f,11fからねじ孔24d,24dに通して、これを締め付けることにより、ベース本体11に取り付けられる。なお、ワイヤーハーネス24cは、張出部10b内から端部11aのねじ部11bを通じてピラーP内に引き出され、図示しない車体A側のワイヤーハーネスと電気的に接続されるようになっており、これにより、ミラーハウジング20の格納や使用位置への復帰操作、ミラー23bの傾動操作が、運転席回りに配置された図示しないコントロールユニットにより行われるようになっている。
すなわち、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラーハウジング20の格納あるいは使用位置への復帰操作をすると、駆動ユニット24内の図示しない駆動モータが回転し、変速機構等を介してその駆動がシャフト24aに伝達され、ミラーハウジング20がシャフト24aを中心として、駆動モータの回転方向に合わせて回動する。これにより、ミラーハウジング20が格納位置あるいは使用位置へ回動する。また、運転席周りの図示しないコントロールユニットによりミラー調整の操作をすると、アクチュエータ23a内に収納された図示しない調整モータが駆動されて、ミラー23bが上下方向、左右方向に傾動し、ミラー23bの位置調整が行われる。
【0021】
図1,2に示したアウターミラーの間隙Sは、張出部10bやミラーハウジング20の大きさにより、また、張出部10bとミラーハウジング20との取付位置関係によって任意の大きさに設定することができる。具体的には、ミラーハウジング20を格納した状態で、アウターミラーの車幅方向の最外部となる部分が自動車の車幅を超えない範囲内で設定することができる。本実施形態では、ミラーハウジング20を使用位置へ復帰させた状態で、車体Aとミラーハウジング20との間に少なくとも幅約40mm程度の間隙Sが形成されるように各部を構成してある。
このようなアウターミラーは、ミラーベース10の取付板10aを車体A側の取付座Zに固定することにより、車体Aに取り付けられる。取付座Zへの固定は、3本の固定ボルト10c,10c,10cを車体A側から固定座Zに形成された3つの挿通孔Z1,Z1,Z1に挿通し、取付板10aの固定穴10d,10d,10dに螺合させて締め付けることにより行われる。
【0022】
このような構成によりなるアウターミラーによれば、サブアッセンブリ25に下ハウジング26を取り付ける際の組立作業、およびミラーベース10の張出部10bにミラーハウジング20を取り付ける際の組立作業を、上方向からのねじ止めでそれぞれ行うことができるので、組立作業が行いやすいという利点が得られる。また、組立後も、3本のねじ22c,22c,22cを外すだけで下ハウジング26をサブアッセンブリ25から簡単に取り外すことができるので、破損等により下ハウジング26を交換するような場合にも、修理工場やガソリンスタンド等において簡単に対処することができるようになる。
このように、下ハウジング26の交換が簡単にできるので、例えば、下ハウジング26を異なる材質で形成したり、他のカラーで塗装するなどして、アウターミラーのバリエーションを複数用意することにより、個性的なアウターミラーを楽しめるようなオプション等を設定することも可能になる。
【0023】
図4は本実施形態のアウターミラーが取り付けられた車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。同図において、アウターミラーは、三角コーナー部Cの取付座Zに取り付けられ、ミラーハウジング20に設けられたミラー23bには、車体後方の図示しない像が映っている。サイドウインドウSWの前部には、図中符号ARで表したような側方視認可能エリアが形成される。
したがって、サイドウインドウSWの前端部の三角コーナー部Cがアウターミラーの取り付けに伴って、塞がれた状態となっていても、図示しない運転者は、この側方視認可能エリアARを利用して車体側方を見ることができるようになる。すなわち、本実施形態のアウターミラーを採用することにより、車体側方には、従来のアウターミラーで形成されていたような、ピラーPと三角コーナー部Cとアウターミラー自身とによる連続した死角が形成されなくなる。これにより、車体側方の死角が減少し、車体側方の視認性が高まる。なお、取付板10aの後部10a1は、前方へ向けて下り傾斜状に形成されているので、その分、この側方視認可能エリアARのスペースが広くなっている。
【0024】
また、アウターミラーは上吊り式であるので、この側方視認可能エリアARの下部域がミラーベース10の張出部10bで塞がれることがなくなり、側方視認可能エリアARを利用した車体側方の下視も可能となる。
【0025】
しかも、雨天走行時には、ミラーハウジング20の側方に形成される間隙Sを通じて流れる走行風により、サイドウインドウSWに付着した雨水を吹き飛ばすことができるようになり、ミラー23bの視認性を高めることができる。この場合、アウターミラーは上吊り式であるので、ミラーハウジング20の側方のサイドウインドウSWに流れる走行風が張出部10bで遮られるということがないという利点が得られる。アウターミラー付近では、図中矢印aで示すように、車体Aの前方の下方から車体Aの後方の上方へ向けて斜めに走行風が流れるため、仮に、アウターミラーが従来のような下支持タイプのものであるとすると、上方へ向けて斜めに流れる走行風をミラーベースの張出部が塞いでしまい、運転席からアウターミラーを視認したときの視線に重なるエリアに雨水が残留しやすくなる。このため、雨天走行時にはアウターミラーの視認性が低下しやすくなる。
【0026】
これに対して、本実施形態のアウターミラーは、上吊り式となっているので、車体Aの下方から上方へ向けて斜めに流れる走行風(矢印a)がミラーベース10の張出部10bで遮られることがなくなり、サイドウインドウSWに向けて良好に流れる。したがって、サイドウインドウSWの雨水が吹き飛ばされやすくなり、運転席からアウターミラーをクリアーに見ることができる。したがって、上吊り式で、かつ、間隙Sが形成されていることによる相乗効果により、ミラー23bの視認性をより一層高めることが可能となる。
【0027】
(第二の実施形態)
図5は第二の実施形態に係るアウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図、図6は図5におけるアウターミラーの拡大斜視図、図7は図5に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。本実施形態のアウターミラーが前記第一の実施形態のアウターミラーと異なるところは、ミラーベース10がベース本体11とカバー12とから構成され、このようなミラーベース10が車体AのフロントウインドウWの脇に設けられたピラーPに固定された点にある。すなわち、本実施形態のミラーベース10は、前記第一の実施形態で説明した張出部10bのみから構成されている。なお、アウターミラーは、フロントウインドウWの両脇のピラーP,Pに一対取り付けられる。また、ここで言うピラーPには、上述したフロントウインドウWの両脇に接しているピラーPの他に、サイドウインドウSWのウインドウ枠の前部を構成している窓ピラーも含まれる。
【0028】
このように、本実施の形態のアウターミラーは、車体AのピラーPからその側方に向かって張り出すミラーベース10にミラーハウジング20が吊設された上吊り式となっており、しかも、ミラーハウジング20は車体Aとの間に間隙Sを形成してミラーベース10に吊設され、車体Aとミラーハウジング20との間が空いた構造となっているので、デザイン的に一層軽やかであり、取り付け車種が限定されにくい。したがって、種々の車種に取り付けが可能である。
さらに、ミラーベース10が、車体AのフロントウインドウWの脇に設けられたピラーPに取り付けられているので、サイドウインドウSWの前端部の三角コーナー部Cが開いた状態となり、この三角コーナー部Cを側部視認用の窓として用いることができるようになる。したがって、車体側方の死角がより一層減少されることとなり、車両側方の視認性をより高めることができる。
【0029】
図7に示すように、ミラーベース10は、合成樹脂製のベース本体11とカバー12とからなっており、その外形は略流線形に形成されている。カバー12は、図示しないパッキン等を介してベース本体11に被せられ、2本のねじ12a,12aによりベース本体11に固定されるようになっている。
【0030】
このようなミラーベース10は、ベース本体11の端部11aに形成されたネジ部11bを車体AのピラーPに形成された取付孔P1に挿通するとともに、端部11aに形成された突部11cをピラーPに形成された位置決め用孔P2に挿入して、ピラーPの背面側からネジ部11bに固定用ナット11dを螺合させて締め付けことにより、ピラーPから車体側方に張り出した状態に取り付けられる。なお、ミラーベース10は上述した螺合による固定によらず、接着剤等を用いた接着手段によってもピラーPに固定可能である。
【0031】
図5,6に示したアウターミラーの間隙Sは、ミラーベース10やミラーハウジング20の大きさにより、また、ミラーベース10とミラーハウジング20との取付位置関係によって任意の大きさに設定することができる。
【0032】
図8は本実施形態のアウターミラーが取り付けられた車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。同図において、ミラーベース10は、車体AのフロントウインドウWの脇に設けられたピラーPに取り付けられ、そのミラーハウジング20に設けられたミラー23bには、車体後方の図示しない像が映っている。ミラーベース10は、ピラーPに取り付けられているので、アウターミラーの取り付けに際して、サイドウインドウSWの前端部の三角コーナー部Cを利用しなくて済むようになる。これにより、この三角コーナー部Cを車体側方視認用の窓として利用することができるようになる。これにより、車体側方の死角をより一層減少させることができ、車両側方の視認性をより高めることができる。
【0033】
しかも、アウターミラーは上吊り式であるとともに、車体Aとミラーハウジング20との間には間隙Sが形成されているので、三角コーナー部Cを通じた視界に、車体側方に張り出したミラーベース10が重なりにくくなり、視界が減じられにくくなる。これにより、三角コーナー部Cの近傍の、従来と略同じ位置にミラーハウジング20を配置することができるようになり、運転者は、従来と何ら変わらない通常の慣れた視線でミラー23bを見ることが可能となる。また、三角コーナー部Cを通じて車体側方の下視も可能となる。
なお、間隙Sが広く形成されるようにミラーベース10,ミラーハウジング20を構成することにより、三角コーナー部Cを通じた視界をより広く設定することが可能となる。これにより、車体側方の視認性をより一層高めることができる。
【0034】
しかも、雨天走行時には、この間隙Sを通じて流れる走行風aにより、サイドウインドウSWに付着した雨水を吹き飛ばすことができるようになり、ミラー23bの視認性を高めることができる。
【0035】
(第三の実施形態)
図9は本発明の第三の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。本実施形態のアウターミラーが前記第一,第二の実施形態のアウターミラーと異なるところは、ミラーハウジング20の、車体A側に向いている側部20aを活用して、アウターミラーに付加機能を持たせた点である。すなわち、アウターミラーは上吊り式であるので、ミラーハウジング20の側部20aが従来のようにミラーベース10で隠れなくなり、車体A側に向けて全体が露出した状態となる。したがって、この側部20aを活用することが可能となる。なお、本実施形態以降の各実施形態では、前記第二の実施形態で説明したミラーベース10を採用している。
本実施形態では、ミラーハウジング20の側部20aに、左前車輪付近の車体直下および直左を運転席から確認することのできる凸面境(以下、直左ミラーという。)30を取り付けてある。
【0036】
直左ミラー30は、ミラーハウジング20の側部20aに形成された凹部20bに嵌め込まれ、接着剤等により固定されている。直左ミラー30には、同図に示すように、その上部側に、左前車輪付近の車体Aの像A’が映り込むようになっており、また、自動車を幅寄せした際に、道路の縁石E等が下部側に映り込むようになっている。図10に示すように、運転者Hは、この直左ミラー30を利用して、左前車輪付近の車体直下および直左を運転席から確認することができる。
このような直左ミラー30を利用した縁石E等への幅寄せは、例えば、次のようにして行う。まず、目標とする縁石Eに目視で自動車を近づけて減速する。次に、直左ミラー30を見ながらさらに減速しつつ縁石E側へ自動車を近づける。その後、直左ミラー30に縁石Eが映ったところで、ハンドルを若干戻し、直左ミラー30に映った車体Aの像A’が縁石Eと重なるところで、直進方向にハンドルを戻して停車する。これにより、縁石Eに自動車を近接させた状態で停車させることができる。
【0037】
上述した本実施形態のアウターミラーによれば、前記第一,第二の実施形態のところで説明したものに加え、ミラーハウジング20の側部20aが活用されて直左ミラー30が取り付けられているので、左前車輪付近の車体直下および直左を運転席から確認することができるようになり、車両側方の視認性をより一層高めることができる。
【0038】
(第四の実施形態)
図11は第四の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。本実施形態では、アウターミラーが車体AのサイドウインドウSWを仕切る縦枠40に取り付けられた構成としてある。
同図において、ミラーベース10は、車体AのサイドウインドウSWの縦枠40に取り付けられ、ミラーハウジング20に設けられたミラー23bには、車体後方の図示しない像が映っている。ミラーベース10は、サイドウインドウSWの縦枠40に取り付けられているので、アウターミラーの取り付けに際してサイドウインドウSWの三角コーナー部Cを用いなくて済むようになる。これによりサイドウインドウSWの三角コーナー部Cを車体側方視認用の窓として利用することができるとともに、サイドウインドウSWとミラーハウジング20との間隙Sを通じて、車体側方を見ることができるようになる。これにより、車体側方の広い範囲を見ることができるようになり、車両側方の視認性を高めることができる。
【0039】
(第五の実施形態)
図12は第五の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。本実施形態では、サイドウインドウSWの前端部の三角コーナー部Cを囲う状態に、枠部50が設けられており、この枠部50により形成される開口部50aの上方において、ミラーベース10が枠部50に取り付けられた構成となっている。
枠部50は、三角コーナー部Cを囲う略三角形状となっており、枠部50の中央部の開口部50aが車体側方視認用の窓を形成している。枠部50は、ミラーベース10と同様に合成樹脂材で形成されており、その前部50bがサイドドアー41のドアフレーム42(窓ピラー)に固定されているとともに、下部50cがサイドドアー41の前端上部43に固定されている。なお、枠部50はミラーベース10と一体的に形成してもよく、その場合には、この一体的な枠部50を三角コーナー部Cに対して固定するための図示しない車体側取付座を、三角コーナー部Cに予め設けておく。
【0040】
このようなアウターミラーによれば、サイドウインドウSWの三角コーナー部Cを囲う状態に設けられた枠部50を用いてミラーベース10を三角コーナー部Cに取り付けることができ、枠部50の開口部50aを車体側方視認用の窓として利用することができる。しかも、ミラーベース10は、枠部50の開口部50aの上方において枠部50に取り付けられるようになっているので、ミラーベース10が開口部50aに重なりにくくなり、この開口部50aを通じて車体側方を確実に目視することができる。すなわち、本実施形態のアウターミラーによれば、アウターミラーが三角コーナー部Cに取り付けられる構造であるにもかかわらず、車体側方の死角が減少され、車体側方の視認性を向上させることができる。
【0041】
また、前記した各実施形態に係るアウターミラーは、電動格納式であったが、これに限定されることはなく、手動格納式や固定式のものであっても差し支えない。
さらに、前記第一の実施形態で説明したミラーベース10の取付板10aは、例えば、図13に示す取付板10a’のように、側部視認用の窓となる開口部10eを設けても良い。この場合、取付座Z’には、取付板10a’の開口部10eに対応する大きさの開口部Z2が設けられる。
また、第二の実施形態において説明した直左ミラー30は、第一の実施形態で説明したアウターミラーのミラーハウジング20に対して設けることもできる。この場合においても、直左ミラー30を用いることにより、左前車輪付近の車体直下および直左を運転席から確認することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した通り、請求項1に記載の発明によれば、アウターミラーは、上吊り式となっており、しかも、ミラーハウジングは車体との間に間隙を形成してミラーベースに吊設され、車体とミラーハウジングとの間が空いた構造となっているので、デザイン的に軽やかであり、取付け車種が限定されにくくなる。
また、ミラーハウジングはミラーベースに吊設されており、しかも、車体とミラーハウジングとの間が間隙により空いているので、ミラーハウジングの、車体側に向いている側部が従来のようにミラーベースで隠れてしまうということがなくなり、車体側に向けて露出した状態となる。したがって、このミラーハウジングの側部を有効に活用することができるようになる。
さらに、間隙は、車体とミラーハウジングとの間に形成されているので、ミラーハウジングの車体側の側方はこの間隙によって広く空いた状態となる。したがって、自動車走行時にアウターミラーへ流れてくる走行風の一部を、この間隙を通じて車体後方へ向けてスムーズに通過させることができる。これにより、アウターミラーによる走行風の乱れが低減され、風切り音の発生による騒音が低減されることとなる。
しかも、雨天走行時には、この間隙を通じて流れる走行風により、サイドウインドウに付着した雨水を吹き飛ばすことができるようになり、ミラーの視認性を高めることができる。この場合、アウターミラーは上吊り式であるので、ミラーハウジング側方のサイドウインドウに流れる走行風がミラーベースで遮られるということがないという利点が得られる。アウターミラー付近では車体の下方から上方へ向けて斜めに走行風が流れるため、仮に、アウターミラーが下支持タイプのものであるとすると、上方へ向けて斜めに流れる走行風をベース部が塞いでしまい、運転席からアウターミラーを視認したときの視線に重なるエリアに雨水が残留しやすくなる。このため、雨天走行時にはアウターミラーの視認性が低下しやすくなる。これに対して、請求項1記載のアウターミラーは、上吊り式となっているので、車体の下方から上方へ向けて斜めに流れる走行風がミラーベースで遮られることがなくなり、サイドウインドウに向けて走行風が良好に流れる。したがって、サイドウインドウの雨水が吹き飛ばされやすくなり、運転席からアウターミラーをクリアーに見ることができる。したがって、上吊り式で、かつ、間隙が形成されていることによる相乗効果により、ミラーの視認性をより一層高めることが可能となる。
【0043】
また、請求項2に記載のアウターミラーによれば、ミラーベースは、サイドウインドウの前端部に対して取り付け可能な取付板を含むので、この取付板を用いることによりサイドウインドウの前端部にアウターミラーを取り付けることができるようになる。したがって、車体への組み付けが行いやすくなるとともに、ミラーベースが取付板を含む構成となっているので、組付け剛性を高めることができるようになる。
【0044】
また、請求項3に記載のアウターミラーによれば、ミラーベースが、車体のフロントウインドウの脇に設けられたピラー又は車体のサイドウインドウに設けられた縦枠に取り付けられるので、アウターミラーの取り付けに際して、サイドウインドウの前端部を利用しなくて済むようになる。これにより、サイドウインドウの前端部の三角コーナー部を車体側方視認用の窓として利用することができるようになる。したがって、車体側方の死角が減少され、車両側方の視認性を高めることができる。
さらに、アウターミラーは上吊り式であるとともに、車体とミラーハウジングとの間には間隙が形成されているのでので、アウターミラーをピラーに取り付けた際に、三角コーナー部を通じて見える視界に、ピラーから車体側方に張り出したミラーベースやミラーハウジングが重なりにくくなり、視界が減じられにくくなる。これにより、三角コーナー部の近傍の、従来と略同じ位置にミラーハウジングを配置することができるようになり、運転者は、従来と変わらない通常の慣れた視線でミラーを見ることが可能となる。また、三角コーナー部を通じて車体側方の下視も可能となる。
【0045】
また、請求項4記載のアウターミラーによれば、ミラーベースが取り付けられる枠部がサイドウインドウの前端部のを囲う状態に設けられており、ミラーベースは、この枠部により形成される開口部の上方において、枠部に取り付けられるようになっているので、この枠部を用いてミラーベースを三角コーナー部に取り付けることができるとともに、枠部の開口部を車体側方視認用の窓として利用することができる。したがって、ミラーベースが三角コーナー部に取り付けられる構造であるにもかかわらず、車体側方の死角が減少されるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態に係るアウターミラーが取り付けられた自動車の車体左側の斜視図である。
【図2】図1に示したアウターミラーの拡大斜視図である。
【図3】図1に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。
【図4】第一の実施形態のアウターミラーが取り付けられた車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図6】図5に示したアウターミラーの拡大斜視図である。
【図7】図5に示したアウターミラーの概略構造を示す分解斜視図である。
【図8】第二の実施形態のアウターミラーが取り付けられた車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図9】本発明の第三の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図10】直左ミラーを利用したときの運転者の視線を表した模式図である。
【図11】本発明の第四の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図12】本発明の第五の実施形態に係るアウターミラーが採用された車体左側の様子を運転席から見た斜視図である。
【図13】ミラーベースの変形例を示す斜視図である。
【図14】従来のアウターミラーの分解斜視図である。
【図15】図14に示したアウターミラーをサイドドアーに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図16】従来の他のアウターミラーを示す正面図である。
【符号の説明】
10 ミラーベース
10a 取付板
10b 張出部
11 ベース本体
20 ミラーハウジング
20a 側部
23b ミラー
40 縦枠
50 枠部
50a 開口部
A 車体
C 三角コーナー部
E 縁石
P ピラー
S 間隙
W フロントウインドウ
SW サイドウインドウ
Claims (4)
- 自動車の車体の側面からその側方に向かって張り出すミラーベースと、後方視認用のミラーが設けられ、前記車体との間に間隙を形成して前記ミラーベースに吊設されたミラーハウジングとを具備したことを特徴とするアウターミラー。
- 前記ミラーベースは、サイドウインドウの前端部に取付可能な取付板を含むことを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
- 前記ミラーベースは、前記車体のフロントウインドウの脇に設けられたピラー又は前記車体のサイドウインドウを仕切る縦枠に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
- 前記車体のサイドウインドウの前端部には、この前端部を囲う状態に枠部が設けられており、前記ミラーベースは、この枠部により形成される開口部の上方において、前記枠部に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のアウターミラー。
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CN111422130A (zh) * | 2020-05-21 | 2020-07-17 | 潍柴(重庆)汽车有限公司 | 一种外后视镜底座的固定结构 |
-
2002
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