JP2004195947A - サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2004195947A
JP2004195947A JP2002370856A JP2002370856A JP2004195947A JP 2004195947 A JP2004195947 A JP 2004195947A JP 2002370856 A JP2002370856 A JP 2002370856A JP 2002370856 A JP2002370856 A JP 2002370856A JP 2004195947 A JP2004195947 A JP 2004195947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective film
thermal head
recording medium
conductive film
groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002370856A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004195947A5 (ja
Inventor
Shigetaka Shintani
重孝 新谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2002370856A priority Critical patent/JP2004195947A/ja
Publication of JP2004195947A publication Critical patent/JP2004195947A/ja
Publication of JP2004195947A5 publication Critical patent/JP2004195947A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)

Abstract

【課題】保護膜を長期にわたり良好に機能させることができ、しかも記録媒体Mの搬送状態を安定させることが可能な高性能のサーマルヘッドを提供する。
【解決手段】基板1の上面に、複数の発熱抵抗体3を配列するとともに、該発熱抵抗体3に接続される電極パターン4を被着し、発熱抵抗体3及び電極パターン4を保護膜6で被覆してなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜6上にグランド電位に常時もしくは一時的に保持される導電膜7を被着させるとともに、前記発熱抵抗体3の配列の直上に位置する導電膜7に溝7aを設け、該溝7aより保護膜表面を露出させる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファクシミリやビデオプリンタ等の印画デバイスとして用いられるサーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ファクシミリやビデオプリンタ等の印画デバイスとしてサーマルヘッドが用いられている。
【0003】
かかる従来のサーマルヘッドは、例えば図7に示す如く、アルミナセラミックスからなる基板21の上面に複数の発熱抵抗体23及び該発熱抵抗体23に接続される電極パターン24を被着するとともに、発熱抵抗体23及び電極パターン13を保護膜26で被覆した構造のものが知られており、感熱紙やインクフィルム等の記録媒体Mを、発熱抵抗体23の真上に配置されるプラテンローラを用いてサーマルヘッドに対して押圧しつつ発熱抵抗体23上に搬送しながら、多数の発熱抵抗体23を外部からの画像データに基づいて個々に選択的にジュール発熱させるとともに、記録媒体Mを発熱抵抗体23上の保護膜表面に摺接させ、発熱抵抗体23の発した熱を、保護膜26を介して記録媒体Mに伝導させることによって印画を形成するようになっている。
【0004】
なお、前記保護膜26は、窒化珪素(Si34)やサイアロン(Si-Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた無機質材料から成り、発熱抵抗体23や電極パターン24を記録媒体Mの摺接による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する作用を為す。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−177158号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のサーマルヘッドにおいて、発熱抵抗体上に記録媒体Mが保護膜表面に繰り返し摺接されると、記録媒体Mの表面に付着した静電気の一部が保護膜26上に蓄積され、保護膜26と発熱抵抗体23との間で放電を起こして保護膜26が絶縁破壊してしまう。その結果、保護膜26としての機能が喪失されてしまう課題を有していた。
【0007】
そこで上記課題を解決すべく、保護膜26上にTaSiOやTaSiNO等の電気抵抗材料から成る導電膜を被着させ、該導電膜をグランド電位に保持することにより、記録媒体表面に付着した静電気を導電膜を介してグランドに逃がすことが提案されている。
【0008】
しかしながら、このような導電膜に対して記録媒体Mは表面が比較的粗いことから、プラテンローラからの押圧力が最も伝わり易い発熱抵抗体の直上及びその近傍において記録媒体Mと導電膜との摩擦力が特に大となり、それ故、かかる摩擦力によって記録媒体Mの一部が削れて多量の紙カスが発生し、かかる紙カスに記録媒体Mが引っ掛かって搬送状態が不安定となる新たな課題を誘発する。
【0009】
本発明は、上記2つの課題を同時に解決するために案出されたものであり、その目的は保護膜を長期にわたり良好に機能させることができ、しかも記録媒体Mの搬送状態を安定させることが可能な高性能のサーマルヘッド並びにサーマルプリンタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーマルヘッドは、基板の上面に、複数の発熱抵抗体を配列するとともに、該発熱抵抗体に接続される電極パターンを被着し、発熱抵抗体及び電極パターンを保護膜で被覆してなるサーマルヘッドにおいて、前記保護膜上にグランド電位に常時もしくは一時的に保持される導電膜を被着させるとともに、前記発熱抵抗体の配列の直上に位置する導電膜に溝を設け、該溝より保護膜表面を露出させたことを特徴とするものである。
【0011】
また本発明のサーマルヘッドは、前記溝より露出する保護膜表面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.03μm以下に設定されていることを特徴とするものである。
【0012】
更に本発明のサーマルヘッドは、前記溝内の保護膜及び溝近傍の導電膜が、発熱抵抗体上に配置されるプラテンローラに対して記録媒体を介して接していることを特徴とするものである。
【0013】
そして本発明のサーマルプリンタは、上述したサーマルヘッドと、該サーマルヘッド上に記録媒体を搬送するプラテンローラとを備えたことを特徴とするものである。
【0014】
本発明のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体を被覆する保護膜上にグランド電位に常時もしくは一時的に保持される導電膜を被着させるとともに、前記発熱抵抗体の配列の直上に位置する導電膜に溝を設け、該溝より保護膜表面を露出させたことから、記録動作時、記録媒体の表面に付着した静電気を、記録媒体が摺接される導電膜を介してグランドに逃がすことができる上に、プラテンローラからのサーマルヘッドに対する押圧力が最も大きくなり易い発熱抵抗体の直上領域で、比較的表面粗さが小さい保護膜表面に記録媒体を直に摺接させ、記録媒体とサーマルヘッドとの摩擦力を効果的に低減させることができる。従って、保護膜の絶縁破壊を有効に防止して保護膜を長期にわたり機能させることができる上、記録媒体の摺接による紙カスの発生を有効に防止して記録媒体を安定的に搬送させることが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの平面図、図2は図1のサーマルヘッドのX−X線断面図、図3は図2の要部拡大断面図であり、同図に示すサーマルヘッドは、大略的に、基板1の上面に、発熱抵抗体3や電極パターン4、保護膜6、導電膜7、電極配線8を設けた構造を有している。
【0016】
前記基板1は、アルミナセラミックス等の絶縁材料や、表面に酸化珪素膜あるいは窒化珪素膜が設けられた単結晶シリコン等の半導体材料により矩形状を成すように形成されており、その上面には、複数の発熱抵抗体3や電極パターン4、保護膜6、導電膜7、電極配線8等が設けられ、これらを支持する支持母材として機能する。
【0017】
このような基板1は、アルミナセラミックスからなる場合、例えば、アルミナ・シリカ・マグネシア等のセラミックス原料粉末に適当な有機溶媒・有機溶剤を添加・混合して泥漿状に成すとともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等を採用することによりセラミックグリーンシートを得、しかる後、該セラミックグリーンシートを矩形状に打ち抜いた上、高温(約1600℃)で焼成することによって製作される。
【0018】
また前記基板1の上面には、ガラス製の部分グレーズ層2が基板1の長手方向に帯状に被着され、その頂部付近には多数の複数の発熱抵抗体3が設けられる。
【0019】
前記部分グレーズ層2は、例えば曲率半径1mm〜4mmの断面円弧状をなすように形成されており、その頂部の厚みは20μm〜160μmに設定される。
【0020】
この部分グレーズ層2は、低熱伝導性(熱伝導率:0.7W/m・K〜1.0W/m・K)のガラスにより形成されているため、その内部で発熱抵抗体3の発する熱の一部を蓄積してサーマルヘッドの熱応答特性を良好に維持する作用、具体的には、発熱抵抗体3の温度を短時間で印画に必要な所定の温度まで上昇させる蓄熱層としての作用を為す。
【0021】
前記複数の発熱抵抗体3は、例えば600dpi(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列されており、各々がTaSiO系、TiSiO系、TiCSiO系等の電気抵抗材料から成っており、個々の発熱抵抗体3は主走査方向の幅が35μm、副走査方向の幅が70μmに形成されている。
【0022】
かかる複数の発熱抵抗体3は、その両端に接続される電極パターン4を介して外部からの電力が供給されるとジュール発熱を起こし、感熱紙に印画を形成するのに必要な温度、例えば150℃〜400℃の温度に発熱する。
【0023】
また、前記各発熱抵抗体3の両端に接続される電極パターン4は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属材料から成り、発熱抵抗体3の一端側に共通に接続される共通電極パターン4aと、発熱抵抗体3の他端側に個別に接続される個別電極パターン4bとで構成されており、共通電極パターン4aが所定の電位(例えば24V)に保持された電源端子(Vh1)に、個別電極パターン4bがドライバーIC5のスイッチング素子等を介してグランド電位(例えば0V)に保持した第1グランド端子(GND1)にそれぞれ接続され、ドライバーIC5のスイッチング素子のオン・オフを切り換えることにより発熱抵抗体3への通電が制御される。
【0024】
前記ドライバーIC5は、各々の回路形成面(下面)に、シフトレジスタやラッチ回路,スイッチング素子,端子等の電子回路が高密度に集積されており、スイッチング素子のオン・オフの切り換えによって複数の発熱抵抗体3を選択的に発熱させる作用を為す。
【0025】
かかるドライバーIC5としては、例えば、電子回路や端子を下面に有したフリップチップ型ICが用いられ、従来周知のフェースダウンボンディング、即ち、ドライバーIC5の端子を対応する電極パターン4上の端子に半田接合させることによってドライバーIC5が電極パターン4に電気的に接続される。
【0026】
尚、前記複数の発熱抵抗体3及び一対の電極パターン4は、従来周知の薄膜形成技術、具体的には、スパッタリング、フォトリソグラフィー技術、エッチング技術等を採用することにより所定パターンを成すように基板1の上面に被着・形成される。
【0027】
また前記ドライバーIC5は、例えば、従来周知のチョコラルスキー法(引き上げ法)を採用することにより、単結晶シリコンからなるインゴット(塊)を形成するとともに、これをダイヤモンドカッター等を用いて板状にスライスし、しかる後、該板体の一主面に従来周知の半導体製造技術を採用することにより、シフトレジスタやラッチ回路等の電子回路を高密度に集積させることによって製作される。
【0028】
一方、前記発熱抵抗体3及び電極パターン4上には保護膜6が被着されており、該保護膜6によって発熱抵抗体3や一対の電極パターン4が共通に被覆されている。
【0029】
前記保護膜6は、窒化珪素(Si34)や酸化珪素(SiO2)、サイアロン(Si-Al-O-N)等の耐磨耗性に優れた無機質材料から成り、発熱抵抗体3や電極パターン4、後述する電極配線8等を記録媒体Mの摺接による磨耗や大気中に含まれている水分等の接触による腐食から保護する作用を為す。
【0030】
尚、上述した保護膜6は、従来周知の薄膜形成技術、例えばCVD(ChemicalVapor Deposition)法やスパッタリング等を採用し、窒化珪素(Si34)や酸化珪素(SiO2)、サイアロン(Si-Al-O-N)等の無機質材料を発熱抵抗体3や電極パターン4、後述する電極配線8等の上面に5μm〜10μmの厚みに被着させることにより形成される。具体的には、スパッタリングを採用して窒化珪素(Si3N4)から成る保護膜6を形成する場合、スパッタリング装置のチャンバー内に、窒化珪素(Si3N4)の焼結体から成るターゲット材と、発熱抵抗体3や電極パターン等を被着させた基板1をそれぞれ配置させ、チャンバー内にアルゴンガスを導入しながらターゲット材と基板1との間に所定の電力を印加し、前記ターゲット材を基板1の所定領域にスパッタリングすることにより形成される。このとき、チャンバー内の圧力は0.4Pa〜0.6Paに、基板温度は150℃〜200℃に設定され、これによって保護膜6の表面粗さが算術平均粗さRaで0.03μm以下に設定される。
【0031】
そして、前記保護膜6上には、発熱抵抗体3の配列領域にわたって導電膜7が被着されている。
【0032】
前記導電膜7は、TaSiOやTaSiNO等のSi,C,Ta系の電気抵抗材料等(比抵抗5×10-4Ω・cm〜2×104Ω・cm)により主走査方向にわたり帯状に形成されており、また発熱抵抗体3の配列の直上領域には溝7aが形成され、該溝7aより保護膜6の表面が露出している。
【0033】
このような導電膜7は、その一端が電極配線8を介してグランド電位(例えば0V)に保持される第2グランド端子(GND2)に接続されており、これによって導電膜7はグランド電位に常時保持された状態となっている。
【0034】
このため、記録動作時、プラテンローラ等を用いて発熱抵抗体3上に搬送される記録媒体Mに多量の静電気が蓄積していたとしても、記録媒体Mの一部が導電膜7に接触する際に、記録媒体Mの表面に付着した静電気が導電膜7を介してグランドに逃がされることとなる。従って、保護膜6に多量の静電気が蓄積することはほとんどなく、保護膜6の絶縁破壊を有効に防止して保護膜6を長期にわたり良好に機能させることができる。
【0035】
しかも、前記導電膜7には、上述した如く、発熱抵抗体3の配列の直上領域に溝7が形成されており、該溝7より保護膜表面が露出していることから、プラテンローラからのサーマルヘッドに対する押圧力が最も大きくなり易い発熱抵抗体3の直上領域で、比較的表面粗さが小さい保護膜表面(表面粗さ:算術平均粗さRaで0.03μm以下)に記録媒体Mを直に摺接させ、記録媒体Mとサーマルヘッドとの摩擦力を効果的に低減させることができる。従って、記録媒体Mの摺接による紙カスの発生を有効に防止して記録媒体Mを安定的に搬送させることが可能となる。
【0036】
ここで、溝7aより露出する保護膜の表面粗さが算術平均粗さRaで0.03μmよりも大きいと、プラテンローラのサーマルヘッドに対する押圧力が特に強い場合、記録媒体Mにスティッキングが生ずる場合がある。また保護膜の表面粗さは算術平均粗さRaで0.005μmよりも小さくすることは困難であることから、保護膜の表面粗さは算術平均粗さRaで0.005μm〜0.03μmの範囲に設定しておくことが好ましい。
【0037】
また、前記溝7aの副走査方向の幅は、発熱抵抗体3の副走査方向の幅に対して3倍〜6倍に設定することが好ましく、前記溝7aの副走査方向の幅が発熱抵抗体3の副走査方向の幅に対して3倍よりも小さいと、保護膜6が露出する面積が狭いため、プラテンローラのサーマルヘッドに対する押圧力が特に強い場合、記録媒体Mとサーマルヘッドとの摩擦力の低減効果が小さくなる傾向にあり、一方、前記溝7aの副走査方向の幅が発熱抵抗体3の副走査方向の幅に対して6倍よりも大きいと、記録動作時、記録媒体と導電膜7とが接触しにくくなり、記録媒体の静電気を導電膜を介して逃がしにくくなることがある。従って、前記溝7aの副走査方向の幅を、発熱抵抗体3の副走査方向の幅に対して3倍〜6倍に設定することが好ましい。
【0038】
また本実施形態において、図4、図5に示す如く、前記溝7’aの内側面を外側に傾斜させて溝7’aの開口面積を記録媒体M側に近づくにつれて漸次大きくなるようにしておけば、記録媒体Mが保護膜表面に接触しやすくなり、記録媒体Mとサーマルヘッドとの摩擦力低減効果を更に高めることができる上に、溝7’aと導電膜7’の表面とで形成される角部で記録媒体Mが傷つくことが有効に防止されるという利点がある。
【0039】
しかもこの場合、溝7’aの内側面と保護膜表面とが段差の少ない連続的な面となるため、記録媒体の摩擦による応力が溝7’aの内側面と保護膜表面との境界部に集中することが有効に防止され、溝7’aを起点とした導電膜7の剥離の発生をほとんど無くすことができる。
【0040】
尚、前記溝7’aの内側面は、垂直方向(基板1の上面と直交する方向)に対して60°〜85°傾斜させることが好ましく、前記溝7’aの内側面の傾斜角度が上記範囲よりも小さいと、プラテンローラのサーマルヘッドに対する押圧力が特に強い場合に、溝7’aと導電膜7’の表面とで形成される角部で記録媒体Mが傷つくことがあり、また前記溝7’aの内側面の傾斜角度が上記範囲よりも大きいと、溝7’aの加工が困難となる。
【0041】
上述した導電膜7は、前記保護膜6と同様に、従来周知の薄膜形成技術、例えばCVD法やスパッタリング等を採用し、TaSiOやTaSiNO等の電気抵抗材料を保護膜6の上面の所定領域に0.02μm〜0.2μmの厚みに被着させることにより形成され、しかる後、従来周知のフォトリソグラフィー技術及びエッチング技術を採用することにより導電膜7の所定領域に溝7aが形成される。このように形成された導電膜7の表面粗さは算術平均粗さRaで0.05μm〜0.08μmとなる。尚、前記溝7aの形成は、エッチング技術の他、ラッピングフィルムを導電膜の表面に対して発熱抵抗体の直上領域にわたって研磨することによっても行われる。
【0042】
一方、前記導電膜7の一端に電極配線8は、アルミニウム(Al)や銅(Cu)等の金属材料により所定パターンに形成されており、導電膜7を第2グランド端子(GND2)に接続して導電膜7をグランド電位に保持する作用を為す。かかる電極配線8は、上述した電極パターン4と同様の方法により同時に形成される。
【0043】
そして、上述のようなサーマルヘッドが組み込まれるサーマルプリンタは、図6に示す如く、プラテンローラ9と、搬送ローラ10a、10b、10c、10dとを含んで構成されている。
【0044】
前記プラテンローラ9は、SUS等の金属から成る軸芯の外周にブタジエンゴム等を3mm〜15mm程度の厚みに巻きつけた円柱状の部材であり、サーマルヘッドTの発熱抵抗体3上に回転可能に支持され、記録媒体Mを発熱抵抗体3上の保護膜表面に押圧しつつ記録媒体Mを副走査方向(図中の矢印方向)に搬送する。
【0045】
かかるプラテンローラ9は、その表面が前記溝7a内の保護膜表面及びその近傍の導電膜表面に対して記録媒体を介して接した状態にあり、これによって記録動作時、記録媒体が保護膜表面及び導電膜に対して同時に接触されることとなり、記録媒体に付着した静電気の除去と記録媒体の紙カスの発生防止とを同時に行うことができる。
【0046】
また前記搬送ローラ10a,10b,10c,10dは、その外周部が金属やゴム等によって形成されており、サーマルヘッドTに対し記録媒体Mの搬送方向上流側(ドライバーIC5側)と下流側(発熱抵抗体3側)に分かれて配設され、これらの搬送ローラ10a,10b,10c,10dと前述のプラテンローラ9とで記録媒体Mの走行を支持している。
【0047】
そして、これと同時に多数の発熱抵抗体3をドライバーIC5の駆動に伴い選択的にジュール発熱させ、これらの熱を保護膜6や導電膜7を介し記録媒体Mに伝導させることによって所定の印画が形成される。
【0048】
尚、本発明は上述の実施形態に特に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更・改良が可能である。
【0049】
例えば、上述の実施形態においては、前記導電膜7を常時、グランド電位に保持するようにしたが、これに代えて、前記導電膜7を一時的にグランド電位に保持するようにしても良い。
【0050】
また上述の実施形態において、前記導電膜7を発熱抵抗体3と同一材料により形成するようにしても良し、多層構造体にしても良く、後者の場合、最下層の比抵抗を1×107Ω・cm以上に成しておけば、導電膜の下地となる保護膜にピンホール等が多く発生していたとしても、導電膜と電極との間で電気的短絡を極めて良好に防止できる。
【0051】
更に上述の実施形態において、前記保護膜6を2層以上の多層構造にしてもよいことは言うまでもない。
【0052】
【発明の効果】
本発明のサーマルヘッドによれば、発熱抵抗体を被覆する保護膜上にグランド電位に常時もしくは一時的に保持される導電膜を被着させるとともに、前記発熱抵抗体の配列の直上に位置する導電膜に溝を設け、該溝より保護膜表面を露出させたことから、記録動作時、記録媒体の表面に付着した静電気を、記録媒体が摺接される導電膜を介してグランドに逃がすことができる上に、プラテンローラからのサーマルヘッドに対する押圧力が最も大きくなり易い発熱抵抗体の直上領域で、比較的表面粗さが小さい保護膜表面に記録媒体を直に摺接させ、記録媒体とサーマルヘッドとの摩擦力を効果的に低減させることができる。従って、保護膜の絶縁破壊を有効に防止して保護膜を長期にわたり機能させることができる上、記録媒体の摺接による紙カスの発生を有効に防止して記録媒体を安定的に搬送させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るサーマルヘッドの平面図である。
【図2】図1のサーマルヘッドのX−X線断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係るサーマルヘッドの断面図である。
【図5】図4の要部拡大断面図である。
【図6】図1のサーマルヘッドを用いて構成されたサーマルプリンタの概略図である。
【図7】従来のサーマルヘッドの断面図である。
【符号の説明】
1・・・基板
2・・・部分グレーズ層
3・・・発熱抵抗体
4・・・電極パターン
4a・・・共通電極パターン
4b・・・個別電極パターン
5・・・ドライバーIC
6・・・保護膜
7,7’・・・導電膜
7a,7’a・・・溝
8・・・電極配線
9・・・プラテンローラ
10a,10b,10c,10d・・・搬送ローラ
GND1・・・第1グランド端子
GND2・・・第2グランド端子
Vh1・・・電源端子
Vh2・・・第2電源端子
T・・・サーマルヘッド
SW・・・スイッチング手段
M・・・記録媒体

Claims (4)

  1. 基板の上面に、複数の発熱抵抗体を配列するとともに、該発熱抵抗体に接続される電極パターンを被着し、発熱抵抗体及び電極パターンを保護膜で被覆してなるサーマルヘッドにおいて、
    前記保護膜の上面に、グランド電位に常時もしくは一時的に保持される導電膜を被着させるとともに、該導電膜のうち、少なくとも発熱抵抗体の配列の直上領域に溝を設け、該溝より保護膜表面を露出させたことを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記溝より露出する保護膜表面の表面粗さが算術平均粗さRaで0.03μm以下に設定されていることを特徴とするサーマルヘッド。
  3. 前記溝内の保護膜及び溝近傍の導電膜が、発熱抵抗体上に配置されるプラテンローラに対して記録媒体を介して接していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のサーマルヘッド。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のサーマルヘッドと、該サーマルヘッド上に記録媒体を搬送するプラテンローラとを備えたサーマルプリンタ。
JP2002370856A 2002-12-20 2002-12-20 サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ Pending JP2004195947A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002370856A JP2004195947A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002370856A JP2004195947A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004195947A true JP2004195947A (ja) 2004-07-15
JP2004195947A5 JP2004195947A5 (ja) 2006-03-02

Family

ID=32766653

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002370856A Pending JP2004195947A (ja) 2002-12-20 2002-12-20 サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004195947A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7791625B2 (en) 2007-11-30 2010-09-07 Tdk Corporation Thermalhead, method for manufacture of same, and printing device provided with same
WO2012115231A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2014124835A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2015182447A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 京セラ株式会社 サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法、およびサーマルプリンタ

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7791625B2 (en) 2007-11-30 2010-09-07 Tdk Corporation Thermalhead, method for manufacture of same, and printing device provided with same
WO2012115231A1 (ja) * 2011-02-25 2012-08-30 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
US8803931B2 (en) 2011-02-25 2014-08-12 Kyocera Corporation Thermal head and thermal printer including the same
JP5744171B2 (ja) * 2011-02-25 2015-07-01 京セラ株式会社 サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2014124835A (ja) * 2012-12-26 2014-07-07 Kyocera Corp サーマルヘッドおよびこれを備えるサーマルプリンタ
JP2015182447A (ja) * 2014-03-26 2015-10-22 京セラ株式会社 サーマルヘッド、サーマルヘッドの製造方法、およびサーマルプリンタ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7502044B2 (en) Thermal head and thermal printer
JP2004195947A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2005047060A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタ
JP4163969B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ、並びにサーマルヘッドの製造方法
JP2004230583A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JPH11277781A (ja) サーマルヘッド
JP4360605B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP4163921B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2004175049A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ、並びに、サーマルヘッドの製造方法
JP3389394B2 (ja) サーマルヘッド
JP4051239B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2006035722A (ja) サーマルヘッド及びサーマルプリンタ
JP4360602B2 (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法、ならびにサーマルプリンタ
JP3545951B2 (ja) 感熱記録装置
JP2004175048A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP4284079B2 (ja) サーマルプリンタ
JP2003072125A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2010179551A (ja) サーマルヘッドおよびその製造方法
JP4309699B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP4666972B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP4721570B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2002356001A (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2004351797A (ja) サーマルヘッド及びその製造方法、並びにサーマルプリンタ
JP4458878B2 (ja) サーマルヘッド及びそれを用いたサーマルプリンタ
JP2001310489A (ja) 加熱体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20050516

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A521 Written amendment

Effective date: 20060111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

A977 Report on retrieval

Effective date: 20070413

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071109